JP6067241B2 - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを備えたセンサ付車輪用軸受に関する。
自動車の各車輪にかかる荷重を検出する技術として、図19に展開図で示す電子部品複合体を、円環状の保護カバーの内側に配置して円環状のセンサ組立品とし、このセンサ組立品をシール部材を介して車輪用軸受の外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に固定側部材と同心に取付けたセンサ付車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。同図の電子部品複合体は、前記固定側部材の周面に接触して固定される歪み発生部材51、およびこの歪み発生部材51に取付けられてこの歪み発生部材51の歪みを検出するセンサ52からなる4つのセンサユニット50と、前記センサ52の出力信号を処理する信号処理用IC55と、処理された前記出力信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブル56とを含む。
また、他の技術として、図20(A),(B)に展開図および断面図で示すように、図19に示した電子部品複合体において、前記センサユニット50、前記信号処理用IC55、および前記信号ケーブル56の間を配線する配線回路を有するフレキシブル基板65を追加した構成のセンサ付車輪用軸受も提案されている(例えば特許文献2)。
特開2010−138958号公報 特開2010−127750号公報
特許文献1に開示のセンサ付車輪用軸受では、前記電子部品複合体を構成するのに、半田付けなどにより4つの歪み発生部材51を信号ケーブル56を介して配線している。このため、信号ケーブル56の配線作業が煩雑でコスト高の要因となっている。
一方、特許文献2に開示のセンサ付車輪用軸受でも、前記電子部品複合体を構成するのに、4つの歪み発生部材51とフレキシブル基板65を半田付けなどにより接続する作業が発生してしまう。また、配線部をハンダで固定した場合、車両走行中に振動などによりハンダ部にクラックが発生し、センサ52が正常に検出作動しないことも考えられる。
さらに、特許文献2に開示のセンサ付車輪用軸受では、外部環境の泥水などにより、センサ52が腐食するのを防止するために、図21のように円環状の保護カバー57の内側に前記電子部品複合体を配置し、その保護カバー57の外径側溝部にモールド材58を充填している。しかし、この保護カバー57は、図22のように、ヒンジ60を介して半割れ形状とされているため、密封性、組立性、コストの観点から問題があった。また、この保護カバー57は、全体が金属で覆われていないため、車両走行中に跳ねた小石などがぶつかると破損し、内部のセンサ52が正常に検出動作しなくなる可能性もある。
この発明の目的は、煩雑な配線作業が要らず、配線部の品質向上およびコスト低減が可能なセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に、円周方向に互いに離間した荷重検出用センサ部を複数有するセンサ付車輪用軸受であって、前記複数の荷重検出用センサ部に渡って連続した1つの帯状の歪み発生部材を備え、この歪み発生部材は金属製の薄板材からなり、かつこの歪み発生部材は、前記各荷重検出用センサ部毎に、前記固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有し、前記各荷重検出用センサ部は、前記歪み発生部材の前記2つ以上の接触固定部を含む円周方向の一部分、およびこの歪み発生部材に前記各荷重検出用センサ部毎に取付けられてこの歪み発生部材の前記一部分の歪みを検出する2つ以上のセンサからなり、前記帯状の歪み発生部材における前記2つ以上の接触固定部は、前記固定側部材の外径面の同一軸方向位置でかつ円周方向に互いに離間した位置にあり、これら各接触固定部はスペーサを介してボルトにより前記固定側部材の前記外径面に固定されて前記歪発生部材の前記センサが取り付けられた箇所は前記固定側部材の外周面から径方向に離れており、前記帯状の歪み発生部材は前記各荷重検出用センサ部の間で一方向に屈曲した形状であり、前記2つ以上のセンサの出力信号により、車輪用軸受に作用する荷重を推定する推定手段を備え、前記歪み発生部材には、前記各荷重検出用センサ部の前記歪みセンサからの出力信号を処理する信号処理用ICと、処理された信号を外部に取り出す信号ケーブルと、これら信号処理用ICと信号ケーブルを接続するコネクタとが一体となった1つの電子部品複合体が設けられ、前記各荷重検出用センサ部の前記歪みセンサの出力信号は、前記信号処理用ICおよび前記信号ケーブルを経て前記車両側の推定手段に入力されることを特徴とする。
車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材(例えば外方部材)にも荷重が負荷されて変形が生じ、その変形から荷重検出用センサ部が荷重を検出する。荷重検出用センサ部の2つ以上のセンサの出力信号の振幅は、転動体の通過の影響を受けるが、推定手段はこれらのセンサの出力信号から、車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定するものとしているので、2つ以上のセンサの各出力信号に現れる温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りによる影響を相殺ないし緩和することができる。これにより、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りによる影響を受けることなく、車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に作用する荷重(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を精度良く検出できる。
特に、複数の荷重検出用センサ部の歪み発生部材を、これら複数の荷重検出用センサ部に渡って連続した1つの帯状の歪み発生部材としているので、煩雑な配線作業が要らず、配線部の品質向上およびコスト低減が可能となる。
この発明において、前記1つの帯状の歪み発生部材、その長手方向の複数箇所で屈曲しており、前記固定側部材に固定されていても良い。
このように、複数の荷重検出用センサ部を有する1つの帯状の歪み発生部材を複数箇所で屈曲させることにより、固定側部材への取付け作業が容易になる。
この発明において、前記1つの帯状の歪み発生部材が弾性体で被覆されていても良い。このように、複数の荷重検出用センサ部にわたって連続した1つの帯状部材とされる歪み発生部材を、弾性体で被覆することにより、外部環境の泥水などで荷重検出用センサ部の歪みセンサが腐食するのを防止することができ、信頼性の高いセンサ付車輪用軸受とすることができる。前記弾性体は例えばモールド材とされる。
この発明において、前記固定側部材の外径面における少なくとも前記複数の荷重検出用センサ部との接触部分、耐食性または防食性を有する表層であってしても良い。この表層は、例えば表面処理で形成される。その表面処理は金属メッキ、または塗装、またはコーティング処理である。
このように、固定側部材の外径面に耐食性または防食性を有する表層を有する場合、固定側部材の外径面の錆により荷重検出用センサ部の取付部が盛り上がったり、荷重検出用センサ部にもらい錆が発生するのを防止でき、錆に起因する歪みセンサの誤動作を解消でき、荷重検出を長期にわたり正確に行なうことができる。
この発明において、前記複数の荷重検出用センサ部を覆う筒状の保護カバー前記固定側部材の外径面に嵌合していても良い。
