JP2010172901A - スポット溶接用電極アームの補修用チップベース及び該補修用チップベースを用いたスポット溶接用電極アームの再生産方法 - Google Patents

スポット溶接用電極アームの補修用チップベース及び該補修用チップベースを用いたスポット溶接用電極アームの再生産方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水漏れが発生するようになったチップベース部を低コストで再生し得るスポット溶接用電極アームの補修用チップベース及び該補修用チップベースを用いたスポット溶接用電極アームの再生産方法を提供する。
【解決手段】電極チップを外嵌保持するチップベース部と同一形状に形成され、かつ内部にチップベース部の通水用の連通孔と内径及び位置が略一致する貫通孔18,19が形成された胴部17と、内部を前記貫通孔18,19と連続させて、前記胴部17の下端面から突設された位置決め筒部21,21とを備えてなる補修用チップベース16Aを、スポット溶接用電極アームのチップベース部を切除した部分に接合するようにした。これにより、スポット溶接用電極アーム自体を新品に交換する場合に比して、大幅なコスト低減が可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、スポット溶接用電極アームの補修用チップベース及び該補修用チップベースを用いたスポット溶接用電極アームの再生産方法に関する。
スポット溶接に用いられる電極アームが知られている(例えば、特許文献1参照)。一般に、かかるスポット溶接用電極アームにあっては、図10(A),(B)、図11に示すように、アーム本体2の先端平滑面2’に、キャップ形の電極チップ3を外嵌保持するチップベース部4が突設されるとともに、該チップベース部4内に、アーム本体2内の通水路5,6と電極チップ3の内空部7とを連通する連通孔8,9が形成されている。前記通水路5,6のうちの一方の通水路5は連通孔8を介して電極チップ3の内空部7へ冷却水を供給する供給用であり、他方の通水路6は連通孔9を介して内空部7から冷却に使用した水を排出する排出用となっている。
また、上記のような二本の通水路5,6を備えるもの以外に、図12に示すように、アーム本体2の先端平滑面2’に突設されたチップベース部4内に、アーム本体2内の比較的径大な単一の通水路10と電極チップ3の内空部7とを連通する連通孔11が形成されたスポット溶接用電極アーム1Bも知られている。このスポット溶接用電極アーム1Bの通水路10には、連通孔11を介して電極チップ3の内空部7に至る給水パイプ12が挿通されており、該給水パイプ12の先端から内空部7へ放出された冷却水は、給水パイプ12の周囲に生じる空間13を通って排水されるようになっている。
特開2001−340969号公報
ところで、チップベース部4に外嵌保持される電極チップ3は、チップベース部4の外周面に形成されたテーパ面部14と、該テーパ面部14と同一勾配で電極チップ3内に形成されたテーパ状嵌合孔15との強制嵌合によって着脱可能に保持されており、その強制嵌合部の圧着によって水密性が確保されている。しかしながら、電極チップ3は、必要に応じて交換されるものであり、この交換作業に際しては、チップベース部4に強制嵌合された電極チップ3を強引に捻ったり、こじったりしてチップベース部4から離脱させているのであるが、このような強引な離脱操作が繰り返される結果、チップベース部4のテーパ面部14に摩耗,変形,損傷等が生じ、これに起因して強制嵌合部から水漏れが発生することとなる。そして、このような水漏れが発生するようになった場合には、スポット溶接用電極アーム1A,1B自体を新品のものに交換しなくてはならず、そのコストが高いという問題点があった。
本発明は、かかる従来の実状を改善するためになされたものであって、水漏れが発生するようになったチップベース部を低コストで再生し得るスポット溶接用電極アームの補修用チップベース及び該補修用チップベースを用いたスポット溶接用電極アームの再生産方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、アーム本体の先端平滑面に、キャップ形の電極チップを外嵌保持するチップベース部が突設されるとともに、該チップベース部内に、アーム本体内の通水路と電極チップの内空部とを連通する連通孔が形成されたスポット溶接用電極アームの補修に用いるものであって、前記チップベース部と同一形状に形成され、かつ内部に前記連通孔と内径及び位置が略一致する貫通孔が形成された胴部と、内部を前記貫通孔と連続させて、前記胴部の下端面から突設された位置決め筒部とを備えてなることを特徴とするスポット溶接用電極アームの補修用チップベースである。
