JP2010172203A - 両軸受リールのクラッチ制御装置 - Google Patents

両軸受リールのクラッチ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クラッチ制御機構において、クラッチ操作を誤ってもクラッチカムに過大な力が作用しないようにする。
【解決手段】クラッチ制御機構20は、クラッチ機構をクラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り換える。クラッチ制御機構は、クラッチカム40と、クラッチヨーク41と、クラッチ爪42と、クラッチプレート43と、を備える。クラッチカムは、第1位置と第2位置とに回動自在な合成樹脂製である。クラッチヨークは、クラッチカムの回動に係合して遮断位置と伝達位置とに軸方向に移動する。クラッチ爪は、クラッチカムに回動自在に連結され、クラッチカムが第1位置にあるとき、ラチェットホイール72に押圧される。クラッチプレートは、クラッチ爪に接触可能に配置された突起部43fを有し、クラッチカムと一体回動可能に連結され、クラッチ操作部材に連結される金属製のものである。
【選択図】図8

Description

本発明は、制御装置、特に、リール本体に回転自在に支持されたスプールにハンドルの回転を伝達又は遮断する両軸受リールのクラッチ機構を前記ハンドルの糸巻取方向の回転又はクラッチ操作部材の操作に応じて回転遮断状態から回転伝達状態に切り換える両軸受リールのクラッチ制御装置に関する。
両軸受リールは、一般に、左右1対の側板を有するリール本体と、両側板間に回転自在に配置されたスプールと、スプールを回転させるためのハンドルと、ハンドルの回転をスプールに伝達する回転伝達機構と、を備えている。側板は所定の間隔をあけて対向して配置されており、1対の側板の両外方はカバー部材により覆われている。回転伝達機構は、ハンドル軸に設けられたマスターギアと、マスターギアに噛み合うピニオンギアとを備えており、マスターギアはドラグ機構を介してハンドル軸に連結されている。
回転伝達機構の途中にはクラッチ機構が設けられている。ピニオンギアはスプール軸に軸方向移動自在に装着されており、クラッチ機構は、クラッチ操作部材の操作に応じて動作するクラッチ制御機構(クラッチ制御装置の一例)により回転伝達状態と回転遮断状態とに切り換えられる。クラッチ機構は、ピニオンギアに設けられた係合部と、スプール軸に設けられ係合部に係合して両者を回転不能に連結する被係合部とを有している。クラッチ操作部材は、ベイトキャスティングリールの場合、スプールの後方に上下に移動自在に装着されている。
このような、両軸受リール、特に、ベイトキャスティングリールや船釣り用のリールでは、クラッチオフ(遮断状態)して釣り糸を繰り出してから素早くクラッチオン(伝達状態)できるようにすることが重要である。たとえば、ルアーの着水直後に当たりを感じてフッキングを行う場合や仕掛けを魚が群れている棚位置に降下させている途中に魚が掛かった場合、クラッチ機構を迅速にオンする必要がある。
そこで、従来、リール本体の側板に沿った操作部とスプール後方の側板間に配置された操作部との2種の操作部を設けたものが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
前記従来の両軸受リールでは、クラッチ制御機構は、合成樹脂製のクラッチカムと、合成樹脂製のクラッチヨークと、金属製のクラッチプレートと、金属製のクラッチ爪と、を備えている。クラッチカムは、側板にスプール軸回りに回転遮断状態に対応する第1位置と回転伝達状態に対応する第2位置とに回動自在に装着されている。クラッチヨークは、クラッチカムの回動に係合してスプール軸方向に移動する。クラッチプレートは、クラッチカムと一体回動可能に連結され、クラッチ操作部材が固定される金属製の部材である。クラッチ爪は、クラッチカムに回動自在に連結される連結軸を有し、ハンドルの糸巻取方向の回転に連動する凹凸部材に先端が押圧される金属製の部材である。
このような構成の従来の両軸受リールでは、クラッチ操作部材のうち、側板間に配置された操作部でクラッチオフ操作を行い、ハンドルの糸巻取方向の回転又は側板に沿った操作部でクラッチオン操作を行う。ハンドルの糸巻取方向の回転によりクラッチオン操作を行うと、凹凸部材がクラッチ爪を押圧し、クラッチカムを第1位置から第2位置に回動させる。この回動がクラッチプレートを介してクラッチ操作部材に伝達されクラッチ操作部材がクラッチオフ位置からクラッチオン位置に戻る。
特開平7−39285号公報
前記従来のクラッチ制御機構では、通常の操作では起こりえないが、誤操作によりクラッチカムが損傷するおそれがある。例えば仕掛けを棚位置に降下させている途中で、魚が仕掛けにかかったとき等に、ハンドルの糸巻取方向の回転によりクラッチオン操作を行う際に誤操作すると、上記のような損傷が生じるおそれがある。すなわち、このとき、クラッチ操作部材のクラッチオフ用の操作部を操作してしまうと、クラッチ爪により押圧されたクラッチカムがクラッチ操作部材の操作により回転できなくなる。このため、合成樹脂製のクラッチカムに過大な力が作用し、損傷するおそれがある。
本発明の課題は、両軸受リールのクラッチ制御装置において、クラッチ操作を誤ってもクラッチカムに過大な力が作用しないようにすることにある。
