JP2010179236A - 加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加工物の被加工面を加工することにより平坦性の高い被加工面を形成することのできる加工方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る加工方法は、処理液30中に被加工面20aを有する被加工物20を設置する被加工物設置工程と、光触媒を含む薄膜を被加工面20aに対向させて処理液30中に設置する薄膜設置工程と、薄膜に光を照射して、光触媒の光触媒作用により処理液30から活性種40を生成させる活性種生成工程と、活性種40と被加工面20aの表面原子22とを化学反応させ、処理液30中に溶出する化合物50を生成させることにより被加工物20を加工する加工工程とを備える。
【選択図】図1A

Description

本発明は、加工方法に関する。特に、本発明は、被加工物の表面を加工する加工方法に関する。
従来、半導体ウエハ等の被加工物の表面を加工する方法として、酸化剤を含む処理液中に被加工面を有する被加工物を設置する工程と、酸化剤を分解する固体触媒を被加工面に接触又は極接近させる工程と、固体触媒の触媒作用を利用して処理液から酸化力を有する活性種を発生させ、被加工面の表面原子と化学反応させて化合物を生成させる工程と、生成した化合物を除去する工程とを備え、被加工面の加工中に、被加工面に光を照射する工程、被加工面と固体触媒との間に電圧を印加する工程、触媒、被加工物、及び/又は処理液の温度を制御する工程のうちの1種又は2種以上の工程を組み合わせて被加工面を加工する触媒支援型化学加工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の触媒支援型化学加工方法は、化学的に被加工物の被加工面を加工するので、被加工面を高精度な表面に加工することができる。
特開2008−136983号公報
しかし、特許文献1に記載の触媒支援型化学加工方法は、加工基準面となる固体触媒の表面で酸化剤を分解して被加工面との化学反応に用いる活性種を生成するので、活性種は固体触媒の表面上又は表面近傍のみにしか存在しない。したがって、固体触媒の表面の平坦度が被加工物の表面に転写されることになり、被加工面の平坦度を固体触媒の表面の平坦度より向上させることは困難である。
したがって、本発明の目的は、被加工物の被加工面を加工することにより平坦性の高い被加工面を形成することのできる加工方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、処理液中に被加工面を有する被加工物を設置する被加工物設置工程と、光触媒を含む薄膜を被加工面に対向させて処理液中に設置する薄膜設置工程と、薄膜に光を照射して、光触媒の光触媒作用により処理液から活性種を生成させる活性種生成工程と、活性種と被加工面の表面原子とを化学反応させ、処理液中に溶出する化合物を生成させることにより被加工物を加工する加工工程とを備える加工方法が提供される。
また、上記加工方法は、被加工物設置工程は、ラジカル捕捉剤が添加された処理液中に被加工物を設置してもよい。
また、上記加工方法は、加工工程は、薄膜、被加工物、及び処理液からなる群から選択される少なくとも1つの部材の温度を制御して被加工物を加工してもよい。
また、上記加工方法は、ラジカル捕捉剤は、プロトン性の有機化合物であってよい。
また、上記加工方法は、プロトン性の有機化合物は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸のいずれか1つ又はこれらから選択される2つ以上の混合液であってもよい。
また、上記加工方法は、ラジカル捕捉剤は、非プロトン性の有機化合物であってよい。
また、上記加工方法は、非プロトン性の有機化合物は、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのいずれか1つ又はこれらから選択される2つ以上の混合液であってもよい。
また、上記加工方法は、光触媒は、TiO、KTaO、SrTiO、ZrO、NbO、ZnO、WO、及びSnOからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むんでいてよい。
また、上記加工方法は、光触媒は、TiOであり、TiOは、アナターゼ型、又はルチル型、若しくはアナターゼ型とルチル型との混晶であってよい。
また、上記加工方法は、光は、光の波長が光触媒のバンドギャップエネルギー以上であってよい。
また、上記加工方法は、光は、波長が420nm以下であってよい。
また、上記加工方法は、薄膜は、Ar雰囲気下でTiOターゲットを用いたスパッタリングによって形成されてよい。
また、上記加工方法は、薄膜は、OとArとの混合雰囲気下でTiターゲットを用いたスパッタリングによって形成されてもよい。
また、上記加工方法は、薄膜は、石英からなる基材又はガラスからなる基材上に設けられてもよい。
また、上記加工方法は、活性種生成工程は、基材側から光触媒に向けて光を照射してもよい。
