JP2010174961A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Ryuichi Hasegawa
隆一 長谷川
Shinichi Kojima
真一 小島
Koji Hayashi
宏司 林
Makoto Tomita
誠 冨田
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Abstract

【課題】オイルキャッチタンクに設けられた潤滑油供給口から潤滑油が供給されるまでの時間が短縮された車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】オイルキャッチタンク36は、そのオイルキャッチタンク36内の潤滑油の油面位置が第1油面位置s1と第2油面位置s2との間となるようにタンク部38の容量を増減させる容量可変装置40を備えていることから、例えば停車状態からの発進時にはタンク部38の容量が最小容量状態にされることで、そのタンク部38に貯溜される潤滑油の油面位置が潤滑油供給口48に達するまですなわち油面位置が第1油面位置s1を超えるまでの時間が短縮されるので、その潤滑油供給口48から例えば第1電動機および第2電動機に潤滑油が供給されるまでの時間を短縮することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ケース内に貯溜する潤滑油を掻き上げて各潤滑部位に供給する掻き上げ潤滑方式が採用された車両用駆動装置に関するものである。
車両用駆動装置において、そのケース内の底部に貯溜される潤滑油を回転により掻き上げてケース内の各潤滑部位に供給するギヤを備えたものが知られている。例えば、特許文献1に記載されたものがそれである。この特許文献1の車両用駆動装置には、その駆動装置の動作中のフリクションロスを低減させる一方で非動作中における潤滑性を高めることを目的として、駆動装置の動作中におけるケース内の油面高さを非動作中よりも低くするために、上記ギヤにより掻き上げられた潤滑油の一部を一旦貯溜するオイルキャッチタンクが設けられている。また、特許文献1の例えば図7に示される車両用駆動装置のオイルキャッチタンクには、ケース内に設けられた他の部位たとえば電動機のステータなどを例えば潤滑または冷却することを目的として、そのオイルキャッチタンク内に貯溜された潤滑油の油面位置が予め設定された第1油面位置を超えると上記ケース内に設けられた他の部位へ潤滑油を供給する潤滑油供給口が設けられている。なお、オイルキャッチタンクに貯溜された潤滑油は、その潤滑油供給口から上記他の部位へ供給されるか、油面位置が前記第1油面位置より高く設定された第2油面位置を超えることでオイルキャッチタンクからオーバーフローするか、あるいはオイルキャッチタンクの底部に設けられた排出口から自然流出する等により、ケース内の底部に戻されるようになっている。
特開2008−51176号公報
ところで、上記従来の車両用駆動装置において、潤滑油供給口は、前記他の部位の全体に潤滑油を供給するべく前記他の部位の上部から潤滑油を供給するために、オイルキャッチタンク(ケース)内の比較的高い位置に設けられる。そのため、例えば車両の始動時や停車状態または低速走行状態からの加速時などには、オイルキャッチタンク内の潤滑油の油面位置が潤滑油供給口に達するまでに時間がかかり、前記他の部位への潤滑油の供給開始までに時間がかかるという問題があった。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、オイルキャッチタンクに設けられた潤滑油供給口から潤滑油が供給されるまでの時間が短縮された車両用駆動装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、ケース内において回転可能に設けられ、そのケース内の底部に貯溜される潤滑油を回転により掻き上げてケース内の各潤滑部位に供給するギヤと、その掻き上げられた潤滑油の一部を貯溜するオイルキャッチタンクと、そのオイルキャッチタンクに設けられ、そのオイルキャッチタンク内に貯溜された潤滑油の油面位置が予め設定された第1油面位置を超えるとケース内に設けられた他の部位へ潤滑油を供給する潤滑油供給口とを備え、前記油面位置が前記第1油面位置より高い第2油面位置を超えると前記潤滑油をオーバーフローさせる車両用駆動装置であって、前記オイルキャッチタンクは、そのオイルキャッチタンク内の潤滑油の油面位置が前記第1油面位置と前記第2油面位置との間となるようにオイルキャッチタンクの容量を増減させる容量可変装置を備えていることにある。