発明1に係る両軸受リールのクラッチ制御装置は、リール本体に回転自在に支持されたスプールにハンドルの回転を伝達又は遮断する両軸受リールのクラッチ機構をハンドルの糸巻取方向の回転又はクラッチ操作部材の操作に応じて回転遮断状態から回転伝達状態に切り換える装置である。クラッチ制御装置は、クラッチカムと、クラッチヨークと、クラッチ爪と、クラッチプレートと、を備えている。クラッチカムは、リール本体にスプール軸回りに回転遮断状態に対応する第1位置と回転伝達状態に対応する第2位置とに回動自在に装着された合成樹脂製のものである。クラッチヨークは、クラッチカムの回動に係合して回転遮断状態に対応する遮断位置と回転伝達状態に対応する伝達位置とにスプールの軸方向に移動するものである。クラッチ爪は、クラッチカムに回動自在に連結される連結軸を有し、クラッチカムが第1位置にあるとき、ハンドルの糸巻取方向の回転に連動する凹凸部材に先端が押圧される金属製のものである。クラッチプレートは、クラッチ爪に接触可能に配置された突起部を有し、クラッチカムと一体回動可能に連結され、クラッチ操作部材に連結される金属製のものである。
このクラッチ制御装置では、クラッチ操作部材によりクラッチカムを第2位置から第1位置に移動させると、クラッチ機構が回転遮断状態になる。これにより、クラッチ爪の先端が凹凸部材に接触可能な位置に配置される。この状態でハンドルが糸巻取方向に回転すると、凹凸部材が糸巻取方向に回転してクラッチ爪の先端を押圧する。これによりクラッチカムが第1位置から第2位置に移動しようとする。このとき、クラッチ爪が金属製のクラッチプレートに接触してクラッチプレートを直接動作させる。
ここでは、ハンドルの糸巻取方向の回転でクラッチ爪によりクラッチカムを第1位置から第2位置に回動させるとき、金属製のクラッチ爪から金属製のクラッチプレートに直接力が作用する。このため、クラッチカムに過大な力が作用しなくなり、クラッチ操作を誤ってもクラッチカムが損傷しないようになる。
発明2に係る両軸受リールのクラッチ制御装置は、発明1に記載の装置において、突起部は、クラッチ爪と隙間を開けて配置され、クラッチ爪が凹凸部材により押圧されるとき、クラッチカムの弾性変形によりクラッチ爪が接触するように構成されている。
釣りを行っているとき、大きなドラグ力が作用した状態でクラッチ機構を回転伝達状態(クラッチオン)から回転遮断状態(クラッチオフ)に切り換えることがある。例えば、仕掛けが根掛かりして釣り糸を切断する際にドラグ力を最大にする。そして、釣り糸ではなく釣り竿が折れそうになると、クラッチ操作部材で回転遮断状態に切り換えることがある。大きなドラグ力がスプールに作用すると、クラッチヨークは、はす歯のピニオンギアによりスプール軸方向内方(クラッチオン方向)に押圧されている。
この状態でクラッチオフ操作を行うと、突起部がクラッチ爪に直接接触していると、クラッチプレートからクラッチ爪を経由してクラッチカムを第2位置から第1位置に回動させようとする。このとき、クラッチヨークはピニオンギアによりクラッチオン方向に押圧されているため、クラッチヨーク及びクラッチカムに無理な力が作用し、合成樹脂製のクラッチヨーク又はクラッチカムが破損するおそれがある。
このような課題を解決するために、発明2では、突起部とクラッチ爪とを隙間を開けて配置している。このため、クラッチカムが弾性変形してからクラッチ爪をクラッチプレートが押圧する。この結果、クラッチカム及びクラッチヨークに過大な力が作用しにくくなり、これらの破損を防止できる。
発明3に係る両軸受リールのクラッチ制御装置は、発明2に記載の装置において、クラッチプレートは、クラッチ操作部材としてクラッチカムを第2位置から第1位置に移動させるための第1操作部材を固定する第1固定部と、クラッチ操作部材としてクラッチカムを第1位置から第2位置に移動させるための第2操作部材を固定する第2固定部と、を有する。
この場合には、第1操作部材により回転遮断状態にしてハンドルの糸巻取方向の回転により回転伝達状態に切り換えても、クラッチカムに過大な力が作用しにくくなる。また、第2操作部材によりクラッチ機構を回転遮断状態から回転伝達状態にすることができるので、回転伝達状態に迅速に切り換えることができる。また、クラッチ爪を使用することなく、回転伝達状態に切り換えできるので、クラッチ爪に起因するクラッチカムの損傷を防止できる。
発明4に係る両軸受リールのクラッチ制御装置は、発明2又は3に記載の装置において、突起部は、クラッチ爪に接触可能に折り曲げて形成されている。
この場合には、連結軸の周囲で突起部を折り曲げて形成しているので、突起部の形成が容易である。
本発明によれば、ハンドルの糸巻取方向の回転でクラッチ爪によりクラッチカムを第1位置から第2位置に回動させるとき、クラッチ爪からクラッチプレートに直接力が作用する。このため、クラッチカムに過大な力が作用しなくなり、クラッチ操作を誤ってもクラッチカムが損傷しないようになる。
本発明の一実施形態が採用された両軸受リールの斜視図。 その平面図。 その右側部分を示す分解斜視図。 その中央部分を示す分解斜視図。 その左側部分を示す分解斜視図。 レベルワインド機構を組立手順を示す図。 クラッチ制御機構を構成を示す分解斜視図。 クラッチオフ状態の時のクラッチ制御機構を示す側面図。 クラッチオン状態の時のクラッチ制御機構を示す側面図。 クラッチオフ時のクラッチ制御機構の要部を示す側面拡大図。
図1は、本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図、図2は平面図である。図に示す両軸受リールは、例えば、船釣り用の両軸受リールである。両軸受リールは、釣り竿に装着可能なリール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3と、リール本体1に回転自在に装着されたスプール4と、を備えている。リール本体1の後部には、本発明の一実施形態によるクラッチ操作部材17が装着されている。
