JP5171589B2 - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
自動車の各車輪にかかる荷重を検出する技術として、車輪用軸受の固定輪である外輪のフランジ部外径面の歪みを検出することにより荷重を検出するセンサ付車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。また、車輪用軸受の外輪に歪みゲージを貼り付け、歪みを検出するようにした車輪用軸受も提案されている(例えば特許文献2)。
さらに、歪み発生部材およびこの歪み発生部材に取付けた歪みセンサからなるセンサユニットを軸受の固定輪に取付け、前記歪み発生部材は、前記固定輪に対して少なくとも2箇所の接触固定部を有し、隣り合う接触固定部の間で少なくとも1箇所に切欠き部を有し、この切欠き部に前記歪みセンサを配置したセンサ付車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献3)。
特許文献3に開示のセンサ付車輪用軸受によると、車両走行に伴い回転輪に荷重が加わったとき、転動体を介して固定輪が変形するので、その変形がセンサユニットに歪みをもたらす。センサユニットに設けられた歪みセンサは、センサユニットの歪みを検出する。歪みと荷重の関係を予め実験やシミュレーションで求めておけば、歪みセンサの出力から車輪にかかる荷重等を検出することができる。
特開2002−098138号公報 特表2003−530565号公報 特開2007−57299号公報
特許文献1に開示の技術では、固定輪のフランジ部の変形により発生する歪みを検出している。しかし、固定輪のフランジ部の変形には、フランジ面とナックル面の間に、静止摩擦力を超える力が作用した場合に滑りが伴うため、繰返し荷重を印加すると、出力信号にヒステリシスが発生するといった問題がある。
例えば、車輪用軸受に対してある方向の荷重が大きくなる場合、固定輪フランジ面とナックル面の間は、最初は荷重よりも静止摩擦力の方が大きいため滑らないが、ある大きさを超えると静止摩擦力に打ち勝って滑るようになる。その状態で荷重を小さくしていくと、やはり最初は静止摩擦力により滑らないが、ある大きさになると滑るようになる。その結果、この変形が生じる部分で荷重を推定しようとするとヒステリシスが生じる。ヒステリシスが生じると、検出分解能が低下する。
また、特許文献2のように外輪に歪みゲージを貼り付けるのでは、組立性に問題がある。
また、特許文献1や特許文献2の例に限らず、特許文献3に開示のセンサ付車輪用軸受においても、車輪用軸受の固定輪に歪みセンサが設けられているので、温度が変化した場合、歪みセンサの出力信号が変動する。すなわち、例えば特許文献3に開示のセンサ付車輪用軸受では、軸受回転による発熱や周囲環境などにより車輪用軸受の温度が変化した場合、荷重に変化がなくても固定輪とセンサユニットとの線膨張率の差などにより歪みセンサの出力信号が変動する。このセンサ付車輪用軸受において、前記固定輪に複数のセンサユニットを取付け、各センサユニットではそのセンサ出力の平均値をとって出力信号とし、これら複数の出力信号の和や差から荷重を推定するものとした場合、前記温度変化による出力変動の影響で荷重の検出誤差が大きくなってしまう。
上記した温度変化による推定荷重の誤差を低減するために、例えば特許文献3に開示のセンサ付車輪用軸受において、センサユニット上に温度センサを設置し、この温度センサの出力により、上記した線膨張率の差などによる歪みセンサ出力信号の補正、および歪みセンサ自体の温度特性の補正を行うことが考えられる。
しかし、センサユニットと外気との断熱が不十分な場合、外気の状態やセンサ周辺の状態(風量、水分の付着有無など)によって放熱抵抗が変わるため、車輪用軸受のセンサユニットが取付けられる固定輪の温度とセンサユニット上の温度センサが検出した温度とはずれてしまう。その結果、実際の温度膨張の状態と、検出された温度から演算される補正値とにずれが生じ、最終的に得られる荷重推定値に誤差が発生してしまう。
この発明の目的は、外部環境の変動に左右されることなく、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を高い精度で安定良く検出できるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材の外周面にセンサユニットを設け、前記センサユニットは、前記外方部材の外周面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、この歪み発生部材に取付けられて歪み発生部材の歪みを検出する1つ以上の歪みセンサ、および前記歪み発生部材に取付けられて前記歪みセンサ設置部の温度を検出する温度センサを有し、前記センサユニットとこのセンサユニット周辺の外気との間に断熱材料を介在させ、前記センサユニットのセンサ出力信号を前記温度センサの出力で補正し、その補正した信号から車輪用軸受もしくはタイヤに加わる荷重を推定する推定手段を設け、前記外方部材の外周面に前記センサユニットを覆う円環状の保護カバーを前記外方部材と同心に取付け、前記センサユニットを3つ以上設け、これら3つ以上のセンサユニットが、前記保護カバー内の溝部に円周方向に並べて取付けられていることを特徴とする。前記断熱材料は、センサユニットを外気に対して遮断するように設けることが好ましいが、別部材、例えば後述のような保護カバーを設ける場合は、保護カバー等の別部材と断熱材料とでセンサユニットを外気に対して遮断するようにしても良い。
