JP2010171874A - 超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法 - Google Patents

超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010171874A
JP2010171874A JP2009014333A JP2009014333A JP2010171874A JP 2010171874 A JP2010171874 A JP 2010171874A JP 2009014333 A JP2009014333 A JP 2009014333A JP 2009014333 A JP2009014333 A JP 2009014333A JP 2010171874 A JP2010171874 A JP 2010171874A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting
filter
rod
plate
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009014333A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5120278B2 (ja
Inventor
Akihiko Akasegawa
章彦 赤瀬川
Kazunori Yamanaka
一典 山中
Kazuaki Kurihara
和明 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2009014333A priority Critical patent/JP5120278B2/ja
Publication of JP2010171874A publication Critical patent/JP2010171874A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5120278B2 publication Critical patent/JP5120278B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

【課題】簡便な構成で、広い周波数領域において、高精度かつ高ダイナミックに非線形歪を測定できるようにする。
【解決手段】超伝導チューナブルフィルタ装置を、バンドリジェクション型の超伝導フィルタ11と、超伝導フィルタ11をチューニングするためのロッド13又はプレート14と、超伝導フィルタ11に対するロッド13又はプレート14の位置を調整するための位置調整手段15とを備えるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法に関する。
近年、次世代移動通信システムや広帯域無線アクセスなど高速・大容量のデータ通信へ移行するにともない、周波数の有効利用が必要不可欠となっている。
特に、無線基地局の送信系において、隣接チャネルへの漏洩電力は電波法で厳しく制限されている。このため、非線形歪の小さい通信機器の要望が益々増大している。
ところで、高周波デバイスや高周波部品などのサンプル(被測定物)の非線形歪を測定する方法として、いわゆる2−tone法を用いることが考えられる。
例えば図10に示すように、異なる周波数f,fの2つの基本波信号を等レベルでサンプルに入力する。サンプルの非線形性によって周波数2f−f,2f−fの相互変調歪(IMD;Inter Modulation Distortion)信号が周波数f,fの基本波信号の両側に発生する。これらのIMD信号を、スペクトラムアナライザを用いて測定する。これにより、サンプルの非線形歪を測定する。
この場合、IMD信号よりも遥かに高いレベルの基本波信号がスペクトラムアナライザに入力されることになってしまう。そこで、周波数依存性がほとんど無い通常のアッテネータ(減衰器)を設けることになる。
しかしながら、アッテネータを設けると、基本波信号とともにIMD信号も減衰してしまうことになる。場合によっては、IMD信号はスペクトラムアナライザのノイズレベルになってしまい、IMD信号を高精度に測定することが困難である。特に、受動相互変調歪(PIM;Passive Inter Modulation)などの僅かな歪成分を高精度に測定するのは難しい。
そこで、キャンセル回路を設け、基本波信号を分岐し、分岐された信号の位相及び振幅を調整し、基本波信号と合成することで、基本波信号を抑圧することが考えられる。
なお、超伝導フィルタを用いる場合に、超伝導フィルタで発生する相互変調歪を補償すべく、超伝導フィルタで発生すると予想される相互変調歪の逆特性の歪信号を、超伝導フィルタから出力される信号に合成するようにした歪補償回路もある。
特開2004−032584号公報
古野等、「高温超伝導マイクロ波デバイス高ダイナミックレンジ非線形ひずみ振幅・位相測定」、電子情報通信学会、信学技報(IEICE Technical Report)、SCE2007−6、MW2007−6(2007−04)、第27頁〜第30頁
