JP2010175854A - エンジン音出力装置、出力制御方法、出力制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】疑似エンジン音に起因する危険な運転を回避すること。
【解決手段】エンジン音出力装置100は、出力部101、検知部102、停止部103によって構成される。出力部101は車両内に疑似エンジン音を出力する。検知部102は、車両の挙動を検知する。停止部103は、車両の速度が走行中の道路の法定速度を超えている場合や、車両の加速度の時間あたりの変化量が所定量以上の場合に、出力部101による疑似エンジン音の出力を停止させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両内に疑似エンジン音を出力するエンジン音出力装置、出力制御方法、出力制御プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、本発明の利用は、上述したエンジン音出力装置、出力制御方法、出力制御プログラムおよび記録媒体に限られない。
従来、車両の挙動に合わせて疑似的に発生させたエンジン音を車両内に出力する技術が知られている(たとえば、下記特許文献1および2参照。)。下記特許文献1には、複数の異なる車両のエンジン音を記憶する記憶装置と、複数のエンジン音を選定する選定機構と、選定機構によって選定されたエンジン音を再生する再生装置とを備え、その車両のエンジン音とは異なるエンジン音を発生させる車両用エンジン音発生装置が示されている。
また、下記特許文献2には、カーオーディオシステムに接続されたバッテリーからの電源ラインに含まれるエンジン回転数に比例した周波数のオルタネータノイズ成分を抽出して波形加工することにより生成された疑似エンジン音を増幅してカーオーディオシステムに備わるスピーカから発音させる疑似エンジン音発生方法が示されている。
このような技術を用いることによって、本来であれば乗車できない車(たとえば、高級車やF1カー、レーシングカーなど)のエンジン音を自車で体感したり、自車のエンジン音を車内で楽しみながら運転することができ、ユーザは新鮮な心持ちで運転を楽しんだり、車本来の運転の楽しさを再認識したりすることができる。
特開平11−338486号公報 特開平11−219192号公報
しかしながら、上記の従来技術にあっては、エンジン音によってユーザの気分が高揚して、ユーザが通常時よりも車両の速度を上げたり、急な車線変更や信号待ち後の急加速など、通常時よりも強引な運転をしたりする可能性が高いという問題点が一例として挙げられる。このような運転は、事故につながる可能性が高く、運転を楽しむという本来の目的を損ねてしまいかねない。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるエンジン音出力装置は、車両の挙動を検知する検知手段と、前記車両内に疑似走行(エンジン)音を出力する出力手段と、前記検知手段によって検知された前記車両の挙動に基づいて、前記疑似エンジン音の出力を停止させる停止手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項7の発明にかかる出力制御方法は、車両内に疑似走行(エンジン)音を出力するエンジン音出力装置を制御する出力制御方法であって、前記車両の挙動を検知する検知工程と、前記検知工程で検知された前記車両の挙動に基づいて、前記疑似エンジン音の出力を停止させる停止工程と、を含んだことを特徴とする。
また、請求項8の発明にかかる出力制御プログラムは、請求項7に記載の出力制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項9の発明にかかる記録媒体は、請求項8に記載の出力制御プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
実施の形態にかかるエンジン音出力装置の機能的構成を示すブロック図である。 エンジン音出力装置によるエンジン音出力処理の手順を示すフローチャートである。 実施例にかかるカーAV/ナビゲーションシステム300が設置された車両のダッシュボード付近の一例を示す説明図である。 カーAV/ナビゲーションシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。 疑似エンジン音出力処理の手順を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るエンジン音出力装置、出力制御方法、出力制御プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかるエンジン音出力装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態にかかるエンジン音出力装置100は、図示しない車両に搭載されており、出力部101、検知部102、停止部103によって構成される。
出力部101は、車両内に疑似エンジン音を出力する。出力部101は、たとえばエンジン音出力装置100が搭載された車両と同じ車種のエンジン音や、高級車やF1カー、レーシングカーなどのエンジン音を出力する。出力部101は、たとえば、検知部102によって検知された車両の挙動に合わせてエンジン音を出力する。具体的には、たとえば、車両の速度やアクセル開度などに合わせてエンジン音の大きさや高低を調整した上で車両内に出力する。また、出力部101は、車両が走行している道路の種別または法定速度に基づいて、疑似エンジン音の種類を変更するようにしてもよい。
