JP2010173579A - 自動二輪車の車体フレーム構造及び自動二輪車 - Google Patents
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Abstract
【課題】車体フレームのシートレールにおいて、外観構成、部品の配置構成の自由度を向上させる。
【解決手段】ステアリングヘッドパイプ101から後方或いは後下方に延びる左右一対のメインフレーム10と、メインフレーム10の後端側に前端が連結されて後方或いは後上方に伸びる左右一対のシートレール15と、を含む車体フレームにおいて、シートレール15の後端に左右方向における幅が後に向けて漸減するよう、平面視で略U字状或いは略V字状に形成されたクロスメンバー20を接続した。これにより、平面視で略U字状或いは略V字状の後方側では、車幅方向のサイズを小さくすることで、車体カバーの張り出しを抑え、外観構成の自由度を向上させた。また、平面視で略U字状或いは略V字状の前方側では、その凹部を介して収納スペース(S)を開放できるようにして、効率的な部品あるいはレイアウト配置を実現した。
【選択図】図5
【解決手段】ステアリングヘッドパイプ101から後方或いは後下方に延びる左右一対のメインフレーム10と、メインフレーム10の後端側に前端が連結されて後方或いは後上方に伸びる左右一対のシートレール15と、を含む車体フレームにおいて、シートレール15の後端に左右方向における幅が後に向けて漸減するよう、平面視で略U字状或いは略V字状に形成されたクロスメンバー20を接続した。これにより、平面視で略U字状或いは略V字状の後方側では、車幅方向のサイズを小さくすることで、車体カバーの張り出しを抑え、外観構成の自由度を向上させた。また、平面視で略U字状或いは略V字状の前方側では、その凹部を介して収納スペース(S)を開放できるようにして、効率的な部品あるいはレイアウト配置を実現した。
【選択図】図5
Description
本発明は、自動二輪車の車体フレーム構造及び自動二輪車に関し、より詳しくは車体フレームにおけるシートレール後端のフレーム構造に関する。
自動二輪車の車体フレームは、例えば、エンジンユニット等を懸架するメインフレーム、このメインフレームの後端に連結されライダーシートを固定するシートフレーム等、複数のフレームを含んで構成される。比較的大型の自動二輪車では、メインフレームはステアリングヘッドパイプから二又に分かれてそれぞれが後下がりに延出し、左右一対のシートフレームがメインフレームの後端に結合して、それぞれ後上りに延出するもの等がある。
このような車体フレームでは、左右に配されたフレームに複数のブリッジ或いはクロスメンバーを溶接して横架する等して、全体の骨格を形成するとともに強度の確保がなされている。また、艤装部品等の取り付けのため、複数のブラケット等が溶接されて設けられている(例えば、特許文献1等を参照のこと)。
上述したように、車体フレームにおいては、左右に配されたフレームにブリッジ或いはクロスメンバー等が横架され、各種部品取り付けのための複数のブラケット等が設置される。
しかし、このようなブリッジやブラケット等は、部品点数、溶接箇所及び重量の増加を招いてしまう。とりわけ、車両略中央から後方へ延びるシートレールでは、部品点数、溶接箇所及び重量の増加の問題に加え、レール全長も長くなってしまう場合もあり、シートレール周囲に設けられるシートテールカウル等が大きくなってしまい、外観を損なってしまうという問題があった。
また、シートレールの周辺においては、シートロック機構や収納スペースが配置されることがあるが、ブリッジやブラケット等を設けることで、シートロック機構や収納スペースを効率的に配置できない場合がある、という問題もあった。
本発明は係る問題点に鑑みて、車体フレームのシートレールにおいて、外観構成、部品の配置構成の自由度を向上させる自動二輪車の車体フレーム構造を提供することを目的とする。更には、強度及び艤装部品の取り付け部の確保をするとともに、部品点数、溶接箇所及び重量の増加を防ぐことのできる自動二輪車の車体フレーム構造を提供することを目的とする。
本発明の自動二輪車の車体フレーム構造は、ステアリングヘッドパイプから後方或いは後下方に延びる左右一対のメインフレームと、前記メインフレームの後端側に前端が連結されて後方或いは後上方に伸びる左右一対のシートレールと、前記シートレールの後端に左右方向における幅が後に向けて漸減するよう接続された、平面視で略U字状或いは略V字状のクロスメンバーと、を備えたたことを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記シートレールの下方において、前記メインフレームの後端側に前端が連結されて後上方に伸びるとともに、後端が前記シートレールと連結される左右一対のシートピラーを、更に備えたことを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記シートレールの周囲は、車体カバーで覆われることを