しかしながら、上述のキャンセル回路を設けて基本波信号を抑圧するものでは、基本波信号を抑圧するための回路が複雑であり、特に、位相調整が難しい。このため、非線形歪を高精度に測定するのは困難である。
また、通信機器は、半導体パワーアンプやケーブルといった非線形歪レベルが異なる部品で構成されている。このため、より低歪化を図ったり、歪要因を分離したりするために、歪成分を高精度かつ高ダイナミックに測定できるようにすることが不可欠である。
また、最適な通信アクセスを得るために、複数のシステム、即ち、複数の周波数帯に対応する通信機器が望まれる。このため、歪成分を広い周波数領域において高精度に測定できるようにすることも重要である。
そこで、簡便な構成で、広い周波数領域において、高精度かつ高ダイナミックに非線形歪を測定できるようにしたい。
このため、本超伝導チューナブルフィルタ装置は、バンドリジェクション型の超伝導フィルタと、超伝導フィルタをチューニングするためのロッドと、超伝導フィルタに対するロッドの位置を調整するためのロッド用位置調整手段とを備えることを要件とする。
本超伝導チューナブルフィルタ装置は、バンドリジェクション型の超伝導フィルタと、超伝導フィルタをチューニングするためのプレートと、超伝導フィルタに対するプレートの位置を調整するためのプレート用位置調整手段とを備えることを要件とする。
本非線形歪測定装置は、異なる周波数の2つの基本信号をサンプルに入力し、サンプルの非線形性によって生じる相互変調歪信号を測定する非線形歪測定装置であって、サンプルから出力される基本信号及びサンプルの非線形性によって生じる相互変調歪信号のうち基本信号のみを減衰させる超伝導チューナブルフィルタ装置を備え、超伝導チューナブルフィルタ装置が、バンドリジェクション型の超伝導フィルタと、超伝導フィルタをチューニングするためのロッドと、超伝導フィルタに対するロッドの位置を調整するためのロッド用位置調整手段とを備えることを要件とする。
本非線形歪測定方法は、異なる周波数の2つの基本信号をサンプルに入力し、サンプルから出力される基本信号及びサンプルの非線形性によって生じる相互変調歪信号のうち基本信号のみを超伝導チューナブルフィルタ装置によって減衰させ、相互変調歪信号を測定する非線形歪測定方法であって、サンプルに応じて2つの基本信号の周波数を設定し、2つの基本信号の周波数に応じて、超伝導チューナブルフィルタ装置のフィルタ特性の中心周波数及びリジェクト帯域幅を調整することを要件とする。
したがって、本超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法によれば、簡便な構成で、広い周波数領域において、高精度かつ高ダイナミックに非線形歪を測定できるという利点がある。
本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置の構成を示す模式図である。 本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置に備えられる超伝導フィルタ及びプレートの構成を示す模式的斜視図である。 (A)は本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置に備えられる超伝導フィルタの構成を示す模式的表面図であり、(B)は本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置に備えられる超伝導フィルタの構成を示す模式的裏面図である。 本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置に備えられる超伝導フィルタの特性を示す図である。 本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置の構成を示す模式図である。 本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置を備える非線形歪測定装置の構成を示す模式図である。 (A)は本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置に備えられる超伝導フィルタの変形例の構成を示す模式的表面図であり、(B)は本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置に備えられる超伝導フィルタの変形例の構成を示す模式的裏面図である。 (A)は本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置に備えられる超伝導フィルタの他の変形例の構成を示す模式的表面図であり、(B)は本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置に備えられる超伝導フィルタの他の変形例の構成を示す模式的裏面図である。 本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置の変形例の構成を示す模式的斜視図である。 従来の非線形歪測定装置の構成を示す模式図である。