検知部102は、車両の挙動を検知する。検知部102は、たとえば、車両の速度や加速度、アクセル開度、エンジン回転数、角加速度などを検知する。
停止部103は、検知部102によって検知された車両の挙動に基づいて、出力部101による疑似エンジン音の出力を停止させる。停止部103は、たとえば、車両の速度が所定速度以上の場合、疑似エンジン音の出力を停止させる。所定速度とは、たとえば、車両が走行している道路の法定速度である。また、停止部103は、たとえば、車両の加速度の時間あたりの変化量が所定量以上の場合、疑似エンジン音の出力を停止させる。すなわち、停止部103は、速度超過や急発進などの危険な運転がおこなわれている可能性が高い場合に、疑似エンジン音の出力を停止させる。
また、停止部103は、車両が現在走行している道路が高速道路または法定速度が所定速度以上の道路である場合、疑似エンジン音の出力を停止するようにしてもよい。高速道路などでは高速での運転が可能なため、ユーザは疑似エンジン音によって気分が高揚しやすい状況にあると考えられる。疑似エンジン音の出力を停止することにより、このような状況でユーザが危険な運転をおこなうことを回避することができる。
図2は、エンジン音出力装置によるエンジン音出力処理の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートは、車両の速度が所定速度以上になった際に、疑似エンジン音の出力を停止させる場合の処理を示している。まず、エンジン音出力装置100は、出力部101によって、疑似エンジン音を出力する(ステップS201)。また、エンジン音出力装置100は、検知部102によって車両の挙動を検知する(ステップS202)。
そして、エンジン音出力装置100は、停止部103によって、車両の速度が所定速度以上か否かを判断する(ステップS203)。所定速度以上の場合は(ステップS203:Yes)、出力部101による疑似エンジン音の出力を停止させて(ステップS204)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、所定速度以上でない場合は(ステップS203:No)、ステップS201に戻り、疑似エンジン音の出力および車両の挙動の検知を継続する。
以上説明したように、エンジン音出力装置100は、車両の挙動に基づいて疑似エンジン音の出力を停止させる。具体的には、車両の速度が法定速度を超過している場合や、加速度の時間あたりの変化量が所定量以上の場合など、ユーザが危険性の高い運転をしている場合に疑似エンジン音の出力を停止させる。これにより、ユーザに対して速度超過などへの注意を喚起し、安全な運転を促すことができる。
また、エンジン音出力装置100は、高速道路など高速での走行が可能な道路においては、疑似エンジン音の出力を停止する。高速道路などでは高速での運転が可能なため、ユーザは疑似エンジン音によって気分が高揚しやすい状況にあると考えられる。このような状況においては、疑似エンジン音の出力を停止することにより、ユーザが危険な運転をおこなうことを回避することができる。
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、車両に搭載されたカーAV(Audio Visual)/ナビゲーションシステム300をエンジン音出力装置100として本発明を適用した場合の一例について説明する。
図3は、実施例にかかるカーAV/ナビゲーションシステム300が設置された車両のダッシュボード付近の一例を示す説明図である。カーAV/ナビゲーションシステム300は、カーAVシステムおよびカーナビゲーションシステムが一体となって構成される。図3において、車両のダッシュボード部には、本体部Mおよび表示部(ディスプレイ)Dが設置されている。
本体部Mには、ユーザからの操作入力を受け付ける入力I/F(インターフェース)や、現在の動作状況を示すサブディスプレイなどが設けられる。また、本体部Mには、カーAVシステムにおけるディスク再生部やコンテンツデータ蓄積部、カーナビゲーションシステムにおける経路探索部やデータ蓄積部などが設けられる。
表示部Dには、カーAVシステムによって再生される映像コンテンツや放送コンテンツ、カーAVシステムによるコンテンツの再生状況や再生指示画面などが表示される。また、表示部Dには、カーナビゲーションシステムによって車両の現在地点や地図情報、経路誘導情報、現在時刻などが表示される。
また、各ドアの内側やダッシュボード部には、スピーカSが取り付けられている。スピーカSは、車両の形状やユーザ(搭乗者)の位置などに合わせて調整されており、ユーザは車両内において臨場感のある音を楽しむことができる。
ここで、カーAV/ナビゲーションシステム300は、車両が走行している間、ユーザによって選択された車種のエンジン音を出力することができる。具体的には、たとえば、高級車やF1カー、レーシングカーなど、本来であれば乗車できない車のエンジン音を出力したり、ユーザの所有している車両のエンジン音を増幅して出力したりする。これにより、ユーザは異なる車種の車両を運転している気分を味わったり、自身が所有している車両のエンジン音を満喫したりすることができ、ドライブの楽しみの幅を広げることができる。
