JP4578386B2 - 排気管とフランジの溶接方法 - Google Patents

排気管とフランジの溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、排気管とフランジの溶接方法に関するもので、より詳しくは2つの半体を最中合わせしてなる排気管とフランジの溶接方法に関する。
排気管は、従来、例えば、自動車等の内燃機関から排出される排気を触媒コンバータ等の排気ガス浄化装置や消音器等へ導くもので、車両搭載上3次元的に屈曲されており、その端部には排気管同士、又は排気管と排気ガス浄化装置や消音器を締結するフランジが溶接により固着されている。
従来、この排気管の屈曲形状が複雑である場合や、特許文献1に記載の複数の枝管と各枝管を集合する集合部からなる排気マニホールドのように3次元的に複雑な形状の排気管の場合には、鈑金製の合わせ部(耳部)を有する2つの半体を、その合わせ部で重ね合わせて(最中合わせして)筒状にし、各半体の合わせ部同士を溶接により固着して排気管を形成する方法が知られている。
また、2つの半体を最中合わせしてなる排気管の端部にフランジを溶接により固着する方法として、図8に示す次のような溶接方法が知られている。
先ず、2つの半体101、102とフランジ103からなる3つの部品を、図8に示すように、所定の位置にセットし、2つの半体101、102の合わせ部104、105同士を、合わせ部104、105の全長に亘って溶接Wするとともに、2つの半体101、102とフランジ103の3つの部品が交差する(一点に集中する)部位106を、半体101、102の外面側から点溶接Wし仮止めする。
次に、半体101、102の外面とフランジ103の周縁部とを、図8に示すように、半体101、102の外面側からフランジ103の周方向に全周溶接Wする。以下、この溶接方法を従来技術1とする。
しかし、特許文献1に記載の排気マニホールド等において、前記のような半体101、102の外面側からの全周溶接を行う場合、溶接トーチが隣接する枝管と干渉し、上手く溶接できない虞がある。
このような問題を解決する方法として、次のような溶接方法が知られている。
先ず、2つの半体201、202とフランジ203を、図9に示すように、所定の位置にセットし、2つの半体201、202の合わせ部204、205同士を、合わせ部204、205の全長に亘って溶接Wするとともに、2つの半体201、202とフランジ203の3つの部品が交差する(一点に集中する)部位206を、半体201、202の外面側から点溶接Wし仮止めする。
次に、半体201、202の先端部とフランジ203とを、図9に示すように、フランジ203の表裏を貫通する貫通孔内で(半体201、202の内面側から)前記貫通孔の周方向に全周溶接Wする。以下、この溶接方法を従来技術2とする。
また、排気マニホールドの枝管を2つの半体で形成し、その2つの半体には枝管の先端部にまで合わせ部(耳部)が形成され、該半体を最中合わせし、各半体の合わせ部同士を枝管の先端部まで完全に溶接した後に、その合わせ部をフランジに形成された溝部に挿入し、その後、枝管の先端部とフランジとをフランジの孔(溝部)の内側から、その孔の周方向に全周溶接する溶接方法が提案されている(特許文献1参照)。以下、この溶接方法を従来技術3とする。
特開平10−266846号公報
しかし、前記従来技術2の溶接方法では、仮止めのために行なう点溶接Wで形成された点溶接ビード206と、半体201、202の先端部とフランジ203との全周溶接Wで形成された全周溶接ビード208とが、図9に示すように、完全にラップしない部位(非ラップ部)210が生じ、該非ラップ部210からガス洩れが発生する虞がある。
そのため、前記全周溶接Wの際に、全周溶接の途中で溶接トーチの軌道を非ラップ部210方向へ直角に変更して非ラップ部210を溶接したり、非ラップ部210のみの溶接工程を別途追加する溶接方法が考えられる。
しかし、非ラップ部210における半体201、202の合わせ部204、205の端部が突合せ状に形成されているために、非ラップ部210における半体201、202自身(母体)を溶融することに溶接入熱が大量に奪われてしまい、本来の目的である点溶接ビード206と重なり合わせることが不十分となり、非ラップ部210が残存し、依然としてガス洩れが発生する虞がある。
また、他の溶接方法として、全周溶接の際に、非ラップ部210近傍の溶接条件を制御する方法(例えば、溶接入熱量を多くして溶接ビードを肥大化させ、非ラップ部210を埋める方法)が、考えられるが、溶接品質が安定しにくいという問題がある。
