JP2010041712A - 基地局装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基地局間同期の精度低下を抑制することができる基地局装置を提供する。
【解決手段】 本発明の第二基地局装置2は、第一基地局装置1の通信タイミングと、自己の通信タイミングとの間の同期ずれ推定値を求める同期誤差検出部33と、同期誤差検出部33により得られる同期ずれ推定値に基づいて当該推定値に含まれる誤差を抑制した補正値を求める補正部36と、補正値に基づいて同期ずれを修正するフレームタイミングカウンタ32と、を有している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、他の基地局装置との間で基地局間同期を行う基地局装置に関するものである。
WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)のように移動端末が通信可能な無線通信システムにおいては、基地局が各地に多数設置される。各基地局がカバーするエリア(セル)内にある移動端末は、当該エリアをカバーする基地局との間で通信を行うことができる。
移動端末が移動することにより、移動端末の通信相手となる基地局は変更されるが、基地局が変更される際、移動端末は、同時に二つの基地局(サービング基地局とターゲット基地局)からの信号を受信することになる。
このため、移動端末の基地局間移動をスムーズに行うには、隣接する基地局間で、送信タイミング及び搬送波周波数が揃っている基地局間同期が確保されている必要がある。
基地局間同期がとれていると、移動端末の基地局間移動の際、移動端末が同時に二つの基地局からの信号を受信でき、基地局間移動をスムーズに行える。
ここで、基地局間同期のための技術としては、例えば、下記特許文献1記載のものがある。
特開昭59−6642号公報
基地局間同期をとるには、上記特許文献1のように、各基地局装置が、GPS衛星からGPS信号を受信し、各基地局が共通の同期信号によって動作することが考えられる。
しかし、GPS信号を利用して同期をとる場合、各基地局装置が、GPS受信機を備える必要があり、大型化・コストアップを招く。また、室内等のGPS信号を受信できない環境に設置される基地局装置の場合、基地局間同期をとることが不可能になる。
そこで、隣接する他の基地局が送信した信号の受信波に含まれるプリアンブル等の既知信号波を用いて、隣接する当該他の基地局の送信タイミングを検出し、当該送信タイミングで同期をとることが考えられる。
この場合、移動端末との通信を行う周波数と同じ周波数を用いた無線通信で同期をとれるので、GPS信号を受信する場合のGPS受信機のように同期用の特別な受信系が必要ない。このため、基地局の小型化・コストダウンを図ることができ、室内等に設置される小型の基地局として適したものとなる。
ここで、前述のWiMAXは、移動端末との間の無線通信に、送信と受信とを高速に切り替えるTDD(時分割複信)によってデュプレックス通信を実現する通信方式を採用する。
具体的には、図10に示すように、WiMAXでは、一つの基本フレームが、下りサブフレーム(基地局の信号送信時間)と上りサブフレーム(基地局の信号受信時間)とが時間方向に並べて配置されている。なお、下りサブフレームは、先頭にプリアンブル(Preamble)を備えている。
図10は、複数の基地局間で、送信タイミング及び受信タイミングが一致し、同期がとれている様子を示している。
このような基地局間同期をとる同期処理は、基地局の起動時に行われ、基地局間同期がとれてから、移動端末との間での通常の通信が行われる。
ところが、両基地局が有しているクロック発生装置それぞれの精度誤差の違いによっては、時間の経過に伴って、同期にずれが生じる。
図11は、一の基地局装置のクロック周波数に対する、他の基地局装置のクロック周波数のオフセットの経時変化の一例を示すグラフである。図のように、一の基地局装置のクロック周波数と他の基地局装置との間のクロック周波数のオフセット値は、時間の経過によってなだらかに変化しつつ定常的に存在している。
基地局は、自己のクロック発生装置の発振に基づいて動作するため、基地局の起動時に他の基地局との間で同期をとったとしても、その後に移動端末(端末装置)との通信を行うことで時間が経過すると、上記のようなクロック発生装置の精度の違いによるオフセット値の存在によって、相対的な計時ずれが生じ、同期ずれが発生する。
このため、例えば、端末装置との通信を一時的に中止し、他の基地局との同期処理を行うことで、上記のような同期ずれを解消することが考えられる。この場合、当該基地局装置は、端末装置との通信を停止している間に、改めて他の基地局装置との同期ずれがどの程度であるかを、受信波に含まれる既知信号波を用いて、当該他の基地局の送信タイミングを検出し、当該送信タイミングで同期をとることができる。
ここで、他の基地局の送信タイミングは、当該他の基地局からの受信波に含まれる既知信号波に基づいて検出するため、得られる他の基地局の送信タイミングは、受信波を介して間接的に取得した推定値である。
すなわち、当該基地局が同期をとるべく隣接する他の基地局の信号を受信する際に、雑音や遅延パス等といった受信経路による影響を受けた場合には、当該基地局は、他の基地局の信号を正確に受信できないおそれがある。他の基地局の信号を正確に受信できなければ、他の基地局からの受信波から検出した他の基地局の送信タイミングには、大きな誤差が含まれてしまい、同期精度が低下するという問題が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、基地局間同期の精度低下を抑制することができる基地局装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、他の基地局装置から送信された信号から当該他の基地局装置の通信タイミングを取得し、前記他の基地局装置との同期ずれを修正する基地局装置であって、前記他の基地局装置の通信タイミングと、自己の通信タイミングとの間の同期ずれの推定値を求める同期ずれ推定部と、前記同期ずれ推定部により得られる前記推定値に基づいて当該推定値に含まれる誤差を抑制した補正値を求める補正部と、前記補正値に基づいて同期ずれを修正する同期修正部と、を有することを特徴としている。
上記のように構成された基地局装置によれば、補正部が推定値に含まれる誤差を抑制した補正値を求め、この補正値に基づいて同期ずれの修正が行われるので、他の基地局装置からの信号の受信状況に起因して推定値に大きな誤差を含まれていたとしても、その誤差を抑制することができる。この結果、同期ずれの修正時における誤差の影響を抑えることができ、同期ずれの修正精度の低下を抑制することができる。
前記補正部は、現在及び過去の推定値に基づいて前記補正値を求めるものであってもよく、この場合、過去の推定値を考慮することで、現状の推定値に含まれる誤差を効果的に抑制した補正値を得ることができる。
より具体的には、前記補正部は、現在の推定値と、少なくとも一の過去の推定値とを平均することで前記補正値を求めるものであることが好ましい。この場合、現状の推定値に大きな誤差が含まれているとしても、少なくとも一の過去の推定値との平均値を補正値とすることで、現状の推定値に含まれる誤差を抑制した補正値を得ることができる。
また、前記補正部は、前記推定値に0より大きく1より小さい係数を乗算することで前記補正値を求めるものであってもよく、推定値に含まれる誤差を上記係数によって抑制することができる。
前記補正部は、前記推定値が閾値よりも大きいか否かを判定し、前記推定値が前記閾値よりも大きい場合、前記閾値以下の値を前記補正値とするものであってもよい。