(カーAV/ナビゲーションシステムのハードウェア構成)
つぎに、カーAV/ナビゲーションシステム300のハードウェア構成について説明する。図4は、カーAV/ナビゲーションシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、カーAV/ナビゲーションシステム300は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、音声I/F(インターフェース)408と、マイク409と、スピーカ410と、入力デバイス411と、映像I/F412と、ディスプレイ413と、通信I/F414と、GPSユニット415と、各種センサ416と、カメラ417と、を備えている。各構成部401〜417は、バス420によってそれぞれ接続されている。
まず、CPU401は、カーAV/ナビゲーションシステム300の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラム、データ更新プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU401は、RAM403をワークエリアとして使用しながら、ROM402に記録された各種プログラムを実行することによって、カーAV/ナビゲーションシステム300の全体の制御を司る。
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
また、光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク407は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク407のほか、MO、メモリカードなどを用いることができる。
磁気ディスク405および光ディスク407に記録される情報の一例としては、コンテンツデータや地図データが挙げられる。コンテンツデータは、たとえばカーAVシステムにおいて再生される楽曲データや静止画データ、動画データなどである。また、地図データは、カーナビゲーションシステムにおいて用いられ、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データ、道路の形状をあらわす道路形状データなどを含んでいる。
音声I/F408は、音声入力用のマイク409および音声出力用のスピーカ410に接続される。マイク409に受音された音声は、音声I/F408内でA/D変換される。マイク409は、たとえば、車両のダッシュボード部などに設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ410からは、所定の音声信号を音声I/F408内でD/A変換した音声が出力される。
また、音声I/F408には、疑似エンジン音を生成するエンジン音生成ICおよびアンプが組み込まれている。疑似エンジン音の出力が指示されると、エンジン音生成ICで疑似エンジン音が生成され、アンプで増幅された上でスピーカ410から出力される。
入力デバイス411は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス411は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
映像I/F412は、ディスプレイ413に接続される。映像I/F412は、具体的には、たとえば、ディスプレイ413全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ413を制御する制御ICなどによって構成される。
ディスプレイ413には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ413としては、たとえば、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
通信I/F414は、無線を介してネットワークに接続され、カーAV/ナビゲーションシステム300およびCPU401のインターフェースとして機能する。通信I/F414は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU401とのインターフェースとしても機能する。
通信網には、公衆回線網や携帯電話網、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、LAN、WANなどがある。具体的には、通信I/F414は、たとえば、公衆回線用接続モジュールやETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)ユニット、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバなどである。
GPSユニット415は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット415の出力情報は、後述する各種センサ416の出力値とともに、CPU401による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
