JP2010175858A - 感活性光線または感放射線性樹脂組成物、および該組成物を用いたパターン形成方法 - Google Patents

感活性光線または感放射線性樹脂組成物、および該組成物を用いたパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 超微細領域での、特に、電子線、X線またはEUV光リソグラフィーにおける、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネス、およびアウトガス低減を同時に満足するポジ型レジスト組成物、それを用いたパターン形成方法を提供すること。
【解決手段】 活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する繰り返し単位(A)と、酸の作用により分解し、アルカリ水溶液に対する溶解性が増大する構造を有する繰り返し単位(B)を有する樹脂(P)、および、製膜により膜表面に偏在し保護膜を形成する化合物(U)を含有することを特徴とする、感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる感活性光線または感放射線性樹脂組成物、及びそれを用いたパターン形成方法に関し、更に詳しくは電子線、X線又はEUV光用ポジ型レジスト組成物、それを用いたパターン形成方法及びポジ型レジスト組成物に用いられる樹脂に関するものである。
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、さらにKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。さらには、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線、あるいはEUV光を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。
特に電子線やEUVによるリソグラフィーは、次世代もしくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられ、高感度、高解像性のポジ型レジストが望まれている。中でもウェハー処理時間の短縮化のために高感度化は非常に重要な課題であるが、化学増幅型レジストを用いる場合、特に電子線やEUVによるリソグラフィーにおいては、感度の低下やレジストパターンの形状劣化、解像性の低下等の不具合が生じるという問題がある。
このような不具合の原因の1つとして、環境中に存在するアミン等の塩基性物質のレジスト層へのコンタミネーション(環境影響)が挙げられる。すなわち、化学増幅型レジストは、酸の作用を利用するという反応機構上、塩基性物質のコンタミネーションにより酸が失活し、その性能(感度や形状、解像性等)が影響を受ける。また、このような環境影響は、工程遅延の長さ、たとえばレジストの塗布後、露光を行うまでの時間や、露光後、露光後加熱(PEB)を行うまでの時間等の長さによってもその程度が異なり、このことがロット間の性能の違いを生じさせ、感度や形状、解像性の変動等を生じさせてしまう。特に、電子線やEUVによるリソグラフィーにおいては、露光は通常、減圧環境下で行われるため、減圧操作やパージ操作等を行う必要があることから工程遅延が長く、環境影響が重大な問題となる。このような問題に対し、電子線又はEUVリソグラフィーに用いられるレジスト層用の保護膜形成用材料が開示されている(特許文献1)。すなわち、基板上にレジスト層を形成した後、該レジスト層上に保護膜形成用材料を用いて保護膜を形成し、該保護膜を介して前記レジスト層を電子線またはEUVにより選択的に露光し、PEB(露光後加熱)を施した後、前記保護膜を除去し、前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する方法である。しかしながら、このような保護膜形成用材料を用いて保護膜を形成する方法は工程が長くなり、より簡便で低コストの方法が求められている。
前述の不具合の別なる原因の1つとして、レジスト膜中からの塩基性物質や酸の揮散が挙げられる。数十nm以下の極微細なパターン形成においては、露光前、露光中、あるいは露光後の工程における極微量の塩基性物質や酸の揮散が、感度の低下やレジストパターンの形状劣化、解像性の低下等に大きく影響を及ぼし、その改善が課題となっている。
さらに、レジスト膜中からの化合物の揮発は、アウトガスとして非常に高価な露光機の汚染の原因となっており、レジスト膜からのアウトガスの低減もまた非常に重要な課題となっており、これらの解決が必要である。電子線・EUVリソグラフィーともに、装置内部を真空状態にすることが必須なため、この問題の解決は必要不可欠である。
このような問題に対して、レジスト層上に硼素を具備するグループを包含するポリマーからなるEUV放射線の透過率が50%より高いEUV透過性の保護膜(トップコート)を設けることが開示されている(特許文献2)。しかしながら、このような保護膜形成用材料を用いて保護膜を形成する方法は前述と同様に工程が長くなり、より簡便で低コストの方法が求められている。
特開2006−58739号公報 特許4036849号公報
本発明の目的は、超微細領域での、特に、電子線、X線またはEUV光リソグラフィーにおける、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネス、およびアウトガス低減を同時に満足するポジ型レジスト組成物、それを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記に示す本発明に到達したものである。
(1) 活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する繰り返し単位(A)と、酸の作用により分解し、アルカリ水溶液に対する溶解性が増大する構造を有する繰り返し単位(B)を有する樹脂(P)、および、製膜により膜表面に偏在し保護膜を形成する化合物(U)を含有することを特徴とする、感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
(2) 前記繰り返し単位(B)が、フェノール性水酸基の水素原子が酸の作用により脱離する基で置換された基を少なくとも1つ有する繰り返し単位であることを特徴とする、(1)に記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
(3) 前記繰り返し単位(B)が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
Figure 2010175858
ここで、R01、R02及びR03は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又は置換又は無置換のアルコキシカルボニル基を表す。またR03は、置換又は無置換のアルキレン基を表し、Arと結合して5員若しくは6員環を形成していてもよい。
Ar1は、芳香環基を表す。
n個のYは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
(4) 前記一般式(I)中のYが、下記一般式(II)で表されることを特徴とする、(3)に記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
Figure 2010175858
ここで、L1及びL2は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基又は置換又は無置換のアラルキル基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換の、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂環基、置換又は無置換の、ヘテロ原子を含んでいてもよい芳香環基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のアンモニウム基、置換又は無置換のメルカプト基、シアノ基又は置換又は無置換のアルデヒド基を表す。
Q、M、L1の少なくとも2つが結合して5員若しくは6員環を形成してもよい。
(5) 前記樹脂(P)が、繰り返し単位(A)として下記一般式(III)〜(V)で表わされる繰り返し単位の少なくとも1種類を有することを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
Figure 2010175858
ここで、R04、R05及びR07〜R09は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又は置換又は無置換のアルコキシカルボニル基を表す。
06は、シアノ基、置換又は無置換のカルボキシル基、−CO−OR25又は−CO−N(R26)(R27)を表す。R26とR27が結合して窒素原子とともに環を形成してもよい。
1 〜X3 は、各々独立に、単結合、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、−O−、−SO2 −、−CO−、−N(R33)−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を表す。
25は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアリール基又は置換又は無置換のアラルキル基を表す。
26、R27及びR33は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアリール基又は置換又は無置換のアラルキル基を表す。
Aは、活性光線又は放射線の照射により分解して酸アニオンを生じる構造部位を表す。
(6) 前記一般式(III)〜(V)中のAが、スルホニウム塩又はヨードニウム塩を含む構造部位であることを特徴とする、(5)に記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
(7) 前記繰り返し単位(A)が、活性光線又は放射線の照射により樹脂の側鎖に酸アニオンを生じる構造であることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
(8) 前記樹脂(P)が、更に、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位(C)を有することを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
Figure 2010175858
ここで、R01、R02及びR03は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又は置換又は無置換のアルコキシカルボニル基を表す。またR03は、置換又は無置換のアルキレン基を表し、Arと結合して5員若しくは6員環を形成していてもよい。
Ar1は、芳香環基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
(9) 前記化合物(U)が、重量平均分子量が1000〜100000の範囲の樹脂であることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
(10) 前記化合物(U)が、フッ素原子及び/又は珪素原子及び/又は側鎖に炭化水素基を有する樹脂であることを特徴とする、(9)に記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
(11) 更に、塩基性化合物を含有することを特徴とする、(1)〜(10)のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
(12) 露光光源として、電子線、X線又はEUV光を用いることを特徴とする、(1)〜(11)のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
(13) (1)〜(12)のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成し、露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
なお、本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
本発明により、超微細領域での、特に、電子線、X線またはEUV光リソグラフィーにおける、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネス、およびアウトガス低減を同時に満足するポジ型レジスト組成物、該組成物を用いたパターン形成方法及び該組成物に適する樹脂を提供することができる。
実施例で合成した本発明の樹脂(P−1)のHNMRチャート。
以下、本発明について詳細に説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
<樹脂(P)>
本発明のポジ型レジスト組成物が含有する樹脂(P)は、活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する繰り返し単位(A)と、酸の作用により分解し、アルカリ水溶液に対する溶解性が増大する構造を有する繰り返し単位(B)を有することを特徴とする樹脂である。
(1)繰り返し単位(A)
繰り返し単位(A)としては、活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する繰り返し単位であれば、いずれでも用いることができる。
前記繰り返し単位(A)としては、例えば、下記一般式(III)〜(V)のいずれかで表わされる繰り返し単位が好ましい。
Figure 2010175858
ここで、R04、R05及びR07〜R09は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。
06は、シアノ基、カルボキシル基、−CO−OR25又は−CO−N(R26)(R27)を表す。R26とR27が結合して窒素原子とともに環を形成してもよい。
1 〜X3 は、各々独立に、単結合、アリーレン基、アルキレン基、シクロアルキレン基、−O−、−SO2 −、−CO−、−N(R33)−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を表す。