請求項1にかかる発明のマニュアルシャフト支持装置によれば、前記オイルキャッチタンクは、そのオイルキャッチタンク内の潤滑油の油面位置が前記第1油面位置と前記第2油面位置との間となるようにオイルキャッチタンクの容量を増減させる容量可変装置を備えていることから、例えば停車状態からの発進時や低速走行状態からの加速時等にオイルキャッチタンクの容量が当初は最小容量状態にされることによってそのオイルキャッチタンクに貯溜される潤滑油の油面位置が潤滑油供給口に達するまですなわち油面位置が第1油面位置を超えるまでの時間が短縮されるので、その潤滑油供給口からケース内に設けられた前記他の部位に潤滑油が供給されるまでの時間を短縮することができる。すなわち、前記他の部位に潤滑油が供給されるまでの時間的ロスを低減することができる。また、比較的高速状態から低速または停止状態となって掻き上げ量が不足しても、オイルキャッチタンクが最大容量状態から最小容量状態となるまでの間は潤滑油の油面位置が第1油面位置よりも上に維持されるので、可及的に長く潤滑油を前記他の部位にも供給することができる。
ここで、好適には、前記容量可変装置は、オイルキャッチタンク内に貯溜された潤滑油の荷重により自動的に機械的に作動し、その荷重に応じてオイルキャッチタンクを最小容量状態から最大容量状態まで変化させるものである。さらに好適には、前記容量可変装置は、オイルキャッチタンク内に潤滑油が無い状態からそのオイルキャッチタンク内に貯溜される潤滑油の油面位置が潤滑油供給口に達するまではオイルキャッチタンクを最小容量状態とし、また、上記油面位置が潤滑油供給口に達している場合は潤滑油の貯溜量の増加に伴って増加するその潤滑油から容量可変装置に作用するその潤滑油の荷重に応じて自動的に機械的に作動することにより、オイルキャッチタンクを最小容量状態と最大容量状態との間の所定の状態に変化させるものである。このようにすれば、容量可変装置が機械的構成だけで成るので、電気的制御が必要な場合に比較して容量可変装置を簡単且つ安価に構成することができる。
実施例1の車両用駆動装置の断面を示す図である。 図1の車両用駆動装置のうちオイルキャッチタンクを含む部分を拡大して示す拡大断面図である。 実施例2におけるオイルキャッチタンクを示す図であって、前述の実施例1の図2に対応する図である。 実施例3におけるオイルキャッチタンクを示す図であって、前述の実施例1の図2に対応する図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
本実施例は、本発明の車両用駆動装置が、良く知られたハイブリッド車両におけるフロント駆動ユニットとしてのトランスアクスルに適用された一例である。図1は、そのトランスアクスルに相当する本実施例の車両用駆動装置10の断面を示す図である。
図1において、車両用駆動装置10は、トランスアクスルケース(ケース)12内において、主に発電用として用いられる図示しない第1電動機と、主に駆動用として用いられる図示しない第2電動機とを備えている。これら第1電動機および第2電動機は、トランスアクスルケース12内において軸心C1まわりに回転可能にトランスアクスルケース12に支持されるとともに車両の主動力源としての図示しないエンジンに動力伝達可能に連結された入力軸14と同心に設けられている。
また、車両用駆動装置10は、入力軸14上において、カウンタードライブギヤ16と、上記エンジンから入力軸14に伝達された動力を上記第1電動機とカウンタードライブギヤ16とに機械的に分配する動力分配用遊星歯車装置18と、上記第2電動機の出力を減速してカウンタードライブギヤ16に伝達する図示しない減速用遊星歯車装置とを備えている。上記動力分配用遊星歯車装置18は、入力軸14に連結された図示しないキャリヤと、そのキャリヤにより自転および軸心C1まわりの公転可能に支持された複数のピニオンギヤ18pと、そのピニオンギヤ18pに噛み合うとともに前記第1電動機に連結されたサンギヤ18sと、ピニオンギヤ18pに噛み合うとともにカウンタードライブギヤ16に連結されたリングギヤ18rとを備えて構成されている。上記減速用遊星歯車装置は、前記第2電動機に連結されたサンギヤと、そのサンギヤに噛み合うととも軸心C1まわりに設けられた複数のピニオンギヤを自転および軸心C1まわりの公転可能に支持し、トランスアクスルケース12に連結されたキャリヤと、上記ピニオンギヤに噛み合うとともにカウンタードライブギヤ16に連結されたリングギヤとを備えて構成されている。カウンタードライブギヤ16は、リングギヤ18rおよび上記減速用遊星歯車装置のリングギヤと共に共通の部材から一体的に成形されている。