また、上記加工方法は、被加工物設置工程は、SiC、GaN、サファイア、ルビー、及びダイヤモンドからなる群から選択される少なくとも1つの被加工物を設置してもよい。
本発明に係る加工方法によれば、被加工物の被加工面を加工することにより平坦性の高い被加工面を形成することのできる加工方法を提供できる。
本発明の実施の形態に係る加工方法の概念図である。 本発明の実施の形態に係る加工方法によって被加工物が加工された概要図である。 本実施の形態に係る加工方法の加工原理である光触媒反応の酸化・還元過程の概要図である。 実施例1に係る加工方法の概要図である。 実施例2に係る加工方法の概要図である。 実施例に係る加工を施していない場合のSiC基板表面における酸素原子濃度と、実施例に係る加工を施したSiC基板であって処理液として水とエタノールとの水溶液を用いた場合のSiC基板表面における酸素原子濃度と、処理液として水を用いた場合のSiC基板表面における酸素原子濃度とをそれぞれ示す図である。
[実施の形態]
(加工方法の概要)
図1Aは、本発明の実施の形態に係る加工方法の概念を示す。また、図1Bは、本発明の実施の形態に係る加工方法によって被加工物が加工された概要を示す。
本実施の形態に係る加工方法は、例えば、光照射型化学的加工方法である。一例として、光照射によって処理液30から生成した活性種40を用いて被加工物20を加工する光触媒反応型化学的加工方法である。
図1Aを参照して本実施の形態に係る加工方法の概要を説明する。本実施の形態に係る加工方法は、処理液30中に被加工面20aを有する被加工物20を設置する被加工物設置工程と、光触媒を含む薄膜としての光触媒薄膜12を被加工面20aに対向させて処理液30中に設置する薄膜設置工程と、光触媒薄膜12に光60を照射して、光触媒の光触媒作用により処理液30からラジカルである活性種40を生成させる活性種生成工程と、活性種40と被加工面20aの表面原子22とを化学反応させ、処理液30中に溶出する化合物50を生成させ、化合物50を処理液30中に溶出させることにより被加工物20を加工する加工工程とを備える。
なお、加工工程は、光触媒薄膜12、被加工物20、及び処理液30からなる群から選択される少なくとも1つの部材の温度を制御して被加工物20を加工することもできる。加工工程において光触媒薄膜12、被加工物20、及び処理液30からなる群から選択される少なくとも1つの部材の温度を制御することにより、被加工物20と活性種40との化学反応速度を増加させる方向、又は減少させる方向に制御できる。
本実施の形態において光触媒薄膜12は、光60を透過する基材10の表面10bに形成されている。したがって、基材10の裏面10aに入射した光60は基材10に入射して、表面10bに形成されている光触媒薄膜12に入射することになる。また、処理液30は、ラジカルである活性種40を捕捉可能なラジカル捕捉剤42を含む。ラジカル捕捉剤42は、過剰に発生した活性種40を捕捉して化合物52となる。
(加工方法の詳細)
まず、図1Aに示すように、ラジカル捕捉剤42を含む処理液30中において、光触媒薄膜12を被加工物20に接触させる。又は、光触媒薄膜12を被加工物20に極接近させる。なお、光触媒薄膜12を被加工物20に極近接させる場合、光触媒薄膜12の表面12aと被加工物20との距離は、処理液30から生成した活性種40の寿命によって決定される活性種40の処理液30中における拡散距離以内である。例えば、処理液30が水の場合、生成する活性種40は強力な酸化力を有するヒドロキシラジカルであり、この拡散距離は1μm程度であるので、極近接する距離は1μm以下程度である。なお、ラジカル捕捉剤42を処理液30中に添加しない場合は活性種40の寿命が長くなり、活性種40の処理液30中における濃度が大きくなる。しかしながら、この場合、活性種40同士の不均化反応が進行するので、拡散距離はラジカル捕捉剤42を処理液30中に添加した場合と大きな変化はない。
次に、基材10の裏面10a側から光60を照射すると、基材10を通過した光60が光触媒薄膜12に到達する。光触媒薄膜12に光60が照射されると、光触媒薄膜12の表面12aに光触媒薄膜12の光触媒作用により処理液30から生成した活性種40が付着する。そして、生成した活性種40は処理液30中を被加工面20aに向かって拡散する。続いて、被加工面20aに到達した活性種40は、被加工面20aの表面原子22と化学反応して、処理液30中に溶出する化合物50を生成する。続いて、生成した化合物50が被加工面20aから処理液30中に溶出、拡散する。
これにより、被加工物20の被加工面20aが加工される。具体的には、例えば、図1Bに示すように、被加工物20の表面が加工され、平坦面20bが処理液30中に露出する。ここで、処理液30にラジカル捕捉剤42を添加している場合、処理液30から発生した活性種40の一部は、被加工物20の被加工面20aに到達する前にラジカル捕捉剤42と化学反応して化合物52を生成する。したがって、処理液30から発生した複数の活性種40の一部は、処理液30中における拡散距離が増大するにつれて、被加工面20aに到達するまでに失活する確率が増大する。これにより、光触媒薄膜12から被加工物20までの距離が短い部分から(例えば、被加工面20aに凹凸が存在する場合、凸部の先端部分から)、順次、加工される。
