JP2010178085A - 基地局装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の基地局装置は、端末装置からの通信信号を受信する通信モードと、前記通信モードを中止し他の基地局装置からの通信信号を受信して前記他の基地局装置との間で基地局間同期を行う同期モードと、を交互に実行する。基地局装置は、前記通信モードにおける前記端末装置との通信に係るトラフィックの状態を観測するトラフィック観測部35aと、トラフィック観測部35aにより観測されるトラフィックの状態に応じて、前記通信モードを中止し前記同期モードを実行する制御部35bと、を備えている。
【選択図】 図4
Description
このため、端末装置の基地局間移動をスムーズに行うには、隣接する基地局間で、送信タイミング及び搬送波周波数が揃っている基地局間同期が確保されている必要がある。
ここで、基地局間同期のための技術としては、例えば、下記特許文献1記載のものがある。
しかし、GPS信号を利用して同期をとる場合、各基地局が、GPS受信機を備える必要があり、大型化・コストアップを招く。また、室内等のGPS信号を受信できない環境に設置される基地局の場合、基地局間同期をとることが不可能になる。
この場合、端末装置との通信を行う周波数と同じ周波数を用いた無線通信で同期をとれるので、GPS信号を受信する場合のGPS受信機のように同期用の特別な受信系統が必要ない。このため、基地局の小型化・コストダウンを図ることができ、室内等に設置される小型の基地局として適したものとなる。
このクロック発生装置が発振するクロックには精度誤差が含まれており、基地局間同期をとる関係にある両基地局が有しているクロック発生装置それぞれの精度誤差の違いによっては、時間の経過に伴って、互いの送信タイミングや搬送波周波数にずれが生じ、同期ずれが生じる。
つまり、上記基地局間同期によって一時的には基地局間の同期がとれた状態とすることができたとしても、その後の時間の経過に伴って、再度同期ずれが生じ、その同期ずれは時間の経過に伴って徐々に増加する。
しかし、上記基地局間同期をとるためには、上述したように、端末装置との通信を行うための受信系統を用いるため、一時的に端末装置との通信を中止する必要がある。
したがって、基地局間同期をとることで、端末装置との間で確立している通信を途中で中断することとなったり、通信に係るスループットを低下させたりといったように、端末装置との間の通信に少なからず影響を与えてしまう場合がある。
そこで、上記のような通信に与える悪影響を軽減するために、例えば、基地局間同期の周期間隔を長く取れば、基地局間同期の機会が減るので、通信に与える影響は低減されるが、基地局間の同期がより正確にとれた状態を維持することが困難となる。
その一方、短い周期で頻繁に基地局間同期を行えば、基地局間の同期がより正確にとれた状態を維持することができるが、基地局間同期の機会を増やすこととなり、端末装置間における通信に与える影響が大きくなってしまう。
この場合、制御部は、継続時間が許容時間となる前に、同期モードを実行するので、基地局装置間の同期ずれが許容範囲を超えるのを防止することができる。
この場合、制御部は、基地局間同期がとれている通信モード開始直後においては同期モードを実行せず、ある程度通信モードでの時間が経過し同期ずれが生ずる、途中タイミングと、許容タイミングとの間で同期モードを実行する。この結果、できるだけ基地局間同期がとれた状態を維持しつつ、短い周期で同期モードが実行されるのを防止することができる。
したがって、前記トラフィック観測部は、単位時間ごとの前記トラフィックの量を前記トラフィックの状態として観測するものであることが好ましい。
この場合、制御部は、どのタイミングでトラフィックの量が少ないかといったことを把握でき、同期モードの実行による端末装置との間の通信に与える影響が効果的に低減できるタイミングを容易に把握できる。
この場合、トラフィックが無いタイミングで同期モードが実行されるので、端末装置との間の通信に影響を与えることはない。
このため、前記トラフィック観測部は、前記トラフィックに設定されている優先度を取得し、単位時間ごとの前記トラフィックの量を前記優先度ごとに観測するもので有ることが好ましい。
この場合、制御部は、どのタイミングで、比較的優先度の低いトラフィックの量が少ないかといったことを把握でき、同期モードの実行による端末装置との通信に与える影響が効果的に低減できるタイミングを容易に把握できる。
