JP2010171878A - 撮像装置及び撮像素子の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】追従性に依存する等の時間差による影響を受けずにスミア発生を低減させ、画質の劣化を低減する。
【解決手段】所定数の転送パケットを用いて受光素子から読み出した電荷の垂直転送を行う撮像素子を遮光することなく連続して複数の画像を撮像する場合に、出力信号に含まれるスミア量を検出し、検出されたスミア量に応じたパケット数で受光素子から読み出した電荷を垂直転送する。
【選択図】 図6
【解決手段】所定数の転送パケットを用いて受光素子から読み出した電荷の垂直転送を行う撮像素子を遮光することなく連続して複数の画像を撮像する場合に、出力信号に含まれるスミア量を検出し、検出されたスミア量に応じたパケット数で受光素子から読み出した電荷を垂直転送する。
【選択図】 図6
Description
本発明は撮像装置及び撮像素子の制御方法に係り、特に、スミア発生を低減させることにより画質の劣化を低減する撮像装置及び撮像素子の制御方法に関する。
近年、固体撮像素子の微細化により開口部と垂直転送路の間隔が狭まり、垂直転送路の遮光マージンが減少してきている。このような背景から、電荷転送時にメカシャッタを閉じることのない動画撮影モードでは、スミアの発生が増大し、画質を劣化させている。
このような課題に対し、特許文献1には、有効画素領域外の遮光された垂直OB部の出力レベルをスミア成分の出力信号とみなし、これを有効画素信号から減算することでスミアを補正する技術が記載されている。特許文献1の技術によれば、正しいスミア補正が行われ、画質の劣化を防止することができる。
また、特許文献2には、信号電荷を含む第1の電荷と信号電荷を含まない第2の電荷とを別々に転送し、第1の電荷と第2の電荷との差分に基づいてスミアを除去する技術が記載されている。特許文献2の技術によれば、スミア成分を確実に除去することができる。
特開2001−86413号公報
特開2005−328212号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、追従性が悪いため、強い光が動いている場合には正確にスミア補正することができないという問題点があった。また、特許文献2の技術には、作動アンプを有するなど構造が複雑になるという欠点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、構造の変更が不要であり、追従性に依存する等の時間差による影響を受けずにスミア発生を低減させ、画質の劣化を低減する撮像装置及び撮像素子の制御方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に記載の撮像装置は、二次元的に配列された複数の受光素子と、複数の転送電極を有し、各転送電極に印加された垂直駆動パルスに応じたパケット数で前記受光素子から読み出した電荷を垂直方向に転送する垂直転送路と、前記垂直転送路から出力された電荷を水平方向に転送する水平転送路と、前記水平転送路から出力された電荷に応じた出力信号を生成する生成手段と、を備えた撮像素子を用いて連続して複数の画像を撮像する撮像装置において、前記出力信号に含まれるスミア量を検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたスミア量に応じて転送可能なパケット数を設定する設定手段と、前記設定されたパケット数に基づいて前記転送電極に印加する垂直駆動パルスを制御する手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1によれば、動画撮影などで連続して複数の画像を撮像する場合に、出力信号に含まれるスミア量を検出し、検出されたスミア量に応じたパケット数で受光素子から読み出した電荷を垂直転送するようにしたので、スミア発生を低減させ、画質の劣化を低減することができる。
請求項2に示すように請求項1に記載の撮像装置において、前記設定手段は、前記検出手段により検出されたスミア量が所定値より大きい場合に前記パケット数を減少させることを特徴とする。
これにより、スミア発生を低減するように適切にパケット数を設定することができる。
請求項3に示すように請求項1または2に記載の撮像装置において、前記設定手段は、前記出力信号の信号量に応じて前記パケット数を設定することを特徴とする。
これにより、受光素子の信号量に応じて適切にパケット数を設定することができる。
