JP2010178063A - 弾性表面波素子、弾性表面波装置及び通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通過帯域近傍の帯域外減衰量と、通過帯域外のより高周波側における帯域外減衰量とを両立させて向上させることができる弾性表面波装置、及び通信装置を得る。
【解決手段】 第1のIDT電極1の基準電位バスバー電極1aを、伝搬方向に沿った方向の延長上で且つ第1のIDT電極1側に位置する基準電位電極12の第1の部位25に第1の接続配線30を介して接続し、第3のIDT電極3の基準電位バスバー電極3aを、伝搬方向に直交する方向の延長上にある基準電位電極12の第2の部位26に第2の接続配線31を介して接続し、第2のIDT電極2の基準電位バスバー電極2aを、第2の部位26から基準電位電極12に沿って第1の部位25に向かう方向で且つ第1の部位25と所定間隔だけ離れた第4の部位28に第4の接続配線33を介して接続し、基準電位電極12の第4の部位28と第5の部位29との間にギャップGを設ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば携帯電話等の移動体通信機器に用いられる弾性表面波フィルタや弾性表面波共振器等の弾性表面波素子、弾性表面波装置及びこれを備えた通信装置に関するものである。
従来、携帯電話や自動車電話等の移動体通信機器のRF段に用いられる周波数選択フィルタ(以下、フィルタともいう)として、弾性表面波フィルタが広く用いられている。一般に、周波数選択フィルタに求められる特性としては、広通過帯域、低損失、高減衰量等の諸特性が挙げられる。
また、GSM(Global System for Mobile Communications)などのRxフィルタは受信周波数の信号波だけでなく、2倍波、3倍波の信号が漏れてくるために、2倍波、3倍波の周波数における帯域外減衰量を確保することが要求されている。しかし、PCS(Personal Communication Services)など3倍波の周波数が6GHz付近である場合、IDT電極間での電気的な干渉が発生し易いために、減衰量を大きくすることが難しい。従って、6GHzといった高周波帯域における減衰量を大きくすることに対する要望が大きい。
これらの要求特性に対して、電気信号を弾性表面波に変換させるIDT(Inter Digital Transducer)電極及び反射器電極を有する弾性表面波素子をラダー型に構成したラダー型回路を有する弾性表面波フィルタが提案されている。
例えば、特許文献1には、圧電基板上に複数の弾性表面波素子によりラダー型回路を構成した弾性表面波フィルタが開示されている。並列弾性表面波素子に直列にインダクタを付加した構成とすることにより、通過帯域外に減衰極を形成し、帯域外減衰量を向上させる技術が開示されている(特許文献1を参照)。
また、引用文献2には、並列腕共振子に、直列にインピーダンス素子を接続し、通過帯域外に減衰極を形成することにより、帯域外減衰量を増大させることが開示されている。
また、特許文献3には、並列腕共振子に、それぞれ直列にインダクタを付加することにより、帯域外減衰量を向上させることが開示されている。
特開平5−183380号公報 特開平10−163808号公報 特開2004−7250号公報
しかしながら、従来の技術においては、減衰極を設定する位置を調整することが難しく、通過帯域近傍の帯域外減衰量と、通過帯域外のより高周波側における帯域外減衰量とを両立させて向上させることが困難であるといる問題点があった。
従って、本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、通過帯域近傍の帯域外減衰量と、通過帯域外のより高周波側における帯域外減衰量とを両立させて向上させることができる弾性表面波装置、及び通信装置を得ることである。
