JP5484204B2 - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

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この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
自動車の各車輪にかかる荷重を検出する技術として、図17のように車輪用軸受の固定輪である外輪90に歪みゲージ91を貼り付け、歪みを検出することにより荷重を検出するセンサ付車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。また、車輪に設けた複数の歪みセンサの出力信号から、車輪にかかる荷重を推定する演算方法も提案されている(例えば特許文献2)。
特表2003−530565号公報 特表2008−542735号公報
特許文献1,2に開示の技術のように、歪みセンサを用いて車輪にかかる荷重を計測する場合、環境温度によるセンサのドリフトや、センサユニットの取付けに伴う歪みによる初期ドリフトが問題となる。
このセンサユニットの取付けに伴う歪みによるドリフトは、歪みセンサを設置した状態でオフセット調整し、その位置からの変化分を信号出力として換算することで解消し、歪み信号を正確に検出することができる。
上記したセンサ出力信号のオフセット機能を持たせた荷重推定手段として、例えば図18〜図20にブロック図で示す構成のものが考えられる。この例でのセンサユニット110は、車輪用軸受の固定輪である外輪に取付けた歪み発生部材と、この歪み発生部材に固定される歪みセンサとで構成される。
図18の荷重推定手段は、増幅回路101、オフセット調整回路102、記憶手段103、各種の補正回路104、信号出力回路106、およびコントロール回路107を有する。コントロール回路107は、前記オフセット調整回路102、記憶手段103、補正回路104、信号出力回路106などの制御を行うとともに、オフセット調整などの前処理が施されたセンサ出力信号を12〜16ビット程度の分解能を持つAD変換器108(図20)でデジタル化し、このデジタル化されたセンサ出力信号に基づき、その荷重演算機能によって車輪用軸受にかかる荷重を演算し推定する。オフセット調整回路102は、センサユニット110の初期オフセットや車輪用軸受への固定によるオフセットを、正規の値に調整するものであり、コントロール回路107による調整、もしくは外部からの指令による調整が可能とされている。
図19には、センサユニット110、増幅回路101、およびオフセット調整回路102の具体的な接続構成例を示す。オフセット調整回路102は、オペアンプOP、抵抗R3、R4、可変抵抗器VR1,VR2などからなる加算器として構成される。この場合、センサ付車輪用軸受の組立完了後にセンサ出力が規定値(ゼロ点電圧)になるように、可変抵抗器VRI,VR2の抵抗値が調整されて固定される。
しかし、 図18に示す荷重推定手段の回路構成としても、センサユニット110の取付けに伴う歪みの程度や、センサ素子Rg(図19)自体の特性ばらつきをカバーするには、回路に大きなオフセットの調整幅を持たせる必要があり、その調整工程も必要となるため、製造コストが増加してしまう。
また、長期運転中に大きなオフセット変動が発生した場合、その大きさによっては後段の増幅回路101が飽和してしまい、荷重の検出が困難になってしまう。
また、図20のように、軸受の外輪120に搭載する歪みセンサ111の数が増えた場合、上記した増幅回路101およびオフセット調整回路102を含む前処理回路も素子数と同じく増加するため、回路基板のサイズが大きくなり、軸受外輪120上に搭載することが難しくなる。そのため、前処理回路を軸受とは離れた場所に設置し、センサ出力信号を引き回す手法をとることになるが、この場合、ケーブルの本数が増加して、足回り部品からボディー側まで太い配線を設置することになり、作業性・信頼性の低下を引き起こす。また、微弱なセンサ出力信号を長い配線で引き出すため、ノイズの影響も大きくなってしまうという問題もある。
そこで、図20に示すAD変換器108を図21や図22のように軸受の外輪120上に配置し、配線数を低減する構成が考えられる。しかし、この場合、センサユニット110毎にAD変換器108を設ける必要があり、コストアップとなる。図21や図22では、1つのAD変換器108を2つのセンサユニット110で共用したり、1つのAD変換器108を4つのセンサユニット110で共用する例を示しているが、AD変換器108を具体的にどのように固定するかが新たな問題となる。例えば、外輪120の円筒部外周面にAD変換器108を設ける場合、外輪120の外周面にセンサユニット取付用のものと同様の台座を設ける必要があるが、これでは外輪120の円筒部が上下左右で非対称となるため、センサユニット110の構成要素となる複数の歪みセンサのセンサ出力信号が複雑化してしまう。外輪120の外周にセンサユニット110を覆う保護カバーを設ける構成例の場合には、その保護カバーに上記AD変換器108を固定することも考えられる。しかし、この場合には、保護カバーの取付け時に回路の配線を行わなければならないので、軸受の組立性が悪くなる。
このように、センサ出力信号を処理する演算処理回路に上記したAD変換器などを付加する場合には、その演算処理回路をどのように設置するかが新たな問題として生じる。
この発明の目的は、コンパクトな構成で、演算処理回路等の組立性も良く、車輪の軸受部にかかる荷重を正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材は、ナックルに取付ける車体取付用のフランジを外周に有し、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記固定側部材の外径面に1つ以上の荷重検出用センサユニットを設け、このセンサユニットは前記固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出する1つ以上のセンサからなり、前記車体取付用のフランジの側面に、円弧状の回路基板およびこの回路基板上に実装された回路素子により構成されて前記センサの出力信号を演算処理する演算処理回路を取付けたことを特徴とする。この場合の固定側部材は例えば軸受の外方部材である。
車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材(例えば外方部材)にも荷重が印加されて変形が生じる。センサユニットにおける歪み発生部材が固定側部材に接触固定されているので、固定側部材の歪みが歪み発生部材に拡大して伝達され、その歪みがセンサで感度良く検出され荷重を精度良く推定できる。
特に、固定側部材の車体取付用のフランジの側面に、円弧状の回路基板およびこの回路基板上に実装される回路素子からなり、前記センサユニットのセンサ出力信号を演算処理する演算処理回路を取付けているので、固定側部材の円筒部の周面の形状に変化を持たせることなく、コンパクトな構成でAD変換器などを含む演算処理回路を取付けることができて、組立性も良く、車輪の軸受部にかかる荷重を正確に検出することができる。