25は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
26、R27及びR33は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Aは、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を生じる構造部位を表す。
前記一般式(III)〜(V)における、R04 〜R05 、R07 〜R09 のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよいシクロアルキル基が挙げられる。好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個の単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子がより好ましい。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R04 〜R05 、R07 〜R09におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
25〜R27、R33のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよいシクロアルキル基が挙げられる。好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個の単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
アルケニル基としては、好ましくは置換基を有していても良いビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基の様な炭素数2〜6個のものが挙げられる。
アリール基としては、置換基を有していても良い炭素数6〜14個の単環、多環の芳香族基が好ましく、具体的にはフェニル基、トリル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。またアリール基同士が結合して、複環を形成していてもよい。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等の置換基を有していても良い炭素数7〜15個のものが挙げられる。
26とR27が結合して窒素原子とともに形成する環としては、5〜8員環を形成するものが好ましいが、具体的にはピロリジン、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
1 〜X3 のアリーレン基は、置換基を有していても良い炭素数6〜14個のものが好ましく、具体的にはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
アルキレン基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
シクロアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜8個のものが挙げられる。
前記一般式(III)〜(V)における各基の好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、R04 〜R09、R25〜R27、R33で挙げたアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基が挙げられ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
Aは、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を生じる構造部位を表し、具体的には光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物が有する構造部位が挙げられる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造部位としては、例えば、下記光酸発生剤が有しているイオン性構造部位を挙げることができる。
S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩。
米国特許第4,069,055号明細書、同4,069,056号明細書、同27,992号、等に記載のアンモニウム塩。
D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056 号等に記載のホスホニウム塩。
J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2-150,848号、特開平2-296,514号等に記載のヨードニウム塩。
J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et.al. J.Org.Chem., 43,3055(1978)、W.R.Watt etal, J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed., 22,1789(1984)、J.V.Crivello et al, Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al, Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al, J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同3,902,114 号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号等に記載のスルホニウム塩。
J.V.Crivello etal, Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、J.V.Crivello etal,J. PolymerSci., Polymer Chem.Ed., 17, 1047(1979)等に記載のセレノニウム塩。
C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩。
Aとしては、スルホニウム塩あるいはヨードニウム塩を含むイオン性構造部位がより好ましい。より具体的には、Aとして、下記一般式(ZI)又は(ZII)で表される基が好ましい。
Figure 2010175858
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましい。非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これにより樹脂の経時安定性が向上し、レジストの経時安定性も向上する。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、後述する(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)で表される基における対応する基を挙げることができる。
更に好ましい(ZI)で表される基として、以下に説明する(ZI−1)基、(ZI−2)基、及び(ZI−3)基を挙げることができる。
(ZI−1)基は、上記一般式(ZI)におけるR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウムをカチオンとする基である。
201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
例えば、トリアリールスルホニウム、ジアリールアルキルスルホニウム、アリールジアルキルスルホニウム、ジアリールシクロアルキルスルホニウム、アリールジシクロアルキルスルホニウムに相当する基を挙げることができる。
アリールスルホニウムにおけるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。アリールスルホニウムが2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウムが必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、(ZI−2)基について説明する。
(ZI−2)基は、一般式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す基である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
(ZI−3)基とは、以下の一般式(ZI−3)で表される基であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する基である。
Figure 2010175858
一般式(ZI−3)に於いて、
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-と同様の非求核性アニオンを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができ、シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくは、R1c〜R5cの内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R7cおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cにおけると同様のアルコキシ基を挙げることができる。
x及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
前記一般式(ZII)中、R204〜R205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204、R205のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204〜R205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
204、R205におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204、R205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R204、R205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましく、一般式(ZI)に於けるZ-と同様のものを挙げることができる。
Aとしては、下記一般式(ZCI)又は(ZCII)で表される基も好ましい例として挙げられる。
Figure 2010175858
上記一般式(ZCI)において、
301、R302は、各々独立に、有機基を表す。
301、R302としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R301〜R302が結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
301、R302の有機基として具体的には、例えば前記一般式(ZI)におけるR201〜R203の例として挙げたアリール基、アルキル基、シクロアルキル基等を挙げることができる。
Mはプロトンが付与して酸を形成する原子団を表す。より具体的には、後述する一般式AN1〜AN4で表される構造であり、この中でもAN1で表されるものが好ましい。
303は有機基を表す。R303としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。R303の有機基として具体的には、例えば前記一般式(ZII)におけるR204、R205の具体例として挙げたアリール基、アルキル基、シクロアルキル基等を挙げることができる。
また、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造部位としては、例えば、下記光酸発生剤が有しているスルホン酸前駆体となる構造部位を挙げることができる。
例えば、M.TUNOOKA etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs etal,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachietal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第618,564号、同4,371,605号、同4,431,774号の各明細書、特開昭64-18143 号、特開平2-245756号、特開平4-365048号等の各公報に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物。
特開昭61−166544号公報等に記載のジスルホン化合物。
さらに、V.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物。
繰り返し単位(A)は、活性光線又は放射線の照射により樹脂の側鎖に酸アニオンを生じる構造であることがより好ましい。このような構造を選択すると、発生した酸アニオンの拡散が抑制され、解像度向上、ラインエッジラフネス良化などの観点で有効である。
Aの好ましい具体例を以下に挙げるが、特にこれらに限定されない。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
本発明に有効に用いられる一般式(III)〜(V)のいずれかで表される繰り返し単位としては、より好ましくは、各々下記一般式(III−1)〜(III−6)、一般式(IV−1)〜(IV−4)、一般式(V−1)〜(V−2) のいずれかで表されるものを挙げることができる。
Figure 2010175858
上記一般式中、Ar1aは、前記一般式(III)〜(V)中のX1 〜X3で示したアリーレン基と同様の、置換基を有していても良いアリーレン基を表す。
Ar2 a 〜Ar4 aは、前記の一般式(ZI)及び(ZII)におけるR201〜R203、R204〜R205で示したアリール基と同様の、置換基を有していても良いアリール基を表す。
01は、水素原子、メチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、又はシアノ基を表す。
