JP2010177070A - 非水電解質二次電池用負極材の製造方法、並びにリチウムイオン二次電池及び電気化学キャパシタ - Google Patents

非水電解質二次電池用負極材の製造方法、並びにリチウムイオン二次電池及び電気化学キャパシタ Download PDF

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Abstract

【解決手段】一般式SiOx(1≦x≦1.10)で表される酸化珪素粒子を、有機アルミニウム化合物の溶液又は蒸気で処理することを特徴とする複合粒子からなる非水電解質二次電池用負極材の製造方法。
【効果】本発明の製造方法で得られた非水電解質二次電池用負極材をリチウムイオン二次電池負極材又は電気化学キャパシタとして用いることで、初回充放電効率が高く、高容量でかつサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。この製造方法は簡便であり、工業的規模の生産にも十分耐え得るものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極活物質として用いた際に高い初回充放電効率及び高容量、並びに良好なサイクル特性を有する非水電解質二次電池用負極材の製造方法並びにリチウムイオン二次電池及び電気化学キャパシタに関するものである。
近年、携帯型の電子機器、通信機器等の著しい発展に伴い、経済性と機器の小型化、軽量化の観点から、高エネルギー密度の非水電解質二次電池が強く要望されている。従来、この種の非水電解質二次電池の高容量化策として、例えば、負極材料にB,Ti,V,Mn,Co,Fe,Ni,Cr,Nb,Mo等の酸化物及びそれらの複合酸化物を用いる方法(特許第3008228号公報、特許第3242751号公報:特許文献1,2参照)、熔湯急冷したM100-xSix(x≧50at%,M=Ni,Fe,Co,Mn)を負極材として適用する方法(特許第3846661号公報:特許文献3参照)、負極材料に珪素の酸化物を用いる方法(特許第2997741号公報:特許文献4参照)、負極材料にSi22O,Ge22O及びSn22Oを用いる方法(特許第3918311号公報:特許文献5参照)等が知られている。
この中で、酸化珪素はSiOx(ただしxは酸化被膜のため理論値の1よりわずかに大きい)と表記することができるが、X線回折による分析では数nm〜数十nm程度のアモルファスシリコンがシリカ中に微分散している構造をとっている。このため、電池容量は珪素と比較して小さいものの炭素と比較すれば重量あたりで5〜6倍と高く、さらには体積膨張も小さく、負極活物質として使用しやすいと考えられていた。しかしながら、酸化珪素は不可逆容量が大きく、初期効率が70%程度と非常に低いため実際に電池を作製した場合では正極の電池容量を過剰に必要とし、活物質あたり5〜6倍の容量増加分に見合うだけの電池容量の増加を期待することができなかった。
酸化珪素の実用上の問題点は著しく初期効率が低い点にあり、これを解決する手段としては不可逆容量分を補充する方法、不可逆容量を抑制する方法が挙げられる。例えば、Li金属をあらかじめドープすることで、不可逆容量分を補う方法が有効であることが報告されている。しかしながら、Li金属をドープするためには負極活物質表面にLi箔を貼り付ける方法(特開平11−086847号公報:特許文献6参照)、及び負極活物質表面にLi蒸着する方法(特開2007−122992号公報:特許文献7参照)等が開示されているが、Li箔の貼り付けでは酸化珪素負極の初期効率に見合ったLi薄体の入手が困難、かつ高コストであり、Li蒸気による蒸着は製造工程が複雑となって実用的でない等の問題があった。
一方、LiドープによらずにSiの質量割合を高めることで初期効率を増加させる方法が開示されている。ひとつには珪素粉末を酸化珪素粉末に添加して酸化珪素の質量割合を減少させる方法であり(特許第3982230号公報:特許文献8参照)、他方では酸化珪素の製造段階において珪素蒸気を同時に発生、析出することで珪素と酸化珪素の混合固体を得る方法である(特開2007−290919号公報:特許文献9参照)。しかしながら、珪素は酸化珪素と比較して高い初期効率と電池容量を併せ持つが、充電時に400%もの体積膨張率を示す活物質であり、酸化珪素と炭素材料の混合物に添加する場合であっても、酸化珪素の体積膨張率を維持することができない上、結果的に炭素材料を20質量%以上添加して電池容量が1000mAh/gに抑えることが必要であった。一方、珪素と酸化珪素の蒸気を同時に発生させて混合固体を得る方法では、珪素の蒸気圧が低いことから2000℃を超える高温での製造工程を必要とし、作業上問題があった。
特許第3008228号公報 特許第3242751号公報 特許第3846661号公報 特許第2997741号公報 特許第3918311号公報 特開平11−086847号公報 特開2007−122992号公報 特許第3982230号公報 特開2007−290919号公報
本発明は、酸化珪素の高い電池容量と低い体積膨張率を維持しつつ、初回充放電効率が高く、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池負極用として有効な負極材の製造方法を提供し、ならびに得られた負極材を用いた非水電解質二次電池及び電気化学キャパシタを提供することを目的とする。