このように、複数の荷重検出用センサ部を覆う筒状の保護カバーを前記固定側部材の外径面に嵌合させた場合、複数の荷重検出用センサ部を外部環境から保護することができ、外部環境による荷重検出用センサ部の故障を防止して、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり安定的に検出できる。
前記保護カバーが、耐食性を有する鋼板をプレス加工した成形品であっても良い。この構成の場合、保護カバーが外部環境により腐食するのを防止できる。
この発明において、前記推定手段は、前記2つ以上のセンサの出力信号の差分から、出力信号の振幅または振幅に相当する値を演算するものであっても良い。
出力信号の振幅は、転動体の通過や転動体の位置による影響を受けると共に、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を受けて、出力信号が変動する。そこで、その出力信号の差分から出力信号の振幅または振幅に相当する値を演算することにより、少なくとも各出力信号に及ぼす温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺できて、検出精度を上げることができる。
なお、前記「温度の影響」は、軸受の温度変化によって出力信号がシフトすることである。前記「滑りの影響」は、軸受が受ける荷重の変動によって生じる出力信号のシフトである。
(1) シフト要因の時間的変化が緩やかである場合、具体的には転動体の周波数よりも低い場合、見かけ上の振幅の幅は演算で得られる振幅の幅と同等となる。すなわち、振幅の中心位置が変化したと見える。
(2) シフトの要因の時間的変化が転動体の周波数と同じ場合、見かけ上の振幅の幅は(実際の振幅)+(シフト要因による変動)となってしまう。
(3) シフト要因の時間的変化が転動体の周波数よりも高い場合、見かけ上の振幅の周波数は転動体の通過によるものではなく、シフト要因の変化によるものに見えてしまう。
これらのシフト要因は、隣合う2つの出力信号に同相で入力される。したがって、2つのセンサの差分を取ることで、影響を除去することができ、純粋な振幅を検出することが可能となる。
前記推定手段は、出力信号の差分から信号の絶対値を生成し、そのピーク値または直流成分を、出力信号の振幅相当値としても良い。
前記推定手段は、出力信号の差分から信号の実効値を演算し、その値を出力信号の振幅相当値としても良い。
前記推定手段は、出力信号の差分から、その振動周期の一周期以上の時間区間内における最大値と最小値を求め、その値を出力信号の振幅相当値としても良い。
この発明において、前記2つ以上の接触固定部のうち、前記固定側部材の外径面の円周方向配列の両端に位置する2つの接触固定部の間隔、転動体の配列ピッチと同一であっても良い。
この構成の場合、前記2つの接触固定部の中間位置に例えば2つのセンサが配置されていれば、これら両センサの間での前記円周方向の間隔は、転動体の配列ピッチの略1/2となる。その結果、両センサの出力信号は略180度の位相差を有することになり、その差分は温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を十分相殺した値となる。これにより、推定手段によって推定される車輪用軸受や車輪と路面間に作用する力は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響をより確実に排除した正確なものとなる。
この発明において、前記2つ以上のセンサにおける隣り合うセンサ間の前記固定側部材の外径面の円周方向についての間隔、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍またはこれらの値に近似した値であっても良い。
2つのセンサの間での前記円周方向の間隔が、転動体の配列ピッチの1/2であると、それらセンサの出力信号は180度の位相差を有することになり、その差分は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。これにより、推定手段によって推定される車輪用軸受や車輪と路面間に作用する力は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響をより確実に排除した正確なものとなる。
この発明において、前記荷重検出用センサ部は3つの接触固定部と2つのセンサを有し、隣り合う第1および第2の接触固定部の間、および隣り合う第2および第3の接触固定部の間に各センサそれぞれ位置していても良い。
この構成の場合、両端に位置する2つの接触固定部(第1の接触固定部と第3の接触固定部)の間での前記円周方向の間隔を、転動体の配列ピッチと同一とすると、隣り合う2つのセンサ間での前記円周方向の間隔は転動体の配列ピッチの1/2となる。これにより、推定手段によって推定される車輪用軸受や車輪と路面間に作用する力は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を排除した正確なものとなる。
この発明において、隣り合う接触固定部または隣り合うセンサの前記固定側部材の外径面の円周方向についての間隔、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍またはこれらの値に近似した値であっても良い。この構成の場合も、各センサの出力信号の差分により、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を排除できる。
この発明において、前記歪み発生部材は、平面概形が均一幅の帯状、または平面概形が帯状で側辺部に切欠き部を有する薄板材からなるものであっても良い。
このように、平面概形が均一幅の帯状である薄板材で歪み発生部材を構成した場合、歪み発生部材をコンパクトで低コストなものとできる。
この発明において、前記荷重検出用センサ部、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に位置していても良い。この構成の場合、複数方向の荷重を推定することができる。すなわち、固定側部材の外径面における上面部と下面部に配置される2つの荷重検出用センサ部の出力信号から垂直方向荷重Fz と軸方向荷重Fy を推定でき、固定側部材の外径面における右面部と左面部に配置される2つの荷重検出用センサ部の出力信号から駆動力や制動力による荷重Fx を推定することができる。
この発明において、前記推定手段は、さらに前記2つ以上のセンサの出力信号の和も用いて、車輪用軸受に作用する荷重を推定するものとしても良い。
2つ以上のセンサの出力信号の和を取ると、各出力信号に現れる転動体の位置の影響を相殺することができるので、静止時においても荷重を推定できる。差分から温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を排除できることと相まって、荷重をさらに精度良く検出でき、ローパスフィルタが不要となるため、応答速度も向上する。
この発明において、前記固定側部材は外周にナックルに取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの正面形状、軸受軸心に直交する線分に対して線対称となる形状、または軸受軸心に対して点対称となる形状であっても良い。
車体取付用のフランジの正面形状をこのような形状とした場合、固定側部材の形状が単純化され、固定側部材の形状の複雑さに起因する温度分布や膨張・収縮量のばらつきを低減できる。これにより、固定側部材における温度分布や膨張・収縮量のばらつきによる影響を十分小さくして、荷重による歪み量を荷重検出用センサ部に検出させることができる。