02、R021は、X1 〜X3で示したものと同様の、単結合、アリーレン基、アルキレン基、シクロアルキレン基、−O−、−SO2 −、CO−、−N(R33)−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を表す。
03、R019は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。アルキル基、シクロアルキル基としては、後記一般式(I)におけるR01〜R03としてのアルキル基、シクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。アリール基、アラルキル基としては、後記一般式(II)におけるL1〜L2としてのアリール基、アラルキル基と同様のものを挙げることができる。
一般式(III)〜(V)のいずれかで表される繰り返し単位の好ましいものとして、更に、下記一般式(I−7)〜(I−34)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
上記一般式中、Ar1 、Ar5は、上記のX1 〜X3と同様の、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。Ar2 〜Ar3 、Ar6 〜Ar7 は、上記のR25〜R27、R33で示したアリール基と同様の、置換基を有していても良いアリール基を表す。R01は水素原子、メチル基、クロロメチル基又はシアノ基を表す。
02は、X1 〜X3と同様の、アリーレン基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。R03、R05〜R010 、R013 、R015は、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。R04は、置換基を有していても良いアリーレン基、アルキレン基、更には置換基を有していても良い炭素数2〜6個のアルケニレン基を表す。このアルケニル基としては、置換基を有していてもよい、エチレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6個のアルケニレン基が好ましい。
011 、R014 は水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、上記で好ましい更なる置換基として示したアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基を表す。R012 はニトロ基、シアノ基、又はトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の過フルオロアルキル基を表す。X- はアリールスルホン酸、ヘテロアリールスルホン酸、アルキルスルホン酸、シクロアルキルスルホン酸、又は過フルオロアルキルスルホン酸のアニオンを表す。
本発明の樹脂(P)中における繰り返し単位(A)の含有量は、全繰り返し単位に対して、0.5〜80モル%の範囲で含有することが好ましく、1〜60モル%の範囲で含有することがより好ましく、3〜40モル%の範囲で含有することが特に好ましい。
繰り返し単位(A)に相当するモノマーの合成方法としては、特に限定されないが、例えば、前記繰り返し単位に対応する重合性不飽和結合を有する酸アニオンと既知のオニウム塩のハライドを交換して合成する方法が挙げられる。
より具体的には、前記繰り返し単位に対応する重合性不飽和結合を有する酸の金属イオン塩(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)あるいはアンモニウム塩(アンモニウム、トリエチルアンモニウム塩等)と、ハロゲンイオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)を有するオニウム塩を、水あるいはメタノールの存在下で攪拌し、アニオン交換反応を行い、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の有機溶媒と水で分液・洗浄操作をすることにより、目的とする繰り返し単位(A)に相当するモノマーを合成することができる。
また、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の水との分離が可能な有機溶媒と水の存在下で攪拌してアニオン交換反応を行った後に、水で分液・洗浄操作をすることによって合成することもできる。
以下に一般式(III)〜一般式(V)のいずれかで表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
(2)繰り返し単位(B)
樹脂(P)が含有する繰り返し単位(B)は、酸の作用により分解し、アルカリ水溶液に対する溶解性が増大する構造を有する繰り返し単位であれば、いずれでも用いることができる。
酸の作用により分解し、アルカリ水溶液に対する溶解性が増大する構造としては、例えば、−COOA0、−O−B0基で表される基が挙げられる。更にこれらを含む基としては、−R0−COOA0、又は−Ar−O−B0で示される基が挙げられる。ここでA0は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)もしくは−C(R04)(R05)−O−R06基を示す。B0は、A0又は−CO−O−A0基を示す。R01、R02、R03、R04及びR05は、同一または異なり、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基もしくはアリール基を示し、R06はアルキル基もしくはアリール基を示す。但し、R01〜R03の内少なくとも2つは水素原子以外の基であり、又、R01〜R03及びR04〜R06の内の2つの基が結合して環を形成してもよい。R0は置換基を有していてもよい2価の脂肪族もしくは芳香族炭化水素基を示し、−Ar−は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族基を示す。
繰り返し単位(B)として好ましくは、フェノール性水酸基の水素原子が、酸の作用により脱離する基で置換された基を有する繰り返し単位である。
前記繰り返し単位(B)としては、例えば、下記一般式(I)で表される繰り返し構造単位が好ましい。
Figure 2010175858
ここで、R01、R02及びR03は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。またR03は、アルキレン基を表し、Arと結合して5員若しくは6員環を形成していても良い。
Ar1は、芳香環基を表す。
n個のYは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
一般式におけるR01 〜R03のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R01 〜R03におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
シクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよいシクロアルキル基が挙げられる。好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個の単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子がより好ましい。
03がアルキレン基を表す場合、アルキレン基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
Ar1 の芳香環基は、置換基を有していても良い炭素数6〜14個のものが好ましく、具体的にはベンゼン環、トルエン環、ナフタレン環等が挙げられる。
n個のYは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、n個中の少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
酸の作用により脱離する基Yとしては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R21)(R22)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−CH(R36)(Ar)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
21〜R22は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
Arは、アリール基を表す。
36〜R39、R21及びR22のアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のシクロアルキル基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R21、R22及びArのアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等を挙げることができる。
36〜R39、R21及びR22のアラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
36とR37とが、互いに結合して形成する環は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルカン構造が好ましく、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルカン構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等を挙げることができる。尚、シクロアルカン構造中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01、R02、R03、21、R22、Ar及びAr1としての上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数8以下が好ましい。
酸の作用により脱離する基Yとしては、下記一般式(II)で表される構造がより好ましい。
Figure 2010175858
ここで、L1及びL2は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂環基、ヘテロ原子を含んでいてもよい芳香環基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
Q、M、L1の少なくとも2つが結合して5員若しくは6員環を形成しても良い。
1及びL2としてアルキル基は、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。
1及びL2としてシクロアルキル基は、例えば炭素数3〜15個のシクロアルキル基であって、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基を好ましく挙げることができる。
1及びL2としてアリール基は、例えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましく挙げることができる。
1及びL2としてアラルキル基は、例えば、炭素数6〜20であって、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
Mとしての2価の連結基は、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基など)、シクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基など)、アルケニレン基(例えば、エチレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)、−S−、−O−、−CO−、−SO2−、−N(R0)−、およびこれらの複数を組み合わせた2価の連結基である。R0は、水素原子またはアルキル基(例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基など)である。
Qとしてのアルキル基、シクロアルキル基は、上述のL1及びL2としての各基と同様である。
Qとしてのヘテロ原子を含んでいてもよい脂環基及びヘテロ原子を含んでいてもよい芳香環基に於ける脂環基及び芳香環基としては、上述のL1及びL2としてのシクロアルキル基、アリール基などが挙げられ、好ましくは、炭素数3〜15である。
ヘテロ原子を含む脂環基及びヘテロ原子を含む芳香環基としては、例えば、チイラン、シクロチオラン、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール、ピロリドン等のヘテロ環構造を有する基が挙げられるが、一般にヘテロ環と呼ばれる構造(炭素とヘテロ原子で形成される環、あるいはヘテロ原子にて形成される環)であれば、これらに限定されない。
Q、M、L1の少なくとも2つが結合して形成してもよい5員または6員環としては、Q、M、L1の少なくとも2つが結合して、例えば、プロピレン基、ブチレン基を形成して、酸素原子を含有する5員または6員環を形成する場合が挙げられる。
一般式(II)におけるL1、L2、M、Qで表される各基についても、置換基を有していてもよく、例えば、前述のR36〜R39、R01、R02、R03、Ar及びAr1が有してもよい置換基として挙げたものが挙げられ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
−M−Qで表される基として、炭素数1〜30個で構成される基が好ましく、炭素数5〜20個で構成される基がより好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
本発明の樹脂(P)中における繰り返し単位(B)の含有量は、全繰り返し単位に対して、3〜90モル%の範囲で含有することが好ましく、5〜80モル%の範囲で含有することがより好ましく、7〜70モル%の範囲で含有することが特に好ましい。
樹脂(P)中の繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)との比率(Aのモル数/ Bのモル数)は、0.04〜1.0が好ましく、0.05〜0.9がより好ましく、0.06〜0.8が特に好ましい。
(3)繰り返し単位(C)
