JP2010173104A - 綴具 - Google Patents

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Abstract

【課題】閉じた綴じ環を外れにくくすることができる綴じ具を提供する。
【解決手段】綴じ環12,14を開閉するときに、保持部材16内で、移動自在に保持される作動部材18を備え、綴じ部材12b,14bを間隔をおいて遊貫するための貫通孔26b,28bは、綴じ部材の綴じ環係止部50が係止される方向に綴じ部材が移動することを許容し、作動部材18を構成する一方の作動片及び他方の作動片の長さ方向への移動を規制する移動規制部が、一方の作動片の突き合わせ縁に形成された規制凹部及び規制凸部と、他方の作動片の突き合わせ縁に形成された規制凹部及び規制凸部とから形成され、綴じ環を綴じ環係止部において閉じたとき、一方の作動片の規制凹部は、綴じ部材の係止された綴じ環係止部が外れる方向に他方の綴じ部材が移動することを許容するように、他方の作動片の規制凸部の移動できる長さに形成する。
【選択図】図2

Description

この発明は、綴具に関し、特にたとえば、リングバインダないしファイルとして用いられる綴具に関する。
この発明の背景となる従来の綴具として、国際公開第2008/093434号に開示された綴じ具がある。
この綴じ具は、綴じ環と、綴じ環を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、各綴じ環がその基部において間隔をおいてその表面に固定され、綴じ環が保持部材に固定されるように保持部材の内側に可動自在に固定された作動部材とを備えた、綴具であって、作動部材は、保持部材内で保持部材の長手方向に移動する一対の作動片からなり、一方の作動片には綴じ環の一方の基部が固定され、他方の作動片には綴じ環の他方の基部が固定され、綴じ環を開くときに、作動片を保持部材の長手方向に移動させるとともに、保持部材の内面に近づいた方向に保持されるように、綴じ環を開く方向に変化させる開閉部材を備える。
国際公開第2008/093434号
しかしながら、従来の綴じ具は、綴じ環を開閉するとき作動部材を円滑に作動させる必要があるので、綴杆に重量のある被綴じ物を綴じたとき、強い衝撃を加えられると被綴じ物の重みで、閉じられた綴杆の係止部が外れるおそれがある。特に、綴杆がDの字型の場合には、一方の側(右側)の綴杆にのみ書類等の被綴じ物が綴じられた状態となって、ファイル表紙をたてたときに、一方の側の綴杆がしなって綴杆の先端の係止部が外れ易く、また多くの被綴じ物を綴じ込むことが多いために、閉じられた綴杆の係止部が外れる可能性が高まる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、より閉じた綴じ環を外れにくくすることができる綴じ具を提供することである。
この発明の請求項1にかかる綴具は、開閉自在の一方の綴じ部材と他方の綴じ部材とを備えた綴じ環と、前記複数の綴じ環を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、表面側よりのびるように一方の綴じ部材と他方の綴じ部材とを別々に独立して固定された一対の作動片が、前記綴じ環を開閉するときに、保持部材内で、保持部材の長さ方向に移動自在に保持されるように形成された、作動部材と、前記作動部材に固定された開閉部材とを備えた、綴具であって、前記保持部材は、一方の綴じ部材と他方の綴じ部材とを間隔をおいて遊貫するための、一方の貫通孔と他方の貫通孔とが、一方の綴じ部材と、他方の綴じ部材とに対応して、保持部材の幅方向において間隔をおいて穿設され、前記綴じ環を綴じ環係止部において係止して閉じたときに、一方の貫通孔は、一方の綴じ部材の係止された綴じ環係止部が外れる方向に一方の綴じ部材が移動することを規制するように形成されるとともに、他方の貫通孔は、他方の綴じ部材の係止された綴じ環係止部が係止される方向に他方の綴じ部材が移動することを許容するように形成され、前記作動部材は、一方の作動片には綴じ環の一方の基部が固定され、他方の作動片には綴じ環の他方の基部が固定され、一方の作動片と他方の作動片とが、前記綴じ環を閉じたときに、一方の綴じ部材の綴じ環係止部と他方の綴じ環係止部とが係止されるように、その突き合わせ縁が突き合わせた状態において、保持部材に固定され、一方の作動片及び他方の作動片は、一方の作動片及び他方の作動片の長さ方向への移動を規制する移動規制部が形成され、前記移動規制部は、一方の作動片の突き合わせ縁に形成された規制凹部及び規制凸部と、他方の作動片の突き合わせ縁に形成された規制凹部及び規制凸部とから形成され、綴じ環を綴じ環係止部において閉じたとき、一方の作動片の規制凹部は、綴じ部材の係止された綴じ環係止部が外れる方向に他方の綴じ部材が移動することを許容するように、他方の作動片の規制凸部の移動を許容できる長さに形成された、綴具である。
この発明の請求項2に記載の綴具は、一方の貫通孔の手前側縁と他方の貫通孔の手前側縁とは、保持部材の長さ方向における位置が変化づけられ、一方の貫通孔の手前側縁の方が他方の貫通孔の手前側縁より向こう側に位置づけられた、請求項1に記載の綴具である。
この発明の請求項3に記載の綴具は、規制凹部は、突き合わせ縁より幅方向において凹んだ平面視コ字型の欠きであり、規制凸部は、前記規制凹部と遊嵌するように形成された平面視コ字型の凸起であり、規制凹部に規制凸部が遊嵌されて、規制凹部内において一方の作動片と他方の作動片とがその長さ方向に互い違いに移動するように形成されている、請求項1又は請求項2に記載の綴具である。
この発明の請求項4に記載の綴具は、綴じ環が閉じられているときに、綴じ環をねじられて綴じ環が開かれるときには、一方の綴じ部材が綴じ環係止部の係合を外す側である手前側に移動するともに他方の綴じ部材が綴じ環係止部の係合を外す側である向こう側に移動するために、一方の綴じ部材を貫挿された一方の貫通孔は、一方の綴じ部材の移動を許容するように形成され、他方の綴じ部材を貫挿された他方の貫通孔は、他方の綴じ部材の移動を許容するように形成され、且つ、移動規制部は、一方の綴じ部材の移動を許容するように形成され、他方の綴じ部材の移動を許容するように形成されるとともに、綴じ環に被綴じ物による一方の綴じ部材の綴じ環係止部の係合を外す方向にのみ過負荷がかかったときには、一方の綴じ部材を貫挿された一方の貫通孔は、一方の綴じ部材の綴じ環係止部の係合を外す側に移動した一方の綴じ部材の移動を停止するように形成され、他方の綴じ部材を貫挿された他方の貫通孔は、他方の綴じ部材が停止した一方の綴じ部材に向けて更に移動することを許容するように形成され、且つ、移動規制部は、一方の綴じ部材の綴じ環係止部の係合を外す側に移動した一方の綴じ部材に向けて、他方の綴じ部材が更に移動することを許容するように形成されている、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の綴具である。
この発明によれば、開閉自在の一方の綴じ部材と他方の綴じ部材とを備えた綴じ環と、前記複数の綴じ環を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、表面側よりのびるように一方の綴じ部材と他方の綴じ部材とを別々に独立して固定された一対の作動片が、前記綴じ環を開閉するときに、保持部材内で、保持部材の長さ方向に移動自在に保持されるように形成された、作動部材と、前記作動部材に固定された開閉部材とを備えた、綴具であって、前記保持部材は、一方の綴じ部材と他方の綴じ部材とを間隔をおいて遊貫するための、一方の貫通孔と他方の貫通孔とが、一方の綴じ部材と、他方の綴じ部材とに対応して、保持部材の幅方向において間隔をおいて穿設され、前記綴じ環を綴じ環係止部において係止して閉じたときに、一方の貫通孔は、一方の綴じ部材の係止された綴じ環係止部が外れる方向に一方の綴じ部材が移動することを規制するように形成されるとともに、他方の貫通孔は、他方の綴じ部材の係止された綴じ環係止部が係止される方向に他方の綴じ部材が移動することを許容するように形成され、前記作動部材は、一方の作動片には綴じ環の一方の基部が固定され、他方の作動片には綴じ環の他方の基部が固定され、一方の作動片と他方の作動片とが、前記綴じ環を閉じたときに、一方の綴じ部材の綴じ環係止部と他方の綴じ環係止部とが係止されるように、その突き合わせ縁が突き合わせた状態において、保持部材に固定され、一方の作動片及び他方の作動片は、一方の作動片及び他方の作動片の長さ方向への移動を規制する移動規制部が形成され、前記移動規制部は、一方の作動片の突き合わせ縁に形成された規制凹部及び規制凸部と、他方の作動片の突き合わせ縁に形成された規制凹部及び規制凸部とから形成され、綴じ環を綴じ環係止部において閉じたとき、一方の作動片の規制凹部は、綴じ部材の係止された綴じ環係止部が外れる方向に他方の綴じ部材が移動することを許容するように、他方の作動片の規制凸部の移動を許容できる長さに形成されているので、より閉じた綴じ環を外れにくくすることができる綴じ具を提供することができる。
請求項2の発明によれば、一方の貫通孔の手前側縁と他方の貫通孔の手前側縁とは、保持部材の長さ方向における位置が変化づけられ、一方の貫通孔の手前側縁の方が他方の貫通孔の手前側縁より向こう側に位置づけられているので、綴じ環を構成する一方の綴じ部材の綴じ環係止部に対し他方の綴じ部材の綴じ環係止部が食い込むことを可能ならしめて、より閉じた綴じ環を不意に外れることを防ぐことができる。
請求項3の発明によれば、規制凹部は、突き合わせ縁より幅方向において凹んだ平面視コ字型の欠きであり、規制凸部は、前記規制凹部と遊嵌するように形成された平面視コ字型の凸起であり、規制凹部に規制凸部が遊嵌されて、規制凹部内において一方の作動片と他方の作動片とがその長さ方向に互い違いに移動するように形成されているので、綴じ環を構成する一方の綴じ部材の綴じ環係止部に対し他方の綴じ部材の綴じ環係止部が食い込むことを可能ならしめて、より閉じた綴じ環を不意に外れることを防ぐことができる。
請求項4の発明によれば、綴じ環が閉じられているときに、綴じ環をねじられて綴じ環が開かれるときには、一方の綴じ部材が綴じ環係止部の係合を外す側である手前側に移動するともに他方の綴じ部材が綴じ環係止部の係合を外す側である向こう側に移動するために、一方の綴じ部材を貫挿された一方の貫通孔は、一方の綴じ部材の移動を許容するように形成され、他方の綴じ部材を貫挿された他方の貫通孔は、他方の綴じ部材の移動を許容するように形成され、且つ、移動規制部は、一方の綴じ部材の移動を許容するように形成され、他方の綴じ部材の移動を許容するように形成されるとともに、綴じ環に被綴じ物による一方の綴じ部材の綴じ環係止部の係合を外す方向にのみ過負荷がかかったときには、一方の綴じ部材を貫挿された一方の貫通孔は、一方の綴じ部材の綴じ環係止部の係合を外す側に移動した一方の綴じ部材の移動を停止するように形成され、他方の綴じ部材を貫挿された他方の貫通孔は、他方の綴じ部材が停止した一方の綴じ部材に向けて更に移動することを許容するように形成され、且つ、移動規制部は、一方の綴じ部材の綴じ環係止部の係合を外す側に移動した一方の綴じ部材に向けて、他方の綴じ部材が更に移動することを許容するように形成されているので、一方の作動片と他方の作動片とが、突き合わせ縁にて突き合わせた状態において、確実に且つ円滑に移動されるとともに綴じ環の開閉を行うことができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明にかかる一実施の形態である綴具を用いたファイルを示す斜視図である。 本発明にかかる一実施の形態である綴具の一例を示す斜視図である。 保持部材の斜視図である。 作動部材及び開閉部材の斜視図解図である。 開閉部材の平面図である。 開閉部材の側面図解図で、(A)は元の状態の側面図解図で(B)(C)は巻線部の円周方向に力を加えた状態の側面図解図である。 閉じた状態における綴じ環と作動部材を示す平面図解図である。 閉じた状態における綴じ環と作動部材を示す左側図解図である。 閉じた状態における綴じ環と作動部材を示す正面図解図である。 閉じた状態における綴じ環と作動部材を示す底面図解図である。 綴じ環と綴杆部材の貫通孔との関係を示す平面図解図である。 閉じた状態における綴具の平面図解図である。 閉じた状態における綴具の底面図である。 閉じた状態における綴具の横断面図であり、(A)は、図9A−A断面図であり、(B)は、概略を示した図9B−B断面図である。 綴じ環を開く状態を示す綴具の底面図である。 綴じ環を開く状態を示す綴具の綴じ環の図解図である。 開いた状態における綴具の平面図解図である。 開く状態を示す綴具の底面図解図であり、(A)は、ほぼ開いた綴具の底面図解図であり、(B)は、開き終わった底面図解図である。 開いた状態における綴具の横断面図であり、(A)は、図14A−A断面図であり、(B)は、概略を示した図14B−B断面図である。 綴じ環の係止部を示す図解図であり、(A)は、平面図解図であり、(B)は、(A)のA−A断面図解図であり、(C)は、正面図解図である。 綴じ環の係止部を示す図解図であり、(A)は、側面図解図であり、(B)は、(A)のB−B断面図解図である。 綴じ環を綴じる状態を示す綴じ環の図解図であり、(A)は、平面図解図であり、(B)は、正面図解図である。 綴じ環を綴じる状態を示す綴じ環の図解図であり、(A)は、平面図解図であり、(B)は、正面図解図である。 綴じ環を綴じる状態を示す綴じ環の図解図であり、(A)は、平面図解図であり、(B)は、正面図解図である。 綴じ環を綴じる状態を示す綴じ環の図解図であり、(A)は、平面図解図であり、(B)は、正面図解図である。 保持部材の形成方法を示す図解図であり、(A)は保持部材の側面図解図であり、(B)は底面図解図である。 保持部材の形成方法を示す底面図解図である。 保持部材の変形例の形成方法を示す底面図解図である。 図24A方向矢視図である。 作動部材の変形例を示す底面図解図である。 作動部材の変形例を示す断面図解図である。 表紙を閉じた状態における斜視図解図である。 表紙を閉じた状態における側面図解図である。 表紙を閉じた状態における横断図解図である。 綴じ環の変形例を示す図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は正面図解図である。 別の実施の形態である綴具の一例を示す斜視図である。 別の実施の形態である綴具の一例を示す平面図である。 図32図示綴具の全体の底面図である。 (A)(B)は図34の一部を拡大した底面図である。 (A)は図32図示綴具の側面図であり、(B)は図32図示綴具の綴じ環の断面図である。 別の実施の形態である綴具の一例を示す斜視図である。 別の実施の形態である綴具の一例を示す平面図である。 図37図示綴具の全体の底面図である。 (A)(B)は図39の一部を拡大した底面図である。 (A)は図37図示綴具の側面図であり、(B)は図37図示綴具の綴じ環の断面図である。 閉じた状態における綴具の底面図である。 閉じた状態における綴具の横断面図であり、(A)は、図9A−A断面図である。 綴じ環を開く状態を示す綴具の綴じ環の図解図である。 開く状態を示す綴具の底面図解図である。 開いた状態における綴具の横断面図であり、(A)は、図14A−A断面図である。 綴じ環の係止部を示す図解図であり、(A)は、平面図解図であり、(B)は、斜視図解図である。 綴じ環の係止部を示す図解図であり、(A)は、図15A方向図解図であり、(B)は、(A)のI方向矢視図解図であり、(C)は、(A)のII方向矢視図解図であり、(D)は、図15B方向図解図であり、(E)は、(D)のIII方向矢視図解図であり、(F)は、(D)のIV方向矢視図解図である。 綴じ環を開いた状態における図解図であり、(A)は、平面図解図であり、(B)は、綴じ環の係合部の近傍の平面図解図である。 綴じ環を閉じ始めた状態における図解図であり、(A)は、平面図解図であり、(B)は、綴じ環の係合部の近傍の平面図解図である。 綴じ環を開き始めた状態における図解図であり、(A)は、平面図解図であり、(B)は、綴じ環の係合部の近傍の平面図解図である。 綴じ環を閉じた状態における図解図であり、(A)は、平面図解図であり、(B)は、綴じ環の係合部の近傍の平面図解図である。 この発明にかかる綴具の説明図である。 この発明にかかる綴具を用いたノートの説明図である。
この発明にかかる実施の形態である2穴真円型リング綴具について説明する。
図1は、本発明にかかる一実施の形態である綴具を用いたファイルを示す斜視図である。図2は、本発明にかかる一実施の形態である綴具の一例を示す斜視図であり、図3は、保持部材の斜視図である。図4は、作動部材及び開閉部材の斜視図解図である。図5は、開閉部材の平面図である。図6は、開閉部材の側面図解図で、(A)は元の状態の側面図解図で(B)(C)は巻線部の円周方向に力を加えた状態の側面図解図である。図7Aは、閉じた状態における綴じ環と作動部材を示す平面図解図であり、図7Bは、閉じた状態における綴じ環と作動部材を示す左側図解図であり、図7C閉じた状態における綴じ環と作動部材を示す正面図解図であり、図7Dは、閉じた状態における綴じ環と作動部材を示す底面図解図である。図8は、閉じた状態における綴具の平面図である。図9は、閉じた状態における綴具の底面図である。図10は、閉じた状態における綴具の横断面図であり、(A)は、図9A−A断面図であり、(B)は、図9B−B断面図である。図11は、綴じ環を開く状態を示す綴具の底面図である。図12は、綴じ環を開く状態を示す綴具の綴じ環の図解図である。
図1ないし2に示す綴具10は、厚紙その他の比較的硬質なシート材からなる表紙COの略中央に形成される左右一対の折り線の内側の背表紙の内側表面に固定される。固定する方法としては、綴具10の長手方向の両端に形成された取付孔20(後に詳述する)にボルトとナットやはとめ等の固着具を挿通させて、背表紙と一体となるように固定する方法がある。
なお、ここでは、固着具として、ボルトとナットを用いて説明するが、これに限ることなく、例えば、ビス、はとめ、リベット等を用いてもよい。
表紙COに綴具10を固定したファイル・バインダ300の表紙310は、綴具10の保持部材を固定する背表紙316と、前記背表紙316の両端に、開閉自在に延設された表表紙312及び裏表紙314とを備え、図28ないし30に示すように、表表紙312と裏表紙314が背表紙316に対して立設状態となるように連設されている。
そして、表表紙312及び裏表紙314は、背表紙316寄りに開閉用の薄肉ヒンジ部318A,318Bが設けられている。
この明細書においては、表表紙312側をA側といい、裏表紙314側をB側という。
綴具10は、正面視略Dの字の環状の綴じ環を構成する一対のそれぞれ略Dの字環状の金属製の向こう側の第1の綴じ環12および第1の綴じ環12と一対の手前側の第2の綴じ環14と、前記第1の綴じ環12および第2の綴じ環14をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材16と、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とが保持部材16に固定されるように、表面側よりのびるように第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とを固定された一対の板状の作動片が保持部材16の内側に移動自在に固定された、作動部材18とを備える。
この綴具10の綴じ環は、主綴じ環たる第1の綴じ環12と副綴じ環たる第2の綴じ環14とからなる開閉自在の2穴タイプである。
第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とは、同一方向に向けて、その綴じ環係止部50を指で外すことができるように構成されている。
そして、綴じ環を閉じるときは、主綴じ環たる第1の綴じ環12を、例えば親指と人差し指で直接挟んで閉じるように構成されており、第1の綴じ環12を2本の指で挟んで閉じる方向に作動させると、副綴じ環たる第2の綴じ環14は追動するように構成されている。
保持部材16は、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とを所定の間隔をおいて設けることができる長さを備える平面視略長方形で、その両端、すなわち表紙COに取り付ける取付孔20近傍においては、平面視略半円弧状に形成されている。
保持部材16は、第1の綴じ環12および第2の綴じ環14を固定する部位より長手方向における外側近傍より内側に向かって、その中央が膨出した断面略半円弧状の被綴じ物載置部22を備え、且つ、被綴じ物載置部22の内側は保持空間を備え、その保持空間に作動部材18等を収容するように構成されている。
保持部材16の被綴じ物載置部22の両端には、その長手方向に略その一端から他端に亘って、作動部材18を摺動自在に保持する保持壁24が設けられている。この実施の形態においては、保持壁24は、保持部材16の長手方向において、第1の綴じ環12および第2の綴じ環14のそれぞれの外側近傍より内部に亘って略全体において垂下されるように、第1の保持壁24aおよび第2の保持壁24bが連設され、第1の保持壁24aと第2の保持壁24bとは平行で略同一の形状の板状である。
そして、この第1の保持壁24aおよび第2の保持壁24bと被綴じ物載置部22によって囲繞された保持空間内に、後に詳しく説明する作動部材18、開閉部材40等が収容される。
保持部材16の被綴じ物載置部22には、向こう側の第1の綴じ環12と手前側の第2の綴じ環14とを、保持部材16の長さ方向において一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をあけて遊貫するための向こう側の貫通孔26と手前側の貫通孔28とがそれぞれ穿設されている。
向こう側の貫通孔26と手前側の貫通孔28とは、第1の綴じ環12を構成する第1の綴じ部材12aおよび第2の綴じ部材12bと、第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14aおよび第4の綴じ部材14bとに対応して、保持部材16の幅方向において左右に分かれて一定の間隔をおいて、B側貫通孔26a,28a(表紙COの裏表紙側)とA側貫通孔26b,28b(表紙COの表表紙側)とが穿設されている。
向こう側の貫通孔26は、第1の綴じ部材12aを貫入し保持部材16の長さ方向において第1の綴じ部材12aを孔の中において移動することができる間隔を備えた、B側貫通孔26aと、第2の綴じ部材12bを貫入し保持部材16の長さ方向において第2の綴じ部材12bを孔の中において移動することができる間隔を備えたA側貫通孔26bとからなる。B側貫通孔26aは、平面視略U字状で開口部分から続く向こう側の孔縁26a1と手前側の孔縁26a2とを有する。