請求項4に示すように請求項3に記載の撮像装置において、前記設定手段は、前記出力信号から前記受光素子の1画素あたりの最大信号量を検出し、前記検出した最大信号量に基づいて前記パケット数を減少させることを特徴とする。
これにより、1画素あたりの最大信号量に応じて適切にパケット数を設定することができる。
請求項5に示すように請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置において、前記受光素子の1画素あたりの最大信号量が前記垂直転送路の1転送電極あたりの転送可能信号量より小さくなるように前記受光素子の信号量を減少させる手段を備えたことを特徴とする。
これにより、受光素子の信号量が多い場合であっても、最小パケット数での転送をすることができる。
請求項6に示すように請求項5に記載の撮像装置において、前記受光素子の信号量を減少させる手段は、電子シャッタであることを特徴とする。
これにより、適切に受光素子の信号量を減少させることができる。
請求項7に示すように請求項1から6のいずれかに記載の撮像装置において、前記撮像素子は、オプティカルブラック領域の受光素子を備え、前記検出手段は、前記オプティカルブラック領域の受光素子の出力信号に基づいて、スミア量を検出することを特徴とする。
これにより、適切にスミア量を検出することができる。
前記目的を達成するために請求項8に記載の撮像素子の制御方法は、二次元的に配列された複数の受光素子と、複数の転送電極を有し、各転送電極に印加された垂直駆動パルスに応じたパケット数で前記受光素子から読み出した電荷を垂直方向に転送する垂直転送路と、前記垂直転送路から出力された電荷を水平方向に転送する水平転送路と、前記水平転送路から出力された電荷に応じた出力信号を生成する生成手段とを備えた撮像素子の制御方法において、連続して複数の画像を撮像する指示を入力する工程と、前記出力信号に含まれるスミア量を検出する検出工程と、前記検出工程により検出されたスミア量に応じて転送可能なパケット数を設定する設定工程と、前記設定されたパケット数に基づいて前記転送電極に印加する垂直駆動パルスを制御する工程とを備えたことを特徴とする。
請求項8によれば、動画撮影などで連続して複数の画像を撮像する場合に、出力信号に含まれるスミア量を検出し、検出されたスミア量に応じたパケット数で受光素子から読み出した電荷を垂直転送するようにしたので、スミア発生を低減させ、画質の劣化を低減することができる。
本発明によれば、動画撮影などで連続して複数の画像を撮像する場合に、出力信号に含まれるスミア量を検出し、検出されたスミア量に応じたパケット数で受光素子から読み出した電荷を垂直転送するようにしたので、スミア発生を低減させ、画質の劣化を低減することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るデジタルカメラ10の電気的構成の一例を示す図である。同図に示すように、デジタルカメラ10は、撮像部11、アナログ信号処理部12、A/D変換部13、駆動部14、デジタル信号処理部15、圧縮/伸張処理部16、表示部17、バス18、システム制御部(CPU)19、操作部20、内部メモリ21、メディアインターフェース22、記録メディア23、及びストロボ24等を備えて構成される。
各部はCPU19に制御されて動作し、CPU19は、操作部20からの入力に基づき所定の制御プログラムを実行することにより、デジタルカメラ10の各部を制御する。
デジタルカメラ10は図示しないROMを備えており、ROMにはCPU19が実行する制御プログラムのほか、制御に必要な各種データ等が記録されている。CPU19は、ROMに記録された制御プログラムを内部メモリ21に読み出し、逐次実行することにより、デジタルカメラ10の各部を制御する。
なお、内部メモリ21は、SDRAMで構成されており、プログラムの実行処理領域として利用されるほか、画像データ等の一時記憶領域、各種作業領域として利用される。
操作部20は、図示しない電源ボタン、シャッターレリーズボタン、撮影モード/再生モード切替スイッチ等を備え、それぞれの操作に応じた信号をCPU19に出力する。
撮像部11は、図示しないズームレンズ、フォーカスレンズ、絞り、及びメカシャッタの他、CCD100を備えている。ズームレンズ、フォーカスレンズ、絞り、及びメカシャッタは、駆動部14に駆動されて、ズーミング、フォーカシング、絞りの開口量(F値)変更、及びメカシャッタの開閉を行う。
CCD100は、ズームレンズ、フォーカスレンズ、絞り、及びメカシャッタの後段に配置されており、レンズを透過した被写体光を受光する。