本発明における樹脂には、更に、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位(C)を有することが好ましい。
Figure 2010175858
ここで、R01、R02及びR03は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。またR03は、アルキレン基を表し、Arと結合して5員若しくは6員環を形成していても良い。
Ar1は、芳香環基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
一般式(VI)に於ける、R01、R02、R03、及びAr1の具体例としては、一般式(I)に於ける、R01、R02、R03、及びAr1と同様のものである。
一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010175858
本発明の樹脂中における繰り返し単位(C)の含有量は、全繰り返し単位に対して、3〜90モル%の範囲で含有することが好ましく、5〜80モル%の範囲で含有することがより好ましく、7〜70モル%の範囲で含有することが特に好ましい。
(4)本発明の樹脂(P)の形態、重合方法、分子量など
樹脂(P)の形態としては、ランダム型、ブロック型、クシ型、スター型のいずれの形態でもよい。
上述の繰り返し単位(A)、(B)を含有する本発明に係わる樹脂(P)、あるいは繰り返し単位(A)、(B)、(C)を含有する本発明に係わる樹脂(P)は、例えば、各構造に対応する不飽和モノマーのラジカル、カチオン、又はアニオン重合により合成することができる。また各構造の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いて重合した後に、高分子反応を行うことにより目的とする樹脂を得ることも可能である。
本発明に係る樹脂(P)は、繰り返し単位(A)を0.5〜80モル%、繰り返し単位(B)を3〜90モル%、繰り返し単位(C)を3〜90モル%有することが好ましい。
本発明に係わる樹脂(P)の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量が1000〜100000の範囲であることが好ましく、1500〜70000の範囲であることがより好ましく、2000〜50000の範囲であることが特に好ましい。ここで、樹脂の重量平均分子量は、GPC(キャリア:THFあるいはN−メチル−2−ピロリドン(NMP))によって測定したポリスチレン換算分子量を示す。
また分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.00〜5.00、より好ましくは1.03〜3.50であり、更に好ましくは、1.05〜2.50である。
また本発明に係わる樹脂の性能を向上させる目的で、耐ドライエッチング性を著しく損なわない範囲で、更に他の重合性モノマー由来の繰り返し単位を有していてもよい。
その他の重合性モノマー由来の繰り返し単位の樹脂中の含有量としては、全繰り返し単位に対して、一般的に50モル%以下、好ましくは30モル%以下である。使用することができるその他の重合性モノマーとしては、以下に示すものが含まれる。例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
具体的には、(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−t−オクチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基などがある。)、N−アリール(メタ)アクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがある。)、N,N−アリール(メタ)アクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基などがある。)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなどが挙げられる。
アリル化合物としては、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなどが挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えば、アルキルビニルエーテル(例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど)、ビニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルなど)が挙げられる。
ビニルエステル類としては、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サルチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルなどが挙げられる。
スチレン類としては、例えば、スチレン、アルキルスチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、アルキルカルボニルオキシスチレン(例えば、4−アセトキシスチレン、4−シクロヘキシルカルボニルオキシスチレン)、アリールカルボニルオキシスチレン(例えば、4−フェニルカルボニルオキシスチレン)、ハロゲンスチレン(例えば、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、シアノスチレン、カルボキシスチレンなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸アルキル(例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネートなど)が挙げられる。
イタコン酸ジアルキル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキルエステル類としては、例えば、ジメチルマレレート、ジブチルフマレートなどが挙げられる。
その他にも、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等をあげることができる。また一般に前記本発明にかかわる繰り返し単位と共重合可能である付加重合性不飽和化合物であれば、特に制限されず用いることができる。
本発明の樹脂(P)は、1種類単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂(P)の含有率は、本発明のポジ型レジスト組成物中の全固形分を基準にして、30〜99.9質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましく、70〜98質量%が特に好ましい。
樹脂(P)の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
樹脂(P)の具体例としては、例えば、前記一般式(III)〜(IV)の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位/前記一般式(I)の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位を有する樹脂、前記一般式(III)〜(IV)の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位/前記一般式(I)の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位/前記一般式(VI)の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位を有する樹脂が挙げられる。
より好ましい具体例としては、例えば、下記構造の樹脂を挙げることが出来る。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
<膜表面に偏在し、保護層を形成する化合物(U)>
本発明において、膜表面に偏在する化合物(U)は、レジスト組成物に添加することにより、レジスト膜表面に偏在的に保護層を形成可能な化合物のことを指す。保護層を形成したかどうかは、例えば、化合物(U)を添加しないレジスト膜の表面静止接触角(純水による接触角)と、化合物(U)を添加したレジスト膜の表面静止接触角とを比較して、その接触角が上昇した場合、保護層が形成されたとみなすことができる。
なお、化合物(U)は、前述のように界面に遍在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
化合物(U)としては、上記のような特性を満たす限り特に限定されないが、樹脂であることが好ましく、重量平均分子量が、1000〜100000の範囲の樹脂であることが特に好ましい(以下、化合物(U)が樹脂である場合、化合物(U´)とも表記する)。
また、膜表面への偏在化という観点で、化合物(U´)は(i)樹脂の主鎖又は側鎖にフッ素原子を有する、(ii)樹脂の主鎖又は側鎖に珪素原子を有する、または(iii)樹脂の側鎖に炭化水素基を有する、の少なくとも1つの特徴を有することが好ましい。
化合物(U´)が(i)樹脂の主鎖又は側鎖にフッ素原子を有する場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環または多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2010175858
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61、R62〜R64およびR65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CF32OH、−C(C252OH、−C(CF3)(CH3)OH、−CH(CF3)OH等が挙げられ、−C(CF32OHが好ましい。
フッ素原子を有する繰り返し単位としては、以下に示すものが好適に挙げられる。
Figure 2010175858
式中、R10、R11は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基であり、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる)を表す。
〜Wは、各々独立に、少なくとも1つ以上のフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には前記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
また、これら以外にも、下記に示すような単位を有する樹脂も適用可能である。
Figure 2010175858
式中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基であり、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる)を表す。
ただし、R〜Rの少なくとも1つはフッ素原子を表す。RとRもしくはRとRは環を形成していてもよい。
は、各々独立に、少なくとも1つのフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には前記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
は、単結合、あるいは2価の連結基を示す。二価の連結基としては、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、−O−、−SO−、−CO−、−N(R)−、又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を示す。
以下、フッ素原子を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。 具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。X2は、−F又は−CF3を表す。
Figure 2010175858
化合物(U´)が(ii)樹脂の主鎖又は側鎖に珪素原子を有する場合、珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、または環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
アルキルシリル構造、または環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
Figure 2010175858
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
12〜R26は、各々独立に、直鎖もしくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、またはウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。
珪素原子を有する繰り返し単位としては、前記(C−Ia)〜(C−Id)および(C−III)で示した繰り返し単位を挙げることができる。(但し、W〜Wを、「少なくとも1つ以上の珪素原子を含有する原子団を表し、具体的には(CS−1)〜(CS−3)で表される原子団を表す」と読み替える)
以下、一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
Figure 2010175858
化合物(U’)が(iii)樹脂の側鎖に炭化水素基を有する場合、炭素数4以上の炭化水素基を側鎖に有することが好ましく、炭素数6以上の炭化水素基を側鎖に有することがさらに好ましい。
また、別の観点では、−CH構造を1つ以上有する炭化水素基を側鎖に有することが好ましく、−CH構造を2つ以上有する炭化水素基を側鎖に有することがより好ましい。この点では該炭化水素基は分岐アルキル基であることが好ましい。
繰り返し単位の具体的構造としては、前記一般式(C−Ia)〜(C−Id)で示した繰り返し単位を挙げることができる。(但し、W〜Wを、「炭化水素基を表す」と読み替える)
側鎖の炭化水素基としては、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキル置換シクロアルキル基、アルケニル基、アルキル置換アルケニル基、アルキル置換シクロアルケニル基、アルキル置換アリール基、アルキル置換アラルキル基が挙げられ、アルキル基、アルキル置換シクロアルキル基が好ましい。
アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖のアルキル基または炭素数3〜20の分岐のアルキル基が好ましい。好ましい分岐アルキル基としては、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、3−ペンチル基、2−メチル−3−ブチル基、3−ヘキシル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−4−ヘキシル基、3,5−ジメチル−4−ペンチル基、イソオクチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチル−3−ヘプチル基、2,3,5,7−テトラメチル−4−ヘプチル基等が挙げられる。より好ましくは、イソブチル基、t−ブチル基、2−メチル−3−ブチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−4−ヘキシル基、3,5−ジメチル−4−ペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチル−3−ヘプチル基、2,3,5,7−テトラメチル−4−ヘプチル基である。
好ましい直鎖アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられる。
アルキルオキシ基としては、上記で挙げたアルキル基にエーテル基が結合した基を挙げることができる。
シクロアルキル基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。好ましいシクロアルキル基としては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、テトラシクロドデカニル基、トリシクロデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、ノルボルニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
シクロアルキル基はアルキル基により置換されていてもよく、その例として3,5−ジメチルシクロヘキシル基、4−イソプロピルシクロヘキシル基、4−tブチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルケニル基が好ましく、分岐のアルケニル基がより好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げることができ、好ましくはフェニル基である。
アラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
(iii)樹脂の側鎖に炭化水素基を有する繰り返し単位の好ましい具体例を以下に挙げる。尚、本発明はこれらに限定されるものではない。具体例中、Rxは、水素原子またはメチル基を表し、RxaからRxcは、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
前記(i)〜(iii)のいずれかの特徴を有する繰り返し単位の総含有量は、化合物(U’)中の全繰り返し単位に対し、50〜100mol%が好ましく、より好ましくは80〜100mol%、更に好ましくは90〜100mol%である。
化合物(U´)は、更に下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有していてもよい。
(x)アルカリ可溶性基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基、
(z)酸の作用により分解する基。
(x)アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位などが挙げられ、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入することもでき、いずれの場合も好ましい。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜50mol%が好ましく、より好ましくは3〜35mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2010175858
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、例えば、ラクトン構造を有する基、酸無水物基、酸イミド基などが挙げられ、好ましくはラクトン構造を有する基である。
アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位のように、樹脂の主鎖にアルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)が結合している繰り返し単位、あるいはアルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜40mol%が好ましく、より好ましくは3〜30mol%、更に好ましくは5〜15mol%である。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010175858
酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、樹脂(P)で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。化合物(U)中、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜80mol%が好ましく、より好ましくは10〜80mol%、更に好ましくは20〜60mol%である。
化合物(U´)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。
化合物(U´)は、(B)成分の樹脂同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%、0〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のないレジストが得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2の範囲である。
化合物(U´)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明のポジ型レジスト組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)または水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、さらに好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
尚、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
以下、化合物(U´)として好ましい樹脂の例をしめすが、これらに限定されるものではない。
(F、Si系)
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
(炭化水素系)
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
また、化合物(U)としては、例えば以下に示すような、トリフェニレン骨格を有する低分子化合物であってもよい。これら化合物は、液晶便覧に記載の方法に準じて合成することができる。
Figure 2010175858
化合物(U)は、1種で使用してもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
化合物(U)の含有率は、本発明のポジ型レジスト組成物中の全固形分を基準にして、0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%が特に好ましい。
<その他の成分>
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じて更に、塩基性化合物、酸の作用により分解してアルカリ水溶性に対する溶解速度が増大する樹脂、従来型の光酸発生剤、有機溶剤、界面活性剤、酸分解性溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解促進性化合物、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物等を含有させることができる。
<塩基性化合物>
本発明のポジ型レジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減あるいは、露光によって発生した酸の膜中拡散性を制御するために、塩基性化合物を含有してもよい。
好ましい塩基性化合物として、下記一般式(A)〜(E)で示される構造を有する塩基性化合物を挙げることができる。
Figure 2010175858
ここで、R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜20)であり、ここでR250とR251は互いに結合して環を形成してもよい。
これらは置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基又は炭素数3〜20のアミノシクロアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基が好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
式中、R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜6)を示す。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジンを挙げることができ、置換基を有していてもよい。更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等があげられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エンなどがあげられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドなどがあげられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等があげられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物から選ばれる少なくとも1種類の含窒素化合物を挙げることができる。
これら化合物は、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアミン化合物が好ましい。さらに、アルキル鎖中に酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。これら化合物の好適な例としては、US2007/0224539Aの[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、塩基性化合物として、感光性の塩基化合物を用いても良い。感光性の塩基化合物としては特に限定されないが、例えば、特表2003−524799号公報、J.Photopolym.Sci&Tech.、Vol.8、P.543−553(1995)等に記載の化合物を用いることができる。
塩基性化合物の分子量は、250〜2000であることが好ましく、更に好ましくは400〜1000である。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上で用いられる。
塩基性化合物の含有量は、ポジ型レジスト組成物の全固形分に対して、0〜8.0質量%であることが好ましく、更に好ましくは0〜5.0質量%、特に好ましくは0〜4.0質量%である。
<酸の作用により分解してアルカリ水溶性に対する溶解速度が増大する樹脂>
本発明のポジ型レジスト組成物は、樹脂(P)以外に、酸の作用により分解してアルカリ水溶性に対する溶解速度が増大する樹脂を含有していてもよい。
酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」ともいう)は、樹脂の主鎖又は側鎖、或いは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(酸分解性基)を有する樹脂である。この内、酸分解性基を側鎖に有する樹脂がより好ましい。
酸分解性樹脂は、欧州特許第254853号明細書、特開平2−25850号公報、同3−223860号公報、同4−251259号公報等に開示されているように、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解し得る基の前駆体を反応させる、もしくは、酸で分解し得る基の結合したアルカリ可溶性樹脂モノマーを種々のモノマーと共重合して得ることができる。
酸分解性基としては、例えば、−COOH基、−OH基などのアルカリ可溶性基を有する樹脂において、左記のアルカリ可溶性基の水素原子を酸の作用により脱離する基で置換した基が好ましい。
酸分解性基として具体的には、前述した本発明の樹脂で説明した酸分解性基(例えば、樹脂(P)における繰り返し単位(B)として説明した酸分解性基)と同様の基を好ましい例として挙げることができる。
前記アルカリ可溶性基を有する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(o−ヒドロキシスチレン)、ポリ(m−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)及びこれらの共重合体、水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、下記構造で表される置換基を有するポリ(ヒドロキシスチレン)類、およびフェノール性水酸基を有する樹脂、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、水素化ノボラック樹脂等のヒドロキシスチレン構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂、(メタ)アクリル酸、ノルボルネンカルボン酸などのカルボキシル基を有する繰り返し単位を含有するアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