A側貫通孔26bは、B側貫通孔26aと対称形であり、平面視略U字状で開口部分から続く向こう側の孔縁26b1と手前側の孔縁26b2とを有する。
手前側の貫通孔28は、第3の綴じ部材14aを貫入し保持部材16の長さ方向において第3の綴じ部材14aを孔の中において移動することができる間隔を備えた、B側貫通孔28aと、第4の綴じ部材14bを貫入し保持部材16の長さ方向において第4の綴じ部材14bを孔の中において移動することができる間隔を備えたA側貫通孔28bとからなる。B側貫通孔28aは、平面視略U字状で開口部分から続く向こう側の孔縁28a1と手前側の孔縁28a2とを有する。
A側貫通孔28bは、B側貫通孔28aと対称形であり、平面視略U字状で開口部分から続く向こう側の孔縁28b1と手前側の孔縁28b2とを有する。
B側貫通孔26aとB側貫通孔28aとは同じ形状であり、A側貫通孔26bとA側貫通孔28bとは同じ形状である。
B側貫通孔26aとA側貫通孔26bとは、保持部材16の長さ方向における位置が変化づけられ、B側貫通孔26aの手前側縁がA側貫通孔26bの手前側縁より向こう側に位置している。
B側貫通孔28aとA側貫通孔28bとは、保持部材16の長さ方向における位置が変化づけられ、B側貫通孔28aの手前側縁がA側貫通孔28bの手前側縁より向こう側に位置している。
この実施の形態においては、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とが閉じられたとき、第2の綴じ部材12bの綴じ環係止部50の脱係が外される方向O2とは反対側の手前側の孔縁26b2の方が、第1の綴じ部材12aの綴じ環係止部50の脱係が外される方向O1の側の手前側の孔縁26a2より手前側に位置している。
同様に、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とが閉じられたとき、第4の綴じ部材14bの綴じ環係止部50の脱係が外される方向O2とは反対側の手前側の孔縁28b2の方が、第3の綴じ部材14aの綴じ環係止部50の脱係が外される方向O1の側の手前側の孔縁28a2より手前側に位置している。
作動部材18は、平面視略長方形状金属板からなる一対の第1の作動片30および第2の作動片32からなる。
第1の作動片30及び第2の作動片32は、その長手方向において、第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bと平行でその内面に摺動する外側端縁30b及び外側端縁32bが形成され、該外側端縁30b及び外側端縁32bと平行に当該一対の第1の作動片30及び第2の作動片32を突き合わせる突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが内側縁に形成されている。第1の作動片30及び第2の作動片32は、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図7及び図9図示)を対称の中心とする点対称形で、保持部材16の保持空間内において各々をその長手方向において並置したとき、各々その内側縁において屈曲自在に係合する。
そして、第1の作動片30および第2の作動片32は、外側から力が加わらないときには、第1の作動片30と第2の作動片32とが谷折り、すなわち保持部材16の被綴じ物載置部22の内面より離れた方向(突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aが、図7図示平面Pxyより下側)に向いて、あるいはまた、山折り、すなわち保持部材16の被綴じ物載置部22の内面に近づいた方向(突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aが図7図示平面Pxyより上側)に向いて、その谷折りまたは山折りの状態を維持するように、保持部材16の内側の保持空間部に内設されている。
平面Pxyとは、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14それぞれの基部が第1の作動片30と第2の作動片32に固着された部分(4箇所)を通る左右軸Y1,Y2および前後軸X1,X2(図7図示)を含む平面である。
作動部材18は、一方の作動片、すなわち第1の作動片30における保持部材16の被綴じ物載置部22の内側面と対向する表面(すなわち上面)には、第1の綴じ環12を構成する第1の綴じ部材12aの基部が固定され、且つ、前記第1の綴じ部材12aとは一定の間隔をおいて、第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14aの基部が固定されている。
また、他方の作動片、すなわち第2の作動片32における保持部材16の被綴じ物載置部22と対向する表面(すなわち上面)には、第1の綴じ環12を構成する第2の綴じ部材12bの基部が固定され、且つ、前記第2の綴じ部材12bと一定の間隔をおいて、第2の綴じ環14を構成する第4の綴じ部材14bの基部が固定されている。
一方の作動片、すなわち第1の作動片30は、前記保持部材16に形成された向こう側の貫通孔26に通される突出部30c1(第1の綴じ部材12aの近傍に形成)および前記保持部材16に形成された手前側の貫通孔28に通される突出部30c2(第3の綴じ部材14aの近傍に形成)が形成されている。
第2の作動片32は、前記保持部材16に形成された向こう側の貫通孔26に通される突出部32c1(第2の綴じ部材12bの近傍に形成)及び前記保持部材16に形成された第2の貫通孔28に通される突出部32c2(第4の綴じ部材14bの近傍に形成)が形成されている。
そして、一対の第1の作動片30及び第2の作動片32は、前記突出部30c1と突出部30c2および突出部32c1と突出部32c2が向こう側の貫通孔26と向こう側の貫通孔26及び手前側の貫通孔28と手前側の貫通孔28に通された状態で、突き合わされている。
第1の作動片30及び第2の作動片32は、突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aが、綴じ環、すなわち第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を開いた際には前記保持部材16の内面に近づき且つ前記第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を閉じた際には前記保持部材16の内面から離れるように、前記第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を開閉する方向に揺動可能に、前記保持部材16に保持される。
第1の作動片30は、一対の作動片が突き合わされる略直線状の突き合わせ縁30aが内側に形成され、前記突き合わせ縁30aと略平行な略直線状の外側端縁30bが外側に形成されている。
第2の作動片32は、一対の作動片が突き合わされる略直線状の突き合わせ縁32aが内側に形成され、前記突き合わせ縁32aと略平行な略直線状の外側端縁32bが外側に形成されている。
第1の作動片30の外側端縁30bは、突出部30c1及び突出部30c2が、形成されている。
第2の作動片32の外側端縁32bは、突出部32c1及び突出部32c2が、形成されている。
すなわち、その突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aが突き合わされ且つ外側端縁30bおよび外側端縁32bが保持部材16の第1の保持壁24aと第2の保持壁24bとの両壁内内側面に接近する。
前記突出部30c1と突出部30c2とは、第1の綴じ部材12aと第3の綴じ部材14aの基部の取付け位置に近い位置である第1の作動片30の幅方向において外側で、それぞれ前後に間隔をあけて一対形成され、且つ、突出部32c1と突出部32c2とは、第2の綴じ部材12bと第4の綴じ部材14bの基部の取付け位置に近い位置である第2の作動片32の幅方向において外側で、それぞれ前後に間隔をあけて一対形成され、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の開閉ができるように、保持部材16の第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bより外側に突出している。
突出部30c1と突出部30c2とは、保持部材16の第1の保持壁24aの向こう側の貫通孔26及び向こう側の貫通孔26より外側に突き出る長さを備え、また、突出部32c1と突出部32c2とは、保持部材16の第2の保持壁24bの手前側の貫通孔28及び手前側の貫通孔28より外側に突き出る長さを備え、且つ、作動部材18が綴じ環の開閉時に保持部材16の長手方向に移動可能な幅を有する舌状である。
第1の作動片30及び第2の作動片32は、金属またプラスチックの薄板からなり、第1の作動片30及び第2の作動片32と突出部30c1、突出部30c2、突出部32c1及び突出部32c2とは一体成形されてなる。
前記開閉部材40は、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14が固定された表面とは反対側の裏面側において、作動部材18に固定され、前記第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を開くときに、保持部材16内で、前記第1の作動片30及び第2の作動片32を保持部材16の長手方向に移動させるとともに保持部材16の内面に近づいた方向に保持されるように、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を開く方向に変化させるように形成されている。
前記作動部材18は、前記第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を固定された表面側とは反対側の裏面側において、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を開く方向に付勢する開閉部材40が固定され作動部材18に固定されている。
そして、前記第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を閉じたときには、第1の作動片30及び第2の作動片32は、保持部材16の内面より離れた位置において、その突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが突き合わせた状態において、平面状に保持され、そして、前記第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を開いたときには、第1の作動片30及び第2の作動片32は、その突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが突き合わせた状態において保持部材16の内面に近づいた方向に向いて山折り状に保持されるように、保持部材16に固定されている。
前記第1の作動片30は、突き合わせ縁30aの両端近傍であって、第1の綴じ部材12a及び第3綴じ部材の14aの基部が固定された領域より突き合わせ縁30a寄りを、突き合わせ縁30aの両端近傍を突き合わせ縁30aに沿って周囲の基準面LP1より開閉部材40を固定される面側に曲げて凹まされて第1の作動片の向こう側凹み部30d及び第1の作動片の手前側凹み部30eを形成されている。そして、第1の作動片の手前側凹み部30e及び第1の作動片の向こう側凹み部30dにより前記基準面LP1より係合部を有する第1の作動片の向こう側第2係合部36b4が形成されている。
また、前記第2の作動片32は、突き合わせ縁32aの両端近傍であって、第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bの基部が固定された領域より突き合わせ縁32a寄りを、突き合わせ縁32aの両端近傍を突き合わせ縁32aに沿って周囲の基準面LP2より開閉部材40を固定される面側に曲げて凹まされて第2の作動片の手前側凹み部32e及び第2の作動片の向こう側凹み部32dを形成されている。そして、該第2の作動片の手前側凹み部32e及び第2の作動片の向こう側凹み部32dにより前記基準面より低い係合面を有する第2の作動片の向こう側第2係合部36b1を形成されている。
前記第1の作動片30は、突き合わせ縁30aを周囲の基準面LP1より開閉部材40を固定される面側に曲げて凹まされて第1の作動片の向こう側凹み部30dが形成され且つ開閉部材40を固定される面とは反対側に曲げて基準面LP1より低い係合面を有する第1の作動片の向こう側第1係合部36a1を形成されるとともに、前記第2の作動片32は、突き合わせ縁32aを周囲の基準面LP2より開閉部材40を固定される面側に曲げて凹まされて第2の作動片の向こう側凹み部32dが形成され且つ前記基準面LP2より低い係合面を有する第2の作動片の向こう側第2係合部36b1を形成され、前記第1の作動片の向こう側第1係合部36a1の係合面と前記第2の作動片の向こう側第2係合部36b1の係合面とは、前記基準面LP1及び基準面LP2と略々同じ高さ又は低い高さにおいて、係合されている。
また、前記第2の作動片32は、突き合わせ縁32aを周囲の基準面LP2より開閉部材40を固定される面側に曲げて凹まされて第2の作動片の手前側凹み部32eが形成され且つ開閉部材40を固定される面とは反対側に曲げて基準面LP2より低い係合面を有する第2の作動片の手前側第1係合部36a3を形成されるとともに、前記第1の作動片30は、突き合わせ縁30aを周囲の基準面LP1より開閉部材40を固定される面側に曲げて凹まされて第1の作動片の手前側凹み部30eが形成され且つ前記基準面LP1より低い係合面を有する第1の作動片の手前側第2係合部36b3を形成され、前記第2の作動片の手前側第1係合部36a3の係合面と前記第1の作動片の手前側第2係合部36b3の係合面とは、前記基準面LP1及び基準面LP2と略々同じ高さ又は低い高さにおいて、係合されている。
前記第1の作動片30は、突き合わせ縁30aを周囲の基準面LP1より開閉部材40を固定される面側に曲げて凹まされて第1の作動片の手前側凹み部30eが形成され且つ開閉部材40を固定される面とは反対側に曲げて基準面LP1より低い係合面を有する第1の作動片の手前側第1係合部36a2を形成されるとともに、前記第2の作動片32は、突き合わせ縁32aを周囲の基準面LP2より開閉部材40を固定される面側に曲げて凹まされて第2の作動片の手前側凹み部32eが形成され且つ前記基準面LP2より低い係合面を有する第2の作動片の手前側第2係合部36b2を形成され、前記第1の作動片の手前側第1係合部36a2の係合面と前記第2の作動片の手前側第2係合部36b2の係合面とは、前記基準面LP1及び基準面LP2と略々同じ高さ又は低い高さにおいて、係合されている。
また、前記第2の作動片32は、突き合わせ縁32aを周囲の基準面LP2より開閉部材40を固定される面側に曲げて凹まされて第2の作動片の向こう側凹み部32dが形成され且つ開閉部材40を固定される面とは反対側に曲げて基準面LP2より低い係合面を有する第2の作動片の向こう側第1係合部36a4を形成されるとともに、前記第1の作動片30は、突き合わせ縁30aを周囲の基準面LP1より開閉部材40を固定される面側に曲げて凹まされて第1の作動片の向こう側凹み部30dが形成され且つ前記基準面LP1より低い係合面を有する第1の作動片の向こう側第2係合部36b4を形成され、前記第2の作動片の向こう側第1係合部36a4の係合面と前記第1の作動片の向こう側第2係合部36b4の係合面とは、前記基準面LP1及び基準面LP2と略々同じ高さ又は低い高さにおいて、係合されている。
前記第1の作動片30の第1係合部36aの係合面と前記第2の作動片32の第2係合部36bの係合面とを、前記基準面LP1及び基準面LP2と略々同じ高さ又は低い高さにおいて係合されている。
前記第2の作動片32の第1係合部36aの係合面と前記第1の作動片30の第2係合部36bの係合面とを、前記基準面LP1及び基準面LP2と略々同じ高さ又は低い高さにおいて係合されている。
第1係合部36aは、第1の作動片の向こう側第1係合部36a1、第1作動片の手前側第1係合部36a2、第2の作動片の手前側第1係合部36a3及び第2の作動片の向こう側第1係合部36a4を含む。
第2係合部36bは、第2の作動片の向こう側第2係合部36b1、第2の作動片の手前側第2係合部36b2、第1の作動片の手前側第2係合部36b3及び第1の作動片の向こう側第2係合部36b4を含む。
前記第1の作動片30は、第1係合部36aが形成され且つ第2の作動片32と同じように第2係合部36bが形成されるとともに、前記第2の作動片32は、第2係合部36bが形成され且つ第1の作動片30と同じように第1係合部36aが形成され、対向する第1の作動片30及び第2の作動片32は、第1係合部36aと第2係合部36bとが係合して、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aを中心にして第1の作動片30と第2の作動片32とが揺動するように形成されている。
このように、前記作動部材18及び開閉部材40を保持部材16の保持空間内において保持され且つ移動できるように、一対の作動片すなわち、第1の作動片30及び第2の作動片32の突き合わせ縁、すなわち、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aに、移動中にも突き合わせ状態を維持するための係合部すなわち、第1係合部36a及び第2係合部36bを、開閉部材40を固定された面側に向けて突出して形成されているので、保持部材16の高さを低くして低背化を図ることができる。
第1係合部36aは、保持部材16の被綴じ物載置部22の内面側に向けて、作動部材18の厚み分を凹み部(第1の作動片の向こう側凹み部30d、第1の作動片の手前側凹み部30e、第2の作動片の向こう側凹み部32d、第2の作動片の手前側凹み部32e、)を突き出された基部と、前記基部の先端より突き出された押さえ部とを備えた平面視略U字状に形成されている。そして、押さえ部は、一対の作動片たる第1の作動片30及び第2の作動片32のうちの片一方の作動片たる第1の作動片30または第2の作動片32のはずれ止めの機能を備えている。
最も外側の第1の作動片の向こう側第1係合部36a1及び第2の作動片の手前側第1係合部36a3は、第1の作動片30と第2の作動片32を逆方向に移動させたときにおいても作動部材18の端縁より内側に位置する幅を備えている。
最も外側の第1の作動片の向こう側第1係合部36a1と内側の第2の作動片の向こう側第1係合部36a4及び最も外側の第2の作動片の手前側第1係合部36a3と内側の第1の作動片の手前側第1係合部36a2とは、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の基部が取付けられた部位を挟んで適宜な間隔をおいて形成されている。
そして、前記第1の綴じ環12および第2の綴じ環14が閉じるときには、図10に示すように、作動部材18を構成する第1の作動片30及び第2の作動片32は、その突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aが保持部材16の内面(被綴じ物載置部22の内面)より離れた方向に向いて(すなわち水平面よりやや下がった正面視略V字状の状態)、第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが突き合わされた状態において保持されるとともに、前記第1の綴じ環12および第2の綴じ環14を開くときには、図15に示すように、作動部材18を構成する第1の作動片30及び第2の作動片32は、保持部材16の内面(被綴じ物載置部22の内面)に近づいた方向に向いて(すなわち山折り状態)、第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが突き合わされた状態に保持されるように保持部材16内の空間において固定される。
第1の作動片30と第2の作動片32とは、基準面LP1と基準面LP2とが水平よりやや下がった、すなわち保持部材16の被綴じ物載置部22より下方向に向くように、突き合せられている。したがって、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とを開いたときには、第1の綴じ環12の自由端と第2の綴じ環14の自由端との間がより広がって、被綴じ物Sを綴じたり外したりし易くなる。
また、作動部材18を構成する第1の作動片30及び第2の作動片32は、保持部材16の被綴じ物載置部22の内面に近づいた方向、すなわち山折りの状態においては、第1の作動片30と第2の作動片32の長さ方向、すなわち第1の作動片30と第2の作動片32に固着された第1の綴じ部材12aと第3の綴じ部材14aとを結ぶ線(X1(図7図示))および第2の綴じ部材12bと第4の綴じ部材14bとを結ぶ線(X2(図7図示))と平行な方向に、第1の作動片30と第2の作動片32とを移動させることができるように摺動自在に内設されている。
第1の作動片30及び第2の作動片32は、第1の作動片の向こう側凹み部30d、第1の作動片の手前側凹み部30e、第2の作動片の向こう側凹み部32d及び第2の作動片の手前側凹み部32eに、内側の第1の作動片の手前側第1係合部36a2及び第2の作動片の向こう側第1係合部36a4の内側近傍において、第1の作動片30及び第2の作動片32の長手方向への移動を規制する移動規制部が形成される。
移動規制部は、第1の作動片30の突き合わせ縁30aに形成された規制凹部30f及び規制凸部30gと、第2の作動片32の突き合わせ縁32aに形成された規制凹部32f及び規制凸部32gとから形成される。
規制凹部30fは、凹み36aの外側近傍において、突き合わせ縁30aより幅方向において凹んだ平面視コ字型の欠きであり、規制凸部32gは、前記規制凹部30fと遊嵌するように形成された平面視コ字型の凸起であり、規制凹部30fに規制凸部32gが遊嵌されて、規制凹部30f内において第1の作動片30及び第2の作動片32がその長さ方向に互い違いに移動するように形成されている。
規制凹部32fは、凹み36bの外側近傍において、突き合わせ縁32aより幅方向において凹んだ平面視コ字型の欠きであり、規制凸部30gは、前記規制凹部32fと遊嵌するように形成された平面視コ字型の凸起であり、規制凹部32fに規制凸部30gが遊嵌されて、規制凹部32f内において第1の作動片30及び第2の作動片32がその長さ方向に互い違いに移動するように形成されている。