本発明者らは、炭素材料の電池容量を上回る活物質であって、珪素系負極活物質特有の体積膨張変化を抑制し、かつ珪素酸化物の欠点であった初回充放電効率の低下を向上させることが可能な珪素系活物質について検討した。その結果、一般式SiOx(1≦x≦1.10)で表される酸化珪素を負極活物質として用いた場合、一般式SiOx(1≦x≦1.10)中の酸素とLiイオンが反応し、不可逆なLi4SiO4が生成するため、初回の充放電効率が低下することが判明した。すなわち、一般式SiOx(1≦x≦1.10)の酸素量を低減することで、初回充放電効率が向上するとの前提で、一般式SiOx(1≦x≦1.10)の酸素量を低減すべく、還元方法について鋭意検討した結果、一般式SiOx(1≦x≦1.10)で表される酸化珪素粒子を、有機アルミニウム化合物の溶液又は蒸気で処理することにより、効果的に一般式SiOx(1≦x≦1.10)で表される酸化珪素中の酸素を還元することが可能となり、得られた処理物を非水電解質二次電池負極材として用いることで、初回充放電効率が向上すると共に、高容量でサイクル性に優れた非水電解質二次電池を得ることができることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記非水電解質二次電池用負極材の製造方法、並びにリチウムイオン二次電池及び電気化学キャパシタを提供する。
本発明の製造方法で得られた非水電解質二次電池用負極材をリチウムイオン二次電池負極材又は電気化学キャパシタとして用いることで、初回充放電効率が高く、高容量でかつサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。この製造方法は簡便であり、工業的規模の生産にも十分耐え得るものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の複合粒子からなる非水電解質二次電池用負極材の製造方法は、一般式SiOx(1≦x≦1.10)で表される酸化珪素粒子を、有機アルミニウム化合物の溶液又は蒸気で処理する方法である。
[酸化珪素]
本発明において酸化珪素とは、通常、二酸化珪素と金属珪素との混合物を加熱して生成した一酸化珪素ガスを冷却・析出して得られた非晶質の珪素酸化物の総称であり、本発明で用いられる酸化珪素粒子は一般式SiOx(1≦x≦1.10)で表される。酸化珪素を用いることで、充放電量を大きくすることができる。中でも、サイクル性向上の点から、珪素の微結晶が珪素系化合物に分散した構造を有する粒子が好ましい。また、珪素の微結晶が珪素系化合物に分散した構造を有する粒子において、珪素系化合物については、不活性なものが好ましく、製造しやすさの点において二酸化珪素が好ましい。
酸化珪素の平均粒子径は0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上であり、上限は30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。本発明において、平均粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における重量平均粒子径で表すことができる。また、BET比表面積は0.1m2/g以上が好ましく、0.2m2/g以上がより好ましい。上限は30m2/g以下が好ましく、20m2/g以下がより好ましい。xの値は自然酸化膜の形成により、若干1より大きくなるが、1≦x≦1.03であることが好ましい。酸化珪素粒子の平均粒子径及びBET比表面積が上記範囲外では、所望の平均粒子径及びBET比表面積を有する粒子が得られないおそれがある。
[有機アルミニウム化合物]
本発明で用いる有機アルミニウム化合物は、下記一般式(1)
AlR123 (1)
(式中、R1、R2、R3は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示す。)
で表されるものが挙げられる。炭素数1〜4のアルキル基としては、CH3、C25、n−C37等が挙げられる。
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハライド、ジイソブチルアルミニウムハライド等が挙げられるが、中でも、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムが好ましい。これらはそれぞれ融点、沸点は、トリメチルアルミニウム(融点;15.3℃、沸点;127.1℃)、トリエチルアルミニウム(融点;−45.5℃、沸点;186.6℃)であり、いずれも常温で液体であるため、蒸留精製等の簡単な手段で高純度化が容易であり、しかも、工業的に生産する際の入手が容易である。
[処理方法]
一般式SiOx(1≦x≦1.10)で表される酸化珪素粒子を、有機アルミニウム化合物の溶液又は蒸気で処理する方法としては、特に限定されない。例えば、下記の方法が挙げられる。
(1)酸化珪素粒子を、有機アルミニウム化合物溶液で処理する方法としては、酸化珪素粒子を、有機アルミニウム化合物溶液中で湿式混合した後、水洗・濾過する方法が挙げられる。