ここで、補修用チップベースの胴部に形成される貫通孔は、アーム本体内の通水路の形態に合わせて二本とする場合と、一本とする場合とがある。また、位置決め筒部は、貫通孔が二本の場合、別体形成したものを胴部に嵌入して組み付けることができ、貫通孔が一本の場合は、胴部と一体形成することができる。
前記補修用チップベースにあって、胴部の下端外周部に、胴部の下端面から上部外方へ向けて傾斜する傾斜下面を備えたロウ付け用鍔縁が周設されている構成が提案される。
また、本発明は、アーム本体の先端平滑面に、キャップ形の電極チップを外嵌保持するチップベース部が突設されるとともに、該チップベース部内に、アーム本体内の通水路と電極チップの内空部とを連通する連通孔が形成されたスポット溶接用電極アームの、そのチップベース部をアーム本体の先端平滑面と面一となる位置で切除する工程と、チップベース部の切除によりアーム本体の先端平滑面に露出する通水路の開口部に補修用チップベースの位置決め筒部を嵌入する工程と、前記通水路の開口部に位置決め筒部を嵌入した状態で、補修用チップベースの下端外周部とアーム本体の先端平滑面とを接合する工程とを順に行うことを特徴とするスポット溶接用電極アームの再生産方法である。
ここで、補修用チップベースの下端外周部とアーム本体の先端平滑面との接合には、銀ロウを用いたロウ付けによる接合手段が適用され得る。この銀ロウを用いたロウ付けにあっては、接合強度が高く、かつ、接合部における優れた水密性を得ることができる。
さらに、前記スポット溶接用電極アームの再生産方法にあって、チップベース部を切除した後、位置決め筒部の嵌入が可能となるように、アーム本体の先端平滑面に露出する通水路の開口部の内径及び/又は位置を研削により修正する工程を備えた構成が提案される。
ここで、アーム本体内からチップベース部内の連通孔に繋がる部分の通水路の内径及び/又は位置は、各製造メーカー間で略同じではあるが、統一規格に基づいて形成されるものではないため、チップベース部を切除するとアーム本体の先端平滑面に露出する通水路の開口部が、位置決め筒部の外径及び/又は位置に一致しない場合もある。このような場合に前記工程によって、通水路の開口部の内径及び/又は位置を修正することにより、開口部への位置決め筒部の嵌入を可能にすることができる。
本発明は、上述したように、アーム本体の先端平滑面に、キャップ形の電極チップを外嵌保持するチップベース部が突設されるとともに、該チップベース部内に、アーム本体内の通水路と電極チップの内空部とを連通する連通孔が形成されたスポット溶接用電極アームの補修に用いるものであって、前記チップベース部と同一形状に形成され、かつ内部に前記連通孔と内径及び位置が略一致する貫通孔が形成された胴部と、内部を前記貫通孔と連続させて、前記胴部の下端面から突設された位置決め筒部とを備えてなるスポット溶接用電極アームの補修用チップベースであるから、水漏れが発生するようになった既存のチップベース部をアーム本体の先端平滑面から切除して、補修用チップベースに交換することにより、従来のようにスポット溶接用電極アーム自体を新品に交換する場合に比して、大幅なコストの低減が可能となる。ここで、補修用チップベースは、既存のチップベース部を切除したアーム本体の先端平滑面にロウ付けによって接合することにより交換し得るが、このロウ付け作業に際して、チップベース部の切除によってアーム本体の先端平滑面に露出する通水路の開口部に、補修用チップベースの胴部の下端面から突設された位置決め筒部を嵌入することにより、補修用チップベースの適正位置からのずれを防止することができ、また、ロウ付けに用いる銀ロウが通水路の開口部へ流入することを防止することができる。