車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材(外方部材)にも荷重が印加されて変形が生じる。センサユニットにおける歪み発生部材の接触固定部が外方部材に接触固定されているので、外方部材の歪みが歪み発生部材に拡大して伝達され、その歪みが歪みセンサで感度良く検出され、荷重を精度良く推定できる。
また、センサユニットの歪み発生部材に歪みセンサの設置部の温度を検出する温度センサを取付け、推定手段では、歪みセンサの出力信号を温度センサの出力で補正し、その補正した信号から車輪用軸受もしくはタイヤに加わる荷重を推定するようにしているので、軸受回転による発熱や周囲環境などにより車輪用軸受の温度が変化した場合に、外方部材とセンサユニットとの線膨張率の差などにより歪みセンサの出力信号に生じる変動を補正することができる。
この場合に、センサユニットと外気との断熱が不十分であると、外気の状態や歪みセンサの周辺の状態(風量、水分の付着の有無など)によって放熱抵抗が変わるため、外方部材の温度と温度センサの検出した温度とがずれて、前記推定手段での補正により算出される補正値と、実際の温度膨張の状態とがずれ、最終的に推定手段で推定される荷重に誤差が生じる。このセンサ付車輪用軸受では、センサユニットとその周辺の外気との間に断熱材料を介在させたので、外気の状態や水分の付着等に影響されず、上記した外部環境の影響を最小限度に抑えることができて、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を高い精度で安定良く検出できる。
前記3つ以上のセンサユニットのセンサ出力信号から、前記推定手段は車輪用軸受もしくはタイヤに加わる径方向荷重および軸方向荷重を推定するものとしても良い。
この発明において、前記センサユニットを4つ設け、これらのセンサユニットを、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記外方部材の周面の上面部、下面部、右面部、および左面部に、周方向に互いに90度の位相差をなすように配置しても良い。この構成の場合、どのような荷重条件においても、荷重を精度良く推定することができる。すなわち、ある方向への荷重が大きくなると、転動体と転走面が接触している部分と接触していない部分が180度位相差で現れるため、その方向に合わせてセンサユニットを180度位相差で設置すれば、どちらかのセンサユニットには必ず転動体を介して外方部材に印加される荷重が伝達され、その荷重を歪みセンサにより検出可能となる。
前記断熱材料としては、樹脂またはゴムを用いることができる。断熱材料は、特に、発泡樹脂等の発泡材が好ましい。これらの断熱材料によると、効果的に断熱効果が得られ、また断熱材料を設ける工程が簡単である。
この発明において、前記断熱材料が、前記センサユニットの外気に対する露出面を被覆する被覆層であっても良い。被覆層であると、モールド等の処理で、断熱材料を簡単に設けることができる。
この発明において、前記センサユニット、前記センサの出力信号を処理する信号処理用IC、およびこれらセンサおよび信号処理用ICの配線系を、前記外方部材の周面に取付けられる円環状の前記保護カバーの内側に配置し、この保護カバーは、センサユニットの配置部にセンサユニットを露出させる開口する開口部を有し、この開口部を前記断熱材料で密封しても良い。
この構成の場合は、保護カバーにより、飛び石などの異物の接触等に対してセンサユニットのセンサや配線系等を保護すると共に、センサユニットを外気温や水等の外部環境の影響から最小限度に抑えることができる。
この発明において、前記保護カバーの内部にセンサユニットを外気から遮断する前記断熱材料が充填されていても良い。この場合の保護カバーは、各センサユニットを個別に覆うものであっても、複数のセンサユニットをまとめて覆うものであっても良い。
このように保護カバーを設けてその内部に断熱材料を充填した場合、保護カバーにより、飛び石などの異物の接触等に対してセンサユニット保護すると共に、センサユニットの外気に対する断熱が図れる。また、断熱材料を保護カバー内に設けるため、断熱材料の取付け作業が簡単となる。
この発明において、前記センサユニットを外気から遮断する前記断熱材料として、前記保護カバーの内部に空気層が密封されていても良い。空気層は断熱効果が高く、保護カバーで覆ってその内部を空気層とすることで、センサユニットの異物接触に対する保護と、センサユニットの外気温度,水滴等の外部環境からの遮断との両方を、保護カバーを設けるだけの簡単な構成で得ることができる。
前記保護カバーが円環状で、前記外方部材の外周面に前記外方部材と同心に取付けられている。保護カバーが円環状であると、外方部材に対する保護カバーの取付けが簡単であり、また一つの保護カバーで、円周方向に並ぶ複数のセンサユニットを覆うこともできる。
この発明において、前記保護カバーがステンレススチールからなるものであっても良い。ステンレススチールであると、保護カバーに十分な強度と耐食性を持たせること、およびセンサユニットを外気から遮断する効果を上げる観点から、保護カバーの材料として望ましい。