本発明の弾性表面波素子は、圧電基板と、前記圧電基板の主面に形成され、前記圧電基板の主面を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って順に配列された第1乃至第5のIDT電極と、前記圧電基板の主面に前記第1乃至第5のIDT電極を取り囲むように形成された環状の基準電位電極と、を備えた弾性表面波素子であって、前記第1〜第5のIDT電極は、それぞれ基準電位バスバー電極を有し、前記第1のIDT電極の基準電位バスバー電極は、前記伝搬方向に沿った方向の延長上で且つ前記第1のIDT電極側に位置する前記基準電位電極の第1の部位に第1の接続配線を介して接続され、前記第3のIDT電極の基準電位バスバー電極は、前記伝搬方向に直交する方向の延長上にある前記基準電位電極の第2の部位に第2の接続配線を介して接続され、前記第5のIDT電極の基準電位バスバー電極は、前記伝搬方向に沿った方向の延長上で且つ前記第5のIDT電極側に位置する前記基準電位電極の第3の部位に第3の接続配線を介して接続され、前記第2のIDT電極の基準電位バスバー電極は、前記第2の部位との間に前記第1の部位を挟んで該第1の部位と所定間隔だけ離れた前記基準電位電極上の第4の部位に第4の接続配線を介して接続され、前記第4のIDT電極の基準電位バスバー電極は、前記第2の部位との間に前記第3の部位を挟んで該第3の部位と所定間隔だけ離れた前記基準電位電極上の第5の部位に第5の接続配線を介して接続され、前記基準電位電極の前記第4の部位と前記第5の部位との間にはギャップが設けられているものである。
また本発明の弾性表面波装置は、上記弾性表面波素子と、前記弾性表面波素子が実装される実装基板と、を備えたものである。
また本発明の通信装置は、上記弾性表面波装置を有する、受信回路及び送信回路の少なくとも一方を備えたものである。
本発明の弾性表面波素子によれば、第1〜第5のIDT電極が有するキャパシタ成分と、第1〜第5のIDT電極と基準電位電極との接続構造によって形成されるインダクタ成分との共振により高周波の減衰極が発現することによって、インダクタ成分が増加し、共振による高周波減衰極の周波数を低く調整することができる。その結果、通過帯域外のより高周波側の帯域外減衰量を大きくすることができる。
また本発明の弾性表面波装置は、上記弾性表面波素子と該弾性表面波素子が実装される実装基板とを備えていることにより、通過帯域外のより高周波側の帯域外減衰量を大きくすることができる。
また本発明の通信装置は上記弾性表面波装置を有する、受信回路及び送信回路の少なくとも一方を備えたことにより、弾性表面波フィルタとしてのカットオフ特性が向上するので、感度が格段に良好な通信装置を実現することができる。
本発明の一実施形態にかかる弾性表面波装置の斜視図である。 図1に示す弾性表面波装置を構成する圧電基板の主面の平面図である。 図1に示す弾性表面波装置を構成する実装基板の主面の平面図である。 本発明の一実施形態にかかる通信装置のブロック図である。 比較例の弾性表面波装置を構成する圧電基板の主面の平面図である。 実施例の弾性表面波装置と比較例の弾性表面波装置についての通過特性のシミュレーション結果である。 図1に示す弾性表面波素子を構成するIDT電極の拡大平面図である。 図1に示す弾性表面波素子を構成するIDT電極と基準電位電極との接続部分の等価回路図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる弾性表面波素子、弾性表面波装置および通信装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態では弾性表面波装置として共振器型の弾性表面波フィルタを例にとり説明する。なお、以下に説明する図面において同一構成の部分には同一符号を付すものとする。また、各電極の大きさや電極間の距離等、電極指の本数や間隔等は、模式的に図示したものであり現実のものとは必ずしも一致しない。
図1に本実施形態にかかる弾性表面波装置の斜視図を示す。同図に示すように本実施形態の弾性表面波装置は、弾性表面波素子40と、弾性表面波素子40が実装される実装基板23とから主に構成されている。なお弾性表面波素子40は全体が封止樹脂24で被覆されている。図面では便宜上、封止樹脂24を点線で示している。