また、前記補修用チップベースにあって、胴部の下端外周部に、胴部の下端面から上部外方へ向けて傾斜する傾斜下面を備えたロウ付け用鍔縁が周設されている構成にあっては、チップベース部の切除によってアーム本体の先端平滑面に露出する通水路の開口部に、位置決め筒部を嵌入して、胴部の下端面をアーム本体の先端平滑面に密着させると、該平滑面とロウ付け用鍔縁の傾斜下面とによって、奥部が先狭まりとなる断面略三角形の環状の隙間が胴部の下端外周部とアーム本体の先端平滑面との間に形成される。そして、該隙間に、ロウ付けに用いる銀ロウを毛細管現象を介して浸透供給することによって、アーム本体の先端平滑面と補修用チップベースの下端外周部とをその周方向に亘って均一に接合することができるとともに、その接合部の水密性を得ることができる。また、ロウ付け用鍔縁によって胴部の上部外周面への銀ロウの伝播を遮断することができ、電極チップの外嵌保持作用が損なわれることがない。
また、本発明は、既存のチップベース部をアーム本体の先端平滑面と面一となる位置で切除する工程と、該チップベース部の切除によりアーム本体の先端平滑面に露出する通水路の開口部に補修用チップベースの位置決め筒部を嵌入する工程と、前記通水路の開口部に位置決め筒部を嵌入した状態で、補修用チップベースの下端外周部とアーム本体の先端平滑面とを接合する工程とを順に行うスポット溶接用電極アームの再生産方法であるから、上述した補修用チップベースを用いて、水漏れが発生するようになったチップベース部を再生することにより、スポット溶接用電極アームを簡単に再生産することができる。
さらに、前記スポット溶接用電極アームの再生産方法にあって、チップベース部を切除した後、位置決め筒部の嵌入が可能となるように、アーム本体の先端平滑面に露出する通水路の開口部の内径及び/又は位置を研削により修正する工程を備えた構成にあっては、チップベース部の切除により、アーム本体の先端平滑面に露出する通水路の開口部が、位置決め筒部の外径及び/又は位置に一致しない場合であっても、かかる工程によって通水路の開口部の内径及び/又は位置を修正することにより、開口部への位置決め筒部の嵌入が可能となる。
第一実施例にかかる補修用チップベース16Aの外観斜視図である。 同上の補修用チップベース16Aを示し、(A)は平面図、(B)は縦断面図、(C)は底面図である。 同上の補修用チップベース16Aを用いたスポット溶接用電極アーム1Aの補修方法を示す説明図である。 図3に続くスポット溶接用電極アーム1Aの補修方法を示す説明図である。 図4に続くスポット溶接用電極アーム1Aの補修方法を示す説明図である。 第二実施例にかかる補修用チップベース16Bの外観斜視図である。 同上の補修用チップベース16Bを示し、(A)は平面図、(B)は縦断面図、(C)は底面図である。 同上の補修用チップベース16Bを用いたスポット溶接用電極アーム1Bの補修方法を示す説明図である。 図8に続くスポット溶接用電極アーム1Bの補修方法を示す説明図である。 スポット溶接用電極アーム1Aを示し、(A)は一部切欠正面図、(B)は平面図である。 同上のスポット溶接用電極アーム1Aのチップベース部4部分の縦断側面図である。 スポット溶接用電極アーム1Bの一部切欠正面図である。
以下に、本発明にかかる補修用チップベースの第一実施例を、図1〜図5に基づいて説明する。この第一実施例における補修用チップベース16Aは、図10(A),(B)、図11に示すように、アーム本体2内に二本の通水路5,6を備えたスポット溶接用電極アーム1Aに適用されるものである。このスポット溶接用電極アーム1Aにあって、アーム本体2に一体形成された既存のチップベース部4の内部には、アーム本体2内の通水路5,6と電極チップ3の内空部7とを連通する連通孔8,9が形成されており、また、該チップベース部4の外周面には、先細り状に縮径するテーパ面部14が形成されている。
補修用チップベース16Aは、図1,図2に示すように、前記チップベース部4と同一形状に形成された胴部17と、該胴部17の下端面から突設された位置決め筒部21,21とを備えている。胴部17の内部には、前記連通孔8,9と内径及び位置が略一致する貫通孔18,19が形成されており、該胴部17の外周面には、上方に至るに従って先細り状に縮径する前記テーパ面部14と同一のテーパ面部20が形成されている。また、位置決め筒部21,21は夫々銅製のパイプ材からなり、各パイプ材の上部を貫通孔18,19の下部に強制嵌入することによって胴部17に組み付けられており、各パイプ材の下部を胴部17の下端面から突出させて、その突出部を位置決め筒部21,21としている。また、位置決め筒部21,21の内径は、図2(B)に示すように、貫通孔18,19の内径と一致しており、これによって位置決め筒部21,21の内部を貫通孔18,19の内部と夫々同一内径で連続させるようにしている。