この発明において、前記センサユニットの表面、および前記外方部材の周面の前記センサユニットの設置部周辺を熱伝導率の高い材料で覆っても良い。この熱伝導率の高い材料は、熱伝導率が高いほど好ましいが、樹脂材料の平均となる熱伝導率に比べて熱伝導率の高い材料であれば良い。このように、センサユニットの表面、および外方部材の周面のセンサユニットの設置部周辺を熱伝導率の高い材料で覆うと、外方部材の周面とセンサユニットの温度差が低減され、外方部材の温度と温度センサの検出する温度とのずれをさらに小さくすることができ、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重をより高い精度で安定良く検出できる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材の外周面にセンサユニットを設け、前記センサユニットは、前記外方部材の外周面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、この歪み発生部材に取付けられて歪み発生部材の歪みを検出する1つ以上の歪みセンサ、および前記歪み発生部材に取付けられて前記歪みセンサ設置部の温度を検出する温度センサを有し、前記センサユニットとこのセンサユニット周辺の外気との間に断熱材料を介在させ、前記センサユニットのセンサ出力信号を前記温度センサの出力で補正し、その補正した信号から車輪用軸受もしくはタイヤに加わる荷重を推定する推定手段を設け、前記外方部材の外周面に前記センサユニットを覆う円環状の保護カバーを前記外方部材と同心に取付け、前記センサユニットを3つ以上設け、これら3つ以上のセンサユニットが、前記保護カバー内の溝部に円周方向に並べて取付けられているため、外部環境の変動に左右されることなく、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を高い精度で安定良く検出できる。
参考提案例を図1ないし図4と共に説明する。この参考提案例は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックル16に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには円周方向の複数箇所に車体取付用のねじ孔14が設けられ、インボード側よりナックル16のボルト挿通孔17に挿通したナックルボルト18を前記ねじ孔14に螺合することで、車体取付用フランジ1aがナックル16に取付けられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2は、この車輪用軸受の外方部材1をアウトボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、図2におけるI−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、図2のように、各ねじ孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。
固定側部材である外方部材1の外径面には、3つ以上のセンサユニット20が設けられている。ここでは、4つのセンサユニット20が、タイヤ接地面に対して上下位置および前後位置となる外方部材1の外径面における上面部、下面部、右面部、および左面部に、周方向に相互に90度の位相差をなすように設けられている。ここでは、1組のセンサユニット対を構成する2つのセンサユニット20が、タイヤ接地面に対して上位置となる外方部材1の外径面における上面部および下面部の2箇所に設けられている。また、他の1組のセンユニット対を構成する2つのセンサユニット20が、タイヤ接地面に対して前後位置となる外方部材1の外径面における右面部と左面部の2箇所に設けられている。
これらのセンサユニット20は、図3および図4に拡大平面図および拡大断面図で示すように、歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出する歪みセンサ22と、歪み発生部材21に取付けられて歪みセンサ22の設置部の温度を検出する温度センサ28とでなる。歪み発生部材21は、鋼材等の弾性変形可能な金属製の2mm以下の薄板材からなり、平面概形が帯状で中央の両側辺部に切欠き部21bを有する。また、歪み発生部材21は、外方部材1の外径面にスペーサ23を介して接触固定される2つの接触固定部21aを両端部に有する。歪みセンサ22は、歪み発生部材21における各方向の荷重に対して歪みが大きくなる箇所に貼り付けられる。ここでは、その箇所として、歪み発生部材21の外面側で両側辺部の切欠き部21bで挟まれる中央部位が選ばれており、歪みセンサ22は切欠き部21bの周辺の周方向の歪みを検出する。なお、歪み発生部材21は、固定側部材である外方部材1に作用する外力、またはタイヤと路面間に作用する作用力として、想定される最大の力が印加された状態においても、塑性変形しないものとするのが望ましい。塑性変形が生じると、外方部材1の変形がセンサユニット20に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすからである。ここで、「想定される最大の力」は、軸受に異常な力が作用した場合に、その力が除かれた状態でセンサ系を除く軸受としての正常な機能が復元される範囲で最大の力である。