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーの平面視で略U字状或いは略V字状における凹部の下方に、収納スペースが配されることを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーは、上下半割の最中構造で構成されることを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーは、断面視で略コ字状を呈する上部材及び下部材を向かい合わせに接合することで構成され、接合した際に断面視で四角形の閉断面を形成することを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーの平面視で略U字状或いは略V字状における底部が幅広に形成されることを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーの上側面にシートロック装置の取り付け部を形成したことを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーの上側面にリヤグリップの取り付け部を形成したことを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーの下側面にリヤフェンダの取り付け部を形成したことを特徴とする。
また、本発明の自動二輪車は、上記に記載の自動二輪車の車体フレーム構造を備えたことを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記シートレールの下方において、前記メインフレームの後端側に前端が連結されて後上方に伸びるとともに、後端が前記シートレールと連結される左右一対のシートピラーを、更に備えたことを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記シートレールの周囲は、車体カバーで覆われることを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーの平面視で略U字状或いは略V字状における凹部の下方に、収納スペースが配されることを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーは、上下半割の最中構造で構成されることを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーは、断面視で略コ字状を呈する上部材及び下部材を向かい合わせに接合することで構成され、接合した際に断面視で四角形の閉断面を形成することを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーの平面視で略U字状或いは略V字状における底部が幅広に形成されることを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーの上側面にシートロック装置の取り付け部を形成したことを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーの上側面にリヤグリップの取り付け部を形成したことを特徴とする。
また、本発明の他の自動二輪車の車体フレーム構造では、前記クロスメンバーの下側面にリヤフェンダの取り付け部を形成したことを特徴とする。
また、本発明の自動二輪車は、上記に記載の自動二輪車の車体フレーム構造を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、左右方向における幅が後に向けて漸減するよう、平面視で略U字状或いは略V字状のクロスメンバーをシートレールの後端に接続することで、外観構成に係るスペースをカットするとともに、部品の配置構成に係るスペースを確保し、外観構成、部品の配置構成の自由度を向上させることができる。
また、クロスメンバーを、上下半割の、所謂、最中構造で構成する、或いは、断面視で略コ字状を呈する上部材及び下部材を向かい合わせに接合して構成し、接合した際に断面視で四角形の閉断面を形成するようにすれば、薄く小さい形状であっても、強度を十分に確保でき、また艤装部品の取り付け部のスペースを十分に確保できるため、部品点数、溶接箇所及び重量の増加を防ぐことができる。
また、クロスメンバーを、上下半割の、所謂、最中構造で構成する、或いは、断面視で略コ字状を呈する上部材及び下部材を向かい合わせに接合して構成し、接合した際に断面視で四角形の閉断面を形成するようにすれば、薄く小さい形状であっても、強度を十分に確保でき、また艤装部品の取り付け部のスペースを十分に確保できるため、部品点数、溶接箇所及び重量の増加を防ぐことができる。
以下、図面に基き、本発明の好適な実施の形態を説明する。図1、2、3はそれぞれ、本発明に係る自動二輪車の車体フレーム構造を備えた自動二輪車1の側面図、平面図、正面図及び背面図である。先ず、図1〜図3を用いて、自動二輪車1の概略構成を説明する。なお、これらの図においては、車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrによりそれぞれ示す。