また、前記胴部17の下端外周部には、胴部17の下端面から上部外方へ向けて傾斜する傾斜下面23を備えたロウ付け用鍔縁22が周設されている。
この補修用チップベース16A及び後述する補修用チップベース16Bの素材としては、ベリリウム銅またはクロム銅が用いられ得るが、クロム銅は電導度が高い反面、耐久性が劣るため、ベリリウム銅を素材とすることが好ましい。
次に、かかる補修用チップベース16Aを用いたスポット溶接用電極アーム1Aの補修方法について説明する。尚、この補修方法は、本発明にかかるスポット溶接用電極アームの再生産方法となる。
図3(A)は、チップベース部4が破損して水漏れが発生するようになった補修対象としてのスポット溶接用電極アーム1Aを示す。このスポット溶接用電極アーム1Aを補修するには、先ず、このスポット溶接用電極アーム1Aのチップベース部4を、グラインダ等を用いて、図3(B)に示すように、アーム本体2の先端平滑面2’と面一となる位置で切除する。これにより、図3(C)に示すように、アーム本体2の先端平滑面2’に通水路5,6の開口部24,24が露出することとなる。ここで、該開口部24,24が、補修用チップベース16Aの位置決め筒部21,21の外径や位置に一致していない場合には、位置決め筒部21,21の嵌入が可能となるように開口部24,24の内径や位置を研削により修正する。次に、図4(A)に示すように、補修用チップベース16Aの位置決め筒部21,21を上方から開口部24,24に嵌入し、図4(B)に示すように、胴部17の下端面をアーム本体2の先端平滑面2’に密着させる。
このように、位置決め筒部21,21を開口部24,24に嵌入することにより、補修用チップベース16Aとアーム本体2とのロウ付け時に、補修用チップベース16Aが適正位置からずれることがなく、ロウ付けに用いる銀ロウが通水路5,6の開口部24,24へ流入することもない。また、胴部17の下端面をアーム本体2の先端平滑面2’に密着させることにより、該平滑面2’とロウ付け用鍔縁22の傾斜下面23とによって、奥部が先狭まりとなる断面略三角形の環状の隙間sが胴部17の下端外周部とアーム本体2の先端平滑面2’との間に形成されることとなる。
次いで、上記のように通水路5,6の開口部24,24に位置決め筒部21,21を嵌入した状態でアーム本体2と補修用チップベース16Aをガストーチで加熱し、補修用チップベース16Aの下端外周部とアーム本体2の先端平滑面2’とをロウ付けにより接合する。このロウ付けは、図4(B)に示すように、前記隙間sに対して行われ、ロウ付けに用いる溶融した銀ロウ25が毛細管現象を介して隙間sに浸透供給されることによって、図5に示すように、アーム本体2の先端平滑面2’と補修用チップベース16Aの下端外周部とがその周方向に亘って均一に接合される。これにより、その接合部の水密性を得ることができ、また、ロウ付け用鍔縁22によって胴部17の上部外周面への銀ロウ25の伝播が遮断され、該銀ロウ25が胴部17の上部外周面に付着することがない。
図6,図7は、第二実施例にかかる補修用チップベース16Bを示し、この補修用チップベース16Bは、図12に示すように、アーム本体2内に比較的径大な単一の通水路10を備えたスポット溶接用電極アーム1Bに適用されるものである。このスポット溶接用電極アーム1Bにあって、アーム本体2に一体形成された既存のチップベース部4の内部には、アーム本体2内の通水路10と電極チップ3の内空部7とを連通する連通孔11が形成されており、また、該チップベース部4の外周面には、先細り状に縮径するテーパ面部14が形成されている。