<リール本体の構成>
リール本体1は、例えばアルミニウム合金又は合成樹脂製のフレーム5と、フレーム5の両側方を覆うように装着された、例えばアルミニウム合金又は合成樹脂製の第1及び第2側カバー6a,6bと、フレーム5の前方に装着された、例えば、アルミニウム合金又は合成樹脂製の前カバー7と、を有している。
フレーム5は、図4に示すように、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された第1及び第2側板8a,8bと、これらの側板8a,8bを連結する複数の連結部8cと、を有している。
第1側板8aは、スプール4の取り出し用の円形の開口8dが形成された概ね板状の部材である。開口8dには、例えば、アルミニウム合金製の軸受収納部11(図5)が螺合して固定されている。
軸受収納部11は、第1側カバー6aに対して回動である。軸受収納部11は、図5に示すように、中心部にスプール軸15を回転自在に支持する軸受33aが収納される小円筒部11aと、開口8dに螺合する大円筒部11bと、それらをつなぐ円板状の連結部11cと、を有している。連結部11cは、第1側カバー6aを挟んで第1側カバー6aの開閉用の開閉つまみ12にねじにより連結されている。軸受収納部11には、後述するキャスティングコントロール機構22の円板状のブレーキライナ51bも収納されている。
第2側板8bは、図4に示すように、後述するハンドル軸30(図3)、スプール軸(図5)15、及びウォームシャフト26を各別に支持するためのボス部8e,8f,8g等が形成された概ね板状の部材である。スプール軸15を支持するためのボス部8fの周囲には、後述するクラッチ制御機構20が配置されている。
第1側カバー6aは、図5に示すように、フレーム5に対して開閉自在であり、フレーム5に対して接離かつ揺動可能に装着されている。第1側カバー6aは、開閉つまみ12の回動動作により閉状態と開状態とを取り得る。第2側カバー6aには、開閉つまみ12が回動自在に装着される装着孔6cが形成されている。この装着孔6cを通過して開閉つまみ12が軸受収納部11に固定されている。第1側カバー6aの裏面には、揺動軸6dが立設されており、揺動軸6dが第1及び第2側板8a,8bに回動自在かつ軸方向移動自在に支持されている。
第2側カバー6bは、図3に示すように、ハンドル軸30及びスプール軸15を各別に支持するためのボス部6e,6f等が形成された概ね碗状の部材である。第2側カバー6bは、外側面から装着された複数本のねじ部材14cにより、第2側板8bの外側面に固定されている。
フレーム5内には、図2から図5に示すように、両側板8a,8b間に回転自在に配置されたスプール4(図2及び図5)と、スプール4に均一に糸を巻くためのレベルワインド機構24(図4)と、サミングを行う場合の親指の当てとなるクラッチ操作部材17(図4)と、ハンドル2とスプール4との間で回転力の伝達及び遮断を行うためのクラッチ機構19(図4及び図5)とが設けられている。またフレーム5と第2側カバー6bとの間には、ハンドル2からの回転力をスプール4及びレベルワインド機構24に伝えるための回転伝達機構18(図3及び図4)と、クラッチ操作部材17の操作に応じてクラッチ機構19を制御するためのクラッチ制御機構20(図4)と、糸繰り出し時にスプール4を制動するドラグ機構21(図3)と、スプール4の回転時の抵抗力を調整するためのキャスティングコントロール機構22(図3及び図5)とが設けられている。
スプール4は、図5に示すように、両側部にフランジ部4aを有しており、両フランジ部4aの間に糸巻胴部4bを有している。スプール4はその中心を貫通するスプール軸15に固定されている。スプール軸15は軸受収納部11に装着された軸受33a及び第2側カバー6bのボス部6f(図3)の内部に装着された軸受33bによってリール本体1に両端部が回転自在に支持されている。スプール軸15の第2側カバー6b側の端部は第2側カバー6bのボス部6f内に延びている。
<レベルワインド機構の構成>
レベルワインド機構24は、図4に示すように、第1及び第2側板8a,8b間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシャフト26と、ラインガイド27と、従動ギア28と、を有している。ウォームシャフト26には螺旋状の溝26aが形成されており、ラインガイド27内に回動自在に装着された係合ピン27aの先端がこの螺旋状の溝26aに噛み合っている。このため、回転伝達機構18を介してウォームシャフト26が回転させられることにより、ラインガイド27はガイド筒25に沿って往復動する。
図6(A)に示すように、ウォームシャフト26は、例えば、ステンレス合金等の金属製の軸部材であり、両端が、例えば合成樹脂製の滑り軸受13a,13bにより支持されている。ウォームシャフト26の両端は小径に形成されており、従動ギア28が装着される図4右端の小径部26bには、互いに平行な係止面26dが形成されている。従動ギア28の内周面には、係止面26dに一体回転可能に係合する係止スロット28bが形成されている。従動ギア28は、E形止め輪等の抜け止め部材23aにより抜け止めされている。小径部26bの軸方向長さは、従動ギア28の厚みより長い。滑り軸受13aは、ウォームシャフト26の溝26aが形成された大径部分を支持している。滑り軸受13bは、ウォームシャフト26の従動ギア28装着部分と逆側の小径部26cを支持している。小径部26cの軸方向長さは、滑り軸受13bの厚みより僅かに長い。この滑り軸受13bから突出して部分でウォームシャフト26は、E形止め輪等の抜け止め部材23bにより抜け止めされている。従動ギア28と滑り軸受13aとの間には、合成樹脂製の滑りワッシャ23cが装着されている。