なお、処理液30が水の場合であって、処理液30にラジカル捕捉剤42を添加しない場合であっても被加工面20aは等方的に加工されることはなく、光触媒薄膜12からの距離が近い部分から順次加工されるので、被加工面20aにおいてある程度の平坦化が進行する。これは、以下の理由による。すなわち、処理液30が水の場合であってラジカル捕捉剤42としてアルコールを処理液30中に添加すると、処理液30の表面張力が低下する。この場合、光触媒薄膜12と被加工面20aとの距離を極近接させると、光触媒薄膜12と被加工面20aとの距離が減少する方向に力が働く。一方、処理液30にラジカル捕捉剤42を添加しない場合、水の表面張力が大きいことに起因して光触媒薄膜12と被加工面20aとの距離が増大する方向に力が働くからである。
(基材10)
本実施の形態に係る基材10は、光60を透過する透明材料から形成される。具体的に、光60が紫外線である場合、基材10は、紫外線を透過する材料から形成することができる。例えば、基材10は、ガラス基板、石英基板、アクリル等の合成樹脂からなる基板等を用いることができる。光60を透過する透明材料から基材10を形成することにより、基材10の裏面10a側から光触媒薄膜12に光60を照射できる。なお、合成樹脂から基材10を構成する場合、長期使用により合成樹脂が劣化しにくい程度の光60の透過率を有すると共に、被加工物20の被加工面20aに要求される平坦度以上の平坦性の表面10bを有する基材10を用いる。
(光触媒薄膜12)
本実施の形態に係る光触媒薄膜12は、基材10の表面10bに形成される。そして、光触媒薄膜12は、光触媒からなる薄膜、又は光触媒を含む薄膜から形成される。光触媒薄膜12を構成する光触媒としては、価電子帯の上端のエネルギーが約2.8eV以上である酸化物であるTiO、KTaO、SrTiO、ZrO、NbO、ZnO、WO、及びSnOからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を用いることができる。また、これらの化合物に不純物をドープすることもできる。例えば、窒素(N)をドープした窒素ドープ光触媒(例えば、NドープTiO)から光触媒薄膜12を形成することもできる。
ここで、光触媒としてTiOを用いる場合、結晶構造がアナターゼ型であるTiOを用いることが好ましい。なお、ルチル型のTiO、又はアナターゼ型のTiOとルチル型のTiOとの混晶を用いることもできる。
(光触媒薄膜12の製造方法)
本実施の形態に係る光触媒薄膜12は、スパッタ法、蒸着法、分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy法:MBE法)、レーザーアブレーション法、イオンプレーティング法、熱CVD法、プラズマCVD法、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition法:MOCVD法)、液相エピタキシー法、エアロゾルデポジション法(aerosol deposition法:AD法)、ラングミュア−ブロジェット法(Langmuir−Blodgett:LB法)、ゾルゲル法、めっき法、塗布法等を用いて形成することができる。ここで、本実施の形態においては、成膜の制御の容易さ等の観点からスパッタ法を用いることが好ましい。
スパッタ法を用いて光触媒薄膜12を形成する場合、以下のように形成することができる。例えば、TiOからなるターゲットを用いてAr雰囲気下でスパッタリングを実施することにより、TiOとして直接堆積させて形成される光触媒薄膜12を基材10上に形成できる。また、Tiからなるターゲットを用いてOとArとの混合雰囲気(以下、「O/Ar雰囲気」という場合がある)下でスパッタリングを実施することにより、Tiと雰囲気中のOとが反応して形成されるTiOからなる光触媒薄膜12を基材10上に形成できる。なお、スパッタリングを実施するスパッタ装置としては、直流スパッタ装置、高周波スパッタ装置、マグネトロンスパッタ装置、イオンビームスパッタ装置、電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance:ECR)スパッタ装置等を用いることができる。
また、スパッタ法を用いて光触媒薄膜12を形成する場合、Ar等のプラズマの平均自由工程の増大を抑制して、成膜中における光触媒薄膜12へのダメージを低減させることを目的として、プラズマ出力を400W以下に設定すると共に、チャンバー内のガスの全圧を1.0Pa以上に設定する。
なお、光触媒薄膜12の膜厚は、被加工面20aの表面原子22と化学反応する活性種40の生成量を増加させ、被加工物20の加工を十分な速度で実施することを目的として、十分に光60を吸収することのできる厚さである150nm以上にする。また、光触媒薄膜12の膜厚は、200nm以上であることがより好ましい。更に、基材10の裏面10a側から光触媒薄膜12側に向けて照射されて光触媒薄膜12に到達する光の量に応じて生成する活性種40の量が被加工物20の加工に十分な量となるように、光触媒薄膜12の膜厚は1μm以下であることが好ましい。