移動規制部は、一方の第1の作動片30の突き合わせ縁30aに形成された規制凹部30f及び規制凸部30gと、他方の第2の作動片32の突き合わせ縁32aに形成された規制凹部32f及び規制凸部32gとから形成されているが、綴じ環12,14を綴じ環係止部50において閉じたとき、一方の第1の作動片30の規制凹部30fは、係止された綴じ環係止部50が外れる方向に他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)が移動することを許容するように、他方の第2の作動片32の規制凸部32gの移動を許容できる長さに形成されている。
この実施の形態においては、第1の作動片30の突き合わせ縁30aに穿設された規制凹部30fの長さは、第1の作動片30及び第2の作動片32の長さ方向において、第2の作動片32の突き合わせ縁32aに突設された規制凸部32gの長さよりも長く形成され、また、第2の作動片32の突き合わせ縁32aに穿設された規制凹部32fの長さは、第2の作動片32及び第1の作動片30の長さ方向において、第1の作動片30の突き合わせ縁30aに突設された規制凸部30gの長さよりも長く形成されている。
而して、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14に被綴じ物Sを綴じ込んだときに、綴具10の長さ方向において下方(手前側)に向けてのみ荷重がかかったときには、綴じ環係止部50において、第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bが、係止された第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14a側に向けて(下方(手前側)に向けて)転位して、第1の綴じ環12の綴じ環係止部50に強く喰い込み、被綴じ物Sの重みで綴じ環係止部50が脱係することがない。
しかも、保持部材16の向こう側の貫通孔26及び手前側の貫通孔28は、次のように、保持部材16の長さ方向における位置が変化づけられていることと相俟って、より第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の綴じ環係止部50が被綴じ物Sの重みで綴具10の長さ方向において下方(手前側)に向けてのみ荷重がかかったときには、脱係することを防ぐことができる。
B側貫通孔26aとA側貫通孔26bとは、保持部材16の長さ方向における位置が変化づけられ、B側貫通孔26aの手前側縁がA側貫通孔26bの手前側縁より向こう側に位置している。
B側貫通孔28aとA側貫通孔28bとは、保持部材16の長さ方向における位置が変化づけられ、B側貫通孔28aの手前側縁がA側貫通孔28bの手前側縁より向こう側に位置している。
第1の作動片30の突き合わせ縁30a側及び第2の作動片32の突き合わせ縁32a側において、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とを開閉方向に変化させる開閉部材40が設けられている。
前記開閉部材40は、前記作動部材18を構成する一対の作動片すなわち第1の作動片30と第2の作動片32との間において、一対の第1の作動片30と第2の作動片32をそれぞれ逆方向に移動させるとともに、綴じ環すなわち第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の開閉状態を保持させるように、第1の作動片30に間隔をおいて固定された綴じ環すなわち第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aの基部を結ぶ方向と斜めに交差する方向であり、且つ作動片32に間隔をおいて固定された綴じ環すなわち第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bの基部を結ぶ方向と斜めに交差する方向に、架け渡されている。
開閉部材40は、引っ張りコイルバネからなり、巻線部44と、巻線部44の両端から巻線部44を巻き起こしてフックとした固定先端部42a及び固定先端部42bとを備える。開閉部材40は、図6(A)に示すように、巻線部44の円周方向に規制腕部46aと規制腕部46bとが平行に突き出されている。
前記開閉部材40は、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とが閉じた状態において、無負荷時には密着していた巻線部44がのびるように引っ張られた引っ張り荷重を受けた状態で、荷重を受ける固定先端部42aが第1の作動片30に、固定先端部42bが第2の作動片32に固定されている。
更に、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とが閉じた状態において、開いた状態から閉じた状態への方向に向けて第1の作動片30と第2の作動片32とを突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aを中心に回動させる方向に、巻線部44(コイル)の中心軸まわりにねじりモーメントを受け、ばねに荷重が加わり、素線に曲げ応力を発生させて、固定先端部42aが第1の作動片30に、固定先端部42bが第2の作動片32に固定されている。
この場合、開閉部材40は、巻線部44にねじりモーメントなどの負荷が加わっていない状態(図6(A)図示)からみて、巻線部44の巻き数が1巻以上増えるように巻線部44を1回転以上ねじった状態(固定先端部42a及び規制腕部46aがR方向、固定先端部42b及び規制腕部46bがQ方向(図5及び図6(A)図示))で、固定先端部42a及び42bが開閉部材固定部38a及び開閉部材固定部38bにそれぞれ固定される。
ばねに荷重を加える荷重の方向としては、巻線部44(コイル)を巻き込む方向に向くように構成されている。
規制腕部46a及び規制腕部46bは、固定先端部42a及び固定先端部42bの第1の作動片30及び第2の作動片32に固定される側から巻線部44の中心軸と直交する方向にのび、一方の規制腕部46aと他方の規制腕部46bとは、ねじりモーメントが発生しない元の状態は、図5及び図6(A)に示すように、巻線部44の円周方向に略平行に突き出され、互いに反対向きにのびる。
一方の規制腕部46aは、固定先端部42aが第1の作動片30の開閉部材固定部38aに固定されたとき、第1の作動片30の裏面にその先端が突き当たり、他方の規制腕部46bは、固定先端部42bが第2の作動片32の開閉部材固定部38bに固定されたとき、第2の作動片32の裏面(下面)にその先端が突き当たり、丸フックの固定先端部42a及び固定先端部42bが大きく傾くことなく、常に正規の状態にて開閉部材固定部38a及び開閉部材固定部38bに固定されるように構成されている。
ねじりモーメントが発生しない元の状態においては、一方の規制腕部46aともう一方の規制腕部46bとは平行になるように形成されている。
開閉部材40は、その固定先端部42aの一端が一方の作動片、すなわち第1の作動片30の裏面(下面)に形成された開閉部材固定部38aに係止固定され、開閉部材40の固定先端部42b一端が、他方の作動片、すなわち第2の作動片32の裏面(下面)に形成された開閉部材固定部38bに係止固定されている。
開閉部材固定部38aは、第1の作動片30の裏面(下面)であって、第1の作動片30の長手方向の中心C(図7及び図9図示)より第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を開くときに第1の作動片30の移動する方向側にずれた位置に形成され、開閉部材固定部38bは、第2の作動片32の裏面(下面)であって、第2の作動片32の長手方向の中心C(図7及び図9図示)より第1の綴じ杆12及び第2の綴じ杆14を開くときに第2の作動片32の移動する方向側にずれた位置に形成されている。
開閉部材固定部38aは、第1の作動片30の裏面に続く係止基部38a1と、係止基部38a1の先端(下端)に開閉部材40とは反対側に向けてのびる係止外れ止め部38a2が突設された、側面L字形である。
開閉部材固定部38bは、第2の作動片32の裏面に続く係止基部38b1と、係止基部38b1の先端(下端)に開閉部材40とは反対側に向けてのびる係止外れ止め部38b2が突設された、側面L字形である。
開閉部材固定部38aと開閉部材固定部38bとは、第1の作動片30及び第2の作動片32の長手方向の中心Cを中心として、点対称に形成されている。
開閉部材40は、第1の作動片30と第2の作動片32との突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aが、谷折り状態(図10図示)、すなわち保持部材16の被綴じ物載置部22の内面より離れた状態に保持された状態にあるときに、伸展した状態となるように、第1の作動片30と第2の作動片32との間において斜めに架け渡され、この状態において、元の状態に戻ろうとする力が働くように構成されている。
開閉部材40は、第1の作動片30および第2の作動片32のそれぞれの長手方向、すなわち第1の作動片30の綴じ部材12aを固定する部位と綴じ部材14aを固定する部位とを結ぶ線(前後軸X1(図7図示))および第2の作動片32の綴じ部材12bを固定する部位と綴じ部材14bを固定する部位とを結ぶ線(前後軸X2(図7図示))と斜めに交差する方向に架け渡されている。
第1の作動片30の開閉部材固定部38aと第2の作動片32の開閉部材固定部38bとは、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図7及び図9図示)を回転軸として点対称となるように形成され、開閉部材40が突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図7及び図9図示)より均一な長さによって固定先端部42aが開閉部材固定部38aに、固定先端部42bが開閉部材固定部38bに係止されて、均一な力が第1の作動片30及び第2の作動片32にかかるように構成されている。
第1の作動片30の突き合わせ縁30a及び第2の作動片32の突き合わせ縁32aにおいて突き合わされた第1の作動片30と第2の作動片32との間における距離を、一定に保ち、第1の作動片30と第2の作動片32とを引き寄せてそれぞれの位置関係を最適な状態に保つ。
したがって、綴じ環を構成する第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の開閉時において、第1の作動片30及び第2の作動片32が突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aを枢軸として揺動するときにおいて、第1の作動片30の幅と第2の作動片32の幅との和が最大になったとき、すなわち、第1の作動片30と第2の作動片32とが平面状態になったときにおいても、第1の作動片30の最も外側の縁(外側端縁30b)と保持部材16の第1の保持壁24aとの間及び第2の作動片32の最も外側の縁(外側端縁32b)と保持部材16の第2の保持壁24bとの間に適宜な間隙が生じ、保持部材16の保持空間内において作動部材18の第1の作動片30及び第2の作動片32が円滑に移動できる。
開閉部材固定部38a及び開閉部材固定部38bは、図7に示すように、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図7D図示)と開閉部材固定部38a及び開閉部材固定部38bとを結ぶ線X3(図7D図示)に沿って、開閉部材40が突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁30aと斜めに交差して架け渡されるように形成されている。
すなわち、開閉部材40の開閉部材固定部38aは、突き合わせ縁30aの長手方向における中央C(図7D図示)と開閉部材固定部38aを結ぶ線X3(図7D図示)に沿って、開閉部材40が架け渡されるように形成されている。
開閉部材40の開閉部材固定部38bは、突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図7D図示)と開閉部材固定部38bとを結ぶ線X3(図7D図示)に沿って、開閉部材40が架け渡されるように形成されている。
開閉部材固定部38aの係止基部38a1及び開閉部材固定部38bの係止基部38b1が前記線X3に直交し、開閉部材固定部38aの係止基部38a1及び開閉部材固定部38bの係止基部38b1の先端(下端)に、それぞれ開閉部材40とは反対側に向けて前記線X3(図7D図示)に沿ってのびる係止外れ止め部38a2(開閉部材固定部38aの)及び係止外れ止め部38b2(開閉部材固定部38bの)が形成された、側面略L字型に形成されている。開閉部材固定部38aと開閉部材固定部38bとは、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図7D図示)を中心とした点対称形に形成されている。
そして、1対の前記第1の作動片30及び第2の作動片32は、前記保持部材16の長手方向において互いに逆方向に移動させることにより、前記綴じ部材の組み合わせによる前記第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14が分離され、前記第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14が分離されたときに、前記開閉部材40は、前記第1の作動片30と第2の作動片32とを付勢して、前記第1の綴じ部材12aと第2の綴じ部材12b及び第3の綴じ部材14aと第4の綴じ部材14bとを開放させる。
そして、開閉部材40の弾性により、作動部材18を構成する第1の作動片30及び第2の作動片32は、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14を手で開き始めたとき、すなわち、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14のそれぞれの綴じ環係止部50を外したとき、伸びていた開閉部材40の巻線部44を更に伸ばす方向に作用させ、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aと第2の綴じ部材12bとが離れる方向(第1の綴じ部材12aはO1方向で、第2の綴じ部材12bはO2方向(図7図示))および第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14aと第4の綴じ部材14bとが離れる方向(第3の綴じ部材14aはO1方向で、第4の綴じ部材14bはO2方向(図7図示))に移動し、第1の作動片30と第2の作動片32とをそれぞれ逆方向(第1の作動片30はO1方向で、第2の作動片32はO2方向(図7図示))に移動させるように作用する(図11参照)。
さらに、開閉部材40は、第1の綴じ部材12aと第2の綴じ部材12bとをおよび第3の綴じ部材14aと第4の綴じ部材14bとを円周方向(図7図示の左右軸Y1および左右軸Y2方向)に引き離すように作用する。ねじられていた開閉部材40は、図6(B)(C)の矢印方向に示すように元の状態に戻ろうとして、第1の綴じ部材12aと第2の綴じ部材12bとをおよび第3の綴じ部材14aと第4の綴じ部材14bとを第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の円周方向(第1の綴じ部材12aおよび第3の綴じ部材14aはO3方向、第2の綴じ部材12bおよび第4の綴じ部材14bはO4方向(図7図示))に引き離すように作用する(図14(A)参照)。
そして、開閉部材40は、開閉部材40の弾性により伸びていた巻線部44が縮む方向に作用して、作動部材18を構成する第1の作動片30は、綴じ環係止部50を閉じる位置の方向(O1とは反対の方向(図7図示))に移動し、且つ、第2の作動片32は、綴じ環係止部50を閉じる位置の方向(O2とは反対の方向(図7図示))に移動する。(図14(B)及び15参照)。
すなわち、第1の作動片30及び第2の作動片32は、平面状態から山折り状態に変わる。第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、開く方向(第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aはO3方向、第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bはO4方向)に回転して開く。
開閉部材40は、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とを開いた状態にしたとき、第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが山折り状態、すなわち、保持部材16の被綴じ物載置部22の内側面に近づいた状態に保持するように作用する。
保持部材16の被綴じ物載置部22には、被綴じ物載置部22の長手方向に延びる膨出部22aが形成され、膨出部22aは、その内側に窪み部が形成され、作動部材18の突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが上側に向いて回転し且つ突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが上側に向いて回転するとともに、開閉部材40が上側に向いて移動したときに、被綴じ物載置部22の内面と当接しないようにするために、被綴じ物載置部22の長手方向に延びて形成されている。
そして、前記保持部材16は、作動部材18に間隔をおいて設けられた第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の基部を結ぶ方向に近い方向にのびる保持壁24及び被綴じ物載置部22を有し、前記保持部材16の保持壁24及び被綴じ物載置部22により、作動部材18を保持部材16の内側に保持するための保持部が形成され、前記作動部材16及び開閉部材40は、前記第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を開閉するとき、前記保持空間内において移動するように構成されている。
前記保持部材16は、前記したように、作動部材18に間隔をおいて設けられた第1の綴じ環12と第2の綴じ環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる、第1の保持壁24aと第2の保持壁24bとからなる保持壁24を有し、前記保持壁24は、作動部材18に間隔をおいて設けられた第1の綴じ環12と第2の綴じ環14の基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)と交差する方向にのびて、保持壁24の外側に向いて突出する第1の作動片30の突出部30c1と突出部30c2及び第2の作動片32の突出部32c1と突出部32c2を保持する保持部、すなわち第1の保持壁24aに形成された第1の保持部60及び第1の保持部62と、第2の保持壁24bに形成された第2の保持部64及び第2の保持部66とを有している。
該第1の保持部60及び第1の保持部62は、前記保持壁24の一部を作動部材18の突出部30c1と突出部30c2より外側に打ち出された第1の保持部60及び第1の保持部62が、保持部材16の内側に嵌装された作動部材18の突出部30c1と突出部30c2を保持するように、保持壁24(第1の保持壁24a)の内側に向けて凹まされてなる。
また、第2の保持部64及び第2の保持部66は、前記保持壁24の一部を作動部材18の突出部32c1と突出部32c2より外側に打ち出された第2の保持部64及び第2の保持部66が、保持部材16の内側に嵌装された作動部材18の突出部32c1と突出部32c2を保持するように、保持壁24(第2の保持壁24b)の内側に向けて凹まされてなる。
前記第1の保持部60及び第1の保持部62と第2の保持部64及び第2の保持部66は、前記作動部材18の第1の作動片30及び第2の作動片32の下面に沿って、前記保持壁24の下縁との間に間隔をおいて細い切り込み68aと切り込み70a及び切り込み72aと切り込み74aが形成され、該切り込み68aと切り込み70a及び切り込み72aと切り込み74aと保持壁24の下縁との間における保持壁24の外方に向けて打ち出された領域により、第1の保持部60及び第1の保持部62と第2の保持部64及び第2の保持部66が形成されている(図22(A)(B)参照)。
そして、第1の保持部60及び第1の保持部62と第2の保持部64及び第2の保持部66を構成する該領域が、保持部材16の内側に嵌装された作動部材18の突出部30c1と突出部30c2及び突出部32c1と突出部32c2の下面を保持するように内側に向けて打ち出され、保持壁24の該切り込み68aと切り込み70a及び切り込み72aと切り込み74aと保持壁24の下縁との間の領域以外の領域より内側に向けて凹まされて、第1の保持部60及び第1の保持部62と第2の保持部64及び第2の保持部66が形成されている(図23(A)(B)参照)。
第1の綴じ環12は、略Dの字状の綴じ環となるように、略L字状の第1の綴じ部材12aと略半円弧状の第2の綴じ部材12bとから構成され、第2の綴じ環14は、略Dの字状の綴じ環となるように、略L字状の第3の綴じ部材14aと略半円弧状の第4の綴じ部材14bとから構成されている。そして、用紙等の被綴じ物Sに予め穿設された綴じ孔に挿通して、用紙等の被綴じ物Sを綴じることができるように、第1の綴じ部材12aおよび第2の綴じ部材12bと、第3の綴じ部材14aと第4の綴じ部材14bの先端、すなわち第1の綴じ環12および第2の綴じ環14の頂部において、綴じ環係止部50が形成されている。
前記綴じ環を構成する第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、断面円形状金属製線材を、綴じ環係止部50を外す方向(図7のO1及びO2の方向)にのばし、且つ中央部分を押さえることによって綴じ環を閉じる方向に対してわん曲させて形成されている。そして、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、中央が綴じ環を開く方向(第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aは、図7のO3方向、第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bは、図7のO4方向)に膨み且つ両端が綴じ環を閉じる方向にわん曲した断面略空豆(ビーンズ)型の形状に形成されている。