この発明において、前記荷重検出用センサ部における前記歪み発生部材の接触固定部が3つであり、前記帯状の歪み発生部材における前記3つの接触固定部、前記固定側部材の外径面の同一軸方向位置でかつ円周方向に互いに離間した位置にあり、隣り合う前記接触固定部の間隔または隣り合う前記センサの前記固定側部材の外径面の円周方向についての間隔、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍またはこれらの値に近似した値でし、前記推定手段は、前記前記2つのセンサの出力信号の差分により、車輪用軸受に作用する荷重を推定するものであっても良い。
纏めなおして言うと、このセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に、この固定側部材に接触して固定される3つの接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出する2つのセンサからなる荷重検出用センサ部を複数設けてなるセンサ付車輪用軸受であって、前記複数の荷重検出用センサ部の歪み発生部材を、これら複数の荷重検出用センサ部に渡って連続した1つの帯状の歪み発生部材とし、この帯状の歪み発生部材における前記3つの接触固定部を、前記固定側部材の外径面の同一軸方向位置でかつ円周方向に互いに離間した位置となるように配置し、隣り合う前記接触固定部の間隔または隣り合う前記センサの前記固定側部材の外径面の円周方向についての間隔を、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍またはこれらの値に近似した値とし、前記2つのセンサの出力信号の差分により、車輪用軸受に作用する荷重を推定する推定手段を設けたものであってもよい。
この構成によると、2つのセンサの出力信号の差分により、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響が相殺されるので、これらの影響を受けることなく、車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に作用する荷重を精度良く検出できる。
特に、複数の荷重検出用センサ部の歪み発生部材を、これら複数の荷重検出用センサ部に渡って連続した1つの帯状の歪み発生部材としているので、煩雑な配線作業が要らず、配線部の品質向上およびコスト低減が可能となる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に、円周方向に互いに離間した荷重検出用センサ部を複数有するセンサ付車輪用軸受であって、前記複数の荷重検出用センサ部に渡って連続した1つの帯状の歪み発生部材を備え、この歪み発生部材は金属製の薄板材からなり、かつこの歪み発生部材は、前記各荷重検出用センサ部毎に、前記固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有し、前記各荷重検出用センサ部は、前記歪み発生部材の前記2つ以上の接触固定部を含む円周方向の一部分、およびこの歪み発生部材に前記各荷重検出用センサ部毎に取付けられてこの歪み発生部材の前記一部分の歪みを検出する2つ以上のセンサからなり、前記帯状の歪み発生部材における前記2つ以上の接触固定部は、前記固定側部材の外径面の同一軸方向位置でかつ円周方向に互いに離間した位置にあり、これら各接触固定部はスペーサを介してボルトにより前記固定側部材の前記外径面に固定されて前記歪発生部材の前記センサが取り付けられた箇所は前記固定側部材の外周面から径方向に離れており、前記帯状の歪み発生部材は前記各荷重検出用センサ部の間で一方向に屈曲した形状であり、前記2つ以上のセンサの出力信号により、車輪用軸受に作用する荷重を推定する推定手段を備え、前記歪み発生部材には、前記各荷重検出用センサ部の前記歪みセンサからの出力信号を処理する信号処理用ICと、処理された信号を外部に取り出す信号ケーブルと、これら信号処理用ICと信号ケーブルを接続するコネクタとが一体となった1つの電子部品複合体が設けられ、前記各荷重検出用センサ部の前記歪みセンサの出力信号は、前記信号処理用ICおよび前記信号ケーブルを経て前記車両側の推定手段に入力されるため、車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に作用する荷重を精度良く検出できると共に、煩雑な配線作業が要らず、配線部の品質向上およびコスト低減が可能となる。
この発明の基礎となる提案例にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 図1のII−II矢視断面図である。 同センサ付車輪用軸受における電子部品複合体の展開平面図である。 同電子部品複合体における荷重検出用センサ部の拡大平面図である。 図4におけるV−V矢視断面図である。 この発明の実施形態における荷重検出用センサ部の設置例を示す断面図である。 荷重検出用センサ部の出力信号に対する転動体位置の影響の説明図である。 荷重検出用センサ部の出力信号に対する転動体位置の影響の他の説明図である。 荷重検出用センサ部の出力信号に対する転動体位置の影響のさらに他の説明図である。 荷重検出用センサ部の出力信号に対する転動体位置の影響のさらに他の説明図である。 他の提案例にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。 図11のXII −XII 矢視断面図である。 (A)は同センサ付車輪用軸受における電子部品複合体の展開平面図、(B)は同電子部品複合体における荷重検出用センサ部の拡大平面図である。 さらに他の提案例にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。 同センサ付車輪用軸受における外方部材をアウトボード側から見た正面図である。 同センサ付車輪用軸受における保護カバー取付部の拡大断面図である。 同センサ付車輪用軸受における保護カバーの取付構造の変形例を示す拡大断面図である。 さらに他の提案例にかかるセンサ付車輪用軸受における車輪用軸受の断面図である。 従来例における電子部品複合体の構成を示す展開平面図である。 他の従来例における電子部品複合体の構成を示す展開平面図である。 同従来例における保護カバーの取付構造を示す断面図である。 同保護カバーの説明図である。
この発明の基礎となる第1の提案例を図1ないし図10と共に説明する。この提案例は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボ−ド側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置におけるナックル(図示せず)に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには周方向複数箇所にナックル取付用のボルト孔14が設けられ、インボード側よりナックルのボルト挿通孔(図示せず)に挿通したナックルボルト(図示せず)を前記ボルト孔14に螺合することにより、車体取付用フランジ1aがナックルに取付けられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト15の圧入孔16が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2は、図1のII−II矢視断面図を示す。なお、図1は、図2におけるI−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、その正面形状が、図2のように軸受軸心Oに直交する線分(例えば図2における縦線分LVあるいは横線分LHに対して線対称となる形状、または軸受軸心Oに対して点対称となる形状とされている。具体的には、この例ではその正面形状が円形とされている。
固定側部材である外方部材1の外径面には、4つの荷重検出用センサ部20が設けられている。ここでは、これらの荷重検出用センサ部20が、タイヤ接地面に対して上下位置および前後位置となる外方部材1の外径面における上面部、下面部、右面部、および左面部に設けられている。