図2は、CCD100の概略を示す図であり、点線矢印は電荷の移動方向を示している。同図に示すように、CCD100の受光面には多数のフォトダイオード(PD)101が二次元的に配列されており、各フォトダイオード101に対応して図示しない赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。受光面上に結像された被写体光は、各フォトダイオード101によって電気信号に変換され、蓄積される。
各フォトダイオード101に蓄積された電気信号は、フォトダイオード101の垂直列毎に備えられた垂直転送路(VCCD)102に、読み出しゲート108を介して読み出される。垂直転送路102は、V1〜V8の転送電極を備えており、フォトダイオード101から読み出された信号を、駆動部14から供給される8相の駆動パルスに同期して1ラインずつラインメモリ(LM)103に転送する。ラインメモリ103に転送された信号は、所定の画素加算等が行われた後、水平転送路(HCCD)104に転送される。さらに水平転送路104は、垂直転送路102から転送された1ライン分の信号を、駆動部14から供給される駆動パルスに同期してアンプ部105に入力し、アンプ部105で増幅された信号がアナログ信号処理部12へ出力される。
なお、図2に示す110はオプティカルブラック領域(OB領域)であり、OB領域110のフォトダイオード101は、アルミニウムなどの図示しない遮光部材によって覆われている。
また、CCD100は、駆動部14から図示しないオーバーフロードレイン電極に印加される電子シャッタパルスにより、各フォトダイオード101に蓄積された電荷を撮像素子の基板側に排出することが可能となっている。
なお、画像信号の出力は、デジタルカメラ10が撮影モードにセットされると開始される。即ち、デジタルカメラ10が撮影モードにセットされると、表示部17にスルー画像を表示するため、画像信号の出力が開始される。このスルー画像用の画像信号の出力は、本撮影の指示が行われると一旦停止され、本撮影が終了すると再度開始される。なお、本撮影終了時には、一定時間、表示部17に本撮影された撮影画像が表示される(ポストビュー)。ユーザは、ポストビューを確認することにより、撮影画像が適切に撮影できたか否かを確認することができる。
アナログ信号処理部12は、図示しない相関二重サンプリング回路(CDS)、クランプ処理回路、及び自動ゲインコントロール回路(AGC)を含んで構成される。
CDSは、画像信号に含まれているノイズの除去を行う。クランプ処理回路は、OB領域110のフォトダイオードの出力信号に基づいて暗電流成分を除去する処理を行う。さらに、AGCは、暗電流成分が除去された画像信号を、設定された撮影感度(ISO感度)に応じた所定のゲインで増幅する。
所要の信号処理が施されたアナログの画像信号は、A/D変換部13において所定ビットの階調幅を持ったデジタルの画像信号に変換される。この画像信号は、いわゆるRAWデータであり、画素毎にR、G、Bの濃度を示す階調値を有している。このデジタルの画像信号は、デジタル信号処理部15に転送される。
デジタル信号処理部15は、A/D変換部13により生成されたR、G、Bの各色の画像信号に対して所定の信号処理を施し、輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとからなる画像信号(Y/C信号)を生成する。
圧縮/伸張処理部16には、バス18を介してY/C信号が入力され、CPU19からの圧縮指令に従い、入力されたY/C信号に所定形式(たとえば、JPEG)の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、CPU19からの伸張指令に従い、入力された圧縮画像データに所定形式の伸張処理を施して、非圧縮の画像データを生成する。
バス18には、CPU19、デジタル信号処理部15、圧縮/伸張処理部16のほか、表示部17、内部メモリ21、メディアインターフェース22等が接続されており、これらはバス18を介して互いに情報を送受信できるようにされている。
メディアインターフェース22は、CPU19からの指令に従い、記録メディア23に対してデータの読み/書きを制御する。なお、記録メディア23は、メモリカードのようにデジタルカメラ10の本体に対して着脱自在なものでもよいし、デジタルカメラ10の本体に内蔵されたものでもよい。着脱自在とする場合は、デジタルカメラ10の本体にカードスロットを設け、このカードスロットに装填して使用する。
表示部17は、動画(スルー画像)を表示して電子ビューファインダとして使用できるとともに、撮影した記録前の画像(ポストビュー画像)や記録メディア23から読み出した再生画像等を表示することができる液晶モニタである。