この場合、優先度の高いトラフィックが無いタイミングで、同期モードが実行されるので、端末装置との通信に与える影響を可能な範囲で低減できる。
図1は、複数の基地局装置(BS:Base Station)1,2,・・・を有する無線通信システムの全体構成を示す図である。この無線通信システムでは、例えば、広帯域無線通信を実現するために直交周波数分割多元接続(OFDMA)方式をサポートするIEEE802.16に規定される「WiMAX」に準拠した方式が採用されている。
各基地局装置1,2(第一基地局装置1、第二基地局装置2)は、それぞれがカバーするエリア(セル)C1,C2内に位置する端末装置(移動端末MS;Mobile Station)1a、1b、2a、2bとの間で通信が可能である。
なお、下りサブフレームは、先頭に、既知信号であるプリアンブル(Preamble)を備えている。
マスタ基地局装置は、基地局間同期のためのタイミングを他の基地局装置が送信した信号の受信波から検出して取得する必要がない基地局装置である。例えば、マスタ基地局装置は、自装置が発生する同期信号(クロック)に基づいて信号の送信タイミングを決定する自走マスタ基地局装置として構成することができる。なお、マスタ基地局装置は、GPS受信機を備え、GPS信号を用いて信号の送信タイミングを決定するものであってもよい。
スレーブ基地局装置は、起動時において、他の基地局装置(マスタ基地局装置又は他のスレーブ基地局装置)のうち、一の基地局装置をソース基地局装置として選択し、他の基地局装置としてのソース基地局装置が送信した信号(プリアンブル;既知信号;同期信号)の受信波(ソース受信波)を検出して、基地局間同期のためのタイミング(信号の送信タイミング)を取得する。なお、基地局装置が起動したとき行われる基地局間同期のための処理を初期同期処理というものとする。初期同期処理は、前述のように起動時に実行され、より詳細には、基地局装置が起動してから、端末装置との通信が開始されるまでの間に行われる。また、この初期同期処理の具体的内容は、後述の「同期モード」における処理とほぼ同様である。
なお、以下では、図1に示す第一基地局装置1をマスタ基地局装置とし、第二基地局装置2をスレーブ基地局装置として説明する。
ただし、スレーブ基地局装置のクロック発生器の精度が十分でなかったり、基地局装置間でクロック精度にばらつきがあったりすると、時間の経過によって、同期ずれが生じる。つまり、基地局装置が、端末装置との通信を行っていると、次第に、他の基地局装置の送受信タイミング(通信タイミング)とずれ(同期ずれ)が生じる。
すなわち、基地局装置が具備するクロック発生器のクロック周波数の誤差が、基地局装置間で存在するため、そのクロック周波数(基準信号)に基づいて生成される一つの通信フレーム(下りサブフレーム)の時間長さ(例えば、規格上は5msec)が、基地局装置間で僅かに異なることになる。一フレームの時間長さの誤差が僅かでも、端末装置へのフレームの送信が繰り返されると、前記誤差が蓄積して、比較的大きな同期ずれ(例えば、1μsec程度)となるおそれもある。
このように、初期同期処理にて基地局装置間の通信タイミングを揃えても、端末装置と通信を行う間に、同期ずれが次第に大きくなる。
なお、この通信モードと、同期モードとの切り替えの態様については、後に詳述する。
フレームタイミングカウンタ32は、前記カウンタ値が所定の送受信切り替えタイミングに一致したら、切り替えスイッチ31に対して送受信を切り替える命令を出力し、これによって送受信の切り替えが行われる。
また、フレームタイミングカウンタ32は、復調部13及び変調部21にも、前記カウンタ値に基づいて、各フレームのタイミングに関する情報を出力する。復調部13及び変調部21は、フレームタイミングカウンタ32からの各フレームのタイミングに関する情報に基づいて変復調を行う。
さらに、フレームタイミングカウンタ32は、上記カウンタ値に基づいて、基本フレームごとに応じたフレーム周期信号を生成し、後述する同期タイミング生成部35に与える。なお、このフレーム周期信号は、基本フレームごとに応じたものであるため、通信モード中には出力されるが、同期モード中には出力されない。
図4は、同期タイミング生成部35及び通信制御部50について、同期モードの開始タイミングを決定するために必要な機能についての構成を主に示したブロック図である。