(2)酸化珪素粒子を、有機アルミニウム化合物蒸気で処理する方法としては、酸化珪素粒子を反応器内に仕込み、有機アルミニウム化合物を反応器内にガス状で供給し、上記酸化珪素粒子を処理する方法が挙げられる。
上記(2)の方法において、ガス状で供給する方法としては、有機アルミニウム化合物を加熱し、蒸気分として供給してもよく、窒素、水素、ヘリウム又はアルゴン等の非酸化性ガスもしくはこれらの混合ガスをキャリアガスとした飽和蒸気として供給してもよい。
上記(2)の方法において、有機アルミニウム化合物を反応器内にガス状で供給し、上記酸化珪素粒子を処理する方法において、処理温度は100℃以上1200℃未満が好ましく、200℃以上1150℃未満がより好ましい。処理温度が100℃未満では、有機アルミニウム化合物の蒸気量が不十分となり、効率的な処理が行なえないおそれがあり、1200℃以上だと、珪素の微結晶が珪素系化合物に分散した珪素の微結晶の結晶子サイズが大きくなり、非水電解質二次電池用負極材とした場合、電池容量が低下するおそれがある。処理中の圧力、つまり反応器内の圧力は10kPa以下が好ましい。10kPaより大きいと、原料粉体層の厚さが大きい場合、粉体層下部が未処理となるおそれがある。また、処理時間は処理量、有機アルミニウム化合物処理量、処理温度及び圧力により選定されるが、生産性の点でできるだけ短時間の方が好ましく、通常10分〜10時間の範囲で行うことが好ましい。処理時間が10分未満だと、処理不十分の可能性が高くなるおそれがあり、10時間より長いと生産性が低下するおそれがある。
有機アルミニウム化合物の処理量、つまり上記(2)の場合の供給量としては、酸化珪素粒子100質量部に対して、有機アルミニウム化合物1〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
[複合粒子からなる非水電解質二次電池用負極材]
本発明の製造方法で得られた複合粒子からなる負極材の物性は、特に限定されるものではないが、本発明の処理によって、本発明の酸化珪素を原料とする複合粒子中の酸素含有量は、好適には20〜35.5質量%、好ましくは25〜35質量%に調整することができる。酸素含有量が20質量%より少ないと、非水電解質二次電池用負極材として用いた場合、初回充放電効率及び電池容量は向上するものの、著しくサイクル性に劣るおそれがあり、一方、35.5質量%より大きいと、初回充放電効率が低下するおそれがある。
本発明における複合粒子からなる負極材のその他の物性は特に限定されるものではないが、平均粒子径が0.1〜30μmが好ましく、0.2〜20μmがより好ましい。平均粒子径が0.1μmより小さい粒子は製造が困難なばかりか、比表面積が大きくなり、粒子表面の二酸化珪素の割合が大きくなり、非水電解質二次電池負極材として用いた際に電池容量が低下するおそれがあり、一方、30μmより大きいと電極に塗布した際に異物となり、電池特性が低下するおそれがある。また、BET比表面積0.5〜30m2/gが好ましく、1〜20m2/gがより好ましい。BET比表面積が0.5m2/gより小さいと、電極に塗布した際の接着性が低下するおそれがあり、また電池特性が低下するおそれがある。また、30m2/gより大きいと、粒子表面の二酸化珪素の割合が大きくなり、リチウムイオン二次電池負極材として用いた際に電池容量が低下する。
また、導電性を付与するため、本発明で得られた複合粒子を化学蒸着処理又はメカニカルアロイングによって炭素蒸着を行い、カーボン被膜で被覆した被覆複合粒子を得ることができる。
被覆の方法としては、例えば、常圧下又は減圧下で600〜1200℃で、好ましくは800〜1100℃で、炭化水素系化合物ガス及び/又は蒸気を導入して公知の熱化学蒸着処理等を施すことにより、粒子表面にカーボン膜を形成することができる。それと同時に、珪素−炭素層の界面に炭化珪素層が形成された珪素複合体粒子としてもよい。なお、処理時間は目的とするカーボン被覆量、処理温度、有機物ガスの濃度(流速)や導入量等によって適宜選定されるが、通常、1〜10時間、特に2〜7時間程度が経済的にも効率的である。
炭化水素系化合物としては、カーボン被覆における熱処理温度で熱分解して炭素を生成するものが選択され、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、エチレン、プロピレン、ブチレン、アセチレン等の炭化水素の単独もしくは混合物、メタノール、エタノール等のアルコール化合物もしくはこれらの混合物、又はベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼン、クロルベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン等の1環乃至3環の芳香族炭化水素もしくはこれらの混合物が挙げられる。また、タール蒸留工程で得られるガス軽油、クレオソート油、アントラセン油、ナフサ分解タール油も単独もしくは混合物として用いられる。
なお、炭素被覆する場合、炭素被覆量は、複合粒子中に1〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
[リチウムイオン二次電池]
本発明で得られた非水電解質二次電池負極材を用いて、リチウムイオン二次電池を製造することができる。