この場合、推定値が極端に大きな誤差を含んで得られても、閾値より大きい値では当該閾値以下の値を補正値とするので、極端に大きな誤差が補正値に含まれた状態で補正されるのを防止できる。
以上のように、本発明の基地局装置によれば、基地局間同期の精度低下を抑制することができる。
無線通信システムの全体図である。 第二及び第三基地局装置における受信部及び送信部の構成を示したブロック図である。 第二及び第三基地局装置が、通信モードから、同期モードに切り替わる際のフローチャートを示す図である。 図3中の同期モードの処理を示すフローチャートである。 プリアンブルのタイミングを検出する方法の一例を示す図である。 ソース基地局装置と、ソース基地局装置の信号を受信する基地局装置との間のプリアンブルのタイミングの関係を示した模式図である。 基地局装置が、通信モードと同期モードとを繰り返し行ったときの、ソース基地局装置に対する実際の同期ずれ値ΔTsの経時変化の一例を示す図である。 基地局装置が、通信モードと同期モードとを繰り返したときの、ソース基地局装置に対する実際の同期ずれ値ΔTsの経時変化の他の例を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る基地局装置が、通信モードと同期モードとを繰り返し行ったときの、ソース基地局装置に対する実際の同期ずれ値ΔTsの経時変化の一例を示す図である。 基地局間で同期がとれているときのWiMAXフレームの状態を示す図である。 一の基地局装置のクロック周波数に対する、他の基地局装置のクロック周波数のオフセットの経時変化の一例を示すグラフである。 本発明の第三の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す図である。 LTEのフレーム構成図である。 LTEのDLフレーム構成図である。 基地局装置(子BS)の構成図である。 同期処理部の構成図である。 本実施形態における子BSの他の例を示す構成図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
〔第一の実施形態〕
図1は、複数の基地局装置(BS:Base Station)1,2,3,・・・を有する無線通信システムを示している。この無線通信システムでは、例えば、広帯域無線通信を実現するために直交周波数分割多元接続(OFDMA)方式をサポートするIEEE802.16に規定される「WiMAX」に準拠した方式が採用されている。
各基地局装置1,2,3は、それぞれの基地局装置1,2,3がカバーするエリア(セル)内にある端末装置(移動端末MS;Mobile Station)との間で通信が可能である。
図10に示したように、WiMAXでは、一つの基本フレームが、下りサブフレーム(基地局装置の信号送信時間)と上りサブフレーム(基地局装置の信号受信時間)とが時間方向に並べて配置されており、TDD(時分割複信)によって送信と受信の複信を行う通信システムとされている。
一つの基本フレームの長さは、5msecである。下りサブフレームは、基地局装置1,2,3が、自エリア内の端末装置へ信号を送信する時間帯であり、上りサブフレームは、基地局装置1,2,3が、自エリア内の端末装置からの信号を受信する時間帯である。
なお、下りサブフレームは、先頭に、既知信号であるプリアンブル(Preamble)を備えている。
複数の基地局装置1,2,3には、少なくとも一つのマスタ基地局装置と、スレーブ基地局装置とが含まれている。
マスタ基地局装置は、基地局間同期のためのタイミングを他の基地局装置が送信した信号の受信波から検出して取得する必要がない基地局装置である。例えば、マスタ基地局装置は、自装置が発生する同期信号(クロック)に基づいて信号の送信タイミングを決定する自走マスタ基地局装置として構成することができる。なお、マスタ基地局装置は、GPS受信機を備え、GPS信号を用いて信号の送信タイミングを決定するものであってもよい。
スレーブ基地局装置は、基地局間同期のためのタイミングを、他の基地局装置が送信した信号の受信波から検出して取得する基地局装置である。
以下では、図1に示す第一基地局装置1を、マスタ基地局装置とし、第二基地局装置2及び第三基地局装置3をスレーブ基地局装置とする。
第二及び第三基地局装置2,3は、起動時において、他の基地局装置(マスタ基地局装置又は他のスレーブ基地局装置)のうち、一の基地局装置をソース基地局装置として選択し、他の基地局装置としてのソース基地局装置が送信した信号(プリアンブル;既知信号;同期信号)の受信波(ソース受信波)を検出して、基地局間同期のためのタイミング(信号の送信タイミング)を取得する。なお、基地局装置が起動したとき行われる基地局間同期のための処理を初期同期処理というものとする。初期同期処理は、前述のように起動時に実行され、より具体的には、基地局装置が起動してから、端末装置との通信が開始されるまでの間に行われる。また、この初期同期処理の具体的内容は、後述の「通信を休止した同期モード」における処理とほぼ同様である。
なお、本実施形態では、第二基地局装置2は、第一基地局装置1をソース基地局装置として選択し、第三基地局装置3は、第二基地局装置2をソース基地局装置として選択するものとする。
スレーブ基地局装置は、ソース基地局装置の送信タイミング(受信タイミング)と同期をとりながら、自エリア内の端末装置との通信を行う。つまり、初期同期処理の後に、スレーブ基地局装置が端末装置との間で行う通信(通信モード)は、ソース基地局装置(他の基地局装置)の送信タイミング及び受信タイミング(通信タイミング)とタイミングが一致したものとなる。
ただし、スレーブ基地局装置のクロック発生器の精度が十分でなかったり、基地局装置間でクロック精度にばらつきがあったりすると、時間の経過によって、同期ずれが生じる。つまり、基地局装置が、端末装置との通信を行っていると、次第に、他の基地局装置の送受信タイミング(通信タイミング)とずれ(同期ずれ)が生じる。
すなわち、基地局装置が具備するクロック発生器のクロック周波数の誤差が、基地局装置間で存在するため、そのクロック周波数(基準信号)に基づいて生成される一つの通信フレーム(下りサブフレーム)の時間長さ(例えば、規格上は5msec)が、基地局装置間で僅かに異なることになる。一フレームの時間長さの誤差が僅かでも、端末装置へのフレームの送信が繰り返されると、前記誤差が蓄積して、比較的大きな同期ずれ(例えば、1μsec程度)となるおそれもある。
このように、初期同期処理にて基地局装置間の通信タイミングを揃えても、端末装置との通信の間に、同期ずれが次第に大きくなる。
このため、第二及び第三基地局装置2,3は、所定のタイミングで、端末装置との通信(送信信号;下りサブフレーム)を行う通信モードを休止(停止)するとともに、同期ずれを検出し解消するための同期モード(通信を休止した同期モード)を実行する機能を有している。
なお、この通信モードと、同期モードとの切り替えの態様については、後に詳述する。
図2は、第二及び第三基地局装置2,3における受信部及び送信部の構成を示したブロック図である。図2において、受信部10は、受信信号を増幅するアンプ11、受信信号をA/D変換するA/D変換部12、及びデジタル信号に変換された受信信号を復調する復調部(DEM)13を備えている。
また、送信部20は、デジタル信号である送信信号を変調する変調部(MOD)21、送信信号をD/A変換するD/A変換部22、及び、送信信号を増幅するアンプ23を備えている。
各基地局装置は、TDD(時分割複信)で端末装置との通信を行うため、アンテナ30との接続を、受信部10側と送信部20側とに切り替えるための切り替えスイッチ(SW)31を備えている。つまり、送信フレーム(下りサブフレーム)のタイミングでは、スイッチ31が送信部20側へ切り替えられ、受信フレーム(上りサブフレーム)のタイミングでは、スイッチ31が受信部10側へ切り替えられる。