図中、同期タイミング生成部35は、通信モードにおける端末装置との通信に係るトラフィックの状態を観測するトラフィック観測部35aと、トラフィック観測部35aにより観測されるトラフィックの状態に応じて、同期モードの開始タイミングを決定し、前記同期モードの開始指令を周期制御部34に出力する制御部35bとを有している。
スケジューラ51は、端末装置との通信においてユーザデータの送受信に係るスケジュールを決定する。また、スケジューラ51は、前記スケジュールに基づいて、ユーザデータを図2で示した通信フレームに割り当てる機能を有している。
また、スケジューラ51は、ユーザデータを前記スケジュールに基づいて通信フレームに割り当てるための制御情報としてのDLマップ情報52、及びULマップ情報53を生成する。
図5は、図2にて示した通信フレームの内の一の基本フレームの一例と、それに格納されるマップ情報を示した図である。
上述したように基本フレームは、下りサブフレーム(図中、DL)と、上りサブフレーム(図中、UL)とを有して構成されている。下りサブフレームには、先頭に割り当てられたプリアンブルの後に、FCH(Frame Control Hedder)やDLマップ(DL−MAP)が割り当てられ、その後、ユーザデータを格納し送信するための複数のDLバースト(図例では、DL burst#1〜#6の6つ)が割り当てられている。
また、DLマップに続くDLバースト#1には、ULマップ(UL−MAP)が格納されている。
上りサブフレームには、レンジングを実行するための情報が割り当てられるレンジングサブチャネル(Ranging subchannel)や、ユーザデータを格納し送信するための複数のULバースト(図例では、UL burst#1〜#5の5つ)が割り当てられている。
「OFDMA symbol offset」、「No.OFDMA symbols」、「subchannel offset」、及び、「No.subchannels」は、各コネクションに係るユーザデータが格納されるDLバーストの割当領域を特定するための情報であり、「OFDMA symbol offset」、及び「subchannel offset」は、下りサブフレームにおける割当領域のシンボル方向及びサブチャネル方向の開始位置、「No.OFDMA symbols」、及び「No.subchannels」は、それぞれ、割当領域の時間幅、及び割当領域のサブチャネルの幅を示している。
「CID」は、当該個別ULマップ情報53aに対応するコネクションを特定するために割り当てられた識別情報である。
「Duration」は、当該コネクションに係るユーザデータが格納されるULバーストの割当領域を特定するための情報であり、スロット数等によって定められる。
具体的に、トラフィック観測部35aは、DLマップ情報52及びULマップ情報53内に含まれる、各コネクションごとの個別マップ情報52a、53aを、直近に送信される予定の基本フレーム、又は、直近及びその後に送信が予定されている各基本フレームごとに参照する。ここで、個別マップ情報52a、53aにおいて、バーストの割当領域を特定するための情報が割り当てられていなければ、その個別マップ情報52a、53aに対応するコネクションには無線資源が割り当てられておらず、当該コネクションについてはトラフィックが無いと判断することができる。
図6(a)は、スケジューラ51が有するコネクションリスト54の態様の一例を示す図である。コネクションリスト54は、図のように、各コネクションを識別するための情報である「CID」に、各コネクションそれぞれに設定されている優先度としてのQoSクラスを示す情報であるQoSタイプを関連付けたものである。
また、図6(b)は、各QoSタイプに対応するQoSクラスを示す図である。各QoSタイプは、それぞれ、図のようにQoSクラスが設定されている。本実施形態では、各コネクションの優先度をQoSクラスによって判断するように構成されており、BE(Best Effort)と、それ以外とで優先度を設定する。BEは、FTPや、Webブラウズ、電子メール等に用いられるため、本実施形態では、BE以外のQoSクラスに対して優先度が低く設定されている。BE以外のQoSクラスはそれぞれ同じ優先度に設定される。
