JP2010177442A - シリコンウェーハの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新しい治具を熱処理炉に用いたとき、この治具から発生する浮遊元素及びその化合物による予期せぬコンタミを防ぐ方法を提供する。
【解決手段】熱処理の目的を明確にし、それに必要な要素を明らかにした後、シリコンウェーハの表面に酸化膜を形成する条件を前記熱処理の目的及び効果に影響を与えない範囲で求め、これらを組合わせた熱処理工程を作り、シリコンウェーハの製造工程に組込む。また、新規導入治具等からのコンタミとなる元素及びその化合物の発生を計測若しくは予想し、事前若しくは事後的にかかる不純物のシリコンウェーハへの侵入を防止する手段を講ずる。特に、熱処理工程における、雰囲気制御という比較的容易な方法で、シリコンウェーハの表面にバリアを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体の集積回路素子等に使用されるシリコンウェーハの製造方法に関し、特に、製造工程におけるシリコンウェーハの熱処理方法に関する。
シリコン半導体による集積回路素子(デバイス)の高密度化傾向は、急速に進行しており、デバイスを形成させるシリコンウェーハの品質への要求は、ますます厳しくなっている。特に、これまで好ましいとされる不純物であったとしても、別の観点から必ずしもそうではないことが判明することもある。
例えば、炭素が所定量シリコンウェーハ中に含まれると、デバイス工程での熱処理において、バルク領域のBMDが形成されやすくゲッタリング能力が高いデバイスを形成し易くなり、更にスリップの発生を効果的に抑止することができるとされている(例えば特許文献1)。しかしながら、炭素の濃度が特に高くなると、活性なボロンの量が少なくなるという示唆もされている(例えば、非特許文献1)。
一方、シリコンウェーハの歩留まり向上のために、大口径化が図られており、用いる装置及び治具も、それぞれサイズに合わせて最適な機械的及び化学的特性を有するものが用いられる。例えば、シリコンウェーハの熱処理を行うための置き台としてのボートには、グラファイトや二酸化ケイ素等が用いられる。このような装置及び治具も、処理されるシリコンウェーハと同等の温度及び雰囲気に曝されるので、コンタミの発生についても十分考慮しなければならない。
特開2008−28355号公報
BAN et al., IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES,VOL.44, NO.9, SEPTEMBER 1997,1544-51.
シリコンウェーハ製造方法において、シリコンウェーハのサイズ変更、処理枚数の増加、処理条件の変更に伴い、従来からの装置や治具が実質的に使えなくなる場合がある。例えば、シリコンウェーハの処理量が多くなったために、載置治具の高強度化が必要となる場合である。しかしながら、新しい装置や治具は、思わぬ効果を被処理材料であるシリコンウェーハに及ぼす。そのため、新しい装置や治具が導入された場合は、得られるシリコンウェーハの品質を従来にない観点からチェックすることが望まれる。
上述するような課題に鑑みて、シリコンウェーハの製造方法における熱処理工程において、より高強度の装置や治具を導入した際に、得られたシリコンウェーハの特性を調べたところ、表層の炭素の量が異常に多いことが判明した。上述のように、含まれる炭素については、シリコンウェーハの特性に影響を及ぼすので、従来と同等の量になるようにコントロールすることが望ましい。即ち、シリコンウェーハの熱処理工程において、熱処理炉の内壁や保持治具等の炉内治具等から発生する成分をコンタミとして浸入させない、若しくは、浸入した該成分を除去可能な熱処理方法を提供できる。また、熱処理工程におけるシリコンウェーハの好ましい内部構造を提供することができる。例えば、上述のような内壁や治具等から発生する成分として炭素があげられる場合、かかる炭素の浸入の防止及び/又は浸入炭素の除去が可能な表層構造を同熱処理工程において形成することができる。
より具体的には、以下のようなものを提供することができる。
(1)少なくとも炭素を含む材料から構成される治具若しくは炉壁を含む熱処理炉内で、所定の温度以上に昇温し、所定の雰囲気中で熱処理を行うシリコンウェーハの製造方法において、当該シリコンウェーハの表面近傍の空孔欠陥を除去可能な温度において非酸化性の雰囲気下で熱処理を行う工程と、この工程に引き続いて前記非酸化性の雰囲気に酸素を導入する工程と、を備えるシリコンウェーハの製造方法を提供することができる。