各種センサ416は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ416の出力値は、CPU401による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
カメラ417は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ417によって車両外部を撮影し、撮影した画像をCPU401において画像解析したり、映像I/F412を介して磁気ディスク405や光ディスク407などの記録媒体に出力したりする。
図1に示したエンジン音出力装置100の出力部101、検知部102、停止部103は、図4に示したカーAV/ナビゲーションシステム300におけるROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU401が所定のプログラムを実行し、カーAV/ナビゲーションシステム300における各部を制御することによってその機能を実現する。
すなわち、実施例のカーAV/ナビゲーションシステム300は、カーAV/ナビゲーションシステム300における記録媒体としてのROM402に記録されている出力制御プログラムを実行することにより、図1に示したエンジン音出力装置100が備える機能を、図2に示したエンジン音出力処理の手順で実行することができる。
(疑似エンジン音出力処理)
つぎに、カーAV/ナビゲーションシステム300による疑似エンジン音出力処理について説明する。図5は、疑似エンジン音出力処理の手順を示すフローチャートである。図5のフローチャートにおいて、カーAV/ナビゲーションシステム300は、疑似エンジン音の出力が指示されるまで待機する(ステップS501:Noのループ)。疑似エンジン音の出力が指示されると(ステップS501:Yes)、カーAV/ナビゲーションシステム300は、出力可能な疑似エンジン音の種類を提示して、出力する疑似エンジン音をユーザに選択させる(ステップS502)。
つぎに、カーAV/ナビゲーションシステム300は、選択された疑似エンジン音を出力する(ステップS503)。このとき、たとえば、各種センサ416から得られる車両の走行状態に関する情報(速度やエンジン回転数、加速度、角加速度など)に応じて音調や音量などを調整して出力してもよいし、疑似エンジン音と楽曲とをミキシングして出力してもよい。
つづいて、カーAV/ナビゲーションシステム300は、各種センサ416から車両の走行速度情報を取得して(ステップS504)、走行速度が現在走行している道路の法定速度以下か否かを判断する(ステップS505)。より詳細には、カーAV/ナビゲーションシステム300は、車両が現在走行している道路の法定速度情報を地図データから読み出し、車両の走行速度が法定速度以下であるか否かを判断する。また、たとえば、カメラ417を用いて車外の景色を撮影した画像を解析して、現在走行している道路の法定速度に関する道路標識を抽出することによって法定速度情報を得てもよい。また、たとえば、DSRCなどのインフラを用いて法定速度以下か否かを判断してもよい。
法定速度以下の場合は(ステップS505:Yes)、ステップS510に移行する。一方、法定速度を超過している場合(ステップS505:No)、カーAV/ナビゲーションシステム300は、疑似エンジン音の出力を停止する(ステップS506)。このように、車両の走行速度が法定速度を超過している場合には疑似エンジン音の出力を停止することによって、速度が超過していることをユーザに気づかせるとともに、疑似エンジン音によって高揚した気分を静めさせることができる。
つづいて、カーAV/ナビゲーションシステム300は、車両の走行速度情報を取得して(ステップS507)、再度車両の走行速度が現在走行している道路の法定速度以下か否かを判断する(ステップS508)。法定速度を超過している場合には(ステップS508:No)、ステップS507に戻り、走行速度の監視を継続する。一方、法定速度以下の場合は(ステップS508:Yes)、疑似エンジン音の出力を再開する(ステップS509)。車両が走行を終了するまで(ステップS510:No)、カーAV/ナビゲーションシステム300は、ステップS503に戻り以降の処理を継続する。そして、車両が走行を終了すると(ステップS510:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上のような手順により、カーAV/ナビゲーションシステム300は疑似エンジン音出力をおこなう。疑似エンジン音を聞きながら運転することは、ユーザにとって大きな楽しみになる反面、気分が高揚することにより、速度超過や急加速、急発進など、通常よりも危険な運転を誘発するおそれがある。カーAV/ナビゲーションシステム300は、このような危険な運転がおこなわれた場合、エンジン音の出力を停止することにより、ユーザに注意を促すとともに、高揚した気分を静めて安全な運転をおこなうよう促すことができる。