以下、図面により、本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法について、図1〜図6を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる非線形歪測定装置は、例えば移動通信システムにおける高度な電波の共同利用に向けた要素技術としての超伝導チューナブルフィルタ装置を備える非線形歪測定装置である。
本非線形歪測定装置は、図6に示すように、異なる周波数f,fの2つの基本信号を、サンプル50に入力し、サンプル50の非線形性によって生じる相互変調歪信号(IMD信号;PIM信号;周波数2f−f,2f−f)を測定する非線形歪測定装置である。なお、サンプル50は、高周波デバイスや高周波部品などの被測定物である。
本非線形歪測定装置は、サンプル50から出力される基本信号及びサンプルの非線形性によって生じる相互変調歪信号のうち基本信号のみを減衰させる超伝導チューナブルフィルタ装置1を備える。つまり、本非線形歪測定装置は、従来の非線形歪測定装置において用いられていたアッテネータの代わりに超伝導チューナブルフィルタ装置1を備える。
このため、本実施形態の非線形歪測定方法では、異なる周波数の2つの基本信号をサンプル50に入力し、サンプル50から出力される基本信号及び相互変調歪信号のうち基本信号のみを超伝導チューナブルフィルタ装置1によって減衰させ、相互変調歪信号を測定することになる。
特に、本実施形態では、サンプル50に応じて第1信号源2及び第2信号源3から出力される2つの基本信号の周波数を設定し、2つの基本信号の周波数に応じて、超伝導チューナブルフィルタ装置1のチューニングを行なうことができるようになっている。
ここでは、超伝導チューナブルフィルタ装置1のフィルタ特性の中心周波数及びリジェクト帯域幅を調整することによってチューニングを行なうようにしている。
ここで、超伝導チューナブルフィルタ装置1のフィルタ特性の中心周波数とは、フィルタ特性の2つのリジェクト帯域の中間位置における周波数である。つまり、フィルタ特性の中心周波数とは、2つのリジェクト帯域のピークの平均周波数である。また、超伝導チューナブルフィルタ装置1のフィルタ特性のリジェクト帯域幅とは、2つのリジェクト帯域の間隔(ピーク間距離)である。つまり、フィルタ特性のリジェクト帯域幅とは、2つのリジェクト帯域のピークの周波数差である。
なお、フィルタ特性の2つのリジェクト帯域のピークの周波数は、2つの基本信号の周波数に合わせるのが好ましい。この場合、フィルタ特性の中心周波数は、2つの基本信号の中間位置における周波数(2つの基本信号の平均周波数)と同じになる。また、フィルタ特性のリジェクト帯域幅は、2つの基本信号の間隔(2つの基本信号の周波数差)と同じになる。
具体的には、本非線形歪測定装置は、図6に示すように、第1信号源2、第2信号源3、第1パワーアンプ4、第2パワーアンプ5、第1アイソレータ6、第2アイソレータ7、3dBカプラ(カプラ)8、第3アイソレータ9、超伝導チューナブルフィルタ装置1、スペクトラムアナライザ10を備える。そして、第3アイソレータ9と超伝導チューナブルフィルタ装置1との間にサンプル50が置かれるようになっている。
ここで、第1信号源2は、周波数fの基本信号を出力する信号源である。
第2信号源3は、周波数fの基本信号を出力する信号源である。
第1パワーアンプ4は、第1信号源2に接続されており、周波数fの基本信号を増幅するパワーアンプである。
第2パワーアンプ5は、第2信号源3に接続されており、周波数fの基本信号を増幅するパワーアンプである。
第1アイソレータ6は、第1パワーアンプ4と3dBカプラ8との間に設けられている。
第2アイソレータ7は、第2パワーアンプ5と3dBカプラ8との間に設けられている。
第3アイソレータ9は、3dBカプラ8の後段、即ち、3dBカプラ8とサンプル50との間に設けられている。
超伝導チューナブルフィルタ装置1は、スペクトラムアナライザ10の前段、即ち、サンプル50とスペクトラムアナライザ10との間に設けられている。
本非線形歪測定装置は、上述のように構成されるため、第1信号源2及び第2信号源3から出力された、異なる周波数f,fの2つの基本信号は、第1パワーアンプ4及び第2パワーアンプ5でそれぞれ増幅され、3dBカプラ8によって結合され、等しいレベルでサンプル50に入力される。
このようにして、異なる周波数f,fの2つの基本信号がサンプル50に入力されると、サンプル50は、その非線形性によって周波数2f−f,2f−fの相互変調歪信号を発生する。このため、異なる周波数f,fの2つの基本信号、及び、基本信号の両側に発生した2つの相互変調歪信号(周波数2f−f,2f−f)が、サンプル50から出力される。
サンプル50から出力された2つの基本信号及び2つの相互変調歪信号のうち2つの基本信号のみが超伝導チューナブルフィルタ装置1によって減衰される。
そして、2つの相互変調歪信号を、スペクトラムアナライザ10を用いて測定する。これにより、サンプル50の非線形歪を測定する。