また、トラフィック観測部35aは、上述したように、各コネクションごとにバーストが割り当てられているか否かを、直近に送信される予定の基本フレーム、又は、直近及びその後に送信が予定されている各基本フレームごとに参照し、トラフィックの有無を観測することができる。このため、トラフィック観測部35aは、各コネクションとQoSクラスとを関連付けることで、基本フレームの時間長さを単位時間としたときのその単位時間ごとのトラフィックの量(各コネクションに対応するトラフィックの数)を、QoSクラスごとに観測することもできる。
また、制御部35bは、フレームタイミングカウンタ32からフレーム周期信号が与えられると、カウンタ値を増加させるカウンタを有している。このカウンタのカウンタ値は、通信モードが継続して実行されたときの継続時間を、基本フレームの時間長さを単位時間とした数(基本フレーム数)で表している。制御部35bは、前記カウンタ値によって、通信モードの継続時間を、基本フレームの時間長さを単位時間として把握することができる。
まず、制御部35bは、ステップS1において前記カウンタのカウンタ値nを0に設定し(ステップS1)、フレームタイミングカウンタ32からのフレーム周期信号の監視を、基本フレームの時間幅とほぼ同じ時間の間で行う(ステップS2)。
監視の結果、フレーム周期信号を受信しなければ、現状通信モードにないと判断できるので、制御部35bは、再度ステップS2に戻り、フレーム周期信号の監視を継続する。
一方、フレーム周期信号を受信すると、制御部35bは、ステップS4に進み、現状のカウンタ値nに「1」を加え新たなカウンタ値nを得る(ステップS4)。
次いで、制御部35bは、予め定めた許容時間としての許容値Nと、カウンタ値nとの差が、第三閾値th3よりも小さいか否かを判定する(ステップS5)。
図8は、通信モード及び同期モードを時間軸上に示した図であり、(a)は、通信モードと同期モードとの時間軸上の位置関係を示す図である。図に示すように、通信モードと、同期モードとは、交互に実行される。
図8(b)は、一の通信モードを拡大した図である。通信モードは、図中、同期モードの終了直後である、開始タイミングTsから開始される。許容値Nは、開始タイミングTsから通信モードを継続して実行したときに他の基地局装置との間で経時的に増加する同期ずれが許容範囲を超えるときの時間長さ(許容時間)を基本フレームの数で示したものである。なお、以下の説明では、時間長さを基本フレーム数で示すものとする。
上記複数のタイミング(途中タイミング)の内、第一タイミングT1は、許容タイミングTeから第一閾値th1の時間長さだけ、開始タイミングTs側に戻った位置に設定されている。また、第二タイミングT2は、許容タイミングTeから第一閾値th1よりも小さい第二閾値th2の時間長さだけ、開始タイミングTs側に戻った位置に設定されている。第三タイミングT3は、許容タイミングTeから第二閾値th2よりも小さい第三閾値th3の時間長さだけ、開始タイミングTs側に戻った位置に設定されている。
なお、上記各閾値th1〜th3は、時間長さを基本フレームの数で示している。
ステップS5において、制御部35bは、この残り時間が、第三閾値th3よりも小さいか否かを判定する。
前記残り時間が、第三閾値th3よりも小さいと判定されると、すなわち、通信モードの継続時間が第三タイミングT3を越えていると判定されると、制御部35bは、ステップS12に進み、同期モードの開始指令を周期制御部34に出力する(ステップS12)。これにより、周期制御部34は、通信モードから同期モードに切り替える。
このように、第二基地局装置2は、通信モードの継続時間が第三タイミングT3を越えれば、トラフィック観測部35aによりマップ情報等を観測することなく、同期モードに切り替わるように構成されている。ここで、許容値N(許容時間)は、通信モードを継続して実行したときに他の基地局装置との間で経時的に増加する同期ずれが許容範囲を超えるときの時間長さに設定されており、第三閾値th3は、許容値N(許容時間)となる許容タイミングTeの直前に設定されている。つまり、第三閾値th3により定められる第三タイミングT3は、それ以上通信モードを継続して実行せず、強制的に同期モードを実行するタイミングを示している。
この場合、制御部35bは、通信モードの継続時間が許容値N(許容時間)となる前に、同期モードを実行するので、基地局装置間の同期ずれが許容範囲を超えるのを防止することができる。