<自動二輪車1の全体構成>
図1において、メインフレーム10は車体フレームの骨格をなす主要な部材の一つである。鋼製或いはアルミニウム合金材でなる左右一対のメインフレーム10は、その前部をステアリングヘッドパイプ101に結合される。ステアリングヘッドパイプ101は、左右二本のフロントフォーク102を左右に回動可能に支持する。フロントフォーク102の上端には、ハンドルバー103が固定され、ハンドルバー103はその両端にグリップ104を有する。また、フロントフォーク102の下部には前輪105が回転可能に支持されるとともに、前輪105の上部を覆うようにフロントフェンダ106が固定される。前輪105には、一体回転するブレーキディスク107が設置される。
図1において、メインフレーム10は車体フレームの骨格をなす主要な部材の一つである。鋼製或いはアルミニウム合金材でなる左右一対のメインフレーム10は、その前部をステアリングヘッドパイプ101に結合される。ステアリングヘッドパイプ101は、左右二本のフロントフォーク102を左右に回動可能に支持する。フロントフォーク102の上端には、ハンドルバー103が固定され、ハンドルバー103はその両端にグリップ104を有する。また、フロントフォーク102の下部には前輪105が回転可能に支持されるとともに、前輪105の上部を覆うようにフロントフェンダ106が固定される。前輪105には、一体回転するブレーキディスク107が設置される。
メインフレーム10はステアリングヘッドパイプ101から後方に向けて左右二又状に分岐し、それぞれが後下方に傾斜して延出する。メインフレーム10の後部下側にはスイングアーム108が揺動可能に結合されるとともに、両者間にはリヤクッションアブソーバ109が装架される。スイングアーム108の後端には後輪110が回転可能に支持され、後輪110は、エンジンユニット119からの動力を伝達するチェーン111が巻回されたドリブンスプロケット112を有し、これを介して回転駆動する。後輪110の周囲には、その上側において前部リヤフェンダ113が設けられ、更に前部リヤフェンダ113から後方に向けて後部リヤフェンダ114が設けられる。前部リヤフェンダ113はメインフレーム10の後端に連結された後述するシートレール15等に固定され、後部リヤフェンダ114は前部リヤフェンダ113の後端に重なるようにしてシートレール15のクロスメンバー20に支持される。
メインフレーム10の上方には、燃料タンク115が搭載され、燃料タンク115の後方にはライダーシート116が連設される。ライダーシート116の下方には、ライダー用のフットレスト117A、及び、タンデム用のフットレスト117Bがそれぞれ設置される。フットレスト117A,117Bは、メインフレーム10に結合されたフットレスト用フレーム118にそれぞれ設けられる。
メインフレーム10の下方には、エンジンユニット119が懸架されるようにして搭載される。エンジンユニット119はV型2気筒の水冷式エンジンを含むものであり、不図示の燃料噴射装置からの混合気が供給されるとともに、エンジン内での燃焼後の排気ガスが排気管120を通って排気される。排気管120はエンジンユニットの下側にて、マフラ121と結合する。
車両外装においては、複数のカバーが設けられる。フレームカバーA122は、メインフレーム10に固定され、メインフレーム10、エンジンユニット119の側方を覆う。フレームカバーB123は、メインフレーム10に固定され、フレームカバーA122の上方から車両後方へ延出する。フレームカバーC124は、フレームカバーB123に重なるようにして固定され、燃料タンク115の側方からライダーシート116の側方を連ねて覆う。フレームカバーD125は、後述するシートレール15のクロスメンバー20に固定され、ライダーシート116の側方後側を覆う。また、ライダーシート116とフレームカバーD125との間には、一対のリヤグリップ126が車幅方向に向けて突設される。
ライダーシート116、フレームカバーD125は、図2に示すように平面視で流線型状の外観フォルムを呈しており、これに対応して、フレームカバーC124等も滑らかな曲線状で前後方向に延出する形状となっている。なお、各フレームカバーは、例えばABS等のプラスチックで成形される。また、エンジンユニット119の前方にはラジエタ127(図3(A))が設けられるが、その両側方には、曲面状に形成されたラジエタカバー128が設けられる。ラジエタカバー128は、曲面状に形成されることで、上述したフレームカバーによる滑らかな流線型状と一体感をなし、全体として統一した意匠を表出させている。
フレームカバーD125の後方には、上述した後部リヤフェンダ114が連設される。後部リヤフェンダ114には、その両側方に左右一対のリヤウィンカ129、その後方にリヤコンビネーションランプ130等が設置される。また、ハンドルバー103の前方には、ヘッドライト131、スピードメータや各種インジケータランプ等を含むメータユニット132、ヘッドライト131の両側方から突設された左右一対のフロントウィンカ133が設置される。また、ハンドルバー103の上部には、ステー134を介してバックミラー135が設置される。