従動ギア28は、ウォームシャフト26の端部に装着され、回転伝達機構18からの回転が伝達される。従動ギア28は、金属製であり、抜け止め部材23aを取付可能な最小限の深さを有し、かつか抜け止め部材23aを収納可能な内径を有する凹部28aを有している。具体的には、凹部28aは、抜け止め部材23aの厚みより0.4mm程度大きい深さを有し、抜け止め部材23aの外径より0.5mm程度大きい内径を有している。従動ギア28は、回転伝達機構18の後述する駆動ギア29に噛み合っている。
このような構成のレベルワインド機構24では、従動ギア28を金属製にしたので強度が大きくなり、ラインガイド27に大きな力が作用しても釣り糸を案内することができる。このレベルワインド機構24にウォームシャフト26を組み付ける際には、図6(B)に示すように、最初に、従動ギア28を小径部26bに装着する。そして、抜け止め部材23aを取り付ける。この状態では、小径部26bの軸方向長さが従動ギア28の厚みより大きいので、従動ギア28は、ウォームシャフト26と一体回転可能ではあるが軸方向移動自在である。また、ラインガイド27にガイド筒25を通した状態で滑り軸受13a,13bを第1及び第2側板8a,8bに装着し、ガイド筒25の両端を固定する。
最後に、図6(C)に示すように、滑りワッシャ23cを装着した状態で従動ギア28が装着されたウォームシャフト26を滑り軸受13a側から挿入し、小径部26cを滑り軸受13bから突出させる。すると、滑り軸受13aと従動ギア28との間に滑りワッシャ23cが挟まれた状態にある。この状態で、小径部26bに抜け止め部材23bを装着すると、レベルワインド機構24のウォームシャフト26の組み付けが完了する。
ここでは、従動ギア28に、抜け止め部材23aを取付可能かつ収納可能な凹部28aを形成したので、従動ギア28を装着した状態のウォームシャフト26全体の軸方向長さを短くすることができる。このため、従来の合成樹脂製の従動ギアを装着した場合と同等な軸方向長さで金属製の従動ギア28を配置することができ、従動ギア28の強度を高くすることができる。
<回転伝達機構及びクラッチ機構の構成>
回転伝達機構18は、図3及び図4に示すように、ハンドル軸30(図3)に回転自在に装着されたマスターギア31(図3)と、マスターギア31に噛み合うピニオンギア32(図4)と、ハンドル軸30にマスターギア31と間隔を隔てて一体回転可能に装着された駆動ギア29(図3)を有している。ハンドル軸30は、第2側カバー6bのボス部6e内に収納されたローラ形のワンウェイクラッチ48により糸繰り出し方向の回転が禁止されている。具体的には、ワンウェイクラッチ48の内輪48aに一体回転可能に係合する後述する押圧プレート71がハンドル軸30に一体回転可能に係合している。ワンウェイクラッチ48の内輪48aは、糸巻取方向にのみ回転可能である。これにより、ハンドル軸30の糸繰り出し方向の回転が禁止される。また、ハンドル軸30には、後述するクラッチリターン機構46のラチェットホイール72が一体回転可能に装着されている。なお、ラチェットホイール72は、図示しないワンウェイクラッチ用の爪と噛み合う爪式のワンウェイクラッチとしても機能する。またハンドル軸30の外周面には、スタードラグ3が螺合する第1ねじ部30aと、ハンドル2を固定するためのナット73が螺合する小径の第2ねじ部30bが形成されている。また、外周面には、一体回転可能に装着された部材(たとえば、押圧プレート71、駆動ギア29、及びラチェットホイール72)に係合する互いに平行な第1係止面30cと、ハンドル2に係合する第2係止面30dと、が形成されている。ハンドル軸30は、中間部がワンウェイクラッチ48により支持され、基端が第2側板8bに装着された軸受35により回転自在に支持されている。
マスターギア31には、はす歯ギアを有し、ドラグ機構21を介してハンドル2の回転が伝達される。
ピニオンギア32ははす歯ギアで構成され、スプール軸15の外周側に配置されている。ピニオンギア32は、図7に示すように、一端側外周部にマスターギア31に噛み合うように形成されたはす歯の歯部32aと、他端面に形成された噛み合い部32bと、歯部32aと噛み合い部32bとの間に形成された小径部32cとを有している。噛み合い部32bは、他端面の直径上に形成された係合溝32dを有しており、スプール軸15に装着された係合ピン15a(図5)と係合あるいは離脱が可能である。また、噛み合い部32bの外周面は軸受35により第2側板8bに回転自在に支持されている。
駆動ギア29は、従動ギア28に噛み合って、ハンドル2の回転をレベルワインド機構24に伝達する。
このような構成により、ピニオンギア32の噛み合い部32bの係合溝32dとスプール軸15の係合ピン15aとによりハンドル2とスプール4との間で回転力の伝達及び遮断を行うためのクラッチ機構19が構成されている。ここでは、ピニオンギア32が外方に移動してその噛み合い部32bの係合溝32dとスプール軸15の係合ピン15aとが離脱するとクラッチオフ状態(回転遮断状態)になり、ハンドル軸30からの回転力が遮断されスプール軸15に伝達されない。このため、スプール4が自由回転状態になる。また、ピニオンギア32が内方に移動して係合ピン15aに係合溝32dが噛み合うとクラッチオン状態(回転伝達状態)になり、ハンドル2の回転がスプール4に伝達される。