ステップS6において、前記残り時間が、第二閾値th2よりも小さいと判定されると、すなわち、通信モードの継続時間が第二タイミングT2を越えていると判定されると、制御部35bは、ステップS7に進み、トラフィック観測部35aに、直近に送信される予定の基本フレームにおけるトラフィックの量(各コネクションに対応するトラフィックの数)を、QoSクラスごとに観測させる(ステップS7)。
BE以外のQoSクラスが設定されているコネクションのトラフィックがないと判定すると、制御部35bは、ステップS12に進み、同期モードの開始指令を周期制御部34に出力する(ステップS12)。そして、周期制御部34は、通信モードから同期モードに切り替える。
上記QoSクラスにおいて、伝送特性について特に保証しないBEと比較して、BE以外のQoSクラスは、その伝送特性等の保証が規定されている。したがって、BE以外のQoSクラスが設定されたコネクションがある場合には、通信モードを停止して同期モードを行うと、端末装置との通信において、大きく影響を与えることとなる。
すなわち、本実施形態では、優先度の高いBE以外のQoSクラスが設定されたコネクションのトラフィックが無ければ、そのタイミングで同期モードを実行するように構成されている。この場合、優先度の高いトラフィックが無いタイミングで、同期モードを実行することができるので、端末装置との間の通信に与える影響を可能な範囲で低減できる。
本実施形態において、通信モードの継続時間が第一タイミングT1を越えない限り、同期モードは実行されず、第一タイミングT1を越えた後、トラフィック観測部35aによる観測を開始し、その結果に基づいて、同期モードの開始タイミングを決定する。
この場合、制御部35bは、基地局間同期がとれている通信モード開始直後(通信モードの継続時間が第一タイミングT1を越えない範囲)においては、同期モードを実行させず、ある程度通信モードでの時間が経過し同期ずれが生じうる通信モード中の各タイミングT1〜T3から許容タイミングTeの間で同期モードを実行させる。この結果、できるだけ基地局間同期がとれた状態を維持しつつ、短い周期で同期モードが実行されるのを防止することができる。
全てのコネクションについてのトラフィックが全くないと判定すると、制御部35bは、ステップS12に進み、同期モードの開始指令を周期制御部34に出力する(ステップS12)。そして、周期制御部34は、通信モードから同期モードに切り替える。
また、ステップS11において、全てのコネクションについてのトラフィックが一つでもあると判定すると、制御部35bは、ステップS2に戻り、再度、上述の各ステップに関する処理を行う。
図8(c)は、図8(b)中、第一タイミングT1と第二タイミングT2との間のタイミングT4で、通信モードを中止し同期モードを実行したときの状態を時間軸上に示した図である。図8(b)において、通信モードが継続して行われ、通信モードの継続時間が第一タイミングT1を越えると、トラフィック観測部35aは、マップ情報等を参照することによる端末装置とのコネクションに係るトラフィックの観測を開始する。そしてタイミングT4において、トラフィックが全くないときが観測されないと判定すると、同期タイミング生成部35の制御部35bが同期モードの開始指令を出力する。これにより、図8(c)のように、通信モードを中止して同期モードを開始する。
同期処理を終え同期モードが終了すると、制御部35bは、フレームタイミングカウンタ32からのフレーム周期信号を受信し、カウンタのカウンタ値nの加算を開始する。これにより、制御部35bは、通信モードが開始したことを認識する。つまり、制御部35bは、図8(c)中における開始タイミングTsを認識し、通信モードの継続時間としてのカウンタ値nが、各タイミングT1〜T3に到達したか否かを判定し、トラフィックの観測結果に応じて、同期モードの開始タイミングを決定することとなる。
以上のようにして、本実施形態の第二基地局装置2は、通信モードと同期モードとを交互に実行する。
トラフィックの観測の結果、トラフィックが一つでもあれば、カウンタ値nを一つ増やし、通信モードを継続する。その後、前記継続時間が第二タイミングT2に達するまでの間、トラフィックが全くないときが観測されれば、そのタイミングで同期モードに切り替える。
本実施形態によれば、制御部35bは、図7中ステップS10によるトラフィックの量の観測の結果、トラフィックが全く無い状態が観測されると、そのタイミングで同期モードを実行させる。このため、トラフィックが無いタイミングで同期モードが実行されるので、端末装置との間の通信に影響を与えることはない。