この発明において、前記演算処理回路は、前記センサの出力信号をAD変換するAD変換器を備えるものであっても良い。
この発明において、前記演算処理回路は、前記センサのオフセットを正規の値に調整するオフセット調整回路と、前記センサの出力信号を増幅する増幅回路とを備えるものであっても良い。前記演算処理回路は、正規化の処理としてオフセット調整を行う。
記演算処理回路は、前記センサの出力信号から車輪に加わる荷重を推定する荷重推定手段を備える。
記演算処理回路は、具体的には前記センサの出力信号の平均値を用いて車輪用軸受に作用する荷重を推定する第1の荷重推定手段と、前記センサの出力信号の振幅値、またはその振幅値と前記平均値とを用いて車輪用軸受に作用する荷重を推定する第2の荷重推定手段と、車輪回転速度に応じて、前記第1および第2の荷重推定手段のうちいずれかの推定荷重値を切り替え選択して出力する選択出力手段とを備える。
この構成の場合、車輪が静止あるいは低速状態のときには時間平均処理することなく求められる平均値から得られる第1の荷重推定手段の推定荷重値を出力することで、検出処理時間を短くできる。また、車輪が通常回転状態にあるときには、センサ出力信号の平均値と振幅値を精度良く演算できるので、振幅値、または平均値と振幅値とから得られる第2の荷重推定手段の推定荷重値を出力することで、推定荷重値の誤差が小さくなり、検出遅延時間も十分短くなる。
その結果、車輪にかかる荷重を正確に推定でき、かつ検出した荷重信号を遅延なく出力できる。このため、その荷重信号を利用した車両の制御の応答性や制御性が向上し、より安全性や走行安定性を高めることができる。
この場合に、前記センサユニットは3つ以上の接触固定部と2つのセンサを有し、隣り合う第1および第2の接触固定部の間、および隣り合う第2および第3の接触固定部の間に各センサをそれぞれ取付け、隣り合う接触固定部もしくは隣り合うセンサの前記固定側部材の円周方向についての間隔を、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍とし、前記第1および第2の荷重推定手段は前記2つのセンサの出力信号の和を平均値として用いるものとしても良い。
この発明において、前記固定側部材の周面に固定側部材と同心に円環状の保護カバーを取付け、この保護カバーで前記センサユニットおよび前記演算処理回路を覆っても良い。 この構成の場合、センサユニットおよび演算処理回路を保護カバーで被覆できて、外部環境の影響によるセンサユニットや演算処理回路の故障を防止して、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり正確に検出できる。例えば外部からの飛び石や泥水,塩水等から、センサユニットや演算処理回路を確実に保護することができる。
この発明において、前記演算処理回路に、演算処理回路で処理された信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブルを取付け、前記保護カバーにおける前記車体取付用フランジよりもアウトボード側の円筒部に、前記信号ケーブルの保護カバーからの引き出し部が引き出される孔部を設け、信号ケーブル引き出し部が前記孔部から引き出される部分に防錆処理を施したシール材を塗布しても良い。
この構成の場合、保護カバーの密封性をより高めることができ、信号ケーブルの周方向への変位も規制することができる。
この発明において、前記演算処理回路に、演算処理回路で処理された信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブルを取付け、前記保護カバーにおける前記車体取付用フランジよりもアウトボード側の円筒部に、前記信号ケーブルの保護カバーからの引き出し部が引き出される孔部を設け、信号ケーブル引き出し部が前記孔部から引き出される部分に弾性材料からなるブッシュを取付けても良い。
この構成の場合も、保護カバーの密封性をより高めることができる。
この発明において、前記演算処理回路に、演算処理回路で処理された信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブルを取付け、前記保護カバーにおける前記車体取付用フランジよりもアウトボード側の円筒部に、前記信号ケーブルの保護カバーからの引き出し部が引き出される孔部を設け、信号ケーブル引き出し部が前記孔部から引き出される部分に防錆処理を施したシール材を塗布すると共に、弾性材料からなるブッシュを取付けても良い。
この構成の場合、シール材とブッシュが重複して用いられるので、保護カバーの密封性をさらに高めることができる。
この発明において、前記保護カバーは、例えば耐蝕性を有する鋼板をプレス加工して成形したものであっても良いし、プレス加工して成形した鋼板に金属メッキまたは塗装を施したものであっても良い。
この発明において、前記固定側部材の周面に固定側部材と同心にフレキシブル基板を取付け、このフレキシブル基板に前記演算処理回路を一体成形しても良い。この場合には、演算処理回路へのフレキシブル基板の接続作業を省略することができる。
この発明において、前記固定側部材の周面に固定側部材と同心にフレキシブル基板を取付け、このフレキシブル基板に前記センサユニットを取付けても良い。このように、フレキシブル基板にセンサユニットを取付けることで、センサユニットの取付けが容易になる。
この発明において、前記フレキシブル基板のベース材質がポリイミドであっても良い。フレキシブル基板のベース材質をポリイミドとすると、フレキシブル基板に十分な屈曲性と耐熱性を持たせることができる。
この発明において、前記センサユニットを、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に円周方向90度の位相差で4つ等配しても良い。
このように4つのセンサユニットを配置することで、車輪用軸受に作用する垂直方向荷重Fz 、駆動力や制動力となる荷重Fx 、軸方向荷重Fy を推定することができる。
この発明において、前記固定側部材のフランジの正面形状を、軸受軸心に直交する線分に対して線対称となる形状、または軸受軸心に対して点対称となる形状としても良い。
この構成の場合、固定側部材の形状が単純化され、固定側部材の形状の複雑さに起因する温度分布や膨張・収縮量のばらつきを低減できる。これにより、固定側部材における温度分布や膨張・収縮量のばらつきによる影響を十分小さくして、荷重による歪み量をセンサユニットに検出させることができる。
この発明において、前記固定側部材のフランジが設けられる周面に、耐蝕性または防食性を有する表面処理を施しても良い。この場合の表面処理は、例えば金属メッキ、または塗装、またはコーティング処理である。
このように、固定側部材のフランジが設けられる周面に耐食性または防食性を有する表面処理を施した場合、固定側部材の周面の錆によりセンサユニットの取付部が盛り上がったり、センサユニットにもらい錆が発生するのを防止でき、錆に起因するセンサの誤動作を解消でき、荷重検出をさらに長期にわたり正確に行うことができる。
この発明のセンサ付車輪用軸受の組立方法は、前記発明のセンサ付車輪用軸受の組立方法であって、前記固定側部材の単体の状態、または固定側部材に前記転動体を組み付けた状態で、前記固定側部材の周面に前記センサユニットを取付け、さらに前記保護カバーを固定側部材の周面に取付けた後、軸受を組み立てることを特徴とする。