すなわち、環状の第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を開閉方向に見て、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の内側は波状起伏面が形成され、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の外側は半円弧状に形成されている。そして、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、綴じ環を外す方向に見て、両外側が、半円弧状に形成されている。
従来の断面形状丸型の綴じ環は、小径だと変形に弱く、大径にすれば断面積が増して材料費がかさみ、従来の断面形状略長方形の綴じ環は、用紙にあける綴じ穴には丸穴が多いので、用紙等の被綴じ物Sの綴じ穴に対応しにくく、用紙等の被綴じ物Sの綴じ穴を傷つけるおそれがある。
ところが、綴じ環を構成する第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、細いならば綴じ環係止部50の嵌合がうまくゆかないときがある。
そのために、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の幅を広げたいが、元の線材として断面積の小さいものを使用しても、元の金属製線材を加工することにより綴じ環としては必要な幅が確保されるようにしたい。
そこで、本願発明にかかる綴じ環は、それを形成する線材の中央部分を押さえて線材を空豆(ビーンズ)型につぶすことにより全体としての幅を広げ、すなわち、綴じ環の全体の幅を綴じ環係止部50を外す方向に広げて、綴じ環係止部50の嵌合を完全にできるように形成している。
この実施の形態においては、第1の綴じ環12を構成する第1の綴じ部材12a及び第2の綴じ部材12bと第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14a及び第4の綴じ部材14bとは、同じ形状、すなわち曲率(曲率半径)が同じものである。
第1の綴じ環12を構成する第1の綴じ部材12a及び第2の綴じ部材12bは、第1の綴じ部材12aの自由端の綴じ環係止部50と、第2の綴じ部材12bの自由端の綴じ環係止部50とを係止することにより、環状に連結される。
また、第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14aと第4の綴じ部材14bとは、第3の綴じ部材14aの自由端の綴じ環係止部50と、第4の綴じ部材14bの自由端の綴じ環係止部50とを係止することにより、環状に連結される。
第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、それぞれの基部が第1の作動片30及び第2の作動片32に固着された部分(4箇所)を通る左右軸Y1,Y2および前後軸X1,X2(図7図示)を含む平面Pxyと垂直な平面を構成するように、第1の作動片30と第2の作動片32より立設されている。そして、第1の綴じ環12の軸Z1(図7図示)が構成する円形面と第2の綴じ環14の軸Z2(図7図示)が構成する円形面とは、平行で、且つ、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14が第1の作動片30と第2の作動片32と固着された部位を通る平面Pxyと垂直となるように構成されている。
前記綴じ環は、図16〜図21に示すように、直接指で閉じられる主綴じ環たる第1の綴じ環12と、該第1の綴じ環12の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴じ環たる第2の綴じ環14とにより構成されている。
そして、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とは、同一方向(図11のO1及びO2方向)に向けて、その綴じ環係止部50を指で外すことができるように構成されている。
第1の綴じ環12を構成する第1の綴じ部材12aの先端に形成された綴じ環係止部50を構成する先端の凸部52a及びその凸部52aに続く凹部52bと、第2の綴じ部材12bの綴じ環係止部50を構成する先端の凸部54a及びその先端の凸部54aに続く凹部54bとは、第1の綴じ環12を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。
凸部52a及び凸部54aは、それぞれ先端から内側に向けて湾曲凸面を有する傾斜対向面52c及び湾曲凸面を有する傾斜対向面54cと、傾斜対向面52c及び傾斜対向面54cに続き、凸部52a及び凸部54aの後端(基部側)から除々に先端側(すなわち閉じる方向)に入り込んだ傾斜対向面52d及び傾斜対向面54dが形成され、後端近傍が鉤状で、全体として鉤鼻状に形成されている。
凹部52bは、基部側から先端に向けて湾曲凹面を有する傾斜対向面を備え、凹部54bは、同様に基部側から先端に向けて湾曲凹面を有する傾斜対向面を備えている。
また、第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14aの先端に形成された綴じ環係止部50を構成する凸部56a及びその凸部56aに続く凹部56bと、第4の綴じ部材14bの綴じ環係止部50を構成する先端の凸部58a及びその先端の凸部58aに続く凹部58bとは、第2の綴じ環14を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。
凸部56a及び凸部58aは、それぞれ先端から内側に向けて湾曲凸面を有する傾斜対向面56c及び湾曲凸面を有する傾斜対向面58cと、傾斜対向面56c及び傾斜対向面58cに続き、凸部56a及び凸部58aの後端(基部側)から除々に先端側(すなわち閉じる方向)に入り込んだ傾斜対向面56d及び傾斜対向面58dが形成され、後端近傍が鉤状で、全体として鉤鼻状に形成されている。
凹部56bは、基部側から先端に向けて湾曲凹面を有する傾斜対向面を備え、凹部58bは、同様に湾曲凹面を有する傾斜対向面を備えている。
第1の綴じ部材12aの綴じ環係止部50を構成する凸部52a及び第3の綴じ部材14aの綴じ環係止部50を構成する凸部56aは、同一方向に向けて突き出し設けられ、先端部から基部側にかけて形成された湾曲凸面を備え、両方が同一形状に形成されている。
また、第1の綴じ部材12aの綴じ環係止部50を構成する凹部52b及び第3の綴じ部材14aの綴じ環係止部50を構成する凹部56bは、同一方向に向けて凹み形成され、凸部54a及び凸部56aの後端から基部側にかけて形成された湾曲凹面を備え、両方が同一形状に形成されている。
第2の綴じ部材12bの綴じ環係止部50を構成する凸部54a及び第4の綴じ部材14bの綴じ環係止部50を構成する凸部58aは、同一方向に向けて突き出し設けられ、先端部から基部側にかけて形成された湾曲凸面を備え、両方が同一形状に形成されている。
また、第2の綴じ部材12bの綴じ環係止部50を構成する凹部54b及び第4の綴じ部材14bの綴じ環係止部50を構成する凹部58bは、同一方向に向けて凹み形成され、凸部54a及び凸部58aの後端から基部側にかけて形成された湾曲凹面を備え、両方が同一形状に形成されている。
第1の綴じ部材12aの凸部52a及び凹部52bと第2の綴じ部材12bの凸部54a及び凹部54bとは点対称に形成され、第3の綴じ部材14aの凸部56a及び凹部56bと第4の綴じ部材14bの凸部58a及び凹部58bとは点対称に形成されている。
第1の綴じ部材12aの凸部52aの傾斜対向面52c及び凹部54bの傾斜対向面は、第1の綴じ環12の軸方向とは斜交するように形成され、開閉するときには、傾斜対向面52cと凹部54bの傾斜対向面とが一点を共有し合う内接関係で接する。
第1の綴じ部材12aの凸部52aの傾斜対向面52c及び凸部54aの傾斜対向面54cは、第1の綴じ環12の軸方向とは斜交するように形成され、開閉するときには、傾斜対向面52cと傾斜対向面54cとが一点を共有し合う外接関係で接する。
第3の綴じ部材14aの凸部56aの傾斜対向面56c及び凹部58bの傾斜対向面は、第2の綴じ環14の軸方向とは斜交するように形成され、開閉するときには、傾斜対向面56cと凹部58bの傾斜対向面とが一点を共有し合う内接関係で接する。
第3の綴じ部材14aの凸部56aの傾斜対向面56c及び凸部58aの傾斜対向面58cは、第2の綴じ環14の軸方向とは斜交するように形成され、開閉するときには傾斜対向面56cと傾斜対向面58cとが一点を共有し合う外接関係で接する。
凸部52aの最高部と凹部52bの最深部との間の距離L1及び凸部54aの最高部と凹部54bの最深部との間の距離L1は、綴じ環係止部50を脱係するときに関係する長さである。
そして、この実施の形態においては、凸部52aの最高部と凹部52bの最深部との間の距離L1及び凸部54aの最高部と凹部54bの最深部との間の距離L1は、第1の綴じ部材12aの手前側縁と手前側の孔縁26a2との間の距離L2と第2の綴じ部材12bの向こう側と向こう側の孔縁26b1との間の距離L3との和より短くなるように構成され、第1の綴じ環12をねじって綴じ環係止部50を脱係させることができるように構成されている。
同様に、凸部52aの最高部と凹部52bの最深部との間の距離L1及び凸部54aの最高部と凹部54bの最深部との間の距離L1は、第3の綴じ部材14aの手前側縁と手前側の孔縁28a2との間の距離L2と第4の綴じ部材14bの向こう側と向こう側の孔縁28b1との間の距離L3との和より短くなるように構成され、第2の綴じ環14をねじって綴じ環係止部50を脱係させることができるように構成されている。
しかしながら、B側貫通孔26a及びB側貫通孔28aは、係止された状態にある第1の綴じ部材12aの綴じ環係止部50が綴じられた被綴じ物Sの重みで綴じ環係止部50の外れる方向O1に移動することを規制することができるように、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とが閉じられたとき、前記距離L1より前記距離L2の方が短くなるように構成されている。
綴じ環12,14が閉じられているときに、綴じ環をねじられて綴じ環12,14が開かれるときには、一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)が綴じ環係止部50の係合を外す側である手前側に移動するともに他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)が綴じ環係止部50の係合を外す側である向こう側に移動するために、一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)を貫挿された一方の貫通孔(B側貫通孔26a,B側貫通孔28a)は、一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)の移動を許容するように形成され、他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)を貫挿された他方の貫通孔(A側貫通孔26b,A側貫通孔28b)は、他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)の移動を許容するように形成されている。
移動規制部は、一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)の移動を許容するように形成され、他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)の移動を許容するように形成されている。
そして、綴じ環12,14に被綴じ物Sによる一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)の綴じ環係止部50の係合を外す方向にのみ過負荷がかかったときには、一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)を貫挿された一方の貫通孔(B側貫通孔26a,B側貫通孔28a)は、一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)の綴じ環係止部50の係合を外す側に移動した一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)の移動を停止するように形成され、且つ他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)を貫挿された他方の貫通孔(A側貫通孔26b,A側貫通孔28b)は、他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)が、前記停止した一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)に向けて更に移動することを許容するように形成されるとともに、且つ移動規制部は、一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)の綴じ環係止部50の係合を外す側に移動した一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)に向けて、他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)が更に移動することを許容するように形成されている。
綴じ環係止部50は、一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)の係止凸部(凸部52a,凸部56a)が向こう側に向けて突き出ており且つ他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)の係止凸部(凸部54a,凸部58a)が手前側に向けて突き出ており、綴じ環係止部50を脱係して閉じている綴じ環をねじられて開かれるときには、一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)の係止凸部(凸部52a,凸部56a)が突き出ている方向とは反対側に向けて一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)を移動させ且つ他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)の係止凸部(凸部54a,凸部58a)が突き出ている方向とは反対側に向けて他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)を移動させて、一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)の係止凸部(凸部52a,凸部56a)を他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)の係止凹部(凹部54b,凹部58b)から脱係させ且つ他方の綴じ部材(第2の綴じ部材12b,第4の綴じ部材14b)の係止凸部(凸部54a,凸部58a)を一方の綴じ部材(第1の綴じ部材12a,第3の綴じ部材14a)の係止凹部(凹部52b,凹部56b)から脱係させることができる。
主綴じ環たる第1の綴じ環12を2本の指で挟んで綴じ環を閉じ始めるとき、第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14aの凸部56aと第2の綴じ環14の第4の綴じ部材14bの凹部58bとが当接する前に(図19参照)、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aの凸部52aと第1の綴じ環12の第2の綴じ部材12bの凸部54aとが当接し、更に第1の綴じ環12を閉じるように作動させると、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aの凹部52bが第2の綴じ部材12bの凸部54a上を摺動するとともに、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aの凸部52aが第2の綴じ部材12bの凹部54bに嵌合される正規の係止位置を通り過ぎて、第1の綴じ部材12aの凸部52aが第2の綴じ部材12bの凹部54bの傾斜対向面上を摺動してずり上がる(図20参照)。
このように、第1の綴じ環12を閉じる方向に作動させると、第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14aの凸部56aと第2の綴じ環14の第4の綴じ部材14bの凸部58aとが当接し、更に、第1の綴じ環12を閉じるように作動させると、第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14aの凸部56aが第4の綴じ部材14bの凸部58aの傾斜対向面58c上を摺動し(図19参照)、更に第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aの凸部52aが第2の綴じ部材12bの凹部54bの傾斜対向面をずり上がると、第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14aの凸部56a(第4の綴じ部材14bの凸部58a)が第4の綴じ部材14bの凹部58b(第3の綴じ部材14aの凹部56b)に嵌まり込み嵌合する(図20参照)。
その後、第1の綴じ環12から指を離し閉じる力を解放すると、開閉部材40の作用により第1の綴じ環12はわずかに開く方向に逆戻りして、第1の綴じ環12は、第2の綴じ環14と同様に、第1の綴じ部材12aの凸部52a(第2の綴じ部材12bの凸部54a)が第2の綴じ部材12bの凹部54b(第1の綴じ部材12aの凹部52b)に嵌まり込み嵌合する(図21参照)。
綴じ環を閉じるとき、第1の作動片30及び第2の作動片32は、山折り状態(図15参照)から徐々に平面状態(図10参照)に変わるとともに、同列に並んだ状態から、一旦綴じ環係止部50の外れる方向(第1の作動片30はO1方向、第2の作動片32はO2方向)に移動して、たがいちがいに並んだ状態となり(図20参照)、その後逆戻りして同列に並ぶ。
それによって、移動規制部を構成する第1の作動片30の規制凸部30gが第2の作動片32の規制凹部32f内を移動して、規制凹部32fにおける綴じ環係止部50の外れる方向とは反対側の端縁に当接し、且つ移動規制部を構成する第2の作動片32の規制凸部32gが第1の作動片30の規制凹部30f内を移動して、規制凹部30fにおける綴じ環係止部50の外れる方向とは反対側の端縁に当接する(図11参照)。そのために、綴じ環を閉じるとき、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aの凸部52aが第2の綴じ部材12bの凹部54bに嵌合される正規の停止位置を通り過ぎて、第1の綴じ部材12aの凸部52aが第2の綴じ部材12bの凹部54bの傾斜対向面上を摺動してずり上がりオーバーランするとき、第1の綴じ環12の移動距離を規制して適宜な位置でオーバーランが停止され、第1の綴じ環12の綴じ環係止部50から指を外せば開閉部材40の元の状態に戻ろうとする力が作用して、第1の作動片30及び第2の作動片32は、一旦綴じ環係止部50の外れる方向(第1の作動片30はO1方向、第2の作動片32はO2方向)に移動してたがいちがいに並んだ状態から、逆戻りして同列に並び、綴じ環係止部50が嵌合する(図9、10、19、20及び21参照)。
このように、主綴じ環たる第1の綴じ環12を閉じ始めると、直接指で閉じられない副綴じ環たる第2の綴じ環14が閉じる方向に移動を始め、更に第1の綴じ環12が閉じて正規の係止位置を通り過ぎるまで移動すると、第2の綴じ環14の係合が進み第1の綴じ環12より先に第2の綴じ環14が完全に係止されるので、直接指で閉じられない副綴じ環たる第2の綴じ環14が確実に係止された後、主綴じ環たる第1の綴じ環12が確実に係止される。
したがって、第1の綴じ環12を指で摘んで先に閉じる方向に移動させたときに、オーバーランするように第1の綴じ環12を摘まめば、確実に第2の綴じ環14を正規の位置に係止でき、第1の綴じ環12の操作のみで、閉じることができる。
このように、第1の綴じ環12を指で操作することにより第2の綴じ環14を閉じることができるので、ワンタッチ綴具としての利便性が高い。
また、第1の綴じ環12の頂部を指でねじることにより第1の綴じ環12の綴じ環係止部50を外したとき、第1の作動片30と第2の作動片32には、ねじられていた開閉部材40が元の状態に戻ろうとする力、すなわち一方の固定先端部42aと他方の固定先端部42bとが、図6(B)(C)矢印方向に示すように、巻線部44の円周方向に回転して元の状態に戻ろうとするように力が働くことにより、第1の綴じ環12は開く。
そして、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、その綴じ環係止部50が外され(図11参照)、第1の作動片30及び第2の作動片32は、平面状態から山折り状態に変わるとともに、綴じ環係止部50の外れる方向(第1の作動片30はO1方向、第2の作動片32はO2方向)に移動する(図14(A)参照)。それによって、移動規制部を構成する第1の作動片30の規制凸部30gが第2の作動片32の規制凹部32f内を移動して、規制凹部32fにおける綴じ環係止部50の外れる方向とは反対側の端縁に突き当たり、且つ移動規制部を構成する第2の作動片32の規制凸部32gが第1の作動片30の規制凹部30f内を移動して、規制凹部30fにおける綴じ環係止部2方向とは反対側の端縁に突き当たる(図14(B)参照)。
第1の綴じ環12から手を離すと、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、開閉部材40の一方の固定先端部42aと他方の固定先端部42bとが、図6(B)(C)矢印方向に示すように、巻線部44の円周方向に回転して元の状態に戻ろうとするように第1の作動片30及び第2の作動片32に力を働かせることにより、更に開き(第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aはO3方向、第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bはO4方向)、且つ、開閉部材40の巻線部44が縮むことにより開閉部材40の固定先端部42aと他方の固定先端部42bとを平面視反対方向に移動するように力が働くことにより、第1の作動片30と第2の作動片32とは、逆方向に移動する(図14(A)(B)参照)。