また、車両用駆動装置10は、トランスアクスルケース12内において軸心C1と平行な軸心C2まわりに回転可能に設けられるとともに、カウンタードライブギヤ16に動力伝達可能に噛み合わされたカウンタードリブンギヤ20を備えている。このカウンタードリブンギヤ20は、トランスアクスルケース12内において軸心C2まわりに回転可能にトランスアクスルケース12に支持されたカウンターシャフト22に対して同心且つ相対回転不能に設けられている。
また、車両用駆動装置10は、カウンターシャフト22に同心且つ相対回転不能に連結されてカウンタードライブギヤ16と一体的に回転するファイナルドライブギヤ24を備えている。
また、車両用駆動装置10は、トランスアクスルケース12内において軸心C1および軸心C2と平行な軸心C3まわりに回転可能に設けられるとともにファイナルドライブギヤ24に動力伝達可能に噛み合わされたファイナルドリブンギヤ(デフリングギヤ)26と、トランスアクスルケース12内において軸心C3まわりに回転可能にトランスアクスルケース12に支持されるとともに、上記ファイナルドリブンギヤ26に同心且つ相対回転不能に設けられたデフケース32を含む差動歯車装置28とを備えている。この差動歯車装置28は、例えば、よく知られた所謂傘歯車型の2ピニオンタイプの差動歯車機構を備えるものである。ファイナルドリブンギヤ26と差動歯車装置28とは、例えば、ファイナルドリブンギヤ26の内周端部とデフケース32の外周面から軸心C3まわりの周方向に形成されたフランジ部34とが例えばボルトによって締結されることにより、相対回転不能に連結されている。
以上のように構成されるギヤトレーンを有する車両用駆動装置10では、前記エンジン、第1電動機、または第2電動機から出力された動力が、カウンタードライブギヤ16、カウンタードリブンギヤ20、ファイナルドライブギヤ24、ファイナルドリブンギヤ26、および差動歯車装置28をそれぞれ介して図示しない左右一対の駆動輪へ伝達されるようになっている。
ここで、図1に示すように、トランスアクスルケース12内の底部には潤滑油Fが貯溜されている。この潤滑油Fは、この潤滑油Fに浸漬されたカウンタードライブギヤ16およびファイナルドリブンギヤ26が回転することに伴って、それらギヤにより例えば図7中の矢印Aおよび矢印Bで示すように掻き上げられ、各潤滑部位すなわちギヤトレーンを構成する各ギヤ類および各シャフト類を支持するベアリング等に供給されるようになっている。そして、上記各潤滑部位に供給された潤滑油Fのうち余分なものは、トランスアクスルケース12の底部のオイル溜まりに自然落下するようになっている。上記カウンタードライブギヤ16およびファイナルドリブンギヤ26は、トランスアクスルケース12内の底部に貯溜される潤滑油Fを回転により掻き上げてそのトランスアクスルケース12内の各潤滑部位に供給するギヤとして機能している。上記のような潤滑方式は、掻き上げ潤滑方式あるいはオイルはねかけ潤滑方式などと称される。
また、トランスアクスルケース12内の上部には、上記ギヤにより掻き上げられた潤滑油Fの一部を貯溜するオイルキャッチタンク36が設けられている。オイルキャッチタンク36内に一部の潤滑油Fが貯溜されることで、走行中におけるトランスアクスルケース12の底部の油面が引き下げられて、ファイナルドリブンギヤ26等の回転抵抗が引き下げられている。なお、本明細書中における上下および高低は、車両用駆動装置10が水平な路面に置かれた車両に搭載された状態においてその路面に垂直な方向を基準としており、以下においても同様に用いる。図2は、図1の車両用駆動装置10のうちオイルキャッチタンク36を含む部分を拡大して示す拡大断面図である。図1および2において、このオイルキャッチタンク36は、潤滑油Fの貯溜槽としてのタンク部38と、そのタンク部38の容量を増減させる容量可変装置40とを備えている。
