JP2010177162A - 二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、繰り返し充放電特性が高く、高容量の二次電池を高い生産性で作製する方法を提供することである。
【解決手段】第1の集電体上に正極活物質を設けた正極材料と、第2の集電体上に負極活物質を設けた負極材料のいずれか一方の活物質層表面に、加熱融解した固体電解質を塗布し、固体電解層を形成し、もう一方の電極材料の活物質層と該固体電解層とを、加熱した液体を介して密着することを特徴とする二次電池の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】第1の集電体上に正極活物質を設けた正極材料と、第2の集電体上に負極活物質を設けた負極材料のいずれか一方の活物質層表面に、加熱融解した固体電解質を塗布し、固体電解層を形成し、もう一方の電極材料の活物質層と該固体電解層とを、加熱した液体を介して密着することを特徴とする二次電池の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、生産性が高く、繰り返し充放電特性が良好な二次電池およびその製造方法に関する。
固体電解質を電解液の代わりに用いる電池は、電解液を用いない為液漏れがなく安全性が高いこと、電解液の注液工程が不要になること、コストの高いセパレータが不要になる等、多くの利点がある。固体電解質を用いた電池の製造方法としては、熱融解した電解質を電極材料の活物質層に塗布し、加熱ローラーで両極を集電体の金属箔から加熱しながら、正極材料と負極材料を密着させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法では電極材の金属箔を加熱して密着しその後冷却する為、集電体の金属箔と活物質層が接着した界面で熱膨張、収縮によるひずみが生じて界面の密着性が劣化し、繰り返し充放電した際の容量に低下をもたらす問題があった。
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、繰り返し充放電特性が高く、高容量の二次電池を高い生産性で作製する方法を提供することである。
本発明は、活物質層表面に加熱した液体を塗布することで、活物質層または固体電解質層の表面を軟化させた後、両極を密着するものである。この場合、集電体金属箔と活物質層界面へ熱は伝わりにくく、界面の密着性の劣化が起こりにくい。従って、繰り返し充放電した際も容量低下を起こさず安定した充放電特性に優れていることを見出した。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.第1の集電体上に正極活物質を設けた正極材料と、第2の集電体上に負極活物質を設けた負極材料のいずれか一方の活物質層表面に、加熱融解した固体電解質を塗布し、固体電解層を形成し、もう一方の電極材料の活物質層と該固体電解層とを、加熱した液体を介して密着することを特徴とする二次電池の製造方法。
2.前記加熱した液体と前記固体電解質が、同じ有機溶剤を含むことを特徴とする前記1に記載の二次電池の製造方法。
3.前記加熱融解した固体電解質を前記活物質層表面に塗布する前に、前記活物質層表面に液体を塗布することを特徴とする前記1、2いずれか1項に記載の二次電池の製造方法。
4.前記第1の集電体または前記第2の集電体が、金属箔の活物質を塗布しない面に樹脂層を有した集電体であることを特徴とする前記1から3いずれか1項に記載の二次電池の製造方法。
本発明は、活物質層表面に加熱した液体を塗布することで、活物質層または固体電解質層の表面を軟化させた後、両極を密着する事で作製するもので、繰り返し充放電特性が高く、高容量の二次電池を高い生産性で作製する方法を提供する事ができた。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための最良の形態等について詳細な説明をする。
〔集電体〕
本発明おける集電体とは、正極集電体または負極集電体のことであり、例えばニッケル、アルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス等の金属箔や金属平板、メッシュ状電極、炭素電極等を用いることができる。このような集電体に触媒効果を持たせたり、活物質と集電体とを化学結合させたりしてもよい。
〔集電体〕
本発明おける集電体とは、正極集電体または負極集電体のことであり、例えばニッケル、アルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス等の金属箔や金属平板、メッシュ状電極、炭素電極等を用いることができる。このような集電体に触媒効果を持たせたり、活物質と集電体とを化学結合させたりしてもよい。
また、負極と正極集電体との電気的接触を防ぐ目的で、両者の間にプラスティック樹脂等からなる絶縁パッキンを配置した構成としてもよい。
なお、本願発明の第1の集電体、第2の集電体は、どちらが正極でも負極でも構わないが、第1の集電体と第2の集電体はお互い異なる集電体を意味し、例えば第1の集電体が正極集電体の場合には、第2の集電体は負極集電体となる。