この組立方法によると、固定側部材にセンサユニットや保護カバーを取付けたセンサ付車輪用軸受を、容易に組み立てることができる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材は、ナックルに取付ける車体取付用のフランジを外周に有し、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記固定側部材の外径面に1つ以上の荷重検出用センサユニットを設け、このセンサユニットは前記固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出する1つ以上のセンサからなり、前記車体取付用のフランジの側面に、円弧状の回路基板およびこの回路基板上に実装された回路素子により構成されて前記センサの出力信号を演算処理する演算処理回路を取付け、前記演算処理回路は、前記センサの出力信号から車輪に加わる荷重を推定する荷重推定手段を備え、この荷重推定手段に、前記センサの出力信号の平均値を用いて車輪用軸受に作用する荷重を推定する第1の荷重推定手段と、前記センサの出力信号の振幅値、またはその振幅値と前記平均値とを用いて車輪用軸受に作用する荷重を推定する第2の荷重推定手段と、車輪回転速度に応じて、前記第1および第2の荷重推定手段のうちいずれかの推定荷重値を切り替え選択して出力する選択出力手段とを備えるため、コンパクトな構成で、演算処理回路等の組立性も良く、車輪の軸受部にかかる荷重を正確に検出することができる。
この発明のセンサ付車輪用軸受の組立方法は、この発明のセンサ付車輪用軸受を組み立てる組立方法であって、前記固定側部材の単体の状態、または固定側部材に前記転動体を組み付けた状態で、前記固定側部材の周面に前記センサユニットを取付け、さらに保護カバーを固定側部材の周面に取付けた後、軸受を組み立てることとしたため、固定側部材にセンサユニットや保護カバーを取付けたセンサ付車輪用軸受を、容易に組み立てることができる。
この発明の一実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材の一例の断面図である。 同外方部材をアウトボード側から見た正面図である。 同センサ付車輪用軸受におけるセンサユニットの拡大平面図である。 図4におけるV−V矢視断面図である。 (A)はフレキシブル基板の一例の一部を破断して示す展開平面図、(B)は(A)のVIb−VIb矢視断面図である。 (A)はフレキシブル基板の他の例の一部を破断して示す展開平面図、(B)は同断面図である。 (A)はフレキシブル基板のさらに他の例の一部を破断して示す展開平面図、(B)は同断面図である。 センサユニットの出力信号に対する転動体位置の影響の説明図である。 同センサ付車輪用軸受における検出系の全体構成の一例を示すブロック図である。 同センサ付車輪用軸受における検出系の全体構成の他の例を示すブロック図である。 センサ出力信号の平均値と振幅値を演算する演算部の回路例のブロック図である。 平均値および振幅値から荷重を推定・出力する回路部のブロック図である。 この発明の他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受における外方部材の一例の断面図である。 同外方部材の他の例の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。 従来例の斜視図である。 提案例における検出系の構成例を示すブロック図である。 同検出系における増幅回路およびオフセット調整回路の具体例を示す回路構成図である。 提案例においてセンサ数が増加したときの検出系の構成を示すブロック図である。 提案例におけるAD変換器の設置構成の一例を示す断面図である。 提案例におけるAD変換器の他の設置構成例を示す断面図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図13と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックル16に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには周方向複数箇所にナックル取付用のねじ孔14が設けられ、インボード側よりナックル16のボルト挿通孔17に挿通したナックルボルト(図示せず)を前記ねじ孔14に螺合することにより、車体取付用フランジ1aがナックル16に取付けられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2はこの車輪用軸受における外方部材1の断面図を示し、図3はその外方部材1をアウトボード側から見た正面図を示す。なお、図2は、図3におけるII−II矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、その正面形状が、軸受軸心Oに直交する線分(例えば図3における縦線分LVあるいは横線分LH)に対して線対称となる形状、または軸受軸心Oに対して点対称となる形状とされている。具体的には、この例ではその正面形状が前記縦線分LVに対して線対称となる円形とされている。
固定側部材である外方部材1の外径面には、4つのセンサユニット20が設けられている。ここでは、これらのセンサユニット20が、タイヤ接地面に対して上下位置および前後位置となる外方部材1の外径面における上面部、下面部、右面部、および左面部に、円周方向90度の位相差で等配されている。
これらのセンサユニット20は、図4および図5に拡大平面図および拡大断面図で示すように、歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出する2つの歪みセンサ22A,22Bとでなる。歪み発生部材21は、鋼材等の弾性変形可能な金属製で2mm以下の薄板材からなり、平面概形が全長にわたり均一幅の帯状で両側辺部に切欠き部21bを有する。切欠き部21bの隅部は断面円弧状とされている。また、歪み発生部材21は、外方部材1の外径面にスペーサ23を介して接触固定される3つの接触固定部21aを有する。3つの接触固定部21aは、歪み発生部材21の長手方向に向けて1列に並べて配置される。つまり、図5において、左端の接触固定部21aと中央の接触固定部21aとの間に1つの歪みセンサ22Aが配置され、中央の接触固定部21aと右端の接触固定部21aとの間に他の1つの歪みセンサ22Bが配置される。切欠き部21bは、図4のように、歪み発生部材21の両側辺部における前記歪みセンサ22A,22Bの配置部に対応する2箇所の位置にそれぞれ形成されている。これにより、歪みセンサ22A,22Bは歪み発生部材21の切欠き部21b周辺における長手方向の歪みを検出する。なお、歪み発生部材21は、固定側部材である外方部材1に作用する外力、またはタイヤと路面間に作用する作用力として、想定される最大の力が印加された状態においても、塑性変形しないものとするのが望ましい。塑性変形が生じると、外方部材1の変形がセンサユニット20に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすからである。想定される最大の力は、例えば、その力が作用しても車輪用軸受は損傷せず、その力が除去されると車輪用軸受の正常な機能が復元される範囲で最大の力である。