図2に図1に示した弾性表面波素子40の実装基板23への実装面側の主面の平面図を示す。弾性表面波素子40は、圧電基板22と、圧電基板22の主面に形成された各種電極とから主に構成されている。より具体的には、第1〜第5のIDT電極1〜5、弾性表面波共振子11、入力信号電極8、出力信号電極9、グランド電極10、基準電位電極12、ならびにこれらの電極や共振子同士を接続する配線を備えたものである。
第1のIDT電極1、第2のIDT電極2、第3のIDT電極3、第4のIDT電極4、第5のIDT電極5は、図7の拡大平面図に示すように、圧電基板22の主面を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って順に配列されている。各IDT電極は、伝搬方向に直交する方向に長く伸びる複数の電極指と、電極指同士を接続するバスバー電極1a〜5aとを備えた構成を有している。
これら第1〜第5のIDT電極の両側には反射器電極6,7が配置されている。反射器電極6,7は、伝搬方向に直交する方向に長く伸びる複数の電極指を備えている。
これらのIDT電極と入力信号端子8との間には、弾性表面波共振子11が配置されている。弾性表面波共振子11は、弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えたIDT電極と、前記IDT電極の両側に配置されたと反射器電極とから構成されている。第1〜第5のIDT電極のうち、第1、第3、第5のIDTと弾性表面波共振子11とが配線パターンを介して接続されている。
これら第1〜第5のIDT電極1〜5、弾性表面波共振子11、各端子などを取り囲むようにして基準電位電極12が形成されている。基準電位電極12にはギャップGが設けられており、完全な環状にはなっていない。第4の部位28と第5の部位29とがこのギャップGの近傍に位置している場合には、このギャップGの大きさを制御することによって、インダクタ成分を調整することができ、減衰極の制御を簡単に行うことができる。
図3は実装基板23の圧電基板22が実装される側の主面(第1主面23A)を示す平面図である。実装基板23はセラミックスなどの絶縁体からなる。実装基板23の主面には、圧電基板22の実装面に形成された各種の電極と対応する位置に導体パターンが形成されている。具体的には、圧電基板22の入力信号電極8と対応する位置には入力信号パッド14が形成され、圧電基板22の出力信号電極9と対応する位置には出力信号パッド15が形成され、圧電基板22のグランド電極10と対応する位置にはグランドパッド16が形成されている。これら入力信号パッド14、出力信号パッド15、グランドパッド16は、それぞれ実装基板23を厚み方向に貫く貫通導体を介して実装基板23の下面(第2の主面23B)に形成された入力信号端子20、出力信号端子21、基準電位端子19に接続されている(図1参照)。なお本実施形態において基準電位とはグランド電位のことであるが、かならずしも0ボルトである必要はない。
また基準電位電極12と接続される所定の位置には、基準電位パッド17,18が形成され、これら基準電位パッド17,18の直下には第1の基準電位貫通導体17aと、第2の基準電位貫通導体18aがそれぞれ形成されている。第1の基準電位貫通導体17aおよび第2の基準電位貫通導体18aは実装基板23を厚み方向に貫く貫通導体である。第1の基準電位貫通導体17a、第2の基準電位貫通導体18aは、実装基板23の下面に形成された基準電位端子19にそれぞれ接続されている。第1の基準電位貫通導体17a、第2の基準電位貫通導体18aは、例えば、実装基板23の第1の主面23Aと第2の主面23Bとを貫通する貫通孔にAgなどの導体を充填することにより形成される。第1の基準電位貫通導体17a、第2の基準電位貫通導体18aの直径は50〜100μm程度である。