これらの各荷重検出用センサ部20は、図4および図5に拡大平面図および拡大断面図で示すように、歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出する2つ以上(ここでは2つ)の歪みセンサ22とでなる。これらの荷重検出用センサ部20の歪み発生部材21は、図3に展開平面図で示すように、これら複数の荷重検出用センサ部20にわたって連続した1つの帯状の部材とされる。この歪み発生部材21は、鋼材等の弾性変形可能な金属製で2mm以下の薄板材からなり、平面概形が全長にわたり均一幅の帯状で、各荷重検出用センサ部20の位置ごとに両側辺部に、幅方向に延びるスリット状の切欠き部21bを、2本ずつ平行に有する。ここでは、歪み発生部材21の一側辺部の切欠き部21bは、その側辺部から幅方向に直接切り込んで形成されているが、他側辺部の切欠き部21bは、歪み発生部材21にその長手方向に延びて形成されているスリット21cの途中部分から幅方向に切り込んで形成されている。切欠き部21bの隅部は断面円弧状とされている。また、歪み発生部材21は、各荷重検出用センサ部20の位置ごとに、外方部材1の外径面に接触固定される2つ以上(ここでは3つ)の接触固定部21aを有する。3つの接触固定部21aは、歪み発生部材21の長手方向に向け1列に並べて配置される。
2つの歪みセンサ22は、歪み発生部21における各方向の荷重に対して歪みが大きくなる箇所に貼り付けられる。具体的には、歪み発生部材21の外面側で隣り合う接触固定部21aの間に配置される。つまり、図5において、左端の接触固定部21aと中央の接触固定部21aとの間に1つの歪みセンサ22Aが配置され、中央の接触固定部21aと右端の接触固定部21aとの間に他の1つの歪みセンサ22Bが配置される。切欠き部21bは、図4のように、歪み発生部材21の両側辺部における前記歪みセンサ22A,22Bの配置部に対応する2箇所の位置にそれぞれ形成されている。これにより、歪みセンサ22は歪み発生部材21の切欠き部21bの周辺における長手方向の歪みを検出する。なお、歪み発生部材21は、固定側部材である外方部材1に作用する外力、またはタイヤと路面間に作用する作用力として、想定される最大の力が負荷された状態においても、塑性変形しないものとするのが望ましい。塑性変形が生じると、外方部材1の変形が荷重検出用センサ部20に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすからである。
前記各荷重検出用センサ部20は、その歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが、外方部材1の軸方向に同寸法の位置で、かつ各接触固定部21aが互いに円周方向に離れた位置に来るように配置され、これら接触固定部21aが、それぞれ固定具であるボルト24により外方部材1の外径面に固定される。外方部材1の外径面へ荷重検出用センサ20を安定良く固定する上で、外方部材1の外径面における前記各接触固定部21aが接触固定される箇所には平坦部1bが形成される。前記各ボルト24は、それぞれ接触固定部21aに設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔25から外方部材1の外周部に設けられたボルト孔27に螺合させる。外方部材1の外径面における前記歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが固定される3箇所の各中間部には溝1cが設けられる。このように、外方部材1の外径面に接触固定部21aを固定することにより、薄板状である歪み発生部材21における切欠き部21bを有する各部位が外方部材1の外径面から離れた状態となり、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。接触固定部21aが配置される軸方向位置として、ここでは外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置が選ばれる。ここでいうアウトボード側列の転走面3の周辺とは、インボード側列およびアウトボード側列の転走面3の中間位置からアウトボード側列の転走面3の形成部までの範囲である。
図6は、この発明の実施形態を示す。同図に断面図で示すように、この実施形態では、歪み発生部材21の3つの接触固定部21aをそれぞれスペーサ23を介してボルト24により外方部材1の外径面に固定することで、外方部材1の外径面への溝1cの形成を省略し、歪み発生部材21における切欠き部21bが位置する各部位を外方部材1の外径面から離すようにしても良い。この実施形態において、特に説明した事項の他は、前記各提案例と同様である。
歪みセンサ22としては、種々のものを使用することができる。例えば、歪みセンサ22を金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材21に対しては接着による固定が行なわれる。また、歪みセンサ22を歪み発生部材21上に厚膜抵抗体にて形成することもできる。
4つの荷重検出用センサ部20にわたって連続した1つの帯状部材とされる歪み発生部材21は、隣り合う荷重検出用センサ部20の各中間位置となる複数箇所(ここでは6箇所)が一方向に屈曲された屈曲部21dとされ、図2のように外方部材1の外周を取り巻くように外方部材1に取付けられる。また、歪み発生部材21には、各荷重検出用センサ部20の歪みセンサ22からの出力信号を処理する信号処理用IC28と、処理された信号を外部に取り出す信号ケーブル29と、信号処理用IC28と信号ケーブル29を接続するコネクタ30が設けられる。4つの荷重検出用センサ部20における各歪みセンサ22は、歪み発生部材21上に設けられた配線用の回路パターン(図示せず)により前記信号処理用IC28に接続される。このように、4つの荷重検出用センサ部20と、これらの荷重検出用センサ部20にわたって連続した歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に別に設けられる信号処理用IC28と、信号ケーブル29と、コネクタ30とが複合して、一体となった1つの電子部品複合体31が構成され、この電子部品複合体31を前記外方部材1の外径面に取付けることにより、センサ付車輪用軸受が構成される。
各荷重検出用センサ部20の2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号は、前記信号処理用IC28、信号ケーブル29を経て車両側の推定手段32に入力される。推定手段32は、荷重検出用センサ部20の2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号から、車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定する手段である。前記推定手段32は、この実施形態では、前記2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号の差分(具体的には出力信号の振幅)から前記各作用力Fx ,Fy,Fzを推定する。この推定手段32は、前記垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy と、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号の差分との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号の差分から前記関係設定手段を用いて作用力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定する。前記関係設定手段の設定内容は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。
