JP2010175534A - 磁気デバイス検査装置および磁気デバイス検査方法 - Google Patents

磁気デバイス検査装置および磁気デバイス検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】組立て前の磁気ヘッドを、非破壊、非接触で、かつ、高い分解能をもって、全数検査可能なスピードで検査をする。
【解決手段】試料5である磁気ヘッドに交流電流を印加することによって試料5から交流磁界を発生させる。試料5に磁性体の探針2または磁性体を塗布した探針2を持つカンチレバー1を近づけることによって、カンチレバー1が変位する。カンチレバー1の変位を検出することによって試料5からの磁界分布を検出する。試料5に印加する交流電流の周波数を、カンチレバー1の共振周波数とは異なる周波数とすることによって高速に試料5から発生する磁界分布を測定することが出来る。
【選択図】図1

Description

磁気デバイスの発生する磁場を検査する検査装置に関係する
ハードディスクに代表される磁気記録装置で用いられている書き込みヘッド検査の手段として、走査型電子顕微鏡(Scanning electron microscope: SEM)や原子間力顕微鏡(Atomic force microscope: AFM)、光学的手段による外観検査と、抵抗測定等の電気的検査、磁気力顕微鏡(Magnetic force microscope: MFM)による磁場測定がある。
SEMを用いた外観検査は電子線による素子へのダメージや真空引きなどのタイムロスにより、全生産数のうちの極少数を抜き取り検査できるにすぎない。AFMやMFMを用いた検査では、ナノメートルオーダーの分解能で所望の測定を行うと分単位で時間がかかるため、製品の極一部を抜き取り検査するために用いられているにすぎない。
光学的手段による外観検査では、高速でマイクロメートルサイズの形状不良と異物の有無を検査可能ではあるものの、横空間分解能の制限により書き込みヘッドの詳細形状検査、及び書き込みヘッドの発生する磁場の測定が行えない。ヘッドテスターによる電気的測定では、一度に多数の製品を並列に検査可能なため、製品の全数検査が可能であり広く用いられているが、製品付加価値が高いためより上流での検査が望まれていた。
AFMやMFM等の走査プローブ顕微鏡(Scanning probe microscope: SPM)では、探針を観察対象表面に沿って二次元的に走査するため測定時間を短縮し難いという問題があり、従来から高速化に対して様々な取り組みがなされてきた。例えば、「特許文献1」に開示されているように探針を二次元的に走査するのではなく、試料に対して離散的に接触を繰り返して各接触点でのみ観測を行い、観測点を減らすことで高速化を測るステップインという技術がある。
ステップイン方式では試料表面に対してほぼ垂直に探針を近づけていくため急峻な形状をより正確に測定可能であるという特徴と、測定点が連続走査方法に比べて少数となるため大面積を高速で走査することができるという特徴を有する。
一方で離散的な測定を行っているために大面積を測定する場合には水平面内分解能が犠牲となっている。例えばハードディスクに代表される磁気記録装置において、記録密度を向上させるためには書き込み幅を狭くする必要があり、そのために書き込みヘッドの発生する書き込み磁場も狭くする必要がある。この書き込み磁場を検査、及び評価するためには、書き込み磁場を十分分解可能な1~10ナノメートル程度の空間分解能を持ち、かつ全品検査が実現可能な速度で磁場測定が可能な磁場検出方法、及び装置が必要となる。
特開2007-85764
前記説明したように、従来方式の書き込みヘッド検査方法、及び検査装置であるSEMやSPM、光学顕微鏡、電気測定では、書き込み磁場を評価するために必要な磁場応答性とナノメートルの横空間分解能、全品検査が可能なスループットを全て満足することができなかった。
本発明の目的は、組立前の書き込みヘッドの検査を行う場合において、ナノメートルの横空間分解能をもって書き込みヘッドが発生する磁場を非破壊、非接触で、かつ全品検査可能な速度で測定する装置を提供することにある。
本発明では上記目的を達成するために、試料に電流を印加することによって磁場を発生させ、発生した磁場によって磁化させた磁性探針を持つカンチレバーを変位させ、該カンチレバーの変位によって探針位置における試料の発生した磁場を検出し、探針を持つカンチレバーを二次元走査することによって二次元磁場分布の測定を実現する。
また、試料へ印加する電流をカンチレバーの共振周波数から外れた交流とし、カンチレバーに誘起される振動を減衰の早い強制振動として時間応答性を向上させ、空間分解能を犠牲にすることのない高速走査を実現し、高速で試料の発生する磁場の二次元測定を実現する。
本発明により、ハードディスク用書き込みヘッドの発生する磁場の二次元分布を、製造工程の早い段階で非破壊、非接触な手法によって、全品検査可能なスループットをもって検査することが可能となる。
本発明におけるヘッド検査装置の基本的な装置構成の一例を示す図である。 本発明におけるヘッド検査装置で用いる磁性探針の一例を示す図である。 本発明におけるカンチレバー先端の振動、又は変位を計測する位置検出装置の一例を示す図である。 本発明における磁性探針の磁化状態を校正する装置の一例を示す図である。 本発明におけるヘッド発生磁界の測定原理を表す模式図である。 本発明におけるカンチレバー先端の振動様子を模式的に現した図である。 本発明における試料表面の傾斜を測定する装置の一例を示す図である。 本発明における探針の走査方法を模式的に現した図である。 本発明における試料測定の手順を表す図である。 本発明における上方観察系の構成の一例を示す図である。 本発明におけるステージ移動量検出系の構成の一例を示す図である。 本発明における試料励磁波形とカンチレバー先端の変位の一例を模式的に示す図である。 本発明における試料励磁波形とカンチレバー先端の変位の一例を模式的に示す図である。 本発明において試料に印加する励磁電流波形の一例を模式的に示す図である。 本発明においてカンチレバーを励振しない励磁電流波形の一例を模式的に示す図である。 本発明において試料励磁周波数とカンチレバー共振周波数の関係を示す図である。 本発明において位置検出装置によって測定されたカンチレバー先端の変位信号に施す周波数フィルタの例を模式的に示す図である。 本発明におけるカンチレバー振動の機械特性を示す図である。 本発明におけるカンチレバーの振動振幅のQ値依存性を示す図である。 本発明において2次元観察を行う際の探針の走査方式を模式的に示す図である。 本発明における検査手順を表す図である。 本発明における測定パラメータを設定するGUIの一例を示す図である。 本発明における周波数フィルタパラメータを設定するGUIの一例を示す図である。 本発明における励磁周波数を設定するGUIの一例を示す図である。 本発明における測定結果を2次元表示するGUIの一例を示す図である。 本発明における一連の測定結果を表示するGUIの一例を示す図である。 本発明における試料の形態の一例を示す図である。 カンチレバーの共振を強制的に抑えるシステムの模式図である。
以下に実施例を用いて本発明の内容を詳細に説明する。
本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明するが、図において、同一の符号を付した部分は、同じ性能特性を有する部分を示す。図1は、本発明によるヘッド検査装置の基本的な装置構成の一例である。本実施例では、探針2は後述するように、少なくとも一部に磁性体が塗布されている、または少なくともその一部が磁性体で形成されている。
カンチレバー1は加振素子3の上に固定されており、発振器4が加振素子3を励振することによってカンチレバー1が任意周波数で振動する。加振素子3には例えば、圧電素子や水晶振動子を用いる。または、加振素子3を用いる代わりにカンチレバー1保持部外より伝播させた弾性波による手段、又はカンチレバー1と電極で形成するコンデンサへ交流電流を印加する事による手段、又はカンチレバー1の少なくとも一部に設けられた磁性体に交替磁場を当てる手段のいずれかによってカンチレバー1を加振することができる。
上記方法によりカンチレバー1を加振することで、探針2を試料5表面に間欠的に接触させ、試料5表面の物理形状を測定するAFMとして機能させることができる。また、カンチレバー1を加振し、試料5表面より漏れ出る磁場を検出するMFMとして機能させることもできる。
一定周波数で振動する探針2付カンチレバー1が試料5表面へ接近すると、両者の間に作用する原子間力や磁気力、静電気力により、カンチレバー1振動の振動振幅や位相が変化する。カンチレバー1の振動振幅や位相変化を、位置検出器6によって計測する。検出したカンチレバー振動の振動振幅変化や位相変化を用いて探針2の試料5への接触を検知する。
位置検出器6はまた、発振器4に加振されていない状態のカンチレバー1先端の変位を検出する。カンチレバー1先端の変位によって探針2と試料5の間に働く、例えば原子間力や磁気力、静電気力等の力を検出することができる。位置検出器6で検出したカンチレバー1先端の振動または変位に起因する信号は、増幅器7によって増幅される。増幅器7にロックイン増幅器を用い、発振器4の発振周波数にロックすることでカンチレバー1の振動に起因する信号のみを選択的に取得してもよい。