<ドラグ機構の構成>
ドラグ機構21は、図3に示すように、マスターギア31を押圧する摩擦プレート70と、スタードラグ3の回転操作によって摩擦プレート70をマスターギア31に所定の力で押圧するための押圧プレート71とを有している。摩擦プレート70は、ハンドル軸30に回転自在に装着され、押圧プレート71は、ハンドル軸30に一体回転可能に装着されている。
<キャスティングコントロール機構の構成>
キャスティングコントロール機構22は、スプール軸15を挟むように配置された複数のブレーキライナ51a,51bと、ブレーキライナ51a,51bによるスプール軸15の挟持力を調節するためのキャップ52と、を有している。キャップ52の内周部には雌ねじが形成されており、第2側カバー6bのボス部6fの外周面に形成された雄ねじ6gと螺合している。
<クラッチ操作部材の構成>
クラッチ操作部材17は、図8に示す離脱位置と、図9に示す係合位置と、の間で移動可能にクラッチ制御機構20に連結されている。クラッチ操作部材17は、図1及び図に示すように、クラッチオフ操作用の第1操作部材17aと、クラッチオン操作用の第2操作部材17bと、を有している。第1操作部材17aは、リールフレーム5の後部で第1側板8a及び第2側板8bの間に配置されている。第1操作部材17aは、サミングの際のサムレストとしても使用される。第2操作部材17bは、第2側板の上部内側面にスプール軸回りに揺動自在に配置されている。第1操作部材17aと第2操作部材17bとは一体で移動する。これにより、第1操作部材17aと第2操作部材17bとの間にスプール4のフランジ部4aが露出するように構成している。
このように、クラッチ操作部材17をクラッチオフ用の第1操作部材17aとクラッチオン用の第2操作部材17bとに分け、その間にスプール4のフランジ部4aが露出するように構成したので、サミングの際にクラッチ操作部材17が邪魔にならない。
<クラッチ制御機構の構成>
クラッチ制御機構20は、図4に示すように、クラッチ操作部材17の操作よりスプール軸芯X回りに回動する合成樹脂製のクラッチカム40と、合成樹脂製のクラッチヨーク41と、金属製のクラッチ爪42と、金属製のクラッチプレート43と、を有している。また、クラッチ制御機構20は、クラッチヨーク41をスプール軸方向内方に付勢するコイルばね44を有している。
<クラッチカムの構成>
クラッチカム40は、図7〜図10に示すように、第2側板8bのボス部8fにスプール軸芯X回りに回動自在に装着された、概ね円筒形状の部材である。クラッチカム40は、クラッチオフ状態に対応する図8に示す第1位置と、クラッチオン状態に対応する図9に示す第2位置との間で回動自在である。クラッチカム40は、クラッチヨーク41をスプール軸方向の外方に押圧する1対のカム面40aを外側面に有している。また、クラッチカム40は、クラッチ爪42を回動自在に連結する連結孔40bを有している。連結孔40bは、カム面40aより径方向外方に突出する連結部40cに形成されている。クラッチカム40の内側面には、クラッチプレート43と一体回動するための連結ピン40dがスプール軸方向内方に突出して形成されている。連結ピン40dの先端は、第2側板8bの外側面に形成された円弧孔8hに係合する。この係合により、クラッチカム40の回動範囲が規制されている。
<クラッチヨークの構成>
クラッチヨーク41には、カム面40aに係合する係合部41a(図8)が形成されている。このカム面40aが係合部41aに係合することにより、クラッチヨーク41がスプール軸方向外方に押圧される。クラッチヨーク41は、ボス部8fに固定されたガイド部材45によりスプール軸方向に案内される。ガイド部材45は、ボス部8fにねじ止めされる円環状の固定部45aと、固定部45aに立設された1対のガイド軸45bと、を有している。クラッチヨーク41には、ガイド軸45bに案内される1対のガイド孔41bが形成されている。クラッチヨーク41は、ガイド軸45bの外周に装着されたコイルばね44によりスプール軸方向内方に付勢されている。コイルばね44は、第2側カバー6bの内側面とクラッチヨーク41の外側面との間に圧縮状態で配置されている。さらに、クラッチヨーク41の中心部には、ピニオンギア32の小径部32cを係止する半円形の係止溝41cが形成されている。この係止溝41cにより、クラッチヨーク41は、ピニオンギア32をスプール軸方向に移動させる。
<クラッチ爪の構成>
クラッチ爪42は、クラッチオフ状態のクラッチ機構19をハンドル2の糸巻取方向の回転に連動してクラッチオン状態に戻すクラッチリターン機構46を構成している。クラッチリターン機構46は、クラッチ爪42と、前述したラチェットホイール(凹凸部材の一例)72(図3)と、により構成される。