集電体が金属箔の場合、活物質の塗布、乾燥、圧延工程で金属箔に皺がよることを防止する目的で、金属箔の一方の面に樹脂層を設けた金属箔/樹脂複合体を用いることができる。樹脂層の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、トリアセチルセルロース、ポリイミド等が挙げられる。金属箔と樹脂層の接着方法は特に限定されないが、金属箔と樹脂フィルムを、接着剤を介して貼りあわせる方法が好ましい。接着剤にて強固に貼り付けても良いし、粘着剤にてゆるく貼り付けておき、製造後に剥離しても良い。さらに低コスト化と環境上、剥離後の樹脂フィルムは、リサイクル使用することが望ましい。なお、集電体層は支持体の片面のみに有していても良いし、両面に有していても良い。樹脂層の厚さは、10〜50ミクロンが好ましい。樹脂層は厚すぎると電池の大きさに対するエネルギー密度が低下してしまう、一方、薄すぎると金属箔の強度が十分上がらず、皺がよってしまう。
〔正極活物質層〕
正極活物質層としては、正極活物質と導電剤と結着剤が混合されていることが好ましく、これらを混合するために溶媒が用いられるが、その他にイオン導電材料や電解質等を混合しても良い。
〔正極活物質層〕
正極活物質層としては、正極活物質と導電剤と結着剤が混合されていることが好ましく、これらを混合するために溶媒が用いられるが、その他にイオン導電材料や電解質等を混合しても良い。
正極活物質の具体例としては、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn2O4またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウム・コバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1−yCoyO2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnyCo1−yO2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2−yNiyO4)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(LixFePO4、LixFe1−yMnyPO4、LixCoPO4など)、硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、バナジウム酸化物(例えばV2O5)などから選択される少なくとも一種が挙げられる。なお、これらの化学式中、x,yは0〜1の範囲であることが好ましい。)
より好ましい正極活物質は、電池電圧が高いリチウムマンガン複合酸化物(LixMn2O4)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウム・コバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1−yCoyO2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2−yNiyO4)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LixMnyCo1−yO2)、リチウムリン酸鉄(LixFePO4)などが挙げられる。(なお、x,yは0〜1の範囲であることが好ましい。)これらの正極活物質は酸化性の雰囲気下での焼結により結晶性が向上し電池特性を向上させる。
より好ましい正極活物質は、電池電圧が高いリチウムマンガン複合酸化物(LixMn2O4)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウム・コバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1−yCoyO2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2−yNiyO4)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LixMnyCo1−yO2)、リチウムリン酸鉄(LixFePO4)などが挙げられる。(なお、x,yは0〜1の範囲であることが好ましい。)これらの正極活物質は酸化性の雰囲気下での焼結により結晶性が向上し電池特性を向上させる。
本発明の導電材料としては、インピーダンスを低下させることが出来れば特に限定されないが、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、気相成長炭素繊維等の炭素質微粒子、銅、銀、金、白金等の金属微粒子、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられる。
本発明の結着剤としては、正極活物質や導電剤が集電体に結着されれば特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等の樹脂バインダーが挙げられる。
本発明の溶剤としては、特に制限されずに従来知られている溶剤、特にリチウムイオン電池で使用される溶剤が好ましく、例えば、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N−ピロリドンなどが用いられる。
〔負極活物質層〕
負極活物質としては、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料を含んでいる。リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料としては、例えば、炭素材料、金属化合物、酸化物、硫化物、LiN3などのリチウム窒化物、リチウム金属、リチウムと合金を形成する金属、あるいは高分子材料などが挙げられる。中でも、負極活物質としては、炭素質材料が好ましく用いられる。炭素質材料の電子伝導性が集電の目的に対して充分でない場合、導電剤を添加することも好ましい。
〔負極活物質層〕