以下、本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置について、図1を参照しながら説明する。
本超伝導チューナブルフィルタ装置は、図1に示すように、バンドリジェクション型の超伝導フィルタ11と、チューナブル構造12とを備える。
ここでは、チューナブル構造12として、超伝導フィルタ11をチューニングするためのロッド13及びプレート14と、超伝導フィルタ11に対するロッド13の位置及び超伝導フィルタ11に対するプレート14の位置を調整するための位置調整手段15とを備える。
ここで、超伝導フィルタ11は、2つの基本信号(基本波信号)のみを急峻に減衰させることができるバンドリジェクション型(ノッチ型)フィルタである。
本実施形態では、超伝導フィルタ11は、図1〜図3に示すように、誘電体基板16と、誘電体基板16の表面に超伝導材料によって形成された共振器パターン17及び入出力フィーダ18と、誘電体基板16の裏面に超伝導材料によって形成され、開口部(スロット)19Aを有するグランド層19とを備える。なお、この超伝導フィルタ11を、フィルタ基板、ディスク共振器ともいう。
ここでは、誘電体基板16として、MgO基板を用いている。
なお、誘電体基板16は、MgO基板(MgO単結晶基板)に限定されるものではなく、例えば、LaAlO基板、サファイア基板などを用いても良い。
また、共振器パターン17、入出力フィーダ18及びグランド層19は、YBCO(Y−Ba−Cu−O)系超伝導材料を用いた薄膜(YBCO薄膜)によって形成されている。
ここで、入出力フィーダ18は、信号を入出力するための入出力導線であり、図3(A)に示すように、直交する2本の直線状の導線からなる。一方の導線は誘電体基板16の一の端面(入力端面)まで延びており、他方の導線は誘電体基板16の一の端面に直交する他の端面(出力端面)まで延びている。
また、良好な耐電力性が得られ、超伝導フィルタ自身からの歪成分を極力小さくするために、共振器パターン17としてディスクパターン(ディスク構造;2次元回路パターン)を採用している。ディスクパターン17は、入出力フィーダ18によって導かれる信号が結合する位置に設けられる。但し、ディスクパターン17は、入出力フィーダ18に接しないように形成する。なお、共振器パターン17としてディスクパターンを有する超伝導フィルタ11を、ディスク型フィルタ(平面回路型フィルタ)という。
ディスクパターン17を用いる場合、超伝導フィルタ11のフィルタ特性の中心周波数は、ディスクパターン17の直径によって決まる。つまり、ディスクパターン17の直径を調整することで、超伝導フィルタ11のフィルタ特性の中心周波数を任意に設定することができる。
また、図3(B)に示すように、グランド層19に開口部19Aを設けることによって、1つのディスク共振器で2つのリジェクト帯域(ノッチ)を有するリジェクトフィルタ(ノッチフィルタ)を構成している(図4参照)。つまり、グランド層19に形成された開口部19Aは、2つのリジェクト帯域を有するフィルタ特性を形成するための開口部である。ここで、グランド層19の開口部19Aは、入出力フィーダ18を構成する2つの導線に対して45度の位置で、かつ、ディスクパターン17の外周の入出力フィーダ18から遠い位置に対応する位置に設けるのが好ましい。
そして、それぞれのリジェクト帯域の位置を、基本信号の周波数f,fに対応させることで、サンプル50から出力される基本信号及び相互変調歪信号のうち基本信号のみを減衰させるフィルタ特性を得ることができる。
この場合、超伝導フィルタ11のフィルタ特性のリジェクト帯域幅は、グランド層19に設ける開口部19Aの大きさ(ここでは円形スロットであるため、直径)によって決まる。
例えば、グランド層19に設ける開口部19Aの大きさを大きくすることで、リジェクト帯域幅を広くすることができる。一方、グランド層19に設ける開口部19Aの大きさを小さくすることで、リジェクト帯域幅を狭くすることができる。
また、例えば、グランド層19に設ける開口部19Aを、ディスクパターン17の外周に対応する位置よりも内側に位置させることで、リジェクト帯域幅を広くすることができる。一方、グランド層19に設ける開口部19Aを、ディスクパターン17の外周に対応する位置よりも外側に位置させることで、リジェクト帯域幅を狭くすることができる。
但し、グランド層19に設ける開口部19Aの中心がディスクパターン17の中心に重ならないようにする。これは、ディスクパターン17における共振帯域、即ち、リジェクト帯域が1つにならないようにするためである。また、グランド層19に設ける開口部19Aの大きさ(ここでは円形スロットであるため、直径)は、λ/4以内にするのが好ましい。これは、余計な共振が生じてしまうからである。なお、λは2つの基本信号の中間の波長である。
特に、上述のように、ディスクパターン17、入出力フィーダ18及びグランド層19などの導体パターン部分を、上述のような超伝導体材料によって形成することで、非常に低ロスで急峻なリジェクト帯域を有するフィルタ周波数特性が得られる。