また、本実施の形態において用いる光60は、光触媒薄膜12を構成する光触媒のバンドギャップエネルギー以上のエネルギーを有する光60を用いる。例えば、TiOのバンドギャップエネルギーは3.0eVであるので、TiOは420nm以下の波長の光に対して光触媒機能を発揮する。したがって、光触媒としてTiOを用いる場合、光60としては、200nm以上420nm以下、好ましくは200nm以上400nm以下の波長を有する光60を用いる。なお、光触媒薄膜12を構成する光触媒が可視光に対して光触媒機能を発揮する場合、光60として可視光を用いることもできる。
(被加工物20)
本実施の形態に係る被加工物20は、例えば、パワーデバイス、発光デバイス等の電子デバイスに用いられる半導体材料、酸化物材料等の結晶材料である。具体的に被加工物20は、SiC、GaN、サファイア、ルビー、ダイヤモンド等の難加工性の結晶材料からなる基板である。
(ラジカル捕捉剤42)
本実施の形態に係るラジカル捕捉剤42は、プロトン性の有機化合物、又は非プロトン性の有機化合物を用いることができる。プロトン性の有機化合物としてのラジカル捕捉剤42は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸等を用いることができる。ここで、ラジカル捕捉剤42としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸等のいずれか1つを用いることができる。また、ラジカル捕捉剤42としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸等から2つ以上を選択して、選択した2つ以上のプロトン性の有機化合物を混合した混合液を用いることもできる。
また、非プロトン性の有機化合物としてのラジカル捕捉剤42は、例えば、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を用いることができる。ここで、ラジカル捕捉剤42としては、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等のいずれか1つを用いることができる。また、ラジカル捕捉剤42としては、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等から2つ以上を選択して、選択した2つ以上の非プロトン性の有機化合物を混合した混合液を用いることもできる。
(加工方法の加工原理:活性種の生成反応)
図2は、本実施の形態に係る加工方法の加工原理である光触媒反応の酸化・還元過程の概要を示す。
図2を参照して、光触媒薄膜12の表面及び近傍において、処理液30(例えば、水)から活性種40が生成する原理を説明する。ここでは、光触媒としてTiOを用いた場合を挙げて説明する。まず、TiOのバンドギャップエネルギー以上(420nm以下)の光をTiOに照射すると下記に示す反応式(1)にしたがって、価電子帯に存在する電子が伝導帯に励起されて正孔が価電子帯に生成すると共に、伝導帯に励起電子が生じることにより、正孔−電子対が生成する。なお、反応式(1)において「UV」は紫外線の略である。
Figure 2010179236
正孔は下記反応式(2)及び反応式(3)に示す反応にしたがって、水(HO)の電離によって生成した水酸化物イオン(OH)から電子(e)を引き抜き、水酸ラジカル(ヒドロキシルラジカル『・OH』)を生成する。
Figure 2010179236
Figure 2010179236
反応式(3)において生成したヒドロキシルラジカルは非常に酸化力が強い。したがって、ヒドロキシラジカルは、SiC、GaN、ダイヤモンド等の化学的に安定な材料と反応することができ、これら化学的に安定な材料を加工することができる。
一方、励起した電子は、酸化され易い特定の物質(犠牲剤)が処理液30中に添加されていない限り、下記に示す反応式(4)にしたがって、処理液30中に溶解している酸素ガス(溶存酸素)へ移動して、酸素を還元する。なお、溶存酸素の代わりに犠牲剤を処理液30中に添加して、反応効率を向上させることもできる。
Figure 2010179236
(加工方法の加工原理:活性種と被加工物との反応、及び加工過程[SiCの場合])
次に、被加工物がSiCである場合における被加工物20としてのSiCの加工過程を説明する。まず、光触媒薄膜12への光照射により処理液30から生成した活性種(一例として、処理液30が水の場合、ヒドロキシラジカル)により、下記に示す反応式(5)にしたがって、SiCの表面が酸化されると考えられる。
Figure 2010179236
ここで、処理液30中にラジカル捕捉剤42が添加されている場合、活性種40としてのヒドロキシラジカルは、被加工物20の表面である被加工面20aに到達する前にラジカル捕捉剤42と反応して失活する。したがって、ヒドロキシルラジカルの処理液30中における拡散距離は、ヒドロキシラジカルとラジカル捕捉剤42との反応速度によって決定される。このように活性種40の拡散距離は、処理液30中にラジカル捕捉剤42を添加することにより制御できる。これにより、処理液30にラジカル捕捉剤42を添加して活性種40の処理液30中における拡散距離を制御することにより、光触媒薄膜12(例えば、TiO薄膜)の表面から最も近い距離に位置する被加工面20aより順次、酸化反応を進行させることができる。