すなわち、作動部材18及び開閉部材40は、第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14aの凸部56aと第4の綴じ部材14bの凸部58aとを開く方向に作用し、そして、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aの凸部52aと第2の綴じ部材12bの凸部54aとを引き離す方向に作用するとともに、第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14aの凸部56aと第4の綴じ部材14bの凸部58aとを引き離すように作用する。
このように、この実施の形態においては、第1の綴じ環12又は第2の綴じ環14の頂部を指でねじることにより、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aおよび第2の綴じ部材12bの綴じ環係止部50と、第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14aおよび第4の綴じ部材14bの綴じ環係止部50を外すことができる。
また、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aと第2の綴じ部材12bの綴じ環係止部50および第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14aと第4の綴じ部材14bの綴じ環係止部50の係合を解除したとき、作動部材18は、開閉部材40の一方の固定先端部42aと他方の固定先端部42bとが巻線部44の円周方向において近づこうとする力が働くことにより、第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが、山折り状態になる。
第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、被綴じ物Sを綴じられて綴具10の長さ方向に表紙COが立てられているとき、不意に過大な負荷がかかっても、一方の第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aが、B側貫通孔26a及びB側貫通孔28aで、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の綴じ環係止部50を脱係させる方向O1に移動することを阻止されるとともに、第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bがA側貫通孔26b及びA側貫通孔28bによって移動を規制されることなく、第2の綴じ部材12bの綴じ環係止部50が第1の綴じ部材12aの綴じ環係止部50に食い込み且つ第4の綴じ部材14bの綴じ環係止部50が第3の綴じ部材14aの綴じ環係止部50に食い込むことにより、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14が脱係して開くことを阻止される。
次に、作動部材18を保持部材16の保持空間内に装填する方法について、主として図22及び図23に基づいて説明する。
保持部材16は、第1の作動片30と第2の作動片32を装填する前には、第1の保持壁24aの第1の保持部60及び第1の保持部62と第2の保持壁24bの第2の保持部64及び第2の保持部66とが、第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bの他の領域より外側に向けて膨出している(図22(B)参照)。
すなわち、第1の保持壁24aは、向こう側の貫通孔26の近傍において第1の保持部60及び第1の保持部62を形成するための第1の保持壁24aの下縁との間に間隔をおいて細い切り込み68a及び切り込み70aが形成され、該切り込み68a及び切り込み70aと第1の保持壁24aの下縁との間における領域が第1の保持壁24aより外側に向けて打ち出されて、第1の保持部60及び第1の保持部62が形成される(図22(B)参照)。
また、第2の保持壁24bは、手前側の貫通孔28の近傍において第2の保持部64及び第2の保持部66を形成するための第2の保持壁24bの下縁との間に間隔をおいて細い切り込み72a及び切り込み74aが形成され、該切り込み72a及び切り込み74aと第2の保持壁24bの下縁との間における領域が第2の保持壁24bより外側に向けて打ち出されて、第2の保持部64及び第2の保持部66が形成される(図22(A)参照)。
作動部材18を保持部材16の保持空間内に装填するときは、まず、第1の作動片30を保持部材16内に装填し、次に、第2の作動片32を保持部材16内に装填する(図23(A)参照)。
このとき、第1の作動片30の突出部30c1が第1の保持部60の内側に、第1の作動片30の突出部30c2が第1の保持部62の内側に位置し、第2の作動片32の突出部32c1が第2の保持部64の内側に、第2の作動片32の突出部32c2が第2の保持部66の内側に位置する。
次に、第1の保持部60、第1の保持部62、第2の保持部64及び第2の保持部66を、第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bの内側に向けて打ち込み、平面円弧状の第1の保持部60、第1の保持部62、第2の保持部64及び第2の保持部66を形成する(図23(B)参照)。
而して、第1の保持部60が突出部30c1の下面を、第1の保持部62が突出部30c2の下面を、第2の保持部64が突出部32c1の下面を、第2の保持部66が突出部32c2の下面をそれぞれ保持するように形成される。そして、突出部30c1は向こう側の貫通孔26より外側に、突出部30c2は手前側の貫通孔28より外側に、突出部32c1は向こう側の貫通孔26より外側に、突出部32c2は手前側の貫通孔28より外側に突き出る。
次に、開閉部材40を作動部材18に装填する方法について、図4ないし6に基づいて説明する。
第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とが閉じた状態において、開いた状態から閉じた状態への方向に向けて第1の作動片30と第2の作動片32とを突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aを中心に回動させる方向にばねに荷重を加えて、巻線部44(コイル)の中心軸まわりにねじりモーメントを受け、素線に曲げ応力を発生させるようにして、開閉部材40を固定先端部42aが第1の作動片30に、固定先端部42bが第2の作動片32に固定する。
この場合、開閉部材40は、巻線部44にねじりモーメントなどの負荷が加わっていない状態(図6(A)図示)からみて、巻線部44の巻き数が1巻以上増えるように巻線部44を1回転以上ねじった状態(固定先端部42a及び規制腕部46aがR方向、固定先端部42b及び規制腕部46bがQ方向(図5及び図6(A)図示))で、固定先端部42a及び42bが開閉部材固定部38a及び開閉部材固定部38bにそれぞれ固定する。
ばねに荷重を加える荷重の方向としては、巻線部44(コイル)を巻き込む方向に向くように構成されている。
前記実施の形態によれば、一対の作動片(第1の作動片30及び第2の作動片32)には、保持部材16に形成された貫通孔(向こう側の貫通孔26及び手前側の貫通孔28)に通される突出部(突出部30c1、突出部30c2、突出部32c1、及び突出部32c2)が形成されているので、作動片(第1の作動片30及び第2の作動片32)に綴じ環(第1の綴じ環12、第2の綴じ環14)の基部を例えばカシメ止めをしても作動片(第1の作動片30及び第2の作動片32)にかかるストレスを少なくするために面積を大きくすることができる。そのために、作動片(第1の作動片30及び第2の作動片32)全体の強度を増すことができる。
前記実施の形態の保持部とは異なり、図24及び図25において示すように、保持壁の下端縁より突き出し設けられた方形凸部を内側に向けて折り曲げて、第1の保持壁24aに第1の保持部160及び第1の保持部162が、第2の保持壁24bに第2の保持部164及び第2の保持部166が形成され、作動部材18の第1の作動片30及び第2の作動片32に形成された(第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14が突出する方向とは反対側に向けて突設されている)突条30h及び突条32hの下端縁を、第1の保持壁24aの第1の保持部160及び第1の保持部162、第2の保持壁24bの第2の保持部164及び第2の保持部166により保持するように構成してもよい。
第1の作動片30及び第2の作動片32は、その長さ方向に、第1の保持壁24aの第1の保持部160と第1の保持部162及び第2の保持壁24bの第2の保持部164と第2の保持部166の上面を摺動して移動することができる。
前記実施の形態とは異なり、作動部材を、図26及び図27に示すように変更してもよい。
図26及び図27図示第1の作動片30は、突き合わせ縁30aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環12の基部と第2の綴じ環14の基部とを結ぶ方向(図26図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条30hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴じ環12の基部と第2の綴じ環14の基部とを結ぶ方向と平行で第1の作動片30の長さ方向にのびる。
前記突条30hは、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環12の基部と第2の綴じ環14の基部の間で外側端縁30bの突出部30c1と突出部30c2との間において、連続して、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条30hは、第1の作動片30を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
また、図26及び図27図示第2の作動片32は、突き合わせ縁32aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環12の基部と第2の綴じ環14の基部とを結ぶ方向(図26図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条32hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴じ環12の基部と第2の綴じ環14の基部とを結ぶ方向と平行で第2の作動片32の長さ方向にのびる。
前記突条32hは、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環12の基部と第2の綴じ環14の基部の間で外側端縁32bの突出部32c1と突出部32c2との間において、連続して、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条32hは、第2の作動片32を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
したがって、第1の作動片30及び第2の作動片32は、第1の綴じ環12の基部と第2の綴じ環14の基部間におけるしなりが、突条30h及び突条32hにより防止される。
図26及び図27図示第1の作動片30は、基部で固定された第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aの基部の近傍に、第1の作動片30を補強してしなりを少なくするために、ビード234a及びビード234bが上面に向けて突設されている。
図26及び図27図示第2の作動片32は、基部で固定された第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bの基部の近傍に、第2の作動片32を補強してしなりを少なくするために、ビード234c及びビード234dが上面に向けて突設されている。
ビード234aは、第1の綴じ部材12aの基部と突出部30c1との間において第1の作動片30の長手方向にのびる第1直線部234a1と、突条30hの内側(第1の作動片30の幅方向における略々中央において)で第1の綴じ部材12aの基部の近傍から第1の作動片30の長手方向にのびる第2直線部234a2と、第1直線部234a1の内側端と第2直線部234a2の外側端との間を結ぶ斜線部234a3とを備え、第1の作動片30の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード234bは、第3の綴じ部材14aの基部と突出部30c2との間において第1の作動片30の長手方向にのびる第1直線部234b1と、突条30hの内側(第1の作動片30の幅方向における略々中央において)で第3の綴じ部材14aの基部の近傍から第1の作動片30の長手方向にのびる第2直線部234b2と、第1直線部234b1の内側端と第2直線部234b2の外側端との間を結ぶ斜線部234b3とを備え、第1の作動片30の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード234cは、第2の綴じ部材12bの基部と突出部32c1との間において第2の作動片32の長手方向にのびる第1直線部234c1と、突条32hの内側(第2の作動片32の幅方向における略々中央において)で第2の綴じ部材12bの基部の近傍から第2の作動片32の長手方向にのびる第2直線部234c2と、第1直線部234c1の内側端と第2直線部234c2の外側端との間を結ぶ斜線部234c3とを備え、第2の作動片32の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード234dは、第4の綴じ部材14bの基部と突出部32c2との間において第2の作動片32の長手方向にのびる第1直線部234d1と、突条32hの内側(第2の作動片32の幅方向における略々中央において)で第3の綴じ部材14bの基部の近傍から第2の作動片32の長手方向にのびる第2直線部234d2と、第1直線部234d1の内側端と第2直線部234d2の外側端との間を結ぶ斜線部234d3とを備え、第2の作動片32の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
表紙COは、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14に綴じられた用箋等の被綴じ物Sが多くなったとき、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14がたわむことを防止するために、次のような表紙310としてもよい。
表紙310は、前記綴具の保持部材を固定する背表紙316と、前記背表紙316の両端に、開閉自在に延設された表表紙312及び裏表紙314とを備え、図28ないし30に示すように、表表紙312と裏表紙314が背表紙316に対して立設状態となるように連設されている。
そして、表表紙312及び裏表紙314は、背表紙316寄りに開閉用の薄肉ヒンジ部318A,318Bが設けられている。表表紙312及び裏表紙314と背表紙316との連設部の構成としては、プラスチック型表紙体に略V字溝からなる連設部320を形成してその溝底で折り曲げる構成を採用している。すなわち、図30に示す通り、表表紙312及び裏表紙314と背表紙316との連設部320となる略V字溝を設け、この連設部320の溝底で折り曲げて背表紙316に対し表表紙312及び裏表紙314が立設状態に連設されるようにしたものである。連設部320を利用した場合、この連設部320の開き角度を変えることによって背表紙316の構造を変更することができる。
表表紙312及び裏表紙314の開閉を可能にする薄肉ヒンジ部318A,318Bは、断面略V字溝であり、連設部320から若干小口寄りの位置において表表紙312及び裏表紙314に設けられる。
このような表紙310を熱可塑性樹脂製シート材からなる表紙体を用いて成形する一例たる製造としては、例えば熱可塑性樹脂のシート材からなる表紙体に互いに平行な2本の略V字溝からなる連設部320を形成し、この連設部320のやや内側寄りの位置において互いに平行な略V字溝からなる連設部320をヒートプレス成形すると同時に表紙体に略V字溝からなる連設部320を閉塞する方向の加圧力を加えて互いの溝底を折り曲げるようにしている。熱可塑性樹脂製のシート材単体以外に、熱可塑性樹脂製シート材と表装材との2層構造も利用し得る。また、この2層構造において、厚紙とクロスの2層構造とすれば、略V字溝からなる連設部320の溝壁同志を接着剤で接着する構成も採用し得る。
前記表表紙312及び/又は裏表紙314は、前記閉じられた第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14と対向する領域に、綴具10の一部分を挿入して第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の移動を規制する綴じ環固定手段322が設けられている。
綴じ環固定手段322は、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の移動側の側面と対向するように、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14が嵌挿又は緩挿される貫通孔又は段差によって構成されている。
この綴じ環固定手段322は、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の回転方向に伸びる長孔であり、長孔は、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の嵌挿又は緩挿される部位の長さ及び幅に対応した長さ及び幅を有する上下一対の直線状孔縁と、該直線状孔縁の両左端及び両右端の間に連設された円弧状孔縁とを有する長孔によって形成されている。
閉じた第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の幅は、表紙310の背表紙316の背幅及び平行に対向した表表紙312と裏表紙314との間の幅よりも広く形成されている。
第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、第1の作動片30及び第2の作動片32に取り付けられた基部よりやや上部から綴じ環係止部50のやや外側に至るまで、略平行に閉じられた表表紙312と裏表紙314に形成された綴じ環固定手段322を構成する長孔の中に嵌挿される。長孔の上下一対の直線状孔縁は、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の上下側面に当接し、円弧状孔縁は、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の左右の円周面に当接する。
そして、ファイル・バインダ300の表表紙312と裏表紙314とを平行に閉じた状態で第1の綴じ環12を天側とし第2の綴じ環14を地側にしてファイル・バインダ300を立てたとき、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12a及び第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14a側に綴じられた用箋等の被綴じ物Pが偏っているときに衝撃が加わったりして、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12a及び第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14aが第1の綴じ環12の第2の綴じ部材12b及び第2の綴じ環14の第4の綴じ部材14bと外れる下向きに移動したとしても、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の移動が綴じ環固定手段322で規制され、綴じ環固定手段322の下側の孔縁に係止されて、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aと第1の綴じ環12の第2の綴じ部材12b及び第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14aと第2の綴じ環14の第4の綴じ部材14bとが綴じ環係止部50で外れることがない。
綴具10を表紙COに取り付けるには、第1の保持壁24aおよび第2の保持壁24bの下端縁を接合して取付孔20,20にボルトナットや鋲により取り付ければよい。
また、前記実施の形態においては、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14といったように、2穴タイプの綴具について説明したが、綴じ環を増やした多穴タイプ、例えば、3穴、4穴、20穴、26穴、30穴といった多くの綴じ環を備えた綴具とすることができる。
綴じ環の数に対応して、保持部材及び作動部材の長さがのびるとともに保持部材の一方の貫通孔及び他方の貫通孔の間に1または複数の一方の貫通孔及び他方の貫通孔と同様な貫通孔を形成し、作動部材に固定された綴じ環を貫挿できるようにすればよい。
また、綴じ環の形状は、略Dの字型ではなく、図31において示すように、略Oの字型にしてもよい。略Oの字型の第1の綴じ環412及び第2の綴じ環414を形成するには、第2の綴じ部材412b及び第4の綴じ部材414bは、前記実施の形態と比較的近い略半円弧型に形成し、第1の綴じ部材412a及び第3の綴じ部材414aは、前記第2の綴じ部材412b及び第4の綴じ部材414bと対称形の略半円弧型に形成し、第1の綴じ部材412aと第2の綴じ部材412b及び第3の綴じ部材414aと第4の綴じ部材414bとを閉じたとき、略Oの字型となるように形成する。
開閉部材は、前記実施の形態の綴具においては、一対の作動片に対応して、1個が装填されていたが、合計2個の開閉部材を装填してもよい。
また、作動部材を構成する第1の作動片及び第2の作動片は、それぞれ一体成形されていたが、綴じ環の数が増加(4穴、20穴、26穴、30穴など)するに従って、第1の作動片及び第2の作動片をそれぞれ分割してもよい。
次に、本発明にかかる別の実施の形態である4穴真円型リング綴具について、図32ないし図33に基づいて説明する。
この実施の形態の綴具510は、前記実施の形態の綴具10と略同様の構成であるが、主として、綴じ環の数が増加したことに伴う、保持部材の構成、作動部材の構成および開閉部材の構成が異なるので、それらを中心に以下説明する。