例えば、2つの基本信号の周波数f,fが5GHz付近の場合、超伝導フィルタ11のフィルタ特性の中心周波数が5GHz付近になり、かつ、一の基本信号の周波数fを含む帯域及び他の基本信号の周波数fを含む帯域の2つの帯域で共振するように、ディスクパターンの直径、及び、グランド層19に設ける開口部19Aの大きさを設定すれば良い。
具体的には、MgO基板を用いた場合、ディスクパターン17の直径を11.1mm程度とし、グランド層19の円形スロット19Aの直径を1mmとすれば、入出力フィーダ18に入力した信号のうち5GHz付近の周波数f,fの基本信号のみがディスクパターン17に溜まることになる。つまり、基本信号の周波数f,fがディスクパターン17の共振周波数に一致し、ディスクパターン17で共振してリジェクトされる一方、2つの帯域外の周波数を持つ信号(特に相互変調歪信号)は共振せずに、そのまま出力されることになる。
これにより、基本信号において40dB程度の減衰が得られるとともに、基本信号の周波数f,fを含む帯域外では殆どロスがない優れたフィルタ周波数特性(フィルタ通過特性)が得られる(図4参照)。このため、サンプル50からの出力信号が本超伝導フィルタ11を通ると、基本信号は40dB程度減衰するが、相互変調歪信号の減衰はほとんどない(図6参照)。したがって、相互変調歪信号がノイズレベルに埋もれることなく、高精度な非線形歪の測定が可能となる。つまり、従来、サンプル50から出力される基本信号と相互変調歪信号の信号レベルの差(信号振幅差)が80dB程度までの場合しか非線形歪の測定を行なうことができなかった。これに対し、本超伝導フィルタ11を用いることで、これらの信号レベルの差が120dB以上の場合であっても非線形歪の測定を行なうことができる。このため、高性能かつ広いダイナミックレンジで非線形歪を測定できることになる。
なお、ここでは、超伝導材料として、YBCO系超伝導材料を用いているが、これに限られるものではない。
例えば、RBCO(R−Ba−Cu−O)系超伝導材料、即ち、R元素としてY(イットリウム)に代えて、Nd、Sm、Gd、Dy、Hoを用いたRBCO系超伝導材料(高温超伝導材料)を用いても良い。また、BSCCO(Bi−Sr−Ca−Cu−O)系超伝導材料、PBSCCO(Pb−Bi−Sr−Ca−Cu−O)系超伝導材料、CBCCO(Cu−Bap−Caq−Cur−Ox、1.5<p<2.5、2.5<q<3.5、3.5<r<4.5)系超伝導材料などの他の酸化物超伝導材料(高温超伝導材料)を用いても良い。さらに、Nb、NbN化合物などの超伝導材料(高温超伝導体材料)を用いても良い。
また、ロッド13は、超伝導フィルタ11のフィルタ特性のリジェクト帯域幅をチューニングするためのチューニングロッドである。
さらに、プレート14は、超伝導フィルタ11のフィルタ特性の中心周波数をチューニングするためのチューニングプレートである。プレート14の形状は、円形にするのが好ましい。
ここでは、ロッド13及びプレート14は、サファイアによって形成されている。
なお、ロッド13及びプレート14の材料は、これに限られるものではない。例えば、MgO、LaAlO、NdGaO、LSAT、LaSrGaO、LaGaO、YSZ、TiOなどの誘電体材料を用いても良い。また、例えばYIGなどの磁性体材料を用いても良い。
また、位置調整手段(位置制御手段)15は、図1、図5に示すように、ロッド13の位置とプレート14の位置とをそれぞれ個別に調整(制御)するようになっている。このため、本実施形態では、位置調整手段15として、ロッド用位置調整手段15Aと、プレート用位置調整手段15Bとを備える。
ここで、ロッド用位置調整手段15Aは、ロッド13に接続されたロッド調整トリマ20(微調整用可変素子)と、ロッド調整トリマ20を制御するためのロッド用制御手段21(例えば直線導入メカ制御機構)とを備える。
そして、ロッド用位置調整手段15Aは、ロッド用制御手段21によってロッド調整トリマ20を制御して、ロッド13の位置を調整するようになっている。
ここでは、ロッド用位置調整手段15Aは、グランド層19に設けられた開口部19Aの大きさが調整されるようにロッド13の位置を調整するようになっている。つまり、ロッド用位置調整手段15Aは、超伝導フィルタ11のグランド層19に設けられた開口部19Aに対するロッド13の位置を調整するようになっている。なお、ロッド用制御手段21は、ドライバ回路や制御回路を含む。
また、プレート用位置調整手段15Bは、プレート14に接続されたプレート調整トリマ22と、プレート調整トリマ22を制御するためのプレート用制御手段23とを備える。
そして、プレート用位置調整手段15Bは、プレート用制御手段23によってプレート調整トリマ22を制御して、プレート14の位置を調整するようになっている。
ここでは、プレート用位置調整手段15Bは、プレート14と共振器パターン17との間隔が調整されるようにプレート14の位置を調整するようになっている。つまり、プレート用位置調整手段15Bは、超伝導フィルタ11の共振器パターン17に対するプレート14の位置を調整するようになっている。なお、プレート用制御手段23は、ドライバ回路や制御回路を含む。