<自動二輪車1の車体フレーム>
次に、自動二輪車1の車体フレームについて説明する。図4、図5はそれぞれ、自動二輪車1の車体フレームの側面図、平面図である。以下、図4、5を用いて車体フレームを説明する。
次に、自動二輪車1の車体フレームについて説明する。図4、図5はそれぞれ、自動二輪車1の車体フレームの側面図、平面図である。以下、図4、5を用いて車体フレームを説明する。
本実施形態において車体フレームは複数の部材から構成される。メインフレーム10は、上述したように、ステアリングヘッドパイプ101から後方に向けて左右二又状に分岐し、それぞれが後下方に傾斜して延出する。なお、本実施形態では、メインフレーム10が後下方に傾斜するが、車種によっては略水平に後方に延出する場合も考えられる。サブフレーム11は、メインフレーム10の補強のため、メインフレーム10に並行するようにして形成される。サブフレーム11は、ステアリングヘッドパイプ101のメインフレーム10の連結位置の下側から後方に向けて左右二又状に分岐し、それぞれが後下方に傾斜して延出する。メインフレーム10とサブフレーム11は、適所においてブリッジ12を溶接或いは螺着されて連結し、エンジンユニット119を懸架するのに十分な強度を確保するようにしている。また、左右一対のメインフレーム10は、後方側において後上方にやや傾斜した、平面視でコの字状のクロスメンバー13を溶接されて連結する。また、左右一対のメインフレーム10の後端は、フットレスト117Aの近傍においてクロスメンバー14を溶接されて連結する。
メインフレーム10のクロスメンバー13の後端には、左右一対のシートレール15が溶接され、後上方に延出する。また、シートフレーム15を補強するためのシートピラー16は、シートレール15の下方で、その前端をメインフレーム10の後端部近傍で連結されて、後上方に延びるとともに、シートレール15と後部で連結する。なお、シートレール15とシートピラー16とでリヤフレームが構成される。また、メインフレーム10やサブフレーム11には、エンジンユニット119の懸架用のブラケットや燃料タンク115の固定用のブラケット等が適所に形成される。
左右一対のシートレール15の後端は、平面視で略U字状或いは略V字状に形成されたシートレールクロスメンバー(以下、単にクロスメンバー)20が溶接されて連結される。クロスメンバー20が平面視で略U字状或いは略V字状を呈することで、リヤフレーム15の後端部は、図5に示すように後に向かうにつれて、左右方向における幅が狭くなっている(漸減するようになっている)。
<シートレールのクロスメンバー>
以下、クロスメンバー20の詳細を説明する。クロスメンバー20は、上下で分割(半割)されており、図4に示すように上部材21と下部材22とが接合して構成される、所謂、最中構造となっている。
以下、クロスメンバー20の詳細を説明する。クロスメンバー20は、上下で分割(半割)されており、図4に示すように上部材21と下部材22とが接合して構成される、所謂、最中構造となっている。
上述したが、クロスメンバー20は、平面視で略U字状或いは略V字状を呈しており、略U字状或いは略V字状の上部材21の縦辺部21A、下部材の縦辺部22Aはそれぞれ、左右一対のシートレール15の後端を覆うようにして結合(接続)する。なお、この結合部位は溶接等されて固着される。
図6は、クロスメンバー20とシートレール15との結合部位の断面(図5に示すA−A断面)を示した図である。図6に示すように、クロスメンバー20の縦辺部21A,22Aはそれぞれパイプ状のシートレール15の後端の周径よりも大きくなっており、シートレール15の後端を覆うようにして結合する。なお、上部材21の縦辺部21Aは前下方に向けてカットされ上部が開放している。クロスメンバー20をシートレール15と結合した際は、これらの繋ぎ目部分を溶接するが、縦辺部21Aが前下方に向けてカットされることで形成された傾斜面を有することで溶接範囲を大きくとることができ、結合強度の向上がなされている。
また、上部材21、下部材22は、断面形状において上向き又は下向きに開口する略コ字状に形成される。図7は、クロスメンバー20の平面視U字状の底部の断面(図5に示すB−B断面)を示した図である。図7に示すように、上部材21は、断面形状において下向きに開口する略コ字状に形成されており、下部材22は、断面形状において上向きに開口する略コ字状に形成されている。また、上部材21はその内面で下部材22を覆うように、下部材22よりも一回り大きく形成されている。上部材21と下部材22は向かい合わせの状態で接合され、その繋ぎ目を溶接されるが、上部材21を下部材22よりも一回り大きく形成し、下部材22をすっぽり覆うようにしておくことで、溶接の結合強度の向上がなされている。なお、上部材21と下部材22とを向かい合わせた際には、上部材21のU字状(平面視)の開口縁の内側に、下部材22が極めて浅く嵌合する。また、上部材21の縦辺部21A、下部材の縦辺部22Aに関しては、シートレール15の後端の形状とぴったり合うように、断面半円状に形成される。