前記センサユニット20は、その歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが外方部材1の軸方向について同じ位置で、かつ各接触固定部21aが互いに円周方向に離れた位置に来るように配置され、これら接触固定部21aがそれぞれスペーサ23を介してボルト24により外方部材1の外径面に固定される。このとき、センサユニット20の上面に配置されるフレキシブル基板30も、センサユニット20と共に外方部材1の外径面に固定される。フレキシブル基板30は、外方部材1の外径面に沿って外方部材1と同心にリング状に配置される帯状の一枚基板である。つまり、4つのセンサユニット20は1つのフレキシブル基板30の裏面側に取付けられ、フレキシブル基板30と共に外方部材1の外径面に固定される。フレキシブル基板30は外方部材1の外径面に沿ってリング状に配置されるため、そのベース材質としてはポリイミドが望ましい。フレキシブル基板30のベース材質をポリイミドとすると、フレキシブル基板30に十分な屈曲性と耐熱性を持たせることができ、外方部材1の周方向に容易に沿わせることができる。
前記各ボルト24は、それぞれフレキシブル基板30のボルト挿通孔30aから、歪み発生部材21の接触固定部21aに設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔25、スペーサ23のボルト挿通孔26に挿通し、外方部材1の外周部に設けられたねじ孔27に螺合させる。ボルト24の頭部と歪み発生部材21との間にはワッシャ28を介在させる。このように、スペーサ23を介して外方部材1の外径面に接触固定部21aを固定することにより、薄板状である歪み発生部材21における切欠き部21bを有する各部位が外方部材1の外径面から離れた状態となり、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。接触固定部21aが配置される軸方向位置として、ここでは外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置が選ばれる。ここでいうアウトボード側列の転走面3の周辺とは、インボード側列およびアウトボード側列の転走面3の中間位置からアウトボード側列の転走面3の形成部までの範囲である。外方部材1の外径面へセンサユニット20を安定良く固定する上で、外方部材1の外径面における前記スペーサ23が接触固定される箇所には平坦部1bが形成される。
歪みセンサ22A,22Bとしては、種々のものを使用することができる。例えば、歪みセンサ22A,22Bを金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材21に対しては接着による固定が行なわれる。また、歪みセンサ2222A,22Bを歪み発生部材21上に厚膜抵抗体にて形成することもできる。
図6(A),(B)は、前記フレキシブル基板30でのセンサユニット20の一配置例の平面展開図およびその断面図を示す。この配置例では、フレキシブル基板30上に4つのセンサユニット20が直接に取付けられている。センサユニット20はフレキシブル基板30の裏面(外方部材1の外径面と対向する面)側に取付けられ、配線回路34がフレキシブル基板30の裏面または表面または表裏両面に回路パターンとして印刷されている。センサユニット20は半田付けなどにより前記配線回路34に接続される。センサユニット20は、その歪み発生部材21の外方部材1との接触面とは反対側の表面が回路印刷面とされ、この回路印刷面がフレキシブル基板30の配線回路34の印刷面と向かい合わせとなるようにフレキシブル基板30に取付けられる。この例では、フレキシブル基板30のセンサユニット配置部におけるセンサユニット20の両側部に相当する部分に、フレキシブル基板30の長手方向に延びる帯状の開口30bが形成されている。これにより、センサユニット20の外方部材1との密着面は、回路印刷面や半田部がない平坦面となり、外方部材1にセンサユニット20を密着させて取付けることができる。
図7(A),(B)は、前記フレキシブル基板30でのセンサユニット20の他の配置例の平面展開図および断面図を示す。この配置例でも、センサユニット20のすべてがフレキシブル基板30上に取付けられている。この配置例では、フレキシブル基板30のセンサユニット配置部に、センサユニット20の略全体が露出する方形の開口30cが形成されている。
このように、フレキシブル基板30におけるセンサユニット30の配置部に、センサユニット20の略全体が露出する方形の開口30cを形成することにより、センサユニット20における歪み発生部材21の変形がフレキシブル基板30で規制されるのを確実に防ぐことができ、荷重の検出精度をそれだけ向上させることができる。その他の構成は、図6に示した配置例の場合と同様である。
図8(A),(B)は、前記フレキシブル基板30でのセンサユニット20のさらに他の配置例の平面展開図および断面図を示す。この配置例では、各センサユニット20を、フレキシブル基板30の配線回路34との接続部を除いて、フレキシブル基板30から切り離している。その他の構成は、図6に示した配置例の場合と同様である。
各センサユニット20の歪みセンサ22A,22Bは、前記フレキシブル基板30の配線回路34を介して演算処理回路31(図1〜図3)に接続される。演算処理回路31は、歪みセンサ22A,22Bの出力信号を演算処理して、車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定する回路であって、円弧状の回路基板およびこの回路基板上に実装された回路素子からなる。この演算処理回路31の構成の一例を図10および図11にブロック図で示す。
演算処理回路31の円弧状の回路基板は、図1のように外方部材1の車体取付用のフランジ1aのアウトボード側を向く側面に取付けられる。図1〜図3の構成例では、前記フランジ1aのアウトボード側を向く側面に、演算処理回路31が外方部材1と同心にスペーサ33を介して配置され、複数のボルト35によりフランジ1aの側面に固定される。演算処理回路31の回路基板には複数のボルト挿通孔36(図2)が設けられ、前記スペーサ33はこれらボルト挿通孔36に整合する各位置に配置される。各ボルト35は、演算処理回路31の回路基板のボルト挿通孔36からスペーサ32のボルト挿通孔38に挿通し、車体取付け用フランジ1aに設けられたねじ孔39に螺合させる。フレキシブル基板30の配線回路34(図6)と演算処理回路31とは接続ケーブル40(図3)を介して接続されている。演算処理回路31には、この回路で処理された出力信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブル41が接続されている。
上記した構成例では、フレキシブル基板30を接続ケーブル40を介して演算処理回路31に接続したが、フレキシブル基板30に演算処理回路31を一体成形しても良い。この場合には、演算処理回路31へのフレキシブル基板30の接続作業を省略することができる。また、フレキシブル基板30と演算処理回路31の接続に防水コネクタを用いても良い。