この場合、制御部35bは、どのタイミングで、比較的優先度の低いトラフィックの量が少ないかといったことを把握できる。端末装置との間のトラフィックが無い状態が観測されなくとも、優先度の高いトラフィックが観測されず、比較的優先度の低いトラフィックのみが観測される場合には、仮に、端末装置との間の通信を一時的に停止し基地局間同期を行ったとしても、端末装置との間における通信に与える影響を極力低減することができる。このため、制御部35bは、同期モードの実行による端末装置との間の通信に与える影響が効果的に低減できるタイミングを容易に把握できる。
この場合、予め定めた所定の優先度とされるQoSクラスであるBEよりも、高い優先度とされるBE以外のQoSクラス(UGS、rtPS、nrtPS、Ert)に設定されたトラフィックが無いタイミングで、同期モードが実行されるので、端末装置との通信に与える影響を可能な範囲で低減できる。
以上のようにして、本実施形態は、通信モードの継続時間が第二タイミングT2を越えて許容時間により近づくと、同期モードの開始タイミングを決定する基準をさらに緩和し、トラフィックが存在したとしても、所定の条件下で同期モードを実行する。
また、トラフィック観測部35aに、基本フレームに含まれる下りサブフレーム及び上りサブフレームそれぞれ個別にトラフィックの有無を観測させ、それら観測結果に基づいて、全体としてのトラフィックの状態を観測するように構成することもできる。この場合、トラフィック観測部35aは、下りサブフレームのトラフィックを観測する場合には、一又は複数分の下りサブフレームの時間長さを単位時間とし、上りサブフレームのトラフィックを観測する場合には、一又は複数分の上りサブフレームの時間長さを単位時間として、それぞれ観測を行う。
1a、1b 端末装置
2 第二基地局装置
2a、2b 端末装置
35a トラフィック観測部
35b 制御部
Claims (8)
- 端末装置からの通信信号を受信する通信モードと、前記通信モードを中止し他の基地局装置からの通信信号を受信して前記他の基地局装置との間で基地局間同期を行う同期モードと、を交互に実行する基地局装置であって、
前記通信モードにおける前記端末装置との通信に係るトラフィックの状態を観測するトラフィック観測部と、
前記トラフィック観測部により観測されるトラフィックの状態に応じて、前記通信モードを中止し前記同期モードを実行する制御部と、を備えていることを特徴とする基地局装置。 - 前記制御部は、前記通信モードを継続して実行する継続時間が、当該通信モードを継続して実行したときに前記他の基地局装置との間で増加する同期ずれが許容範囲を超えるときの許容時間となる前に、前記通信モードを中止し前記同期モードを実行する請求項1に記載の基地局装置。
- 前記トラフィック観測部は、前記通信モードが開始される開始タイミングから前記許容時間が経過するときの許容タイミングまでの間に位置する途中タイミングと、前記許容タイミングとの間で、前記トラフィックの観測を行い、
前記制御部は、前記途中タイミングと、前記許容タイミングとの間で前記同期モードを実行させる請求項2に記載の基地局装置。 - 前記トラフィック観測部は、単位時間ごとの前記トラフィックの量を前記トラフィックの状態として観測するものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の基地局装置。
- 前記制御部は、前記トラフィック観測部が、前記トラフィックの状態を単位時間ごとの前記トラフィックの量として観測した結果、前記トラフィックが無い状態が観測されると、そのタイミングで前記同期モードを実行させる請求項4に記載の基地局装置。
- 前記トラフィック観測部は、前記トラフィックに設定されている優先度を取得し、単位時間ごとの前記トラフィックの量を前記優先度ごとに観測する請求項1〜3のいずれか一項に記載の基地局装置。
- 前記制御部は、前記トラフィック観測部による単位時間ごとの前記トラフィックの量の観測の結果、予め定めた所定の優先度よりも高い優先度に設定されたトラフィックが無い状態が観測されると、そのタイミングで前記同期モードを実行させる請求項6に記載の基地局装置。
- 前記優先度は、前記トラフィックに設定されているQoSクラスに基づいて定まる優先度である請求項6又は7に記載の基地局装置。
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