JP2010180895A - センサ付車輪用軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 外方部材1と内方部材2の複列の転走面3,4間に転動体5を介在させてなる。複数の荷重検出用センサユニット20と、その出力信号を処理する信号処理用ユニット26と、出力信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブル27とを含む電子部品をリング状に接続したセンサ組立品28を、外方部材1と内方部材2のうちの固定側部材の外周面にこれと同心に取付ける。センサ組立品28をインボード側に向かって内径が拡大する筒状保護カバー29で覆い、そのインボード側端を固定側部材の外周面に嵌合させ、アウトボード側端をOリング30を介して固定側部材の外周面に取付ける。
【選択図】 図1
Description
この構成によると、荷重検出用の複数のセンサユニットと、信号処理用ICと、その出力信号の外部取り出し用の信号ケーブルとを含む電子部品をリング状に接続してなるセンサ組立品を、外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周面に固定側部材と同心に取付けると共に、このセンサ組立品をインボード側に向かって内径が拡大する筒状の保護カバーで覆っている。この保護カバーのインボード側端を固定側部材の外周面に嵌合させ、保護カバーのアウトボード側端をシールリングを介して固定側部材の外周面に取付けているので、センサ組立品を保護カバーで被覆できて、外部環境の影響によるセンサの故障を防止して、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり正確に検出できる。例えば、外部からの飛び石や泥水,塩水等から、センサユニット,信号処理用IC,信号ケーブル等の電子部品を確実に保護することができる。また、信号ケーブルの配線処理やセンサユニットの組付けも容易となる。
前記固定側部材が前記外方部材である場合は、前記保護カバーは外方部材の外周面に取付けられるが、その場合、保護カバーを取付け易くて、保護カバーによるセンサ組立品の保護が行い易い。
車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材(例えば外方部材)にも荷重が印加されて変形が生じる。センサユニットにおける歪み発生部材が固定側部材に接触固定されているので、固定側部材の歪みが歪み発生部材に拡大して伝達され、その歪みがセンサで感度良く検出され、荷重を精度良く推定できる。
固定側部材に固定されるセンサユニットの歪み発生部材の各接触固定部の軸方向寸法が異なると、固定側部材から接触固定部を介して歪み発生部材に伝達される歪みも異なる。センサユニットの歪み発生部材の各接触固定部を、このように軸方向に同寸法となるように設けると、歪み発生部材に歪みが集中しやすくなり、それだけ検出感度が向上する。また、センサユニットが固定側部材において、同一軸方向位置に並ぶことになるので、その軸方向位置に保護カバーを設けるだけで全てのセンサユニットを覆うことができ、保護カバーをコンパクトに構成することができる。
この組立方法によると、固定側部材に取付けたセンサ組立品を保護カバーで覆ったセンサ付車輪用軸受を、容易に組み立てることができる。
この発明のセンサ付車輪用軸受の組立方法は、この発明のセンサ付車輪用軸受を組み立てる組立方法であって、前記固定側部材の単体の状態、または固定側部材に前記転動体を組み付けた状態で、前記固定側部材の外周面に前記センサ組立品および弾性体のシールリングを取付け、前記保護カバーを固定側部材の外周面に圧入した後、軸受を組み立てることとしたため、固定側部材に取付けたセンサ組立品を保護カバーで覆ったセンサ付車輪用軸受を、容易に組み立てることができる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔16が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
このセンサ付車輪用軸受から得られた検出荷重を車両制御に使用することにより、自動車の安定走行に寄与できる。また、このセンサ付車輪用軸受を用いると、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
この場合、外方部材1の外径面におけるセンサユニット20が設けられる上面部および下面部は、図11のように車体取付用フランジ1aにおける左右に隣り合う突片1aa間の間隔Aの中間位置とするのが望ましい。また、外方部材1の外径面におけるセンサユニット20が設けられる右面部および左面部も、図11のように車体取付用フランジ1aにおける上下に隣り合う突片1aa間の間隔Bの中間位置とするのが望ましい。このように、センサユニット20の固定位置を設定すると、ヒステリシスの原因となるナックルボルトを中心とした横滑りの影響を小さくでき、それだけ歪みセンサ22の出力信号に生じるヒステリシスが小さくなり、荷重をより精度良く推定できる。
1d…保護カバー嵌着用溝
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
20…センサユニット
21…歪み発生部材
21a…接触固定部
21b…切欠き部
22…歪みセンサ
26…信号処理用IC
27…信号ケーブル
27a…信号ケーブルの引き出し部
28…センサ組立品
29…保護カバー
29c…内向きフランジ
30…Oリング(シールリング)
31…突条
32…保護カバーの切欠き部
33…外方部材の切欠き部
Claims (18)