前記センサユニット20は、その歪み発生部材21の2つの接触固定部21aが、外方部材1の軸方向に同寸法の位置で、かつ互いに円周方向に離れた位置に来るように配置され、これら接触固定部21aがそれぞれスペーサ23を介してボルト24により外方部材1の外径面に固定される。これにより、センサユニット20の歪みセンサ22は、歪み発生部材21の切欠き部21bの周辺における外方部材円周方向の歪みを検出することになる。前記各ボルト24は、それぞれ接触固定部21aに設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔25からスペーサ23のボルト挿通孔26に挿通し、外方部材1の外周部に設けられたねじ孔27に螺合させる。このように、スペーサ23を介して外方部材1の外径面に接触固定部21aを固定することにより、薄板状である歪み発生部材21における切欠き部21bを有する中央部位が外方部材1の外径面から離れた状態となり、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。
接触固定部21aが配置される軸方向位置として、ここでは外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置が選ばれる。ここでいうアウトボード側列の転走面3の周辺とは、インボード側列およびアウトボード側列の転走面3の中間位置からアウトボード側列の転走面3の形成部までの範囲である。外方部材1の外径面へセンサユニット20を安定良く固定する上で、外方部材1の外径面における前記スペーサ23が接触固定される箇所には平坦部1bが形成される。
歪みセンサ22としては、種々のものを使用することができる。例えば、歪みセンサ22を金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材21に対しては接着による固定が行なわれる。また、歪みセンサ22を歪み発生部材21上に厚膜抵抗体にて形成することもできる。
前記センサユニット20の表面は断熱材料29で覆われており、これによりセンサユニット20が外気から遮断されている。断熱材料29は、センサユニット20を覆う被覆層として設けられ、センサユニット20の外方部材1に対する接触面を除く全面を覆っている。ここでの断熱材料29は、例えばウレタンフォーム、発泡樹脂モールド材、ウレタン系樹脂モールド材、ゴムなどの低熱伝導率の材料である。
センサユニット20の歪みセンサ22および温度センサ28は、推定手段30に接続される。推定手段30は、歪みセンサ22の出力信号により、車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力または制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定する手段であり、前記温度センサ28の出力で前記歪みセンサ22の出力信号を補正する温度補正手段31を有する。温度補正手段31は、歪みセンサ22の出力信号を、例えば、温度と補正値または補正結果となる出力信号の関係を設定した演算式やテーブル等(図示せず)に従って補正する。推定手段30では、前記温度補正手段31で補正された歪みセンサ22の出力信号から、径方向荷重である前記垂直方向荷重Fz および駆動力または制動力となる荷重Fx と、コーナリング力である軸方向荷重Fy とを推定する。
推定手段30は、前記作用力と前記温度補正手段31で求めた歪みセンサ22の出力信号の補正値との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、入力された補正値から前記関係設定手段を用いて作用力の値を出力する。前記関係設定手段の設定内容は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。センサユニット20における歪み発生部材21の2つの接触固定部21aが外方部材1の外径面に接触固定されているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され、その歪みが歪みセンサ22で感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。
また、センサユニット20の歪み発生部材21に歪みセンサ22の設置部の温度を検出する温度センサ28を取付け、推定手段30では、温度補正手段31により、歪みセンサ22の出力信号を温度センサ28の出力で補正し、その補正した信号から車輪用軸受もしくはタイヤに加わる荷重を推定するようにしているので、軸受回転による発熱や周囲環境などにより車輪用軸受の温度が変化した場合に、外方部材1とセンサユニット20との線膨張率の差などにより歪みセンサ22の出力信号に生じる変動を補正することができる。この場合に、センサユニット20と外気との断熱が不十分であると、外気の状態や歪みセンサ22の周辺の状態(風量、水分の付着の有無など)によって放熱抵抗が変わるため、外方部材1の温度と温度センサ28の検出した温度とがずれて、前記温度補正手段31で算出される補正値と、実際の温度膨張の状態とがずれ、最終的に推定手段30で推定される荷重に誤差が生じる。このセンサ付車輪用軸受では、センサユニット20を断熱材料29で外気から遮断しているので、上記した外部環境の影響を最小限度に抑えることができて、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を高い精度で安定良く検出できる。
上記説明では車輪のタイヤと路面間の作用力を検出する場合を示したが、車輪のタイヤと路面間の作用力だけでなく、車輪用軸受に作用する力(例えば予圧量)を検出するものとしても良い。