図2には、第1の基準貫通導体17aと対応する位置に点線で17’を、第2の基準電位貫通導体18aと対応する位置に点線で18’を示してある。図2に示すように、第1の基準電位貫通導体17aは、基準電位電極12の第1の部位25と第4の部位28との間に形成されている。一方、第2の基準電位貫通導体18aは、基準電位電極12の第3の部位27と第5の部位29との間に形成されている。
次にこれら第1〜第5のIDT電極1〜5の基準電位バスバー電極1a〜5aと基準電位電極12との接続構造について説明する。
まず第1のIDT電極1の基準電位バスバー電極1aは、弾性表面波の伝搬方向に沿った方向の延長上で且つ第1のIDT電極1側に位置する基準電位電極12の第1の部位25に第1の接続配線30を介して接続されている。第3のIDT電極3の基準電位バスバー電極3aは、弾性表面波の伝搬方向に直交する方向の延長上にある基準電位電極12の第2の部位26に第2の接続配線31を介して接続されている。第5のIDT電極5の基準電位バスバー電極5aは、弾性表面波の伝搬方向に沿った方向の延長上で且つ第5のIDT電極5側に位置する基準電位電極12の第3の部位27に第3の接続配線32を介して接続されている。第2のIDT電極2の基準電位バスバー電極2aは、第2の部位26との間に第1の部位25を挟んで第1の部位25と所定間隔だけ離れた基準電位電極12上のギャップGの近傍に位置する第4の部位28に第4の接続配線33を介して接続されている。第4のIDT電極4の基準電位バスバー電極4aは、第2の部位26との間に第3の部位を挟んで第3の部位と所定間隔だけ離れた基準電位電極12上のギャップGの近傍に位置する第5の部位29に第5の接続配線34を介して接続されている。換言すれば、基準電位電極12の第4の部位28と第5の部位29との間にギャップGが設けられている。
基準電位電極12と各基準電位バスバー電極1a〜5aとがこのような接続構造を有していることにより、周波数帯域外の高周波側に減衰極が形成され、通貨帯域外の高周波側における帯域減衰量を大きくすることができる。これは、それぞれの基準電位バスバー電極1a〜5aと基準電位電極12とが、第1〜第5の接続配線30〜34で接続されることによって、第1〜第5の接続配線30〜34による比較的大きなインダクタ成分が発現するためである。この場合、IDT電極の交差幅や対数などの設計変更といった複雑な作業を行うことなく配線パターンだけで減衰極の周波数調整をすることができ、通過帯域近傍の帯域外減衰量に与える影響を小さく抑えた上でより高周波側の帯域外減衰量を大きくすることができる。
ここで第1、第2のIDT電極1,2の基準電位電極12への接続構造に着目すると、第1のIDT電極1の基準電位バスバー電極1aと基準電位電極12とを接続する第1の接続配線30によってインダクタL1が形成され、さらに第1の部位25と第4の部位28との間の基準電位電極12、第4の部位28と第2のIDT電極2の基準電位バスバー電極2aとを接続する第4の接続配線33、および第2のIDT電極2と第1のIDT電極1との容量結合によってループ回路によるインダクタL2が形成されることとなる。このループ回路上の合成CとインダクタL2の共振によって高周波減衰極が形成される。第1のIDT電極と基準電位バスバー電極1aと基準電位電極12とを接続する接続配線30によるインダクタL1とループ回路上の第1のIDTと第2のIDT電極の合成容量とインダクタL2によって複数の減衰極が発生し、第1のIDT電極1と第2のIDT電極2との合成容量が、第1のIDT電極1による容量C1より十分小さくなると、通過周波数帯域近傍の減衰特性を維持しつつ、高周波の減衰極を移動させることができる。その結果、通過帯域外のより高周波側の帯域外減衰量を大きくすることができる。なお、本実施形態では、第4、第5のIDT電極4,5と基準電位電極12との接続構造においても同様のループ回路が形成されている。上記回路の等価回路を図8に示す。上記第1のIDT電極容量は図8のC1に相当し、ループ回路の合成容量はC2に相当する。また前記第1の接続配線インダクタL1は図8のL1に相当し、ループ回路上の配線インダクタL2は図8のL2に相当している。