被加工物20の表面の酸化反応後、被加工面20aに対して酸化反応により生じた酸化物層を除去する処理を施すことにより、被加工面20aの酸化された領域が優先的に加工されていくと考えられる。なお、酸化反応により生じた酸化物層がSiOの場合、酸化物層の除去にはフッ化水素酸を用いることができる。斯かる場合、以下の反応式(7)にしたがって、被加工面20aの酸化された領域が優先的に加工されていく。
Figure 2010179236
(加工方法の加工原理:活性種と被加工物との反応、及び加工過程[GaNの場合])
また、被加工物がGaNである場合における被加工物20としてのGaNの加工過程を説明する。まず、光触媒薄膜12への光照射により処理液30から生成した活性種(一例として、処理液30が水の場合、ヒドロキシラジカル)により、下記に示す反応式(7)にしたがって、GaNの表面が酸化されると考えられる。
Figure 2010179236
この場合に、被加工物20がSiCの場合についての説明と同様に、ラジカル捕捉剤42を処理液30に添加することにより活性種40としてのヒドロキシルラジカルの拡散距離を制御することもできる。そして、被加工物20としてのGaNの表面の酸化反応後、被加工面20aに対して酸化反応により生じた酸化物層を除去する処理を施すことにより、被加工面20aの酸化された領域が優先的に加工されていくと考えられる。なお、酸化反応により生じた酸化物層がGaの場合、酸化物層の除去には硫酸を用いることができる。斯かる場合、以下の反応式(8)にしたがって、被加工面20aの酸化された領域が優先的に加工されていく。
Figure 2010179236
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る加工方法は、処理液30中に被加工物20を設置すると共に光触媒薄膜12を被加工面20aに対向させて処理液30中に設置した後、光触媒薄膜12に光60を照射して処理液30から活性種40を生成させ、活性種40と被加工面20aの表面原子22とを化学反応させて処理液30中に溶出する化合物50を生成させることにより被加工物20を加工するので、砥粒及び研磨剤を用いた場合に被加工物20内に生じる機械的な欠陥が生じることがない。これにより、本実施の形態に係る加工方法によれば、加工による結晶欠陥の発生を生じさせることなく、加工変質層(例えば、研磨剤等を用いて研磨した場合に被加工物20の表面に生じるダメージ層)のない高精度な表面(すなわち、平坦性の高い表面)を有する被加工物を製造できる。
また、本実施の形態に係る加工方法は、砥粒及び研磨材を用いることを要さないので、例えば、CMP法等による研磨方法において要求される使用済みスラリーの廃棄処理等の産業廃棄物の処理を要さない。したがって、本実施の形態に係る加工方法は、廃棄処理のコストを低減させることができ、また、産業廃棄物を排出しないので、環境保護の観点からも好ましい加工方法である。
更に、本実施の形態に係る加工方法は、光触媒薄膜12からの距離が近い被加工面20aから順次加工されるので、平坦性のよい表面を有する基板を製造することができる。換言すれば、本実施の形態に係る加工方法は、異方性を有して被加工物20の表面を加工することができるので、平坦性のよい表面を有する基板を製造することができる。
以下、実施例について説明する。
図3は、実施例1に係る加工方法の概要を示す。
(光触媒薄膜12の作製)
まず、基材10として石英を用いた石英基板14を高周波マグネトロンスパッタ装置のチャンバー内部に設置した。そして、Arガス100%雰囲気下、プラズマ出力300W、基板温度300℃、全圧3Pa、成膜時間24分という条件で石英基板14の表面に光触媒薄膜12としてのTiO薄膜を成膜した。なお、高周波マグネトロンスパッタ装置のターゲットとしては、TiO焼成体からなるターゲットを用いた。
(光触媒薄膜の評価)
石英基板14の表面に成膜したTiO薄膜の物性を評価した。当該TiO薄膜の膜厚は200nmであった。また、当該TiO薄膜の結晶構造はアナターゼ結晶が76%であり、ルチル結晶が24%である混晶であった。
(SiC基板の光触媒反応型化学的加工)
実施例1においては、被加工物20としてSiC基板を用いた。具体的に、実施例1において用いたSiC基板としては、単結晶のSiC基板であり、直径50mm、[11−20]方向に8度傾斜した(0001)Si面のn型4H−SiCを用いた。また、当該SiC基板の抵抗率は0.017Ωcmであった。なお、{0001}面のSiC単結晶基板には極性があり、一方は最表面がSi原子からなるSi面であり、他方は最表面がC原子からなるC面である。実施例1では、被加工面20aとしてSi面を用いた。また、実施例1では、加工前の被加工面20a(Si面)は、機械的な鏡面研磨を施した後、CMP処理を施した面である。なお、被加工面20aとしてC面を用いた場合、Si面を用いた場合と加工速度が多少異なるものの、加工が進行する機構はSi面の場合と同様である。