上述のように、上記熱処理炉においてある温度以上に加熱すると、炭素を含む材料から構成される治具及び/又は炉壁から、炭素が飛来する。このメカニズムは必ずしも明確ではないが、次のように考えられる。これらの治具及び/又は炉壁は、被処理物を炉内に搬入する等により加熱前に大気(酸素を含む)に曝され、表面に吸着酸素及び/又は酸化物層を形成すると考えられる。上記熱処理炉がある温度以上に昇温されると、表面の吸着酸素及び/又は酸化物層は、内部の炭素と反応し、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素を発生し、炉内に拡散する。この一酸化炭素及び/又は二酸化炭素が、被処理物であるシリコンウェーハの表面に付着し、シリコンと酸素が反応してSiO2−x(ここで、0≦x≦1)を形成して、シリコンウェーハから離間する。このようにして一酸化炭素及び/又は二酸化炭素が還元されて生成した炭素が、シリコンウェーハのバルク内に拡散する。例えば、SiCからなる治具及び/又は炉壁を用いた場合は、次のようにして炭素が拡散すると考えられる。まず、SiC製のボートのような治具が炉外(大気中)に出ている段階で大気中の酸素がSiC製のボートの表面に付着する。炉の温度が上昇し、ある温度以上になると、SiC製のボート表面の酸素とSiCで反応が起こり、 2O + SiC ⇒ CO + SiOにより、COが発生し飛来して、シリコンウェーハに付着後、バルク中へ侵入する。炭素が内部に拡散するのは、上述のような反応によるものと考えられる。
一方、上記の酸素を導入する工程において、酸素が導入された結果、次のようなことが生じると考えられる。導入された酸素により表面にシリコンの酸化物層が形成されるが、上述するシリコンウェーハ内の炭素は、この酸化物層中の酸素と結合し、或いは、結合するために、バルク内から表面へ向かって移動する。そして、そのまま表層に留まるか、或いは、表面から一酸化炭素及び/又は二酸化炭素として炉内雰囲気中に外方拡散する。このようにして上述するシリコンウェーハ内の炭素は、この酸化物層にいわば吸収される。
上記のような炭素の飛来メカニズムや炭素の吸収メカニズムは、推定に過ぎないが、ある化学反応を伴うものと考えられる。このような化学反応には、活性化のための温度が重要な役割を果たすことはいうまでもない。そして、この熱処理炉がそれ以上に昇温される上記所定の温度とは、1000℃以上が好ましく、1050℃以上がより好ましく、1100℃以上が更に好ましい。この所定の温度は、融点未満であることはもちろんであるが、1300℃以下がより好ましい。また、上記所定の雰囲気とは、非酸化性の雰囲気を含んでよい。非酸化性雰囲気とは、酸素や水蒸気等を実質的に含まない雰囲気を意味してよい。また、不活性ガス雰囲気を含んでよい。
(2)前記治具若しくは炉壁は、炭化ケイ素製であることを特徴とする上記(1)に記載のシリコンウェーハの製造方法を提供することができる。
(3)前記酸素を導入する工程において、降温を開始することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のシリコンウェーハの製造方法を提供することができる。
(4)前記酸素を導入する工程において、前記熱処理炉内の温度が500℃以上で酸素導入を開始することを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造方法を提供することができる。ここで、前記熱処理炉内の温度が500℃以上において、酸素濃度が1%以上となるように酸素導入が開始される。即ち、少なくとも500℃以上で酸素濃度が1〜100%となる雰囲気で熱処理が少なくとも実質的に行われることが好ましい。また、1〜10%がより好ましく、5〜10%が更に好ましい。また、同時にアルゴン等の不活性ガスを含む非酸化性ガスの流量を減少若しくは停止させてもよい。ところで、酸素導入開始の温度は、上述のように500℃以上が好ましいが、600℃以上がより好ましく、700℃以上が更に好ましい。
(5)前記非酸化性の雰囲気は、アルゴン雰囲気であることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造方法を提供することができる。