図10に示す演算処理回路31の構成例では、各センサユニット20の歪みセンサ22がAD変換器49を介して荷重推定手段50に接続される。すなわち、歪みセンサ22の出力信号は、AD変換器49で直接にAD変換されて、このAD変換された歪みセンサ22の出力信号が荷重推定手段50に入力される。この場合のAD変換器49としては、少なくとも20ビット以上の分解能を持つものが用いられる。また、AD変換器49は多チャンネル入力の小型素子とし、複数のセンサユニット20からのセンサ出力信号を一つにまとめてデジタルデータに変換する変換ユニット59を構成している。AD変換器49の方式は、デジタル・シグマ型変換器とすることが、高精度で比較的高速な特徴を持つ点で望ましい。
荷重推定手段50は、センサユニット20の歪みセンサ22のAD変換された出力信号から、車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定する手段であり、例えばマイクロコンピュータで構成される。このマイクロコンピュータからなる荷重推定手段50は、一つの基板上に各種の電子部品を実装したものであっても、1チップのものであっても良い。荷重推定手段50は、オフセット調整回路51、温度補正回路52、ローパスフィルタ等のフィルタ処理回路53、荷重推定演算回路54、コントロール回路55などを有する。オフセット調整回路51は、歪みセンサ22の初期オフセットや、車輪用軸受への固定によるオフセットなどを、正規の値に調整するものであり、コントロール回路55による調整、もしくは外部からの指令によるオフセット調整が可能なように構成されている。オフセットの原因は歪みセンサ22のばらつきやセンサ固定時の歪みなどであることから、車輪用軸受にセンサユニット20を取付けて、組立が完了した段階でオフセットを調整するのが望ましい。
このように、センサ付車輪用軸受の組立完了後に、歪みセンサ22の出力信号が規定値となるようにオフセット調整回路51でオフセットを調整すると、センサ付車輪用軸受が完成品となった時点でのセンサ出力をゼロ点とすることができるため、センサ出力信号の品質を確保することができる。
また、歪みセンサ22の出力信号には、歪みセンサ自体の温度特性や、固定側部材である外方部材1の温度歪みなどによるドリフト量が存在する。温度補正回路52は、オフセット調整された歪みセンサ22の出力信号の温度に起因するドリフトを補正する回路である。温度によるドリフトを補正するために、図4のように少なくとも1つのセンサユニット20の歪み発生部材21には温度センサ29が設けられ、この温度センサ29の出力信号がAD変換器49でデジタル化されてから前記温度補正回路52に入力される。
荷重推定演算回路54では、前記オフセット調整回路51、温度補正回路52、フィルタ処理回路53によりオフセット調整処理、温度補正処理、フィルタ処理などが施された歪みセンサ22のデジタル化された出力信号に基づき、荷重推定演算が行われる。この荷重推定演算回路54は、前記垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy と、歪みセンサ22の出力信号との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、歪みセンサ22の出力信号から前記関係設定手段を用いて作用力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定する。前記関係設定手段の設定内容は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。荷重推定手段50の荷重推定演算回路54で得られた荷重データは、車体側に設置される上位の電気制御ユニット(ECU)まで、車内通信バス(例えばCANバス)などを通じて出力される。この通信経路は無線化されたものであっても良く、軸受側と車体側にそれぞれ送受信器を設置し、荷重データ等の出力を行う構成としても良い。この場合、電源供給などの必須なケーブルを配線接続してセンサを動作させ、得られたデータは無線で送信する構成とすることで、必要なケーブルの本数を減らすことができ、車体への取付けが簡単になる。電気制御ユニットは、例えば車両の全体を制御する手段であり、マイクロコンピュータ等により構成される。必要に応じてアナログ電圧で出力するものとしても良い。
図11に示す演算処理回路31の構成例では、各歪みセンサ22の出力信号を増幅する増幅回路56と、上記したオフセット調整回路51とが、前処理回路として荷重推定手段50の前段部に設けられる。複数のセンサユニット20からのセンサ出力信号を一つにまとめてデジタルデータに変換する変換ユニット59や、その後段の荷重推定手段50の構成は図10の構成例の場合と同様である。
荷重推定手段50の荷重推定演算回路54は、図12に示す平均演算部68と、振幅演算部69とを備える。平均演算部68は加算器からなり、センサユニット20の2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号の和を演算して、その和を平均値Aとして取り出す。振幅演算部69は減算器からなり、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号の差分を演算して、その差分値を振幅値Bとして取り出す。
荷重推定演算回路54では、前記平均演算部68と振幅演算部69で演算される平均値Aおよび振幅値Bから、車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力F(例えば垂直方向荷重Fz )を演算・推定する。その演算・推定のために、荷重推定演算回路54は図13に示す2つの荷重推定手段71,72を有する。第1の荷重推定手段71は前記平均値Aを用いて車輪用軸受に作用する荷重Fを演算・推定する。第2の荷重推定手段72は、前記平均値Aと振幅値Bとを用いて車輪用軸受に作用する荷重Fを演算・推定する。
車輪用軸受に作用する荷重Fと歪みセンサ22A,22Bの出力信号Sとの関係は、線形な範囲内でオフセット分を除外すれば、
F=M1×S ……(1)
という関係で表すことができ、この関係式(1)から荷重Fを推定することができる。ここで、M1は所定の補正係数である。
前記第1の荷重推定手段71では、歪みセンサ22A,22Bの出力信号からオフセット分を除いた変数として前記平均値Aを用い、この変数に所定の補正係数M1を乗算した一次式、つまり
F=M1×A ……(2)
から荷重Fを演算・推定する。このようにオフセット分を除外した変数を用いることにより、荷重推定精度を向上させることができる。
前記第2の荷重推定手段72では、前記平均値Aおよび振幅値Bを変数として用い、これらの変数に所定の補正係数M2,M3を乗算した一次式、つまり
F=M2×A+M3×B ……(3)
から荷重Fを演算・推定する。このように2種類の変数を用いることで、荷重推定精度をさらに向上させることができる。