実施例1に係る加工方法は具体的に以下のとおりである。まず、10%HF水溶液でSiC基板の表面を洗浄した。次に、ガラスビーカー70に、SiC基板と光触媒薄膜12が成膜された石英基板14とを導入した。斯かる場合に、SiC基板の被加工面と光触媒薄膜12とを接触させた。次に、処理液30としての水32をガラスビーカー70内に導入した。この場合に、水32の表面が、光触媒薄膜12とSiC基板の被加工面との接触面(以下、「界面」という場合がある)よりも上側(すなわち、少なくとも当該接触面が水32中になる位置)に位置するように、ガラスビーカー70内に水32を導入した。これにより、光触媒薄膜12とSiC基板の被加工面との界面に毛細管現象により水が浸入して、水膜層34(以下、「ラジカル輸送層」という場合がある。)が形成された。
次に、高圧水銀灯を用いて、石英基板14の裏面14a側から紫外線照度が8mW/cmに調節された紫外線62を照射した。これにより、光触媒薄膜12と水膜層34中の水32との光触媒反応が開始された。光触媒薄膜12と水32との光触媒反応の反応時間は1時間に設定した。
1時間の光触媒反応後、SiC基板の被加工面20aに光触媒反応により形成された酸化膜を10%HF水溶液で除去した。そして、加工後の被加工面を原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)により観察した。その結果、加工前の被加工面20aの平均二乗粗さ(Rms)が0.178nmであったところ、加工後の被加工面20aのRmsは0.163nmであった。このように実施例1に係る加工方法によれば、SiC単結晶基板表面の平坦度を改善することができる。
図4は、実施例2に係る加工方法の概要を示す。
実施例2においては、光触媒薄膜12及び処理液としての水32を加熱して被加工物20としてのSiC基板に加工を施した。
具体的に実施例2においては、実施例1において用いたSiC基板と同様の単結晶SiC基板を用いた。すなわち、実施例2において用いたSiC基板は、直径が50mmであり、[11−20]方向に8度傾斜した(0001)Si面のn型4H−SiCを用いた。また、当該SiC基板の抵抗率は0.017Ωcmであった。実施例2においても、被加工面20aとしてSi面を用い、加工前の被加工面20a(Si面)は、機械的な鏡面研磨を施した後、CMP処理を施した面を用いた。
まず、10%HF水溶液でSiC基板の表面を洗浄した。次に、ガラスビーカー70に、光触媒薄膜12が成膜された石英基板14と被加工物20としてのSiC基板とを導入した。斯かる場合に、SiC基板の被加工面と光触媒薄膜12とを接触させた。次に、水32をガラスビーカー70内に導入した。この場合に、水32の表面が、光触媒薄膜12とSiC基板の被加工面との界面よりも上側(すなわち、少なくとも当該界面が水32中になる位置)に位置するように、ガラスビーカー70内に水32を導入した。これにより、光触媒薄膜12とSiC基板の被加工面との界面に毛細管現象により水が浸入して、水膜層34が形成された。
続いて、ヒータ制御部82によりヒータ80に流す電流を調整して、水32の温度を60℃まで加熱した。これにより、処理液としての水32と光触媒薄膜12との双方を60℃に加熱した。次に、高圧水銀灯を用いて、石英基板14の裏面14a側から紫外線照度が8mW/cmに調節された紫外線62を照射した。これにより、光触媒薄膜12と水32との光触媒反応が開始された。光触媒薄膜12と水32との光触媒反応の反応時間は1時間に設定した。
1時間の光触媒反応後、SiC基板の被加工面20aに光触媒反応により形成された酸化膜を10%HF水溶液で除去した。そして、加工後の被加工面をAFMにより観察した。その結果、加工前の被加工面20aの平均二乗粗さ(Rms)が0.163nmであったところ、加工後の被加工面20aのRmsは0.156nmであった。また、被加工面20aに形成された酸化膜の厚さから酸化速度を算出した。その結果、処理液としての水32を加熱した場合の酸化速度は、水32を加熱しない場合の酸化速度に比べて約1.5倍大きかった。以上より、水32を加熱して加工を実施することにより、被加工面20aの加工速度を向上させることができる。なお、水32を加熱して被加工面20aに加工を施すと、被加工面20aの表面粗さを改善する効果よりも加工速度を向上させる効果が大きいことが示された。
実施例3においては、被加工物20としてGaN基板を用いた点を除き、実施例1と略同様にして被加工物20を加工した。具体的に、実施例3において用いたGaN基板としては、単結晶のGaN基板であり、直径50mm、(0001)Ga面のn型GaNを用いた。なお、{0001}面のGaN単結晶基板には極性があり、一方は最表面がGa原子からなるGa面であり、他方は最表面がN原子からなるN面である。実施例3では、被加工面20aとしてGa面を用いた。また、実施例3では、加工前の被加工面20a(Ga面)は、機械的な鏡面研磨を施した後、CMP処理を施した面である。なお、被加工面20aとしてN面を用いた場合、Ga面を用いた場合と加工速度が多少異なるものの、加工が進行する機構はGa面の場合と同様である。