なお、前記推定手段32は、前記出力信号の差分に限らず、例えば、前記2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号の和や、平均値、振幅値、振幅中心値などの情報から、これらを適宜用いて、例えば線形結合的に用いて、各作用力Fx Fy,Fzを推定するようにしても良い。その場合も、前記和や平均値などの情報と前記各作用力Fx Fy,Fzとの関係を、演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段を用いても良い。
荷重検出用センサ部20は、外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置に設けられるので、歪みセンサ22A,22Bの出力信号は、図7のように荷重検出用センサ部20の設置部の近傍を通過する転動体5の影響を受ける。また、軸受の停止時においても、歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bは、転動体5の位置の影響を受ける。すなわち、転動体5が荷重検出用センサ部20における歪みセンサ22A,22Bに最も近い位置を通過するとき(または、その位置に転動体5があるとき)、歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bは最大値となり、図7(A),(B)のように転動体5がその位置から遠ざかるにつれて(または、その位置から離れた位置に転動体5があるとき)低下する。軸受回転時には、転動体5は所定の配列ピッチPで前記荷重検出用センサ部20の設置部の近傍を順次通過するので、歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bは、転動体5の配列ピッチPを周期として図7(C)に実線で示すように周期的に変化する正弦波に近い波形となる。また、歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bは、温度の影響やナックルと車体取付用フランジ1a(図1)の面間などの滑りによるヒステリシスの影響を受ける。
この実施形態では、前記2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bの差分を演算処理することで、推定手段32が車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定するものとしているので、2つの歪みセンサ22A,22Bの各出力信号A,Bに現れる温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺することができ、これにより車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を正確に検出することができる。
差分の演算処理について説明する。
前記2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bの差分から、演算処理によって差分信号の振幅、または振幅に相当する値を求める方法としては、絶対値|A−B|からそのピーク値を検出するものでも良い。絶対値|A−B|は、演算回路によって生成しても良いが、デジタル演算処理によって計算しても良い。回転状態では半波整流波形が得られるため、そのピーク値をホールドするか、ローパスフィルタ;Low Pass Filter ,略称LPF によって直流成分を求めて差分信号の振幅相当値とすることができる。また、差分信号(A−B)の実効値(二乗平均値)を振幅相当値として荷重の推定演算に用いても良い。デジタル演算処理においては、差分信号の振動周期の一周期以上を演算対象区間に設定し、その区間内の最大値と最小値を検出することで、振幅相当値を算出するものでも良い。
荷重検出用センサ部20として、図5の構成例のものを示す図7においては、固定側部材である外方部材1の外径面の円周方向に並ぶ3つの接触固定部21aのうち、その配列の両端に位置する2つの接触固定部21aの間隔を、転動体5の配列ピッチPと同一に設定している。この場合、隣り合う接触固定部21aの中間位置にそれぞれ配置される2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔は、転動体5の配列ピッチPの略1/2となる。その結果、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bは略180度の位相差を有することになり、その差分は温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を十分相殺した値となる。これにより、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bの差分から、推定手段32によって推定される車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響をより確実に排除した正確なものとなる。
図8には、図5の構成例の荷重検出用センサ部20において、2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの1/2に設定した例を示している。この例では、2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔が、転動体5の配列ピッチPの1/2とされるので、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bは180度の位相差を有することになり、その差分は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を完全に相殺した値となる。これにより、推定手段32によって推定される車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(
垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )から、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響をより確実に排除することができる。
なお、この場合に、2つの歪みセンサ22A,22Bの前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの{1/2+n(n:整数)}倍、またはこれらの値に近似した値としても良い。この場合にも、両歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bの差分は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。
図9には、荷重検出用センサ部20として、図5の構成例のものにおいて、中間位置の接触固定部21aを省略して、接触固定部21aを2つとした構成例(図9(A))の場合を示している。この場合、図7の例の場合と同様に、2つの接触固定部21aの間隔を、転動体5の配列ピッチPと同一に設定している。これにより、2つの接触固定部21aの間に配置される2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔は、転動体5の配列ピッチPの略1/2となる。その結果、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bは略180度の位相差を有することになり、その差分は温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を十分相殺した値となる。これにより、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bの差分から、推定手段32によって推定される車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響をより確実に排除した正確なものとなる。