なお、前記A/D変換部12及びD/A変換部22の動作クロックは、基準信号発生器40から与えられる。基準信号発生器40は、水晶振動子などのクロック発生装置を含み、所定周波数の動作クロックを発生する。なお、当然ながら、当該動作クロックは、後述するフレームタイミングカウンタ32など、第二及び第三基地局装置2,3における他のデジタル回路における動作クロックにもなる。
ここで、D/A変換部22の動作クロックの精度は、送信フレーム(下りサブフレーム)の時間長さの精度に影響する。したがって、上述のように、各基地局装置ごとに基準信号発生器の精度が異なると、各基地局装置間の動作クロックに誤差が生じ、生成される送信フレームの時間長さが、各基地局装置ごとに僅かに異なることになる。
送受信の切り替えは、フレームタイミングカウンタ32におけるカウンタ値に従って行われる。つまり、送信フレームの時間長さ、受信フレームの時間長さ、及びそれらのフレーム間の時間間隔は、予め決まっており、前記カウンタ値が所定の送受信切り替えタイミングに一致したら、切り替えスイッチ31によって送受信の切り替えが行われる。
ソース基地局装置との同期ずれが生じた場合は、このフレームタイミングカウンタ32のカウンタ値を補正することで、同期ずれを修正できる。すなわち、フレームタイミングカウンタ32は、後述する同期誤差検出部33及び補正部36から、同期ずれ(同期誤差)を修正するための補正値を受け取ると、この補正値の時間幅に対応するカウンタ補正値を求め、その求めたカウンタ補正値によってカウンタ値を、正しい方向にずらして補正する。これにより、送受信の切り替えタイミングを他の基地局装置と一致させることができる。
第二及び第三基地局装置2,3は、同期ずれ(同期誤差)の検出を行うための同期誤差検出部33を有している。同期誤差検出部33は、受信信号(受信波)から同期信号(プリアンブル)を検出して、そのタイミングを検出する。さらに、同期誤差検出部33は、フレームタイミングカウンタ32から自己のプリアンブルのタイミングを取得し、検出したソース基地局装置のプリアンブルのタイミングと、自己のプリアンブルのタイミングとの同期ずれ(タイミングオフセット)を求める。ここで、同期誤差検出部33が求める同期ずれは、検出した同期信号のタイミングをソース基地局装置のタイミングとみなして得た値であり、ソース基地局装置との間の実際の同期ずれに対する推定値と言える。以下、同期誤差検出部33が検出する同期ずれを同期ずれ推定値という。
同期誤差検出部33は、検出した同期ずれ推定値を補正部36に出力する。同期ずれ推定値を受け取った補正部36は、同期ずれ推定値に対して、所定の補正を行った補正値をフレームタイミングカウンタ32に出力する。フレームタイミングカウンタ32は、この補正値を受け取ると、上述のように同期ずれ(同期誤差)の修正を行い、同期処理を行う。すなわち、フレームタイミングカウンタ32は、上記補正値に基づいて同期ずれを修正する同期修正部を構成している。
また、同期誤差検出部33は、求めた同期ずれ推定値を同期誤差履歴記憶部35にも出力する。同期誤差履歴記憶部35は、同期モードごとに求められる同期ずれ推定値を逐次記憶するとともに、必要に応じて、記憶された過去に求めた同期ずれ推定値を補正部36に出力する。補正部36は、過去の同期ずれ推定値を考慮して補正値を求める場合に同期誤差履歴記憶部35に対して、過去の同期ずれ推定値の出力を求める。
ソース基地局装置から送信された信号を用いて同期ずれ推定値を求めるため、受信部10は、受信信号を復調部13側又は同期誤差検出部33側に切り替えるための切り替えスイッチ14を備えている。この切り替えスイッチ14は、端末装置からの信号を受信可能な通信モードの間は、受信信号を復調部13側へ与え、通信モードが休止された同期モードでは、受信信号を同期誤差検出部33へ与える。
また、送信部20も、切り替えスイッチ24を有している。この切り替えスイッチ24は、端末装置へ信号を送信可能な通信モードの間は、送信信号をD/A変換部22へ与え、通信モードが休止された同期モードでは、送信信号をD/A変換部22へ与えないようにするものである。
受信部10及び送信部20の切り替えスイッチ14,24の切り替えは、周期制御部34によって行われる。すなわち、周期制御部34は、通信モードを休止する周期(同期タイミング)を制御するものであり、端末装置との間で通信を行う通信モードであるときに、同期モードへ移行すべきタイミングになったと判定すると、スイッチ14,24の切り替えを行い、同期モードに切り替える。そして、同期モードが終了すると、再び通信モードに切り替える。
次に、上記構成の第二及び第三基地局装置2,3が、端末装置との通信を行う(通常)通信モードから、ソース基地局装置(第一及び第二基地局装置1,2)からの信号を受信する同期モードに切り替わる際の態様について説明する。
図3は、第二及び第三基地局装置2,3が、通信モードから、同期モードに切り替わる際のフローチャートを示している。
図3に示すように、第二及び第三基地局装置2,3は、同期モードになるべき同期タイミングであるか否かの判定を周期制御部34に行わせる(ステップS1)。同期タイミングは、例えば、同期モードになる周期(所定時間毎又は所定フレーム数毎)として設定されている。周期を時間で設定する場合、例えば、5分程度とすることができる。
端末装置との間で通信を行う通常通信モードであるときに、同期モードへ移行すべきタイミングになったと判定された場合(ステップS2)、周期制御部34は、スイッチ14,24の切り替えを行う。これによって、第二及び第三基地局装置2,3は、同期モード(ステップS3)に移行する。同期モードが終了すると、第二及び第三基地局装置2,3は、ステップS1及びS2に戻り、次のタイミングと判断されるまで、再び通常通信モードに戻る(ステップS4)。
第二及び第三基地局装置2,3は、端末装置との間で通信を行いつつも、定期的又は必要に応じて随時、同期モードを実行することで、ソース基地局装置との間で同期ずれが生じても、それを解消することができる。
図4は、図3中の同期モードの処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、第二及び第三基地局装置2,3は、同期モードになると、まず、同期処理(ステップS12〜S14)を開始する前に、自エリア内の全端末装置へ、ブロードキャストにて、端末装置をスリープモード又はアイドルモード(省電力モード)にするための通知を行う(ステップS11)。
端末装置は、第二及び第三基地局装置2,3からスリープモード等の通知を受けると、スリープモードに移行する。スリープモード等は、端末装置が通信を実行していないときの管理モードであるため、消費電力が抑えられる。
端末装置のスリープモードは、少なくとも、第二及び第三基地局装置2,3が同期処理を行う間は、継続するようにスリープ時間が設定される。
端末装置は、第二及び第三基地局装置2,3が同期処理を行っている間、スリープモード等にあるため、第二及び第三基地局装置2,3からの信号が受信できなくても、異常であると判断するおそれがない。
第二及び第三基地局装置2,3は、端末装置へのスリープモード等の通知後、同期処理(通信を休止した同期処理)に移行する。この同期処理の間は、端末装置との間の通信(下りサブフレームの送信)は休止され、本来、下りサブフレームとなる時間においても、信号を受信する状態となる。
同期処理(通信を休止した同期処理)において、第二及び第三基地局装置2,3は、まず、ソース基地局装置からの信号を受信する(ステップS12)。本実施形態では、ソース基地局装置(第一及び第二基地局装置1,2)が送信した下りサブフレームDLの先頭にあるプリアンブルを基地局間同期のための同期信号として用いる。このため、第二及び第三基地局装置2,3は、ソース基地局装置が送信した下りサブフレームDLの先頭にあるプリアンブルのタイミングを検出する。