- 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周面に固定される荷重検出用の複数のセンサユニットと、このセンサユニットの出力信号を処理する信号処理用ICと、処理された前記出力信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブルとを含む電子部品をリング状に接続してなるセンサ組立品を、前記固定側部材の外周面に固定側部材と同心に取付けると共に、このセンサ組立品をインボード側に向かって内径が拡大する筒状の保護カバーで覆い、この保護カバーのインボード側端を固定側部材の外周面に嵌合させ、保護カバーのアウトボード側端を弾性体のシールリングを介して固定側部材の外周面に取付けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1において、前記固定側部材は前記外方部材であるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1または請求項2において、前記保護カバーは、インボード側が大径となる段付円筒状であるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記保護カバーの材料が金属材料または樹脂材料であるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記保護カバーの全体が樹脂材料からなり、そのインボード側端の前記固定側部材の外周面への嵌合部に金属材料が埋め込まれているセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記固定側部材の外周面のアウトボード側に周方向に延びる溝を設け、この溝に前記シールリングを嵌着したセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記保護カバーのアウトボード側端に内向きフランジを形成すると共に、前記固定側部材の外周面に周方向に延びて前記保護カバーの内向きフランジと軸方向に対向する突条を設け、この突条と前記保護カバーの内向きフランジとで前記シールリングを挟み付けるものとしたセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記シールリングがゴム材料からなるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記固定側部材の外周面および前記保護カバーの互いに嵌合する嵌合部のうち、少なくともいずれか一方の嵌合部の一部に、前記信号ケーブルの前記保護カバーからの引き出し部が引き出される切欠き部を設け、信号ケーブル引き出し部が前記切欠き部から引き出される部分にシール材を充填したセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記センサ組立品におけるセンサユニットおよび信号処理用ICが前記保護カバー内における前記固定側部材の外周面に固定されているセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項10のいずれか1項において、前記保護カバーの内部に弾性充填材が充填されているセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項11のいずれか1項において、前記固定側部材の外周面に防錆処理が施されているセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項12のいずれか1項において、前記センサユニットは、前記固定部材の外周面に接触して固定される歪み発生部材と、この歪み発生部材に取付けられて歪み発生材の歪みを検出する1つ以上の歪みセンサを有し、歪みセンサの出力信号から固定側部材の変形を検出して、車輪用軸受に印加された荷重を検出するものであるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項13において、前記歪み発生部材は前記固定側部材の外周面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有し、これら接触固定部を、前記固定側部材の軸方向に対して同じ位置に設けたセンサ付車輪用軸受。
- 請求項14において、前記歪み発生部材は、平面概形が帯状で側辺部に切欠き部を有する薄板材からなるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項13ないし請求項15のいずれか1項において、前記歪み発生部材は、前記固定側部材に作用する外力、またはタイヤと路面間に作用する作用力として、想定される最大の力が印加された状態においても塑性変形しないものとしたセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項16のいずれか1項において、前記センサユニットを、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外周面の上面部、下面部、右面部、および左面部に配置したセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項17のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受の組立方法であって、前記固定側部材の単体の状態、または固定側部材に前記転動体を組み付けた状態で、前記固定側部材の外周面に前記センサ組立品および弾性体のシールリングを取付け、前記保護カバーを固定側部材の外周面に圧入した後、軸受を組み立てることを特徴とするセンサ付車輪用軸受の組立方法。
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