上記各演算式における各補正係数の値は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。前記第1の荷重推定手段71および第2の荷重推定手段72による演算は並行して行われる。なお、式(3)において、変数である平均値Bを省略しても良い。つまり、第2の荷重推定手段72では、振幅値Bのみを変数として用いて荷重Fを演算・推定することもできる。
センサユニット20は、図1のように外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置に設けられるので、歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bは、図9のようにセンサユニット20の設置部の近傍を通過する転動体5の影響を受ける。つまり、この転動体5の影響がオフセット分として作用する。また、軸受の停止時においても、歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bは、転動体5の位置の影響を受ける。すなわち、転動体5がセンサユニット20における歪みセンサ22A,22Bに最も近い位置を通過するとき(または、その位置に転動体5があるとき)、歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bの振幅は最大値となり、図14(A),(B)のように転動体5がその位置から遠ざかるにつれて(または、その位置から離れた位置に転動体5があるとき)低下する。軸受回転時には、転動体5は所定の配列ピッチPで前記センサユニット20の設置部の近傍を順次通過するので、歪みセンサ22A,22Bのアナログ出力信号a,bは、その振幅が転動体5の配列ピッチPを周期として図9(C)のように周期的に変化する正弦波に近い波形となる。そこで、演算処理回路31における前記荷重推定演算回路54では、荷重を求めるデータとして、前記2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bの振幅の和を上記した平均値Aとし、振幅の差分(絶対値)|a−b|を上記した振幅値Bとする。これにより、平均値Aは転動体5の通過による変動成分をキャンセルした値となる。また、振幅値Bは、2つの歪みセンサ22A,22Bの各出力信号a,bに現れる温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。したがって、この平均値Aと振幅値Bを用いることにより、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を正確に検出することができる。
ここでは、センサユニット20は、固定側部材である外方部材1の外径面の円周方向に並ぶ3つの接触固定部21aのうち、その配列の両端に位置する2つの接触固定部21aの間隔を、転動体5の配列ピッチPと同一に設定している。この場合、隣り合う接触固定部21aの中間位置にそれぞれ配置される2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔は、転動体5の配列ピッチPの略1/2となる。その結果、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bは略180度の位相差を有することになり、その和として求められる平均値Aは転動体5の通過による変動成分をキャンセルしたものとなる。また、その差分として求められる振幅値Bは温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。
なお、図9では、接触固定部21aの間隔を、転動体5の配列ピッチPと同一に設定し、隣り合う接触固定部21aの中間位置に各1つの歪みセンサ22A,22Bをそれぞれ配置することで、2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの略1/2となるようにした。これとは別に、直接、2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの1/2に設定しても良い。
この場合に、2つの歪みセンサ22A,22Bの前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの{1/2+n(n:整数)}倍、またはこれらの値に近似した値としても良い。この場合にも、両歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bの和として求められる平均値Aは転動体5の通過による変動成分をキャンセルした値となり、差分として求められる振幅値Bは温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。
図13のように、荷重推定演算回路54の両荷重推定手段71,72は次段の選択出力手段73に接続される。この選択出力手段73は、車輪回転速度に応じて、前記第1および第2の荷重推定手段72のうちいずれかの推定荷重値を切り替え選択して出力するものである。具体的には、車輪回転速度が所定の下限速度よりも低い場合に、選択出力手段73は、第1の荷重推定手段71の推定荷重値を選択して出力するものとしている。
車輪の低速回転時には、センサ出力信号の振幅を検出するための処理時間が長くなり、さらに静止時には振幅の検出そのものが不可能になる。そこで、このように、車輪回転速度が所定の下限値よりも低い場合、平均値Aだけを用いた第1の荷重推定手段71からの推定荷重値を選択して出力することにより、検出した荷重信号を遅延なく出力することができる。
この実施形態では、前記選択出力手段73に車輪の回転速度情報を与えるために、図1のように外方部材1の内周に転動体5の位置を検出する転動体検出センサ60が設けられ、この転動体検出センサ60の出力信号から車輪の回転速度が求められる。選択出力手段73には、外部から車輪回転速度の情報が入力されるものとしても良い。この場合、外部からの車輪回転速度の情報として、車体側からのABSセンサなどの回転センサ信号を用い、これにより車輪回転速度を推定するようにしても良い。また、車体側の車内通信バスに接続された上位制御装置から、車輪回転速度の情報に代わるものとして、切り替え選択指令を選択出力手段73が受ける構成としても良い。さらに、車輪回転速度の情報として、前記歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bから転動体5の通過周波数を検出して、車輪回転速度を推定するものとしても良い。
この実施形態では、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる、前記固定側部材である外方部材1の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に、円周方向90度の位相差で4つのセンサユニット20を等配しているので、車輪用軸受に作用する垂直方向荷重Fz 、駆動力や制動力となる荷重Fx 、軸方向荷重Fy を推定することができる。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。ここではセンサユニット20における歪み発生部材21の2つ以上の接触固定部21aが、外方部材1に接触固定されているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され易く、その歪みが歪みセンサ22で感度良く検出される。