本実施形態において、第2、第4、第5の接続配線31,33,34はそれぞれ立体配線構造となっている。たとえば第2の接続配線31は、第2のIDT電極2と出力電極9とを接続する配線パターンと交差するが、この交差部分における両者の間には絶縁層33が介在されている。第4、第5の接続配線33,34も同様に絶縁層33を間に挟むことで立体配線を実現している。このように立体配線構造とすることで、配線を高密度に配置することができ弾性表面波素子を小型化することができる。
また、第1、第3、第5のIDT電極1、3、5は入力電極8に接続されており、第2、第4のIDT電極2、4は出力電極9に接続されている。
また、圧電基板22の各電極と実装基板23の対応するパッドとは、はんだなどの導電性接合材を介して接続されている。また、弾性表面波素子40を覆う封止樹脂24によって圧電基板22の主面に形成された各種電極が封止されている。
次に、本実施形態にかかる弾性表面波素子40および弾性表面波装置の製造方法について説明する。
弾性表面波素子40の作製方法は、まず圧電基板22の主面に第1〜第5IDT電極1〜5、反射器電極6,7、基準電位電極12、入出力電極8,9、グランド電極10、第1〜第5の接続配線30〜34、弾性表面波共振子11等を形成する。これらの電極や配線パターンは、AlもしくはAl合金(Al−Cu系、Al−Ti系)などの導電性材料からなり、蒸着法、スパッタリング法、またはCVD法等の薄膜形成法により製膜した後、フォトリソグラフィ法などによりパターニングすることで形成される。これらの電極や配線パターンの厚みは、例えば0.1〜0.3μm程度である。
次に、IDT電極の各種電極を覆って保護するための絶縁膜を成膜する。絶縁膜の材料としては、Si,SiO2,SiNx,Al23等を用いることができる。その成膜方法としては、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、電子ビーム蒸着法等を用いることができる。
なお、IDT電極、反射器電極において、電極指の本数は数本〜数100本にも及ぶので、簡単のため、図においてはそれらの形状を簡略化して図示している。
また、弾性表面波素子の圧電基板22としては、36°±3°YカットX伝搬タンタル酸リチウム単結晶、42°±3°YカットX伝搬タンタル酸リチウム単結晶、64°±3°YカットX伝搬ニオブ酸リチウム単結晶、41°±3°YカットX伝搬ニオブ酸リチウム単結晶、45°±3°XカットZ伝搬四ホウ酸リチウム単結晶は電気機械結合係数が大きく、かつ、周波数温度係数が小さいため、圧電基板22として好ましい。また、これらの焦電性圧電単結晶のうち、酸素欠陥やFe等の固溶により焦電性を著しく減少させた圧電基板1であれば、弾性表面波素子の信頼性上良好である。圧電基板1の厚みは、例えば0.1〜0.5mm程度がよく、0.1mm未満では圧電基板23が脆くなり、0.5mmを超えると材料コストと部品寸法が大きくなり好ましくない。
このような弾性表面波素子40を、基準電位電極12と対応する基準導体パターン13が形成された実装基板23に実装する。弾性表面波素子40の実装基板23への実装は、基準電位電極12と基準導体パターン13とを間にはんだ等の接合在を介して接合することにより行われる。最後に弾性表面波素子40全体を覆う封止樹脂24を形成する。封止樹脂24は、例えばエポキシ樹脂などからなる樹脂材料を弾性表面波素子40を覆うように塗布し、これを硬化させることにより作製される。このようにして製品としての弾性表面波装置が完成する。
〔通信装置〕
本実施形態の通信装置は、上述した弾性表面波装置を有する、受信回路及び送信回路の少なくとも一方を備えたことにより、弾性表面波フィルタのカットオフ特性を向上させることができるので、感度が格段に良好な通信装置を実現することができる。
即ち、少なくとも受信回路または送信回路の一方を備え、弾性表面波装置をこれらの回路に含まれるバンドパスフィルタとして用いる。例えば、送信回路から出力された送信信号をミキサでキャリア周波数にのせて、不要信号をバンドパスフィルタで減衰させ、その後、パワーアンプで送信信号を増幅して、デュプレクサを通ってアンテナより送信することができる送信回路を備えた通信装置、または、受信信号をアンテナで受信し、デュプレクサを通った受信信号をローノイズアンプで増幅し、その後、バンドパスフィルタで不要信号を減衰して、ミキサでキャリア周波数から信号を分離し、この信号を取り出す受信回路へ伝送するような受信回路を備えた通信装置に適用可能である。