なお、上述した説明では、車両の走行速度が法定速度を超過した場合に疑似エンジン音の出力を停止したが、これに限らず、たとえば、車両の加速度の時間あたりの変化量が所定量以上の場合、疑似エンジン音の出力を停止させてもよい。車両の加速度が急激に変化している場合、急加速や急発進などの危険な運転がおこなわれている可能性が高いためである。また、無理な追い越しや車線変更などがおこなわれている場合にも、疑似エンジン音の出力を停止させてもよい。このような運転がおこなわれているか否かは、たとえば、各種センサ416から出力される車両の走行状態に関する情報から判断してもよいし、カメラ417によって撮影された画像を画像解析して判断してもよい。
また、カーAV/ナビゲーションシステム300は、たとえば、高速道路や幹線道路では、疑似エンジン音の出力を停止してもよい。高速道路や幹線道路では、通常の道路よりも法定速度が高速に設定されている。このため、ユーザは疑似エンジン音によって気分が高揚しやすい状況にあると考えられる。このような状況においては、疑似エンジン音の出力を停止することにより、ユーザが危険な運転をおこなうことを回避することができる。具体的には、たとえば、車両が現在走行している道路の種別を地図データから読み出し、高速道路や幹線道路である場合には疑似エンジン音の出力を停止する。
また、カーAV/ナビゲーションシステム300は、車両が走行している道路の種別や法定速度に応じて疑似エンジン音の種類を自動的に変更してもよい。具体的には、たとえば、高速道路ではF1カーの疑似エンジン音、幹線道路ではターボエンジンの疑似エンジン音、一般道路では通常のエンジン音などのように、道路の種別に応じて出力する疑似エンジン音の種類を変更する。
さらに、カーAV/ナビゲーションシステム300は、走行中に疑似エンジン音の出力を停止した回数が所定回数以上になった場合、すなわち、ユーザが危険な運転を所定回数以上おこなった場合、疑似エンジン音の出力をおこなえないようにしたり、疑似エンジン音データを消去したりするようにしてもよい。特に、特定の疑似エンジン音を出力している間にユーザが危険な運転をおこなう傾向がある場合、出力を停止した回数が所定回数以上になった場合に疑似エンジン音データを消去することにより、危険な運転を防止することができる。
以上説明したように、カーAV/ナビゲーションシステム300は、車両の挙動に基づいて疑似エンジン音の出力を停止させる。具体的には、車両の速度が法定速度を超過している場合や、加速度の時間あたりの変化量が所定量以上の場合など、ユーザが危険性の高い運転をしている場合に疑似エンジン音の出力を停止させる。これにより、ユーザに対して速度超過などへの注意を喚起し、安全な運転を促すことができる。
また、カーAV/ナビゲーションシステム300は、高速道路など高速での走行が可能な道路においては、疑似エンジン音の出力を停止する。高速道路などでは高速での運転が可能なため、ユーザは疑似エンジン音によって気分が高揚しやすい状況にあると考えられる。このような状況においては、疑似エンジン音の出力を停止することにより、ユーザが危険な運転をおこなうことを回避することができる。
なお、本実施の形態で説明した出力制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
100 エンジン音出力装置
101 出力部
102 検知部
103 停止部

Claims (9)

  1. 車両内に疑似エンジン音を出力する出力手段と、
    前記車両の挙動を検知する検知手段と、
    前記検知手段によって検知された前記車両の挙動に基づいて、前記出力手段による前記疑似エンジン音の出力を停止させる停止手段と、
    を備えたことを特徴とするエンジン音出力装置。
  2. 前記検知手段は、前記車両の速度を検知し、
    前記停止手段は、前記速度が所定速度以上の場合、前記疑似エンジン音の出力を停止させることを特徴とする請求項1に記載のエンジン音出力装置。
  3. 前記停止手段は、前記速度が前記車両が走行している道路の法定速度を超えた場合、前記疑似エンジン音の出力を停止させることを特徴とする請求項2に記載のエンジン音出力装置。
  4. 前記検知手段は、前記車両の加速度を検知し、
    前記停止手段は、前記加速度の時間あたりの変化量が所定量以上の場合、前記疑似エンジン音の出力を停止させることを特徴とする請求項1に記載のエンジン音出力装置。
  5. 前記停止手段は、前記車両が現在走行している道路の種別に基づいて、前記疑似エンジン音の出力を停止することを特徴とする請求項1に記載のエンジン音出力装置。
  6. 前記停止手段は、前記車両が現在走行している道路が高速道路または法定速度が所定速度以上の道路である場合、前記疑似エンジン音の出力を停止することを特徴とする請求項5に記載のエンジン音出力装置。
  7. 車両内に疑似エンジン音を出力するエンジン音出力装置を制御する出力制御方法であって、
    前記車両の挙動を検知する検知工程と、
    前記検知工程で検知された前記車両の挙動に基づいて、前記疑似エンジン音の出力を停止させる停止工程と、
    を含んだことを特徴とする出力制御方法。
  8. 請求項7に記載の出力制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする出力制御プログラム。
  9. 請求項8に記載の出力制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
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