試料5は、微動XYZスキャナ8に固定され、微動XYZスキャナ8は粗動XYZステージ9に搭載される。微動XYZスキャナ8は、例えば圧電素子等により構成され、微動XYZスキャナ駆動制御部10によって制御される。微動XYZスキャナ8は、サブナノメートルの水平分解能及び垂直分解能をもち、探針2先端と試料5表面の間隔、及び探針2と試料5の水平方向の相対的位置を変化させる。
探針2と試料5の相対的位置を制御することで二次元スキャンを実現し、二次元スキャンと連動して位置検出器6によってカンチレバー1先端の変位や振動を測定することにより、試料5の表面及び表面近傍の物理量を二次元マッピングする。粗動XYZステージ9は、例えばボールネジとステッピングモーターによって構成されるステージ、または空気式ステージ、または超音波ステージであり、ステージ駆動制御部11によって制御される。粗動XYZステージ9により、探針2の観察位置への粗いアプローチや試料5測定後の探針の退避、試料5交換時または探針2交換時の、探針2及び微動XYZスキャナ8の退避を実現する。
プローブ12は、プローブ台13に固定され、プローブ台13は粗動XYZステージ9に搭載される。プローブ12は、例えば金属製の一対の針で構成され、一対の針が各々定電流源14の正極と負極に接続され、プローブ12で接触している対象物へ電流を印加する。プローブ12の二本の針(正極と負極)の間には抵抗測定器15があり、プローブ12が試料5に接触することで変化する抵抗値を読み取ることによって、プローブ12の試料5への接触を検知する。
また、抵抗測定器15を用いて試料5の抵抗値を測定することができる。プローブ台13は、例えばボールネジとステッピングモーターで構成されるステージであり、少なくともプローブ12を試料5へ接近させる及び退避させる方向に動くものとし、プローブ台駆動制御部16によって制御される。プローブ台13を二機用意し、二機のプローブ台13各々にプローブ12を各一本搭載し、各々を独立可変として試料5へのプローブ12の接触、及びプローブ12の試料5からの離脱をしてもよい。
また、プローブ台13が試料5の電極を有する面に対して平行に駆動してプローブ12が試料5へ接触する位置を変える機構を備えても良い。定電流源14は、直流又は任意周波数の交流の少なくとも一方または両方を出力し、試料5を励磁する。また増幅器7にロックインアンプを用いる場合は、参照信号をロックインアンプへ導き、位置検出器6によって検出されるカンチレバー1の振動の振幅変化、又は位相変化、又はカンチレバー1先端の変位の少なくとも一つの信号から、試料5を励磁したことによるカンチレバー1の応答を選択的に取得する。この際、スイッチ21は発振器4から定電流源14側へ切り替える。
側方観察系17は、例えば顕微鏡、又は望遠鏡で構成される拡大光学系と、例えばCCDなどの撮像素子で構成される撮像部からなり、試料5の電極を有する面とプローブ12の先端を観察する。撮像部で取得された画像は制御器19へ送られ、制御器19で画像処理を行ってプローブ12と試料5の接近を検知することができる。
上方観察系18は、例えば顕微鏡、又は望遠鏡により構成される拡大光学系と、例えばCCD等の撮像素子からなる撮像部からなり、カンチレバー1と試料5を観察する。上方観察系18による観察結果は制御器19へ送られ、制御器19での画像処理を通じて探針2と試料5表面上にある観察対象の面内位置ズレを算出し、制御器19が粗動XYZステージ駆動制御器11又は微動XYZスキャナ制御器10を制御して探針2を観察対象領域へ粗アプローチさせる。
また上方観察系18は試料5表面を観察し、異物や形状不良がないか外観検査をする。上方観察形18は明視野観察及び暗視野観察を両方実施可能な構成であり、明視野観察によって試料5の表面外観不良をマイクロメートルサイズで検査し、暗視野観察によって数百ナノメートルから数十ナノメートル範囲の異物、及び欠陥を検出する。後述するように、上方観察系18による明視野観察、及び暗視野観察の結果を用い、探針2を試料5表面に沿って走査して観察する場合に、探針2が異物や欠陥を回避して走査し、異物や欠陥に接触して探針2先端が破損することを防ぐ。
制御器19は、増幅器7から出力されるカンチレバー1の振動振幅、又は位相、又は先端の変位情報を、抵抗測定器15よりプローブ12の正極と負極の間の抵抗値を、側方観察系17および上方観察系18での観察結果を取得し、発振器4と微動XYZスキャナ駆動制御部10、ステージ駆動制御部11、定電流源14、プローブ台駆動制御部16を制御する。
制御器19によって発振器4の発振周波数を送引させすることができ、これによってカンチレバー1の加振周波数を連続的に変化させてカンチレバー1の共振周波数を探すことが可能である。制御器19は、微動XYZスキャナ8を制御して探針2と試料5の相対位置を変化させ、各点でのカンチレバー1の振動振幅変化、または振動の位相変化、またはカンチレバー1の先端の変位を取得して二次元画像を構築し、表示機20に表示する。
図2に、カンチレバー1及び探針2の一例を模式図で示す。カンチレバー1先端に設けられた探針2は、半導体微細加工を利用して作成された円錐、又は角錐型をしており、その先端がナノメートルサイズで鋭利である。試料5表面より漏れ出る磁場、又は試料5へ電流を印加することによって発生する磁場を検知するために、探針2は先端部分の少なくとも一部が磁性体で構成されている、又は先端部分の少なくとも一部に磁性体が貼り付けられている。
図2(b)は磁性体の貼り付の一例を示す。図2(b)-(1)は探針2の全面が磁性体で覆われた例を、図2(b)-(2)は角錐形状をした探針のある一面に磁性体を貼り付けた例を、図2(b)-(3)は探針の先端部分にのみ磁性体を貼り付けた例を、図2(b)-(4)には角錐形状をした探針のある一面の先端部分にのみ磁性体を貼り付けた例を示す。磁性体の貼り付けはここに示した例に限定されるものではない。
または、探針2そのものを磁性体で作製しても良く、形状は例えば、角錐であり円錐である。探針2を磁性体で作製する場合は、少なくともその先端の一部が磁性体であればよい。図2(c)-(1)のように、探針2先端にカーボンナノチューブ(Carbon nanotube:CNT)を配し、CNTの先端に微小な磁性体を付加してもよく、図2(c)-(2)のようにCNTの先端部分表面の少なくとも一部に磁性体を塗布してもよく、図2(c)-(3)のように探針2先端に半径がナノメートルオーダーの針状磁性体を結晶成長させて用いても良い。
探針2に貼り付ける磁性体は、例えば硬磁性体であるコバルトニッケル合金やコバルト白金合金等のコバルト系合金やフェライト、又は軟磁性体である鉄やニッケル、パーマロイである。硬磁性体を探針2に貼り付けて用いる場合は、試料測定前に探針2を既知の磁場で磁化させることにより、測定結果の校正が容易となる。
また、測定中に試料5の発生する磁場によって探針2の磁化状態が変化することが無いため、測定結果の解釈が容易となる利点がある。軟磁性体を探針へ貼り付ける場合は、測定対象の磁場を乱すことなく測定が可能となる利点があり、弱磁場を測定する場合に適している。一方で軟磁性体の磁化状態が試料5の発生する磁場に依存するため応答が試料5の発生する磁場に非線形となり、測定結果の校正が硬磁性体を用いる場合より困難となる。
次に、図1記載の位置検出器6の実際の構成を図3を用いて詳しく説明する。図3(a)は光テコを用いた検出装置の構成例を、図3(b)は金属針を利用した検出装置の構成例を、図3(c)は近接場光を利用した検出装置の構成例を、図3(d)は静電容量センサを利用した検出装置の構成例をそれぞれ示す。
図3(a)に示した光テコを用いた位置検出器6は、レーザー光源101より発振された測定光をカンチレバー1先端へ照射し、反射光を分割光検出器102によって検出する構成である。カンチレバー1が変位すると、測定光の反射光はカンチレバー1で偏向され、分割光検出器102上での入射位置が変化する。
反射光の入射位置が変化する変化量を分割光検出器102の出力として測定することにより、カンチレバー1先端の変位を知ることができる。分割光検出器102は、例えば四分割フォトダイオードであり、ポジションセンサ(PSD)である。図3(b)に示した金属針を利用した検出装置は、金属針103とカンチレバー1の間に電源104によってバイアス電圧を印加し、金属針103とカンチレバー1の間に流れる電流を電流計105によって測定することで、金属針103とカンチレバー1の離間距離を求める。本検出装置の構成と位置検出原理は走査型トンネル顕微鏡の高さ検出原理と同じである。
本検出装置を用いる場合はカンチレバー1と金属針103の間隙を真空に保つ必要があるが、カンチレバー1の高さ変化をサブナノメートルの単位で知ることが可能となる。図3(c)に示した近接場光を利用した検出装置は、例えば先端にナノメートルサイズの開口を持つ光ファイバーヘッド106と、光源107、及び光検出器108によって構成される。
光源より出た光を光ファイバーヘッド106へ導き、光ファイバーヘッド106先端に設けられた微小開口より漏れ出る近接場光の、カンチレバー1での反射光を光検出器108によって検出する。微小開口より漏れ出る近接場光は微小開口からの距離に依存する強度を示すため、反射光強度をモニターすることによってカンチレバー1と微小開口の間隔を知ることができる。
本検出装置の構成と位置検出原理は、走査型近接場光顕微鏡の高さ検出原理と同じである。ここで、光検出器108は、例えばフォトダイオードや光電子増倍管、CCD等の固体撮像素子、アバランシェフォトダイオード等である。図3(d)に示した静電容量センサを用いた検出装置は、例えば、カンチレバー1に極近い位置にカンチレバー1表面と平行する様に電極109を配置し、電極109とカンチレバー1の間に電流計105を接続する構成である。本検出方式では、カンチレバー1と電極109によってコンデンサを形成し、カンチレバー1と電極109の間隔が変化することによるコンデンサの容量変化をモニターすることによって、カンチレバー1の変位を検出する。