なお、同期信号としては、ミッドアンブル、パイロット信号などであってもよい。
第二及び第三基地局装置2,3の同期誤差検出部33は、プリアンブルのタイミングを検出するため、自装置に隣接するソース基地局装置からの受信波をスキャニングする機能を有している。
基地局装置2,3は、ソース基地局装置が使用する可能性のあるプリアンブルパターンを既知パターンとしてメモリに有している。第二及び第三基地局装置2,3は、これらの既知のプリアンブルパターンを用いて、プリアンブルのタイミングを検出する(ステップS13)。
図5は、プリアンブルのタイミングを検出する方法の一例を示している。プリアンブルは既知信号であるから、プリアンブルの信号波形も既知である。サンプリング後の受信信号をX(t)、プリアンブルの離散時間領域での信号をP(n)(n=0,・・・,N−1)とすると、図5(a)に示す受信波X(t)に対して、下記式に基づいて、時間方向にP(n)のスライディング相関をとる。
Figure 2010041712
そして、図5(b)に示すように、受信波X(t)と既知プリアンブルパターンP(n)の相関値がピークをとった位置を、プリアンブルのタイミングtとして検出することができる。
プリアンブルのタイミングtを検出すると、基地局装置2,3の同期誤差検出部33は、次に同期ずれ推定値を求める(ステップS14)。
同期誤差検出部33は、まず、フレームタイミングカウンタ32から自己のプリアンブルのタイミングを取得する。そして、検出したソース基地局装置のプリアンブルのタイミングtを当該ソース基地局装置のプリアンブルのタイミングとみなし、検出したソース基地局装置のプリアンブルのタイミングtと、自己のプリアンブルのタイミングとの同期ずれを推定値として求める。
図6は、ソース基地局装置と、ソース基地局装置の信号を受信する基地局装置との間のプリアンブルのタイミングの関係を示した模式図である。なお、図6では、ソース基地局装置としての第一基地局装置1と、第二基地局装置2との間の関係にのみ着目して示している。
図6において、同期誤差検出部33は、上記のように、上記ステップS13にて検知される第一基地局装置1のプリアンブルのタイミング(通信タイミング)t1と、自己(第二基地局装置2)のプリアンブルのタイミング(通信タイミング)t2との差を同期ずれ推定値ΔTとして求める。
一方、同期誤差検出部33が検出する上記のプリアンブルのタイミングt1は、第二基地局装置2が受信した受信波に基づいて、間接的に第一基地局装置1のタイミングt1として得られるものであり、第一基地局装置1の実際のタイミングt1´に対してずれが生じる場合がある。
すなわち、第二基地局装置2が受信した受信波は、第一基地局装置1と第二基地局装置2との間の受信経路における影響を受けるため、受信波に基づいてタイミングt1を検出すると、第一基地局装置1の実際のタイミングをt1´に対して多少のずれが生じる。このずれは、第一基地局装置1の受信波をほぼ正常に受信できれば、大きく現れることはないが、受信経路において雑音や遅延パス等により大きく影響を受けたときには、図6に示すように、実際のタイミングt1´に対する、受信波に基づいたタイミングt1のずれは、大きく現れる場合がある。
従って、同期誤差検出部33が求める同期ずれ推定値ΔTは、第一基地局装置1の実際のタイミングt1´と、自己のタイミングt2との差である実際の同期ずれ値ΔTsに加えて、検知されたタイミングt1と、実際のタイミングをt1´との間のずれを含んでいる場合があり、このずれは、同期ずれ推定値ΔTにおける、実際の同期ずれ値ΔTsに対する誤差となる。
図4に戻って、同期誤差検出部33は、上記の同期ずれ推定値ΔTを求めると、この同期ずれ推定値ΔTを補正部36に出力する。同期ずれ推定値ΔTを受け取った補正部36は、同期ずれ推定値ΔTが予め定められた閾値S以上であるか否かを判定する(ステップS15)。同期ずれ推定値ΔTが閾値Sよりも小さいと判定すると、補正部36は、同期ずれ推定値ΔTに対して補正を行い、当該同期ずれ推定値ΔTに基づいて補正値ΔT´を求める(ステップS16)。
一方、同期ずれ推定値ΔTが予め定められた閾値S以上であると判定すると、補正部36は、閾値Sを同期ずれ推定値ΔTとし(ステップS17)、補正値ΔT´を求める(ステップS16)。なお、このステップS16及びステップS17において、補正部36が行う補正の態様については、後に詳述する。
補正値ΔT´を求めると、補正部36は、この補正値ΔT´をフレームタイミングカウンタ32に出力する。フレームタイミングカウンタ32は、補正値ΔT´を受け取ると、同期ずれの修正を行う(ステップS18)。
送信フレームの時間長さ、受信フレームの時間長さ、及びそれらのフレーム間の時間間隔は、フレームタイミングカウンタ32のカウンタ値によって定められる。このため、フレームタイミングカウンタ32は、補正値ΔT´の時間幅に対応するカウンタ補正値を求め、その求めたカウンタ補正値によって、カウンタ値を正しい方向にずらして補正することができる。
これにより、第二及び第三基地局装置2,3は、自己の送信タイミングを、ソース基地局装置の送信タイミングに近づくように修正することができる。換言すると、自装置の送信タイミング(フレームタイミング)を、検出された同期信号のタイミングから得られる補正値ΔT´に基づいて、正しい方向にずらすことで同期ずれを修正することができる。
なお、第二及び第三基地局装置2,3の送信タイミングと、ソース基地局装置の送信タイミングとの間の同期ずれを修正すれば、自然に、受信タイミングの同期ずれも修正される。すなわち、第二及び第三基地局装置2,3と、ソース基地局装置との間でフレームの同期ずれが修正できた状態となる。
このように、本実施形態の第二及び第三基地局装置2,3では、端末装置との間で通信を行う通信モードを休止して、ソース基地局装置からの同期信号を用いて同期をとるため、同期をとるための制御用チャネルがなくても、同期をとることができる。
以上の同期処理が終了すると、第二及び第三基地局装置2,3は、同期モードを終え、図3中、ステップS1に戻り、通常通信モードとなることで端末装置との間の通信が可能な状態となる。
また、スリープモード等にある端末装置は、設定されたスリープ時間(アイドル時間)が経過すると、自動的に、第二及び第三基地局装置2,3との通信を行う通常通信モードとなる。つまり、第二及び第三基地局装置2,3及び端末装置がともに通常通信モードに戻ると、両者の通信が再開される。
以上のように、本実施形態の第二及び第三基地局装置2,3は、随時又は所定の時間間隔で、通信モードを休止して、同期モードを繰り返し行い、通信モード中に生じる同期ずれを修正することで、ソース基地局装置との同期を維持する。
次に、図4中、ステップS16及びステップS17において、補正部36が行う補正の態様について説明する。
補正部36は、同期誤差検出部33から受け取った同期ずれ推定値ΔTが閾値Sよりも小さいと判定すると(ステップS15)、下記式(2)に基づいて、同期ずれ推定値ΔTに対して補正を行い、当該同期ずれ推定値ΔTを抑制した補正値ΔT´を求める(ステップS16)。
ΔT´ = α × ΔT ・・・(2)
上記式(2)中、係数αは、0<α<1の範囲の値に設定される。補正部36は、上記のように、同期ずれ推定値ΔTに対して、係数αを乗算することで、補正値ΔT´を求める。この結果、補正部36は、同期ずれ推定値ΔTに対して小さい値となるように数値的に抑制された補正値ΔT´を得る。
図7は、基地局装置が、通信モードと同期モードとを繰り返し行ったときの、ソース基地局装置に対する実際の同期ずれ値ΔTsの経時変化の一例を示す図である。図7において、横軸は経過時間、縦軸は実際の同期ずれ値ΔTsを示している。なお、図7においては、ソース基地局装置としての第一基地局装置1に対して同期をとる第二基地局装置2における、実際の同期ずれ値ΔTsとして説明する。