(GaN基板の光触媒反応型化学的加工)
実施例3に係る加工方法は具体的に以下のとおりである。まず、10%HF水溶液でGaN基板の表面を洗浄した。次に、ガラスビーカー70に、光触媒薄膜12が成膜された石英基板14とGaN基板とを導入した。斯かる場合に、GaN基板の被加工面と光触媒薄膜12とを接触させた。次に、処理液30としての水32をガラスビーカー70内に導入した。この場合に、水32の表面が、光触媒薄膜12とGaN基板の被加工面との界面よりも上側に位置するように、ガラスビーカー70内に水32を導入した。これにより、光触媒薄膜12とGaN基板の被加工面との界面に毛細管現象により水が浸入して、水膜層34が形成された。
次に、高圧水銀灯を用いて、石英基板14の裏面14a側から紫外線照度が8mW/cmに調節された紫外線62を照射した。これにより、光触媒薄膜12と水32との光触媒反応が開始された。光触媒薄膜12と水32との光触媒反応の反応時間は1時間に設定した。
1時間の光触媒反応後、GaN基板の被加工面20aに光触媒反応により形成された酸化膜を濃硫酸で除去した。そして、加工後の被加工面をAFMにより観察した。その結果、加工前の被加工面20aの平均二乗粗さ(Rms)が0.261nmであったところ、加工後の被加工面20aのRmsは0.178nmであった。このように、実施例3に係る加工方法によれば、GaN単結晶基板表面の平坦度を改善することができる。
(活性種の拡散距離制御)
実施例4においては、実施例1と同様にSiC基板を用いて、実施例に係る加工方法における活性種(ヒドロキシルラジカル)の光触媒薄膜12の処理液中での拡散距離の制御方法を説明する。なお、実施例4において用いたSiC基板は、実施例1と同様に、単結晶のSiC基板であり、直径50mm、[11−20]方向に8度傾斜した(0001)Si面のn型4H−SiCを用いた。また、当該SiC基板の抵抗率は0.017Ωcmであった。そして、被加工面20aはSi面であり、加工前の被加工面20a(Si面)は、機械的な鏡面研磨を施した後、CMP処理を施した面である。
実施例4に係る加工方法を説明する。まず、10%HF水溶液でSiC基板の表面を洗浄した。次に、ガラスビーカー70に、光触媒薄膜12が成膜された石英基板14とSiC基板とを導入した。斯かる場合に、SiC基板の被加工面と光触媒薄膜12とを接触させた。次に、処理液30として、ラジカル捕捉剤としてのメタノールを水に添加した水溶液をガラスビーカー70内に導入した。ここで、当該水溶液は、メタノールの濃度を50%(volume/volume%:v/v%)に調製した水溶液を用いた。この場合に、水溶液の表面が、光触媒薄膜12とSiC基板の被加工面との界面よりも上側(すなわち、少なくとも当該界面が水溶液中になる位置)に位置するように、ガラスビーカー70内に水溶液を導入した。これにより、光触媒薄膜12とSiC基板の被加工面との界面に毛細管現象により水溶液が浸入して、水溶液膜層が形成された。
次に、高圧水銀灯を用いて、石英基板14の裏面14a側から紫外線照度が8mW/cmに調節された紫外線62を照射した。これにより、光触媒薄膜12と水溶液との光触媒反応が開始された。光触媒薄膜12と水溶液との光触媒反応の反応時間は1時間に設定した。
図5は、被加工物としてSiC基板を用い、実施例に係る加工を施していない場合のSiC基板表面における酸素原子濃度と、実施例に係る加工を施したSiC基板であって処理液として水とエタノールとの水溶液を用いた場合のSiC基板表面における酸素原子濃度と、処理液として水を用いた場合のSiC基板表面における酸素原子濃度とをそれぞれ示す。
具体的には、まず、被加工物20としてのSiC基板の表面に実施例1及び実施例4に係る加工方法による加工を施していない状態の基板表面の酸素原子濃度をオージェ電子分光分析により測定した。斯かる場合、SiC基板表面の自然酸化膜の酸素原子濃度を測定したことになる(以下、「比較例の酸素濃度」という)。また、実施例1に係る加工方法による加工を施したSiC基板表面の酸素原子濃度をオージェ電子分光分析により測定した(以下、「実施例1の酸素濃度」という)。更に、実施例4に係る加工方法による加工を施したSiC基板表面の酸素原子濃度をオージェ電子分光分析により測定した(以下、「実施例4の酸素濃度」という)。
図5を参照すると、SiC基板表面における酸素原子濃度は、比較例の酸素濃度<実施例4の酸素濃度<実施例1の酸素濃度、の順に上昇した。これは、ラジカル捕捉剤42としてのメタノールを水に添加することによって、SiC基板表面における酸化反応が抑制されたことを示している。すなわち、水にラジカル捕捉剤42を添加すると、活性種40としてのヒドロキシラジカルの水中における拡散距離を抑制することができることを示している。したがって、実施例1及び実施例4においては、光触媒薄膜12の表面から最も近い部分の被加工物20より、順次、被加工物20の表面の酸化反応を進行させ得ること、ラジカル捕捉剤42の存在により活性種40の拡散距離を制御できることが示された。