図4は、探針2を磁化させる機構の模式図を示す。図4(a)は電磁石201によって探針2を磁化させる例を示す。電磁石201は、鉄やパーマロイ等の軟磁性体の心棒に電線を巻きつけてコイルを形成したもので、コイルの両端に電源202より直流電圧を印加することにより、一定の磁場を発生させ、探針2を磁化する。
電磁石201の発生する磁場の強度は、探針2に用いられている磁性体の保持力より強く、探針2先端を破壊してしまわない強さとする。探針2の磁化は、図4(b)に示す様に、例えばネオジム磁石の様な永久磁石203によって行ってもよい。探針2の磁化方向が一定となるように、探針2の電磁石201又は永久磁石203への接近と離脱は常に一定方向でなされ、かつ、接近・離脱の方向は探針2の磁化方向が探針2の設けられたカンチレバー1表面に垂直であることが望ましい。
図4(c)に示すようにして電磁石201又は永久磁石203によって探針2を磁化する場合、電磁石201又は永久磁石203を対向して配置して探針2を磁化する磁場を均一にし、探針2の磁化方向の探針内でのバラツキを軽減する配置としても良い。前述した様な探針2の磁化は、測定結果が常に等しくなるように、探針交換時に行う、あるいは定期的に行う、あるいは望ましくは新しい試料を測定する前に毎回行う。また、電磁石201や永久磁石203の発生する磁場を予め探針2で測定することにより、探針2の感度や探針2による測定結果を校正することが可能となる。
本発明における磁性探針を持つカンチレバー1による磁場検出の原理を、ハードディスク用書き込みヘッド601が発生する磁場を測定する場合を例にとって、図5で説明する。図5(a)は、書き込みヘッド601を含む試料断面と、走査するカンチレバー1及び探針2、プローブ12、定電流源14の模式図を示す。プローブ12で試料へ電気的接触を取り、定電流源14より電流を印加することにより試料5を励磁する。
図5(a)の様に、加振されていないカンチレバー1を走査することで磁化された探針2が書き込みヘッド601へ接近してくると、書き込みヘッド601の発生する磁場が磁化された探針2または探針2に貼り付けられた磁性体に作用し、カンチレバー1先端を変位させる。カンチレバー1先端を変位させる力は、探針2の磁化状態と書き込みヘッド601の励磁による引力又は斥力である。カンチレバー1先端の変位は位置検出器6によって検出する。
書き込みヘッド601に印加する電流を図5(b)に示したように交流電流とすると、書き込みヘッド601ヘッドの発生する磁場は交代磁場となり、カンチレバー1の先端は振動する。図5(c)に、カンチレバー1を試料5表面近傍で走査して探針2と書き込みヘッド601が近づくと、書き込みヘッド601の発生する磁場によってカンチレバー1が振動をはじめ、書き込みヘッド601上を通過する時間Tscanだけ振動を続け、書き込みヘッド601を通過するとカンチレバー1の振動が収まる様子を、横軸に探針2の走査時間をとり模式的に示した。カンチレバー1先端の変位の振幅は図5(d)に示したようになり、Tscanより書き込み磁場幅を見積もる。
書き込みヘッド601に交流電流を印加してカンチレバー1を加振する場合において、交流電流の周波数がカンチレバー1の共振周波数であれば、カンチレバー1の振動はカンチレバー1のQ値によって決まる。この場合、カンチレバー1が共振するため先端の振動を大きくすることができ、かつQ値が大きいことによって振動が減衰せず長く続くため(例えば図6(a)のtd)、信号を大きく取得できる。
書き込みヘッド601に交流電流を印加してカンチレバー1を加振する場合において、交流電流の周波数がカンチレバー1の共振周波数を外している場合、または位置検出器6によって測定したカンチレバー1の速度情報を発振器4にフィードバックすること等によってカンチレバー1のQ値を制御してQ値を小さくした場合、図6(b)に示したように振動振幅は共振周波数で励振する図6(a)の場合に比べて小さくなり、時定数td’が短くなる。
そのため、共振を外した励振を行えば時間応答性に優れる。各測定点において時定数td’を位置検出器6のサンプリング周波数rとtd’<1/rの関係に制御できれば、空間分解能を悪化させることなくカンチレバー1を走査して測定が可能である。td’をより短くすることによって高速応答性が向上し、探針2をより高速で走査可能となる。
書き込みヘッド601に印加する電流の周波数がカンチレバー1の共振周波数から外れている場合は、カンチレバー1を試料5の発生する磁場で強制振動させることとなる。この場合、カンチレバー1の振動には励磁周波数の振動成分とカンチレバー1の固有振動の振動成分が含まれる。
このカンチレバー1の振動から試料5の励磁周波数を抽出することにより、試料5の発生する磁場に関する情報を取得することができる。特に、試料5を励磁する周波数がカンチレバー1の固有周波数fのN倍、又は1/N倍である場合は図12,または図13に図示したような振動となる。ここでNは2以上の整数である。なお、励磁する周波数をカンチレバー1の固有周波数fのN倍、又は1/N倍とすると、ロックイン検波の時間を短縮できるという利点がある。
図12(a)は周波数Nfで試料を励磁する場合の励磁電流の波形を、図12(b)は励磁場によって励起されたカンチレバー1の強制振動を、図12(c)は励磁場によって誘起される周波数fのカンチレバー1の固有振動を、図12 (d)は周波数Nfの励磁電流によって誘起されるカンチレバー1の振動(図12(b)の強制振動と図12(c)の共振の合成)の一例をそれぞれ模式的に示す。
図12(b)において、カンチレバーの振動は共振周波数ではないので、励磁が終わると同時にカンチレバーの振動も止まる。12(d)に示した波形から強制振動の振幅を取り出すには、ロックイン検波の手法を用い、周波数Nfの正弦波を積算し、移動平均をすることで実現可能である。なお、積算する波形は正弦波に限らず、余弦波でもよい。また、位相は任意でもよい。
図13(a)は周波数f/Nで試料を励磁する場合の励磁電流波形を、図13(b)は励磁場によって励起されるカンチレバー1の強制振動を、図13(c)は励磁場によって誘起される周波数fのカンチレバー1の固有振動を、図13 (d)は周波数f/Nの励磁電流によって誘起されるカンチレバー1の振動(図13(b)の強制振動と図13(c)の共振の合成)の一例をそれぞれ模式的に示す。
図12に示したようにカンチレバー1の固有周波数fのN倍で励磁をした場合、励磁周波数Nf成分を抽出するようにロックイン検出を実施すると、ロックインの積算時間を1/fまで短くしても励磁周波数信号の含まれていない周波数fの成分を正負で相殺することができ、信号雑音比のよい信号を取得することが可能となる。
一方、図13に示したように、励磁周波数fがカンチレバー1の固有周波数fの1/N倍となる場合は、N/fの積算時間によりカンチレバー1の固有振動成分を除去することが可能なため、ロックイン検出における積算時間をN/fまで短くしても信号雑音比のよい信号を取得することが可能である。図12、図13に示したような電流印加手段によって、書き込みヘッド601に印加する電流の周波数でカンチレバー1を加振してその振動のみを周波数fまたはf/Nで検出することが可能であるため、信号取得を同周波数で実行でき、カンチレバー1を高速で走査しても画像取得が可能となる。
励磁電流の印加を、図14に示したようにすることも考えられる。図14(a)に示したのは、試料5の励磁を実際の使用状況に合わせてfHで行い、その振幅を周波数fで変調するという方法である。この場合、試料5がfHで励磁されるため実際に使用される際に発生する磁場と同じ磁場を発生させることが可能であり、たとえカンチレバー1がfHに追従して振動することができなくとも、周波数fで変調される包絡線をカンチレバー1で検知することが可能である。すなわち、実際に試料5の磁化状態等を測定する周波数はfEであるが、試料の励磁を実際の使用と同じ高周波fHで励磁しておくことによって、実際に使用されるの物理状態における磁化状態等の測定を行なうことが出来る。
図14(b)に示したのは、試料5の励磁を実際の使用状況にあわせてfHで行い、励磁を断続的に振幅変調する方法である。この手段では、試料5をfHで励磁するため実際に使用される際に発生する磁場と同じ磁場を発生させることが可能であり、カンチレバー1が周波数fHで発生する磁場に追従して振動することができなくとも、tpだけ継続する励磁によってカンチレバー1を変位させることができ、磁場を検知することが可能である。励磁継続時間tpと非励磁時間tFは探針2が試料5へ接触しない条件であれば信号を大きく稼げるように任意に設定することができる。
図14(a), (b)に示した励磁電流の印加を行う場合、励磁周波数fHはカンチレバー1が追従して振動しない周波数であるため、印加電流振幅を図15のように+Vから-Vまでオフセットなしで印加すると、カンチレバー1に作用する磁気力は平均してゼロとなり、カンチレバー1は励振されない。そのため、高周波で励磁する場合は、図14(a), (b)に示すようにオフセットをもうけた電流印加をする必要がある。