ストロボ24は、発光部としての放電管(例えば、キセノン管)、トリガー回路、放電用エネルギーを蓄積するメインコンデンサ及びその充電回路などを含み、CPU19は必要に応じてストロボ24の発光を制御する。
次に、CCD100のフォトダイオード101への入射光によるスミア電荷の発生について説明する。図3は、CCD100の断面の一部を示す図である。同図に示すように、垂直転送路102上に形成された転送電極106の上部には、アルミニウム膜等で構成された遮光部材107が配置され、垂直転送路102への光の入射を防止している。しかし、近年のCCD100の微細化により、フォトダイオード101上部の開口部と、垂直転送路102上部の遮光部材107との間の距離が狭くなり、垂直転送路102に入射光が侵入しやすくなってきている。静止画撮影時は、図示しないメカシャッタを閉じることにより、電荷の垂直転送時の垂直転送路102への光の入射を防止することができるが、動画撮影時や連写撮影時には、メカシャッタを開けた状態で電荷の垂直転送を行うため、垂直転送路102への光の入射の影響により、スミア電荷の発生という弊害が発生する。
図4は、CCD100の垂直転送路102及びフォトダイオード101の電位レベルの概略図である。駆動部14からV1〜V8の各転送電極106に印加される駆動パルスは、電位VH、VM、VLから構成されている。電位VL及びVMは、垂直転送路102上の電荷を垂直方向に転送する時に印加する電位であり、電位VHは、フォトダイオード101に蓄積されている電荷を垂直転送路102に読み出す時(フィールドシフト時)に加えられる電位である。例えば、VLが−8V、VMが0V、VHが14Vとなっている。
ここで、転送電極106に印加されている電位がVMのときは、転送電極106下の垂直転送路102に電井戸が形成されるため、垂直転送路102に光の入射があった場合には、この電井戸にスミア電荷が蓄積されてしまう。
しかし、転送電極106に印加されている電位がVLのときは、転送電極106下の垂直転送路102に電井戸が形成されないため、垂直転送路102に光の入射があっても、垂直転送路102内にスミア電荷は蓄積されない。また、読み出しゲート108の電位が高くなるため、入射光の影響を受けにくい。
本発明は、この原理を利用して、スミアの影響を最小限に押え、画質の劣化を低減させる。
図5は、デジタルカメラ10の動画撮影時におけるCCD100の垂直転送のパケット数を決定する処理のフローチャートである。
デジタルカメラ10は、操作部20により電源がオンされ、動画撮影モードに設定されると、撮像部11から画像信号の出力が開始され、表示部17にスルー画像の表示を開始する。さらに、操作部20の図示しない撮影開始ボタンを押すことにより、動画撮影を開始することができる。
動画撮影が開始されると、CPU19は、駆動部14を介してCCD100を駆動タイミング1で駆動する(ステップS1)。駆動タイミング1について、図6を用いて説明する。図6は、駆動タイミング1において垂直転送路102の各転送電極106(V1〜V8)に印加される電位のタイミングチャートである。
前述したように、垂直転送路102は駆動部14から供給される8相の駆動パルスにより駆動される。駆動タイミング1における各転送電極に印加されるパルスは、図6に示すように構成されている。このように水平2ライン分の信号が垂直方向に転送され、ラインメモリ103において加算処理が行われた後に、水平転送路104において水平1ライン分の信号として水平方向に転送される。
ここで、図7を用いて、図6に示すt1〜t4の期間の電荷の移動について説明する。
図7は、t1〜t4の各期間における垂直転送路102に形成される電井戸と、電井戸内に蓄積された信号成分とスミア成分を示している。
図7は、t1〜t4の各期間における垂直転送路102に形成される電井戸と、電井戸内に蓄積された信号成分とスミア成分を示している。
同図に示すように、期間t1においては、V8、及びV1〜V3電極に電位VMが印加されているため、垂直転送路102には、これらの電極下に電井戸が形成される(4パケット)。同図において、111は信号成分、112はスミア成分を示している。
次に、期間t2に移行すると、V8電極の印加電位が電位VLになるため、V8電極下に存在していた信号成分111及びスミア成分112は、V1〜V3電極下に移動する(3パケット)。
次に、期間t3に移行すると、V4電極の印加電位が電位VHになるため、V1〜V3電極下に存在していた信号成分111及びスミア成分112は、V1〜V4電極下に広がる(4パケット)。