ここで、本実施例のトランスアクスルケース12は、例えば、高圧力を用いて溶融金属を金型の中に注湯して造られる鋳物であって、上記溶融金属に主としてアルミニウム合金が用いられるアルミダイカスト製である。上記タンク部38は、例えば、上記アルミダイカスト製のトランスアクスルケース12と一体的に成型されることでトランスアクスルケース12の内壁面42から延設された隔壁44と、その隔壁42の一部に形成された例えば中空円筒状のシリンダ44a内においてそのシリンダ44aの内周面に摺接するピストン46とを備え、それら隔壁44およびピストン46により囲まれて形成される貯溜空間および上方に向けられた開口を有する容器状部材である。このタンク部38では、前記掻き上げられた潤滑油Fの一部が上記開口から受け入れられ、油面位置が隔壁44の最上端部44bの最上端位置に水平な第2油面位置s2とに一致するまで潤滑油Fが貯溜されるようになっている。そして、油面位置が第2油面位置s2を超えると潤滑油Fが溢れ出る(オーバーフロー)ようになっている。
ここで、本実施例の車両用駆動装置10には、トランスアクスルケース12内おいて、例えば前記第1電動機および第2電動機等を冷却するための図示しない油路が備えられている。タンク部38は、その油路とタンク部38内の貯溜空間とを連通し、そのタンク部38内に貯溜された潤滑油Fをその油路へ供給するための潤滑油供給口48を備えている。この潤滑油供給口48は、トランスケース12内において、前記第1電動機或いは第2電動機のステータを冷却するためにそれら第1電動機或いは第2電動機上部に位置する前記油路の潤滑油吐出口と同じ位置またはその潤滑油吐出口よりも高い位置に設けられている。そして、潤滑油供給口48は、タンク部38内に貯溜された潤滑油Fの油面位置が潤滑油供給口48の下端位置に水平な第1油面位置s1を超えると上記油路へ潤滑油Fを供給するようになっている。なお、前記第2油面位置s2は、第1油面位置s1よりも高い位置に設定され、例えば、潤滑油供給口48の開口範囲内に設定される。
前記容量可変装置40は、本実施例では、例えば、前記シリンダ44a内を摺動することによってタンク部38の貯溜空間の容積すなわち容量を変化させる前記ピストン46と、そのピストン46とシリンダ44aの内底面との間に所定の予圧が付与された状態で設けられてピストン46の下面を支え、ピストン46がシリンダ44aに対して摺動する方向に伸縮する圧縮コイル50とを有している。ピストン46は、圧縮コイル50によって常にタンク部38の容量が小さくなる方向に向けて付勢されている。そして、容量可変装置40は、タンク部38に貯溜される潤滑油Fの荷重により自動的に機械的に作動し、その荷重に応じてタンク部38の容量を最小容量状態から最大容量状態まで変化させるようになっている。図2において、ピストン46が実線で示す位置に移動された状態が最小容量状態であり、ピストン46が2点鎖線で示す位置に移動された状態が最大容量状態である。
具体的には、容量可変装置40は、タンク部38内に潤滑油Fが貯溜されていない状態からタンク部38内に貯溜される潤滑油Fの油面位置が潤滑油供給口48に達するまですなわち油面位置が第1油面位置s1に達するまでは、タンク部38を最小容量状態とするようになっている。そのために、前記圧縮コイル50に付与される予圧は、タンク部38の最小容量状態において油面位置が第1油面位置s1と第2油面位置s2との間の例えば第2油面位置s2に一致させられたときに、潤滑油Fからピストン46に作用するピストン46摺動方向の荷重の大きさと圧縮コイル50からピストン46に作用するスプリング反力の大きさとが略一致するように、予め実験的に求められて設定される。
また、容量可変装置40は、タンク部38内の油面位置が潤滑油供給口48に達している場合は、そのタンク部38内の潤滑油Fの貯溜量の増加に伴って増加する潤滑油Fからピストン46に作用するその潤滑油Fの荷重に応じて圧縮コイル50が図2中の矢印aのように伸縮することにより、タンク部38の容量を最小容量状態と最大容量状態との間の所定の状態に変化させるようになっている。さらに具体的には、容量可変装置40は、タンク部38内の潤滑油Fの油面位置が第1油面位置s1と第2油面位置s2との間となるように、すなわち油面位置が潤滑油供給口48の開口範囲内に位置するように、圧縮コイル50のバネ定数が予め実験的に求められて設定され、タンク部38の容量を増減させるようになっている。