具体的には、上述の超伝導フィルタ11、ロッド13及びプレート14は、図1に示すように、パッケージ24内に収容されている。そして、このパッケージ24が、図5に示すように、真空容器25内の冷却ステージ26上に搭載されている。このため、超伝導フィルタ11は、パッケージ24内に実装され、真空容器25内に搭載されていることになる。また、冷却ステージ26は、真空容器25の外側に設けられた冷凍機27に接続(直結)されている。
このように、本実施形態では、超伝導チューナブルフィルタ装置は、冷凍機27と、この冷凍機27に直結された冷却ステージ26とを含む冷却装置28を備える。
この冷却装置28は、超伝導フィルタ11の超伝導状態を出現させるために、超伝導フィルタ11を冷却するためのものである。冷凍装置28としては、例えばヘリウムガス循環型小型冷凍装置を用いれば良い。なお、冷却装置28は窒素を冷媒として用いるものであっても良い。
また、パッケージ24には、図1、図5に示すように、入力用コネクタ29及び出力用コネクタ30が設けられている。
ここでは、パッケージ24は、図5に示すように、入力用コネクタ29が前方に位置し、出力用コネクタ30が上方に位置するように、冷却ステージ26上に搭載される。また、入力用コネクタ29及び出力用コネクタ30は、図1に示すように、それぞれ、超伝導フィルタ11の入出力フィーダ18に接続されている。
また、真空容器25には、図5に示すように、入力用ハーメチックコネクタ31及び出力用ハーメチックコネクタ32が設けられている。
ここでは、真空容器25の上面に出力用ハーメチックコネクタ32が設けられており、真空容器25の側面に入力用ハーメチックコネクタ31が設けられている。また、入力用ハーメチックコネクタ31は、サンプル50に接続されており、出力用ハーメチックコネクタ32は、スペクラムアナライザ10に接続されている。
さらに、パッケージ24に設けられた入力用コネクタ29と、真空容器25に設けられた入力用ハーメチックコネクタ31とが、同軸ケーブル33によって接続されている。また、パッケージ24に設けられた出力用コネクタ30と、真空容器25に設けられた出力用ハーメチックコネクタ32とが、同軸ケーブル34によって接続されている。
そして、サンプル50からの出力信号(基本信号及び相互変調歪信号を含む)が、入力用ハーメチックコネクタ31、同軸ケーブル33及び入力用コネクタ29を介して、パッケージ24内の超伝導フィルタ11に入力されるようになっている。また、超伝導フィルタ11によって、サンプル50からの出力信号の中の基本信号のみが減衰させられ、出力用コネクタ30、同軸ケーブル34及び出力用ハーメチックコネクタ32を介して、スペクトラムアナライザ10へ出力されるようになっている。
また、ロッド13は、図1に示すように、パッケージ24に形成されたロッド用開口部24Aに移動可能に設けられている。
ここでは、パッケージ24は、図5に示すように、ロッド用開口部24Aが設けられた一の側面及びロッド用開口部24Aに設けられたロッド13が側方に位置するように、冷却ステージ26上に搭載される。
そして、図1に示すように、パッケージ24の一の側面の内側に超伝導フィルタ11のグランド層19が接し、かつ、パッケージ24に形成されたロッド用開口部24Aに対応する位置に、超伝導フィルタ11のグランド層19に形成された開口部(スロット)19Aが位置するように、パッケージ24内に超伝導フィルタ11が収納されている。これにより、超伝導フィルタ11のグランド層19に形成された開口部(グランド側スロット部)19に対してロッド13を出し入れし、開口部19Aの大きさを調整することで、フィルタ特性のリジェクト帯域幅(f−f)を変化させることができる。
このように、ノッチ特性を劣化させることなく、フィルタ特性のリジェクト帯域幅を広帯域に変化させることができるため、広い周波数領域において、高性能かつ広いダイナミックレンジで非線形歪を測定できる。
また、ロッド13に接続されたロッド調整トリマ20は、図5に示すように、パッケージ24の外側に位置し、例えば熱伝導率が比較的低い棒35などを介して、真空容器25外に設けられているロッド用制御手段21(例えば直線導入メカ制御機構)に接続されている。
また、プレート14は、図1に示すように、パッケージ24に形成されたプレート用開口部24Bに移動可能に設けられたプレート調整トリマ22に取り付けられている。
ここでは、パッケージ24は、図5に示すように、プレート用開口部24Bが設けられた他の側面及びプレート用開口部24Bに設けられたプレート調整トリマ22が側方に位置するように、冷却ステージ26上に搭載される。
そして、図1に示すように、プレート調整トリマ22の先端に、パッケージ24内に収納されたプレート14が取り付けられている。これにより、超伝導フィルタ11の共振器パターン17に対してプレート14を近づけたり遠ざけたりして、プレート14と共振器パターン17との間隔を調整することで、フィルタ特性の中心周波数[f=(f+f)/2]を変化させることができる。
