以下、図面を用いて、本発明の実施例に係るスロットマシン(遊技台)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1および図2を用いて、本実施例に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、図1はスロットマシン100の外観斜視図であり、図2はスロットマシン100のリール周辺を拡大して示す部分拡大図である。
このスロットマシン100は、筐体101と、筐体101の正面に取付けられ、筐体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。筐体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄(図1において図示省略)が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施例において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図1において図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
告知ランプ123は、遊技者に所定の利益の付与を示唆するため(例えば、内部抽選において特定の入賞役(例えば、ボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるため)のランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
音孔160はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されている。この演出装置190は、水平方向に開閉自在な2枚の右扉163a、左扉163bからなる扉(シャッタ)部材163と、この扉部材163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略)を備えており、2枚の右扉163a、左扉163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
<告知パネルの構成>
次に、図3および図4を用いて、上述の告知パネル123の構成について詳細に説明する。なお、図3(A)は背面側に配置した光源から光を照射していない状態の告知パネルの正面図であり、同図(B)は背面側に配置した光源から光を照射した状態の告知パネルの正面図である。また、図4(A)は告知パネルの側断面図であり、同図(B)は告知パネルと光源の位置関係を示す斜視図である。
この告知パネル123は、装飾パネル202と、遮蔽鏡面印刷層204Aおよび白色半透明層204Bを有する第1印刷層204と、無色透明の基台フィルム206Bに透過鏡面印刷層206Aが形成された第2印刷層206と、無色透明の基台フィルム208Bに裏打ち印刷層208Aが形成された第3印刷層208によって構成されている。なお、図4(A)では、説明の都合上、各印刷層204、206、208の厚みを実際よりも誇張して示している。
装飾パネル202は、透明(または半透明)の樹脂やガラスなどによって構成することができ、本実施例では、正面視が正方形形状の透明アクリル樹脂で構成する。また、基台フィルム206B、208Bには、例えば、塩化ビニルやポリエステルなどの素材を適用することができる。
第1印刷層204の遮蔽鏡面印刷層204Aは、ホットスタンプ印刷(箔押し)によって装飾パネル202の表面に金属箔を蒸着することによって形成する。本実施例では、図3(A)に示すように、正面視がロの字形状の銀色の金属箔(例えば、アルミニウム)を装飾パネル202の外周に沿って蒸着し、遮蔽鏡面印刷層204Aを形成する。また、遮蔽鏡面印刷層204Aを構成する金属箔の厚みは、光源210から照射された光が光源210の反対側(告知パネル123の前面側)に透過しない程度の厚みに調整する。なお、本実施例では、ホットスタンプ印刷を例示したが、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッターリング法、エッジング法などを適用することもできる。また、金属箔には、例えば、ニッケル、クロム、銅、金などの高反射性の金属を適用することができる。さらに、金属箔の色は銀色に限定されず、また、金属材料自体の色に限定されるものではなく、例えば、銀で構成された金属箔を、金やメタリックピンクなどの金属的光沢を有する色で着色して用いてもよい。