探針2へ付加する、又は探針2の少なくとも一部を形成する磁性体が軟磁性体である場合において、試料5の励磁を図15に示したような周波数f’のオフセットなしの励磁電流を印加した場合、カンチレバー1の振動は2 f’となる。これは、軟磁性体の磁化が外部磁場と平行に、かつ外部磁場に比例するために、探針2に作用する磁気力が外部磁場の二乗に比例するためである。すなわち、カンチレバーに取り付けられた軟磁性体に働く力Fは磁界Hと軟磁性体の磁化Bの積H×Bに比例するが、軟磁性体は外部磁界に磁化されるので、BはHに比例する。したがって、カンチレバーの受ける力Fは磁界Hの二乗に比例することになる。なお、この場合は、カンチレバー1は、周波数f’あるいは周波数2 f’には追随できるものとする。
このため、図15に示したようなオフセットなしの励磁を行った場合でカンチレバー1の振動を除去するためにロックイン検出する場合、励磁交流電流の周波数を、探針2を持つカンチレバー1の共振周波数fのN/2倍、又は1/2N倍とすると、ロックインの積算時間を1/fまで短くしても励磁周波数信号の含まれないカンチレバー1の固有振動に起因する周波数fの成分を正負で相殺することができ、信号雑音比のよい信号を取得することが可能となる。探針2に軟磁性体を用いた場合においても、図14(a), (b)に示したようなオフセットを持つ励磁電流を印加すると、カンチレバー1に誘起される振動の周波数は搬送波の振幅の周波数fとなる。
試料5の発生する磁場が強く、探針2へ付加する、又は探針2の少なくとも一部を形成する硬磁性体が軟磁性体として振舞う場合において、試料5へ印加する励磁電流が図15に示したような周波数f’のオフセット無しの交流電流であった場合、カンチレバー1の振動は2f’となる。
このため、カンチレバー1の振動を除去するためにロックイン検出する場合、励磁交流電流の周波数を、探針2を持つカンチレバー1の共振周波数fのN/2倍、又は1/2N倍とすると、ロックインの積算時間を1/fまで短くしても励磁周波数信号の含まれないカンチレバー1の固有振動に起因する周波数fの成分を正負で相殺することができ、信号雑音比のよい信号を取得することが可能となる。
試料5の発生する磁場が強く、探針2へ付加する、又は探針2の少なくとも一部を形成する硬磁性体が軟磁性体として振舞う場合において、試料5へ印加する励磁電流が図14(a), (b)に示したようなオフセットを持つ励磁電流を印加すると、カンチレバー1に誘起される振動の周波数は搬送波の周波数fHとなる。
このため、カンチレバー1の振動を除去するためにロックイン検出する場合、励磁交流電流の周波数を、探針2を持つカンチレバー1の共振周波数fのN倍、又は1/N倍とすると、ロックインの積算時間を1/fまで短くしても励磁周波数信号の含まれないカンチレバー1の固有振動に起因する周波数fの成分を正負で相殺することができ、信号雑音比のよい信号を取得することが可能となる。
ところで、試料5を励磁する周波数がカンチレバー1の共振周波数と同じにならざるを得ない場合がある。この場合は、カンチレバー1の共振に伴う時定数の増大を強制的に抑える必要が生ずる。この方法を図28に示す。図28において、カンチレバー1には、圧電素子2003が配置され、圧電素子2003は、カンチレバー1の振動を制御することが出来る。圧電素子2003は、図1における加振素子3で兼用させても良い。
図28において、カンチレバー1の動きを感知する振動モニター2000がカンチレバー1の上方にセットされている。振動モニター2000は図1における位置検出器6で兼用させても良い。振動モニター2000が検出した振動波形の位相に対して逆位相となるように、振動波形の位相を位相シフター2001によって変化させる。この位相シフター2001によって変化させられた位相を持つように交流電源2002から圧電素子2003に信号が送られる。圧電素子2003は、カンチレバー1の振動を抑えるような振動を発生し、カンチレバー1の振動を短期に終わらせる。測定点毎に試料5に対する励磁周波数を異ならせる場合も、この方法によれば、カンチレバー1の振動を短期に終わらせることが出来る。
図7は試料5の表面301の傾斜を測定する方式の一例を示す。試料5の表面301の傾斜測定は、磁化した探針2を走査する前に行う。図7(a)は光テコを用いた傾斜測定法を示す。観察領域300に対して斜め上方より、光源302より発した光を照射し、反射光を受光素子303にて電気信号へ変換し、光の入射した位置より試料表面301の角度θを求める。試料表面301の傾斜θは、測定光の照射された位置と受光素子303の距離λと、受光素子303上での光の入射位置の変位Δより算出することができる。この場合、光源302より発せられる測定光は、レーザー又は白色光源である。
受光素子303は、たとえばラインセンサや二次元CCDアレイ、ポジションセンシティブセンサーのような撮像素子である。本方式による試料表面301の傾斜計測では、測定光の照射される位置の高さ情報を知らないと、試料表面301の高さ変化と傾斜を誤認する。そのため、傾斜角度qの精度が必要な場合は別手段によって測定光照射位置の高さ情報を取得しておかなければならない。
図7(b)は光学式傾斜測定の別方式を示す。図7(b)に示した測定法は、光源301より発せられた測定光を試料表面301上方より観察領域300へ照射し、その反射光をビームスプリッタ304で折り曲げ、受光素子303で電気信号へ変換し、光の入射した位置によって試料表面300の傾斜を測定する方式である。
この方法では、試料表面300が角度θ傾くと測定光の反射光が角度2θ傾くため、試料表面300から受光素子303の距離を用いて試料表面300の傾斜を求めることができる。本方式では、測定光の照射される試料表面301の高さ情報を用いることなく、試料表面301の傾斜を測ることができる。
本方式で用いる測定光の光源302はレーザー、又は白色光源である。受光素子303には例えば、ラインセンサやCCDアレイ、ポジションセンシティブセンサーのような撮像素子を用いる。受光素子303として二次元CCDアレイを用いる場合は、試料表面301の傾斜の、図7右下に示した直交座標におけるx軸回転とz軸回転による試料表面301の傾斜を同時に測定することが可能である。
図7(c)は、探針2を用いた試料表面300の傾斜を測定する方法を示す。この方法では、探針2を試料表面301の観察領域300外にアプローチさせて接触を検知する(接触(1))。その後に探針を離脱させ、距離Dxだけ離れた観察領域300外に再度アプローチして、探針2を接触させる(接触(2))。接触(1)と接触(2)の二点の間隔Dxと、それと直行する試料表面301高さの変位Dyを用い、測定領域300で予想される平均的傾斜をDy/Dxとして求めることができる。
図7(a)及び図7(b)の計測は測定光の照射を複数点で行い、各測定点での結果を平均、ないしは他の統計量を用いて測定精度を向上させても良い。または、複数点を測定した結果を多項式で近似することによって、試料表面301の凹凸を考慮した試料傾斜補正を行っても良い。
図8は探針2の走査方法を説明する模式図である。図8(a)は観察面300上に異物がない場合の探針2の試料5へのアプローチ及び走査順序であり、図8(b)は観察面300上に異物がある場合の探針2の試料5へのアプローチ及び走査方法である。
観察面300上に異物がない場合は、退避していた探針2(1001)が試料5へ接近し、探針2を観察領域300外の試料表面へ接触させる(1002)。その後、所定量(オペレータが決定する量)だけ探針2を試料表面301より離脱させ、観察面300へ接近し(1003)、観察を終了したら(1004)、探針2を試料から離脱させる(1005)。
観察面300への接近1003と観測1004の際に、図7で説明される試料表面301の傾斜測定、又は光干渉計による傾斜測定、又は走査プローブ顕微鏡の探針による傾斜測定の結果を用いて試料表面301から一定の距離を探針2が走査するように制御する。また、上方観察系18で行った試料表面の光学観察(明視野観察、及び暗視野観察の少なくともどちらかの観察)の結果、試料表面301に異物1007等があった場合には、異物1007の位置情報とサイズ情報を基にして、異物1007を回避するように探針2を走査させる制御を行うことが望ましい。
図8(c)に示したように、探針2を試料表面301から所定量だけ離脱させたまま二次元走査1004を実行し、その後に探針2の試料5からの離脱量を変化させて再度観察面1006の測定1008を行い、その後に探針2を試料5より離脱させても良い。
このように探針2と試料5の間隔を変化させた測定を試料5への接近1002を一回で済ませる方式とすると、探針2の接近1002時間を節約でき、かつ高さを変えた場合の磁場情報をより多く集めることができる。又は、図8(d)に示したように、測定終了後の探針2の離脱を、二次元走査1004が終了した位置ではなく、最も興味深い位置(最も興味深い対象が有る領域)に移動して(1005)、そこで探針2を試料5より離脱させても良い。その場合、探針2が試料5より離脱する際に高さ方向の情報を連続的に取得可能となり、取得情報を増やすことができる。
図9は、探針2が試料5の観察対象300を含む領域へ移動した後からの、磁気ヘッド検査装置の検査シーケンスを示す。はじめに、検査対象の表面傾斜を、例えば図7で説明する方法によって測定し、記憶しておく(2001)。
次に、例えば図4に示す手段により、探針2の磁化状態の初期化を行う(2002)。その後、試料5の高さ基準点上へ探針2を移動させ(2003)、探針2を試料5へ接近させる(2004)。試料5の高さ基準点の試料表面内位置は、上方観察系18によって取得された光学像より求めることができる。