図7において、第二基地局装置2が、所定時間幅の通信モードの実行後に同期モードを行うことを繰り返している態様を示している。また、図7において、同期ずれ値ΔTsが0のときに、第一基地局装置1と、第二基地局装置2との間の同期が一致していることを示している。
通信モードでは、第二基地局装置2は、端末装置との間で通信を行うので、第一基地局装置1との関係では、別個独立して動作しており、フリーランの状態である。従って、実際の同期ずれ値ΔTsは、両基地局装置1,2間同士の動作クロックの誤差により、序々にずれが生じている。
第二基地局装置2は、同期モードとなると、同期誤差検出部33及び補正部36に同期ずれ推定値ΔT及び補正値ΔT´を求めさせ、これに基づいて同期ずれを修正する。
例えば、図7中、同期ずれ推定値ΔT2のときの同期モード(同期処理)の場合について見ると、同期誤差検出部33は、実際の同期ずれ値ΔTsとほぼ一致する同期ずれ推定値ΔT2を得ている。この同期ずれ推定値ΔT2に対して、補正部36は、係数α(0<α<1)を乗算した補正値ΔT´を求め、図のように、実際の同期ずれ値ΔTsと一致するようには補正せず、係数αによって定まる割合で同期ずれを修正する。
また、図7中、同期ずれ推定値ΔT3のときの同期モードの場合について見ると、同期誤差検出部33は、実際の同期ずれ値ΔTsに対して、より大きな同期ずれ推定値ΔT3を得ている。このような場合、同期ずれ推定値ΔT3には、受信経路における雑音や遅延パス等の影響を受けて、上述の誤差を含んでいるおそれがある。
これに対して、第二基地局装置2の補正部36は、上記と同様に係数αに基づいた補正値ΔT´を求め、図のように、係数αによって定まる割合で同期ずれを修正する。
すなわち、本実施形態の第二基地局装置2(第三基地局装置3)によれば、補正部36が同期ずれ推定値ΔTを抑制した補正値ΔT´を求め、この補正値ΔT´に基づいて同期ずれの修正が行われるので、ソース基地局装置からの信号の受信状況に起因して、同期ずれ推定値ΔTに大きな誤差が含まれていたとしても、その誤差を小さくし、補正値ΔT´における誤差を抑制することができる。この結果、同期ずれの修正時における誤差の影響を抑えることができ、同期ずれの修正精度の低下を抑制することができる。
また、上記実施形態において、補正部36は、同期ずれ推定値ΔTに係数αを乗算することで補正値ΔT´を求めるので、同期ずれ推定値ΔTに含まれていた誤差が効果的に抑制された補正値ΔT´を得ることができる。
なお、上記係数αは、ソース基地局装置と、自局装置との間の受信経路に応じて適宜設定することができる。例えば、定常的に雑音の影響を受けることが予め明らかであれば、その雑音の影響を抑制できる程度の値に設定することができる。
また、補正部36は、予め設定された係数αを記憶しておいてもよいし、ソース基地局装置からの信号の受信状況(例えばCINR等)に応じて適宜調整するように構成されていてもよい。この場合、ソース基地局装置との間の現状の受信環境に応じて係数αを設定することができるので、同期ずれ推定値ΔTに含まれる誤差をより効果的に抑制することができ、同期処理の精度低下を抑制することができる。
また、補正部36は、同期誤差履歴記憶部35に記憶された過去の同期ずれ推定値ΔTに基づいて係数αを設定するように構成してもよい。
一方、補正部36は、同期誤差検出部33から受け取った同期ずれ推定値ΔTが閾値S以上であると判定すると(ステップS15)、上述のように、閾値Sを同期ずれ推定値ΔTとし(ステップS17)、補正値ΔT´を求める(ステップS16)。
図8は、基地局装置が、通信モードと同期モードとを繰り返したときの、ソース基地局装置に対する実際の同期ずれ値ΔTsの経時変化の他の例を示す図である。この図8では、上記閾値Sよりも大きく、過去の同期ずれ推定値に対して極端に大きい値の同期ずれ推定値ΔTnが得られた場合を示している。
通常、同期誤差検出部33が検出する同期ずれ推定値ΔTは、極端な数値変動が生じることはほとんどない。基地局装置間の動作クロックの誤差に起因するずれは、序々に変動するものであるとともに、互いに固定された基地局装置間では、互いの通信経路に大きな変動が生じる可能性が少ないからである。
しかし、突発的に遅延パス等の影響を受けることで、極端に大きい値の同期ずれ推定値ΔTnが得られた場合、たとえ係数αに基づいて補正値ΔT´を求めたとしても、補正値ΔT´に含まれる誤差を効果的に抑制できない事態が生じる。この誤差が抑制されていない状態の補正値によって、同期ずれを修正すると、図8に示すように、実際の同期ずれ値ΔTsを大きく越えてしまい、逆に大きなずれを生じさせるように修正してしまうこととなる。
上記のように、極端に大きい値の同期ずれ推定値ΔTnが得られた場合、本実施形態の補正部36は、閾値Sを同期ずれ推定値ΔTとし、これに係数αを乗算することで、補正値ΔT´nを求める。この結果、補正部36は、閾値S以下の値を補正値ΔT´nとするので、極端に大きな誤差が補正値ΔT´に含まれた状態で同期処理されるのを防止できる。
なお、上記閾値Sは、実際の同期ずれ値ΔTsにおいて許容される数値範囲幅に基づいて定めることができる。この場合、実際の同期ずれ値ΔTsが、その許容数値範囲から突発的に逸脱するのを防止できる。
また、過去の同期ずれ推定値ΔTを記憶しておき、その過去の同期ずれ推定値ΔTに基づいて定めることができる。この場合、実際の通信状況に基づいて妥当な閾値Sを設定することができる。
また、本実施形態では、同期ずれ推定値ΔTnが閾値S以上の場合に、閾値Sを同期ずれ推定値ΔTとすることで、補正値ΔT´nを閾値S以下の値に設定するものとしたが、例えば、閾値S以下の値を予め定めておき、その値を補正値ΔT´として採用することもできる。さらに、現状の同期ずれ推定値ΔTを無視して過去の同期ずれ推定値ΔTをそのまま採用することもできる。
〔第二の実施形態〕
図9は、本発明の第二の実施形態に係る基地局装置が、通信モードと同期モードとを繰り返し行ったときの、ソース基地局装置に対する実際の同期ずれ値ΔTsの経時変化の一例を示す図である。
本実施形態は、補正部36が行う補正値ΔT´の求め方(図4中、ステップS16)において、第一の実施形態と相違している。その他の点については、第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
本実施形態の補正部36は、同期誤差検出部33から受け取った同期ずれ推定値ΔTが閾値Sよりも小さいと判定すると(ステップS15)、下記式(3)に基づいて補正値ΔT´nを求める。
ΔT´n = ( ΔTn + ΔTn-1 + ΔTn-2 )/3 ・・・(3)
つまり、本実施形態では、補正部36は、過去の同期ずれ推定値ΔTを考慮して補正値ΔT´を求めるものであり、具体的には、補正部36は、同期誤差履歴記憶部35から、前回の同期モードにおいて求められた同期ずれ推定値ΔTn-1、及び前々回の同期モードにおいて求められた同期ずれ推定値ΔTn-2を取得し、現状の推定値ΔTn、及び過去の同期ずれ推定値ΔTn-1、ΔTn-2の平均値を補正値ΔT´として求める。
この場合、現状の同期ずれ推定値ΔTnに大きな誤差が含まれているとしても、過去の同期ずれ推定値ΔTn-1、ΔTn-2との平均値を補正値ΔT´とすることで、現状の同期ずれ推定値ΔTに含まれる誤差を抑制した補正値ΔT´を得ることができる。このように、過去の同期ずれ推定値ΔTn-1、ΔTn-2を考慮して補正値ΔT´を求めることで、同期ずれの修正時における誤差の影響を抑えることができ、同期処理の精度低下を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、現在の同期ずれ推定値ΔTn、及び、前回、前々回の同期モードにおける過去の同期ずれ推定値ΔTについて平均することで補正値ΔT´を求めるように構成したが、現在の同期ずれ推定値と、少なくとも一の過去の同期ずれ推定値とを平均することで補正値ΔT´を求めればよい。