この場合、得られたリチウムイオン二次電池は、上記負極材を用いる点に特徴を有し、その他の正極、負極、電解質、セパレータ等の材料及び電池形状等は公知のものを使用することができ限定されない。例えば、正極活物質としてはLiCoO2、LiNiO2、LiMn24、V25、MnO2、TiS2、MoS2等の遷移金属の酸化物及びカルコゲン化合物等が用いられる。電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム等のリチウム塩を含む非水溶液が用いられ、非水溶媒としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、2−メチルテトラヒドロフラン等の単体又は2種類以上を組み合わせて用いられる。また、それ以外の種々の非水系電解質や固体電解質も使用できる。
なお、上記二次電池負極材を用いて負極を作製する場合、二次電池負極材に黒鉛等の導電剤を添加することができる。この場合においても導電剤の種類は特に限定されず、構成された電池において、分解や変質を起こさない電子伝導性の材料であればよく、具体的にはAl,Ti,Fe,Ni,Cu,Zn,Ag,Sn,Si等の金属粉末や金属繊維又は天然黒鉛、人造黒鉛、各種のコークス粉末、メソフェーズ炭素、気相成長炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、各種の樹脂焼成体等の黒鉛を用いることができる。
[電気化学キャパシタ]
また、電気化学キャパシタを得る場合は、電気化学キャパシタは、電極に上記活物質を用いる点に特徴を有し、その他の電解質、セパレータ等の材料及びキャパシタ形状等は限定されない。例えば、電解質として六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、六フッ化砒素酸リチウム等のリチウム塩を含む非水溶液が用いられ、非水溶媒としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、2−メチルテトラヒドロフラン等の単体又は2種類以上を組み合わせて用いられる。また、それ以外の種々の非水系電解質や固体電解質も使用できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
平均粒子径が5μm、BET比表面積が6m2/gのSiOx(x=1.01)を、100g黒鉛製トレイに充填したものを原料とし、内容積0.2m3の処理炉内(反応器内)に仕込んだ。
次に炉内を真空ポンプにて排気して10Pa以下に減圧しながら、300℃/時間の昇温速度で1000℃まで昇温した。1000℃到達後、キャリアガスとして水素を使用し、1リットル/分の流量の水素でバブリングさせてトリメチルアルミニウム20gを炉内に供給した。なお、バブリングのシリンダ内は圧力約10kPa、温度40度で保持した。その時の炉内圧力は約60Paであり、その状態で約30分間の処理を行った。次に、処理ガスの流入を停止した後、加熱を停止し室温まで冷却した。得られた処理粒子は、酸素含有量;33.8質量%、平均粒子径;5.3μm、BET比表面積;5.8m2/gの粉末であった。
<電池評価>
次に、以下の方法で、得られた処理粒子を負極活物質として用いた電池評価を行った。
まず、得られた処理粒子に人造黒鉛(平均粒子径10μm)を45質量%、ポリイミドを10質量%加え、さらにN−メチルピロリドンを加えてスラリーとし、このスラリーを厚さ12μmの銅箔に塗布し、80℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成形し、この電極を350℃で1時間真空乾燥した後、2cm2に打ち抜き負極とした。負極の固形分組成は、処理粒子45質量%、人造黒鉛45質量%及びポリイミド10質量となる。
ここで、得られた負極の充放電特性を評価するために、対極にリチウム箔を使用し、非水電解質として六フッ化リンリチウムをエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの1/1(体積比)混合液に1モル/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用い、セパレータに厚さ30μmのポリエチレン製微多孔質フィルムを用いた評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
作製したリチウムイオン二次電池は、一晩室温で放置した後、二次電池充放電試験装置((株)ナガノ製)を用い、テストセルの電圧が0Vに達するまで0.5mA/cm2の定電流で充電を行い、0Vに達した後は、セル電圧を0Vに保つように電流を減少させて充電を行った。そして、電流値が40μA/cm2を下回った時点で充電を終了した。放電は0.5mA/cm2の定電流で行い、セル電圧が2.0Vを上回った時点で放電を終了し、放電容量を求めた。
以上の充放電試験を繰り返し、評価用リチウムイオン二次電池の50サイクル後の充放電試験を行った。その結果、初回充電容量1350mAh/g、初回放電容量1040mAh/g、初回充放電効率77.0%、50サイクル目の放電容量1020mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率98%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であることが確認された。