探針2が試料5への接触を検知したら(2005)、そこを高さ基準点と定め、所定量だけ探針2を試料表面301より離脱させる(2006)。探針2の試料5への接触検知は、例えば図3に示したような位置検出器6によって、例えばカンチレバー1先端の変位として検知することができる。探針2の離脱2006の離脱量は、予め定められた量とするか、またはオペレーターが直接入力するものとする。
高さ基準を決め、探針2を所定量だけ試料5より離脱させた後、探針2を観察対象300が含まれる領域へ移動させる(2007)。この際、事前に測定しておいた試料傾斜情報を用い、観察領域300において探針2が試料表面301に接することがないようにする。観察対象300を含む領域へ探針2を移動させた後に(2008)、試料2を定電流源14によって励磁して磁場を発生させ、観察対象300を探索する(2009).。
観察対象300の探索は、例えば実際に探針2を二次元的に走査して画像を取得して行う。この際の二次元走査はラスタースキャンである必要はなく、また、観察対象300を探索可能であれば低解像度でよい。観察対象300を発見した後、探針2を観察対象300へ接近させ(2010)、必要な解像度を得られる精度で探針2を走査して探針先端の振動、または変位を位置検出器6によって測定し、試料より発生する磁場を二次元観察する(2011)。
二次元観察が終了した後、探針2と試料5の距離を変化させた測定を行うのであれば(2012 YES)、探針浮上量を変化させて(2013)、再度観察対象300を観察する(2011)。探針2と試料5の距離を変化させた測定を行わないのであれば(2012 NO)、探針2を試料5より退避させ(2014)、試料5の励磁を停止する(2015)。探針2の退避を、図8(d)に示すように、興味ある観察対象300の上で測定を行いながら行う場合、試料5の励磁停止(2015)は探針2が試料5の発生する磁場に対する応答が消えてからとする。以上の手順をもってある一つの試料5に対する測定を終了とする(2016)。
上方観察系18に顕微鏡を用いる場合の構成の一例を図10に示す。照明光源401より発せられた照明光は、ビームスプリッタ402で反射され、対物レンズ403によって試料5表面へ集光される。試料5表面で反射された照明光は、対物レンズ403で採光され、ビームスプリッタ402を透過し、結像レンズ404にて撮像素子405に結像される。
上記装置により、試料5表面の明視野観察を実施し、表面外観検査及び観察位置の確認を行う。暗視野照明406より発せされた照明光は、対物レンズ403外側を通り、斜め上方から試料5へ照射される。試料5表面に微小異物や微小欠陥がある場合はそれら微小異物や微小欠陥によって散乱された照明光が対物レンズ403によって採光され、結像レンズ404にて撮像素子405へ集光される。このような手段によって試料表面を暗視野観察する。照明光の正反射光は、ビームストッパ407によって遮断される。照明光源401は、可視光レーザーや紫外光レーザー、白色光を用いることができる。
図11(a)は微動XYZスキャナ8の移動量を測定する機構の一例を示す。光源501より発せられた測定光は、ビームスプリッタ502によって分割され、一方は測定光508として用い、もう一方は参照光509として用いる。
光源501は、例えば可視光レーザーを用いる。参照光509はミラー503によって下ステージ504へ導かれ、測定光508は上ステージ505へ導かれる。測定光508が照射される上ステージ505の一面、及び参照光509が照射される下ステージ504の少なくとも光の照射される一部は、測定光508、及び参照光509を反射させるミラー506となっている。
上ステージ505で反射された測定光508、及び下ステージ504で反射された参照光509は、ビームスプリッタ502にて同軸に重ねられ、光検出器507へ導かれる。検出器507は、例えば、フォトダイオード、又はCCDアレイ、又はラインセンサである。光検出器507検出面上では測定光508と参照光509が干渉し、光検出器で測定される光強度、又は干渉縞は上ステージ505の移動と共に変化する。図11(b)に上ステージ505が移動することによって変化する光検出器507上のある一点での光強度の変化を、横軸を上ステージ505の移動量をとって模式的に示す。
光検出器507上である一点での光強度は、上ステージ505の移動とともに正弦的に強弱するため、光強度をモニターすることによって上ステージ505の移動量を知ることができる。例えば、強弱の一周期(Imax→Imin→Imaxの一周期)で光源501より発せられる光の波長λだけ上ステージ505がx方向に移動したことを検知できる。
光強度変化の最大値Imaxと最小値Iminを検出するのみならず、ImaxとIminの間の光強度をより詳細に検出することにより、波長λ以下の分解能で上ステージ505の移動量をモニターできる。光検出器507に例えば二次元CCDアレイなどの二次元撮像素子を用いる場合は、干渉縞の移動がモニター可能なため上ステージ505のx方向の移動量と同時にピッチングやヨーイングも計測することができる。
試料5に印加する励磁電流の周波数fEを、カンチレバー1の共振周波数fのN倍または1/N倍とするカンチレバー1の加振では、カンチレバー1の振動振幅がノイズレベル以下となる場合がある。そのような場合には、ノイズレベル以上のカンチレバー1の振動振幅を得るために、試料5へ印加する励磁電流の周波数fEを変更する。
図16に、励磁周波数fを、カンチレバー1の共振周波数fのN倍または1/N倍から変更する場合の、共振周波数fと励磁周波数fの関係の例を示す。図16aはf<fの関係を、図16bはfとfが近接しているがf<fの場合を、図16cはfとfが近接しているがf<fの場合を、図16dはf>fの場合を示す。
図16aないし図16dに示した例のように、励磁周波数fは共振周波数fによらず、任意の周波数を選択可能である。図16aと図16dには、共振周波数f成分と励磁周波数f成分の分離が容易であり、かつ、励磁周波数fのカンチレバー強制振動の時定数tdを短くするために、励磁周波数fと共振周波数fを離す場合の例を示している。一方、図16bと図16cには、カンチレバー強制振動の時定数tdが長くても振幅を大きくするために、励磁周波数fと共振周波数fを接近させる場合の例を示している。
図17に、図16に例示した励磁周波数fと共振周波数fの関係にある場合に、共振周波数f成分と励磁周波数f成分の分離および信号雑音比向上の為に用いる周波数フィルタの例を示す。以下、カットオフ周波数とは、周波数フィルタにおいて、透過帯域から阻止帯域に変化する周波数を指す。
図17Aには、共振周波数fより低周波で励磁した場合(f<f:例えば図16aや図16b)に用いる周波数フィルタの例を示す。f<fの場合は、共振周波数成分を除去するため、カットオフ周波数fCが共振周波数未満かつ励磁周波数より高周波(f<fC<f)である低域透過フィルタを用いる。また、低周波振動やバックグラウンドが残留する場合は、励磁周波数f未満の周波数成分を除去するために、カットオフ周波数fCが励磁周波数f未満である高域透過フィルタ(fC<f)を用いる。
図17Bには、共振周波数fより高周波で励磁した場合(f>f:例えば図16cや図16d)に用いる周波数フィルタの例を示す。f>fの場合は、共振周波数成分を除去するために、カットオフ周波数fCHが共振周波数より高周波かつ励磁周波数未満(f<fC<f)である高域透過フィルタを用いる。また、高周波ノイズにより信号雑音比が悪い場合は、励磁周波数fより高周波の周波数成分を除去するため、カットオフ周波数fCが励磁周波数fより高周波(f<fC)である低域透過フィルタを用いる。
図17Cには、共振周波数fより低周波で励磁した場合(f<f:例えば図16aや図16b)に、用いる周波数フィルタの例を示す。f<fの場合は、励磁周波数fを含む帯域の周波数成分のみを取得するために、低周波側カットオフ周波数fCBLが共振周波数f未満(fCBL<f)で、高周波側カットオフ周波数fCBHが励磁周波数fより高周波かつ共振周波数未満(f<fCBH<f)である帯域透過フィルタを用いる。
図17Dには、励磁周波数fより高周波で励磁した場合(f<f:例えば図16cや図16d)に、用いる周波数フィルタの例を示す。f<fの場合は、励磁周波数成分fを含む帯域の成分のみを取得するため、低周波側カットオフ周波数fCBLが共振周波数fより高周波かつ励磁周波数f未満(f<fCBL<f)で、高周波側カットオフ周波数fCBHが励磁周波数fより高周波(f<fCBH)である帯域透過フィルタを用いる。図17Eには、帯域阻止フィルタによって共振周波数f成分を除去する例を示す。
励磁周波数f成分や低周波振動、バックグラウンド、高周波ノイズを除去し、信号雑音比よく励磁周波数f成分の信号を取得するため、図17Aないし図17Eに示した周波数フィルタを、少なくとも一つ用いて信号処理を行う。なお、図17Aと図17Cは作用としては実質同一であるが、フィルタの作りやすさという点では異なる。また、図17Bと図17Dは作用としては実質同一であるが、フィルタの作り易さとしては異なる。
以上の説明では、図16aと図16eの場合について説明した。図16bと図16cは、励磁周波数fとカンチレバー1の共振周波数fが近い場合である。この場合も、図16bあるいは図16cに示す点線部分でシャープに分離できるフィルタを使用することによって、図17で説明した方法を用いることが出来る。
周波数フィルタによって抽出された励磁周波数fE成分の時間波形における時定数tdが短いことが測定の高速化となるため、図17Aないし図17Eに示した周波数フィルタは、強制振動終了後の時定数tdを短くするように設計された周波数フィルタを用いる。図16で説明した励磁周波数fEの選択および図17で説明した周波数フィルタにより、カンチレバー1の振動の時定数が共振の時定数より短くすることが可能で、かつ、ノイズレベルより大きな振動振幅を得ることができる。