上述のように、本実施例の車両用駆動装置10によれば、オイルキャッチタンク36は、そのオイルキャッチタンク36内の潤滑油Fの油面位置が第1油面位置s1と第2油面位置s2との間となるようにタンク部38の容量を増減させる容量可変装置40を備えていることから、例えば停車状態からの発進時にはタンク部38の容量が最小容量状態にされることで、そのタンク部38に貯溜される潤滑油Fの油面位置が潤滑油供給口48に達するまですなわち油面位置が第1油面位置s1を超えるまでの時間が短縮されるので、その潤滑油供給口48から例えば第1電動機および第2電動機(ケース内に設けられた他の部位)に潤滑油Fが供給されるまでの時間を短縮することができる。また、比較的高速状態から低速または停止状態となって掻き上げ量が不足しても、タンク部38が最大容量状態から最小容量状態となるまでの間は潤滑油Fの油面位置が第1油面位置s1よりも上に維持されるので、可及的に長く潤滑油を第1電動機および第2電動機にも供給することができる。
また、本実施例の車両用駆動装置10によれば、容量可変装置40は、タンク部38の一部に形成されたシリンダ44a内を摺動することによってタンク部38の容量を変化させるピストン46と、そのピストン46とシリンダ44aの内底面との間に所定の予圧が付与された状態で設けられてピストン46の下面を支えるとともに、ピストン46がシリンダ44aに対して摺動する方向に伸縮する圧縮コイル50とを有し、タンク部38に貯溜される潤滑油Fからピストン46に作用するその潤滑油Fの荷重に応じて圧縮コイル50が伸縮してピストン46が摺動する(自動的に機械的に作動する)ことによって、タンク部38内に潤滑油Fが無い状態から潤滑油Fの油面位置が潤滑油供給口48に達するまではタンク部38を最小容量状態とし、また、上記油面位置が潤滑油供給口48に達している場合は潤滑油Fの貯溜量の増加に伴って増加する潤滑油Fからピストン46に作用する荷重に応じてタンク部を最小容量状態と最大容量状態との間の所定の状態に変化させるものである。このことから、容量可変装置40が機械的構成だけで成るので、電気的制御が必要な場合に比較して容量可変装置40を簡単且つ安価に構成することができる。
次に、本発明の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明において、前述の実施例と重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図3は、本発明の他の実施例におけるオイルキャッチタンク36を示す図であって、前述の実施例1の図2に対応する図である。図3において、本実施例のオイルキャッチタンク36のタンク部38は、前述の実施例1におけるピストン46に代えて、隔壁44の最上端位置と最下端位置との間の所定位置において隔壁44と内壁面42との間に例えば水平に設けられた弾性および可撓性を有する膜状部材52を備え、それら膜状部材52、隔壁44、および内壁面42により囲まれて形成される貯溜空間および上方に向けられた開口を有する容器状部材である。
本実施例の容量可変装置40は、前述の実施例1におけるピストン46および圧縮コイル50に代えて、タンク部38内に貯溜される潤滑油Fの荷重により図3中の矢印bのように撓むことによってタンク部38の容量を変化させる前記膜状部材52から成る。この膜状部材52は、例えばゴム等により成る。図3において、膜状部材52を実線で示す状態が最小容量状態であり、2点鎖線で示す状態が最小容量状態と最大容量状態との間の所定の状態である。上記潤滑油Fの荷重と膜状部材52の撓み量(弾性変形量)との関係は、予め実験的に求められており、例えば、タンク部38内の油面位置が潤滑油供給口48に達している場合において、そのタンク部38内の潤滑油Fの油面位置が第1油面位置s1と第2油面位置s2との間となるように、すなわち油面位置が潤滑油供給口48の開口範囲内に位置するように設定される。
本実施例の車両用駆動装置10においては、実施例1のピストン46および圧縮コイル50に代えて膜状部材52が設けられているが、タンク部38内の潤滑油Fの油面位置が第1油面位置s1と第2油面位置s2との間となるように機械的に作動することに関しては同じであり、また、その他の構成は同じであることから、前述の実施例と同様の効果が得られる。
図4は、本発明の他の実施例3におけるオイルキャッチタンク36を示す図であって、前述の実施例1の図2に対応する図である。図4において、本実施例のオイルキャッチタンク36のタンク部38は、前述の実施例1におけるピストン46に代えて、基端部が内壁面42に設けられたピン54によって一軸心まわりに回動可能に設けられるとともに、先端面が隔壁44に摺動するように設けられた板状の回動壁56を備え、それら回動壁56および隔壁44により囲まれて形成される貯溜空間および上方に向けられた開口を有する容器状部材である。