綴具510は、一対のそれぞれ略円環状の金属製の第1の綴じ環512、第2の綴じ環513、第3の綴じ環514および第4の綴じ環515と、前記第1の綴じ環512および第4の綴じ環515をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材516と、その表面に第1の綴じ環512および第4の綴じ環515が間隔をおいてそれぞれの基部が固定され、第1の綴じ環512第2の綴じ環513、第3の綴じ環514および第4の綴じ環515が前記保持部材516に固定されるように保持部材516の内側に可動自在に固定された作動部材518とを備える。
綴じ環は、4穴タイプのために、第1の綴じ環512、第2の綴じ環513、第3の綴じ環514および第4の綴じ環515の4個の綴じ環からなる。第1の綴じ環512は、第1の綴じ部材512aおよび第2の綴じ部材512bを備え、第2の綴じ環513は、第3の綴じ部材513aおよび第4の綴じ部材513bを備え、第3の綴じ環514は、第5の綴じ部材514aおよび第6の綴じ部材514bを備え、第4の綴じ環515は、第7の綴じ部材515aおよび第8の綴じ部材515bを備える。
そして、用紙等の被綴じ物Sに予め穿設された綴じ孔に挿通して、用紙等の被綴じ物Sを綴じることができるように、第1の綴じ部材512aおよび第2の綴じ部材512bの先端と、第3の綴じ部材513aおよび第4の綴じ部材513bの先端と、第5の綴じ部材514aおよび第6の綴じ部材514bの先端と、第7の綴じ部材515aおよび第8の綴じ部材515bの先端とにおいて、すなわち第1の綴じ環512、第2の綴じ環513、第3の綴じ環514および第4の綴じ環515の頂部において、綴じ環係止部550が形成されている。
第1の綴じ環512を構成する第1の綴じ部材512aと第2の綴じ部材512bとは、第1の綴じ部材512aの綴じ環係止部550と、第2の綴じ部材512bの綴じ環係止部550とを係止することにより、環状に係合される。
また、第3の綴じ環514を構成する第5の綴じ部材514aと第6の綴じ部材514bとは、第5の綴じ部材514aの綴じ環係止部550と第6の綴じ部材514bの綴じ環係止部550とを係止することにより、環状に係合される。
保持部材516は、第1の綴じ環512、第2の綴じ環513、第3の綴じ環514および第4の綴じ環515を所定の間隔をおいて設けることができる長さを備える平面略長方形で、その両端、すなわち表紙COに取り付ける取付孔520近傍においては、平面略半円弧状に形成されている。
保持部材516は、被綴じ物載置部522の内側には保持空間を備え、その空間に作動部材518等を収容するように構成されている。
保持部材516の被綴じ物載置部522の両端には、その長手方向に略々その一端から他端に亘って、作動部材518を摺動自在に保持する保持壁524が設けられている。この実施の形態においては、保持部材516の長手方向において、第1の綴じ環512、第2の綴じ環513、第3の綴じ環514および第4の綴じ環515のそれぞれの外側近傍より内部に亘って略全体において垂下されるように、第1の保持壁524aおよび第2の保持壁524bが連設され、第1の保持壁524aと第2の保持壁524bとは平行で略同一の形状の板状である。そして、この第1の保持壁524aおよび第2の保持壁524bと被綴じ物載置部522によって囲繞された保持空間内に、後に詳しく説明する作動部材518等が収容される。
保持部材516の被綴じ物載置部522には、第1の綴じ環512と第2の綴じ環513とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための、一方の向こう側の貫通孔526と他方の手前側の貫通孔527がそれぞれ穿設されるとともに、第3の綴じ環514と第4の綴じ環515とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための、第3の貫通孔528及び第4の貫通孔529がそれぞれ穿設されている。
一方の向こう側の貫通孔526と第2の貫通孔527と第3の貫通孔528及び他方の手前側の貫通孔529とは、それぞれの綴じ環を構成する綴じ部材に対応して、保持部材516の幅方向において左右に分かれて一定の間隔をおいて、B側貫通孔526a,527a,528a,529aとA側貫通孔526b,527b,528b,529bとが穿設されている。
B側貫通孔526a,527a,528a,529aは、第1の綴じ部材512a,第3の綴じ部材513a,第5の綴じ部材514a,第7の綴じ部材515aを貫入し保持部材16の長さ方向において第1の綴じ部材512a,第3の綴じ部材513a,第5の綴じ部材514a,第7の綴じ部材515aを孔の中において移動することができる間隔を備え、A側貫通孔526b,527b,528b,529bは、第2の綴じ部材512b,第4の綴じ部材513b,第6の綴じ部材514b,第8の綴じ部材515bを貫入し保持部材16の長さ方向において第2の綴じ部材512b,第4の綴じ部材513b,第6の綴じ部材514b,第8の綴じ部材515bを孔の中において移動することができる間隔を備える。A側貫通孔526b,527b,528b,529b及びB側貫通孔526a,527a,528a,529aは、平面視略U字状で開口部分から続く向こう側の孔縁と手前側の孔縁とを有する。
A側貫通孔526b,527b,528b,529bは、B側貫通孔526a,527a,528a,529aと対称形である。
B側貫通孔526aとB側貫通孔527aとB側貫通孔528aとB側貫通孔529aとは同じ形状であり、A側貫通孔526bとA側貫通孔527bとA側貫通孔528bとA側貫通孔529bとは同じ形状である。
B側貫通孔526a,527a,528a,529aとA側貫通孔526b,527b,528b,529bとは、保持部材16の長さ方向における位置が変化づけられ、B側貫通孔526a,527a,528a,529aの手前側縁がA側貫通孔526b,527b,528b,529bの手前側縁より向こう側に位置している。
この実施の形態においては、第1の綴じ環512と第2の綴じ環513と第3の綴じ環514と第4の綴じ環515とが閉じられたとき、第2の綴じ部材512b,第4の綴じ部材513b,第6の綴じ部材514b,第8の綴じ部材515bの綴じ環係止部50の脱係が外される方向O2とは反対側である手前側のB側貫通孔526a,527a,528a,529aの孔縁の方が、第1の綴じ部材512a,第3の綴じ部材513a,第5の綴じ部材514a,第7の綴じ部材515aの綴じ環係止部50の脱係が外される方向O1の側であるA側貫通孔526b,527b,528b,529bの手前側の孔縁より、手前側に位置している。
作動部材518を構成する作動片は、前記実施の形態の綴具の作動片とは異なり長く形成された、左右一対の作動片530及び作動片532を有する。
第1の作動片530は、前記第1の綴じ部材512a、第3の綴じ部材513a、第5の綴じ部材514a及び第7の綴じ部材515aの基部が固定されている。
第2の作動片532は、第2の綴じ部材512b、第4の綴じ部材513b、第6の綴じ部材514b及び第8の綴じ部材515bの基部が固定されている。
前記第1の作動片530の第1係合部536aの係合面と前記第2の作動片532の第2係合部536bの係合面とを、前記基準面LP1及び基準面LP2と略々同じ高さ又は低い高さにおいて係合されている。
前記第2の作動片532の第1係合部536aの係合面と前記第1の作動片530の第2係合部536bの係合面とを、前記基準面LP1及び基準面LP2と略々同じ高さ又は低い高さにおいて係合されている。
第1係合部536aは、第1の作動片の向こう側第1係合部536a1、第1作動片の手前側第1係合部536a2、第2の作動片の手前側第1係合部536a3及び第2の作動片の向こう側第1係合部536a4を含む。
第2係合部536bは、第2の作動片の向こう側第2係合部536b1、第2の作動片の手前側第2係合部536b2、第1の作動片の手前側第2係合部536b3及び第1の作動片の向こう側第2係合部536b4を含む。
第1の作動片530及び第2の作動片532は、第1の作動片の向こう側凹み部730d、第1の作動片の手前側凹み部中央730e、第2の作動片の向こう側凹み部732d及び第2の作動片の手前側凹み部732eが形成され、且つ、第1の作動片の向こう側凹み部730dに第1の作動片の向こう側第1係合部536a1を形成され、第2の作動片の向こう側凹み部732dに第2の作動片の向こう側第2係合部536b1を形成され、第2の作動片の手前側凹み部732eに第2の作動片の手前側第1係合部536a3を形成され、第1の作動片の手前側凹み部730eに第1の作動片の手前側第2係合部536b3を形成され、第1の作動片の手前側凹み部730eに第1の作動片の手前側第1係合部536a2を形成され、第2の作動片の手前側凹み部732eに第2の作動片の手前側第2係合部536b2を形成され、第2の作動片の向こう側凹み部732dに第2の作動片の向こう側第1係合部536a4を形成され、第1の作動片の向こう側凹み部730dに第1の作動片の向こう側第2係合部536b4を形成されている。
第1の作動片の向こう側凹み部730d及び第2の作動片の向こう側凹み部732dと第1の作動片の手前凹み部730e及び第2の作動片の手前側凹み部732eは、第1の作動片530及び第2の作動片532の長さ方向において、上下に分かれて上下2対ずつ形成されている。
又、第1の作動片の向こう側第1係合部536a1及び第2の作動片の向こう側第1係合部536a4と第1の作動片の手前側第1係合部536a2及び第2の作動片の手前側第1係合部536a3も、第1の作動片530及び第2の作動片532の長さ方向において、上下に分かれて上下2対ずつ形成されている。
なお、移動規制部は、前記図2図示実施の形態と同様に構成され、規制凹部530f、532fと規制凸部530g、532gも同様に形成されている。
移動規制部は、一方の第1の作動片530の突き合わせ縁530aに形成された規制凹部530f及び規制凸部530gと、他方の第2の作動片532の突き合わせ縁532aに形成された規制凹部532f及び規制凸部532gとから形成されているが、第1の綴じ環512,第2の綴じ環513,第3の綴じ環514,第4の綴じ環515を綴じ環係止部550において閉じたとき、一方の第1の作動片530の規制凹部530fは、係止された綴じ環係止部550が外れる方向に他方の綴じ部材(第2の綴じ部材512b,第4の綴じ部材513b,第6の綴じ部材514b,第8の綴じ部材515b)が移動することを許容するように、他方の第2の作動片532の規制凸部532gの移動を許容できる長さに形成されている。
この実施の形態においては、第1の作動片530の突き合わせ縁530aに穿設された規制凹部530fの長さは、第1の作動片530及び第2の作動片532の長さ方向において、第2の作動片532の突き合わせ縁532aに突設された規制凸部532gの長さよりも長く形成され、また、第2の作動片532の突き合わせ縁532aに穿設された規制凹部532fの長さは、第2の作動片532及び第1の作動片530の長さ方向において、第1の作動片530の突き合わせ縁530aに突設された規制凸部530gの長さよりも長く形成されている。
而して、第1の綴じ環512,第2の綴じ環513,第3の綴じ環514,第4の綴じ環515に被綴じ物Sを綴じ込んだときに、綴具510の長さ方向において下方(手前側)のみに向けて荷重がかかったときには、綴じ環係止部550において、第2の綴じ部材512b,第4の綴じ部材513b,第6の綴じ部材514b,第8の綴じ部材515bが、係止された第1の綴じ部材512a,第3の綴じ部材513a,第5の綴じ部材514a,第7の綴じ部材515a側に向けて(下方(手前側)に向けて)転位して、第1の綴じ部材512a,第3の綴じ部材513a,第5の綴じ部材514a,第7の綴じ部材515aの綴じ環係止部550に強く喰い込み、被綴じ物Sの重みで綴じ環係止部550が脱係することがない。
しかも、保持部材516の向こう側の貫通孔526,手前側の貫通孔527,第3の貫通孔528,第4の貫通孔529は、保持部材516の長さ方向における位置が変化づけられていることと相俟って、より第1の綴じ環512,第2の綴じ環513,第3の綴じ環514,第4の綴じ環515の綴じ環係止部550が被綴じ物Sの重みで綴具510の長さ方向において下方(手前側)のみに向けて荷重がかかったときには、脱係することを防ぐことができる。
そして、開閉部材540は、第1の作動片530の開閉部材固定部538a1と第2の作動片532の開閉部材固定部538b1とに跨って突き合わせ縁530a及び突き合わせ縁532aと斜交するように固定され、開閉部材542は、第1の作動片530の開閉部材固定部538a2と第2の作動片532の開閉部材固定部538b2とに跨って突き合わせ縁530a及び突き合わせ縁532aと斜交するように固定される。
開閉部材540の固定先端部540aは第1の作動片530の開閉部材固定部538a1に、固定先端部540bは第2の作動片532の開閉部材固定部538b1にそれぞれ固定され、開閉部材542の固定先端部542aは第1の作動片530の開閉部材固定部538a2に、固定先端部542bは第2の作動片532の開閉部材固定部538b2にそれぞれ固定される。
前記第1の作動片530は、前記突き合わせ縁530aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環512の基部と第5の綴じ環515の基部とを結ぶ方向(図34図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条530hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴じ環512の基部と第5の綴じ環515の基部とを結ぶ方向と平行で第1の作動片530の長さ方向にのびる。
前記突条530hは、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環512の基部と第5の綴じ環515の基部の間で、外側端縁530bにおいて、突出部530c3の近傍を除いて連続して、第1の綴じ環512及び第5の綴じ環515が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条530hは、第1の作動片530を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
また、前記第2の作動片532は、前記突き合わせ縁532aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環512の基部と第5の綴じ環515の基部とを結ぶ方向(図34図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条532hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴じ環512の基部と第5の綴じ環515の基部とを結ぶ方向と平行で第2の作動片532の長さ方向にのびる。
前記突条532hは、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環512の基部と第5の綴じ環515の基部の間で、外側端縁532bにおいて、突出部530c3の近傍を除いて連続して、第1の綴じ環512及び第5の綴じ環515が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条532hは、第2の作動片532を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
したがって、第1の作動片530及び第2の作動片532は、第1の綴じ環512の基部と第5の綴じ環515の基部間におけるしなりが、突条530h及び突条532hにより防止される。
第1の作動片530は、基部で固定された第1の綴じ部材512a及び第7の綴じ部材515aの基部の近傍と中央の突出部530c3の近傍とに、第1の作動片530を補強してしなりを少なくするために、ビード534a、ビード534b及びビード534eが上面に向けて突設されている。
第2の作動片532は、基部で固定された第2の綴じ部材512b及び第8の綴じ部材515bの基部の近傍と中央の突出部532c3の近傍とに、第2の作動片532を補強してしなりを少なくするために、ビード534c、ビード534d及びビード534fが上面に向けて突設されている。
ビード534aは、第1の綴じ部材512aの基部と突出部530c1との間において第1の作動片530の長手方向にのびる第1直線部534a1と、突条530hの内側(第1の作動片530の幅方向における略々中央において)で第1の綴じ部材512aの基部の近傍から第1の作動片530の長手方向にのびる第2直線部534a2と、第1直線部534a1の内側端と第2直線部534a2の外側端との間を結ぶ斜線部534a3とを備え、第1の作動片530の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード534bは、第7の綴じ部材515aの基部と突出部530c2との間において第1の作動片530の長手方向にのびる第1直線部534b1と、突条530hの内側(第1の作動片530の幅方向における略々中央において)で第3の綴じ部材514aの基部の近傍から第1の作動片530の長手方向にのびる第2直線部534b2と、第1直線部534b1の内側端と第2直線部534b2の外側端との間を結ぶ斜線部534b3とを備え、第1の作動片530の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード534cは、第2の綴じ部材512bの基部と突出部532c1との間において第2の作動片532の長手方向にのびる第1直線部534c1と、突条532hの内側(第2の作動片532の幅方向における略々中央において)で第2の綴じ部材512bの基部の近傍から第2の作動片532の長手方向にのびる第2直線部534c2と、第1直線部534c1の内側端と第2直線部534c2の外側端との間を結ぶ斜線部534c3とを備え、第2の作動片532の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード534dは、第8の綴じ部材515bの基部と突出部532c2との間において第2の作動片532の長手方向にのびる第1直線部534d1と、突条532hの内側(第2の作動片532の幅方向における略々中央において)で第3の綴じ部材514bの基部の近傍から第2の作動片532の長手方向にのびる第2直線部534d2と、第1直線部534d1の内側端と第2直線部534d2の外側端との間を結ぶ斜線部534d3とを備え、第2の作動片532の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード534eは、直線状であり、突出部530c3の近傍において、上下に分断された突条530hと突条530hとの間に跨って形成されている。
ビード534fは、直線状であり、突出部532c3の近傍において、上下に分断された突条532hと532hとの間に跨って形成されている。
開閉部材は、前記実施の形態の綴具においては、一対の作動片に対応して、1個が装填されていたが、この実施の形態の綴具においては、一対の作動片530及び作動片532の長さに対応して、上下に1個ずつ、合計2個の開閉部材540及び開閉部材542が装填されている。
突出部530c1は第1保持部560により、突出部530c2は第1保持部562により、突出部532c1は第2保持部564により、突出部532c2は第2保持部566により、それぞれ保持される。
また、突出部530c3は第3保持部561により、突出部532c3は第3保持部565により、それぞれ保持される。
次に、本発明にかかる別の実施の形態である3穴真円型リング綴具について、図37ないし図41に基づいて説明する。
この実施の形態の綴具610は、前記実施の形態の綴具210と略同様の構成であるが、主として、綴じ環の数が増加したことに伴う、保持部材の構成、作動部材の構成および開閉部材の構成が異なるので、それらを中心に以下説明する。
綴具610は、一対のそれぞれ略円環状の金属製の第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614と、前記第1の綴じ環612ないし第3の綴じ環614をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材616と、その表面に第1の綴じ環612ないし第3の綴じ環614が間隔をおいてそれぞれの基部が固定され、第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614が前記保持部材616に固定されるように保持部材616の内側に可動自在に固定された作動部材618とを備える。
綴じ環は、3穴タイプのために、第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614の3個の綴じ環からなる。第1の綴じ環612は、第1の綴じ部材612aおよび第2の綴じ部材612bを備え、第2の綴じ環613は、第3の綴じ部材613aおよび第4の綴じ部材613bを備え、第3の綴じ環614は、第5の綴じ部材614aおよび第6の綴じ部材614bを備える。
そして、用紙等の被綴じ物Sに予め穿設された綴じ孔に挿通して、用紙等の被綴じ物Sを綴じることができるように、第1の綴じ部材612aおよび第2の綴じ部材612bの先端と、第3の綴じ部材613aおよび第4の綴じ部材613bの先端と、第5の綴じ部材614aと第6の綴じ部材614bの先端とにおいて、すなわち第1の綴じ環612、第2の綴じ環613および第3の綴じ環614の頂部において、綴じ環係止部650が形成されている。
前記綴じ環を構成する第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614は、断面円形状金属製線材を、綴じ環係止部650を外す方向(図38のO1及びO2の方向)にのばし、且つ中央部分を押さえることによって綴じ環を閉じる方向に対してわん曲させて形成されている。そして、第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614は、中央が綴じ環を開く方向(第1の綴じ部材612a、第3の綴じ部材613a及び第5の綴じ部材614aは、図38のO3方向、第2の綴じ部材612b、第4の綴じ部材613b、第6の綴じ部材614bは、図38のO4方向)に膨み且つ両端が綴じ環を閉じる方向にわん曲した断面略空豆(ビーンズ)型の形状に形成されている。