図10には、図9(A)の構成例の荷重検出用センサ部20において、2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの1/2に設定した例を示している。この例でも、図8の例の場合と同様に、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bは180度の位相差を有することになり、その差分は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を完全に相殺した値となる。これにより、推定手段32によって推定される車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )から、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響をより確実に排除することができる。
この場合、2つの歪みセンサ22A,22Bの前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの{1/2+n(n:整数)}倍、またはこれらの値に近似した値としても良い。この場合にも、両歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bの差分は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。
このほか、図7および図8において、隣り合う2つの接触固定部21aの間での前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの{1/2+n(n:整数)}倍、またはこれらの値に近似した値としても良い。この場合にも、隣り合う2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bの差分は、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。
車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。荷重検出用センサ部20における切欠き部21bを有する歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが外方部材1に接触固定されているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され、その歪みが歪みセンサ22A,22Bで感度良く検出され、その出力信号から荷重を推定できる。ここでは、外方部材1の外径面における上面部と下面部に配置される2つの荷重検出用センサ部20の出力信号から垂直方向荷重Fz と軸方向荷重Fy を推定でき、外方部材1の外径面における右面部と左面部に配置される2つの荷重検出用センサ部20の出力信号から駆動力や制動力による荷重Fx を推定できる。
この場合、各荷重検出用センサ部20における歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bは、上記したようにそのままでは温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を受けるが、推定手段32ではその2つの出力信号の差分から、車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に作用する荷重(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定するので、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響が解消され、荷重を精度良く推定できる。
特に、このセンサ付車輪用軸受では、複数の荷重検出用センサ部20の歪み発生部材21を、これら複数の荷重検出用センサ部20にわたって連続した1つの帯状の部材で構成しているので、煩雑な配線作業が要らず、配線部の品質向上およびコスト低減が可能となる。
また、この実施形態では、前記歪み発生部材21を、その長手方向の複数箇所で屈曲させて、固定側部材である外方部材1に固定するようにしているので、外方部材1への取付け作業も容易になる。
固定側部材である外方部材1の外径面に固定される荷重径用センサ部20の各接触固定部21aの軸方向寸法が異なると、外方部材1の外径面から接触固定部21aを介して歪み発生部材21に伝達される歪みも異なる。この実施形態では、荷重検出用センサ部20の各接触固定部21aを、外方部材1の外径面に対して軸方向に同寸法となるように設けているので、歪み発生部材21に歪みが集中しやすくなり、それだけ検出感度が向上する。
また、この実施形態では、荷重検出用センサ部20の歪み発生部材21は、平面概形が均一幅の帯状、または平面概形が帯状で側辺部に切欠き部21bを有する薄板材からなるものとしているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され易く、その歪みが歪みセンサ22A,22Bで感度良く検出され、その出力信号A,Bに生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。また、歪み発生部材21の形状も簡単なものとなり、コンパクトで低コストなものとできる。
また、歪み発生部材21の切欠き部21bの隅部は断面円弧状とされているので、切欠き部21bの隅部に歪みが集中せず、塑性変形する可能性が低くなる。また、切欠き部21bの隅部に歪みが集中しなくなることで、歪み発生部材21における検出部つまり歪みセンサ22A,22Bの取付け部での歪み分布のばらつきが小さくなり、歪みセンサ22A,22Bの取付け位置が歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bに及ぼす影響も小さくなる。これにより、荷重をさらに精度良く推定できる。
このセンサ付車輪用軸受から得られた検出荷重を自動車の車両制御に使用することにより、自動車の安定走行に寄与できる。また、このセンサ付車輪用軸受を用いると、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
また、この実施形態では、固定側部材である外方部材1の車体取付用フランジ1aの正面形状を、図2のように軸受軸心Oに直交する線分(例えば図2における縦線分LVあるいは横線分LH)に対して線対称となる形状、または軸受軸心Oに対して点対称となる形状(具体的には円形)としているので、外方部材1のフランジ1aが単純化され、外方部材1の形状の複雑さに起因する温度分布や膨張・収縮量のばらつきを低減できる。これにより、固定側部材である外方部材1における温度分布や膨張・収縮量のばらつきによる影響を十分小さくして、荷重による歪み量を荷重検出用センサ部に検出させることができる。
また、この実施形態では、荷重検出用センサ部20を、外方部材1における複列の転走面3のうちのアウトボード側の転走面3の周辺となる軸方向位置、つまり比較的設置スペースが広く、タイヤ作用力が転動体5を介して外方部材1に伝達されて比較的変形量の大きい部位に配置しているので、検出感度が向上し、荷重をより精度良く推定できる。