(6)前記酸素を導入する工程の結果、形成される酸化物層の厚みが0.01〜0.1μmであることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造方法を提供することができる。ここで、更に、熱処理後のシリコンウェーハを所定の温度以下で取り出す工程を含む上述する製造方法を提供することができる。この所定の温度は、大気中の酸素等による影響を受けない温度であり、具体的には、800℃以下が好ましく、700℃以下がより好ましい。酸化物層の厚みは酸素濃度が高いと厚くなり易く、厚い酸化膜を除去することは生産性の低下をもたらす可能性がある。従って、酸素濃度は、所望する酸化膜が形成されるように適宜調節されてよい。
本発明によれば、新しい装置や治具を用いたとき、予期せぬコンタミを防ぐために、コンタミとなる元素の種類を特定してシリコンウェーハの処理を影響することがないコンタミ成分の混入の防止や混入した該成分の除去等に優れた方法を提供することができる。例えば、強度が強いことから、熱処理炉に用いるシリカからなる載置台等の治具をSiC製に変えたところ、カーボンのコンタミがシリコンウェーハに認められる場合がある。この場合、シリコンウェーハの表面を酸化膜で覆い、形成される酸化膜をコンタミのバリアと考えることもできる。また、酸化膜形成を熱処理の最終段階に持ってくることにより、既に混入したカーボンをバルク内から吸収し、表層に留めたり、表面から拡散させることができると考えられる。シリコンウェーハ表面に酸化膜を形成するには種々の方法があるが、ここでは熱処理の温度及び雰囲気を利用して、単に酸素を導入するという簡便な方法で実現可能である。例えば、アニールウェーハ製造過程におけるアニール処理時の処理雰囲気を、アルゴン雰囲気から酸素雰囲気へ切替えることにより、カーボン不純物が少なく、強度に優れたシリコンウェーハを提供することができる。
本実施例に関し、アニール処理工程を図解するフローチャートである。 比較例としてのアニール処理工程を図解するフローチャートである。 熱処理炉における雰囲気切替えアニールを詳説するフローチャートである。 熱処理炉におけるアルゴン雰囲気でのアニールを詳説するフローチャートである。 本実施例に関し、熱処理炉における雰囲気切替えアニールを詳説する温度チャートである。 熱処理炉に投入されるシリコンウェーハを載置する治具の断面概略図である。 実施例及び比較例のシリコンウェーハの表面からの炭素濃度測定結果を示すグラフである。 実施例及び比較例のシリコンウェーハ(酸化物のみ除去)の表面からの酸素濃度測定結果を示すグラフである。 実施例及び比較例のシリコンウェーハ(酸化物除去し更に7μmを研磨)の表面からの酸素濃度測定結果を示すグラフである。 熱処理炉に投入される複数のシリコンウェーハを同時に載置する治具の上面図である。 熱処理炉に投入される複数のシリコンウェーハを同時に載置する治具のAA断面図である。 熱処理炉に投入される複数のシリコンウェーハを同時に載置する治具のBB断面図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の構成又は機能を有する構成要素及び相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。また、以下の説明では、本発明に係る実施の態様の例を示したに過ぎず、当業者の技術常識に基づき、本発明の範囲を超えることなく、適宜変更可能である。従って、本発明の範囲はこれらの具体例に限定されるものではない。また、これらの図面は、説明のために強調されて表されており、実際の寸法とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施例に関し、シリコンウェーハの製造方法におけるアニール処理工程のフローチャートを示す。ここで製造されるアニールウェーハは、表層に無欠陥層を作り込み、バルク中に酸素析出物を高密度にしてゲッタリング性能を持たせるため、アルゴン雰囲気若しくは還元性雰囲気下において1100℃以上で高温熱処理される。高温熱処理には、一般に縦型の熱処理炉が用いられ、シリコンウェーハを保持する部材として、SiC材質のものが使用されるようになってきた。以下具体的に工程を説明する。インゴット等から切り出されたシリコンウェーハを、アルカリ若しくは酸性の処理液でエッチングする(S12)。これにより、表面の残留応力を除去することができる。また、エッチング液を適宜選択することにより、研磨の代わりとすることもできる。この場合は、通常の研磨よりも短時間に表面除去処理ができる。また、エッチングのみを行ってもよい。次に、シリコンウェーハをSiC製の保持部材に保持してアニール炉に投入し、アルゴンを導入してアルゴン雰囲気とする。