第2印刷層206の透過鏡面印刷層(ハーフミラー)206Aは、真空蒸着法によって第1印刷層204の白色半透明層204Bの表面に、遮蔽鏡面印刷層204Aを構成する金属箔よりも厚みが薄い金属箔を蒸着することによって形成する。本実施例では、図3(A)に示すように、正面視が文字形状(この例では、漢字の「祝」)の銀色の薄い金属箔(例えば、アルミニウム)を第1印刷層204の白色半透明層204Bの表面に蒸着し、透過鏡面印刷層206Aを形成する。また、透過鏡面印刷層206Aを構成する金属箔の厚みは、光源210から照射された光の少なくとも一部が光源210の反対側(告知パネル123の前面側)に透過する程度の厚みに調整する。なお、透過鏡面印刷層206Aを構成する金属箔の厚みを調整することで、透過鏡面印刷層206Aにおける光の入射率、反射率、および吸収率の調整が可能である。
第3印刷層208の裏打ち印刷層208Aは、第2印刷層206の基台フィルム206Bの表面に遮光性を有する塗料を印刷することによって形成する。本実施例では、図4(A)に示すように、第2印刷層206の透過鏡面印刷層206Aの外側を囲うように(第2印刷層206の外周に沿って)遮光性を有する塗料(例えば、白色のインク)を印刷し、裏打ち印刷層208Aを形成する。また、裏打ち印刷層208Aを構成する塗料は、光源210から照射された光の一部を完全に遮蔽する遮光性塗料を適用する。なお、本実施例では、裏打ち印刷層208Aを、第2印刷層206の透過鏡面印刷層206Aの外側を囲うように配置する例を示したが、例えば、第1印刷層204の遮蔽鏡面印刷層204Aに相当する場所に配置してもよい。
また、装飾パネルの作成において、基台フィルムを用いた多層の印刷層の装飾パネルへの転写は上述の例に限らず、以下の方法で作成してもよい。例えば、水溶性バインダーが塗布された基台フィルムに各色毎に塗料を印刷することによって多層の印刷により低反射領域を構成する。次に印刷層の最上段に前記光源から照射される光を透過可能な程度の厚さに金属箔を蒸着させる。また、水溶性の接着剤をまんべんなく塗布し、光源からの光を遮蔽可能な厚さに金属箔が蒸着された装飾パネルに張り合わせ、全体を水に浸す。この時、前述の接着剤により透過鏡面領域が設けられた面と遮蔽鏡面領域が設けられた面とが接着され、さらに、前述の水溶性バインダーが溶けることで基台フィルムを剥がすことが可能となる。
図4(A)および(B)に示すように、告知パネル123の背面には、告知パネル123の中心部の後方延長線上に、告知パネル123に向けて光を照射する光源(この例では、1つのLED)210が配設される。なお、本実施例では、光源を1つのLEDで構成したが、光源を複数のLEDで構成してもよいし、LED以外の光源(例えば、LCDなど)を適用してもよい。また、光源から照射される光の光量は、透過鏡面印刷層206Aを通過して遊技者に視認可能な程度であればよく、光量の大きさ、光源の向きや配置は特に限定されない。
<告知パネルの点灯制御>
次に、告知パネル123の点灯制御について詳細に説明する。スロットマシン100は、制御部(CPU)を、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)として機能させる制御プログラムを備える。
スロットマシン100の制御部は、所定の条件を満たした場合(例えば、抽選手段が特定の役に内部当選したと判定した場合)に光源210の点灯を行い、所定の条件を満たしていない場合に光源210の消灯を行う。光源210が消灯されている状態では、告知パネル123の背面側の光量(スロットマシン100の筐体内部の光量)よりも前面側の光量(例えば、遊技店内に設置された蛍光灯から照射される光の光量)が大きくなるため、「祝」という漢字を模した透過鏡面印刷層206Aは、図3(A)に示すように、告知パネル123の前面側からの光(例えば、遊技店内に設置された蛍光灯から照射される光)を反射して銀色に光り輝いて見える。また、このとき、第1印刷層204の遮蔽鏡面印刷層204Aも、告知パネル123の前面側からの光を反射して銀色に光り輝いて見える。
一方、光源210が点灯されている状態では、告知パネル123の前面側の光量よりも背面側の光量が大きくなり、光源210から照射された光は第3印刷層208の裏打ち印刷層208A以外の領域を透過し、透過鏡面印刷層206Aに到達する。透過鏡面印刷層206Aに到達した光は、一部が透過鏡面印刷層206Aによって反射されるが、残りが透過鏡面印刷層206A、第1印刷層204の白色半透明層204B、および装飾パネル202を透過して遊技者の目に到達する。その結果、「祝」という漢字を模した透過鏡面印刷層206Aは、図3(B)に示すように、告知パネル123の背面側からの光を透過して白色に光り輝いて見える。また、このとき、第1印刷層204の遮蔽鏡面印刷層204Aは、告知パネル123の前面側からの光を反射して銀色に光り輝いて見える。