このように、ノッチ特性を劣化させることなく、フィルタ特性の中心周波数(即ち、2つのリジェクト帯域の位置)を広帯域に変化させることができるため、広い周波数領域において、高性能かつ広いダイナミックレンジで非線形歪を測定できる。
ここで、超伝導フィルタ11のフィルタ特性の中心周波数は、超伝導の低損失性を生かすために、3〜6GHzの範囲内とするのが望ましい。また、チューナブル範囲はオクターブまでは可能であるが、10%程度(例えば、中心周波数が5GHzの場合、可変量500MHzまでが実現しやすい。
また、プレート14に接続されたプレート調整トリマ22は、図1に示すように、パッケージ24の外側まで延びている。そして、プレート調整トリマ22は、図5に示すように、例えば熱伝導率が比較的低い棒36などを介して、真空容器25外に設けられているプレート用制御手段23(例えば直線導入メカ制御機構)に接続されている。
なお、ここでは、位置調整手段15(15A,15B)の一部分を真空容器25内に設け、位置調整手段15(15A,15B)の残りの部分(特に制御手段21,23)を真空容器25外に設けているが、これに限られるものではない。例えば位置調整手段15(15A,15B)の全てを真空容器25内に設けても良い。
したがって、本実施形態にかかる超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法によれば、簡便な構成で、広い周波数領域において、高精度かつ高ダイナミックに非線形歪を測定できるという利点がある。
なお、上述の実施形態では、ロッド13をロッド調整トリマ20に接続し、ロッド用制御手段21によってロッド調整トリマ20を制御して、ロッド13の位置を調整するようにしているが、これに限られるものではない。
例えば、ロッド13を、ロッド調整ピエゾ素子又はロッド調整MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子に接続し、ロッド用制御手段によってロッド調整トリマ又はロッド調整MEMS素子を制御して、ロッド13の位置を調整するようにしても良い。つまり、ロッド用位置調整手段を、ロッド13に接続されたロッド調整トリマ、ロッド調整ピエゾ素子、ロッド調整MEMS素子のいずれか一つと、ロッド調整トリマ、ロッド調整ピエゾ素子、ロッド調整MEMS素子のいずれか一つを制御するためのロッド用制御手段とを備えるものとすれば良い。なお、ロッド調整ピエゾ素子を用いる場合、ロッド用制御手段は、ピエゾアクチュエータを含む。
また、上述の実施形態では、プレート14をプレート調整トリマ22に接続し、プレート用制御手段23によってプレート調整トリマ22を制御して、プレート14の位置を調整するようにしているが、これに限られるものではない。
例えば、プレート14を、プレート調整ピエゾ素子又はプレート調整MEMS素子に接続し、プレート用制御手段によってプレート調整トリマ又はプレート調整MEMS素子を制御して、プレート14の位置を調整するようにしても良い。つまり、プレート用位置調整手段を、プレート14に接続されたプレート調整トリマ、プレート調整ピエゾ素子、プレート調整MEMS素子のいずれか一つと、プレート調整トリマ、プレート調整ピエゾ素子、プレート調整MEMS素子のいずれか一つを制御するためのプレート用制御手段とを備えるものとすれば良い。なお、プレート調整ピエゾ素子を用いる場合、プレート用制御手段は、ピエゾアクチュエータを含む。
また、上述の実施形態では、ロッド13及びプレート14をトリマ20,21に接続し、制御手段21,23によってトリマ20,21を制御して、ロッド13及びプレート14の位置を調整するようにしているが、これに限られるものではなく、例えばワイヤを用いる方式であっても良い。ワイヤ方式としては、例えば、ロッド13及びプレート14にワイヤを取り付け、ロッド13及びプレート14の位置を調整するようにしても良い。この場合、位置調整手段はワイヤを含むものとして構成される。
また、上述の実施形態では、超伝導フィルタ11の共振器パターン17としてディスクパターンを用いているが、これに限られるものではない。
例えば、図7(A)に示すように、超伝導フィルタ11の共振器パターンとして、共振器を構成する2つのラインパターン37,38を用いても良い。この場合、誘電体基板40の表面に2つのラインパターン37,38(共振器)を隣接して配置すれば良く、ここでは、所定の間隔をあけて平行に配置するようにしている。
ここで、2つのラインパターン37,38の長さはいずれもλ/2とし、これらのラインパターン37,38の間の距離はλ/4とするのが好ましい。
この場合、2つのラインパターン37,38の一端側に、2つのラインパターン37,38に直交する方向へ延びるように、入出力フィーダ39を形成すれば良い。入出力フィーダ39は、誘電体基板40の表面にその一端から他端まで延びる直線状の導線として形成すれば良い。
そして、例えば、2つのラインパターン37,38の長さを調整することで、フィルタ特性の中心周波数を任意に設定することができる。
また、図7(B)に示すように、誘電体基板40の裏面に形成されるグランド層41に設ける開口部41A(ここでは円形スロット)は、2つのラインパターン37,38の間に設けられたスペースに対応する位置に設ければ良い。