この雰囲気で表層欠陥を除去するアニールを行い、次いで酸素を導入してから冷却を始める。処理後のシリコンウェーハを所定の温度以下で炉外へ取出す(S14)。この熱処理工程は、詳しく後述する。表面酸化膜を、例えばフッ酸等で除去する(S16)。そして、表面仕上げ研磨を行い(S18)、出荷前の製品検査を行い、出荷する(S20)。このように高温熱処理の途中から酸素を導入して熱処理されるシリコンウェーハの少なくとも表層に多く含まれるカーボンのような不必要な元素を除去することができる。また、表面に酸化膜を形成することにより、カーボンのような不必要な元素のシリコンウェーハ内への侵入を防止できると考えられる。このように不必要な元素のコンタミの少ない良好なシリコンウェーハを製造することができる。
図2は、アニールウェーハの製造方法におけるアニール処理(熱処理)のフローチャートを示す。インゴット等から切り出されたシリコンウェーハをアルカリ若しくは酸性の処理液でエッチングし(S32)、表面の残留応力を除去する。仕上げ研磨を行い(S34)、検査し(S36)、シリコンウェーハをシリカ製の保持部材に保持してアニール炉に投入し、アルゴン雰囲気中でアニールを行った後、アニール炉を冷却し、所定の温度以下で炉外へ処理後のシリコンウェーハを取出す(S38)。そして、出荷前の製品検査を行い、出荷する(S40)。
図3は、図1のアニール処理工程を詳述するフローであり、図4は、図2のアニール処理工程を詳述するフローである。途中まで工程が同一であるので、比較しつつ両者を説明する。先ず、それぞれSiC製、シリカ製の載置台(治具)にシリコンウェーハを載せて、熱処理炉に投入する(S42、S52)。次に、アルゴンを導入し、アルゴン100%雰囲気とする(S44、S54)。熱処理炉の温度を上げて、所定の熱処理温度(例えば、1200℃)で保持し、熱処理を行う(S46、S56)。ここで、本実施例のアニール工程では、熱処理雰囲気を変えるため酸素を導入する(図3、S48)。そして、好ましい酸素の濃度とした後、それを維持しつつ冷却する(図3、S50)。一方、図4において熱処理の雰囲気を変えることなく冷却を行う(S60)。大気に曝されても影響がないと考えられる所定の温度以下(例えば、700℃以下)で、処理後のシリコンウェーハを取出す。
図5の温度チャートにおいて、図3のフローを説明する。シリコンウェーハ投入後、アルゴン雰囲気に変えて、昇温を開始する。熱処理の目的(例えば、表層の欠陥除去)を達成可能であり、コンタミとなり得るカーボンが発生する所定の温度Tcを超え、所定の熱処理温度で熱処理を行う。このとき、SiC製治具から発生したと考えられるカーボン(例えば、上述する付着した酸素と反応して、SiC+2O → SiO+CO、或いは、SiC+O → SiO+CO)が、シリコンウェーハ表面に付着する。このカーボンが元素としてシリコンウェーハ内に拡散すると考えられる。熱処理の目的を達成するのに十分な時間が経った後、酸素の導入を開始し、同時に冷却も開始する。酸素濃度は、保護酸化膜を作るのに好ましい範囲に設定される(例えば、1〜100%)。冷却を開始したものの、シリコンウェーハは十分高い温度にあるので、そのまま冷却を継続しても表面に酸化膜を形成し、酸素が表層に拡散する。このとき、上述するシリコンウェーハ表面に付着するカーボンは、この酸素により酸化され、CO、又は、COとしてシリコンウェーハから離間すると考えられる。従って、一度酸化膜が形成されると、上述するようなカーボンのシリコンウェーハ表面への付着が有効に防止されると考えられる。一方、シリコンウェーハの表層に拡散したカーボンは、シリコンウェーハ表面のカーボン濃度が実質的にゼロになるので、表面へと逆に拡散し、冷却が完了する前にほとんど全てのカーボンはシリコンウェーハの表層から消滅すると考えられる。
図6は、シリコンウェーハを保持できる保持治具の断面概略図を示す。シリコンウェーハを載置したウェーハ保持体10は、ほぼ水平に載置されたシリコンウェーハ12と、SiC製の治具14であって、該シリコンウェーハ12の外周縁部を支持する棚部16を持つ、底に大きな孔18が開いた円形の皿形状をしたものからなる。棚部16は、シリコンウェーハ12との接触部17の面積を小さくするために中央に向かって低くなるようにわずかに傾斜している。皿の底部とシリコンウェーハ12の裏面の間の空間20には、この孔18から熱処理用のガスが十分回るようにされている。シリコンウェーハが小型であり、保持治具に高い強度が必要でなければ、シリカ製の治具で十分である。しかし、シリカの融点は高いものの軟化は比較的低い温度で始まるため、大重量のウェーハを載置するためには、シリコンウェーハの熱処理温度程度では軟化しないSiC製の治具が有利である。また、焼結技術の向上により、大型のSiC製の治具も比較的容易にできるようになってきた。