また、前記従来技術3の溶接方法では、枝管とフランジの接合部からのガス洩れを完全に無くすために、各半体の合わせ部同士を枝管の先端部まで完全に溶接した後に、溝部に挿入する必要がある。そのため、溶接により形成される溶接ビード(肉盛部)が、溝部への枝管の挿入を阻害する虞がある。
そのため、枝管の先端部の溶接ビードを削り取る作業が必要となる場合がある。その削り取りによりピンホールなどの溶接欠陥が生じ、そこからガス洩れが生じてしまう虞がある。
そこで、本発明は、2つの半体を最中合わせしてなる排気管とフランジとの接合部からのガス洩れを生じさせない排気管とフランジの溶接方法を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、排気管の端部が、2つの半体を合わせて形成され、該排気管の端部をフランジに形成された貫通孔に嵌入する工程と、前記貫通孔の孔内で、前記半体と前記フランジとを全周溶接する工程を有する排気管とフランジの溶接方法であって、
前記2つの半体の合わせ部のフランジ嵌入側の先端部に切欠部を形成し、
前記2つの半体の合わせ部と、前記貫通孔の周縁部とが交わる部位を、前記半体の外面側から溶接する工程と、
前記切欠部と前記フランジとをその貫通孔の内部で、かつ、その貫通孔の内部側から溶接する工程を含み、
前記半体の外面側からの溶接により形成される溶接ビードと、前記切欠部に形成される溶接ビードとを重なり合わせることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、排気管の端部が、2つの半体を合わせて形成され、該排気管の端部をフランジに形成された貫通孔に嵌入する工程と、前記貫通孔の孔内で、前記半体と前記フランジとを全周溶接する工程を有する排気管とフランジの溶接方法であって、
前記2つの半体の合わせ部のフランジ嵌入側の先端部に切欠部を形成し、
前記2つの半体の合わせ部と、前記貫通孔の周縁部とが交わる部位を、前記半体の外面側から溶接する工程と、
前記切欠部と前記フランジとをその貫通孔の内部で、かつ、その貫通孔の内部側から溶接する工程と、
前記半体における合わせ部同士を溶接する工程を含み、
前記2つの半体の合わせ部と前記貫通孔の周縁部とが交わる部位を溶接する工程に連続して、前記半体における合わせ部同士を溶接し、
前記半体の外面側からの溶接により形成される溶接ビードと、前記切欠部に形成される溶接ビードとを重なり合わせることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記切欠部と前記フランジとを溶接する工程は、前記半体と前記フランジとを全周溶接する工程の前又は後に行なわれ、
前記切欠部に形成される溶接ビードは、前記全周溶接により形成される溶接ビード及び前記2つの半体の合わせ部と前記貫通孔の周縁部との溶接により形成される溶接ビードと重なり合うことを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2又は3記載の発明において、前記切欠部と前記フランジとを溶接する工程が、前記半体と前記フランジとの全周溶接する工程に含まれることを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記半体と前記フランジとの全周溶接における溶接終始位置を、前記切欠部を除いた位置に設定することを特徴とするものである。
本発明によれば、切欠部を形成したことにより、切欠部には半体が存在せず、前記従来技術2のように、半体に溶接入熱を奪われることなく、2つの半体の合わせ部と前記貫通孔の周縁部との溶接により形成される溶接ビードと、切欠部に形成される溶接ビードとを確実に重ね合わせるこができる。これにより、前記従来技術2のように非ラップ部が残存することがなく、最中合わせからなる排気管とフランジとの接合部からのガス洩れを確実に防止できる。
請求項2記載の発明によれば、更に、排気管全体としての溶接工数を低減できる。また、排気管とフランジとの両者の位置精度を向上させることが出来る。
請求項3記載の発明によれば、更に、切欠部に形状のばらつきが生じても、そのばらつきに左右されることなく、切欠部に形成される溶接ビードを介して、前記全周溶接により形成される溶接ビードと、前記2つの半体の合わせ部と前記貫通孔の周縁部との溶接により形成される溶接ビードとを確実に重ね合わせることができ、排気管とフランジとの接合部からのガス洩れをより確実に防止できる。