クラッチ爪42は、基端部42d側にクラッチカム40の連結孔40bに嵌合する連結軸42aが一体形成された、例えば、焼結ステンレス合金製の部材である。基端部(連結軸42aの周囲の一例)42dは、一部が連結軸42aと同芯の円弧状に形成されている。連結軸42aは、連結孔40bより、例えば0.05mm程度小さい外径に形成されている。クラッチ爪42は、クラッチカム40に回動自在に連結されている。クラッチ爪42は、一端が第2側板8bの外周面に係止された捩じりコイルばね47により図8に示す係合位置と、図9に示す離反位置とに振り分けて付勢されている。クラッチ爪42の先端には、糸巻取方向に回転するラチェットホイール72により押圧される押圧部42bがスプール軸方向外方に突出して形成されている。また、その先端側には、第2側板8bの外側面に凹んで形成されたガイド凹部8iに係合するガイド突起42cがスプール軸方向内方に突出して形成されている。このガイド凹部8iに案内されかつ捩じりコイルばね47により振り分けて付勢されることにより、クラッチ爪42は、離反位置と係合位置とに位置決めされる。なお、捩じりコイルばね47は、クラッチ爪42を介してクラッチカム40及びクラッチプレート43を第1位置と第2位置とに振り分けて付勢している。
ラチェットホイール72は、ハンドル軸30に回転不能に装着されており、外周部には多数の歯部72aが回転方向に間隔を隔てて形成されている。ラチェットホイール72が糸巻取方向に回転すると、この歯部72aがクラッチ爪42の押圧部42bを押圧してクラッチカム40を第2位置から第1位置に戻す。
<クラッチプレートの構成>
クラッチプレート43は、クラッチカム40と第2側板8bの外側面との間に配置された、例えばステンレス合金製の板状部材である。クラッチプレート43は、ボス部8fに回転自在に装着される装着部43aと、装着部43aから概ね後方に延びる第1固定部43bと、装着部43aから概ね上方に延びる第2固定部43cと、クラッチカム40の連結部40cに沿って延びるアーム部43dと、を有している。
装着部43aは、クラッチカム40と第2側板8bの外側面との間に配置される概ねワッシャ状の部分である。装着部43aには、クラッチカム40の連結ピン40dに係合する連結溝43eが形成されている。連結溝43eは径方向内側に開口する倒立U字状に形成されている。連結溝43eの底部は、連結ピン40dの外径より大きい内径を有する円弧である。また、底部の円弧は、連結ピン40dの形成位置より僅かに径方向外方(例えば、0.3〜0.5mm程度外方)に中心を有している。したがって、連結ピン40dの径方向外方に連結ピン40dと連結溝43eとの径差よりも大きな隙間が形成される。このような隙間を設けることにより、クラッチ操作時等にクラッチカムに無理な力が作用しても、クラッチカム40が隙間方向に変形してクラッチカム40が受ける力を分散させることができる。このため、クラッチカム40に過大な力が作用しても、連結ピン40dの形成部分でクラッチカム40が損傷しにくくなる。
第1固定部43bは、装着部43aから径方向に延びた後にスプール軸芯Xと実質的に平行に配置されるように折り曲げられている。この折り曲げられた部分に第1操作部材17aがねじにより固定されている。第1固定部43bは、第2側板8bの後部に円弧状に形成された第1スリット8jを貫通して第2側板8bの軸方向内側に突出している。
第2固定部43cは、装着部43aから径方向に延びた後にスプール軸芯Xと実質的に平行に配置されるように折り曲げられている。この折り曲げられた部分に第2操作部材17bがねじにより固定されている。第2固定部43cは、第2側板8bの上部に円弧状に形成された第2スリット8kを貫通して第2側板8bの軸方向内側に突出している。
アーム部43dは、クラッチ爪42の基端をクラッチカム40との間で挟むように形成されている。アーム部43dと連結部40cより径方向外方に延びており、捩じりコイルばね47の係止端をクラッチ爪42とで挟んでいる。アーム部43dの側部には、クラッチ爪42の基端部42dに接触可能な突起部43fが形成されている。突起部43fは、アーム部43dの側部から折り曲げて形成されている。突起部43fは、図10に示すように、クラッチ爪42の基端部42dと間隔L(例えば、0.5mm〜1.5mm)だけ隙間をあけて配置されている。
このような構成では、通常状態ではピニオンギア32は軸方向内方のクラッチオン位置に位置しており、その噛み合い部32bの係合溝32dとスプール軸15の係合ピン15aとが係合してクラッチオン状態となっている。一方、クラッチ操作部材17を操作してクラッチヨーク41によってピニオンギア32が軸方向外方に押圧移動した場合は、係合溝32dと係合ピン15aとの係合が外れ、クラッチオフ状態となる。
<両軸受リールの動作>
通常の状態では、図9に示すように、クラッチ操作部材17は、係合位置に配置され、クラッチヨーク41はコイルばね44によってスプール軸方向内方に押されている。これによりピニオンギア32は係合位置に移動させられている。この状態では、ピニオンギア32の係合溝32dとスプール軸15の係合ピン15aとが噛み合ってクラッチオン状態となっている。このクラッチオン状態では、ハンドル2からの回転力は、ハンドル軸30、マスターギア31及びピニオンギア32を介してスプール軸15及びスプール4に伝達される。このとき、キャスティングコントロール機構22のキャップ52の締め付け量を調整することにより、スプール4の回転時の抵抗力を調整することが可能である。
仕掛けを降下させる場合には、クラッチ操作部材17の第1操作部材17aを下方に押圧する。具体的には、先端をスプール4のフランジ部4aに接触させてサミングする指の腹で、第1操作部材17aを押圧する。この押圧操作により、第1操作部材17aはスプール軸芯X回りに下方に回動して離脱位置に移動する。このとき、クラッチプレート43に連結された第2操作部材17bは、同時に離脱位置に移動する。