また、より多数の過去の同期ずれ推定値ΔTを考慮することもでき、この場合、現在の同期ずれ推定値ΔTnに大きな誤差が含まれていたとしても、その誤差の影響を効果的に抑えることができる。
また、本実施形態では、現状の同期ずれ推定値ΔTnと、過去の同期ずれ推定値ΔTとの平均値を補正値ΔT´とすることで過去の同期ずれ推定値ΔTを考慮したが、例えば、現状の同期ずれ推定値ΔTnと、過去の同期ずれ推定値ΔTとの最小二乗平均を補正値ΔT´とすることもできる。
また、下記式(4)に示すように、本実施形態で求められる、現状の同期ずれ推定値ΔTnと、過去の同期ずれ推定値ΔTとの平均値に対して、上記第一の実施形態で示した忘却係数を乗算したものを補正値ΔT´とすることもできる。この場合、補正値ΔT´に含まれる誤差の影響を抑制することができ、同期処理の精度低下をより効果的に抑制することができる。
ΔT´n = α × ( ΔTn + ΔTn-1 + ΔTn-2 )/3 ・・・(4)
さらに、下記式(5)に示すように、本実施形態で求められる、現状の同期ずれ推定値ΔTnと、過去の同期ずれ推定値ΔTn-1とに基づき、忘却係数βを用いて補正値ΔT´を求めることもできる。
ΔT´n = β × ΔTn + (1 − β) × ΔTn-1 ・・・(5)
この場合においても、同期ずれの修正時における誤差の影響を効果的に抑えることができる。
なお、上記式(5)では、現在の同期ずれ推定値ΔTnと、直近の過去の同期ずれ推定値ΔTn-1とを用いて補正値ΔT´を求めたが、より多数の過去の同期ずれ推定値を用いて演算することもできる。
また、忘却係数βは、上記係数αと同様、ソース基地局装置と、自局装置との間の受信経路に応じて適宜設定することができる。例えば、定常的に雑音の影響を受けることが予め明らかであれば、その雑音の影響を抑制できる程度の値に設定することができる。
さらに、補正部36は、予め設定された忘却係数βを記憶しておいてもよいし、ソース基地局装置からの信号の受信状況(例えばCINR等)に応じて適宜調整するように構成されていてもよい。この場合、ソース基地局装置との間の現状の受信環境に応じて忘却係数βを設定することができるので、同期ずれ推定値ΔTに含まれる誤差をより効果的に抑制することができ、同期処理の精度低下を抑制することができる。
また、補正部36は、同期誤差履歴記憶部35に記憶された過去の同期ずれ推定値ΔTに基づいて忘却係数βを設定するように構成してもよい。
〔第三の実施形態〕
図12は、本発明の第三の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す図である。図12において、基地局装置101a,101bとユーザ端末(移動端末;MS;Mobile Station)102a,102bとの間で無線通信を行う通信システムを示している。この通信システムにおいては、基地局装置(BS;Base Station)101a,101bは、複数設置されており、セル内のユーザ端末102a,102bとの間で通信を行うことができる。
この通信システムは、例えば、LTE(Long Term Evolution)が適用されるシステムである。LTEでは、周波数分割複信(FDD)を採用することができ、以下では、本通信システムは、周波数分割複信方式を採用しているものとして説明する。また、通信システムは、LTE以外に、WCDMA,CDMA2000を採用するものであってもよい。
本実施形態の通信システムでは、複数の基地局装置101a,101b間で同期をとる基地局間同期が行われる。本実施形態において、基地局間同期は、親となる他の基地局装置としての基地局装置(以下、「親BS」という)101aが、当該親BS101aのセル内の端末装置102aへ向けて送信した信号を、別の基地局装置(以下、「子BS」という)101bが受信することで同期をとる「エア同期」によって実行される。
なお、親BSは、さらに他の基地局装置との間でエア同期をとるものであってもよいし、GPS信号によって同期をとるなど、エア同期以外の方法によって、フレームタイミングを決定するものであってもよい。
〔LTEのフレーム構造〕
周波数分割複信においては、上り信号(端末装置から基地局装置への送信信号)の周波数fuと下り信号(基地局装置から端末装置への送信信号)の周波数fdとを異ならせることで、上り通信と下り通信とを同時に行う。
図13に示すように、LTEにおける下りフレーム(DLフレーム)及び上りフレーム(ULフレーム)は、それぞれ時間長さが、10m秒であり、#1〜#19までの20個のスロットによって構成されている。また、LTEでは、2つのスロットの組み合わせをサブフレームという。なお、これらの下りフレームと上りフレームのタイミングは揃えられている。
図14に示すように、下りフレーム(DLフレーム)を構成するスロットそれぞれは、7個(I=0〜6)のOFDMシンボルによって構成されている(Normal Cyclic Prefixの場合)。
そして、下りフレームを構成する#0〜#19の20個のスロットのうち、0番目(#0)及び10番目(#10)のスロットには、基地局装置としての識別符号として、Primary Synchronizaiton Signal及びSecondary Synchronization Signalが設けられている。
Primary Synchronizaiton Signalは、スロットを構成する7個のOFDMシンボルのうち、最後シンボル(I=6)に配置されている。このSignalは、基地局装置の通信エリア(セル)を分割した複数(3個)のセクタそれぞれを識別するための情報であり、3種類ある。
Secondary Synchronization Signalは、スロットを構成する7個のOFDMシンボルのうち、最後から2番目(I=5)のシンボルに配置されている。このSignalは、複数の基地局装置の通信エリア(セル)それぞれを識別するための情報であり、168種類ある。
Primary Synchronizaiton Signal及びSecondary Synchronization Signalの2つによって、504種類(168×3)の識別符号を構成する。ユーザ端末は、基地局装置から送信されたこれらのSignalを取得することで、自端末が、どの基地局装置のどのセクタに存在するかを認識することができる。
また、これらの信号は、ユーザ端末が、基地局装置と同期をとるための信号であり、ユーザ端末は、これらの信号を取得することで、通信相手である基地局装置との間で、同期をとることができる。
〔基地局装置の構成〕
図15は、基地局装置(子BS)101bの構成を示している。子BS101bは、アンテナ141、第1受信部110、第2受信部120、及び送信部130を備えている。第1受信部110は、ユーザ端末102bからの上り信号を受信するためのものであり、第2受信部120は、他の基地局装置である親BS101aからの信号を受信するためのものである。送信部130は、ユーザ端末102bへ下り信号を送信するためのものである。
また、子BS101bは、サーキュレータ140を備えている。このサーキュレータ140は、アンテナ141からの受信信号を、第1受信部110及び第2受信部120側へ与え、送信部130から出力された送信信号を、アンテナ141側へ与えるためのものである。このサーキュレータ140と送信部130の第4フィルタ135によって、アンテナ141からの受信信号が送信部130側へ伝わることが防止されている。