このようなSiC製の治具を用いることにより、これまで述べてきたようなカーボンのコンタミという意外な弊害が生じてしまったが、以上のように酸化膜を導入することにより、この弊害を防止することができることが分かった。また、アルゴン雰囲気下で、高温熱処理することで、シリコンウェーハ表層の無欠陥層を確保し、かつバルク中に酸素析出物を高密度に作り込むことで高いゲッタリング能力を持たせることができる。そして、処理雰囲気をアルゴンから酸素に切替え酸化膜を成長させることで、アルゴン雰囲気中にSiC治具から外方拡散し、シリコンウェーハ内部に侵入したカーボン不純物を酸化膜中に取り込み、その後の酸化膜除去工程により、カーボン不純物を除去することができる。更に、酸素雰囲気処理により、酸素原子をシリコンウェーハ表層に内方拡散させることで、アルゴン雰囲気処理中に外方拡散し酸素濃度が低下したシリコンウェーハ表層域の酸素濃度を上昇させることができるため、通常のアニールウェーハよりも表層付近の機械的強度の向上が見込めるという思わぬ効果も得られる。
以下に実施例を示す。
直径300mmの窒素ドープP型シリコン単結晶インゴット(抵抗率:20〜30Ωcm、酸素濃度:12〜14×1017atom/cm)をCZ法にて準備し、スライス後、アルカリエッチングを行った。尚、窒素ドープ結晶は水冷パイプによる強制冷却機構付のものであり、本結晶に含まれるボイド欠陥サイズは、約70〜100nmに制御されている。
アルカリエッチング後、洗浄を行ってから高温熱処理を行った。熱処理は昇温及び1200℃での高温保持工程までをアルゴン100%雰囲気で、2時間の高温保持後のシリコンウェーハ取出し温度までの降温工程を酸素雰囲気(酸素5%)に切替えた(図5参照)。熱処理後のシリコンウェーハには酸化膜が形成されているので、フッ酸水溶液にて酸化膜除去を行ってシリコンウェーハを得た(実施例)。さらに、酸化膜除去後のウェーハに対して、片面7μmの研磨を行った。
比較のために、同様にして準備したシリコンウェーハを、酸素雰囲気に切替えることを除き上述と同じ処理を行ったものも準備した(比較例)。
(炭素濃度分析)
上述の実施例及び比較例のシリコンウェーハのカーボン濃度の深さ方向の測定をSIMSにより行った。その結果を図7に示す(尚、1μm以下の最表面は実験誤差が大きいため、ここにおける評価には使用しない)。酸素雰囲気での高温熱処理を行っていない通常のアニールウェーハ(比較例)では、最も炭素濃度の高いところで、3×1016atom/cmのカーボンを検出しているのに対して、酸素雰囲気処理を行ったシリコンウェーハ(実施例)では、カーボンはほぼ検出限界(5×1015atom/cm)以下にまで大幅に減少した。これは、アルゴン雰囲気処理中に、SiC治具から雰囲気中に外方拡散したカーボンがシリコンウェーハに付着後、バルク中に内方拡散するが、その後の酸素雰囲気処理により成長した酸化膜中にカーボンが吸収されたためと考えられる。また、表面の酸化膜は飛来するカーボンを還元しないので、この酸化膜を越えてバルク内にカーボンを浸入させることもないと考えられる。
ここで、シリコンウェーハを保持する治具をシリカ製のものとした場合のカーボンの濃度を調べたところ、1〜3×1014atom/cmであり、検出限界以下であった(即ち、このカーボン濃度は信頼度が低い)。このことから、SiC製の治具により、カーボンが拡散し、シリコンウェーハを汚染することが明確に分かる。このように、比較例ではカーボンの浸入が明確に認められるのに対して、図5のように降温時に酸化雰囲気に切り替えた実施例では、カーボンが劇的に低減する。そのため、降温時、酸化膜が成長する過程でカーボンが吸収されることがわかる。
(酸素濃度分析)
酸化膜除去後のシリコンウェーハについて、表層の酸素濃度のSIMSによる深さ方向の測定を行った。その結果を図8A及び8Bに示す(尚、1μm以下の最表面は実験誤差が大きいため、ここにおける評価には使用しない)。図8Aは、熱処理後のシリコンウェーハの酸化膜除去を行ったシリコンウェーハを示し、図8Bは、更に、酸化膜除去後のウェーハから片面7μmの研磨を行ったものを示す。図8Aにおいて、表面近傍では、実施例の酸素濃度は、比較例の酸素濃度に比べ、50〜60倍であり、酸化雰囲気下での熱処理により表層の酸素濃度が上昇していることがわかる。シリコンウェーハの酸素濃度が低くなると、強度が低下することが一般に知られているが、本実施例では表層酸素濃度が十分高く、デバイスプロセスでの強度低下による転位発生起因のリーク不良等を低減することができることがわかる。また、図8Bにおいて、かなり深いところまで、実施例の酸素濃度が比較例のそれより高いことがわかる。