補修用チップベース16Bは、図6,図7に示すように、前記チップベース部4と同一形状に形成された胴部17と、該胴部17の下端面から突設された位置決め筒部26とを備えている。胴部17の内部には、前記連通孔11と内径及び位置が略一致する貫通孔27が形成されており、該胴部17の外周面には、上方に至るに従って先細り状に縮径する前記テーパ面部14と同一のテーパ面部20が形成されている。また、位置決め筒部26は胴部17と一体に形成されており、その内部が貫通孔27と連続している。
また、前記胴部17の下端外周部には、胴部17の下端面から上部外方へ向けて傾斜する傾斜下面23を備えたロウ付け用鍔縁22が周設されている。
かかる補修用チップベース16Bを用いたスポット溶接用電極アーム1Bの補修方法について説明する。尚、この補修方法は、本発明にかかるスポット溶接用電極アームの再生産方法となる。
図8(A)は、チップベース部4が破損して水漏れが発生するようになった補修対象としてのスポット溶接用電極アーム1Bを示す。このスポット溶接用電極アーム1Bを補修するには、先ず、このスポット溶接用電極アーム1Bのチップベース部4を、グラインダ等を用いて、図8(B)に示すように、アーム本体2の先端平滑面2’と面一となる位置で切除する。これにより、図8(C)に示すように、アーム本体2の先端平滑面2’に通水路10の開口部28が露出することとなる。ここで、該開口部28の内径が、補修用チップベース16Bの位置決め筒部26の外径に一致していない場合には、位置決め筒部26の嵌入が可能となるように開口部28の内径を研削により修正する。次に、図9(A)に示すように、補修用チップベース16Bの位置決め筒部26を上方から開口部28に嵌入し、図9(B)に示すように、胴部17の下端面をアーム本体2の先端平滑面2’に密着させる。
このように、位置決め筒部26を開口部28に嵌入することにより、補修用チップベース16Bとアーム本体2とのロウ付け時に、補修用チップベース16Bが適正位置からずれることがなく、ロウ付けに用いる銀ロウが通水路10の開口部28へ流入することもない。また、胴部17の下端面をアーム本体2の先端平滑面2’に密着させることにより、該平滑面2’とロウ付け用鍔縁22の傾斜下面23とによって、奥部が先狭まりとなる断面略三角形の環状の隙間sが胴部17の下端外周部とアーム本体2の先端平滑面2’との間に形成されることとなる。
次いで、上記のように通水路10の開口部28に位置決め筒部26を嵌入した状態でアーム本体2と補修用チップベース16Bをガストーチで加熱し、図9(B)に示すように、補修用チップベース16Bの下端外周部とアーム本体2の先端平滑面2’とをロウ付けにより接合する。このロウ付けは、前記隙間sに対して行われ、ロウ付けに用いる溶融した銀ロウ25が毛細管現象を介して隙間sに浸透供給されることによって、アーム本体2の先端平滑面2’と補修用チップベース16Bの下端外周部とがその周方向に亘って均一に接合される。これにより、その接合部の水密性を得ることができ、また、ロウ付け用鍔縁22によって胴部17の上部外周面への銀ロウ25の伝播が遮断され、該銀ロウ25が胴部17の上部外周面に付着することがない。
このように、本発明によれば、水漏れが発生するようになった既存のチップベース部4をアーム本体2の先端平滑面2’から切除して、補修用チップベース16Aまたは補修用チップベース16Bに交換することにより、従来のようにスポット溶接用電極アーム1Aまたはスポット溶接用電極アーム1B自体を新品に交換する場合に比して、大幅なコストの低減が可能となる。ここで、補修用チップベース16A,16Bを、既存のチップベース部4を切除したアーム本体2の先端平滑面2’に接合するに際して、チップベース部4の切除によってアーム本体2の先端平滑面2’に露出する通水路5,6の開口部24,24または通水路10の開口部28に、補修用チップベース16A,16Bの胴部17の下端面から突設された位置決め筒部21,21または位置決め筒部26を嵌入することにより、補修用チップベース16A,16Bの適正位置からのずれを防止することができ、また、接合手段としてのロウ付けに用いる銀ロウが通水路5,6の開口部24,24または通水路10の開口部28へ流入することを防止することができる。