図4は、本実施形態の通信装置を示すブロック回路図である。図4において、アンテナ140に送信回路Txと受信回路Rxが分波器150を介して接続されている。送信される高周波信号は、フィルタ210によりその不要信号が除去され、パワーアンプ220で増幅された後、アイソレータ230と分波器150を通り、アンテナ140から放射される。また、アンテナ140で受信された高周波信号は、分波器150を通りローノイズアンプ160で増幅されフィルタ170でその不要信号を除去された後、アンプ180で再増幅されミキサ190で低周波信号に変換される。
従って、本実施の形態の弾性表面波装置を採用すれば、感度が格段に良好な優れた通信装置を提供できる。
本発明の弾性表面波装置の実施例について以下に説明する。図1に示す弾性表面波装置を具体的に作製した実施例について説明する。
38.7°YカットのX方向伝搬とするLiTaO3単結晶からなる圧電基板22上に、Al(99質量%)−Cu(1質量%)合金から成る、IDT電極1〜5及び反射器電極6,7を有する弾性表面波素子、基準電位電極11、入出力電極8,9、グランド電極10、第1〜第3配線パターン30,31,32を形成した。これら電極や配線パターンの作製は、スパッタリング装置、縮小投影露光機(ステッパー)、及びRIE(Reactive Ion Etching)装置によりフォトリソグラフィを施すことにより行った。
まず、圧電基板22をアセトン,IPA(イソプロピルアルコール)等によって超音波洗浄し、有機成分を落とした。次に、クリーンオーブンによって充分に圧電基板22の乾燥を行った後、各電極や配線パターンとなる金属層の成膜を行った。金属層の成膜にはスパッタリング装置を使用し、金属層の材料としてAl(99質量%)−Cu(1質量%)合金を用いた。このときの金属層の厚みは約0.15μmとした。
次に、金属層上にフォトレジストを約0.5μmの厚みにスピンコートし、縮小投影露光装置(ステッパー)により、所望形状にパターニングを行い、現像装置によって不要部分のフォトレジストをアルカリ現像液で溶解させ、所望パターンを表出させた。その後、RIE装置により金属層のエッチングを行い、パターニングを終了し、弾性表面波素子40を構成する各電極のパターンを得た。このときの電極パターンは、図5(a)に示すとおりである。
この後、各電極や配線パターンの所定領域上にCVD法により、SiO2膜からなる保護膜を形成した。なお保護膜の厚みは0.015μmに設定した。
その後、フォトリソグラフィによりパターニングを行い、RIE装置等でフリップチップ用窓開け部のエッチングを行った。その後、そのフリップチップ用窓開け部に、スパッタリング装置を使用して、Cr層、Ni層、Au層を積層した構成のパッド電極を成膜した。このときのパッド電極の厚みは1.0μmとした。
その後、圧電基板22の基準電位電極12の電極と実装基板23のパッドとをはんだを用いて接続することにより圧電基板22を実装基板23に実装した。なお実装基板23の第1、第2基準電位貫通導体17a,18aは、実装基板23の下面に形成した基準電用端子19接続されるようにした。その後、N2ガス雰囲気中でベーキングを行い、パッケージ化された弾性表面波装置を完成した。
(比較例)
比較例のサンプルとして、図5(b)に示す構成からなる弾性表面波装置を作製した。この弾性表面波装置の作製方法は上記実施例と同様である。
実施例の弾性表面波素子40では、第1、第3、第5のIDT電極1,3,5の基準電位バスバー電極1a、3a、5aを基準電位電極12に接続したのに対し、図5に示す比較例の弾性表面波素子は、第1、第3、第5のIDT電極1,3,5の基準電位バスバー電極1a、3a、5aを、基準電位電極12ではなく、グランド電極10に接続している。その他の構成は、図1の弾性表面波素子と同様である。