Figure 2010175858
これらアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して17nm/秒以上が好ましい。特に好ましくは33nm/秒以上である。
前記アルカリ可溶性樹脂モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、アルキルカルボニルオキシスチレン(例えば、t−ブトキシカルボニルオキシスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えば、1−アルコキシエトキシスチレン、t−ブトキシスチレン)、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル(例えば、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、ジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートなど)等を挙げることができる。
酸で分解し得る基の含有率は、樹脂中の酸で分解し得る基を有する繰り返し単位の数(B)と酸で脱離する基で保護されていないアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の数(S)をもって、B/(B+S)で表される。含有率は、好ましくは0.01〜0.7、より好ましくは0.05〜0.50、更に好ましくは0.05〜0.40である。
酸分解性樹脂としては、特に限定されないが、芳香族基を有する繰り返し単位を有することが好ましく、ヒドロキシスチレンを繰り返し単位として有する酸分解性樹脂(例えば、ポリ(ヒドロキシスチレン/酸分解基で保護されたヒドロキシスチレン)、ポリ(ヒドロキシスチレン/酸分解基で保護された(メタ)アクリル酸)など)がより好ましい。
酸分解性樹脂としては、特に下記一般式(VI)で表される繰り返し単位及び一般式(I)で表される繰り返し単位を有する樹脂が好ましい。
Figure 2010175858
一般式(VI)は、前記一般式(VI)と同様のものであり、一般式(I)は、前記一般式(I)と同様のものである。
また、酸分解性樹脂は、他の重合性モノマー由来の繰り返し単位を有していてもよい。
その他の重合性モノマー由来の繰り返し単位の樹脂中の含有量としては、全繰り返し単位に対して一般的に50モル%以下、好ましくは30モル%以下である。使用することができるその他の共重合モノマー由来の繰り返し単位としては、前記のその他の重合性モノマー由来の繰り返し単位と同様の繰り返し単位を挙げることができる。
水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基などアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有率は、酸分解性樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ましくは1〜99モル%、より好ましくは3〜95モル%、特に好ましくは5〜90モル%である。
酸分解性基を有する繰り返し単位の含有率は、酸分解性樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ましくは3〜95モル%、より好ましくは5〜90モル%、特に好ましくは10〜85モル%である。
酸分解性樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、50,000以下が好ましく、より好ましくは1,000〜20000、特に好ましくは、1,000〜10,000である。
酸分解性樹脂の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜3.0が好ましく、より好ましくは1.05〜2.0であり、更に好ましくは1.1〜1.7である。
また、酸分解性樹脂は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
酸分解性樹脂の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
本発明のポジ型レジスト組成物において、樹脂(P)を除く酸分解性樹脂の組成物中の配合量は、組成物の全固形分中0〜70質量%が好ましく、より好ましくは0〜50質量%、更により好ましくは0〜30質量%である。
<酸発生剤>
本発明のポジ型レジスト組成物では、光酸発生構造を有する樹脂(P)を含有しているが、該樹脂(P)以外に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する低分子の化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有してもよい。
そのような酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI´)、(ZII´)及び(ZIII´)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2010175858
一般式(ZI´)及び(ZII´)において、
201〜R205は、前記一般式(ZI)及び(ZII)におけるR201〜R205と同義である。
-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオ
ン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF 、PF 、SbF などが挙げられ、好ましくは炭素原子を含有する有機アニオンである。
より好ましい有機アニオンとしては、下記一般式(AN1)〜(AN4)に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2010175858
一般式(AN1)及び(AN2)に於いて、Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基として炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは置換していてもよいアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SON(Rd)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rdは水素原子、アルキル基を表し、結合しているアルキル基、アリール基と環構造を形成してもよい。
Rcの有機基としてより好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。Rcにおいて炭素原子を5個以上有する時、少なくとも1つの炭素原子は全ての水素原子がフッ素原子で置換されているのではなく、水素原子の一部が残されていることが好ましく、水素原子の数がフッ素原子より多いことがより好ましい。炭素数5以上のパーフロロアルキル基を有さないことにより生態への毒性が軽減する。
Rcの最も好ましい様態としては、下記一般式で表される基である。
Figure 2010175858
上記一般式に於いて、
Rcは、炭素数4以下、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2〜3のパーフロロアルキレン基、又は1〜4個のフッ素原子及び/又は1〜3個のフロロアルキル基で置換されたフェニレン基を表す。
Axは連結基(好ましくは単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SON(Rd)−)を表す。Rdは水素原子、アルキル基を表し、Rcと結合して環構造を形成してもよい。
Rcは、水素原子、フッソ原子、置換していてもよい、直鎖若しくは分岐状アルキル基、単環または多環のシクロアルキル基又はアリール基を表す。置換していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基は置換基としてフッソ原子を含有しないことが好ましい。
前記一般式(AN3)及び(AN4)に於いて、
Rc、Rc及びRcは、有機基を表す。
一般式(AN3)及び(AN4)に於ける、Rc、Rc、Rcの有機基として、好ましくはRcにおける好ましい有機基と同じものを挙げることができる。
RcとRcが結合して環を形成していてもよい。
RcとRcが結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。RcとRcが結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
尚、一般式(Z1´)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI´)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI´)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
前記一般式(ZIII´)中、
206〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
206〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
206〜R207としてのアルキル基は、直鎖、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
206〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
206〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、更に、下記一般式(ZIV´)、(ZV´)、(ZVI´)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2010175858
一般式(ZIV´)〜(ZVI´)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
209及びR210は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。R209として好ましくは、アリール基である。R210として好ましくは、電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
これらの基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、R204〜R207が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の内で、より好ましくは、一般式(ZI´)、(ZIII´)、(ZVI´)で表される化合物であり、更に好ましくは、一般式(ZI−1´)、(ZIII´)、(ZVI´)で表される化合物である。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
また酸発生剤の好ましい例として、下記一般式(A1)で表される化合物を挙げることもできる。
Figure 2010175858
一般式(A1)中、
1a〜R13aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、R1a〜R13aのうち少なくとも1つはアルコール性水酸基を含む置換基である。
Zaは、単結合または2価の連結基である。
-は、対アニオンを表す。
本発明におけるアルコール性水酸基とはアルキル基の炭素原子に結合した水酸基を表す。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含む置換基である場合、R1a〜R13aは、−W−Yで表される。ただし、Yは、水酸基で置換されたアルキル基であり、Wは、単結合または2価の連結基である。
Yのアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができ、好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基であり、更に好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基である。Yは、特に好ましくは-CH2CH2OH構造を含有する。
Wで表される2価の連結基としては、特に制限は無いが、例えば、アルコキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基などの一価の基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基を挙げることができる。
Wとして好ましくは単結合、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基であり、更に好ましくは単結合、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含む置換基である場合、含まれる炭素数は好ましくは2〜10個であり、更に好ましくは2〜6個であり、特に好ましくは2〜4個である。
1a〜R13aとしてのアルコール性水酸基を含む置換基は、アルコール性水酸基を2つ以上有しても良い。R1a〜R13aとしてのアルコール性水酸基を含む置換基の有するアルコール性水酸基の数としては1個から6個であり、好ましくは1個から3個が好ましく、更に好ましくは1個であることが好ましい。
一般式(A1)で表される化合物の有するアルコール性水酸基の数は、R1a〜R13aすべてあわせて1個から10個であり、好ましくは1個から6個であり、更に好ましくは1個から3個である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、各々独立に水素原子または置換基であり、置換基としては、いかなるものでも良く、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
また、R1a〜R13aのうちの隣接する2つが、共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基、ウレイド基である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、更に好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基である。