このように、所定の条件を満たした場合に、銀色に輝いていた「祝」という漢字(透過鏡面印刷層206A)を白色に変化させる制御を行うことによって、遊技者に対して従来に無い驚きを与えることができる上に、告知パネル123の態様の変化を遊技者に容易に気づかせることができる。また、「祝」という文字を表示することで(遊技者に所定の特典を与える示唆を行うことで)何らかの特典が付与されるのではという期待感を遊技者に抱かせることができる。また、通常の遊技中は、所定の条件を満たすか否かに関わらず(光源210の点灯・消灯の状態に関わらず)、遮蔽鏡面印刷層204Aが銀色に光り輝いて見えるため、遊技者の関心を常にひくことができ、スロットマシン100の装飾性を高めることができる。
また、本実施例において、透過鏡面印刷層206Aにより「祝」という文字を形成していたがこれに限定されるものではなく、透過鏡面印刷層は前記抽選手段による抽選結果を識別可能に設けられていることが好ましい。
<第2実施例に係る告知パネルの構成>
次に、図5〜図7を用いて、第2実施例に係る告知パネル300の構成について詳細に説明する。なお、図5(A)は背面側に配置した光源から光を照射していない状態の第2実施例の告知パネルの正面図であり、同図(B)は背面側に配置した光源から光を照射した状態の第2実施例の告知パネルの正面図である。また、図6(A)は第2実施例の告知パネルの透過鏡面印刷層だけを示した正面図であり、同図(B)は第2実施例の告知パネルの遮蔽鏡面印刷層だけを示した正面図である。また、図7は第2実施例の告知パネルの側断面図である。
この告知パネル300は、装飾パネル302と、遮蔽鏡面印刷層304Aおよび無色透明層304Bを有する第1印刷層304と、無色透明の基台フィルム306Bに透過鏡面印刷層306Aが形成された第2印刷層306と、無色透明の基台フィルム308Bに濃赤色半透明層308Aが形成された第3印刷層308と、無色透明の基台フィルム310Bに赤色半透明層310Aが形成された第4印刷層310と、無色透明の基台フィルム312Bに橙色半透明層312Aが形成された第5印刷層312と、無色透明の基台フィルム314Bに黄色半透明層314Aが形成された第6印刷層314と、白色半透明印刷層からなる第7印刷層316と、無色透明の基台フィルム318Bに裏打ち印刷層318Aが形成された第8印刷層318によって構成されている。なお、図7では、説明の都合上、各印刷層304〜318の厚みを実際よりも誇張して示している。
装飾パネル302は、透明(または半透明)の樹脂やガラスなどによって構成することができ、本実施例では、正面視が正方形形状の透明アクリル樹脂で構成する。
第1印刷層304の遮蔽鏡面印刷層304Aは、ホットスタンプ印刷(箔押し)によって装飾パネル302の表面に金属箔を蒸着することによって形成する。本実施例では、図6(B)に示すような、リング形状の銀色の金属箔(例えば、アルミニウム)を装飾パネル302の表面に蒸着し、遮蔽鏡面印刷層304Aを形成する。また、遮蔽鏡面印刷層304Aを構成する金属箔の厚みは、光源210から照射された光が光源210の反対側(告知パネル300の前面側)に透過しない程度の厚みに調整する。
第2印刷層306の透過鏡面印刷層306Aは、真空蒸着法によって第1印刷層304の無色透明層304Bの表面に、遮蔽鏡面印刷層304Aを構成する金属箔よりも厚みが薄い金属箔を蒸着することによって形成する。本実施例では、図6(A)に示すような、鳳凰を模した銀色の薄い金属箔(例えば、アルミニウム)を第1印刷層304の無色透明層304Bの表面に蒸着し、透過鏡面印刷層306Aを形成する。また、透過鏡面印刷層306Aを構成する金属箔の厚みは、光源210から照射された光の少なくとも一部が光源210の反対側(告知パネル300の前面側)に透過する程度の厚みに調整する。
第3印刷層308〜第7印刷層316の濃赤色半透明層308、赤色半透明層310A、橙色半透明層312A、黄色半透明層314A、および白色半透明印刷層316は、遮蔽鏡面印刷層304Aおよび透過鏡面印刷層306Aよりも反射率が低く、かつ、光源210から照射された光の少なくとも一部を光源210の反対側(告知パネル300の前面側)に透過することが可能な有色の塗料を基台フィルムに印刷することによって形成する。このように、複数の印刷層のうち、白色の印刷層である白色半透明印刷層316を光源210に最も近い位置に配設することによって、第3印刷層308〜第7印刷層316に光源210からの光を照射した場合に、各印刷層の発色を高めることができる。また、複数の印刷層のうち、最も濃い色の印刷層である濃赤色半透明層308を光源210から最も遠い位置に配設することによって、第3印刷層308〜第7印刷層316に光源210からの光を照射した場合に、各印刷層の光のムラをなくすことができる。