負極活物質としては、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料を含んでいる。リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料としては、例えば、炭素材料、金属化合物、酸化物、硫化物、LiN3などのリチウム窒化物、リチウム金属、リチウムと合金を形成する金属、あるいは高分子材料などが挙げられる。中でも、負極活物質としては、炭素質材料が好ましく用いられる。炭素質材料の電子伝導性が集電の目的に対して充分でない場合、導電剤を添加することも好ましい。
炭素材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維あるいは活性炭が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。また、高分子材料としてはポリアセチレンあるいはポリピロール等が挙げられる。
このようなリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料のなかでも、充放電電位が比較的リチウム金属に近いものが好ましい。なかでも炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れたサイクル特性を得ることができるので好ましい。
リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料としては、また、リチウム金属単体、リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が挙げられる。これらは高いエネルギー密度を得ることができるので好ましく、特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうち2種以上が共存するものがある。このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。なかでも、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素(Si)あるいはスズ(Sn)、またはこれらの合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。この他、MnO2、V2O5、V6O13、NiS、MoSなど、リチウム(Li)を含まない無機化合物も、用いることができる。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、非晶質炭素などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、バインダーとしては、例えば、ポリビニルフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが例示でき、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。
〔固体電解質〕
本発明における固体電解質は、負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うもので、室温で固体であり、一般には室温で10−5〜10−1S/cmのイオン伝導性を有している。また、加熱することで、融解して液体になるものである。融解させるための加熱温度としては、100〜200℃がこのましく、さらに好ましくは120〜170℃である。
〔固体電解質〕
本発明における固体電解質は、負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うもので、室温で固体であり、一般には室温で10−5〜10−1S/cmのイオン伝導性を有している。また、加熱することで、融解して液体になるものである。融解させるための加熱温度としては、100〜200℃がこのましく、さらに好ましくは120〜170℃である。
本発明における固体電解質の成分の例としては、高分子化合物、有機溶剤、リチウム塩等が挙げられる。また、イオン伝導性化合物を保持する無機酸化物微粒子固体電解質を含んでも良い。
高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体や、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリロニトリル系重合体、さらにポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体などが挙げられる。
有機溶剤としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ−1−メトキシエタン等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、などの非プロトン性有機溶媒の一種又は二種以上を混合して使用し、これらの有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものを用いることができる。
リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(CF3SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類などがあげられる。
また、特表平6−511595、WO02−019450に記載の固体電解質についても好適に用いることができる。
〔イオン伝導性化合物を保持する無機酸化物微粒子固体電解質〕