図18Aに、理論的に導いた、励磁周波数fと励振されるカンチレバー強制振動の時定数tdの関係示す。図18Bに、理論的に導いた、励磁周波数fと励振されるカンチレバー強制振動の振幅Sの関係を示す。図18Aから、共振周波数f以下では、励磁周波数fを上昇させると励磁周波数fに反比例して時定数tdが短くなり、共振周波数f以上の高周波では、時定数tdが1/fで一定となる関係であることが分かる。なお、時定数tdは物理的には周波数の増大とともに減少するが、ロックイン検波に要する時間が1/fであるために、共振周波数以上では、1/fと、一定となっている。
また、図18Bから、共振周波数f以下では、励磁周波数fの上昇と共に、カンチレバー強制振動振幅Sが増大し、共振周波数f以上では励磁周波数の上昇と共に、指数的に減衰する。
図18Aおよび図18Bより、必要な時定数tdおよび振幅Sを考慮し、励磁周波数fを決定する。
例えば、カンチレバー強制振動振幅Sが、共振周波数fより高周波でもノイズレベルより十分に大きく確保できる状態であれば、時定数tdを最も短くするために、励磁周波数fを共振周波数f以上とする。
また、カンチレバー強制振動振幅Sが、共振周波数fより高周波ではノイズレベルより低くなってしまう、または、カンチレバー強制振動振幅Sを大きくして測定精度を向上させたい場合においては、カンチレバー強制振動振幅Sを大きくするために、励磁周波数fを共振周波数fの高周波側近傍または共振周波数f未満の低周波に励磁周波数を設定する。図17で説明した周波数フィルタを用いて信号処理を行う場合においても、時定数tdの短縮と周波数フィルタ設計の容易性により、共振周波数fと励磁周波数fを離すことが望ましい。
図18Bには、あるQ値のカンチレバーにおける励磁周波数fとカンチレバー強制振動振幅Sの関係を示したが、このような関係は、Q値により変化する。カンチレバーのQ値に依存する励磁周波数fとカンチレバー強制振動振幅Sの関係の一例を、図19に示す。図19に例示した関係は、Q=85のカンチレバーからQ=4までカンチレバーのQ値を低下させた場合の励磁周波数fとカンチレバー強制振動振幅Sの関係を示す。
Q値の低下と共に、共振周波数f成分が弱まる。共振周波数fの1.5倍程度より高周波側の励磁周波数においては、カンチレバー1の振幅はQ値の低下とともに増大する。共振周波数の2倍程度の高周波においては、カンチレバー1の振幅は、Q値が20の場合では、Q値が85の場合に比較して2倍程度となる。共振周波数の2倍程度の高周波においては、Q値が4の場合は、カンチレバー1の振幅はさらに大きくなる。
図19のデータから、Q値を20以下とすれば、特に高周波における測定に有利となる。このように、カンチレバーを共振周波数よりも高周波側で強制振動させる場合は、Q値を小さくすることで、信号雑音比を向上させることが出来る。また、カンチレバー1のQ値を小さくすることによって、試料5の交流励磁によってカンチレバー1に誘起される振動の時定数を短くすることが可能である。
カンチレバー1のQ値を小さくするには、カンチレバー1にカンチレバー1の材質と弾性が異なる材質を塗布または添加する手段や、圧電素子をカンチレバー1に貼付ける手段、カンチレバー1の厚さ又は幅をカンチレバー1の長さ方向に対して変化させる手段や、カンチレバー1を弾性定数の異なる材質の積層により構成する手段の、いずれか一つまたはいづれか二つ以上の組み合わせにより、実現する。図18に示したカンチレバー1の振動の機械特性により、必要な時定数と振動振幅が得られる試料5に印加する電流の周波数を決定することができる。
図20Aには、探針2を2次元走査して磁界の2次元分布を取得する際の、基本的な走査方法の一例を示す。図20Aに示した2次元走査方法は、予め設定した領域を、ピッチp0、速度v0で探針2をラスタースキャンすることによって行う。この場合、測定に要する時間は(w0)2 /(p0×v0)である。
測定時間短縮のため、走査を2つのステップに分けて実施する、可変走査方法がある。
可変走査方法における2つのステップの前半は、注目している測定対象を探索する粗走査を行い、後半は測定対象近傍のみを必要な精度で測定する精走査を行う。以下に図20Bないし図20Eを用いて、可変走査方法について説明する。
図20Bには、可変走査方法において前半に実施する粗走査方法の一例として、予め設定したw1×w1領域内をピッチp1、速度v1で、特に注目する観察対象を探索する粗走査を行う例を示す。その後、図20Cに示した精走査2により観察対象を含むw1×w2範囲を、予め設定した測定モードによってピッチp2、速度v2で測定する。
図20Bと図20Cを組み合わせた方式での2次元観察では、図20Aに示した走査方法と比較して、注目する観察対象の測定時間を(w1)2 /(p1×v1)+(w2×w1)/(p2×v2)に短縮可能である。
図20Dには、図20Bに示した粗走査1によって注目する観察対象を検出した後、注目する観察対象を含む領域w2×w2の領域を、予め設定した測定モードによってピッチp2、速度v2で測定する方式を示す。
図20Bと図20Dを組み合わせた測定方法では、図20Cに示した測定方法から測定範囲をw2/w1だけ狭くすることが可能なため、測定時間を(w1)2 /(p1×v1)+(w2)2/(p2×v2)に短縮が可能である。図20Eには、図20Bに示した粗走査1によって注目する観察対象を検出した後、注目する観察対象の注目する物理量(例えば幅や高さ)を測定可能な測定のみを、予め設定した幅w3で、予め設定した測定モードによって速度v3で測定する方式を示す。
図20Bと図20Eを組み合わせた測定方法では、図20Dに示した測定方法から走査線数をp2/w2に減少可能なため、測定時間を(w1)2 /(p1×v1)+(w3 / v3)に短縮が可能である。
図20Cおよび図20Dおよび図20Eに示した走査方法において、複数回同じモード、同じ設定で測定をし、各結果を平均して信号雑音比を向上させることが可能である。図20に示した探針2の走査方法により、測定時間の短縮が可能となる。
実際の測定手段について説明する。試料5の中で注目する箇所の探索を、試料5と探針2が非接触の磁気力顕微鏡での測定によって行う。測定したい特徴量が表面形状である場合は、測定箇所の探索後、原子間力顕微鏡として測定を行う。測定したい特徴量が磁界情報である場合は、磁気力顕微鏡として測定を行う。上記測定手段は、特に、試料5の注目する箇所が磁界を発生する、または外部より励磁することが可能である、または試料5表面に特徴的形状が無く、測定箇所の探索が形状では困難である場合に有効である。
上記測定手段は、注目する箇所の探索を非接触で行うため、探針2の磨耗が抑制可能となり、カンチレバー1または探針2の交換頻度を抑え、装置のランニングコスト低減にも効果がある。また、探針2の磨耗が少ないため、長時間測定しても、探針2に起因する再現性の低下が抑えられ、測定の信頼性向上が図られる。
さらに、磁気力顕微鏡での測定は探針2と試料5が非接触であるため、試料5へのダメージを抑える効果もある。
図21に、磁気デバイス検査シーケンスの一例を示す。検査は、はじめに試料5を微動XYZスキャナ8に固定する(2102)事からはじめる。試料5の固定は、吸着による方法や、粘着物質を用いる方法、機械的に挟んで固定する方法などによって行う。
次に、試料5の固定の状態を測定する(2103)。測定は、例えばカメラや顕微鏡等の光学機器によってなされる。測定する試料5の情報は、例えば試料5の位置や傾き、形状である。次に、測定パラメータを設定する(2104)。設定するパラメータおよび設定の為のGUIの一例を図24や図25、図26に示す。
次に測定系を初期化する(2105)。初期化は、図2に示したように磁性体の貼り付いた探針2の、試料から発生する磁界に対する感度が一定になるように、強度と空間的広がりが常に一定である既知の磁界を用いた校正をする過程を含む。
次に、探針2を試料5へ粗接近させる(2106)。粗接近2106は、試料状態測定2103によって測定された試料5の位置や傾きを基にして行われる。次に、探針2を試料5へ接触するまでアプローチさせる(2107)。アプローチ2107は、予め設定されたパラメータまたは測定パラメータ設定2104によって設定されたパラメータによって、接近速度や探針2と試料5の接触力が制御される。
探針2が試料5に接触した後、測定パラメータ設定2104に従って測定のモードを選択する(2108)。試料5表面のAFM観察を行う場合は(2108−AFM)、AFM測定を行い(2109)、MFM測定を行う場合(2108−MFM)は、探針2と試料5の間隔を制御する(2110)。MFM測定において試料5を励磁するか選択し(2111)、試料5を励磁しない場合は(2111−NO)、MFM測定を実施する(2112)。
試料5を励磁する場合は(2111−YES)、試料5へ電圧を印加し(2113)、MFM測定を行う(2112)。測定終了後に試料5への電圧印加を停止する(2114)。
測定(2109または2112)終了後、測定が予め決められた回数、または測定パラメータ設定2104で設定した回数実施されたかを判断し(2115)、測定継続が必要であれば(2115−NO)、2108へ戻り、測定を継続する。