さらに、期間t4に移行すると、V1電極の印加電位が電位VLになるため、V1電極下に存在していた信号成分111及びスミア成分112は、V2〜V4電極下に移動する(3パケット)。
このように、駆動タイミング1では、4パケットと3パケットを切り替えた転送を行う。前述のように、印加されている電位が電位VMのときは、垂直転送路102に光の入射があった場合に、スミア電荷が蓄積されてしまう。したがって、転送パケットが多いほうが、スミアの影響を受けやすいこととなる。
次に、駆動タイミング1で取得した画像信号から、スミア量を検出し、検出したスミア量が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS2)。スミア量の検出は、例えばデジタル信号処理部15において、CCD100のオプティカルブラック領域の出力レベルを評価することにより検出する。
スミア量が閾値未満の場合は、スミアの影響が少ないため、継続して駆動タイミング1を用いて、動画撮影を行う(ステップS8)。
スミア量が閾値以上の場合は、フォトダイオード101の1画素あたりの最大信号量と、現在のパケット数で転送可能な信号量の総和とを比較する(ステップS3)。現在のパケット数で転送可能な信号量の総和の方が大きい場合は、転送可能なパケット数までパケット数を減らした駆動タイミング2に変更する(ステップS5)。例えば、フォトダイオード101の1画素あたりの最大信号量を10、1パケットあたりに転送可能な信号量(1転送電極あたりに転送可能な信号量)を5とすると、転送可能なパケット数は2になる。したがって、この場合の駆動タイミング2は、3パケットと2パケットでの転送を行う。
さらに、駆動タイミング2で駆動した場合におけるスミア量を検出し、検出したスミア量が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS6)。検出したスミア量が閾値未満の場合は、スミアの影響が少ないため、駆動タイミング2を用いて、動画撮影を行う(ステップS8)。
ステップS3において、フォトダイオード101の1画素あたりの最大信号量の方が大きいと判断した場合、及びステップS6において、検出したスミア量が閾値以上であると判断した場合は、フォトダイオード101の1画素あたりの最大信号量が1パケットあたりに転送可能な信号量(1転送電極あたりに転送可能な信号量)未満となるように変更する(ステップS4)。フォトダイオード101の信号量を減らすには、例えば、電子シャッタパルスの印加時間を変更し、フォトダイオード101への露光時間を変更する。図示しない絞りを駆動してフォトダイオード101への入射光量を減らすことにより、フォトダイオード101の信号量を減らしてもよい。
フォトダイオード101の信号量を減らしたら、駆動タイミング3で駆動し(ステップS7)、動画撮影を行う(ステップS8)。駆動タイミング3について、図8を用いて説明する。図8は、駆動タイミング3において垂直転送路102の各転送電極106(V1〜V8)に印加される電位のタイミングチャートである。駆動タイミング3における各転送電極に印加されるパルスは、図8に示すように構成されている。
ここで、図9を用いて、図8に示すt1〜t4の期間の電荷の移動について説明する。図9は、各期間における垂直転送路102に形成される電井戸と、電井戸内に蓄積された信号成分とスミア成分を示している。
同図に示すように、期間t1においては、V8及びV1電極に電位VMが印加されているため、垂直転送路102には、これらの電極下に電井戸が形成される(2パケット)。
次に、期間t2に移行すると、V8電極の印加電位が電位VLになるため、V8電極下に存在していた信号成分111及びスミア成分112は、V1電極下に移動する(1パケット)。
次に、期間t3に移行すると、V2電極の印加電位が電位VHになるため、V1電極下に存在していた信号成分111及びスミア成分112は、V1、V2電極下に広がる(2パケット)。
さらに、期間t4に移行すると、V1電極の印加電位が電位VLになるため、V1、V2電極下に存在していた信号成分111及びスミア成分112は、V2電極下に移動する(1パケット)。
このように、駆動タイミング3では、2パケットと1パケットを切り替えた転送を行う。電位VHが印加されている電極が最小となるため、垂直転送路102に光が入射した場合であっても、駆動タイミング1よりもスミア量が低減されるため、スミアの影響を受けにくくなる。また、駆動タイミング2についても、駆動タイミング1よりもパケット数を減少させるため、スミアの影響を受けにくくなる。駆動タイミング1のパケット数が大きいほど、駆動タイミング2、3におけるスミア低減の効果は大きい。