イオン伝導性化合物を保持する無機酸化物微粒子固体電解質とは、負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には室温で10−5〜10−1S/cmのイオン伝導性を有している。本特許における無機酸化物微粒子は、超微粒子であり高い比表面積を持ち、表面に多くのイオン伝導性化合物を含有することができる。さらに、そのため、イオン伝導性ポリマーなどの高分子を含有することなく、さらに、可燃性有機溶媒を含むことなくゲル状固体に擬固体化する。したがって、取り扱いが簡便でかつ、可燃性液体を含まないため耐熱性が高い電解質が得られる。さらに、ポリマーを含有しないことから低温特性がよい。
〔イオン伝導性化合物を保持する無機酸化物微粒子固体電解質〕
イオン伝導性化合物を保持する無機酸化物微粒子固体電解質とは、負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には室温で10−5〜10−1S/cmのイオン伝導性を有している。本特許における無機酸化物微粒子は、超微粒子であり高い比表面積を持ち、表面に多くのイオン伝導性化合物を含有することができる。さらに、そのため、イオン伝導性ポリマーなどの高分子を含有することなく、さらに、可燃性有機溶媒を含むことなくゲル状固体に擬固体化する。したがって、取り扱いが簡便でかつ、可燃性液体を含まないため耐熱性が高い電解質が得られる。さらに、ポリマーを含有しないことから低温特性がよい。
イオン伝導性化合物は、シラン基、カルボニル基、水酸基など、無機酸化物微粒子と共有結合を形成できる部分によって、無機酸化物微粒子表面に保持される。これらは、多くの種類が市販されており利用できる。また、所定の方法によって任意に合成することで容易に得ることができる。特に、シラン基を含有するイオン伝導性化合物は、シランカップリング剤としてみることができ、シラン基がコアシェル粒子表面の水酸基と非常に安定な共有結合を形成することができる観点から、好ましく用いることができる。
シラン基を含有するイオン伝導性化合物を得る方法としては、様々な方法があるが、水酸基を有するイオン伝導性化合物とイソシアナート基を持つイソシアナートアルキルアルコキシシランを直接反応させることによって、水酸基とイソシアネート基がウレタン結合し、イオン伝導性化合物であるシランカップリング剤を得ることができる。
更に例を挙げると、例えば、特開2006−57093号公報に記載の方法を用いて、次のような手順で調製することができる。水酸基を有するイオン伝導性化合物と、脂肪族及び/または環式脂肪族ジイソシアナートとを反応させることにより得られたモノイソシアナート官能性化合物を、任意に選択したアミノアルキルアルコキシシランと反応させることによりイオン伝導性化合物であるシランカップリング剤を得ることができる。
イオン伝導性化合物であるシランカップリング剤の調製法は、上記例示した方法に限らず、任意の方法を用いることができる。
イオン伝導性を有する化合物としては、例えば、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラジエチレングリコール、テトラジエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等、更に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドの水酸基を有し、数平均量が500〜50000のホモ重合生成物または共重合組成物等を挙げることができる。これら例示した各化合物は、イオン伝導性を持つ化合物である。
イソシアナートの官能性化合物としては、エチレンジイソシアナート、メチレンジシソシアナート、ヘキサメチレンジシソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、シクロブタン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3及び1,4−ジイソシアナート又は1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサンもしくはこの種のジイソシアナートの任意の混合物である。
アミノアルキルアルコキシシランの例としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシランなどが市販されており、任意に用いることができる。
イソシアナートアルキルアルコキシシランの例としては、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどが市販されており、任意に用いることができる。
〔加熱した液体を介して密着〕
本発明における加熱した液体(単に液体ともいう)とは、活物質層または固体電解質表面に塗布され、活物質層または固体電解質表面の温度を上げることで軟化させ、正負極を貼合する際の密着性を上げる効果をもつ。したがって、本液体は、固体電解質または活物質層表面を軟化させる温度で液体であることが好ましい。また、リチウムイオン電池は高い電圧を有する為、プロトン性の溶媒や水が電池内に存在すると、充放電の際、電気分解を起こして水素ガスを発生する可能性がある。この為、本液体は、非プロトン性溶媒であることが好ましい。液体の例としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリジノン、N−メチルホルミルピペリジン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられる。その他、前述の固体電解質に含まれる高分子化合物、有機溶剤、リチウム塩を含むことができる。固体電解質と活物質層の密着性をより高めるためには、固体電解質と加熱した液体に含まれる有機溶剤は同じものが含まれていることが好ましい。