また、この実施形態では、固定側部材である外方部材1の外径面の上面部と下面部、および右面部と左面部に荷重検出用センサ部20を設けているので、どのような荷重条件においても、荷重を精度良く推定することができる。すなわち、ある方向への荷重が大きくなると、転動体5と転走面3が接触している部分と接触していない部分が180度位相差で現れるため、その方向に合わせて荷重検出用センサ部20を180度位相差で設置すれば、どちらかの荷重検出用センサ部20には必ず転動体5を介して外方部材1に印加される荷重が伝達され、その荷重を歪みセンサ22A,22Bにより検出可能となる。
なお、上記実施形態では、推定手段32が、2つ以上の歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bの差分から、車輪用軸受に作用する荷重を推定するものとしたが、推定手段32は、さらに前記2つ以上の歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bの和も用いて、車輪用軸受に作用する荷重を推定するものとしても良い。このように、2つ以上の歪みセンサ22A,22Bの出力信号A,Bの和を取ると、各出力信号A,Bに現れる転動体5の位置の影響を相殺することができるので、差分から温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を排除できることと相まって、荷重をさらに精度良く検出できる。
図11ないし図13は、他提案例を示す。なお、図11はこのセンサ付車輪用軸受の断面図を示し、図12は図11のXII − XII矢視断面図を示す。また、図11では推定手段32を省略している。このセンサ付車輪用軸受では、図1〜図10に示した前記提案例において、4つの荷重検出用センサ部20にわたって連続した1つの帯状部材とされる歪み発生部材21を、弾性体からなるモールド材33で被覆している。その他の構成は図1〜図10に示した提案例の場合と同様である。
4つの荷重検出用センサ部20を有する歪み発生部材21の上に、信号処理用IC28、信号ケーブル29、およびコネクタ30を設けてなる電子部品複合体31の展開平面図を示す図13(A)では、歪み発生部材21のモールド材33で被覆した部分をハッチングして示している。歪み発生部材21はその長手方向の複数箇所を屈曲させて、車輪用軸受の外方部材1の外径面に固定するので、歪み発生部材21を被覆するモールド材33は、歪み発生部材21の屈曲を阻害しない例えばゴム材料などからなる弾性体とされる。ゴム系のモールド材として、例えばニトリルゴム(NBR)系、水素化ニトリルゴム(H−NBR)系、アクリル系、フッ素系、シリコン系のものを使用することができる。なお、歪み発生部材21における外方部材1との接触面やボルト24との接触面は、弾性体からなるモールド材33で被覆すると歪み検出に悪影響が生じるので、これらの部分はモールド材33で被覆されていない。
このように、この提案例では、4つの荷重検出用センサ部20にわたって連続した1つの帯状部材とされる歪み発生部材21を、弾性体からなるモールド材33で被覆しているので、外部環境の泥水などにより、荷重検出用センサ部20の歪みセンサ22が腐食するのを防止することができ、信頼性の高いセンサ付車輪用軸受とすることができる。
図14ないし図17は、さらに他の提案例を示す。なお、図14はこのセンサ付車輪用軸受の断面図を示し、図15はセンサ付車輪用軸受における外方部材をアウトボード側から見た正面図を示す。また、図14では推定手段32を省略している。このセンサ付車輪用軸受では、図11〜図13に示した前記提案例において、4つの荷重検出用センサ部20を覆う筒状の保護カバー40を、固定側部材である外方部材1の外径面に嵌合させている。その他の構成は図11〜図13に示した提案例の場合と同様である。
前記保護カバー40は、インボード側半部が大径部40aでアウトボード側半部が小径部40bとなる段付き円筒状とされている。この保護カバー40のインボード側端は車体取付用フランジ1aの外径面に嵌合させられ、保護カバー40のアウトボード側端は外方部材1のアウトボード側端よりもアウトボード側に突出した筒部40cとされ、この筒部40cが外方部材1のアウトボード側端の外径面に僅かな隙間を介して遊嵌させられる。これにより、外方部材1のアウトボード側端では、図16に拡大断面図で示すように、外方部材1の外径面と保護カバー40との間にラビリンス41が形成される。このように、保護カバー40が嵌合されない端部側にラビリンス41を形成することにより、泥水などが保護カバー40の内側に浸入するのを防止できる。なお、図17に拡大断面図で示すように、保護カバー40のアウトボード側端を外方部材1のアウトボード側端の外径面に嵌合させ、保護カバー40のインボード側端は車体取付用フランジ1aの外径面に僅かな隙間を介して遊嵌させても良い。この場合は、車体取付用フランジ1aの外径面と保護カバー40との間にラビリンス41Aが形成される。保護カバー40の材料としては、例えばステンレス鋼等の耐食性を有する鋼板をプレス加工した成形品が用いられる。これにより、保護カバー40が外部環境により腐食するのを防止できる。
このように、この提案例では、4つの荷重検出用センサ部20を覆う筒状の保護カバー40を、固定側部材である外方部材1の外径面に嵌合させているので、これら4つの荷重検出用センサ部20を外部環境から保護することができ、車両走行中に跳ねた小石などが衝突するといった外部環境による荷重検出用センサ部20の故障を防止して、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり安定的に検出できる。
図18は、さらに他の提案例を示す。このセンサ付車輪用軸受は、図1〜図17に示した各提案例において、4つの荷重検出用センサ部20にわたって連続した1つの帯状部材とされる歪み発生部材21が取付けられる外方部材1の外径面に、耐食性または防食性を有する表面処理層42が形成されている。この例では、前記表面処理層42が外方部材1の外径面の全面に形成されているが、車体取付用フランジ1aからアウトボード側端までの範囲に形成しても良い。
耐食性または防食性を有する表面処理層42としては、例えば金属メッキ処理を施した表層や塗装処理を施した表層が挙げられる。金属メッキ処理としては、亜鉛メッキ、ユニクロメッキ、クロメートメッキ、ニッケルメッキ、クロムメッキ、無電解ニッケルメッキ、カニゼンメッキ、四三酸化鉄皮膜(黒染め)、レイデントなどの処理が適用可能である。塗装処理としては、カチオン電着塗装、アニオン電着塗装、フッ素系電着塗装、窒化珪素等のセラミックコーティングなどが適用可能である。
このように、この提案例では、4つの荷重検出用センサ部20にわたって連続した1つの帯状部材とされる歪み発生部材21が取付けられる外方部材1の外径面に、耐食性または防食性を有する表面処理層42を形成しているので、外方部材1の外径面の錆により荷重検出用センサ部20の取付部が盛り上がったり、荷重検出用センサ部20にもらい錆が発生するのを防止でき、錆に起因する歪みセンサ22の誤動作を解消でき、荷重検出を長期にわたり正確に行なうことができる。
前記表面処理層42を、外方部材1の外径面の全面ではなく、車体取付用フランジ1aからアウトボード端までの範囲に形成する場合、外方部材1の転走面3を研削加工する際に、外方部材1の外径面のインボード側端の表面未処理部を保持することができ、高精度に転走面3を研削加工することができる。
上記各提案例および実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、荷重検出用センサ部20は内方部材の内周となる周面に設ける。