第1操作部材17aとクラッチプレート43とは連結されているので、第1操作部材17aを下方に回動させることによって、クラッチプレート43はスプール軸芯Xを中心に図9において反時計回りに回動する。クラッチプレート43とクラッチカム40とは、連結ピン40dと連結溝43eとにより係合している。このため、この係合により、クラッチプレート43が反時計回りに回動すると、クラッチカム40も捩じりコイルばね47の付勢力に抗してスプール軸芯Xを中心に反時計回りに第2位置から第1位置に回動する。クラッチカム40が反時計回りに回動するとクラッチカム40のカム面40aにクラッチヨーク41の係合部41aが当接しているので、クラッチヨーク41はカム面40aに沿ってスプール軸方向外方(図4右方)に移動させられる。クラッチヨーク41はピニオンギア32の小径部32cに係合しているので、クラッチヨーク41が軸方向外方に移動することによってピニオンギア32も同方向に移動させられる。この状態では、ピニオンギア32の係合溝32dとスプール軸15の係合ピン15aとの噛み合いが外れ、クラッチオフ状態となる。クラッチオフの状態では、ハンドル軸30からの回転はスプール4に伝達されない。この結果、スプール4が自由回転状態となり、仕掛けの自重によりスプール4に巻き付けられた釣り糸が繰り出される。
クラッチオフ時の様子を図8に示す。ここで、第1操作部材17aが下方の離脱位置に移動することによってクラッチプレート43及びクラッチカム40が回転させられると、クラッチ爪42の先端のガイド突起42cがガイド凹部8iに案内されかつ捩じりコイルばね47の死点を超えると係合位置側に付勢されてラチェットホイール72側へ移動している。
仕掛けの降下を開始すると、指をわずかに斜め前方に移動させて先端をスプール4のフランジ部4aに接触させてサミングを行う。このとき、クラッチ操作部材17の第1操作部材17aと第2操作部材17bとの間に隙間が形成されているので、クラッチ操作部材17がサミングの邪魔にならない。
次に、仕掛けを棚位置に配置した後に素早くクラッチオフ状態から再びクラッチオン状態にする場合には、サミングした指の先端で第2操作部材17bを押圧してクラッチ操作部材17を離脱位置から係合位置に回動させる。これによりクラッチカム40は、捩じりコイルばね47の付勢力に抗して図8の時計回りに第1位置から回動し、図9に示す第2位置に戻る。この結果、コイルばね44により付勢されたクラッチヨーク41が軸方向内方に移動しピニオンギア32が係合位置に移動する。これにより係合ピン15aがピニオンギア32の係合溝32dに係合し、クラッチ機構19がクラッチオン状態になる。
また、図8に示すクラッチオフ状態において、ハンドル2によりハンドル軸30を時計回り(糸巻取方向)に回転させれば、ラチェットホイール72の歯部72aによってクラッチ爪42の押圧部42bが押される。すると、クラッチカム40は捩じりコイルばね47の付勢力に抗して第2位置に戻ってクラッチ機構19はクラッチオン状態となる。
このハンドル2の糸巻取方向の回転によりクラッチ機構19をクラッチオン状態に戻すとき、誤操作により、合成樹脂製のクラッチカム40に無理な力が作用することがある。具体的には、第1操作部材17aを押圧した状態でハンドルを糸巻取方向に回転させると、クラッチカム40が図8時計回りに回動しにくくなる。この状態でクラッチ爪42が戻ろうとすると、クラッチ爪42の連結軸42aにより押圧された連結部40cを含むクラッチカム40が弾性変形する。
しかし、本実施例では、金属製のクラッチプレート43に突起部43fを形成し、クラッチカム40が弾性変形すると、クラッチ爪42の基端部42dが突起部43fに接触する。この結果、クラッチ爪42がクラッチプレート43に直接接触する。このため、クラッチカム40に過大な力が作用しなくなり、クラッチカム40の破損を防止できる。
このような実施形態では、クラッチ操作部材17のみを操作することによってクラッチ機構19をオン状態又はオフ状態とすることができる。したがって、キャスティング時に親指をクラッチ操作部材17上に載せてサミングを行いながらクラッチ機構19のオンオフ制御を行うことができる。このため、キャスティング時に当たりがあったとき瞬時にクラッチオン状態にして魚を取り込むことができる。
<特徴>
(A)クラッチ制御機構20は、合成樹脂製のクラッチカム40と、合成樹脂製のクラッチヨーク41と、金属製のクラッチ爪42と、金属製のクラッチプレートと、備えている。このクラッチプレートは、クラッチ爪42に接触可能に配置された突起部43fを有している。
クラッチ制御機構20では、クラッチ操作部材17によりクラッチカム40を第2位置から第1位置に移動させると、クラッチ機構19がクラッチオフ状態になる。これにより、クラッチ爪42の先端がラチェットホイール72に接触可能な位置に配置される。この状態でハンドル2が糸巻取方向に回転すると、ラチェットホイール72が糸巻取方向に回転してクラッチ爪42の先端を押圧する。これによりクラッチカム40が第1位置から第2位置に移動しようとする。このとき、クラッチ操作部材17がクラッチオフ方向に誤操作されていても、クラッチ爪42の基端部42dが金属製のクラッチプレート43の突起部43fに接触してクラッチプレート43を直接動作させる。
ここでは、ハンドル2の糸巻取方向の回転でクラッチ爪42によりクラッチカム40を第1位置から第2位置に回動させるとき、クラッチ爪42からクラッチプレート43に直接力が作用する。このため、クラッチカム40に過大な力が作用しなくなり、クラッチ操作を誤ってもクラッチカム40が損傷しないようになる。
(B)クラッチプレート43の突起部43fがクラッチカム40の弾性変形によりクラッチ爪42と接触するように距離Lだけクラッチ爪と間隔をあけて配置されている。