[実施例2]
処理温度を200℃とした他は実施例1と同様な方法で、トリメチルアルミニウム処理を行った。得られた処理粒子は、酸素含有量;34.7質量%、平均粒子径;5.0μm、BET比表面積;5.8m2/gの粉末であった。
次に、実施例1と同様な方法で負極を作製し、電池評価を行った。その結果、初回充電容量1310mAh/g、初回放電容量1000mAh/g、初回充放電効率76.3%、50サイクル目の放電容量990mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率99%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であることが確認された。
[実施例3]
処理時間を3時間とした他は実施例1と同様な方法で、トリメチルアルミニウム処理を行った。得られた処理粒子は、酸素含有量;23.6質量%、平均粒子径;5.8μm、BET比表面積;4.9m2/gの粒子であった。
次に、実施例1と同様な方法で負極を作製し、電池評価を行った。その結果、初回充電容量1890mAh/g、初回放電容量1540mAh/g、初回充放電効率81.5%、50サイクル目の放電容量1450mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率94%の若干サイクル性で実施例1に劣るものの、高容量、かつ初回充放電効率に優れたリチウムイオン二次電池であることが確認された。
[実施例4]
有機アルミニウム化合物をトリエチルアルミニウムとした他は実施例1と同様な方法で、処理を行った。得られた処理粒子は、酸素含有量;34.4質量%、平均粒子径;5.1μm、BET比表面積;6.1m2/gの粒子であった。
次に、実施例1と同様な方法で負極を作製し、電池評価を行った。その結果、初回充電容量1320mAh/g、初回放電容量1020mAh/g、初回充放電効率77.2%、50サイクル目の放電容量1000mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率98%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であることが確認された。
[比較例1]
実施例1で使用した原料(有機アルミニウム処理をしないもの)を負極とし、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。
その結果、初回充電容量1300mAh/g、初回放電容量950mAh/g、初回充放電効率73.1%、50サイクル目の放電容量930mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率98%の実施例1に比べ、あきらかに放電容量、初回充放電効率に劣るリチウムイオン二次電池であることが確認された。実施例1〜4、比較例1の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2010177070

Claims (5)

  1. 一般式SiOx(1≦x≦1.10)で表される酸化珪素粒子を、有機アルミニウム化合物の溶液又は蒸気で処理することを特徴とする複合粒子からなる非水電解質二次電池用負極材の製造方法。
  2. 上記処理が、上記酸化珪素粒子を有機アルミニウム化合物蒸気中で、100℃以上1200℃未満、10kPa以下で処理することを特徴する請求項1記載の非水電解質二次電池用負極材の製造方法。
  3. 上記有機アルミニウム化合物が、トリメチルアルミニウム又はトリエチルアルミニウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の非水電解質二次電池用負極材の製造方法。
  4. 請求項1、2又は3記載の製造方法により製造される非水電解質二次電池用負極材を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  5. 請求項1、2又は3記載の製造方法により製造される非水電解質二次電池用負極材を含むことを特徴とする電気化学キャパシタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019107990A1 (ko) * 2017-12-01 2019-06-06 주식회사 엘지화학 리튬이차전지용 음극 및 이를 포함하는 리튬이차전지

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WO2019107990A1 (ko) * 2017-12-01 2019-06-06 주식회사 엘지화학 리튬이차전지용 음극 및 이를 포함하는 리튬이차전지
US11575123B2 (en) 2017-12-01 2023-02-07 Lg Energy Solution, Ltd. Negative electrode for lithium secondary battery and lithium secondary battery including the same

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