このセンサ付車輪用軸受から得られた検出荷重を自動車の車両制御に使用することにより、自動車の安定走行に寄与できる。また、このセンサ付車輪用軸受を用いると、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
また、この参考提案例では、センサユニット20を4つ設け、これらのセンサユニット20を、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる外方部材1の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に、周方向に相互に90度の位相差をなすように配置しているので、どのような荷重条件においても、荷重を精度良く推定することができる。すなわち、ある方向への荷重が大きくなると、転動体5と転走面3,4が接触している部分と接触していない部分が180度位相差で現れるため、その方向に合わせてセンサユニット20を180度位相差で設置すれば、どちらかのセンサユニット20には必ず転動体5を介して外方部材1に印加される荷重が伝達され、その荷重を歪みセンサ22により検出可能となる。
図5ないし図13は、この発明の実施形態を示す。この実施形態のセンサ付車輪用軸受は、円環状の保護カバー37にセンサユニット20を取付けたものである。センサユニット20は、図10に示すように、歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出する歪みセンサ22と、歪み発生部材21に取付けられて歪みセンサ設置部の温度を検出する温度センサ28とでなる。歪み発生部材21の前記歪みセンサ22を挟んで長手方向に離れた2箇所には、センサユニット20を前記外方部材1の外径面に固定するボルト24(図6)の挿通孔25が設けられている。
この実施形態でもセンサユニット20は4つとされ、これらの歪みセンサ22の出力信号を処理する信号処理用IC35、処理された前記出力信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブル36(図10)などの電子部品と共に、図8(A),(B)に正面図および側面図で示す円環状の保護カバー37の内側に配置して、図11(A),(B)に正面図および側面図で示す円環状のセンサ組立品38が構成される。図10は、保護カバー37の内側に配置される前記電子部品の展開図を示す。各センサユニット20間に信号ケーブル36が保護カバー37の溝部39に沿って配線され、その信号ケーブル36の途中に信号処理用IC35が配置されている。信号ケーブル36の車体側への引き出し部36aは、保護カバー37の一箇所から保護カバー37の外側に引き出される。保護カバー37の材質は、プラスチックやゴムであっても良く、またステンレススチールなどの金属製であっても良い。
保護カバー37は、図8(A),(B)のIXa −IXa 矢視断面図およびIXb −IXb 矢視断面図を示す図9(A),(B)のように、外径面に周方向に沿って延びる溝部39を有し、その周方向の前記各センサユニット20の配置部となる4箇所には径方向に貫通する開口部40がそれぞれ設けられている。これら開口部40の内径側における周方向に沿う両側縁には、センサユニット20の歪み発生部材21が係合する平面状の係合段部40aが設けられている。これにより、図11(A),(B)のXIIa−XIIa矢視断面図およびXIIb−XIIb矢視断面図を示す図12(A),(B)のように、保護カバー37の開口部40に、各センサユニット20がその歪み発生部材21を内径側に露出させて設置される。
前記円環状のセンサ組立品38は、図13(A),(B)のように中央で2分割可能とされている。具体的には、円環状の保護カバー37が、2つの分割体37A,37Bの各一端をヒンジ41で開閉可能に連結してなり、そのヒンジ41を介してセンサ組立品38の2つの半円弧部が開閉可能とされている。このセンサ組立品38の開放状態での開口寸法Wの最大値は、外方部材1の外径寸法D(図6)よりも大きくなるようにされている。これにより、前記センサ組立品38を、その開口寸法Wが最大となる状態に開いて外方部材1の外径面に取付けることができる。
図6は、インボード側から見た外方部材1の断面図を示す。外方部材1の外径面の前記センサ組立品38が取付けられる軸方向位置は全周にわたる円筒研削面とされ、その円筒研削面のうち、前記センサユニット20の歪み発生部材21が接触する4箇所、つまり上面部、下面部、右面部および左面部は、図7に示すように平坦部1bとされている。これにより各センサユニット20の歪み発生部材21を平坦部1bに確実に接触させることができる。また、前記各平坦部1bには、前記歪み発生部材21のボルト挿通孔25に整合するねじ孔27(図6)が設けられている。これにより、外方部材1の外径面にセンサ組立品38を組み付けた後で、歪み発生部材21のボルト挿通孔25に挿通したボルト24(図6)を前記ねじ孔27に螺合させることで、センサユニット20が外方部材1の外径面に固定され、同時にセンサ組立品38の全体も固定される。前記平坦部1bにおける2つのねじ孔27で挟まれる中間部には軸方向に延びて溝1c(図7)が設けられる。これにより、歪み発生部材21における切欠き部21bが位置する中間部位が平坦部1bから離されるので、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。4つのセンサユニット20は、それらの各歪みセンサ22が外方部材1の軸方向に対して同寸法となる位置に設けられる。