更に、R1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、特に好ましくは水素原子又はアルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、ハロゲン原子、アルコキシ基である。
一般式(A1)中、R1a〜R13aのうち少なくとも1つはアルコール性水酸基を含み、好ましくは、R9〜R13のうち少なくとも1つがアルコール性水酸基を含む。
Zaは、単結合または2価の連結基を表し、2価の連結基としては例えば、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、スルホニルアミド基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、ジスルフィド基、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基、等であり、置換基を有しても良い。これらの置換基としては上のR1a〜R13aに示した置換基と同様である。Zaとして好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基など電子求引性を持たない置換基であり、更に好ましくは単結合、エーテル基、チオエーテル基であり、特に好ましくは単結合である。
一般式(A1)におけるX-としての対アニオンは、前述の酸発生剤、一般式(ZI’)または(ZI”)で表される酸発生剤におけるX-としての非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
一般式(A1)で表される化合物の分子量は、200〜2000が好ましく、特に好ましくは400〜1000である。
以下に、一般式(A1)で表される化合物の具体例としては、US2007/0184384Aの[0095]に例示されている(A1)〜(A36)を好適な例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(A1)で表される酸発生剤は、例えば、US2007/0184384Aの[0090]に記載の方法に従って合成することができる。
本発明のポジ型レジスト組成物において、光酸発生構造を有する樹脂(P)以外に、酸発生剤を用いる場合には、酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせて使用する際には、水素原子を除く全原子数が2以上異なる2種の有機酸を発生する化合物を組み合わせることが好ましい。
酸発生剤の組成物中の含量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、0〜20質量%が好ましく、より好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜7質量%である。
<有機溶剤>
前記各成分を溶解させてポジ型レジスト組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、各成分を溶解するものである限り特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテルなど)、乳酸アルキルエステル(乳酸エチル、乳酸メチルなど)、環状ラクトン(γ−ブチロラクトンなど、好ましくは炭素数4〜10)、鎖状又は環状のケトン(2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなど、好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、カルボン酸アルキル(酢酸ブチルなどの酢酸アルキルが好ましい)、アルコキシ酢酸アルキル(エトキシプロピオン酸エチル)などが挙げられる。その他使用可能な溶媒として、例えば、US2008/0248425A1号明細書の[0244]以降に記載されている溶剤などが挙げられる。
上記のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートおよびアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。
水酸基を有する溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましく、水酸基を有しない溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが好ましい。
<界面活性剤>
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に界面活性剤を含有することが 本発明の組成物は、更に界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
これらに該当する界面活性剤としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176、メガファックR08、OMNOVA社製のPF656、PF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341などが挙げられる。
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類などが挙げられる。
その他、公知の界面活性剤が適宜使用可能である。使用可能な界面活性剤としては、例えば、US 2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
<酸分解性溶解阻止化合物>
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物(以下、「溶解阻止化合物」ともいう)を含有することができる。
溶解阻止化合物としては、Proceeding of SPIE, 2724, 355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の様な、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、前記酸分解性樹脂のところで説明したものと同様のものが挙げられる。
本発明のポジ型レジスト組成物を、電子線で照射する場合には、フェノール化合物のフェノール性水酸基を酸分解基で置換した構造を含有するものが好ましい。フェノール化合物としてはフェノール骨格を1〜9個含有するものが好ましく、さらに好ましくは2〜6個含有するものである。
本発明における溶解阻止化合物の分子量は、3000以下であり、好ましくは300〜3000、更に好ましくは500〜2500である。
溶解阻止化合物の添加量は、ポジ型レジスト組成物の全固形分に対し、好ましくは0〜50質量%であり、より好ましくは0〜40質量%である。
以下に溶解阻止化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2010175858
<染料>
さらにこれら成分以外にも、油性染料及び塩基性染料のような染料、光増感剤、溶解促進化合物などが添加されていてもよい。
本発明で使用できる現像液に対する溶解促進性化合物は、フェノール性OH基を2個以上、又はカルボキシ基を1個以上有する分子量1,000以下の低分子化合物である。カルボキシ基を有する場合は脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。例としては、特開平4−122938号公報、特開平2−28531号公報、米国特許第4916210号明細書、欧州特許第219294号明細書等を参照されたい。
これら溶解促進性化合物の好ましい添加量は、酸分解性樹脂に対して0〜50質量%であり、さらに好ましくは0〜30質量%である。
また、特開2006−208781号公報や、特開2007−286574号公報等に記載の、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物も、本願組成物に対して好適に用いることができる。
<パターン形成方法>
本発明のポジ型レジスト組成物は、基板など支持体上に塗布され、レジスト膜を形成する。このレジスト膜の膜厚は、0.02〜0.1μmが好ましい。
基板上に塗布する方法としては、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
例えば、ポジ型レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、レジスト膜を形成する。なお、予め公知の反射防止膜を塗設することもできる。
当該レジスト膜に、通常はマスクを通して、電子線(EB)、X線又はEUV光を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。なお、電子線(EB)では、マスクを介さない描画(直描)が一般的である。
現像工程では、アルカリ現像液を次のように用いる。レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
合成例1(モノマー(M-1)の合成)
酢酸エチル80質量部に、p−ヒドロキシスチレン10質量部、p−トルエンスルホン酸・ピリジン塩0.01質量部を室温で溶解させた。この液を攪拌させながら、エチルビニルエーテル6.1質量部と酢酸エチル20質量部の混合液を室温で滴下した。滴下後、更に室温で24時間反応させた。
反応液にトリエチルアミンを加えて塩基性にし、イオン交換水で洗浄した後、有機層を濃縮し、ヘキサン/酢酸エチルでカラムクロマトグラフィー精製することにより、下記モノマー(M-1)を10.5質量部得た。
合成例2(モノマー(M-2)の合成)
合成例1において、エチルビニルエーテルの代わりにシクロヘキシルビニルエーテルを10.7質量部用いた以外は、合成例1と同様にして反応させ、下記モノマー(M-2)を12.3質量部得た。
合成例3(モノマー(M-3)の合成)
合成例1において、エチルビニルエーテルの代わりに2−シクロヘキシルエチルビニルエーテルを13.1質量部用いた以外は、合成例1と同様にして反応させ、下記モノマー(M-3)を14.7質量部得た。
合成例4(モノマー(M-4)の合成)
合成例1において、エチルビニルエーテルの代わりに2−(4−シクロヘキシルフェノキシ)エチルビニルエーテルを20.9質量部用いた以外は、合成例1と同様にして反応させ、下記モノマー(M-4)を19.3質量部得た。
合成例5(モノマー(M-5)の合成)
トリフェニルスルホニウムBr塩50質量部をメタノール50質量部に溶解させた。この液に、4−スチレンスルホン酸Na塩30質量部とメタノール50質量部とイオン交換水130質量部の混合液を室温で攪拌下、滴下した。
イオン交換水とクロロホルムを加えて抽出・洗浄を行った。有機層を濃縮後、析出した固体をヘキサン/酢酸エチル中でリスラリー、ろ過することで、下記モノマー(M-5)を48質量部得た。
合成例6(モノマー(M-6)の合成)
合成例5において、トリフェニルスルホニウムBr塩50質量部を4,4−ビス(メトキシフェニル)ヨードニウムBr塩61.3質量部に変えた以外は、合成例5と同様にして下記モノマー(M-6)を65質量部得た。
合成例7(モノマー(M-7)の合成)
トリフェニルスルホニウムBr塩34質量部をメタノール15質量部とイオン交換水15質量部の混合溶媒に溶解させた。この液に、メタクリル酸3−スルホプロピルカリウム24質量部とメタノール15質量部とイオン交換水15質量部の混合液を室温で攪拌下、滴下した。
2時間反応させた後、イオン交換水とクロロホルムを加えて抽出・洗浄を行った。有機層を濃縮することで、下記モノマー(M-7)を28質量部得た。
合成例8(モノマー(M-8)の合成)
スルファニル酸ナトリウム塩19.5質量部をピリジン75質量部に溶解させ、この溶液に無水マレイン酸を9.8質量部を添加し、室温にて1時間攪拌した。その後、更に無水酢酸を10.2質量部添加して、80℃で4時間、加熱攪拌した。反応液をイオン交換水に投入し、多量の塩化ナトリウムを加えることで固体を析出させた。得られた固体を濾取・洗浄することで、4−フェニルマレイミドスルホン酸ナトリウム塩を得た。
合成例7と同様にして、4−フェニルマレイミドスルホン酸ナトリウム塩をトリフェニルスルホニウムBr塩とアニオン交換反応させることで、下記モノマー(M-8)を得た。
合成例9(モノマー(M-9)の合成)
無水マレイン酸9.8質量部をテトラヒドロフラン200質量部に溶解させ、ピリジン23.8質量部を加えた後、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム塩19.6質量部を添加し、5時間加熱還流させた。放冷後、反応液をイオン交換水に投入し、多量の塩化ナトリウムを加えることで固体を析出させた。得られた固体を濾取・洗浄し、合成例7と同様にして、トリフェニルスルホニウムBr塩とアニオン交換反応させることで、下記モノマー(M-9)を得た。
Figure 2010175858
合成例10(樹脂(P−1)の合成)
1−メトキシ−2−プロパノール4.66質量部を窒素気流下、80℃に加熱した。この液を攪拌しながら、4−ヒドロキシスチレン(以下、「HOST」ともいう)2.98質量部、上記合成例1にて得られたモノマー(M−1)6.23質量部、上記合成例5にて得られたモノマー(M−5)0.79質量部、1−メトキシ−2−プロパノール18.6質量部、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕1.36質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で更に4時間攪拌した。反応液を放冷後、多量のヘキサン/酢酸エチルで再沈殿・真空乾燥を行うことで、本発明の樹脂(P−1)を5.9質量部得た。
得られた樹脂の1H NMRを測定したところ、図1に示す通り、9.0ppm付近に4−ヒドロキシスチレンのOH基に由来すると考えられるピーク、5.3ppm付近にモノマー(M−1)の−O−CH(CH3)−O−基のCHに由来すると考えられるピーク、7.8ppm付近にモノマー(M−5)のトリアリールスルホニウムカチオンのアリール基に由来すると考えられるピークを観測し、樹脂(P−1)が、下記構造単位から成る樹脂であることを確認した。またこれらのピーク面積比から、樹脂の組成比(モル比)を算出した。また、GPC(キャリア:N−メチル−2−ピロリドン(NMP))から求めた重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)は、Mw=15100、Mw/Mn(以下、「MWD」ともいう)=1.72であった。