第8印刷層318の裏打ち印刷層318Aは、基台フィルム318Bに遮光性を有する塗料を印刷することによって形成する。本実施例では、図7に示すように、第7印刷層316の外側を囲うように遮光性を有する塗料(例えば、白色のインク)を印刷し、裏打ち印刷層318Aを形成する。また、裏打ち印刷層318Aを構成する塗料は、光源210から照射された光の一部を完全に遮光する遮光性塗料を適用する。
図7に示すように、告知パネル300の背面には、告知パネル300の中心部の後方延長線上に、告知パネル300に向けて光を照射する光源(この例では、1つのLED)210が配設される。
以上のように透過鏡面領域を形成する透過鏡面印刷層と、遮蔽鏡面領域を形成する遮蔽鏡面印刷層と、を少なくとも含む複数の印刷層により一の装飾が形成される。より具体的には、透過鏡面印刷層により鳥を模した装飾が形成され、遮蔽鏡面印刷層により文字からなる装飾が形成され、それらを含む複数の装飾により、1の装飾が形成されている。
<実施例2に係る告知パネルの点灯制御>
次に、実施例2の告知パネル300の点灯制御について詳細に説明する。実施例2に係るスロットマシン(図示省略)は、所定の条件を満たした場合(例えば、抽選手段が特定の役に内部当選したと判定した場合)に光源210の点灯を行い、所定の条件を満たしていない場合に光源210の消灯を行う。光源210が消灯されている状態では、告知パネル300の背面側の光量よりも前面側の光量が大きくなるため、鳳凰を模した透過鏡面印刷層306Aは、図5(A)に示すように、告知パネル300の前面側からの光(例えば、遊技店内に設置された蛍光灯から照射される光)を反射して銀色に光り輝いて見える。また、このとき、リング形状の遮蔽鏡面印刷層304Aも、告知パネル300の前面側からの光を反射して銀色に光り輝いて見える。
一方、光源210が点灯されている状態では、光源210から照射された光は第3印刷層308〜第7印刷層316を透過し、透過鏡面印刷層306Aに到達する。透過鏡面印刷層306Aに到達した光は、一部が透過鏡面印刷層306Aによって反射されるが、残りが透過鏡面印刷層306A、第1印刷層304の無色透明層304B、および装飾パネル302を通過して遊技者の目に到達する。その結果、鳳凰を模した透過鏡面印刷層306Aは、図5(B)に示すように、第3印刷層308の濃赤色半透明層308Aを透過した光により濃赤色に光り輝いて見える。また、このとき、第1印刷層304の遮蔽鏡面印刷層304Aは、告知パネル300の前面側からの光を反射して銀色に光り輝いて見える。
このように、所定の条件を満たした場合に、銀色に輝いていた「鳳凰」を模した模様(透過鏡面印刷層306A)を濃赤色に変化させる制御を行うことによって、遊技者に対して従来に無い驚きを与えることができる上に、告知パネル300の態様の変化を遊技者に容易に気づかせることができる。また、遊技者に特典を与えるような示唆を行うことで何らかの特典が付与されるのではという期待感を遊技者に抱かせることができる。また、通常の遊技中は、所定の条件を満たすか否かに関わらず(光源210の点灯・消灯の状態に関わらず)、遮蔽鏡面印刷層304Aが銀色に光り輝いて見えるため、遊技者の関心を常にひくことができ、スロットマシンの装飾性を高めることができる。
<第3実施例に係る告知パネルの構成>
次に、図8および図9を用いて、第3実施例に係る告知パネル400の構成について詳細に説明する。なお、図8(A)は背面側に配置した光源から光を照射していない状態の第3実施例の告知パネルの正面図であり、同図(B)は背面側に配置した光源から光を照射した状態の第3実施例の告知パネルの正面図である。また、図9は第3実施例の告知パネルの側断面図である。
この告知パネル400は、装飾パネル402と、遮蔽鏡面印刷層404Aおよび無色透明層404Bを有する第1印刷層404と、無色透明の基台フィルム406Bに透過鏡面印刷層406Aが形成された第2印刷層406と、無色透明の基台フィルム408Bに青色半透明層408Aが形成された第3印刷層408と、無色透明の基台フィルム410Bに裏打ち印刷層410Aが形成された第4印刷層410によって構成されている。なお、図9では、説明の都合上、各印刷層404〜410の厚みを実際よりも誇張して示している。