図5における外方部材1のセンサ組立品38の取付部を拡大して図7に示す。同図に示すように、外方部材1の外径面にセンサ組立品38を取付けた後で、センサ組立品38におけるセンサユニット20の保護カバー37からの露出部分が断熱材料29で覆われ、これによりセンサユニット20が断熱材料29により外気から遮断されている。また、センサ組立品38の他の電子部品(信号処理用IC35、信号ケーブル36)の保護カバー37からの露出部分も、図示しないモールド材で密封される。具体的には、保護カバー37の溝部39に全周にわたってモールド材が充填されて、前記電子部品の露出部分が密封される。モールド材は前記断熱材料29と同じ材料であっても良い。保護カバー37に十分な強度と耐食性を持たせること、および前記センサユニット20を外気から遮断する効果を上げる観点から、保護カバー37の材料としてはステンレススチールが望ましい。
センサユニット20の歪みセンサ22および温度センサ28は前記信号処理用IC35に接続される。信号処理用IC35は、歪みセンサ22の出力信号により、車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定する推定手段(図1〜図4の実施形態における推定手段30に相当)となるものであって、信号処理回路や補正回路などが含まれる。補正回路には、図1〜図4の実施形態における温度補正手段31が含まれる。その他の構成は図1〜図4の実施形態の場合と同様である。
この実施形態の場合も、荷重の推定手段である前記信号処理用IC35により、歪みセンサ22の出力信号を温度センサ28の出力で補正し、その補正した信号から車輪用軸受もしくはタイヤに加わる荷重を推定するようにしているが、センサユニット20が断熱材料29で外気から遮断されているので、外方部材1の温度と温度センサ28の検出した温度とのずれが低減され、外部環境の影響を最小限度に抑えることができて、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を高い精度で安定良く検出できる。
また、この実施形態では、複数のセンサユニット20と、歪みセンサ22の出力信号を処理する信号処理用IC35と、処理された前記出力信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブル36とを含む電子部品を、円環状の保護カバー37の内側に配置して円環状のセンサ組立品38とし、このセンサ組立品38を外方部材1の外径面に外方部材1と同心に取付けているので、外部環境によりセンサユニット20を含む電子部品が故障する(飛び石による破損や、泥水・塩水などによる腐食)のを防止でき、長期にわたって荷重を正確に検出することができる。また、信号ケーブル36の配線処理や歪みセンサ22の組付けも容易となる。また、保護カバー37でセンユニット20を覆う構造であるため、センサユニット20の保護と外気との断熱をコンパクトな構成で実現することができる。
また、この実施形態では、センサ組立品38を、中央で2分割可能としているので、固定側部材である外方部材1の外径面への取付けが容易となり、組立性が向上する。
また、この実施形態では、センサユニット20の歪み発生部材21を固定側部材である外方部材1の外径面にボルト24で直接固定するようにしているので、センサユニット20を強固に固定でき、荷重負荷時でも固定部に滑りが生じることがなく、それだけ検出精度を向上させることができる。また、センサユニット20をボルト24で外方部材1に固定することで、同時にセンサ組立品38を外方部材1に取付けることができるので、組立性がさらに向上する。
固定側部材である外方部材1の外径面に固定されるセンサユニット20の軸方向寸法が異なると、外方部材1の外径面から歪み発生部材21に伝達される歪みも異なる。この実施形態では、センサユニット20を、それらの各歪みセンサ22が外方部材1の軸方向に対して同寸法となる位置に設けているので、その軸方向位置を周回する保護カバー37で複数のセンサユニット20を含む電子部品を保護することができ、保護カバー37をコンパクトに構成できる。
図14は、この発明のさらに他の実施形態を示す。このセンサ付車輪用軸受では、図5〜図13の実施形態において、保護カバー37Aを、センサユニット20の取付用部材に兼用させずに、センサユニット20を覆う専用部品として設けている。この例では、保護カバー37Aを、外方部材1側の周面が開口した溝形ないしU字形の断面形状の円環状部品とし、センサユニット20を覆って外方部材の外周に嵌合状態に取付けている。図示の例では、保護カバー37Aは、外周壁部と一対の側壁部とでなる溝形の断面形状とされている。センサユニット20を外気から遮断する断熱材料29は、保護カバー37Aの内部の全体に充填している。保護カバー37Aの材質は、図5〜13に示した保護カバー37と同じく、ステンレススチールが望ましい。その他の構成は、図5〜図13の実施形態の場合と同様である。
図15は、この発明のさらに他の実施形態を示す。このセンサ付車輪用軸受では、図14の実施形態において、センサユニット20を外気から遮断する断熱材料29を、保護カバー37Aの内部の全体に充填せずに、センサユニット20の表面だけを覆うように設けている。センサユニット20の表面と保護カバー37Aの外周壁部の内面との間には空気層が形成されている。この空気層は、断熱材料として機能し、前記断熱材料29と空気層とで2重の断熱材層が構成されることになる。その他の構成は、図14の実施形態の場合と同様である。