測定継続が必要でなければ(2115―YES)、測定条件を変更して測定を継続するか判断する(2116)。条件を変更して測定を継続する場合は(2116−YES)、予め設定されている条件変更や、2104で設定した条件変更に従って測定条件を変更し、2107へ戻り、測定する。測定条件を変更しない場合は(2116−NO)、探針2を試料5から離脱させる(2117)。
その後、2109または2112にて行った測定の結果に対し、予め設定した、または2104で設定したパラメータに従って、解析を行う(2118)。測定結果および解析結果は、例えば図25や図26に示すようなGUIに表示され(2119)、記録装置に2104で設定した測定パラメータ等の条件と共に保存される(2120)。
試料交換や同一試料内における別の箇所の測定を行う場合(2121−YES)、探針2と試料5の相対位置を変化させ、2107から再度測定を行う。測定対象を全て測定したなどであれば、検査終了となる(2121−NO)。なお、測定パラメータ設定2104は、試料セット2102や試料状態測定2103より先に、または同時に実行しても良い。または、セットされた試料により、予め決められたパラメータを用いてもよい。
図22に、測定シーケンスを示した図21における測定パラメータ設定2102を行うGUIの一例を示す。図22の例では、AFMとMFMの2回測定を行う例を示してあり、各測定におけるパラメータの設定として、例えば、測定モードや測定範囲、測定密度、測定速度、探針2―試料5の間隔、試料5の励磁周波数、試料5の励磁電流、試料5の励磁波形、カンチレバー1と試料5の接触力を決めるセットポイント、2次元走査する際に探針2が走査する方向を決定する。
図22に示した入力パラメータは、測定モードの選択によっては、設定しない項目も含まれる。
図23には、測定で用いる周波数フィルタのパラメータ設定を行うGUIの一例を示す。図23の例では、MFMの測定を行う例を示してあり、各測定において用いる周波数フィルタの種類、カットオフ周波数、透過帯域減衰率、阻止帯域減衰率を設定する。図23には、選択する周波数フィルタの種類によっては、入力の必要が無いパラメータも含まれる。
図24には、励磁周波数fを選択するGUIの一例を示す。図24Aには、加振素子3によって加振されたカンチレバー1の振動の、振動振幅の周波数依存性701を示す。図24Aグラフ上で選択する、または数値を入力して励磁周波数fを決定する。決定した励磁周波数fを図24Aグラフ上に示す機能を備えていてもよい。また、図24Aに示すように、図24Aと同時に取得したカンチレバー1の振動の位相情報702を表示する機能を備えてもよい。
図25には、測定2109または2112によって取得した結果を表示するGUIの一例を示す。図25Aには、例えば図21に示したシーケンスのAFM測定(2109)によって取得したAFM凹凸像を表示する例を示した。図25Aは平面が3角形状の微細物体が観察されている。図25Aにおける点線上を走査することによって得られた、微細物体の断面形状が図25AAに表現されている。
図25Bには、例えば図21に示したシーケンスのMFM測定(2112)によって取得したMFM像を表示する例を示した。図25Bには、磁気デバイスから発せられる磁界の等高線が表現されている。図25Bに示す磁界の等高線に対して点線上を走査することによって得られた磁界の分布が図25BBに表現されている。
図25に示すGUIには、以上のような2次元測定結果を表示する機能のほかに、測定モードを表示する部分(図25C)や、設定した場所での設定した閾値における幅を数字で表示する部分を備えてもよい(図25D)。また、測定結果から特に注目する測定対象の検索を行う機能と、注目する測定対象の注目する特徴量を抽出する機能を備え、それら結果を表示する機能を備えていても良い。
図26には、測定2109または2112によって取得した結果を表示するGUIの一例を示す。図26に示したGUIの例では、測定番号を表示する列703と、例えばAFMの測定結果から抽出した対象幅の表示列704とMFMの測定結果から抽出した磁界広がり幅の表示列705を有する。
試料5は、例えばハードディスク書き込みヘッドであるが、磁気ヘッドを一つ一つに切り分けたスライダ状態で測定する場合や(図27A)、ローバー状態で測定する場合がある(図27B)。ここでローバー状態とは、ハードディスク磁気ヘッドの製造段階において、スライダが複数個繋がった状態を指す。ローバー状態での測定を行うと、試料5の交換回数を減らすことができるため、検査時間を短縮することができる。
1…カンチレバー、2…探針、3…加振素子、4…発振器、5…試料、6…位置検出器、7…増幅器、8…微動XYZスキャナ、9…粗動XYZステージ、10…微動XYZスキャナ駆動制御器、11…粗動XYZステージ駆動制御器、12…プローブ、13…プローブ台、14…定電流源、15…抵抗測定器、16…プローブ台駆動制御部、17…側方観察系、18…上方観察系、19…制御器、20…表示機、101…レーザー光源、102…分割光検出器、103…金属針、104…電源、105…電流計、106…光ファイバーヘッド、107…光源、108…光検出器、109…電極、201…電磁石、202…電源、203…永久磁石、300…観察領域、301…試料表面、302…光源、303…受光素子、304…ビームスプリッタ、305…探針アプローチ、306…探針移動、307…探針離脱、401…照明光源、402…ビームスプリッタ、403…対物レンズ、404…結像レンズ、405…撮像素子、406…光源、407…ビームストッパ、501…レーザー源、502…ビームスプリッタ、503…ミラー、504…下ステージ、505…上ステージ、506…反射面、507…光検出器、601…書き込みヘッド、701…振動振幅の周波数依存性、702…振動の位相情報、703…測定番号を表示する列、704…幅の表示列、1001…探針アプローチ、1002…探針接触、1003…探針浮上・移動、1004…走査終了、1005…探針離脱、1007…異物、1008…探針浮上量変更、2000…振動モニター、2001…位相シフター、2002…交流電源、2003…圧電素子。

Claims (36)

  1. 試料より発生する磁界を検出する磁気デバイス検査装置であって、
    磁性体探針または磁性体を塗布した探針を持つカンチレバーと、
    前記試料を保持する試料台と、
    前記カンチレバー先端の変位を観測する変位検出手段と、
    前記探針を前記試料に対して接近と退避、移動の各動作を繰り返すことが可能な手段と、
    前記カンチレバー先端の変位を検出する手段を備え、
    前記試料を前記カンチレバーの共振周波数と異なる周波数の交流電流で励磁し、前記試料から発生する磁界分布を測定することを特徴とする磁気デバイス検査装置。
  2. 前記試料を励磁する前記交流電流の周波数を、前記探針を持つ前記カンチレバーの共振周波数fのN倍、又は1/N倍(ただし、Nは2以上の整数)とすることを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  3. 前記試料の励磁をオフセットをもたない交流電流で行い、前記交流電流の周波数を、前記探針を持つ前記カンチレバーの共振周波数fのN/2倍、又は1/2N倍とすることを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  4. 前記試料の励磁をオフセットをつけた交流電流で行う場合に、前記交流電流の周波数を、前記探針を持つ前記カンチレバーの共振周波数fのN倍、又は1/N倍とすることを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  5. 前記交流電流の搬送波の周波数が前記カンチレバーを励振する周波数より高周波数であり、かつ前記交流電流の包絡波の周波数が前記カンチレバーを励振可能な振動数であることを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  6. 前記交流電流の周波数が前記カンチレバーを励振する周波数より高周波であり、かつ前記交流電流の振幅が前記カンチレバーを変位可能な周波数で周期的に振幅変調されていることを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  7. 前記カンチレバーは加振素子に固定され、前記加振素子は発信器によって加振されることを特徴とする請求項1に記載の磁気デバイス検査装置。