本実施例の容量可変装置40は、前述の実施例1におけるピストン46および圧縮コイル50に代えて、ピン54まわりに図3中の矢印cのように回動することによってタンク部38の容量を変化させる前記回動壁56と、予め所定の引張力が付与された状態で設けられ、回動壁56の先端部を常にタンク部38の容量が小さくなる方向へ付勢する(引っ張る)ように設けられた引張コイル58とを有している。図2において、回動壁56が実線で示す位置に移動された状態が最小容量状態であり、回動壁56が2点鎖線で示す位置に移動された状態が最大容量状態である。
前記引張コイル58に予め付与される引張力は、第1油面位置s1と第2油面位置s2との間の例えば第2油面位置s2に一致させられたときに、潤滑油Fから回動壁56に対してその回動壁56をピン54まわりに回動させるように作用する荷重の大きさと引張コイル58から回動壁56に作用するスプリング反力の大きさとが略一致するように、予め実験的に求められて設定される。
また、容量可変装置40は、タンク部38内の油面位置が潤滑油供給口48に達している場合は、そのタンク部38内の潤滑油Fの貯溜量の増加に伴って増加する潤滑油Fから回動壁56に作用する荷重に応じて、引張コイル58が伸縮して回動壁56が矢印cのように回動することにより、タンク部38の容量を最小容量状態と最大容量状態との間の所定の状態に変化させるようになっている。さらに具体的には、容量可変装置40は、タンク部38内の潤滑油Fの油面位置が第1油面位置s1と第2油面位置s2との間となるように、すなわち油面位置が潤滑油供給口48の開口範囲内に位置するように、引張コイル58のバネ定数が予め実験的に求められて設定されてタンク部38の容量を増減させるようになっている。
本実施例の車両用駆動装置10においては、実施例1のピストン46および圧縮コイル50に代えて、回動壁56および引張コイル58が設けられているが、タンク部38内の潤滑油Fの油面位置が第1油面位置s1と第2油面位置s2との間となるように機械的に作動することに関しては同じであり、また、その他の構成は同じであることから、前述の実施例と同様の効果が得られる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
例えば、前述の実施例において、車両用駆動装置10は、ハイブリッド車両におけるフロント駆動ユニットとしてのトランスアクスルであったが、これに限らない。例えば、ハイブリッド車両に限らず、電動機が用いられずに動力源としてエンジンのみを備えた車両や、主動力源として電動機が用いられる電動機駆動車両などに設けられた駆動装置にも適用可能である。また、フロント駆動ユニットに限らず、例えば、リヤ駆動ユニットなどにも適用可能である。また、トランスアクスルに限らず、トランスミッションやデファレンシャルなどにも適用可能である。要するに、潤滑方式として掻き上げ潤滑方式が採用され、掻き上げられた潤滑油Fを一旦貯溜するオイルキャッチタンクが設けられている駆動装置であれば、本発明が適用され得る。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10 車両用駆動装置
12 トランスアクスルケース(ケース)
36 オイルキャッチタンク
40 容量可変装置
48 潤滑油供給口
F 潤滑油
s1 第1油面位置
s2 第2油面位置

Claims (1)

  1. ケース内において回転可能に設けられ、該ケース内の底部に貯溜される潤滑油を回転により掻き上げて該ケース内の各潤滑部位に供給するギヤと、該掻き上げられた潤滑油の一部を貯溜するオイルキャッチタンクと、該オイルキャッチタンクに設けられ、該オイルキャッチタンク内に貯溜された潤滑油の油面位置が予め設定された第1油面位置を超えると該ケース内に設けられた他の部位へ潤滑油を供給する潤滑油供給口とを備え、前記油面位置が前記第1油面位置より高い第2油面位置を超えると前記潤滑油をオーバーフローさせる車両用駆動装置であって、
    前記オイルキャッチタンクは、該オイルキャッチタンク内の潤滑油の油面位置が前記第1油面位置と前記第2油面位置との間となるように該オイルキャッチタンクの容量を増減させる容量可変装置を備えていることを特徴とする車両用駆動装置。
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