〔加熱した液体を介して密着〕
本発明における加熱した液体(単に液体ともいう)とは、活物質層または固体電解質表面に塗布され、活物質層または固体電解質表面の温度を上げることで軟化させ、正負極を貼合する際の密着性を上げる効果をもつ。したがって、本液体は、固体電解質または活物質層表面を軟化させる温度で液体であることが好ましい。また、リチウムイオン電池は高い電圧を有する為、プロトン性の溶媒や水が電池内に存在すると、充放電の際、電気分解を起こして水素ガスを発生する可能性がある。この為、本液体は、非プロトン性溶媒であることが好ましい。液体の例としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリジノン、N−メチルホルミルピペリジン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられる。その他、前述の固体電解質に含まれる高分子化合物、有機溶剤、リチウム塩を含むことができる。固体電解質と活物質層の密着性をより高めるためには、固体電解質と加熱した液体に含まれる有機溶剤は同じものが含まれていることが好ましい。
加熱して塗布する際、液体の温度は、100から200℃が好ましい。加熱温度が高すぎると液体が蒸発・分解を起こす可能性がある。逆に、温度が低すぎると活物質層の表面を十分に軟化させることが出来ず、電解質と活物質層密着性を高めることが出来ない。
加熱した液体の塗布量は、1〜50g/m2が好ましく、3〜20cm3/m2がさらに好ましい。多すぎると熱が支持体と活物質層の界面まで達し、活物質層と金属箔界面の接着性を劣化させる。また少なすぎると活物質層に十分な熱が与えられず、電解質と活物質層密着性が低下する。
加熱した液体は、加熱融解した固体電解質を塗布しない方の電極材料の活物質層表面、または、塗布された後の固体電解質表面に、塗布することが好ましい。
加熱融解した固体電解質を活物質層に塗布する前に、その活物質層表面に加熱した液体に用いる液体を塗布してから固体電解質を塗布してもよい。この場合、固体電解質と塗布された活物質層表面の密着性がより高まる。加熱した液体に用いる液体は、加熱しない状態でも効果を発揮するが加熱したほうがより密着性向上に効果を発揮する。
これらの加熱した液体を用いる電極材料と固体電解質の密着方法は、正極材と負極材の貼合時に加熱ローラーによって加熱する方法と比べて、活物質表面の加熱をもたらす一方、支持体への加熱は抑制でき、樹脂製の支持体を集電体に用いる場合では、支持体の熱による変形が少なく有効な方法である。
〔電池の形状〕
本発明の電池の形状および外観については特に限定されるものではなく、従来公知のものを採用することができる。すなわち、このような電池形状としては、例えば、電極積層体または巻回体を、金属ケース、樹脂ケース、もしくはアルミニウム箔などの金属箔と合成樹脂フィルムとからなるラミネートフィルム等によって封止したものが挙げられる。また、電池の外観としては、円筒型、角型、コイン型、シート状ラミネート型等が挙げられる。フレキシブル性を考慮した場合には、シート状ラミネート型が好ましい。
〔ラミネート型二次電池〕
電池容量を稼ぐために巻回したり、複数枚重ね合わせてからラミネートするのが好ましい。特にフレキシブル性を考慮すると、複数枚重ね合わせてラミネートするタイプが好ましい。
〔電池の形状〕
本発明の電池の形状および外観については特に限定されるものではなく、従来公知のものを採用することができる。すなわち、このような電池形状としては、例えば、電極積層体または巻回体を、金属ケース、樹脂ケース、もしくはアルミニウム箔などの金属箔と合成樹脂フィルムとからなるラミネートフィルム等によって封止したものが挙げられる。また、電池の外観としては、円筒型、角型、コイン型、シート状ラミネート型等が挙げられる。フレキシブル性を考慮した場合には、シート状ラミネート型が好ましい。
〔ラミネート型二次電池〕
電池容量を稼ぐために巻回したり、複数枚重ね合わせてからラミネートするのが好ましい。特にフレキシブル性を考慮すると、複数枚重ね合わせてラミネートするタイプが好ましい。
複数枚重ね合わせてからラミネートするラミネート型二次電池の作製方法としては、第1の集電体の両面に正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層を貼合したものを所望の大きさに断裁し、それを複数枚重ね合わせて、正極、負極リード線を取り付けた状態でラミネート封入すればよい。断裁、積層の順序は、1枚づつ断裁してから積層しても、一定の大きさで一度積層させてから、まとめて所望の大きさに断裁しても良い。断裁方法としては、特に限定されるものではなく、スリット断裁、ギロチン断裁、ロール断裁等従来公知のものを用いればよい。
このように作成した積層された二次電池のラミネート包装としては、通気遮断性を有する金属シートの片面または両面に、絶縁熱融着性樹脂層を少なくとも1層積層したラミネートシート外装体を用いて、積層した二次電池を包み込んだ後、ラミネートシート周縁部分の熱融着性樹脂層同士を互いに密着させ、加圧/加熱することで熱融着性樹脂層同士を熱融着させることにより密閉することで行われる。