実施例1において説明したように、1時間の光触媒反応後、SiC基板の被加工面20aに光触媒反応により形成された酸化膜を10%HF水溶液で除去した。そして、加工後の被加工面をAFMにより観察した。その結果、実施例1において説明したように、実施例1においては、加工前の被加工面20aの平均二乗粗さ(Rms)が0.178nmであったところ、実施例1に係る加工方法で加工を施した被加工面20aのRmsは0.163nmであった。
一方、実施例4においては、加工前の被加工面20aの平均二乗粗さ(Rms)が0.339nmであったところ、実施例4に係る加工方法で加工を施した被加工面20aのRmsは0.330nmであった。このように実施例4に係る加工方法においても、SiC単結晶基板表面の平坦度を改善することができる。
以上より、実施例に係る加工方法は、光触媒薄膜12の光触媒作用により処理液30から生じた活性種40(例えば、処理液30が水の場合ヒドロキシラジカル)の処理液30中における拡散距離をラジカル捕捉剤42の処理液30への添加により制御することができる。これにより、研磨痕のない表面を有する被加工物20を提供することができると共に、当該表面を原子レベルで平坦化することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
10 基材
10a 裏面
10b 表面
12 光触媒薄膜
12a 表面
14 石英基板
14a 裏面
14b 表面
20 被加工物
20a 被加工面
20b 平坦面
22 表面原子
30 処理液
32 水
34 水膜層
40 活性種
42 ラジカル捕捉剤
50 化合物
52 化合物
60 光
62 紫外線
70 ガラスビーカー
80 ヒータ
82 ヒータ制御部

Claims (16)

  1. 処理液中に被加工面を有する被加工物を設置する被加工物設置工程と、
    光触媒を含む薄膜を前記被加工面に対向させて前記処理液中に設置する薄膜設置工程と、
    前記薄膜に光を照射して、前記光触媒の光触媒作用により前記処理液から活性種を生成させる活性種生成工程と、
    前記活性種と前記被加工面の表面原子とを化学反応させ、前記処理液中に溶出する化合物を生成させることにより前記被加工物を加工する加工工程と
    を備える加工方法。
  2. 前記被加工物設置工程は、ラジカル捕捉剤が添加された前記処理液中に前記被加工物を設置する請求項1に記載の加工方法。
  3. 前記加工工程は、前記薄膜、前記被加工物、及び前記処理液からなる群から選択される少なくとも1つの部材の温度を制御して前記被加工物を加工する請求項1に記載の加工方法。
  4. 前記ラジカル捕捉剤は、プロトン性の有機化合物である請求項2に記載の加工方法。
  5. 前記プロトン性の有機化合物は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸のいずれか1つ又はこれらから選択される2つ以上の混合液である請求項4に記載の加工方法。
  6. 前記ラジカル捕捉剤は、非プロトン性の有機化合物である請求項2に記載の加工方法。
  7. 前記非プロトン性の有機化合物は、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのいずれか1つ又はこれらから選択される2つ以上の混合液である請求項6に記載の加工方法。
  8. 前記光触媒は、TiO、KTaO、SrTiO、ZrO、NbO、ZnO、WO、及びSnOからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む請求項2に記載の加工方法。
  9. 前記光触媒は、TiOであり、
    前記TiOは、アナターゼ型、又はルチル型、若しくはアナターゼ型とルチル型との混晶である請求項5に記載の加工方法。
  10. 前記光は、前記光の波長が前記光触媒のバンドギャップエネルギー以上である請求項9に記載の加工方法。
  11. 前記光は、波長が420nm以下である請求項10に記載の加工方法。
  12. 前記薄膜は、Ar雰囲気下でTiOターゲットを用いたスパッタリングによって形成される請求項9に記載の加工方法。
  13. 前記薄膜は、OとArとの混合雰囲気下でTiターゲットを用いたスパッタリングによって形成される請求項9に記載の加工方法。
  14. 前記薄膜は、石英からなる基材又はガラスからなる基材上に設けられる請求項9に記載の加工方法。
  15. 前記活性種生成工程は、前記基材側から前記光触媒に向けて前記光を照射する請求項14に記載の加工方法。
  16. 前記被加工物設置工程は、SiC、GaN、サファイア、ルビー、及びダイヤモンドからなる群から選択される少なくとも1つの前記被加工物を設置する請求項1〜15のいずれか1項に記載の加工方法。
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JP2015028627A (ja) * 2013-07-05 2015-02-12 Hoya株式会社 基板の製造方法、多層反射膜付き基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法、及び基板加工装置

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