すなわち、環状の第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614を開閉方向に見て、第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614の内側は波状起伏面が形成され、第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614の外側は半円弧状に形成されている。そして、第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614は、綴じ環を外す方向に見て、両外側が、半円弧状に形成されている。
従来の断面形状丸型の綴じ環は、小径だと変形に弱く、大径にすれば断面積が増して材料費がかさみ、従来の断面形状略長方形の綴じ環は、用紙等の被綴じ物Sにあける綴じ穴には丸穴が多いので、用紙等の被綴じ物Sの綴じ穴に対応しにくく、用紙等の被綴じ物Sの綴じ穴を傷つけるおそれがある。
ところが、綴じ環を構成する第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614は、細いならば綴じ環係止部650の嵌合がうまくゆかないときがある。
そのために、第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614の幅を広げたいが、元の線材として断面積の小さいものを使用しても、元の金属製線材を加工することにより綴じ環としては必要な幅が確保されるようにしたい。
そこで、本発明にかかる綴じ環は、それを形成する線材の中央部分を押さえて線材を空豆(ビーンズ)型につぶすことにより全体としての幅を広げ、すなわち、綴じ環の全体の幅を綴じ環係止部650を外す方向に広げて、綴じ環係止部650の嵌合を完全にできるように形成している。
保持部材616は、第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614を所定の間隔をおいて設けることができる長さを備える平面略長方形で、その両端、すなわち表紙COに取り付ける取付孔620近傍においては、平面略半円弧状に形成されている。
保持部材616は、被綴じ物載置部622の内側には保持空間を備え、その空間に作動部材618等を収容するように構成されている。
保持部材616の被綴じ物載置部622の両端には、その長手方向に略々その一端から他端に亘って、作動部材618を摺動自在に保持する保持壁624が設けられている。この実施の形態においては、保持部材616の長手方向において、第1の綴じ環612、第2の綴じ環613及び第3の綴じ環614のそれぞれの外側近傍より内部に亘って略全体において垂下されるように、第1の保持壁624aおよび第2の保持壁624bが連設され、第1の保持壁624aと第2の保持壁624bとは平行で略同一の形状の板状である。そして、この第1の保持壁624aおよび第2の保持壁624bと被綴じ物載置部622によって囲繞された保持空間内に、後に詳しく説明する作動部材618等が収容される。
保持部材616の被綴じ物載置部622には、第1の綴じ環612と第2の綴じ環613とに、第3の綴じ環614とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための、一方の貫通孔626、他方の貫通孔627及び第3の貫通孔628がそれぞれ穿設されている。
一方の向こう側の貫通孔626と第2の貫通孔627と他方の手前側の貫通孔628とは、それぞれの綴じ環を構成する綴じ部材に対応して、保持部材616の幅方向において左右に分かれて一定の間隔をおいて、B側貫通孔626a,627a,628aとA側貫通孔626b,627b,628bとが2つずつ穿設されている。
B側貫通孔626a,627a,628aは、第1の綴じ部材612a,第3の綴じ部材613a,第5の綴じ部材614aを貫入し保持部材616の長さ方向において第1の綴じ部材612a,第3の綴じ部材613a,第5の綴じ部材614aを孔の中において移動することができる間隔を備え、A側貫通孔626b,627b,628bは、第2の綴じ部材612b,第4の綴じ部材613b,第6の綴じ部材614bを貫入し保持部材616の長さ方向において第2の綴じ部材612b,第4の綴じ部材613b,第6の綴じ部材614bを孔の中において移動することができる間隔を備える。B側貫通孔626a,627a,628a及びA側貫通孔626b,627b,628bは、平面視略U字状で開口部分から続く向こう側の孔縁と手前側の孔縁とを有する。
A側貫通孔626b,627b,628bは、B側貫通孔626a,627a,628aと対称形であり、平面視略U字状で開口部分から続く向こう側の孔縁と手前側の孔縁とを有する。
B側貫通孔626aとB側貫通孔627aとB側貫通孔628aとは同じ形状であり、A側貫通孔626bとA側貫通孔627bとA側貫通孔628bとは同じ形状である。
B側貫通孔626a,627a,628aとA側貫通孔626b,627b,628bとは、保持部材16の長さ方向における位置が変化づけられ、B側貫通孔626a,627a,628aの手前側縁がA側貫通孔626b,627b,628bの手前側縁より向こう側に位置している。
この実施の形態においては、第1の綴じ環612と第2の綴じ環613と第3の綴じ環614とが閉じられたとき、第2の綴じ部材612b,第4の綴じ部材613b,第6の綴じ部材614bの綴じ環係止部50の脱係が外される方向O2とは反対側であるB側貫通孔626a,627a,628aの手前側の孔縁の方が、第1の綴じ部材612a,第3の綴じ部材613a,第5の綴じ部材614aの綴じ環係止部50の脱係が外される方向O1の側であるA側貫通孔626b,627b,628bの手前側の孔縁より、手前側に位置している。
作動部材618を構成する作動片は、前記実施の形態の綴具10の作動片と同様に、左右一対の作動片を有する。
前記第1の綴じ部材612a、第3の綴じ部材613a及び第5の綴じ部材614aの基部が固定された第1の作動片630と第2の綴じ部材612b、第4の綴じ部材613b及び第6の綴じ部材614bの基部が固定された第2の作動片632とは、前記実施の形態の第1の作動片530および第2の作動片532と略同一に形成されている。
前記第1の作動片630の第1係合部636aの係合面と前記第2の作動片632の第2係合部636bの係合面とを、前記基準面LP1及び基準面LP2と略々同じ高さ又は低い高さにおいて係合されている。
前記第2の作動片632の第1係合部636aの係合面と前記第1の作動片630の第2係合部36bの係合面とを、前記基準面LP1及び基準面LP2と略々同じ高さ又は低い高さにおいて係合されている。
第1係合部636aは、第1の作動片の向こう側第1係合部636a1、第1作動片の手前側第1係合部636a2、第2の作動片の手前側第1係合部636a3及び第2の作動片の向こう側第1係合部636a4を含む。
第2係合部636bは、第2の作動片の向こう側第2係合部636b1、第2の作動片の手前側第2係合部636b2、第1の作動片の手前側第2係合部636b3及び第1の作動片の向こう側第2係合部636b4を含む。
また、この実施の形態においては、第1の作動片630及び第2の作動片632の長手方向における中央においても、第1係合部636a及び第2係合部636bが形成されている。
中央の第1係合部636a及び第2係合部636bは、第1の作動片の中央の凹み部830d5及び第1係合部636a5並びに第2の作動片の凹み部832d5及び第1係合部636a6が形成されている。
第1の作動片630及び第2の作動片632は、第1の作動片の向こう側凹み部830d、第1の作動片の手前側凹み部830e、第2の作動片の向こう側凹み部832d及び第2の作動片の手前側凹み部832eが形成され、且つ、第1の作動片の向こう側凹み部830dに第1の作動片の向こう側第1係合部636a1を形成され、第2の作動片の向こう側凹み部832dに第2の作動片の向こう側第2係合部636b1を形成され、第2の作動片の手前側凹み部832eに第2の作動片の手前側第1係合部636a3を形成され、第1の作動片の手前側凹み部830eに第1の作動片の手前側第2係合部636b3を形成され、第2の作動片の手前側凹み部832eに第1の作動片の手前側第1係合部636a2を形成され、第2の作動片の手前側凹み部832eに第2の作動片の手前側第2係合部636b2を形成され、第2の作動片の向こう側凹み部832dに第2の作動片の向こう側第1係合部636a4を形成され、第1の作動片の向こう側凹み部830dに第1の作動片の向こう側第2係合部636b4を形成されている。
なお、移動規制部は、前記図2図示実施の形態と同様に構成され、規制凹部630f、632fと規制凸部630g、632gも同様に形成されている。
移動規制部は、一方の第1の作動片630の突き合わせ縁630aに形成された規制凹部630f及び規制凸部630gと、他方の第2の作動片632の突き合わせ縁632aに形成された規制凹部632f及び規制凸部632gとから形成されているが、第1の綴じ環612,第2の綴じ環613,第3の綴じ環614を綴じ環係止部650において閉じたとき、一方の第1の作動片630の規制凹部630fは、係止された綴じ環係止部650が外れる方向に他方の綴じ部材が移動することを許容するように、他方の第2の作動片632の規制凸部632gの移動を許容できる長さに形成されている。
この実施の形態においては、第1の作動片630の突き合わせ縁630aに穿設された規制凹部630fの長さは、第1の作動片630及び第2の作動片632の長さ方向において、第2の作動片632の突き合わせ縁632aに突設された規制凸部632gの長さよりも長く形成され、また、第2の作動片632の突き合わせ縁632aに穿設された規制凹部632fの長さは、第2の作動片632及び第1の作動片630の長さ方向において、第1の作動片630の突き合わせ縁630aに突設された規制凸部630gの長さよりも長く形成されている。
而して、第1の綴じ環612,第2の綴じ環613,第3の綴じ環614に被綴じ物Sを綴じ込んだときに、綴具610の長さ方向において下方(手前側)のみに向けて荷重がかかったときには、綴じ環係止部650において、第2の綴じ部材612b,第4の綴じ部材613b,第6の綴じ部材614bが、係止された第1の綴じ部材612a,第3の綴じ部材613a,第5の綴じ部材614a側に向けて(下方(手前側)に向けて)転位して、第1の綴じ部材612a,第3の綴じ部材613a,第5の綴じ部材614aの綴じ環係止部650に強く喰い込み、被綴じ物Sの重みで綴じ環係止部650が脱係することがない。
しかも、保持部材616の向こう側の貫通孔626,第2の貫通孔627,手前側の貫通孔628は、保持部材616の長さ方向における位置が変化づけられていることと相俟って、より第1の綴じ環612,第2の綴じ環613,第3の綴じ環614の綴じ環係止部650が被綴じ物Sの重みで、綴具610の長さ方向において下方(手前側)のみに向けて荷重がかかったときには、脱係することを防ぐことができる。
そして、開閉部材640は、第1の作動片630の開閉部材固定部638a1と第2の作動片632の開閉部材固定部638b1とに跨って突き合わせ縁630a及び突き合わせ縁632aと斜めに交差するように架け渡され、すなわち斜交するように固定され、開閉部材642は、第1の作動片630の開閉部材固定部638a2と第2の作動片632の開閉部材固定部638b2とに跨って突き合わせ縁630a及び突き合わせ縁632aと斜めに交差するように架け渡され、すなわち斜交するように固定される。
開閉部材640の固定先端部640aは第1の作動片630の開閉部材固定部638a1に、固定先端部640bは第2の作動片632の開閉部材固定部638b1にそれぞれ固定され、開閉部材642の固定先端部642aは第1の作動片630の開閉部材固定部638a2に、固定先端部642bは第2の作動片632の開閉部材固定部638b2にそれぞれ固定される。
前記第1の作動片630は、前記突き合わせ縁630aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環612の基部と第3の綴じ環614の基部とを結ぶ方向(図39図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条630hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴じ環612の基部と第3の綴じ環614の基部とを結ぶ方向と平行で第1の作動片630の長さ方向にのびる。
前記突条630hは、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環612の基部と第3の綴じ環614の基部の間で、外側端縁630bにおいて、突出部630c3の近傍を除いて連続して、第1の綴じ環612及び第3の綴じ環614が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条630hは、第1の作動片630を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
また、前記第2の作動片632は、前記突き合わせ縁632aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環612の基部と第3の綴じ環614の基部とを結ぶ方向(図39図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条632hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴じ環612の基部と第3の綴じ環614の基部とを結ぶ方向と平行で第2の作動片632の長さ方向にのびる。
前記突条632hは、間隔をおいて設けられた第1の綴じ環612の基部と第3の綴じ環614の基部の間で、外側端縁632bにおいて、突出部632c3の近傍を除いて連続して、第1の綴じ環612及び第3の綴じ環614が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条632hは、第2の作動片632を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
したがって、第1の作動片630及び第2の作動片632は、第1の綴じ環612の基部と第3の綴じ環614の基部間におけるしなりが、突条630h及び突条632hにより防止される。
第1の作動片630は、基部で固定された第1の綴じ部材612a、第3の綴じ部材613a及び第5の綴じ部材614aの基部の近傍に、第1の作動片630を補強してしなりを少なくするために、ビード634a、ビード634b及びビード634eが上面に向けて突設されている。
第2の作動片632は、基部で固定された第2の綴じ部材612b、第4の綴じ部材613b及び第6の綴じ部材614bの基部の近傍に、第2の作動片632を補強してしなりを少なくするために、ビード634c、ビード634d及びビード634fが上面に向けて突設されている。
ビード634aは、第1の綴じ部材612aの基部と突出部630c1との間において第1の作動片630の長手方向にのびる第1直線部634a1と、突条630hの内側(第1の作動片630の幅方向における略々中央において)で第1の綴じ部材612aの基部の近傍から第1の作動片630の長手方向にのびる第2直線部634a2と、第1直線部634a1の内側端と第2直線部634a2の外側端との間を結ぶ斜線部634a3とを備え、第1の作動片630の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード634bは、第5の綴じ部材614aの基部と突出部630c2との間において第1の作動片630の長手方向にのびる第1直線部634b1と、突条630hの内側(第1の作動片630の幅方向における略々中央において)で第5の綴じ部材614aの基部の近傍から第1の作動片630の長手方向にのびる第2直線部634b2と、第1直線部634b1の内側端と第2直線部634b2の外側端との間を結ぶ斜線部634b3とを備え、第1の作動片630の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード634cは、第2の綴じ部材612bの基部と突出部632c1との間において第2の作動片632の長手方向にのびる第1直線部634c1と、突条632hの内側(第2の作動片632の幅方向における略々中央において)で第2の綴じ部材612bの基部の近傍から第2の作動片632の長手方向にのびる第2直線部634c2と、第1直線部634c1の内側端と第2直線部634c2の外側端との間を結ぶ斜線部634c3とを備え、第2の作動片632の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード634dは、第6の綴じ部材614bの基部と突出部632c2との間において第2の作動片632の長手方向にのびる第1直線部634d1と、突条632hの内側(第2の作動片632の幅方向における略々中央において)で第6の綴じ部材614bの基部の近傍から第2の作動片632の長手方向にのびる第2直線部634d2と、第1直線部634d1の内側端と第2直線部634d2の外側端との間を結ぶ斜線部634d3とを備え、第2の作動片632の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード634eは、第3の綴じ部材613aの基部と突出部630c3の間において、上下に分断された突条630hと突条630hとの間に跨って形成されている。
ビード634eは、第3の綴じ部材613aの基部と突出部630c3との間において第1の作動片630の長手方向にのびる第1直線部634e1と、突条630hの内側で第5の綴じ部材613aの基部の近傍から第1の作動片630の長手方向にのびる第2直線部634e2と、第1直線部634e1と第2直線部634e2との間を結ぶ斜線部634e3とを備え、第1の作動片630の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード634fは、第4の綴じ部材613bの基部と突出部632c3の間において、上下に分断された突条632hと突条632hとの間に跨って形成されている。
ビード634fは、第4の綴じ部材613bの基部と突出部632c3との間において第2の作動片632の長手方向にのびる第1直線部634f1と、突条632hの内側で第3の綴じ部材613bの基部の近傍から第2の作動片632の長手方向にのびる第2直線部634f2と、第1直線部634f1と第2直線部634f2との間を結ぶ斜線部634f3とを備え、第2の作動片632の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
開閉部材は、前記実施の形態の綴具においては、一対の作動片に対応して、1個が装填されていたが、この実施の形態の綴具においては、一対の作動片に、2個の開閉部材640及び開閉部材641を装填されている。また、合計2個の開閉部材640及び641のうち一方のみを装填してもよい。
突出部630c1は第1保持部660により、突出部630c2は第1保持部662により、突632c1は第2保持部664により、突出部632c2は第2保持部666により、それぞれ保持される。
また、突出部630c3は第3保持部661により、突出部632c3は第3保持部665により、それぞれ保持される。
前記実施の形態によれば、一対の作動片には、保持部材に形成された貫通孔に通される突出部が形成されているので、作動片に綴じ環の基部を例えばカシメ止めをしても作動片にかかるストレスを少なくするために面積を大きくすることができる。そのために、作動片全体の強度を増すことができる。
また、作動片の突出部を通す貫通孔と綴じ環を通す貫通孔を共通にすることができるために、保持部材の構造を簡略化して製造コストの引き下げを図ることができる。
開閉部材40と開閉部材固定部38a及び開閉部材固定部38bとは、次のように変更してもよい。
開閉部材40の一方の固定先端部42a及び開閉部材40の他方の固定先端部42bは、開閉部材40の一方の固定先端部42a及び開閉部材40の他方の固定先端部42bのようにその大きさや形状を変更してもよく、また、規制腕部46a及び規制腕部46bは、開閉部材40の規制腕部46a及び開閉部材40の規制腕部46bの長さを変えたり、規制腕部46a及び規制腕部46bのうち一方を無くしてもよい。
第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、更に次のように変更してもよい。
図42ないし50は、図2図示綴具の綴じ環を変更した別の実施の形態の図解図である。
綴具10は、環状の綴杆を構成する一対のそれぞれを閉じたとき略Dの字の環状となる金属製の第1の綴じ環12および第1の綴じ環12と対になる第2の綴じ環14と、前記第1の綴じ環12および第2の綴じ環14をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材16と、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とが保持部材16に固定されるように、表面側よりのびるように第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とを固定された一対の板状の作動片が保持部材16の内側に移動自在に固定された、作動部材18とを備える。
この綴具10の綴杆は、主綴杆たる第1の綴じ環12と副綴杆たる第2の綴じ環14とからなる開閉自在の2穴タイプであり、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とがその先端でかみあって略Dの字状になる。
第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とは、同一方向に向けて、その綴杆係止部150を指で外すことができるように構成されている。
そして、綴杆を閉じるときは、主綴杆たる第1の綴じ環12を、例えば親指と人差し指で直接挟んで閉じるように構成されており、第1の綴じ環12を2本の指で挟んで閉じる方向に作動させると、副綴杆たる第2の綴じ環14は追動するように構成されている。
第1の綴じ環12は、閉じたとき略Dの字状の綴じ環となるように、略直線状の第1の綴じ部材12aと略半円形状の第2の綴じ部材12bとから構成され、第2の綴じ環14は、閉じたときに略Dの字状の綴じ環となるように、略直線状の第3の綴じ部材14aと略半円形状の第4の綴じ部材14bとから構成されている。第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aは、直線状であり、第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bは、半円形状である。