図16は、この発明のさらに他の実施形態を示す。このセンサ付車輪用軸受では、図14の実施形態において、保護カバー37Aの内部において、センサユニット20の表面、および外方部材1の外径面のセンサユニット20の設置部周辺を熱伝導率の高い材料42で覆うと共に、その上方空間に断熱材料29を充填している。熱伝導率の高い材料42としては、熱伝導率の高い材料ほど好ましいが、樹脂材料の平均的な熱伝導率よりも高ければ良く、熱伝導性ペーストやシリコンゴムなどが用いられている。断熱材料29は、保護カバー37Aの外周壁部の内面に沿って設けられ、断熱材料29と熱伝導率の高い材料42との間には空気層が形成されている。この空気層は、断熱材料として機能し、前記断熱材料29と空気層とで2重の断熱材層が構成されることになる。その他の構成は、図14の実施形態の場合と同様である。
この実施形態では、センサユニット20の表面、および外方部材1の外径面のセンサユニット20の設置部周辺を熱伝導率の高い材料42で覆って、外方部材1の外径面とセンサユニット20の温度差を低減するようにしているので、外方部材1の温度と温度センサ28の検出する温度とのずれをさらに小さくすることができ、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重をより高い精度で安定良く検出できる。
図17は、この発明のさらに他の実施形態を示す。このセンサ付車輪用軸受では、図14の実施形態において、保護カバー37Aの内部において、センサユニット20の表面、および外方部材1の外径面のセンサユニット20の設置部周辺を熱伝導率の高い材料42で覆うと共に、その上の空間を空気層43の密封空間とすることで、その空気層43を前記断熱材料29に代用している。その他の構成は、図14の実施形態と同様である。
図18ないし図20は、この発明のさらに他の実施形態を示す。このセンサ付車輪用軸受では、図5〜図13の実施形態において、前記円環状のセンサ組立品38が、シール部材50を介して軸受の固定側部材である外方部材1の外径面に外方部材1と同心に取付けられている。シール部材50は、図20に一部を拡大断面図で示すように、前記保護カバー37の内径面に沿うリング状芯金51と、この芯金51の両側縁全周にその内径面から外径面にわたって接合した一対のリング状弾性体52とでなる。このシール部材50の前記センサ組立品38におけるセンサユニット20の配置部と対面する周方向の各位置には、径方向に貫通するセンサユニット露出用開口53(図19)がそれぞれ設けられている。これにより、シール部材50を介してセンサ組立品38を外方部材1の外径面に取付けた状態で、センサユニット20をシール部材50のセンサユニット露出用開口53から外方部材1の外径面に接触させることができる。
シール部材50の芯金51は耐食性鋼材のプレス成形品からなり、そのリング状弾性体52が接合される両側縁は、外径側へ拡径する拡径曲げ部51aとされている。リング状弾性体52は内向きの側面に周方向に沿う溝部52aを有する断面コ字状とされ、その溝部52aを芯金51の前記拡径曲げ部51aに圧入することにより、芯金51の両側縁にリング状弾性体52が接合されている。このような接合構造とすることにより、接着剤などを用いることなく、芯金51の両側縁へリング状弾性体52を簡単かつ確実に接合できる。
また、前記円環状のセンサ組立品38の保護カバー37の内径面の両側部には、図19のように前記シール部材50のリング状弾性体52と密着する内径側溝部39Bが形成されている。センサ組立品38は、外方部材1の外径面にシール部材50を圧入嵌合させた後に、前記シール部材50に重ねて取付けられる。その他の構成は、図5〜図13の実施形態の場合と同様である。
この実施形態では、シール部材50を、前記保護カバー37の内径面に沿うリング状芯金51と、この芯金51の両側縁全周にその内径面から外径面にわたって接合した一対のリング状弾性体52とでなるものとしているので、シール部材50の両側縁の弾性体52が外方部材1の外径面と保護カバー37の内径面との間に挟まれて、保護カバー37の内部と外部とを弾性体52で完全に遮断でき、シール部材50のシール効果を上げることができる。
上記各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、センサユニット20あるいはセンサ組立品38は内方部材の内周となる周面に設ける。
また、この実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。また、外方部材が回転側部材となる車輪用軸受に適用することもできる。その場合、内方部材の外周にセンサユニットあるいはセンサ組立品を設ける。