とくに、固定側部材である外方部材1の車体取付用フランジ1aの側面に、円弧状の回路基板およびこの回路基板上に実装された回路素子からなり、センサユニット20の歪みセンサ220A,22Bの出力信号を演算処理する演算処理回路31を取付けているので、外方部材1の円筒部の周面形状に変化を持たせることなく、コンパクトな構成でAD変換器49などを含む演算処理回路31を取付けることができると共に、組立も容易で、車輪の軸受部にかかる荷重を正確に検出することができる。
また、この実施形態では、固定側部材である外方部材1における車体取付用フランジ1aの正面形状を、図3のように軸受軸心Oに直交する線分LV,LHに対して線対称となる形状、または軸受軸心Oに対して点対称となる形状としているので、外方部材1の形状が単純化され、外方部材1の形状の複雑化に起因する温度分布や膨張・収縮量のばらつきを低減できる。これにより、外方部材1における温度分布や膨張・収縮量のばらつきによる影響を十分小さくして、荷重による歪み量をセンサユニットに検出させることができる。
図14および図15は、この発明の他の実施形態を示す。このセンサ付車輪用軸受は、図1〜図13の実施形態において、固定側部材である外方部材1の外周面に、外方部材1と同心に円環状の保護カバー80を取付け、この保護カバー80で前記各センサユニット20および演算処理回路31を覆ったものである。図14はその保護カバー80の外方部材1への取付けの一構成例を示し、図15は他の構成例を示す。
図14の構成例において、前記保護カバー80は、インボード側に向かって内径が拡大する筒状とされており、具体的には、インボード側半部が大径部80aでアウトボード側半部が小径部80bとなる段付き円筒状とされている。この保護カバー80のインボード側端は車体取付用のフランジ1aの外径面に嵌合させられ、保護カバー80のアウトボード側端は外方部材1のアウトボード側端の外径面に嵌合させられる。保護カバー80の材料としては、ステンレス鋼等の耐食性を有する鋼板をプレス加工して成形したものや、プレス加工して成形した鋼板に金属メッキまたは塗装を施したものが用いられる。
演算処理回路31に接続される信号ケーブル41の車体側への引き出し部41aは、保護カバー80の一箇所から外側に引き出される。具体的には、保護カバー80のアウトボード側半部である小径部80b、つまり外方部材1の車体取付用フランジ1aよりもアウトボード側の円筒部に信号ケーブル引き出し部41aが引き出される孔部81が設けられ、信号ケーブル引き出し部41aの前記孔部81から引き出される部分には防錆処理を施したシール材82を塗布して、信号ケーブル引き出し部41aの引き出し箇所をシールしている。これにより、保護カバー80の密封性が高まり、保護カバー80で覆われるセンサユニット20や演算処理回路31を、外部からの飛び石や泥水、塩水等から確実に保護することができる。また、信号ケーブル41の周方向への変位を規制することもできる。
図15の構成例では、保護カバー80の孔部81に弾性材料からなるブッシュ83が嵌合され、このブッシュ83の孔から信号ケーブル引き出し部41aが外側に引き出される。ブッシュ83として、ここではゴムブッシュが用いられる。この場合も保護カバー80の密封性が高まり、保護カバー80で覆われるセンサユニット20や演算処理回路31を、外部からの飛び石や泥水、塩水等から確実に保護することができる。
なお、図15の構成例において、保護カバー80の孔部81にブッシュ83を設けると共に、その孔部81から信号ケーブル引き出し部41aが引き出される部分に、図14の構成例で用いたシール材82を塗布しても良い。この場合、シール材82とブッシュ83が重複して用いられるので、保護カバー80の密封性をさらに高めることができる。
この実施形態のセンサ付車輪用軸受の組立は、以下の手順で行われる。先ず、外方部材1の単体の状態、または外方部材1に転動体5を組み付けた状態で、外方部材1にセンサユニット20、フレキシブル基板30、演算処理回路32を取付ける。つぎに、保護カバー80を、外方部材1のアウトボード側から挿入し、そのインボード側端を外方部材1のフランジ1aの外径面に嵌合させ、アウトボード側端を外方部材1のアウトボード側円筒部外径面に嵌合させることで、センサユニット20、フレキシブル基板30、および演算処理回路32を保護カバー80で覆う。この後で軸受の全体を組み立てる。この手順で組み立てることにより、外方部材1に取付けたセンサユニット20、フレキシブル基板30、演算処理回路32を保護カバー80で覆ってなるセンサ付車輪用軸受を、容易に組み立てることができる。
図16は、この発明のさらに他の実施形態を示す。このセンサ付車輪用軸受では、図1〜図13や、図14,図15に示した実施形態において、固定側部材である外方部材1におけるフランジ1aが設けられる外径面に、耐食性または防食性を有する表面処理層84が形成されている。このように表面処理層84を形成した外方部材1の外径面に、図1〜15のようにセンサユニット20、フレキシブル基板30、演算処理回路31、保護カバー80が取付けられる。その他の構成は、図1〜図15の各実施形態の場合と同様である。
耐食性または防食性を有する表面処理層84としては、例えば金属メッキ処理を施した表層、塗装処理を施した表層、コーティング処理を施した表層などが挙げられる。金属メッキ処理としては、亜鉛メッキ、ユニクロメッキ、クロメートメッキ、ニッケルメッキ、クロムメッキ、無電解ニッケルメッキ、カニゼンメッキ、四三酸化鉄皮膜(黒染め)、レイデントなどの処理が適用可能である。塗装処理、コーティング処理としては、カチオン電着塗装、アニオン電着塗装、フッ素系電着塗装、窒化珪素等のセラミックコーティングなどが適用可能である。
このように、この実施形態では、外方部材1の外径面に、耐食性または防食性を有する表面処理層84を形成しているので、外方部材1の外径面の錆によりセンサユニット20、フレキシブル基板30、演算処理回路31、保護カバー80などの取付部が盛り上がったり、センサユニット20、フレキシブル基板30、演算処理回路31にもらい錆が発生するのを防止でき、錆に起因する歪みセンサ22A,22Bなどの誤動作を解消でき、荷重検出を長期にわたり正確に行うことができる。
上記した各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、センサユニット20は内方部材の内周となる周面に設ける。
また、これらの実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
1…外方部材
1a…車体取付用フランジ
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
20…センサユニット
21…歪み発生部材
21a…接触固定部
22,22A,22B…歪みセンサ
30…フレキシブル基板
31…演算処理回路
41…信号ケーブル
41a…信号ケーブル引き出し部
49…AD変換器
51…オフセット調整回路
54…荷重推定演算回路
71…第1の荷重推定手段
72…第2の荷重推定手段
73…選択出力手段
80…保護カバー