ラミネートシートを構成する金属シートには、電池外の水分や酸素の電池内への侵入や電池内の固体電解質の電池外への漏れを防ぐことができるものであれば特に制限はなく、公知の金属材料、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅などが用いられる。金属シートの厚みとしては、10μm〜150μm、好ましくは30μm〜100μmがよい。薄すぎる場合には、電池外の水分や酸素の電池内への侵入防止が十分でなかったり、強度が足りず、厚すぎると、ラミネートシート外装体の溶着封止の際に、熱融着性樹脂層に十分に熱を伝えることができずに、溶着封止後の気密信頼性が低下したり、電池のエネルギー密度が低下する場合がある。
絶縁熱融着性樹脂としては、熱融着によりラミネートシート外装体を封止できるものであれば特に制限はなく、公知の絶縁熱融着性樹脂を用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、アイオノマー樹脂などや、これらの共重合体が挙げられる。熱融着性樹脂層の厚みは、20μm〜100μm、好ましくは30μm〜80μmが良い。薄すぎると溶着後の機械的強度が不足し、厚すぎると、気密信頼性が低下する場合がある。
上記のようなラミネート包装を行うことにより、良好なガスバリア性や光遮断性を有しており、また、容易に溶着封止することができる。
また、ラミネートシートは、電池内側となる金属シートの片面には上記の熱融着性樹脂層、電池外側となるもう一方の面には、機械的強度に優れた樹脂で構成することが好ましい。この機械的強度に優れた樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン66などのナイロン、などが挙げられる。
なお、ラミネートシート型二次電池の形状は、正方形および長方形の他に、4隅の1つ以上を曲線とした形状や、4隅の1つ以上を切り落とした形状でも良い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
<正極活物質層塗布液>
リチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2)94質量部と、導電材としてグラファイト3質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)3質量部とを均質に混合してN−メチルピロリドンを添加し、正極活物質塗布液を得た。
<負極活物質層塗布液>
黒鉛97質量部と、結着剤としてPVdF3質量部とを均質に混合してN−メチルピロリドンを添加し負極活物質塗布液を得た。
<固体電解質>
下記素材を、水分5ppm以下の乾燥雰囲気下で混合した。
<正極活物質層塗布液>
リチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2)94質量部と、導電材としてグラファイト3質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)3質量部とを均質に混合してN−メチルピロリドンを添加し、正極活物質塗布液を得た。
<負極活物質層塗布液>
黒鉛97質量部と、結着剤としてPVdF3質量部とを均質に混合してN−メチルピロリドンを添加し負極活物質塗布液を得た。
<固体電解質>
下記素材を、水分5ppm以下の乾燥雰囲気下で混合した。
エチレンカーボネート 147g
テトラグライム 73g
LiClO4 20g
次に、上記混合物を7g とポリビニルフッ化ビニリデン(Solvay社製 Solef 1015)3gを150℃に加熱し混合した。その後、室温に冷却してペレットの固体にすることで、固体電解質を作製した。
<活物質層に加熱して塗布する液体>
(液体Aの作製)
下記素材を、水分5ppm以下の乾燥雰囲気下で混合した。
テトラグライム 73g
LiClO4 20g
次に、上記混合物を7g とポリビニルフッ化ビニリデン(Solvay社製 Solef 1015)3gを150℃に加熱し混合した。その後、室温に冷却してペレットの固体にすることで、固体電解質を作製した。
<活物質層に加熱して塗布する液体>
(液体Aの作製)
下記素材を、水分5ppm以下の乾燥雰囲気下で混合した。
エチレンカーボネート 147g
テトラグライム 73g
次に、上記の方法で得られた液体を液体Aとした。尚、ここで使用した液体は、固体電解質の有機溶剤と同じものを用いた。
(液体Bの作製)
ジメチルスルホキシドを液体Bとした。尚、ここで使用した液体は、固体電解質の有機溶剤と異なる有機溶剤を用いた。
<正極および負極活物質の集電体への塗布>
第1の集電体(正極集電体)として厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に前記正極活物質層塗布液を押出しコーターで膜厚120μmに塗布し、赤外線ヒーターで加熱乾燥した。その後、プレス機にて活物質層を100μmに圧縮し、正極材料を得た。次に、第2の集電体(負極集電体)として厚さ20μmの銅箔の片面に前記負極活物質層塗布液を押出しコーターにて膜厚120μmで塗布し、赤外線ヒーターで加熱乾燥した。その後、プレス機にて活物質層を100μmに圧縮し、負極材料を得た。
<固体電解質の加熱融解塗布>
固体電解質を150℃に加熱し融解した後、押し出しコーターにて50μmの厚さになるように正極材料の活物質層表面に塗布した。一方、負極材料の活物質層表面に150℃に加熱した液体Bを、5g/m2の厚さで塗布した。続けて、正極材料の固体電解質層と負極材料の活物質層表面をローラーを介して圧着させた。圧着後、室温にて冷却することにより、固体電解質が固化して正極活物質と負極活物質が固体電解質を介して接着した電池のセルが得られた。このセルを、全体を厚さ40μmのアルミニウム箔とアルミニウム箔の両面に形成されたポリプロピレン層から構成された厚さが0.1mmのラミネートフィルムからなるバッグに収納し、80℃で24時間真空乾燥を施した。その後、80℃に保ったまま、ヒートシールを行い完全密封し二次電池1を作成した。電解質塗布工程の図を図1に示す。