装飾パネル402には、遮蔽鏡面印刷層404Aとして、ホットスタンプ印刷(箔押し)によって金属箔が蒸着されている。本実施例では、図8(A)に示すような、「LUCKY」という文字を表す銀色の金属箔(例えば、アルミニウム)を装飾パネル402に蒸着して遮蔽鏡面印刷層404Aを形成する。また、遮蔽鏡面印刷層404Aを構成する金属箔の厚みは、光源210から照射された光が光源210の反対側(告知パネル400の前面側)に透過しない程度の厚みに調整する。
第2印刷層406の透過鏡面印刷層406Aは、真空蒸着法によって装飾パネル402に、遮蔽鏡面印刷層404Aを構成する金属箔よりも厚みが薄い金属箔を蒸着することによって形成する。本実施例では、図8(A)に示すような、「UN」という文字を表す銀色の薄い金属箔(例えば、アルミニウム)を装飾パネル402の表面に蒸着し、透過鏡面印刷層406Aを形成する。また、透過鏡面印刷層406Aを構成する金属箔の厚みは、光源210から照射された光の少なくとも一部が光源210の反対側(告知パネル400の前面側)に透過する程度の厚みに調整する。
第3印刷層408の青色半透明層408Aは、遮蔽鏡面印刷層404Aおよび透過鏡面印刷層406Aよりも反射率が低く、かつ、光源210から照射された光の少なくとも一部を光源210の反対側(告知パネル400の前面側)に透過することが可能な有色の塗料を第2印刷層406に印刷することによって形成する。
第4印刷層410の裏打ち印刷層410Aは、基台フィルム410Bに遮光性を有する塗料を印刷することによって形成する。本実施例では、図9に示すように、第3印刷層408の外側を囲うように遮光性を有する塗料(例えば、白色のインク)を印刷し、裏打ち印刷層410Aを形成する。また、裏打ち印刷層410Aを構成する塗料は、光源210から照射された光の一部を完全に遮光する遮光性塗料を適用する。
図9に示すように、告知パネル400の背面には、告知パネル400の中心部の後方延長線上に、告知パネル400に向けて光を照射する光源(この例では、1つのLED)210が配設される。
<実施例3に係る告知パネルの点灯制御>
次に、実施例3の告知パネル400の点灯制御について詳細に説明する。実施例3に係るスロットマシン(図示省略)は、所定の条件を満たした場合(例えば、抽選手段が特定の役に内部当選したと判定した場合)に、告知パネル400の前面を覆うように配設されたシャッター部材(可動部材)を移動させて遊技者から告知パネル400が視認可能な状態にした後、所定のタイミングに達した場合に光源210の点灯を行い、所定のタイミングに達していない場合に光源210の消灯を行う。
光源210が消灯されている状態では、告知パネル400の背面側の光量よりも前面側の光量が大きくなるため、「LUCKY」という文字を表す透過鏡面印刷層404Aは、図8(A)に示すように、告知パネル400の前面側からの光を反射して銀色に光り輝いて見える。また、このとき、「UN」という文字を表す遮蔽鏡面印刷層406Aも、告知パネル400の前面側からの光を反射して銀色に光り輝いて見える。
一方、光源210が点灯されている状態では、光源210から照射された光は第3印刷層408を透過し、透過鏡面印刷層406Aに到達する。透過鏡面印刷層406Aに到達した光は、一部が透過鏡面印刷層406Aによって反射されるが、残りが透過鏡面印刷層406A、装飾パネル402を透過して遊技者の目に到達する。その結果、「UN」という文字を表す遮蔽鏡面印刷層406Aは、図8(B)に示すように、第3印刷層408の青色半透明層408Aを透過した光により青色に光り、隣接する青色半透明層408Aと同じ色に変化する。このため、「UN」という文字は遊技者に視認不能な状態となる。また、このとき、装飾パネル402の遮蔽鏡面印刷層404Aは、告知パネル400の前面側からの光を反射して銀色に光り輝いて見えるため、「LUCKY」という文字だけが遊技者から視認可能となる。
このように、所定の条件を満たした場合に、銀色に輝いていた「UN」をいう文字(透過鏡面印刷層406A)を背景色(青色半透明層408Aを透過する光の色)と同じ色に変化させて遊技者から視認不能にする制御を行うことによって、「UNLUCKY」という文字によって遊技者を一時的に落胆させた後に、「LUCKY」という文字で何らかの特典が付与されるのではという期待感を遊技者に抱かせることができる。このため、遊技者が感じする喜びを飛躍的に増加させることが可能となる。また、通常の遊技中は、所定の条件を満たすか否かに関わらず、遮蔽鏡面印刷層404Aが銀色に光り輝いて見えるため、遊技者の関心を常にひくことができ、スロットマシンの装飾性を高めることができる。
本実施例においては、前記透過鏡面領域及び前記遮蔽鏡面領域は、前記抽選手段により遊技者に所定の特典を与えるか否かを示唆する識別情報(UNLUCKY)を構成し、前記識別情報は、前記抽選手段の抽選結果に基づく前記光源の点灯動作に応じて視認状態が切り替わることを特徴としている。