また、前記補修用チップベース16A,16Bにあって、胴部17の下端外周部に、胴部17の下端面から上部外方へ向けて傾斜する傾斜下面23を備えたロウ付け用鍔縁22が周設されていることにより、チップベース部4の切除によってアーム本体2の先端平滑面2’に露出する通水路5,6の開口部24,24または通水路10の開口部28に、位置決め筒部21,21または位置決め筒部26を嵌入して、胴部17の下端面をアーム本体2の先端平滑面2’に密着させると、該平滑面2’とロウ付け用鍔縁22の傾斜下面23とによって、奥部が先狭まりとなる断面略三角形の環状の隙間sが胴部17の下端外周部とアーム本体2の先端平滑面2’との間に形成され、該隙間sに、ロウ付けに用いる銀ロウを毛細管現象を介して浸透供給することによって、アーム本体2の先端平滑面2’と補修用チップベース16A,16Bの下端外周部とをその周方向に亘って均一に接合することができ、これによって、その接合部の水密性を得ることができる。また、ロウ付け用鍔縁22によって胴部17の上部外周面への銀ロウの伝播を遮断することができるので、電極チップ3の外嵌保持作用が損なわれることがない。
尚、上記各実施例にあっては、ロウ付けに際して、アーム本体2と補修用チップベース16A,16Bをガストーチで加熱するようにしているが、これに代えて、高温の制御雰囲気を生成する炉内でロウ付けを行うことも可能である。また、補修用チップベース16A,16Bの下端外周部とアーム本体2の先端平滑面2’との接合は、接合部の水密性が得られれば、ロウ付け以外にYAGレーザー溶接等の溶接手段による接合であってもよく、さらに補修用チップベース16A,16Bの下端面とアーム本体2の先端平滑面2’とをアプセットバット溶接やフラッシュバット溶接等の溶接手段によって接合してもよい。
1A,1B スポット溶接用電極アーム
2 アーム本体
2’先端平滑面
3 電極チップ
4 チップベース部
5 通水路
6 通水路
7 内空部
8 連通孔
9 連通孔
10 通水路
11 連通孔
18 貫通孔
19 貫通孔
27 貫通孔
16A,16B 補修用チップベース
17 胴部
21 位置決め筒部
22 ロウ付け用鍔縁
23 傾斜下面
24 開口部
26 位置決め筒部
28 開口部

Claims (4)

  1. アーム本体の先端平滑面に、キャップ形の電極チップを外嵌保持するチップベース部が突設されるとともに、該チップベース部内に、アーム本体内の通水路と電極チップの内空部とを連通する連通孔が形成されたスポット溶接用電極アームの補修に用いるものであって、
    前記チップベース部と同一形状に形成され、かつ内部に前記連通孔と内径及び位置が略一致する貫通孔が形成された胴部と、
    内部を前記貫通孔と連続させて、前記胴部の下端面から突設された位置決め筒部と
    を備えてなることを特徴とするスポット溶接用電極アームの補修用チップベース。
  2. 胴部の下端外周部に、胴部の下端面から上部外方へ向けて傾斜する傾斜下面を備えたロウ付け用鍔縁が周設されていることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接用電極アームの補修用チップベース。
  3. 請求項1又は請求項2記載のスポット溶接用電極アームの補修用チップベースを用いたスポット溶接用電極アームの再生産方法であって、
    アーム本体の先端平滑面に、キャップ形の電極チップを外嵌保持するチップベース部が突設されるとともに、該チップベース部内に、アーム本体内の通水路と電極チップの内空部とを連通する連通孔が形成されたスポット溶接用電極アームの、そのチップベース部をアーム本体の先端平滑面と面一となる位置で切除する工程と、
    チップベース部の切除によりアーム本体の先端平滑面に露出する通水路の開口部に補修用チップベースの位置決め筒部を嵌入する工程と、
    前記通水路の開口部に位置決め筒部を嵌入した状態で、補修用チップベースの下端外周部とアーム本体の先端平滑面とを接合する工程
    とを順に行うことを特徴とするスポット溶接用電極アームの再生産方法。
  4. チップベース部を切除した後、位置決め筒部の嵌入が可能となるように、アーム本体の先端平滑面に露出する通水路の開口部の内径及び/又は位置を研削により修正する工程を備えたことを特徴とする請求項3記載のスポット溶接用電極アームの再生産方法。
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