上部材21と下部材22とを結合した場合には、図7に示すように、断面形状において、四角形の閉断面が形成される。これにより、薄く小さな形状であっても強度を十分に確保できるようにされている。更に、クロスメンバー20は、略U字状或いは略V字状の底部において前後方向に幅広に形成されている(幅広領域(P)、図5)。このようにして部材の大きさを確保することで、十分な強度を確保できるようにするとともに、各種部材の取り付け部のスペースを確保している。なお、上部材21及び下部材22は、例えば高張力鋼板等の板材をプレス加工により成形されるため、比較的容易に成形することができる。
また、図5に示すようにクロスメンバー20には、各種部品を取り付けるための複数の取り付け部である取付ナットが形成される。すなわち、クロスメンバー20の上面の四隅に配された取付ナット23,24は、リヤグリップ126を取り付けるための取付ナットであり、U字状の底部の前側に配された取付ナット25は、後述のシートロック機構150を取り付けるための取付ナットである。
これら取付ナット23〜25の上面開口は、プレス成形によるうち抜きにより形成されるが、ナット部分については、上部材21の裏面に溶接される。例えば、取付ナット24のナット部分24Aは、図6に示すように上部材21の裏面に溶接されており、取付ナット25のナット部分25Aは、図7に示すように上部材21の裏面に溶接されている。また、図6において26は、下部材22の裏面に溶接された前部リヤフェンダ113の取り付けのための取付ナットであり、図7において27は、下部材22の裏面に溶接された前部リヤフェンダ113の取り付けのための取付ナットである。また、23Aは取付ナット23のナット部分である。
上述したような取付ナットは、上部材21及び下部材22の成形後に溶接されるが、上部材21及び下部材22は断面において略コ字状であり、向かい合わせに接合した場合に中空空間を形成する。そのため、取付ナットのナット部分が他の部材のスペースを制約することはなく、また上部材21及び下部材22の平面視で略U字状或いは略V字状における底部は幅広に形成されているため、複数の取付ナットを比較的容易に設けることができる。なお、本実施形態では、上部材21又は下部材22にナットを溶接することを説明したが、取り付けに対しての強度を確保できるのであればプレス成形によりナット部分に対応する肉厚を一体成形し、そこにねじ切りを行うようにしても構わない。
<シートレールのクロスメンバーに取り付けられる各種部材>
次に、クロスメンバー20に取り付けられる各種部材について説明する。図8、図9はそれぞれ、各種部材が取り付けられたクロスメンバー20周辺の側面図、平面図である。また、図10は、クロスメンバー20に対するリヤグリップ126の取り付けを説明するための図であり、図11は、車体フレームに対する前部リヤフェンダ113や後部リヤフェンダ114の取り付けを説明するための図である。
次に、クロスメンバー20に取り付けられる各種部材について説明する。図8、図9はそれぞれ、各種部材が取り付けられたクロスメンバー20周辺の側面図、平面図である。また、図10は、クロスメンバー20に対するリヤグリップ126の取り付けを説明するための図であり、図11は、車体フレームに対する前部リヤフェンダ113や後部リヤフェンダ114の取り付けを説明するための図である。
図8,図9,図10に示すように、クロスメンバー20の周辺には、リヤグリップ126、前部リヤフェンダ113、後部リヤフェンダ114、フレームカバーD125更にはシートロック機構150等が取り付けられる。
リヤグリップ126は、左右一対に配され、その取付穴126Aを介してクロスメンバー20の取付ナット23,24(図5)にボルト等により固定される。図10には、取付穴126Aに螺合されるボルト126B、ワッシャー126C、ボルト126Bの頭部に取り付けられるキャップ126Dを示す。なお、図10では、一つの取付穴126Aに対するボルト126B等の固定部材を示したが、他の取付穴に対しても同様の方法で固定がされる。また、図10には、フレームカバーD125を示している。詳細は後述するがフレームカバーD125は、リヤグリップ126とともに、クロスメンバー20の上面に固定される。フレームカバーD125は、クロスメンバー20と同様に平面視で略U字状或いは略V字状を呈しており、クロスメンバー20を上方および車両の外側から覆う配置となる。クロスメンバー20が略U字状或いは略V字状に形成されることに伴い、フレームカバーD125も略U字状として流線型とすることができ、これにより、外観上をスリム化するとともに、空気抵抗を軽減させることができる。なお、図8、図9においては、前部リヤフェンダ113の取付状態を分かり易くするため、フレームカバーD125を図示していない。