また、この上記各提案例および実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。また、外方部材が回転側部材となる車輪用軸受に適用することもできる。その場合、内方部材の外周に荷重検出用センサ部を設ける。
1…外方部材
1a…車体取付用フランジ
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
20…荷重検出用センサ部
21…歪み発生部材
21a…接触固定部
21b…切欠き部
21d…屈曲部
22,22A,22B…歪みセンサ
32…推定手段
33…モールド材
40…保護カバー
42…表面処理層

Claims (18)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に、円周方向に互いに離間した荷重検出用センサ部を複数有するセンサ付車輪用軸受であって、
    前記複数の荷重検出用センサ部に渡って連続した1つの帯状の歪み発生部材を備え、この歪み発生部材は金属製の薄板材からなり、かつこの歪み発生部材は、前記各荷重検出用センサ部毎に、前記固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有し、
    前記各荷重検出用センサ部は、前記歪み発生部材の前記2つ以上の接触固定部を含む円周方向の一部分、およびこの歪み発生部材に前記各荷重検出用センサ部毎に取付けられてこの歪み発生部材の前記一部分の歪みを検出する2つ以上のセンサからなり、
    前記帯状の歪み発生部材における前記2つ以上の接触固定部は、前記固定側部材の外径面の同一軸方向位置でかつ円周方向に互いに離間した位置にあり、これら各接触固定部はスペーサを介してボルトにより前記固定側部材の前記外径面に固定されて前記歪発生部材の前記センサが取り付けられた箇所は前記固定側部材の外周面から径方向に離れており、前記帯状の歪み発生部材は前記各荷重検出用センサ部の間で一方向に屈曲した形状であり、
    前記2つ以上のセンサの出力信号により、車輪用軸受に作用する荷重を推定する推定手段を備え、
    前記歪み発生部材には、前記各荷重検出用センサ部の前記歪みセンサからの出力信号を処理する信号処理用ICと、処理された信号を外部に取り出す信号ケーブルと、これら信号処理用ICと信号ケーブルを接続するコネクタとが一体となった1つの電子部品複合体が設けられ、前記各荷重検出用センサ部の前記歪みセンサの出力信号は、前記信号処理用ICおよび前記信号ケーブルを経て前記車両側の推定手段に入力される
    ことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  2. 請求項1において、前記1つの帯状の歪み発生部材が、その長手方向の複数箇所における、隣合う荷重検出用センサ部の間で屈曲しており、前記固定側部材に固定具で固定されているセンサ付車輪用軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記1つの帯状の歪み発生部材が弾性体で被覆されているセンサ付車輪用軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記固定側部材の外径面における少なくとも前記複数の荷重検出用センサ部との接触部分が、耐食性または防食性を有する表層であるセンサ付車輪用軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記複数の荷重検出用センサ部を覆う筒状の保護カバーが前記固定側部材の外径面に嵌合したセンサ付車輪用軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記推定手段は、前記2つ以上のセンサの出力信号の差分から、出力信号の振幅または振幅に相当する値を演算するものであるセンサ付車輪用軸受。
  7. 請求項6において、前記推定手段は、出力信号の差分から信号の絶対値を生成し、そのピーク値または直流成分を、出力信号の振幅相当値とするものであるセンサ付車輪用軸受。
  8. 請求項6において、前記推定手段は、出力信号の差分から信号の実効値を演算し、その値を出力信号の振幅相当値とするものであるセンサ付車輪用軸受。
  9. 請求項6において、前記推定手段は、出力信号の差分から、その振動周期の一周期以上の時間区間内における最大値と最小値を求め、その値を出力信号の振幅相当値とするものであるセンサ付車輪用軸受。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記2つ以上の接触固定部のうち、前記固定側部材の外径面の円周方向配列の両端に位置する2つの接触固定部の間隔が、転動体の配列ピッチと同一であるセンサ付車輪用軸受。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項において、前記2つ以上のセンサにおける隣り合うセンサ間の前記固定側部材の外径面の円周方向についての間隔が、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍またはこれらの値に近似した値であるセンサ付車輪用軸受。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項において、前記荷重検出用センサ部は3つの接触固定部と2つのセンサを有し、隣り合う第1および第2の接触固定部の間、および隣り合う第2および第3の接触固定部の間に各センサがそれぞれ存在するセンサ付車輪用軸受。
  13. 請求項12において、隣り合う接触固定部もしくは隣り合うセンサの前記固定側部材の外径面の円周方向についての間隔が、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍またはこれらの値に近似した値であるセンサ付車輪用軸受。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれか1項において、前記歪み発生部材は、平面概形が帯状で側辺部に切欠き部を有する薄板材からなるセンサ付車輪用軸受。
  15. 請求項1ないし請求項14のいずれか1項において、前記荷重検出用センサ部が、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に位置しているセンサ付車輪用軸受。
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれか1項において、前記推定手段は、さらに前記2つ以上のセンサの出力信号の和も用いて、車輪用軸受に作用する荷重を推定するセンサ付車輪用軸受。
  17. 請求項1ないし請求項16のいずれか1項において、前記固定側部材は外周にナックルに取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの正面形状が、軸受軸心に直交する線分に対して線対称となる形状、または軸受軸心に対して点対称となる形状であるセンサ付車輪用軸受。
  18. 請求項1ないし請求項17のいずれか1項において、前記荷重検出用センサ部における前記歪み発生部材の接触固定部が3つであり、
    前記帯状の歪み発生部材における前記3つの接触固定部が、前記固定側部材の外径面の同一軸方向位置でかつ円周方向に互いに離間した位置にあり、隣り合う前記接触固定部の間隔または隣り合う前記センサの前記固定側部材の外径面の円周方向についての間隔が、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍またはこれらの値に近似した値であり、前記推定手段は、前記2つのセンサの出力信号の差分により、車輪用軸受に作用する荷重を推定するセンサ付車輪用軸受。
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