  8. 前記カンチレバーは、前記カンチレバーを保持する保持部外からの弾性波によって加振され、または、前記カンチレバーと電極とで形成されるコンデンサに交流電流を印加することによって加振され、または、前記カンチレバーの1部に設けられた磁性体に交流磁界を印加することによって加振されることを特徴とする請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  9. 前記交流電流の周波数送引手段、及び、前記交流電流周波数の振動数を検出する手段を有することを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  10. 既知の磁界を発生し、少なくとも一部が磁性体薄膜で覆われた前記探針、又は少なくとも一部が磁性体で形成された前記探針の磁化状態を所定の状態に保つ手段を有することを特徴とする請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  11. 一定の磁界を発生する標準コイル、または、校正用の磁性体を具備し、少なくとも一部が磁性体薄膜で覆われた前記探針、又は少なくとも一部が磁性体で形成された前記探針により測定した磁界強度を校正する手段を有することを特徴とする請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  12. 前記試料の発生する磁界によって加振された前記カンチレバー先端の変位を検出した信号を、前記試料を励磁する前記交流電流の周波数でロックイン検出することによって、前記試料の励磁に係る応答成分のみを選択的に検出することを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  13. 前記試料表面の凹凸が微小である試料を観察する場合、予め前記試料表面の傾斜を光テコ、又は前記探針の接触によって測定した量を用いて前記試料表面の傾斜を補正し、前記探針を前記試料面より所定量だけ離して、補正された傾斜に沿って二次元走査することを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  14. 予め前記試料の表面の傾斜、及び表面凹凸を光干渉法、または走査プローブ顕微鏡によって測定しておくことにより、前記探針が前記試料表面の凹凸に追従して前記試料表面より一定距離を走査することを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  15. 予め明視野光学顕微鏡、又は暗視野光学顕微鏡によって試料表面の異物位置と大きさを検知し、前記探針が異物を回避して前記試料表面、又は前記試料表面より一定量離れて二次元走査することを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  16. 予め測定対象を含む領域外において前記試料に接触して前記試料位置を検知しておき、接触後に指定した所定量だけ探針を離して走査することにより前記試料の所望の測定対象を含む領域において非接触観察を行うことを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  17. 前記探針が試料の発生する磁界から引力又は斥力を受けることによる前記カンチレバー先端の変位によって、前記探針の前記試料への接近を検知することを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  18. 前記試料を励磁する電流を印加する為のプローブを前記試料に接触させる場合、前記プローブの後方、又は前記プローブ側方より、前記プローブ先端と前記試料の電極面を観察可能な顕微鏡、又は望遠鏡を具備することを特徴とする、請求項1記載の磁気デバイス検査装置。
  19. 試料より発生する磁界を検出する磁気デバイス検査装置であって、
    磁性体探針または磁性体を塗布した探針を持つカンチレバーと、
    前記試料を保持する試料台と、
    前記カンチレバー先端の変位を観測する変位検出手段と、
    前記探針を前記試料に対して接近と退避、移動の各動作を繰り返すことが可能な手段と、
    前記カンチレバー先端の変位を検出する手段を備え、
    前記試料を交流電流で励磁して前記試料から発生する磁界分布を測定し、
    前記交流電流の周波数が前記カンチレバーの共振周波数となる場合、前記カンチレバーのQ値を測定点毎に制御する手段を備えることを特徴とする磁気デバイス検査装置。
  20. 試料より発生する磁界を検出する磁気デバイス検査装置であって、
    磁性体探針または磁性体を塗布した探針を持つカンチレバーと、
    前記試料を保持する試料台と、
    前記カンチレバー先端の変位を観測する変位検出手段と、
    前記探針を前記試料に対して接近と退避、前記試料に対する相対位置の変化の各動作を繰り返すことが可能な手段と、
    前記カンチレバー先端の変位を検出する手段を備え、
    前記試料を前記カンチレバーの共振周波数と異なる周波数の交流電流で励磁し、
    前記カンチレバー先端の変位を前記変位検出手段で測定した結果を周波数フィルタによって信号処理し、
    前記カンチレバーを空間走査することによって、
    前記試料から発生する磁界分布を測定することを特徴とする磁気デバイス検査装置。
  21. 前記交流電流の周波数を、前記カンチレバーの振動振幅がノイズレベルより大きくなる周波数帯域であり、かつ、前記カンチレバーの振動の時定数が前記カンチレバーの共振周波数における時定数より短くなる周波数を選択することを特徴とする、請求項21記載の磁気デバイス検査装置。
  22. 前記周波数フィルタに、カットオフ周波数が前記カンチレバーの共振周波数未満かつ前記交流電流の周波数より高周波である低域透過フィルタを用いることを特徴とする、請求項20記載の磁気デバイス検査装置。
  23. 前記周波数フィルタに、カットオフ周波数が前記カンチレバーの共振周波数より高周波かつ前期交流電流の周波数未満である高域透過フィルタを用いることを特徴とする、請求項20記載の磁気デバイス検査装置。
  24. 前記周波数フィルタに、カットオフ周波数が前記交流励磁電流の周波数未満である高域透過フィルタを用いることを特徴とする、請求項20ないし請求項23記載の磁気デバイス検査装置。
  25. 前記周波数フィルタに、カットオフ周波数が前記交流励磁電流の周波数より高周波である低域透過フィルタを用いることを特徴とする、請求項20ないし請求項23記載の磁気デバイス検査装置。
  26. 前記周波数フィルタに、低周波数側カットオフ周波数が前記交流電流の周波数未満であり、高周波数側カットオフ周波数が前記交流電流の周波数より高周波である帯域通過フィルタを用いることを特徴とする、請求項20記載の磁気デバイス検査装置。
  27. 前記周波数フィルタに、低周波数側カットオフ周波数が前記カンチレバーの共振周波数未満であり、高周波数側カットオフ周波数が前記カンチレバーの共振周波数fより高周波である帯域阻止フィルタを用いることを特徴とする、請求項20記載の磁気デバイス検査装置。
  28. 前記カンチレバーに、Q値が20以下のものを用いることを特徴とする、請求項20記載の磁気デバイス検査装置。
  29. 前記磁性体探針または前記磁性体を塗布した探針を走査して行う測定が、
    前記試料の表面形状測定と前記試料から発生する磁界の測定の二種類から構成され、
    前記表面形状測定と前記磁界の測定を、
    前記試料の特に注目する部分を探索する測定と、前記試料の特に注目する部分の注目する特徴量の測定に組み合わせ、
    各測定の測定範囲、測定密度、又は測定速度を変化させながら測定することを特徴とする、請求項20記載の磁気デバイス検査装置。
  30. 前記表面形状測定または前記磁界の測定の結果処理して特に注目する箇所を探索する手段を備え、
    発見された前記特に注目する箇所の注目する特徴量を測定結果から抽出する手段を備え、
    前記測定結果を画像として表示する機能と、
    前記注目する箇所の探索結果と前記特徴量を並べて表示する機能を備えることを特徴とする、請求項20記載の磁気デバイス検査装置。
  31. 磁気デバイスより発生する磁界の分布を検出する磁気デバイス検査方法であって、
    前記磁気デバイスをセットアップするステップと、
    前記磁気デバイスを検査する項目を選択するステップと、
    前記磁気デバイスを検査するパラメータを設定するステップと、
    前記磁気デバイスに深針を有するカンチレバーと前記カンチレバーの動きを感知する位置検出器を接近させるステップと、
    前記磁気デバイスに励磁電流を印加するステップと、
    前記磁気デバイスにおける測定位置を決定するステップと、
    前記選択された検査項目と前記設定したパラメータに従って測定を行うステップと、
    前記測定によって得られた前記磁気デバイスの磁界分布データを解析して前記選択した項目の評価を行うステップと、
    前記評価結果を表示するステップを有し、
    前記磁気デバイスを励磁する前記交流電流の周波数を、前記深針を持つ前記カンチレバーの共振周波数と異なる周波数とし、前記カンチレバーの変位を前記位置検出器で測定した結果を周波数フィルタによって信号処理を行なうことを特徴とする磁気デバイス検査方法。
  32. 前記交流電流の周波数を、前記カンチレバーの振動振幅がノイズレベルより大きくなる周波数帯域であり、かつ、前記カンチレバーの振動の時定数が前記カンチレバーの共振周波数における時定数より短くなる周波数を選択することを特徴とする、請求項31記載の磁気デバイス検査方法。
  33. 前記周波数フィルタに、カットオフ周波数が共振周波数未満の低域透過フィルタを用いることを特徴とする、請求項31記載の磁気デバイス検査方法。
  34. 前記周波数フィルタに、カットオフ周波数が共振周波数より高周波である高域透過フィルタを用いることを特徴とする、請求項31記載の磁気デバイス検査方法。
  35. 前記周波数フィルタは、低周波数側カットオフ周波数が前記交流電流の周波数未満であり、高周波数側カットオフ周波数が前記交流電流の周波数より高周波である帯域通過フィルタであることを特徴とする、請求項31記載の磁気デバイス検査方法。
  36. 前記周波数フィルタは、低周波数側カットオフ周波数が前記カンチレバーの共振周波数未満であり、高周波数側カットオフ周波数が前記カンチレバーの共振周波数より高周波である帯域阻止フィルタであることを特徴とする、請求項31記載の磁気デバイス検査方法。
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