次に、前部リヤフェンダ113は、シートレール15及びその後端のクロスメンバー20に固定される。図4,図6に示すように、シートレール15には、その左右に配され、車両前後方向に延出するガセットプレート15Aが溶接される。ガセットプレート15Aには、前後に取付ナット15Bが一対ずつ設けられており、この取付ナット15Bにより前部リヤフェンダ113が取り付けられる。より詳しくは、図11に示すように、前部リヤフェンダ113の前端に形成された取付穴113A、略中央に形成された取付穴113Bを、取付ナット15Bに重ね合わせて、ボルト113Cを螺合することで、前部リヤフェンダ113の前半部分が固定される。
また、前部リヤフェンダ113の後端は、クロスメンバー20の下部材22に形成された取付ナット26,27(図6、図7)にボルトを螺合することで取り付けられる。より詳しくは、図11に示すように、前部リヤフェンダ113の後端には、左右一対ずつ前後において取付穴113D,113Eが形成されており、取付穴113Dが取付ナット26に、取付穴113Eが取付ナット27に重ね合わせられて、ボルト113Fにより固定される(取付ナット26、取付ナット27の位置関係は図9にて点線で示す)。
また、図11に示すように、前部リヤフェンダ113と共締めされるかたちで、後部リヤフェンダ114及び後部リヤフェンダ114の裏面を構成する後部リヤフェンダブラケット114Aも、クロスメンバー20に固定される。なお、図10に示したフレームカバーD125は、左右一対ずつ前後において形成した取付穴125A,125Bをそれぞれ、リヤグリップ126の取付穴126Aに重ね合わせられて、取付ナット23,24に固定される。
次に、図9に示すようにクロスメンバー20の上面の取付ナット25には、シートロック機構150も固定されている。シートロック機構150は、ライダーシート116の開錠及び施錠を行う装置であり、例えば開錠は所定のキー操作でなされ、施錠はライダーシート116をシート機構150に押し込むことでなされるような構成が考えられる。シートロック機構150の前側の、前部リヤフェンダ113の上面は、収納スペース(S)が形成されており、ライダーシート116の開錠により収納スペース(S)を開放できる。クロスメンバー20は、収納スペース(S)の上方に位置することになるが、平面視で略U字状或いは略V字状の凹部を、収納スペース(S)の上方に位置させるため、収納スペース(S)を使用する際の障害とならず、効率的で有効な配置構成を実現している。また、リヤグリップ126は、シートレール15のパイプライン上に固定されているため、収納スペース(S)を使用する際の障害とならず、広いスペースを確保できるようにしている。
以上で、本発明に係る自動二輪車の車体フレーム構造の実施の形態について説明した。すなわち、本実施形態では、左右方向における幅が後に向けて漸減するよう、平面視で略U字状或いは略V字状に形成されたクロスメンバー20をシートレール15の後端に接続することで、外観構成に係るスペースをカットするとともに、部品の配置構成に係るスペースを確保し、外観構成、部品の配置構成の自由度を向上させるようにした。具体的には、平面視で略U字状或いは略V字状の後方側では、車幅方向のサイズを小さくすることで、車体カバー(フレームカバーD125)の張り出しを抑え、流線型の外観フォルムを形成し、外観性を向上させるとともに、空気抵抗を軽減させた。また、平面視で略U字状或いは略V字状の前方側では、その凹部を介して収納スペース(S)を開放できるようにすることで、効率的な部品あるいはレイアウト配置を実現した。
また、クロスメンバー20を、上下半割の最中構造、すなわち、断面視で略コ字状を呈する上部材21及び下部材22を向かい合わせに接合して構成し、接合した際に断面視で四角形の閉断面を形成するようにすることで、十分な強度を確保した。より詳しく説明すると、最中構造として剛性を確保することで、薄く小さな形状であっても十分な強度を確保できるようにした。また、断面視で四角形の閉断面を形成する(中空空間を形成する)とともに、略U字状或いは略V字状の底部を幅広とすることで、艤装部品の取り付け部のスペースを十分確保することができるため、部品点数、溶接箇所及び重量の増加を防ぐことも可能とした。また、クロスメンバー20は、十分な強度を確保しつつも薄く小さく形成されているため、レール長を短くすることができ、車体カバーの大型化を防ぎ、外観性も向上させている。
なお、本発明に係る車体フレーム構造は、本実施形態で説明した車体フレームに限らず適用することができる。車体フレームは、エンジンユニットの大きさや車両の外観意匠に応じて、様々な設計変更がなされるが、少なくともシートフレームが左右一対配される車体フレームの構成であれば、本発明を好適に適用することができる。また、本実施形態では、上部材21が下部材22を覆うようにするため、上部材21が下部材22よりも一回り大きいようにしたが、下部材22が上部材21よりも一回り大きい構成であっても構わない。また、上部材221と下部材22との接合面にインロー構造を設けても構わない。