請求項4記載の発明によれば、更に、溶接軌跡が無駄のないスムーズな一筆書きとなり溶接品質が安定し、前記全周溶接により形成される溶接ビードと、前記2つの半体の合わせ部と前記貫通孔の周縁部との溶接により形成される溶接ビードとを確実に重ね合わせることができ、排気管とフランジとの接合部からのガス洩れをより確実に防止できる。
請求項5記載の発明によれば、更に、切欠部における溶接品質が安定し、前記全周溶接により形成される溶接ビードと、前記2つの半体の合わせ部と前記貫通孔の周縁部との溶接により形成される溶接ビードとを確実に重ね合わせることができ、排気管とフランジとの接合部からのガス洩れをより確実に防止できる。
本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。本発明は、2つの半体を最中合わせしてなる排気管とフランジとの溶接方法であり、以下、本発明を、排気管の一例である排気マニホールドに適用した実施例について説明する。前記排気管とは、例えば、自動車等の内燃機関から排出される排気を触媒コンバータ等の排気ガス浄化装置や消音器等へ導くものである。
図1乃至図6は本発明の実施例1を示す。
図1及び図2は、排気マニホールド1を示すもので、図1は上面図、図2は正面図である。図3は図2における枝管(排気管)とフランジ部の左側面図、図4は排気管の切欠部を示す拡大図、図5は図2におけるA−A線断面図、図6は図5における左側面図である。
前記排気マニホールド1は、図1、図2に示すように、排気管である複数の枝管2a、2b、2cと、排気集合部3と上流側フランジ4と下流側フランジ5とにより構成されている。
前記枝管2a、2b、2cが集合して、排気集合部3が形成されている。また、前記上流側フランジ4は、前記枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fに溶接され、下流側フランジ5は、排気集合部3の端部3aに溶接されている。
前記枝管2a、2b、2cと排気集合部3は、ステンレス製の金属板を所望の形状にプレス成形してなる2つの半体6、7で構成されている。該2つの半体6、7の側周部には、図1、2に示すように、合わせ部8、9が形成されている。この合わせ部8、9は、前記両フランジ4、5に挿通する部分を除く部分に耳部8a、9aを形成し、両フランジ4、5に挿通する部分には前記の耳部8a、9aは形成されておらず、半体自身の端面が接合することで合わせ部を構成している。該2つの半体6、7を最中状に合わせるとともに、2つの半体6、7の各合わせ部8、9同士を溶接トーチ10により全体(図1における2点鎖線C)に亘って溶接することにより、枝管2a、2b、2cと排気集合部3は一体的に形成される。
なお、最中合わせとは、断面凹状の2つの半体の端面相互を重ね合わせることにより、この2つの半体で内部に所望の空間を形成することを意味するものである。
前記半体6、7における合わせ部8、9の上流側フランジ4方向の各先端(枝管の各端部2d、2e、2fにおける合わせ部)には、図3に示すように、両合わせ部に亘るV字状の切欠部12が形成されている。該切欠部12を、本実施例1においてはV字状に形成したが、該切欠部12は、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2f側が拡開する形状であればよく、例えば、U字状や円弧状に形成してもよい。
枝管の各端部2d、2e、2fを、上流側フランジ4の表裏に貫通する貫通孔4a内に嵌入した状態において、前記切欠部12と前記合わせ部8、9との境界(切欠部12の根本)12aは、貫通孔4a内に配置されている。例えば、一般的な排気管において、前記境界12aを、上流側フランジ4の管体の嵌入側面4bから貫通孔4a内方向に、0〜約2mm、好ましくは1mm程度入り込んだ位置に設定することが望ましい。なお、前記一般的な排気管における上流側フランジ4の厚みは、8〜10mm程度である。
なお、境界12aが前述のように位置する範囲内において、上流側フランジ4の貫通孔4aの孔深さ(上流側フランジ4の板厚)、及び前記貫通孔4aの孔深さに対する枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fの位置等を任意に設定する。
また、図4に示すように、上流側フランジ4の厚みを、8mmとした場合における、本実施例1における切欠部12の境界12aと枝管(半体)の各端部2d、2e、2fとの距離L1は、4mmに設定され、切欠部12の枝管の各端部2d、2e、2fにおける開口距離L2は、5mmに設定されている。なお、この境界12aと枝管の各端部2d、2e、2fまでの距離L1、切欠部12の枝管の各端部2d、2e、2fにおける開口距離L2は、上記の数値に限定されるものではなく任意に設定する。