Figure 2010175858
合成例11〜22(樹脂(P−2)〜(P−13)の合成)
以下、合成例10と同様にして、本発明に使用される樹脂(P−2)〜(P−13)を合成した。
使用した構造単位、その仕込み(質量部)、重合濃度(反応液濃度:質量%)、重合開始剤仕込み(質量部)、および生成した樹脂の組成比(モル比)、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分散度(MWD)を下記表1に示す。
Figure 2010175858
以下、本発明の樹脂(P−1)〜(P−13)について、それぞれの構造、組成比、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
合成例23〜26(樹脂(P−21)、(P−22)、(P−31)、(P−32)の合成)
Figure 2010175858
P−21は特開2005−084365号公報に記載の方法に準じて合成した。
P−22はJ. Mater. Chem.誌,第17巻, 1699頁−1706頁,2007年、および、US2007/0117043Aに記載の方法に準じて合成した。
P−31は特開2002−072483号公報に記載の方法に準じて合成した。
P−32は特開平10−111563号公報に記載の方法に準じて合成した。
〔実施例1〜22及び比較例1〜3〕
<レジスト調製>
下記表2に示した成分を、表2に示した混合溶剤に溶解させ、これを0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して表2に示す全固形分濃度(質量%)のポジ型レジスト溶液を調製し、下記のとおり評価を行った。表2に記載した各成分の濃度(質量%)は、全固形分を基準とする。界面活性剤の添加量は、ポジ型レジスト溶液の全固形分に対して0.05質量%である。
<レジスト評価(EB)>
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜を、電子線照射装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50keV)を用いて電子線照射を行った。照射後直ぐに110℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインアンドスペースパターンを形成し、得られたパターンを下記方法で評価した。
〔感度〕
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて観察した。100nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを感度とした。
〔解像力〕
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
〔ラインエッジラフネス(LER)〕
上記の感度を示す照射量における100nmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いてエッジがあるべき基準線からの距離を測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。
〔パターン形状〕
上記の感度を示す照射量における100nmラインパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察し、T−トップ、矩形、ややテーパー、テーパーの4段階評価を行った。
〔アウトガス〕
上記の装置・プロセス条件において全面露光を行い、現像で塗膜が完全溶解するのに必要な最小の照射エネルギーをEthとしたとき、Ethの1.5倍の照射エネルギーを与えた後の露光後の膜厚減少幅(シュリンク膜厚)からアウトガス量を簡易評価した。シュリンク膜厚は、露光によってレジスト膜から揮発した成分の量と相関があるため、シュリンク膜厚が小さいほどアウトガス特性に優れることがわかる。
〔レジスト膜の静的接触角測定〕
表2の各レジスト組成物をシリコンウエハー上に塗布し、110度で60秒間ベークを行い、150nmのレジスト膜を形成した。得られたレジスト膜上に純水を1滴垂らした後、5秒経過した際の静的接触角を自動接触角計((株)協和界面化学製CA−V型)を用い、θ/2法にて自動測定を行ってレジスト膜の静止接触角を得た。次に、偏在性化合物(U)を含まない以外、他の組成は同様のレジスト組成物の接触角を同様に測定し、偏在性化合物(U)無添加時のレジスト膜の静止接触角を得た。得られたレジスト膜の静止接触角の値から得られた偏在性化合物(U)無添加時のレジスト膜の静止接触角を減じることにより、これらの差を求めた。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
実施例、比較例で用いた素材(偏在性化合物(U)、その他の樹脂、従来の酸発生剤、塩基性化合物)の構造を以下に示す。
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
Figure 2010175858
実施例、比較例で用いた界面活性剤、溶剤を以下に示す。
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製、フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマー(信越化学工業(株)製、シリコン系)
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
表3から、本発明のポジ型レジスト組成物は、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネス、及びアウトガス低減を同時に満足することが明らかである。
〔実施例23〜24〕
<レジスト評価(EUV光)>
下記表4に示した成分を、表4に示した混合溶剤に溶解させ、これを0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して表4に示す全固形分濃度(質量%)のポジ型レジスト溶液を調製し、下記のとおり評価を行った。表34に記載した各成分の濃度(質量%)は、全固形分を基準とする。界面活性剤の添加量は、ポジ型レジスト溶液の全固形分に対して0.05質量%である。
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成させた。
レジスト膜を、EUV露光装置(リソテックジャパン社製、波長13nm)で照射し、照射後直ぐに110℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を形成し、得られたパターンを下記方法で評価した。
〔感度〕
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて観察した。100nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを感度とした。
〔パターン形状〕
上記の感度を示す照射量における100nmラインパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察し、T−トップ、矩形、ややテーパー、テーパーの4段階評価を行った。
Figure 2010175858
Figure 2010175858

Claims (13)

  1. 活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する繰り返し単位(A)と、酸の作用により分解し、アルカリ水溶液に対する溶解性が増大する構造を有する繰り返し単位(B)を有する樹脂(P)、および、製膜により膜表面に偏在し保護膜を形成する化合物(U)を含有することを特徴とする、感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
  2. 前記繰り返し単位(B)が、フェノール性水酸基の水素原子が酸の作用により脱離する基で置換された基を少なくとも1つ有する繰り返し単位であることを特徴とする、請求項1に記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
  3. 前記繰り返し単位(B)が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2010175858
    ここで、R01、R02及びR03は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又は置換又は無置換のアルコキシカルボニル基を表す。またR03は、置換又は無置換のアルキレン基を表し、Arと結合して5員若しくは6員環を形成していてもよい。
    Ar1は、芳香環基を表す。
    n個のYは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
    nは、1〜4の整数を表す。
  4. 前記一般式(I)中のYが、下記一般式(II)で表されることを特徴とする、請求項3に記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2010175858
    ここで、L1及びL2は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基又は置換又は無置換のアラルキル基を表す。
    Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
    Qは、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換の、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂環基、置換又は無置換の、ヘテロ原子を含んでいてもよい芳香環基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のアンモニウム基、置換又は無置換のメルカプト基、シアノ基又は置換又は無置換のアルデヒド基を表す。
    Q、M、L1の少なくとも2つが結合して5員若しくは6員環を形成してもよい。
  5. 前記樹脂(P)が、繰り返し単位(A)として下記一般式(III)〜(V)で表わされる繰り返し単位の少なくとも1種類を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2010175858
    ここで、R04、R05及びR07〜R09は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又は置換又は無置換のアルコキシカルボニル基を表す。
    06は、シアノ基、置換又は無置換のカルボキシル基、−CO−OR25又は−CO−N(R26)(R27)を表す。R26とR27が結合して窒素原子とともに環を形成してもよい。
    1 〜X3 は、各々独立に、単結合、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、−O−、−SO2 −、−CO−、−N(R33)−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を表す。
    25は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアリール基又は置換又は無置換のアラルキル基を表す。
    26、R27及びR33は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアリール基又は置換又は無置換のアラルキル基を表す。
    Aは、活性光線又は放射線の照射により分解して酸アニオンを生じる構造部位を表す。
  6. 前記一般式(III)〜(V)中のAが、スルホニウム塩又はヨードニウム塩を含む構造部位であることを特徴とする、請求項5に記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
  7. 前記繰り返し単位(A)が、活性光線又は放射線の照射により樹脂の側鎖に酸アニオンを生じる構造であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
  8. 前記樹脂(P)が、更に、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位(C)を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2010175858
    ここで、R01、R02及びR03は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又は置換又は無置換のアルコキシカルボニル基を表す。またR03は、置換又は無置換のアルキレン基を表し、Arと結合して5員若しくは6員環を形成していてもよい。
    Ar1は、芳香環基を表す。
    nは、1〜4の整数を表す。
  9. 前記化合物(U)が、重量平均分子量が1000〜100000の範囲の樹脂であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
  10. 前記化合物(U)が、フッ素原子及び/又は珪素原子及び/又は側鎖に炭化水素基を有する樹脂であることを特徴とする、請求項9に記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
  11. 更に、塩基性化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
  12. 露光光源として、電子線、X線又はEUV光を用いることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の感活性光線または感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成し、露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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