〈二次電池2〜6、および比較二次電池1および2の作製〉
前記二次電池1と同様にして、表1に示す組み合わせで二次電池2〜6、および比較二次電池1および2を作製した。それぞれの電解質塗布工程の図を図2〜5に示す。
[繰り返し充放電特性]
前記の電池をそれぞれ各10個作製した。それぞれの電池について、25℃環境下において、上限電圧4.2VまでC/2の定電流で充電した後、下限電圧2.5VまでC/2の定電流放電を行った。なお、ここで1Cとは、作製した電池の正極活物質量より算出した容量を1時間で充電するのに必要な電流量とする。この充放電サイクルを10回、100回繰り返し、1回目の放電量との比率を求めた。
テトラグライム 73g
次に、上記の方法で得られた液体を液体Aとした。尚、ここで使用した液体は、固体電解質の有機溶剤と同じものを用いた。
(液体Bの作製)
ジメチルスルホキシドを液体Bとした。尚、ここで使用した液体は、固体電解質の有機溶剤と異なる有機溶剤を用いた。
<正極および負極活物質の集電体への塗布>
第1の集電体(正極集電体)として厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に前記正極活物質層塗布液を押出しコーターで膜厚120μmに塗布し、赤外線ヒーターで加熱乾燥した。その後、プレス機にて活物質層を100μmに圧縮し、正極材料を得た。次に、第2の集電体(負極集電体)として厚さ20μmの銅箔の片面に前記負極活物質層塗布液を押出しコーターにて膜厚120μmで塗布し、赤外線ヒーターで加熱乾燥した。その後、プレス機にて活物質層を100μmに圧縮し、負極材料を得た。
<固体電解質の加熱融解塗布>
固体電解質を150℃に加熱し融解した後、押し出しコーターにて50μmの厚さになるように正極材料の活物質層表面に塗布した。一方、負極材料の活物質層表面に150℃に加熱した液体Bを、5g/m2の厚さで塗布した。続けて、正極材料の固体電解質層と負極材料の活物質層表面をローラーを介して圧着させた。圧着後、室温にて冷却することにより、固体電解質が固化して正極活物質と負極活物質が固体電解質を介して接着した電池のセルが得られた。このセルを、全体を厚さ40μmのアルミニウム箔とアルミニウム箔の両面に形成されたポリプロピレン層から構成された厚さが0.1mmのラミネートフィルムからなるバッグに収納し、80℃で24時間真空乾燥を施した。その後、80℃に保ったまま、ヒートシールを行い完全密封し二次電池1を作成した。電解質塗布工程の図を図1に示す。
〈二次電池2〜6、および比較二次電池1および2の作製〉
前記二次電池1と同様にして、表1に示す組み合わせで二次電池2〜6、および比較二次電池1および2を作製した。それぞれの電解質塗布工程の図を図2〜5に示す。
[繰り返し充放電特性]
前記の電池をそれぞれ各10個作製した。それぞれの電池について、25℃環境下において、上限電圧4.2VまでC/2の定電流で充電した後、下限電圧2.5VまでC/2の定電流放電を行った。なお、ここで1Cとは、作製した電池の正極活物質量より算出した容量を1時間で充電するのに必要な電流量とする。この充放電サイクルを10回、100回繰り返し、1回目の放電量との比率を求めた。
上記評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、比較例1〜3は、固体電解質と電極との密着性が良くないため、特に100回充放電を繰り返したときに、放電量が低下し、繰り返し充放電特性が良くないことがわかる。一方、本発明に係る電池は、固体電解質と電極との密着性が良好なため、充放電サイクルを繰り返しても、放電量の低下が少ないことがわかる。すなわち、本発明の手段により、充放電特性が高く、高容量の二次電池を高い生産性で作製することが出来ることがわかる。
11 押し出しコーター
12 圧着ローラー
13 活物質面
14 正極材
15 集積体面
16 負極材
17 液体塗布コーター
12 圧着ローラー
13 活物質面
14 正極材
15 集積体面
16 負極材
17 液体塗布コーター
Claims (4)
- 第1の集電体上に正極活物質を設けた正極材料と、第2の集電体上に負極活物質を設けた負極材料のいずれか一方の活物質層表面に、加熱融解した固体電解質を塗布し、固体電解層を形成し、もう一方の電極材料の活物質層と該固体電解層とを、加熱した液体を介して密着することを特徴とする二次電池の製造方法。
- 前記加熱した液体と前記固体電解質が、同じ有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の製造方法。
- 前記加熱融解した固体電解質を前記活物質層表面に塗布する前に、前記活物質層表面に液体を塗布することを特徴とする請求項1、2いずれか1項に記載の二次電池の製造方法。
- 前記第1の集電体または前記第2の集電体が、金属箔の活物質を塗布しない面に樹脂層を有した集電体であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の二次電池の製造方法。
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- 2009-02-02 JP JP2009021376A patent/JP2010177162A/ja active Pending
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