1 自動二輪車、10 メインフレーム、11 サブフレーム、12 ブリッジ、13 クロスメンバー、14 クロスメンバー、15 シートレール、15A ガセットプレート、15B 取付ナット、16 シートピラー、20 シートレールクロスメンバー(クロスメンバー)、21 上部材、22 下部材、23,24,25,26,27 取付ナット、24A ナット部分、25A ナット部分、101 ステアリングヘッドパイプ、102 フロントフォーク、103 ハンドルバー、104 グリップ、105 前輪、106 フロントフェンダ、107 ブレーキディスク、108 スイングアーム、109 リヤクッションアブソーバ、110 後輪、111 チェーン、112 ドリブンスプロケット、113 前部リヤフェンダ、113A,113B 取付穴、113C ボルト、113D,113E 取付穴、113F ボルト、114 後部リヤフェンダ、115 燃料タンク、116 ライダーシート、119 エンジンユニット、122 フレームカバーA、123 フレームカバーB、124 フレームカバーC、125 フレームカバーD、126 リヤグリップ。
Claims (11)
- ステアリングヘッドパイプから後方或いは後下方に延びる左右一対のメインフレームと、
前記メインフレームの後端側に前端が連結されて後方或いは後上方に伸びる左右一対のシートレールと、
前記シートレールの後端に左右方向における幅が後に向けて漸減するよう接続された、平面視で略U字状或いは略V字状のクロスメンバーと、を備えたたことを特徴とする自動二輪車の車体フレーム構造。 - 前記シートレールの下方において、前記メインフレームの後端側に前端が連結されて後上方に伸びるとともに、後端が前記シートレールと連結される左右一対のシートピラーを、更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の車体フレーム構造。
- 前記シートレールの周囲は、車体カバーで覆われることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車の車体フレーム構造。
- 前記クロスメンバーの平面視で略U字状或いは略V字状における凹部の下方に、収納スペースが配されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動二輪車の車体フレーム構造。
- 前記クロスメンバーは、上下半割の最中構造で構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動二輪車の車体フレーム構造。
- 前記クロスメンバーは、断面視で略コ字状を呈する上部材及び下部材を向かい合わせに接合することで構成され、接合した際に断面視で四角形の閉断面を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動二輪車の車体フレーム構造。
- 前記クロスメンバーの平面視で略U字状或いは略V字状における底部が幅広に形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動二輪車の車体フレーム構造。
- 前記クロスメンバーの上側面にシートロック装置の取り付け部を形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動二輪車の車体フレーム構造。
- 前記クロスメンバーの上側面にリヤグリップの取り付け部を形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動二輪車の車体フレーム構造。
- 前記クロスメンバーの下側面にリヤフェンダの取り付け部を形成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の自動二輪車の車体フレーム構造。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の自動二輪車の車体フレーム構造を備えたことを特徴とする自動二輪車。
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JP2009020540A JP2010173579A (ja) | 2009-01-30 | 2009-01-30 | 自動二輪車の車体フレーム構造及び自動二輪車 |
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JP2020172196A (ja) * | 2019-04-11 | 2020-10-22 | スズキ株式会社 | 鞍乗型車両の車体構造 |
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2009
- 2009-01-30 JP JP2009020540A patent/JP2010173579A/ja active Pending
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