このように、透過鏡面印刷層及び遮蔽鏡面印刷層を含む複数の印刷層により抽選手段により遊技者に所定の特典を与えるか否かを示唆する識別情報を構成しても良いし、透過鏡面印刷層のみで識別情報を構成することで、光源の点灯により識別情報を明確に遊技者に報知する構成としても良い。
以上説明したように、本実施例に係るスロットマシン100は、光を照射可能な光源(例えば、光源210)と、前記光源から照射される光の少なくとも一部を透過可能な装飾パネル(例えば、告知パネル123)と、前記光源の点灯および消灯の制御を行う光源制御部(例えば、CPU)と、を備え、前記装飾パネルは、前記光源から照射される光の少なくとも一部を透過し、かつ前記光源以外から照射される光を反射する透過鏡面領域(例えば、透過鏡面印刷層206A)と、前記光源から照射される光を遮蔽し、かつ前記光源以外から照射される光を反射する遮蔽鏡面領域(例えば、遮蔽鏡面印刷層204A)を有して構成されていることを特徴とする、遊技台である。
本実施例に係るスロットマシン100によれば、光源が非点灯の状態においては、装飾パネルの透過鏡面領域および遮蔽鏡面領域の視認態様が同一で装飾を目立たせることができ、光源が点灯した状態においては、装飾パネルの透過鏡面領域が光源からの光を透過させることにより視認態様を変化させることができる。このため、装飾パネルの態様の変化を遊技者に容易に気づかせることができる上に、光源の状態に関わらず装飾パネルの装飾を十分に目立たせることができる場合がある。
また、前記装飾パネル(例えば、告知パネル300)は、少なくとも前記光源と前記透過鏡面領域との間に、前記光源から照射される光の少なくとも一部を透過し、かつ前記光源以外から照射される光を前記透過鏡面領域または前記遮蔽鏡面領域よりも低い反射率で反射する低反射領域(例えば、濃赤色印刷層308A)をさらに有して構成されていてもよい。
また、前記透過鏡面領域と前記光源との間に前記低反射領域を設ける場合には、前記透過鏡面領域及び前記低反射領域を同系色に設けることが好ましい、より具体的には、前記透過鏡面領域を金色の金属箔で設けた場合には、前記低反射領域に赤、黄色による印刷を施す。また、前記透過鏡面領域を銀色の金属箔で設けた場合には、前記低反射領域に青色による印刷を施す。これにより、前記透過鏡面領域と前記低反射領域が同系色で設けられるため、保護色となり、前記光源の消灯時において、前記低反射領域が視認しづらく、前記光源の点灯時には視認困難であった前記低反射領域の視認が良好に行えるため、遊技者に新鮮な驚きを提供することが可能となる。
このような構成とすれば、光源が非点灯の状態においては、装飾パネルの透過鏡面領域および遮蔽鏡面領域の光の反射がより際立ち、光源が点灯した状態においては、装飾パネルの透過鏡面領域の背後に設けられた低反射領域を光が透過することにより透過鏡面領域の色が変化することで更に装飾を目立たせ、遊技者を驚嘆させることができる場合がある。
また、遊技者に所定の利益を付与するか否かを抽選により判定する抽選手段をさらに備え、前記所定の利益の付与を示唆するための告知ランプの少なくとも一部を、前記透過鏡面領域および前記遮蔽鏡面領域の2つの領域、または、前記透過鏡面領域、前記遮蔽鏡面領域、および前記低反射領域の3つの領域で構成し、前記光源制御部は、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記光源の点灯および消灯の制御を行ってもよい。
このような構成とすれば、遊技における抽選の結果と、装飾パネルの視認態様を連動させることができ、遊技者の期待感や興趣を高めることができる場合がある。
また、前記装飾パネル(例えば、告知パネル123)は、前記透過鏡面領域、前記遮蔽鏡面領域、または前記低反射領域よりも光源に近い位置に、前記光源から照射される光の一部を完全に遮蔽する遮蔽領域(例えば、裏打ち印刷層208A)をさらに有して構成されていてもよい。
このような構成とすれば、透過鏡面領域、遮蔽鏡面領域、または低反射領域の周囲の光を確実に遮光し、これらの領域を透過する光を、より鮮明にすることが可能となる。このため、光源が点灯した際に、遊技者の注目を装飾ランプに、より集中させることができる場合がある。
また、前記透過鏡面領域は、前記抽選手段の抽選結果に基づいて遊技者に所定の利益を与えるか否かを示唆する、文字(例えば、漢字の「祝」)または意匠(例えば、鳳凰を模した図形)から構成されていてもよい。