また、前記境界12a近傍における半体6、7の合わせ部8、9の最中合わせは、突き合わせ構造である。なお、前記境界12a近傍以外の一般部における合わせ部8と9の結合構造は、例えば、実公平8−7055に開示されるようなジョグル結合、又は重ね合わせ部結合、又は突き合わせ結合等、任意に設定する、
次に、枝管2a、2b、2cと上流側フランジ4との溶接方法について説明する。
先ず、予め半体6と7を向かい合わせて枝管2a、2b、2cと排気集合部3を一体状に形成する。この状態においては、半体6、7の合わせ部8、9同士の溶接は未だ行なわれていない。
次に、排気集合部3の端部3aを、下流側フランジ5に嵌入させ、排気集合部3と下流側フランジの管体の嵌入側面とを、排気集合部3の外面側から、フランジ5の貫通孔の周方向に全周溶接を行う。
次に、図3に示すように、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fを、上流側フランジ4の各貫通孔4a、4a、4aに、上流側フランジ4の管体の嵌入側面4b側から嵌入する。この嵌入は、合わせ部8、9同士が溶接されていないことにより、容易に行なえる。
次に、2つの半体6、7と、上流側フランジ4の管体の嵌入側面4b側における貫通孔4aの周縁部4cとの3つの構成部品が交わる部位Pを、溶接トーチ10により、半体6、7の外面側より点溶接し、溶接ビード14を形成する。これにより、半体6と7と、上流側フランジ4の3つの構成部品が仮止めされる。この溶接工程に連続して、半体6、7の合わせ部8、9同士を全体に亘って(図1の2点鎖線参照)溶接する。
なお、溶接手段については、周知の溶接ロボットを用いて、Tig、Mig、レーザ等の任意の溶接方法を用いることができる。
なお、前記3つの構成部品が交わる部位Pの点溶接工程と、合わせ部8、9全体の溶接工程との順序に関して、前者の点溶接を先に行った方が、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fと貫通孔4aとの組付位置精度に優れ、後述する枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fと貫通孔4aとの、貫通孔4a内における全周溶接が安定する利点がある。しかし、その反面、点溶接の次に溶接される後者の合わせ部8、9の溶接熱による半体6、7自身の熱変形により、上流側フランジ4と既に溶接により排気集合部3の端部に固着された下流側フランジ5との位置精度に狂いが生じる虞がある。
したがって、前記3つの構成部品が交わる部位の点溶接工程と、合わせ部8、9全体の溶接工程との順序は、半体6、7の材質・形状・熱容量や、半体6、7及び合わせ部8、9の溶接熱歪や、溶接条件等を考慮して適宜選択する。
次に、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fと上流側フランジ4を、図5及び図6に示すように、溶接トーチ10により、各貫通孔4aの孔内で、貫通孔4aの周方向に全周溶接し、溶接ビード15を形成する。この全周溶接は、切欠部12の内周面形状に沿って溶接することなく、図5に示すように、略単一平面状となるように、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fを上流側フランジ4に溶接するものである。
次に、図5に示すように、前記溶接ビード15とラップし、かつ、既に形成された点溶接による前記溶接ビード14と重なり合うように切欠部12を溶接し、溶接ビード16を形成する。
前記溶接ビード16の周方向のビード幅は、前記切欠部12の開口距離L2よりも大きくすることが望ましいが、溶接ビード16のビード幅が前記切欠部12の開口距離L2より小さい場合においても、溶接ビード16と溶接ビード15とにより機密性が保つ(ガス洩れが生じない)ことができればよく、そのように切欠部12の形状及び、溶接ビード16と15のビード幅を設定する。
なお、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fと上流側フランジ4との全周溶接と、切欠部12における溶接との順序は、前述とは異なり、切欠部12における溶接を行なった後に、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fと上流側フランジ4との全周溶接を行なってもよい。