(複数のシリコンウェーハを載置する治具)
図9Aから9Cは、複数のシリコンウェーハを同時に保持できる保持治具の概略図を示す。図9Aは、上面図であり、図9BはAA断面図であり、図9CはBB断面図である。この保持治具50は、上下にドーナッツ型の円板形状の上板52及び下板53を備え、これらの板が回転対称に配置された4本の支柱54によって結合されている。それぞれの支柱54には、棚部を構成する棚板56が、保持治具50の所定の高さで、上記ドーナッツ型の円板形状の上板52及び下板53の中心(保持治具50の中心線)に向かって4本の支柱54からほぼ水平に延びている。これらの棚板56により、シリコンウェーハ12が載置される載置場所が構成される。ここで、シリコンウェーハ12との接触面積を減らし、すわりを良くするために、これらの棚板56をやや上方に若しくは下方に傾斜させてもよい。上方に傾斜させた場合は、シリコンウェーハ12の底面とかかる棚板56の先端が接触し、接触面積を特に小さくすることができる。下方に傾斜させた場合は、シリコンウェーハ12の底面の縁線とかかる棚板56の上面が接触するが、振動等により位置ずれの恐れがある場合でも、安定的に保持することが可能である。尚、4本の支柱からなる例をここに示すが、3本の支柱からなる保持治具であっても同様に棚板により載置場所が構成できることはいうまでもない。
図9B及び9Cに示すように複数のシリコンウェーハ12が、ほぼ水平に載置されており、この治具を用いれば、一回に多くのシリコンウェーハ12を同時に処理できることがわかる。この保持治具は、炭化ケイ素焼結体から構成されており、十分な強度を備えている。因みに、酸化ケイ素では、このような構造体を熱処理炉内で維持することが困難である。1200℃にまで温度が上がると軟化するからである。このように、SiC製の治具は強度が高く、大重量のウェーハを処理しても変形量が少なく耐久性が高い。また、Arアニールによる劣化が少なく、表面の汚染若しくは劣化部分を除去することで再利用が可能という利点がある。
以上より、通常の熱処理工程の最中に、雰囲気を変えるという比較的容易な方法で、不用意に不純物としてシリコンウェーハに侵入する元素の量を著しく低減することができることが分かる。また、これらの不純物拡散メカニズムは必ずしも明確ではないが、Ar雰囲気処理時にウェーハ内へ進入したカーボン不純物を、処理雰囲気をArから酸素へ切り替え、酸化膜を成長させることで吸収する効果があることが明らかとなった。
12 シリコンウェーハ
14 治具(SiC製)
16 棚部
18 孔

Claims (6)

  1. 少なくとも炭素を含む材料から構成される治具若しくは炉壁を含む熱処理炉内で、所定の温度以上に昇温し、所定の雰囲気中で熱処理を行うシリコンウェーハの製造方法において、
    当該シリコンウェーハの表面近傍の空孔欠陥を除去可能な温度において非酸化性の雰囲気下で熱処理を行う工程と、
    この工程に引き続いて前記非酸化性の雰囲気に酸素を導入する工程と、を備えるシリコンウェーハの製造方法。
  2. 前記治具若しくは炉壁は、炭化ケイ素製であることを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  3. 前記酸素を導入する工程において、降温を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  4. 前記酸素を導入する工程において、前記熱処理炉内の温度が500℃以上で酸素導入を開始することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造方法。
  5. 前記非酸化性の雰囲気は、アルゴン雰囲気であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造方法。
  6. 前記酸素を導入する工程の結果、形成される酸化物層の厚みが0.01〜0.1μmであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造方法。
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