参考提案例にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材をアウトボード側から見た正面図である。 同センサ付車輪用軸受におけるセンサユニットの拡大平面図である。 図3におけるIV−IV矢視断面図である。 この発明の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。 図5におけるVI−VI矢視断面図である。 図5の外方部材におけるセンサ組立品設置部の拡大断面図である。 (A)は円環状保護カバーの正面図、(B)は同側面図である。 (A)は図8()におけるIXb −IXb 矢視断面図、(B)は図8()におけるIXa −IXa 矢視断面図である。 センサ組立品に設置される電子部品の展開図である。 (A)はセンサ組立品の正面図、(B)は同センサ組立品の側面図である。 (A)は図11()におけるXIIb−XIIb矢視断面図、(B)は図11()におけるXIIa−XIIa矢視断面図である。 (A)はセンサ組立品の閉じ状態を示す正面図、(B)は同センサ組立品の開放状態を示す正面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の一部拡大断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の一部拡大断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の一部拡大断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の一部拡大断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材のセンサ組立品が設置される軸方向位置におけるセンサユニットが配置される周方向位置の拡大断面図である。 シール部材の部分拡大断面図である。
符号の説明
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
20…センサユニット
21…歪み発生部材
21a…接触固定部
22…歪みセンサ
28…温度センサ
29…断熱材料
30…推定手段
31…温度補正手段
35…信号処理用IC
37,37A…保護カバー
42…熱伝導率の高い材料
43…空気層(断熱材料)

Claims (11)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    上記外方部材の外周面にセンサユニットを設け、前記センサユニットは、前記外方部材の外周面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、この歪み発生部材に取付けられて歪み発生部材の歪みを検出する1つ以上の歪みセンサ、および前記歪み発生部材に取付けられて前記歪みセンサ設置部の温度を検出する温度センサを有し、前記センサユニットとこのセンサユニット周辺の外気との間に断熱材料を介在させ、前記センサユニットのセンサ出力信号を前記温度センサの出力で補正し、その補正した信号から車輪用軸受もしくはタイヤに加わる荷重を推定する推定手段を設け、
    前記外方部材の外周面に前記センサユニットを覆う円環状の保護カバーを前記外方部材と同心に取付け、前記センサユニットを3つ以上設け、これら3つ以上のセンサユニットが、前記保護カバー内の溝部に円周方向に並べて取付けられていることを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  2. 請求項1において、前記3つ以上のセンサユニットのセンサ出力信号から、前記推定手段は車輪用軸受もしくはタイヤに加わる径方向荷重および軸方向荷重を推定するものとしたセンサ付車輪用軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記センサユニットを4つ設け、これらのセンサユニットを、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記外方部材の周面の上面部、下面部、右面部、および左面部に、周方向に互いに90度の位相差をなすように配置したセンサ付車輪用軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記断熱材料が樹脂またはゴムからなるセンサ付車輪用軸受。
  5. 請求項4において、前記断熱材料が発泡材からなるセンサ付車輪用軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記断熱材料が、前記センサユニットの外気に対する露出面を被覆する被覆層であるセンサ付車輪用軸受。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記センサユニット、前記センサの出力信号を処理する信号処理用IC、およびこれらセンサおよび信号処理用ICの配線系を、前記外方部材の周面に取付けられる円環状の前記保護カバーの内側に配置し、この保護カバーは、センサユニットの配置部にセンサユニットを露出させる開口する開口部を有し、この開口部を前記断熱材料で密封したセンサ付車輪用軸受。
  8. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記保護カバーの内部に断熱材料が充填されているセンサ付車輪用軸受。
  9. 請求1ないし請求項5のいずれか1項において、前記センサユニットを外気から遮断する前記断熱材料として、前記保護カバーの内部に空気層が密封されているセンサ付車輪用軸受。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記保護カバーがステンレススチールからなるセンサ付車輪用軸受。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項において、前記センサユニットの表面、および前記外方部材の周面の前記センサユニットの設置部周辺を、樹脂材料の平均となる熱伝導率に比べて熱伝導率の高い材料で覆ったセンサ付車輪用軸受。
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