そして、第1の綴じ部材12aと第2の綴じ部材12bとは、その先端において係合されて閉じられたとき、正面視略Dの字状の環状になるように構成され、また、第3の綴じ部材14aと第4の綴じ部材14bとは、その先端において係合されて閉じられたとき、正面視略Dの字状の環状になるように構成される。
第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aは、閉じたときに傾斜した円柱状であり、第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bの下端縁とは斜交する方向に向かうように構成され、そして、開いたときに、直円柱状であり、第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bの下端縁とは直交する方向に向かうように構成されている。
この綴具10は、表表紙312と、裏表紙314と、前記表表紙312と裏表紙314との間に形成された背表紙316とを有する表紙310における、前記裏表紙314に固定され、前記一方の綴じ部材12b,14bと他方の綴じ部材12a,14aが前記作動片30,32の移動に伴って開かれたときに、他方の綴じ部材12a,14aは、背表紙316に直交するように、第1の作動片30に固定されている。
そして、用紙等の被綴じ物Sに予め穿設された綴じ孔に挿通して、用紙等の被綴じ物Sを綴じることができるように、第1の綴じ部材12aおよび第2の綴じ部材12bの先端と、第3の綴じ部材14a及び第4の綴じ部材14bの先端、すなわち第1の綴じ環12および第2の綴じ環14の頂部において、綴杆係止部150が形成されている。そして、第1の綴じ環12および第2の綴じ環14が開かれたとき、第1の綴じ部材12aと第2の綴じ部材12bとは、その先端が離れ間隔があくが、第1の綴じ部材12aは、垂直状になり、また、第3の綴じ部材14aと第4の綴じ部材14bとは、その先端が離れ間隔があくが、第3の綴じ部材14aは垂直状になる。
而して、第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aを、用紙等の被綴じ物Sに予め穿設された綴じ孔に挿通して用紙等の被綴じ物Sを綴じるとき、被綴じ物Sの綴じ孔を第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aに挿し通し易い。
そして、第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aと一定の間隔をおいて開かれた第2の綴じ部材12bと及び第4の綴じ部材14bの先端をガイドとして、被綴じ物Sの端縁を滑らせながら、第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aに被綴じ物Sの綴じ孔を挿通することができる。
前記綴杆を構成する第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、断面円形状金属製線材を、綴杆係止部150を外す方向(図7のO1及びO2の方向)にのばし、且つ中央部分を押さえることによって綴杆を閉じる方向に対してわん曲させて形成されている。そして、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、中央が綴杆を開く方向(第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aは、図7のO3方向、第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bは、図7のO4方向)に膨み且つ両端が綴杆を閉じる方向にわん曲した断面略空豆(ビーンズ)型の形状に形成されている。
すなわち、環状の第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14を開閉方向に見て、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の内側は波状起伏面が形成され、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の外側は半円弧状に形成されている。そして、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、綴杆を外す方向に見て、両外側が、半円弧状に形成されている。
従来の断面形状丸型の綴杆は、小径だと変形に弱く、大径にすれば断面積が増して材料費がかさみ、従来の断面形状略長方形の綴杆は、用紙にあける綴じ穴には丸穴が多いので、用紙等の被綴じ物Sの綴じ穴に対応しにくく、用紙等の被綴じ物Sの綴じ穴を傷つけるおそれがある。
ところが、綴杆を構成する第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、細いならば綴杆係止部150の嵌合がうまくゆかないときがある。
そのために、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の幅を広げたいが、元の線材として断面積の小さいものを使用しても、元の金属製線材を加工することにより綴杆としては必要な幅が確保されるようにしたい。
そこで、本願発明にかかる綴杆は、それを形成する線材の中央部分を押さえて線材を空豆(ビーンズ)型につぶすことにより全体としての幅を広げ、すなわち、綴杆の全体の幅を綴杆係止部150を外す方向に広げて、綴杆係止部150の嵌合を完全にできるように形成している。
この実施の形態においては、第1の綴じ環12を構成する第2の綴じ部材12bと第2の綴じ環14を構成する第4の綴じ部材14bとは、同じ形状、すなわち曲率(曲率半径)が同じものである。
第1の綴じ環12を構成する第1の綴じ部材12a及び第2の綴じ部材12bは、第1の綴じ部材12aの自由端の綴杆係止部150と、第2の綴じ部材12bの自由端の綴杆係止部150とを係止することにより、環状に連結される。
また、第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14aと第4の綴じ部材14bとは、第3の綴じ部材14aの自由端の綴杆係止部150と、第4の綴じ部材14bの自由端の綴杆係止部150とを係止することにより、環状に連結される。
第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、それぞれの基部が第1の作動片30及び第2の作動片32に固着された部分(4箇所)を通る左右軸Y1,Y2および前後軸X1,X2(図7図示)を含む平面Pxyと垂直な平面を構成するように、第1の作動片30と第2の作動片32より立設されている。そして、第1の綴じ環12の軸Z1(図7図示)が構成する環面と第2の綴じ環14の軸Z2(図7図示)が構成する環面とは、平行で、且つ、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14が第1の作動片30と第2の作動片32と固着された部位を通る平面Pxyと垂直となるように構成されている。
前記綴杆は、図47〜図48に示すように、直接指で閉じられる主綴杆たる第1の綴じ環12と、該第1の綴じ環12の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆たる第2の綴じ環14とにより構成されている。
そして、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とは、同一方向(図7のO1及びO2方向)に向けて、その綴杆係止部150を指で外すことができるように構成されている。
第1の綴じ環12を構成する第1の綴じ部材12aの先端に形成された綴杆係止部150を構成する先端の凹部152bと、第2の綴じ部材12bの綴杆係止部150を構成する先端の凸部152aとは、第1の綴じ環12を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。
第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14aの先端に形成された綴杆係止部150を構成する先端の凹部154bと、第4の綴じ部材14bの綴杆係止部150を構成する先端の凸部154aとは、第2の綴じ環14を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。
第1の綴じ部材12aの凹部152bは、第1の綴じ部材12aののびる方向とは交差する方向であって、第1の作動片30の移動する方向O1方向にのびるように突設されている。
第2の綴じ部材12bの凸部152aは、第2の綴じ部材12bののびる方向とは交差する方向であって、第2の作動片32の移動する方向O2方向にのびるように穿設されている。
同様に、第3の綴じ部材14aの凹部154bは、第3の綴じ部材14aののびる方向とは交差する方向であって第1の作動片30の移動する方向O1方向にのびるように穿設されている。
第4の綴じ部材14bの凸部154aは、第4の綴じ部材14bののびる方向とは交差する方向であって、第2の作動片32の移動する方向O2方向にのびるように突設されている。
第2の綴じ部材12bの綴杆係止部150を構成する凸部152a及び第4の綴じ部材14bの綴杆係止部150を構成する凸部154aは、同一方向に向けて突き出し設けられ、両方が同一形状に形成されている。
また、第1の綴じ部材12aの綴杆係止部150を構成する凹部152b及び第3の綴じ部材14aの綴杆係止部150を構成する凹部154bは、同一方向に向けて凹み形成され、両方が同一形状に形成されている。
凸部152aの最高部と最低部との間の距離L1及び凸部154aの最高部と最低部との間の距離L1は、綴じ環係止部50を脱係するときに関係する長さである。
そして、この実施の形態においては、凸部152aの最高部と最低部との間の距離L1及び凸部154aの最高部と最低部との間の距離L1は、第1の綴じ部材12aの手前側縁と手前側の孔縁26a2との間の距離L2と第2の綴じ部材12bの向こう側と向こう側の貫通孔26の向こう側の孔縁26b1との間の距離L3との和より短くなるように構成され、第1の綴じ環12をねじって綴じ環係止部50を脱係させることができるように構成されている。
同様に、凸部152aの最高部と最低部との間の距離L1及び凸部154aの最高部と最低部との間の距離L1は、第3の綴じ部材14aの手前側縁と手前側の貫通孔28の手前側の孔縁28a2との間の距離L2と第4の綴じ部材14bの向こう側と手前側の貫通孔28の向こう側の孔縁28b1との間の距離L3との和より短くなるように構成され、第2の綴じ環14をねじって綴じ環係止部50を脱係させることができるように構成されている。
しかしながら、B側貫通孔26a及びB側貫通孔28aは、係止された状態にある第1の綴じ部材12aの綴じ環係止部50が綴じられた被綴じ物Sの重みで綴具10の長さ方向において下方(手前側)に向けてのみ荷重がかかったときには、綴じ環係止部50の外れる方向O1に移動することを規制することができるように、第1の綴じ環12と第2の綴じ環14とが閉じられたとき、前記距離L1より前記距離L2の方が短くなるように構成されている。
そして、作動部材18及び開閉部材40は、第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14aの凹部154bと第4の綴じ部材14bの凸部154aとを開く方向に作用し、そして、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aの凹部152bと第2の綴じ部材12bの凸部152aとを引き離す方向に作用するとともに、第2の綴じ環14を構成する第3の綴じ部材14aの凹部154bと第4の綴じ部材14bの凸部154aとを引き離すように作用する。
このように、この実施の形態においては、第1の綴じ環12又は第2の綴じ環14の頂部を指でねじることにより、第1の綴じ環12の第1の綴じ部材12aおよび第2の綴じ部材12bの綴杆係止部150と、第2の綴じ環14の第3の綴じ部材14aおよび第4の綴じ部材14bの綴杆係止部150を外すことができる。
第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14は、被綴じ物Sを綴じられて綴具10の長さ方向に表紙COが立てられているとき、不意に過大な負荷がかかっても、一方の第1の綴じ部材12a及び第3の綴じ部材14aが、B側貫通孔26a及びB側貫通孔28aで、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14の綴じ環係止部50を脱係させる方向O1に移動することを阻止されるとともに、第2の綴じ部材12b及び第4の綴じ部材14bがA側貫通孔26b及びA側貫通孔28bによって移動を規制されることなく、第2の綴じ部材12bの綴じ環係止部50が第1の綴じ部材12aの綴じ環係止部50に食い込み且つ第4の綴じ部材14bの綴じ環係止部50が第3の綴じ部材14aの綴じ環係止部50に食い込むことにより、第1の綴じ環12及び第2の綴じ環14が脱係して開くことを阻止される。
この発明に係る綴具は、ファイル・バインダ等の用箋等を綴じる綴具として用いることができる。
C 中心,中央
CO,310 表紙
S 被綴じ物
10,510,610 綴具
12,412,512,612 第1の綴じ環
14,414,513,613 第2の綴じ環
514,614 第3の綴じ環
515 第4の綴じ環
12a,412a,512a,612a 第1の綴じ部材
12b,412b,512b,612b 第2の綴じ部材
14a,414a,513a,613a 第3の綴じ部材
14b,414b,513b,613b 第4の綴じ部材
514a,614a 第5の綴じ部材
514b,614b 第6の綴じ部材
515a 第7の綴じ部材
515b 第8の綴じ部材
16,516,616 保持部材
18,518,618 作動部材
20,520,620 取付孔
22,522,622 被綴じ物載置部
22a 膨出部
24,524,624 保持壁
24a,524a,624a 第1の保持壁
24b,524b,624b 第2の保持壁
26,526,626 向こう側の貫通孔
28,527,627 手前側の貫通孔
26a,28a,526a,527a,528a,529a,626a,627a,628a B側貫通孔
26b,28b,526b,527b,528b,529b,626b,627b,628b A側貫通孔
26a1,26b1,28a1,28b1 向こう側の孔縁
26a2,26b2,28a2,28b2 手前側の孔縁
528,628 第3の貫通孔
529 第4の貫通孔
30,530,630 第1の作動片
30a,530a,630a 突き合わせ縁
30b,530b,630b 外側端縁
30c1,30c2,530c1,530c2,530c3,630c3,630c1,630c2 突出部
30d,730d,830d 第1の作動片の向こう側凹み部
30e,730e,830e 第1の作動片の手前側凹み部
30f,530f,630f 規制凹部
30g,530g,630g 規制凸部
30h,530h,630h 突条
32,532,632 第2の作動片
32a,532a,632a 突き合わせ縁
32b,532b,632b 外側端縁
32c1,32c2,532c1,532c2,532c3,632c1,632c2,632c3 突出部
32d,732d,832d 第2の作動片の向こう側凹み部
32e,732e,832e 第2の作動片の手前側凹み部
32f,532f,632f 規制凹部
32g,532g,632g 規制凸部
32h,532h,632h 突条
234a,234b,234c,234d,534a,534b,534c,534d,534e,534f,634a,634b,634c,634d,634e,634f ビード
234a1,234b1,234c1,234d1,534a1,534b1,534c1,534d1,634a1,634b1,634c1,634d1,634e1,634f1 第1直線部
234a2,234b2,234c2,234d2,534a2,534b2,534c2,534d2,634a2,634b2,634c2,634d2,634e2,634f2 第2直線部
234a3,234b3,234c3,234d3,534a3,534b3,534c3,534d3,634a3,634b3,634c3,634d3,634e3,634f3 斜線部
36a,36b, 凹み
36a 第1係合部
36a1,536a1,636a1 第1の作動片の向こう側第1係合部
36a2,536a2,636a2 第1の作動片の手前側第1係合部
36a3,536a3,636a3 第2の作動片の手前側第1係合部
36a4,536a4,636a4 第2の作動片の向こう側第1係合部
36b 第2係合部
36b1,536b1,636b1 第2の作動片の向こう側第2係合部
36b2,536b2,636b2 第2の作動片の手前側第2係合部
36b3,536b3,636b3 第1の作動片の手前側第2係合部
36b4,536b4,636b4 第1の作動片の向こう側第2係合部
38a,38b,538a1,538a2,538b1,538b2,638a1,638a2,638b1,638b2 開閉部材固定部
38a1,38b1 係止基部
38a2,38b2 係止外れ止め部
40,540,542,640,642 開閉部材
42a,540a,542a,640a,642a 開閉部材の一方の固定先端部
42b,540b,542b,640b,642b 開閉部材の他方の固定先端部
44 巻線部
46a,46b 規制腕部
50,150,550,650 綴じ環係止部
52a,54a,152a,154a,56a,58a 凸部
52b,54b,152b,154b,56b,58b 凹部
52c,54c,56c,58c 凸部の傾斜対向面
52d,54d,56d,58d 凹部の傾斜対向面
60,62,160,162,560,562,660,662 第1の保持部
64,66,164,166,564,566,664,666 第2の保持部
561,565,661,665 第3の保持部
68a,70a,72a,74a 切り込み
300 ファイル・バインダ
310 表紙
312 表表紙
314 裏表紙
316 背表紙
318A,318B 薄肉ヒンジ部
320 連設部
322 綴じ環固定手段

Claims (4)

  1. 開閉自在の一方の綴じ部材と他方の綴じ部材とを備えた綴じ環と、
    前記複数の綴じ環を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、
    表面側よりのびるように一方の綴じ部材と他方の綴じ部材とを別々に独立して固定された一対の作動片が、前記綴じ環を開閉するときに、保持部材内で、保持部材の長さ方向に移動自在に保持されるように形成された、作動部材と、
    前記作動部材に固定された開閉部材とを備えた、綴具であって、
    前記保持部材は、
    一方の綴じ部材と他方の綴じ部材とを間隔をおいて遊貫するための、一方の貫通孔と他方の貫通孔とが、一方の綴じ部材と、他方の綴じ部材とに対応して、保持部材の幅方向において間隔をおいて穿設され、
    前記綴じ環を綴じ環係止部において係止して閉じたときに、一方の貫通孔は、一方の綴じ部材の係止された綴じ環係止部が外れる方向に一方の綴じ部材が移動することを規制するように形成されるとともに、他方の貫通孔は、他方の綴じ部材の係止された綴じ環係止部が係止される方向に他方の綴じ部材が移動することを許容するように形成され、
    前記作動部材は、
    一方の作動片には綴じ環の一方の基部が固定され、他方の作動片には綴じ環の他方の基部が固定され、
    一方の作動片と他方の作動片とが、前記綴じ環を閉じたときに、一方の綴じ部材の綴じ環係止部と他方の綴じ環係止部とが係止されるように、その突き合わせ縁が突き合わせた状態において、保持部材に固定され、
    一方の作動片及び他方の作動片は、一方の作動片及び他方の作動片の長さ方向への移動を規制する移動規制部が形成され、
    前記移動規制部は、一方の作動片の突き合わせ縁に形成された規制凹部及び規制凸部と、他方の作動片の突き合わせ縁に形成された規制凹部及び規制凸部とから形成され、
    綴じ環を綴じ環係止部において閉じたとき、一方の作動片の規制凹部は、綴じ部材の係止された綴じ環係止部が外れる方向に他方の綴じ部材が移動することを許容するように、他方の作動片の規制凸部の移動を許容できる長さに形成された、綴具。
  2. 一方の貫通孔の手前側縁と他方の貫通孔の手前側縁とは、保持部材の長さ方向における位置が変化づけられ、一方の貫通孔の手前側縁の方が他方の貫通孔の手前側縁より向こう側に位置づけられた、請求項1に記載の綴具。
  3. 規制凹部は、突き合わせ縁より幅方向において凹んだ平面視コ字型の欠きであり、規制凸部は、前記規制凹部と遊嵌するように形成された平面視コ字型の凸起であり、規制凹部に規制凸部が遊嵌されて、規制凹部内において一方の作動片と他方の作動片とがその長さ方向に互い違いに移動するように形成されている、請求項1又は請求項2に記載の綴具。
  4. 綴じ環が閉じられているときに、綴じ環をねじられて綴じ環が開かれるときには、一方の綴じ部材が綴じ環係止部の係合を外す側である手前側に移動するともに他方の綴じ部材が綴じ環係止部の係合を外す側である向こう側に移動するために、一方の綴じ部材を貫挿された一方の貫通孔は、一方の綴じ部材の移動を許容するように形成され、他方の綴じ部材を貫挿された他方の貫通孔は、他方の綴じ部材の移動を許容するように形成され、且つ、移動規制部は、一方の綴じ部材の移動を許容するように形成され、他方の綴じ部材の移動を許容するように形成されるとともに、
    綴じ環に被綴じ物による一方の綴じ部材の綴じ環係止部の係合を外す方向にのみ過負荷がかかったときには、一方の綴じ部材を貫挿された一方の貫通孔は、一方の綴じ部材の綴じ環係止部の係合を外す側に移動した一方の綴じ部材の移動を停止するように形成され、他方の綴じ部材を貫挿された他方の貫通孔は、他方の綴じ部材が停止した一方の綴じ部材に向けて更に移動することを許容するように形成され、且つ、移動規制部は、一方の綴じ部材の綴じ環係止部の係合を外す側に移動した一方の綴じ部材に向けて、他方の綴じ部材が更に移動することを許容するように形成されている、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の綴具。
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