このような構成とすれば、光源から光が照射された際に目立つ透過鏡面領域に情報を含ませることができる上に、遊技者が情報を直感的に把握することができ、遊技者は遊技に関連する情報を容易に取得できる場合がある。
また、前記透過鏡面領域および前記遮蔽鏡面領域は、金属箔から構成されていてもよい。このような構成とすれば、印刷ムラ等による部分的な反射率や入射率の変化を防止することが可能となり、透過鏡面領域および遮蔽鏡面領域を一様な鏡面とすることが可能となり、更に遊技者の注目を集めることができる場合がある。また、遊技店内に設置された蛍光灯などの光を装飾に利用することができ、消費電力を抑えることができる上に、薄暗い店内において装飾パネルを目立たせることができる場合がある。
また、前記遮蔽鏡面領域は、透明または半透明のパネル(例えば、装飾パネル)に前記光源から照射される光を遮蔽可能な厚みの金属箔を蒸着することによって形成され、前記透過鏡面領域は、基台フィルムに蒸着された、前記光源から照射される光の一部を透過可能な厚みの金属箔を、前記装飾パネルに転写することによって形成されていてもよい。また転写は、例に挙げる水転写、熱転写等を用いても良い。
このような構成とすれば、印刷層に厚く金属箔を蒸着する必要が無いため、印刷層に対して遮蔽鏡面領域が版ズレするリスクを軽減でき、装飾パネルの生産効率を高めることができる場合がある。
なお、上記実施例では、基台フィルムに塗料を印刷して形成した印刷層を装飾パネルに転写する例を示したが、装飾パネルに直接、塗料を印刷してもよい。
また、上記実施例においては、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンの例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンやパチンコ機などにも適用可能である。
図10は、パチンコ機の遊技盤102を正面から見た略示正面図である。遊技盤102には、外レール106と内レール108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域104を区画形成している。
遊技領域104の略中央には、演出装置200を配設している。この演出装置200には、略中央に横長の装飾図柄表示装置110を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置200は、可動部を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。装飾図柄表示装置110は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cおよび演出表示領域110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび左図柄表示領域110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域110a、110b、110c、110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置110は、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置112は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態(後述する大当り遊技の当選確率を通常の確率よりも高く設定した遊技状態)であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態(後述する大当り遊技の当選確率を通常の確率に設定した遊技状態)から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。一般入賞口122は、本実施例では遊技盤102に複数配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口1124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤102の左側に1つ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、本実施例では遊技盤102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では3個)の球を賞球として貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。本実施例では、扉部材の正面に、図11に示すような装飾を施している。