なお、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fと上流側フランジ4との全周溶接における溶接終始位置は、例えば、図6に示す溶接トーチ10の位置のように、前記切欠部12を除いた位置に設定することが望ましい。これは、溶接終始位置においては、溶接の品質が安定しない虞があり、本発明の重要部位である溶接ビード15と16の重ね合わせが生じる部位に用いるには相応しくないからである。
本発明の排気管(排気マニホールド1)は、前記のような構造、及び製造方法を有するために次のような作用、効果を奏する。
前記のように、一般的な排気管において、前記境界12aを、上流側フランジ4の管体の嵌入側面4bから貫通孔4a内方向に、0〜約2mm、好ましくは1mm程度の位置に設定することにより、次のような作用、効果を奏する。
前記境界12aが、上流側フランジ4の管体の貫通孔4aの外に位置する場合には、2つの半体6、7と上流側フランジ4の貫通孔4aの周縁部とを点溶接する際に、境界12aが溶け落ちてしまい、穴があく虞がある。また、前記境界12aが、上流側フランジ4の管体の嵌入側面4bから貫通孔4a内方向に、前記設定値よりも大きな距離に位置した場合には、2つの半体6、7と上流側フランジ4の貫通孔4aの周縁部とを点溶接して形成される溶接ビード14と、貫通孔4a内で切欠部12と上流側フランジ4を溶接して形成される溶接ビード15とが重なり難くなり、そこからガスが洩れてしまう虞がある。
したがって、上流側フランジ4と半体6、7の組付位置のばらつきも考慮して、前述の位置に前記境界12aを設定することが望ましい。
また、前記溶接ビード14は、枝管2a、2b、2cの外面側からの溶接により形成され、一方、前記溶接ビード16は枝管2a、2b、2cの内面側からの溶接により形成される。このため、両溶接ビード14と16の重ね合わせ部において、溶接ビード16が半体6、7の板厚方向(外面方向)へ溶け込むことにより、既に形成された溶接ビード14を溶解して両溶接ビード14と16が一体化する。
これにより、前記従来技術2で生じる虞のある非ラップ部210の残存が生じず、枝管2a、2b、2cと上流側フランジ4の接合部からのガス洩れを完全に防ぐことが出来る。
また、各半体6、7の組み付け前の単体状態における切欠形状のばらつきや、両半体6、7を最中状に合わせるときの組付けのばらつき等により生じる切欠部12の形状ばらつきがあっても、そのばらつきを溶接ビード16のビード幅や長さにより吸収することができる。
また、切欠部12を形成したことにより、切欠部12には半体6、7の母材が存在せず、溶接入熱を切欠部12の境界12aに集中させることができ、境界12aに溶接ビード16が確実に形成され、溶接ビード14と15を、溶接ビード16を介して確実に重ね合わせることが出来る。それにより、排気管とフランジとの接合部からのガス洩れを確実に防止できる。
図7は実施例2を示す。
前記実施例1においては、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fと上流側フランジ4との各貫通孔4aの孔内における全周溶接は、切欠部12の内周面形状に沿って溶接することなく、略単一平面状となるように溶接したものであるが、本実施例2は、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fと上流側フランジ4との各貫通孔4aの孔内における全周溶接を、図7に示すように、切欠部12の内周面形状及び枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fに沿って一筆書き状に溶接するものである。図7において、20aは切欠部12に沿った溶接部を示し、20は、その溶接ビードを示す。
前記溶接ビード14は、枝管2a、2b、2cの外面側からの溶接により形成され、一方、前記溶接ビード20は枝管2a、2b、2cの内面側からの溶接により形成される。このため、両溶接ビード14と20の重ね合わせ部において、溶接ビード20が半体6、7の板厚方向(外面方向)へ溶け込むことにより、既に形成された溶接ビード14を溶解して両溶接ビード14と20が一体化する。
前記の切欠部12の内周面形状及び枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fに沿った一筆書き状の溶接により溶接ビード20が形成される。本実施例2は、枝管2a、2b、2cの各端部2d、2e、2fと上流側フランジ4とを一筆書き状に溶接することにより、前記実施例1における、溶接ビード14と溶接ビード15間を繋ぐ溶接ビード16を形成する工程は不要となる。
その他の部材は前記実施例1と同様に形成されているので、前記実施例1と同様の符号を付し、その説明を省略する。