釣りを行っているとき、大きなドラグ力が作用した状態でクラッチ機構19をクラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り換えることがある。例えば、仕掛けが根掛かりして釣り糸を切断する際にドラグ力を最大にする。そして、釣り糸ではなく例えば釣り竿が折れそうになると、クラッチ操作部材17で回転遮断状態に切り換えることがある。大きなドラグ力がスプール4に作用すると、クラッチヨーク41は、はす歯のピニオンギア32によりスプール軸方向内方(クラッチオン方向)に押圧される。
この状態でクラッチオフ操作を行うと、突起部43fがクラッチ爪42に直接接触していると、クラッチプレート43からクラッチ爪42を経由してクラッチカム40を第2位置から第1位置に回動させようとする。このとき、クラッチヨーク41はピニオンギア32によりクラッチオン方向に押圧されているため、クラッチヨーク41及びクラッチカム40に無理な力が作用し、合成樹脂製のクラッチヨーク41又はクラッチカム40が破損するおそれがある。
このような課題を解決するために、突起部43fとクラッチ爪42とを隙間を開けて配置している。このため、クラッチカム40が弾性変形してからクラッチ爪42をクラッチプレート43が押圧する。この結果、クラッチカム40及びクラッチヨーク41に過大な力が作用しにくくなり、これらの破損を防止できる。
(C)クラッチプレート43は、クラッチカム40を第2位置から第1位置に移動させるための第1操作部材17aを固定する第1固定部43bと、クラッチカム40を第1位置から第2位置に移動させるための第2操作部材17bを固定する第2固定部43cと、aを有している。
このため、第1操作部材17aによりクラッチオフ状態にしてハンドル2の糸巻取方向の回転によりクラッチオン状態に切り換えても、クラッチカム40に過大な力が作用しにくくなる。また、第2操作部材17bによりクラッチ機構19をクラッチオフ状態からクラッチオン状態にすることができるので、クラッチオン状態に迅速に切り換えることができる。また、クラッチ爪42を使用することなく、クラッチオン状態に切り換えできるので、クラッチ爪42に起因するクラッチカム40の損傷を防止できる。
(D)クラッチ爪42に接触可能な突起部43fは、クラッチ爪42の基端部42dに接触可能に折り曲げて形成されている。ここでは、連結軸42aの周囲で突起部43fを折り曲げて形成しているので、突起部43fの形成が容易である。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(a)前記実施形態では、リール本体が非円形の両軸受リールに適用したクラッチ操作部材を例に説明したが、リール本体が円形の両軸受リールにも本発明のクラッチ制御機構を適用できる。
(b)前記実施形態では、クラッチ操作部材17に第2操作部材17bを設けたが、第2操作部材17bを有さないクラッチ操作部材により操作されるクラッチ制御機構にも本発明を適用できる。
1 リール本体
2 ハンドル
4 スプール
17 クラッチ操作部材
17a 第1操作部材
17b 第2操作部材
19 クラッチ機構
20 クラッチ制御機構
40 クラッチカム
41 クラッチヨーク
42 クラッチ爪
43 クラッチプレート
43f 突起部
72 ラチェットホイール

Claims (4)

  1. リール本体に回転自在に支持されたスプールにハンドルの回転を伝達又は遮断する両軸受リールのクラッチ機構を前記ハンドルの糸巻取方向の回転又はクラッチ操作部材の操作に応じて回転遮断状態から回転伝達状態に切り換える両軸受リールのクラッチ制御装置であって、
    前記リール本体に前記スプール軸回りに前記回転遮断状態に対応する第1位置と前記回転伝達状態に対応する第2位置とに回動自在に装着された合成樹脂製のクラッチカムと、
    前記クラッチカムの回動に係合して前記回転遮断状態に対応する遮断位置と前記回転伝達状態に対応する伝達位置とに前記スプールの軸方向に移動するクラッチヨークと、
    前記クラッチカムに回動自在に連結される連結軸を有し、前記クラッチカムが前記第1位置にあるとき、前記ハンドルの糸巻取方向の回転に連動する凹凸部材に先端が押圧される金属製のクラッチ爪と、
    前記クラッチ爪に接触可能に配置された突起部を有し、前記クラッチカムと一体回動可能に連結され、前記クラッチ操作部材に連結される金属製のクラッチプレートと、
    を備えた両軸受リールのクラッチ制御装置。
  2. 前記突起部は、前記クラッチ爪と隙間をあけて配置され、前記クラッチ爪が前記凹凸部材により押圧されるとき、前記クラッチカムの弾性変形により前記クラッチ爪が接触するように構成されている、請求項1に記載の両軸受リールのクラッチ制御装置。
  3. 前記クラッチプレートは、
    前記クラッチ操作部材として前記クラッチカムを前記第2位置から前記第1位置に移動させるための第1操作部材を固定する第1固定部と、
    前記クラッチ操作部材として前記クラッチカムを前記第1位置から前記第2位置に移動させるための第2操作部材を固定する第2固定部と、
    を有する、請求項2に記載の両軸受リールのクラッチ制御装置。
  4. 前記突起部は、前記クラッチ爪の前記連結軸の周囲に折り曲げて形成されている、請求項2又は3に記載の両軸受リールのクラッチ制御装置。
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