具体的には、「大判振舞」という文字を、上述の透過鏡面印刷層で構成し、小判と大判の図形を、上述の遮蔽鏡面印刷層で構成している。そして、所定の条件を満たした場合に、銀色に輝いていた「大盤振舞」をいう文字(透過鏡面印刷層)を、光源から透過色(例えば、赤色)に変化させる制御を行う。これにより、遊技者に対して従来に無い驚きを与えることができる上に、遊技者に特典を与えるような示唆を行うことで何らかの特典が付与されるのではという期待感を遊技者に抱かせることができる。また、通常の遊技中は、所定の条件を満たすか否かに関わらず、遮蔽鏡面印刷層が銀色に光り輝いて見えるため、遊技者の関心を常にひくことができ、パチンコ機の装飾性を高めることができる。なお、可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ602を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
<演出装置>
次に、パチンコ機100の演出装置200について説明する。この演出装置200の前面側には、ワープ装置230およびステージを配設し、演出装置200の背面側には、装飾図柄表示装置110および遮蔽手段250を配設している。すなわち、演出装置200において、装飾図柄表示装置110および遮蔽手段250は、ワープ装置230およびステージの後方に位置することとなる。
ワープ装置230は、演出装置200の左上方に設けた入球口232に入った遊技球を演出装置200の前面下方の前面ステージ234に排出し、さらに、前面ステージ234に排出した遊技球が前面ステージ234の中央部後方に設けた第2の入球口236に入った場合は、遊技球を、第1特図始動口126の上方である演出装置200の下部中央に設けた排出口238から第1特図始動口126に向けて排出するものである。この排出口238から排出した遊技球は特図始動口126に入球しやすくなっている。
遮蔽手段250は、格子状の左扉250aおよび右扉250bからなり、装飾図柄表示装置110および前面ステージ234の間に配設する。左扉250aおよび右扉250bの上部には、図示しない2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉250aおよび右扉250bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段250は、左右扉250a、250bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置110を視認し難いように遮蔽する。左右扉250a、250bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置110の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置110の表示の全てを視認可能である。また、左右扉250a、250bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。
本発明に係る遊技台は、このような「所定の遊技領域(例えば、遊技盤102)に球を発射する発射装置(例えば、発射モータ602、発射杆138、発射槌140)と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口(例えば、第1特図始動口126)と、入賞口に入球した球を検知する検知手段(例えば、球検出センサ)と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段(例えば、払出装置)と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置(例えば、特図表示装置114)を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機100」にも好適である。
このようなパチンコ機によれば、光源が非点灯の状態においては、装飾パネルの透過鏡面領域および遮蔽鏡面領域の視認態様が同一で装飾を目立たせることができ、光源が点灯した状態においては、装飾パネルの透過鏡面領域が光源からの光を透過させることにより視認態様を変化させることができる。このため、装飾パネルの態様の変化を遊技者に容易に気づかせることができる上に、光源の状態に関わらず装飾パネルの装飾を十分に目立たせることができる場合がある。
また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施例に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。