81…孔部
82…シール材
83…ブッシュ
84…表面処理層

Claims (20)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材は、ナックルに取付ける車体取付用のフランジを外周に有し、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    上記固定側部材の外径面に1つ以上の荷重検出用センサユニットを設け、このセンサユニットは前記固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出する1つ以上のセンサからなり、前記車体取付用のフランジの側面に、円弧状の回路基板およびこの回路基板上に実装された回路素子により構成されて前記センサの出力信号を演算処理する演算処理回路を取付け、前記演算処理回路は、前記センサの出力信号から車輪に加わる荷重を推定する荷重推定手段を備え、この荷重推定手段に、前記センサの出力信号の平均値を用いて車輪用軸受に作用する荷重を推定する第1の荷重推定手段と、前記センサの出力信号の振幅値、またはその振幅値と前記平均値とを用いて車輪用軸受に作用する荷重を推定する第2の荷重推定手段と、車輪回転速度に応じて、前記第1および第2の荷重推定手段のうちいずれかの推定荷重値を切り替え選択して出力する選択出力手段とを備えることを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  2. 請求項1において、前記固定側部材が外方部材であるセンサ付車輪用軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記演算処理回路は、前記センサの出力信号をAD変換するAD変換器を備えるセンサ付車輪用軸受。
  4. 請求項1または請求項2において、前記演算処理回路は、前記センサのオフセットを正規の値に調整するオフセット調整回路と、前記センサの出力信号を増幅する増幅回路とを備えるセンサ付車輪用軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記センサユニットは3つ以上の接触固定部と2つのセンサを有し、隣り合う第1および第2の接触固定部の間、および隣り合う第2および第3の接触固定部の間に各センサをそれぞれ取付け、隣り合う接触固定部もしくは隣り合うセンサの前記固定側部材の円通方向についての間隔を、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍とし、前記第1および第2の荷重推定手段は前記2つのセンサの出力信号の和を平均値として用いるものとしたセンサ付車輪用軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記固定側部材の周面に固定側部材と同心に円環状の保護カバーを取付け、この保護カバーで前記センサユニットおよび前記演算処理回路を覆ったセンサ付車輪用軸受。
  7. 請求項6において、前記演算処理回路に、この演算処理回路で処理された信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブルを取付け、前記保護カバーにおける前記車体取付用フランジよりもアウトボード側の円筒部に、前記信号ケーブルの保護カバーからの引き出し部が引き出される孔部を設け、信号ケーブル引き出し部が前記孔部から引き出される部分に防錆処理を施したシール材を塗布したセンサ付車輪用軸受。
  8. 請求項6において、前記演算処理回路に、この演算処理回路で処理された信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブルを取付け、前記保護カバーにおける前記車体取付用フランジよりもアウトボード側の円筒部に、前記信号ケーブルの保護カバーからの引き出し部が引き出される孔部を設け、信号ケーブル引き出し部が前記孔部から引き出される部分に弾性材料からなるブッシュを取付けたセンサ付車輪用軸受。
  9. 請求項6において、前記演算処理回路に、演算処理回路で処理された信号を軸受外部へ取り出す信号ケーブルを取付け、前記保護カバーにおける前記車体取付用フランジよりもアウトボード側の円筒部に、前記信号ケーブルの保護カバーからの引き出し部が引き出される孔部を設け、信号ケーブル引き出し部が前記孔部から引き出される部分に防錆処理を施したシール材を塗布すると共に、弾性材料からなるブッシュを取付けたセンサ付車輪用軸受。
  10. 請求項6ないし請求項9のいずれか1項において、前記保護カバーは、耐蝕性を有する鋼板をプレス加工して成形したものであるセンサ付車輪用軸受。
  11. 請求項6ないし請求項9のいずれか1項において、前記保護カバーは、プレス加工して成形した鋼板に金属メッキまたは塗装を施したものであるセンサ付車輪用軸受。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項において、前記固定側部材の周面に固定側部材と同心にフレキシブル基板を取付け、このフレキシブル基板に前記演算処理回路を一体成形したセンサ付車輪用軸受。
  13. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項において、前記固定側部材の周面に固定側部材と同心にフレキシブル基板を取付け、このフレキシブル基板に前記センサユニットを取付けたセンサ付車輪用軸受。
  14. 請求項12または請求項13において、前記フレキシブル基板のベース材質がポリイミドであるセンサ付車輪用軸受。
  15. 請求項1ないし請求項14のいずれか1項において、前記センサユニットを、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に円周方向90度の位相差で4つ等配したセンサ付車輪用軸受。
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれか1項において、前記固定側部材のフランジの正面形状を、軸受軸心に直交する線分に対して線対称となる形状としたセンサ付車輪用軸受。
  17. 請求項1ないし請求項16のいずれか1項において、前記固定側部材のフランジの正面形状を、軸受軸心に対して点対称となる形状としたセンサ付車輪用軸受。
  18. 請求項1ないし請求項17のいずれか1項において、前記固定側部材のフランジが設けられる周面に、耐蝕性または防食性を有する表面処理を施したセンサ付車輪用軸受。
  19. 請求項18において、前記表面処理が金属メッキ、または塗装、またはコーティング処理であるセンサ付車輪用軸受。
  20. 請求項6ないし請求項19のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受の組立方法であって、前記固定側部材の単体の状態、または固定側部材に前記転動体を組み付けた状態で、前記固定側部材の周面に前記センサユニットを取付け、さらに前記保護カバーを固定側部材の周面に取付けた後、軸受を組み立てることを特徴とするセンサ付車輪用軸受の組立方法。
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