また、サーキュレータ140と第1受信部の第1フィルタ111によって、送信部130から出力された送信信号が第1受信部110へ伝わることが防止されている。さらに、サーキュレータ140と第5フィルタ121によって、送信部130から出力された送信信号が第2受信部120へ伝わることが防止されている。
この第1受信部110は、スーパーヘテロダイン受信機として構成されており、IF(中間周波数)サンプリングを行うよう構成されている。より具体的には、第1受信部110は、第1フィルタ111、第1増幅器112、第1周波数変換部113、第2フィルタ114、第2増幅器115、第2周波数変換部116、及びA/D変換部117を備えている。
第1フィルタ111は、ユーザ端末2bからの上り信号だけを通過させるためのものであり、上り信号の周波数fuだけを通過させる帯域通過フィルタによって構成されている。第1フィルタ111を通過した受信信号は、第1増幅器(高周波増幅器)112によって増幅され、第1周波数変換部113によって周波数fuから第1中間周波数への変換がなされる。なお、第1周波数変換部113は、発振器113a及びミキサ113bによって構成されている。
第1周波数変換部113の出力は、第1中間周波数だけを通過させる第2フィルタ114を経て、第2増幅器(中間周波増幅器)115によって再び増幅される。第2増幅器115の出力は、第2周波数変換部116によって、第1中間周波数から第2中間周波数に変換され、さらにA/D変換部117によってデジタル信号に変換される。なお、第2周波数変換部116も発振器116a及びミキサ116bによって構成されている。
A/D変換部117の出力(第1受信部110の出力)は、復調回路150(デジタル信号処理装置)に与えられ、ユーザ端末102bからの受信信号の復調処理が行われる。
このように、第1受信部110は、アンテナ141にて受信したアナログの上り信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号処理装置として構成された復調回路150に対し、デジタルの上り信号を与えるものである。
また、前記送信部130は、変調回路160(デジタル信号処理装置)から出力された変調信号I,Qを受け取り、アンテナ141から信号を送信させるものであり、ダイレクトコンバージョン送信機として構成されている。この送信部130は、D/A変換器131a,131bと、直交変調器132と、第3フィルタ133、第3増幅器(高出力増幅器;HPA)134、及び第4フィルタ135を備えている。
前記D/A変換器131a,131bは、変調信号I,QそれぞれについてD/A変換を行う。D/A変換器131a,131bの出力は、直交変調器132に与えられ、この直交変調器132によって、搬送波周波数がfd(下り信号周波数)である送信信号が生成される。
直交変調器132の出力は、周波数fdだけを通過させる第3フィルタ133を経て、第3増幅器134によって増幅され、さらに周波数fdだけを通過させる第4フィルタ135を得て、アンテナ141から送信され、ユーザ端末102bへの下り信号となる。
以上の第1受信部110、送信部130は、ユーザ端末との間の本来的な通信を行うために必要な機能であるが、本実施形態の子BS101bは、更に第2受信部120を備えている。この第2受信部120は、エア同期をとるため、親BS101aが送信した下り信号を受信する。
ここで、子BS101bが、エア同期によって親BS101aとの同期をとるには、子BS101bは、親BS101aが送信した下り信号を受信する必要がある。しかし、下り信号の周波数はfdであり、上り信号の周波数fuとは異なるため、第1受信部110では受信できない。
つまり、第1受信部110には、周波数fuの信号だけを通過させる第1フィルタ111や、周波数fuから変換された第1中間周波数だけを通過させる第2フィルタ114が備わっているため、周波数fu以外の周波数(下り信号の周波数fd)の信号が第1受信部110に与えられても、第1受信部110を通過することはできない。
すなわち、第1受信部110は、第1受信部110内に備わったフィルタ111,114によって、上り信号周波数fuの信号の受信に適合したものとなっており、他の周波数の信号の受信はできない。
そこで、本実施形態の子BS101bには、第1受信部110とは別に、親BS101aが送信した周波数fdの下り信号の受信を行うための第2受信部120が備わっている。
この第2受信部120は、第5フィルタ121、第4増幅器(高周波増幅器)122、第3周波数変換部123、第6フィルタ124、第5増幅器(中間周波増幅器)125、第4周波数変換部126、及びA/D変換部127を備えている。
第5フィルタ121は、親BS101aからの下り信号だけを通過させるためのものであり、下り信号の周波数fdだけを通過させる帯域通過フィルタによって構成されている。第5フィルタ121を通過した受信信号は、第4増幅器(高周波増幅器)122によって増幅され、第4増幅器122の出力は、第3周波数変換部123によって下り信号周波数fdから第1中間周波数への変換がなされる。なお、第3周波数変換部123は、発振器123a及びミキサ123bによって構成されている。
第3周波数変換部123の出力は、第3周波数変換部123から出力された第1中間周波数だけを通過させる第6フィルタ124を経て、第5増幅器(中間周波増幅器)125によって再び増幅される。第5増幅器125の出力は、第4周波数変換部126によって、第1中間周波数から第2中間周波数に変換され、さらにA/D変換部127によってデジタル信号に変換される。なお、第4周波数変換部126も発振器126a及びミキサ126bによって構成されている。
A/D変換部127から出力された信号は、同期処理部170に与えられる。これにより、同期処理部170は、親BS101aからの下り信号を取得することができる。
同期処理部170は、親BS101aから取得した下り信号のフレームに含まれるPrimary Synchronizaiton Signal及びSecondary Synchronization Signalに基づいて、自装置101bの通信タイミング及び通信周波数の同期をとるための処理を行う。
同期処理部170は、エア同期制御部180によって制御される。エア同期制御部180は、一定の周期によって定期的に又は必要に応じて、エア同期のために、ユーザ端末102bへの下り信号の送信を行う通信モードを休止して、親BS101aが送信した下り信号を受信するエア同期状態(同期モード)とする。エア同期制御部180は、このエア同期状態となっている時間帯を示す情報であるエア同期区間情報を、変調回路160及び同期処理部170に出力することで当該変調回路160及び同期処理部170の制御を行う。
図16は、同期処理部の構成図である。図16に示すように、同期処理部170は、同期誤差検出部171、補正部172、同期修正部173、及び記憶部174を備えている。
同期処理部170は、エア同期制御部180から与えられるエア同期区間情報に基づいて、自装置101bが通信モードであるか同期モードであるかを認識し、エア同期するか否かを決定する。
同期誤差検出部171は、エア同期することが決定されると、親BS101aからの下り信号を取得し、下り信号に含まれるPrimary Synchronizaiton Signal及びSecondary Synchronization Signal(以下、両Signalを総称して「同期信号」という)を利用して、親BS101aのフレーム送信タイミングを検出するとともに、自装置101bにおけるフレーム送信タイミングとの誤差(フレーム同期誤差)である同期ずれ推定値を検出する。
具体的には、子BS101bは、受信した下りフレーム中の所定位置にある前記同期信号のタイミングを検出して、親BS101aのフレーム送信タイミングを検出する。そして、検出した親BS101aのフレーム送信タイミングと自装置101bのフレーム送信タイミングとを比較し、同期ずれ推定値を検出する。