次に、本実施例及び比較例の弾性表面波装置について、それぞれの特性をコンピュータシミュレーションによって求めた。弾性表面波装置の動作周波数は500MHz以上8000MHz以下とした。この動作周波数における周波数特性のグラフを図6に示す。図6は、フィルタの伝送特性を表す透過特性(減衰量)の周波数依存性を示すグラフである。
本実施例の弾性表面波装置のフィルタ特性は非常に良好であった。即ち、図6の破線で示した比較例の弾性表面波装置と比較して、図6の実線で示すように、6GHz付近の高周波数において、本実施例の弾性表面波装置の帯域外減衰量が非常に大きいことが確認できた。
1〜5:第1〜第5のIDT電極
6,7:反射器電極
8:入力信号電極
9:出力信号電極
10:グランド電極
11:弾性表面波共振子
25〜29:基準電位電極の第1〜第5の部位
30〜34:第1〜第5の接続配線

Claims (6)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板の主面に形成され、前記圧電基板の主面を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って順に配列された第1乃至第5のIDT電極と、
    前記圧電基板の主面に前記第1乃至第5のIDT電極を取り囲むように形成された環状の基準電位電極と、を備えた弾性表面波素子であって、
    前記第1〜第5のIDT電極は、それぞれ基準電位バスバー電極を有し、
    前記第1のIDT電極の基準電位バスバー電極は、前記伝搬方向に沿った方向の延長上で且つ前記第1のIDT電極側に位置する前記基準電位電極の第1の部位に第1の接続配線を介して接続され、
    前記第3のIDT電極の基準電位バスバー電極は、前記伝搬方向に直交する方向の延長上にある前記基準電位電極の第2の部位に第2の接続配線を介して接続され、
    前記第5のIDT電極の基準電位バスバー電極は、前記伝搬方向に沿った方向の延長上で且つ前記第5のIDT電極側に位置する前記基準電位電極の第3の部位に第3の接続配線を介して接続され、
    前記第2のIDT電極の基準電位バスバー電極は、前記第2の部位との間に前記第1の部位を挟んで該第1の部位と所定間隔だけ離れた前記基準電位電極上の第4の部位に第4の接続配線を介して接続され、
    前記第4のIDT電極の基準電位バスバー電極は、前記第2の部位との間に前記第3の部位を挟んで該第3の部位と所定間隔だけ離れた前記基準電位電極上の第5の部位に第5の接続配線を介して接続され、
    前記基準電位電極の前記第4の部位と前記第5の部位との間にはギャップが設けられて
    ている弾性表面波素子。
  2. 前記第2の接続配線は、前記第3のIDT電極の基準電位バスバー電極から前記伝搬方向と直交する方向に伸びている請求項1に記載の弾性表面波素子。
  3. 前記圧電基板の主面に形成された入出力信号端子をさらに備え、
    前記入出力信号端子と前記第1〜第5のIDT電極との間に、弾性表面波共振子が接続されている請求項1に記載の弾性表面波素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性表面波素子と、
    前記弾性表面波素子が実装される実装基板と、を備えた弾性表面波装置。
  5. 前記実装基板は、前記弾性表面波素子が実装される第1の主面と前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、
    前記第1の主面には、前記基準電位電極と接続される基準導体パターンが設けられ、
    前記第2の主面には、前記前記基準導体パターンと貫通導体を介して接続される基準電位端子が設けられている請求項3に記載の弾性表面波装置。
  6. 請求項4または5に記載の弾性表面波装置を有する、受信回路及び送信回路の少なくとも一方を備えた通信装置。
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