垂直転送のパケット数を減少させると転送容量が小さくなってしまうが、動画撮影モードにおいては、ラインメモリ103を使用して画素加算を行っているため、結果として出力信号は増加する。また、図示しないAGCにおけるゲインを上げて出力信号を増加させることにより、駆動タイミング1と同等の画像を得ることが可能となる。
本実施の形態では、動画撮影時を例に説明したが、メカニカルシャッタを閉じることなく連続して静止画撮影を行う連写撮影時においても、本発明は適用可能である。
また、本実施の形態のCCD100は、V1〜V8の転送電極を備え、8相の駆動パルスにより駆動される例で説明したが、垂直転送路の相数は8相に限定されるものではなく、何相でもよい。なお、垂直転送路の相数の多い方が、本発明の効果は大きい。
10…デジタルカメラ、11…撮像部、12…アナログ信号処理部、13…A/D変換部、14…駆動部、15…デジタル信号処理部、18…バス、19…システム制御部、20…操作部、21…内部メモリ、100…CCD、101…フォトダイオード、102…垂直転送路、106…転送電極、107…遮光部材、108…読み出しゲート、110…OB領域
Claims (8)
- 二次元的に配列された複数の受光素子と、
複数の転送電極を有し、各転送電極に印加された垂直駆動パルスに応じたパケット数で前記受光素子から読み出した電荷を垂直方向に転送する垂直転送路と、
前記垂直転送路から出力された電荷を水平方向に転送する水平転送路と、
前記水平転送路から出力された電荷に応じた出力信号を生成する生成手段と、
を備えた撮像素子を用いて連続して複数の画像を撮像する撮像装置において、
前記出力信号に含まれるスミア量を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたスミア量に応じて転送可能なパケット数を設定する設定手段と、
前記設定されたパケット数に基づいて前記転送電極に印加する垂直駆動パルスを制御する手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記設定手段は、前記検出手段により検出されたスミア量が所定値より大きい場合に前記パケット数を減少させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記設定手段は、前記出力信号の信号量に応じて前記パケット数を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
- 前記設定手段は、前記出力信号から前記受光素子の1画素あたりの最大信号量を検出し、前記検出した最大信号量に基づいて前記パケット数を減少させることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記受光素子の1画素あたりの最大信号量が前記垂直転送路の1転送電極あたりの転送可能信号量より小さくなるように前記受光素子の信号量を減少させる手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。
- 前記受光素子の信号量を減少させる手段は、電子シャッタであることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
- 前記撮像素子は、オプティカルブラック領域の受光素子を備え、
前記検出手段は、前記オプティカルブラック領域の受光素子の出力信号に基づいて、スミア量を検出することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の撮像装置。 - 二次元的に配列された複数の受光素子と、複数の転送電極を有し、各転送電極に印加された垂直駆動パルスに応じたパケット数で前記受光素子から読み出した電荷を垂直方向に転送する垂直転送路と、前記垂直転送路から出力された電荷を水平方向に転送する水平転送路と、前記水平転送路から出力された電荷に応じた出力信号を生成する生成手段とを備えた撮像素子の制御方法において、
連続して複数の画像を撮像する指示を入力する工程と、
前記出力信号に含まれるスミア量を検出する検出工程と、
前記検出工程により検出されたスミア量に応じて転送可能なパケット数を設定する設定工程と、
前記設定されたパケット数に基づいて前記転送電極に印加する垂直駆動パルスを制御する工程と、
を備えたことを特徴とする撮像素子の制御方法。
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