フレーム同期誤差検出部171によって検出された同期ずれ推定値は、検出される度に、記憶部174に与えられ、記憶部174にて蓄積される。
本実施形態における同期誤差検出部171、補正部172、同期修正部173、及び記憶部174は、それぞれ、上記第一の実施形態における同期誤差検出部33、補正部36、フレームタイミングカウンタ32、及び同期誤差履歴記憶部35と対応しており、これらと同様の処理を行うことで、同期ずれ推定値から補正値を求め、同期ずれの修正を行う。そして、上記第一の実施形態と同様の処理によって、同期ずれの修正時における誤差の影響を抑えることができ、同期ずれの修正精度の低下を抑制することができる。
なお、同期誤差(同期ずれ)の検出・補正対象は、フレームタイミングに限定されるものではなく、シンボルタイミングやスロットタイミングであってもよい。
同期処理部170は、さらに、周波数オフセット推定部175、及び周波数補正部176を備えている。
前記周波数オフセット推定部175は、同期誤差検出部171によって検出された同期ずれ推定値に基づいて、受信側である子BS101b自身が内蔵する内蔵クロック発生器(図示省略)のクロック周波数と、送信側である親BS101aの内蔵クロック発生器のクロック周波数との差(クロック周波数誤差)を推定し、そのクロック周波数誤差からキャリア周波数誤差(キャリア周波数オフセット)を推定する。
前記周波数オフセット推定部175は、エア同期が周期的に実行される状況下において、前回のエア同期において検出されたフレーム同期誤差t1と、今回のエア同期において検出されたフレーム同期誤差t2とに基づいて、クロック誤差を推定する。なお、前回のフレーム同期誤差t1は、記憶部174から取得することができる。
例えば、下り信号のキャリア周波数fdが2.6[GHz]である場合に、前回のエア同期のタイミング(同期タイミング=t1)において、フレーム同期誤差としてT1が検出され、T1分のタイミングの修正がなされたものとする。修正後の同期誤差(タイミングオフセット)は0[msec]である。そして、T=10秒後の今回のエア同期のタイミング(同期タイミング=t2)においても、再び同期誤差(タイミングオフセット)が検出され、その同期誤差(タイミングオフセット)はT2=0.1[msec]であったとする。
このとき、10秒間の間に生じた0.1[msec]の同期誤差(タイミングオフセット)は親BS101aのクロック周期と子BS101bのクロック周期の誤差の蓄積値である。
すなわち、同期誤差(タイミングオフセット)とクロック周期の間には以下の等式が成り立つ。
同期元基地局のクロック周期:同期元基地局のクロック周期
= T:(T+T2) = 10:(10+0.0001)
そして、クロック周波数はクロック周期の逆数であるから、
(同期元基地局のクロック周波数−同期先基地局のクロック周波数)
= 同期元基地局のクロック周波数×T2/(T+T2)
≒ 同期元基地局のクロック周波数×0.00001
となる。
したがって、この場合、送信側である親BS101aのクロック周波数と、受信側である子BS101bのクロック周波数に、0.00001=10[ppm]の誤差があることになる。周波数オフセット推定部175では、上記のようにしてクロック周波数誤差を推定する。
そして、キャリア周波数と同期誤差(タイミングオフセット)は同じようにずれるため、キャリア周波数にも、10[ppm]分のズレ、すなわち、2.6[GHz]×1×10-5=26[kHz]のずれが生じる。このようにして、周波数オフセット推定部175では、クロック周波数誤差から、キャリア周波数誤差(キャリア周波数オフセット)も推定することができる。
周波数オフセット推定部175が推定したキャリア周波数誤差は、周波数補正部176に与えられる。キャリア周波数の補正は、上り信号のキャリア周波数だけでなく、下り信号のキャリア周波数についておこなうことができる。
上記のようにして、親BS101aと子BS101bとの間で同期がとれると、両基地局装置101a,101bから、同一内容の情報を、同時に多数の端末装置へ送信するブロードキャスト送信を行っても、両基地局装置101a,101bからの信号が干渉することが防止できる。
また、両基地局装置101a,101bの同期がとれているため、両基地局装置101a,1bから同じ内容の信号を送信すれば、端末装置101a,101b側でマクロダイバーシティあるいは空間多重伝送を行うことができる。なお、受信ダイバーシティの実現方式として、選択性ダイバーシティ、最大比合成を採用することができる。
また、本実施形態において、子BS101bは、以下に示す構成を採用することもできる。
図17は、本実施形態における子BS101bの他の構成の例を示している。この子BS101bでは、図15に示す子BS101bと同様に、第1受信部110と第2受信部120とを独立して設け、第1受信部110及び第2受信部120とをダイレクトコンバージョン受信機として構成したものである。つまり、第1受信部110及び第2受信部120は、アンテナ141によって受信した上り信号又は下り信号だけを通過させる帯域通過フィルタ111,121と、フィルタ111,121を通過した信号を増幅する増幅器112,122とを備えている。更に、増幅器112,122の出力を復調信号I,Qに復調する直交復調器118,128、及び復調信号I,Qをそれぞれデジタル信号に変換するA/D変換部117a,117b,127a,127bを備えており、これらの変調信号I,Qが、復調回路150又は同期処理部170に与えられる。
なお、図17中、送信部13は、図15に示す送信部13における増幅器134及びフィルタ135の間に、周波数変換部136及び増幅器137を追加して構成されている。
このように、第1受信部110及び第2受信部120の種類は特に限定されるものではない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第一基地局装置
2 第二基地局装置
3 第三基地局装置
32 フレームタイミングカウンタ(同期修正部)
33 同期誤差検出部(同期ずれ推定部)
36 補正部
101a,101b 基地局装置
171 同期誤差検出部(同期ずれ推定部)
172 補正部
173 同期修正部

Claims (5)

  1. 他の基地局装置から送信された信号から当該他の基地局装置の通信タイミングを取得し、前記他の基地局装置との同期ずれを修正する基地局装置であって、
    前記他の基地局装置の通信タイミングと、自己の通信タイミングとの間の同期ずれの推定値を求める同期ずれ推定部と、
    前記同期ずれ推定部により得られる前記推定値に基づいて当該推定値に含まれる誤差を抑制した補正値を求める補正部と、
    前記補正値に基づいて同期ずれを修正する同期修正部と、
    を有することを特徴とする基地局装置。
  2. 前記補正部は、現在及び過去の推定値に基づいて前記補正値を求める請求項1に記載の基地局装置。
  3. 前記補正部は、現在の推定値と、少なくとも一の過去の推定値とを平均することで前記補正値を求める請求項2に記載の基地局装置。
  4. 前記補正部は、前記推定値に0より大きく1より小さい係数を乗算することで前記補正値を求める請求項1に記載の基地局装置。
  5. 前記補正部は、前記推定値が閾値よりも大きいか否かを判定し、前記推定値が前記閾値よりも大きい場合、前記閾値以下の値を前記補正値とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の基地局装置。
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