また、本実施例2においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
更に、本実施例2においては、既に形成された溶接ビード14に対し、一筆書き状の溶接ビード20を重ね合わせることにより、非ラップ部が生じず、排気管とフランジの接合部からのガス洩れを完全に防ぐことが出来る。
また、溶接ビード20を形成する全周溶接の際に、溶接軌跡が無駄のないスムーズな一筆書きとなり溶接品質が安定し、溶接ビード14と20を確実に重ね合わせることができる。
本発明は、前記実施例の排気マニホールドに限定されるものではなく、最中合わせで構成され、かつ、フランジに溶接されるあらゆる排気管に適用することが出来る。例えば、排気単管、排気二重管、触媒コンバータ等の外筒、消音器の外筒等に適用することができる。
本発明の実施例1における排気管である排気マニホールドの上面図。 本発明の実施例1における排気管である排気マニホールドの正面図。 排気管の端部がフランジに仮付け溶接された状態を示す図2における左側面図。 本発明の実施例1における切欠部の拡大図。 図3の状態から排気管の端部とフランジとが切欠部に沿って貫通孔内で全周溶接された状態を示す図2におけるA−A線断面図。 図5における左側面図。 本発明の実施例2において、排気管の端部とフランジとを貫通孔内で、切欠部の内周面及び排気管端部に沿って全周溶接した状態を示す図2におけるA−A線断面図に相当する断面図。 従来技術1において、排気管とフランジとを溶接した状態を示す側面図。 従来技術2において、排気管とフランジとを溶接した状態を示す側面図。
符号の説明
1 排気管(排気マニホールド)
4 フランジ
4a 貫通孔
6、7 半体
8、9 半体の合わせ部
12 切欠部

Claims (5)

  1. 排気管の端部が、2つの半体を合わせて形成され、該排気管の端部をフランジに形成された貫通孔に嵌入する工程と、前記貫通孔の孔内で、前記半体と前記フランジとを全周溶接する工程を有する排気管とフランジの溶接方法であって、
    前記2つの半体の合わせ部のフランジ嵌入側の先端部に切欠部を形成し、
    前記2つの半体の合わせ部と、前記貫通孔の周縁部とが交わる部位を、前記半体の外面側から溶接する工程と、
    前記切欠部と前記フランジとをその貫通孔の内部で、かつ、その貫通孔の内部側から溶接する工程を含み、
    前記半体の外面側からの溶接により形成される溶接ビードと、前記切欠部に形成される溶接ビードとを重なり合わせることを特徴とする排気管とフランジの溶接方法。
  2. 排気管の端部が、2つの半体を合わせて形成され、該排気管の端部をフランジに形成された貫通孔に嵌入する工程と、前記貫通孔の孔内で、前記半体と前記フランジとを全周溶接する工程を有する排気管とフランジの溶接方法であって、
    前記2つの半体の合わせ部のフランジ嵌入側の先端部に切欠部を形成し、
    前記2つの半体の合わせ部と、前記貫通孔の周縁部とが交わる部位を、前記半体の外面側から溶接する工程と、
    前記切欠部と前記フランジとをその貫通孔の内部で、かつ、その貫通孔の内部側から溶接する工程と、
    前記半体における合わせ部同士を溶接する工程を含み、
    前記2つの半体の合わせ部と前記貫通孔の周縁部とが交わる部位を溶接する工程に連続して、前記半体における合わせ部同士を溶接し、
    前記半体の外面側からの溶接により形成される溶接ビードと、前記切欠部に形成される溶接ビードとを重なり合わせることを特徴とする排気管とフランジの溶接方法。
  3. 前記切欠部と前記フランジとを溶接する工程は、前記半体と前記フランジとを全周溶接する工程の前又は後に行なわれ、
    前記切欠部に形成される溶接ビードは、前記全周溶接により形成される溶接ビード及び前記半体の外面側からの溶接により形成される溶接ビードと重なり合うことを特徴とする請求項1又は2記載の排気管とフランジの溶接方法。
  4. 前記切欠部と前記フランジとを溶接する工程が、前記半体と前記フランジとの全周溶接する工程に含まれることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の排気管とフランジの溶接方法。
  5. 前記半体と前記フランジとの全周溶接における溶接終始位置を、前記切欠部を除いた位置に設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排気管とフランジの溶接方法。

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