そして、例えば、グランド層41に設ける開口部41Aの大きさを大きくすることで、フィルタ特性のリジェクト帯域幅を広くすることができる。一方、グランド層41に設ける開口部41Aの大きさを小さくすることで、リジェクト帯域幅を狭くすることができる。
また、超伝導フィルタ自身からの歪成分を極力小さくするためには、それぞれのラインパターン37,38の幅を太くすれば良い。
また、例えば、図8(A)に示すように、超伝導フィルタ11の共振器パターンとして、共振器を構成する2つのディスクパターン42,43を用いても良い。この場合、誘電体基板45の表面に2つのディスクパターン42,43(ディスク共振器)を隣接して配置すれば良く、ここでは、中心位置間の距離が所定の間隔になるように、入出力フィーダ44を挟んで両側に配置するようにしている。
ここで、2つのディスクパターン42,43の中心位置間の距離はλ/4とするのが好ましい。また、入出力フィーダ44は、誘電体基板45の表面にその一端から他端まで延びる直線状の導線として形成すれば良い。なお、λは2つの基本信号の中間の波長である。
そして、例えば、2つのディスクパターン42,43の直径を調整することで、フィルタ特性の中心周波数を任意に設定することができる。
また、図8(B)に示すように、誘電体基板45の裏面に形成されるグランド層46に設ける開口部46A(ここでは円形スロット)は、2つのディスクパターン42,43の間に設けられたスペースに対応する位置に設ければ良い。例えば、グランド層46に設ける開口部46Aは、2つのディスクパターン42,43の中心を結ぶ線の中間位置に対応する位置に設ければ良い。
そして、例えば、グランド層46に設ける開口部46Aの大きさを大きくすることで、フィルタ特性のリジェクト帯域幅を広くすることができる。一方、グランド層46に設ける開口部46Aの大きさを小さくすることで、フィルタ特性のリジェクト帯域幅を狭くすることができる。
また、例えば、グランド層46に設ける開口部46Aを、2つのディスクパターン42,43の中心から遠ざけることで、フィルタ特性のリジェクト帯域幅を狭くすることができる。つまり、2つのディスクパターン42,43の中心を結ぶ線の中間位置に対応する位置に設けられている開口部46Aを、その線に直交する方向へ移動させることで、フィルタ特性のリジェクト帯域幅を狭くすることができる。要するに、グランド層46に設ける開口部46Aを、2つのディスクパターン42,43の中心から遠ざけたり、2つのディスクパターン42,43の中心に近づけたりすることで、リジェクト帯域幅を狭くしたり、広くしたりすることができる。
また、超伝導フィルタ11の構成は、上述の実施形態のものに限られない。
つまり、例えば、図9に示すように、超伝導フィルタ11を、導波管47と、フィルタ特性のリジェクト帯域幅をチューニングするために用いられる帯域幅調整用穴48A及びフィルタ特性の中心周波数をチューニングするために用いられる中心周波数調整用穴48Bを有するキャビティ48とを備えるものとして構成しても良い。
この場合、超伝導フィルタ11のフィルタ特性のリジェクト帯域幅をチューニングするための帯域幅調整用ロッド、及び、超伝導フィルタ11のフィルタ特性の中心周波数をチューニングするための中心周波数調整用ロッドを用いる。
そして、位置調整手段が、帯域幅調整用穴48Aの大きさが調整されるように帯域幅調整用ロッドの位置を調整するととともに、中心周波数調整用穴48Bの大きさが調整されるように中心周波数調整用ロッドの位置を調整するようにすれば良い。
特に、超伝導フィルタ自身からの歪成分を極力小さくするためには、上述の実施形態において挙げたいずれかの超伝導体材料を用いた金属キャビティとするのが好ましい。
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
バンドリジェクション型の超伝導フィルタと、
前記超伝導フィルタをチューニングするためのロッドと、
前記超伝導フィルタに対する前記ロッドの位置を調整するためのロッド用位置調整手段とを備えることを特徴とする超伝導チューナブルフィルタ装置。
(付記2)
バンドリジェクション型の超伝導フィルタと、
前記超伝導フィルタをチューニングするためのプレートと、
前記超伝導フィルタに対する前記プレートの位置を調整するためのプレート用位置調整手段とを備えることを特徴とする超伝導チューナブルフィルタ装置。
(付記3)
前記超伝導フィルタは、誘電体基板と、前記誘電体基板の表面に超伝導材料によって形成された共振器パターン及び入出力フィーダと、前記誘電体基板の裏面に超伝導材料によって形成され、2つのリジェクト帯域を有するフィルタ特性を形成するための開口部を有するグランド層とを備えることを特徴とする、付記1又は2記載の超伝導チューナブルフィルタ装置。
(付記4)
前記超伝導フィルタのフィルタ特性の中心周波数をチューニングするためのプレートと、
前記共振器パターンに対する前記プレートの位置を調整するためのプレート用位置調整手段とを備え、
前記ロッドは、前記超伝導フィルタのフィルタ特性のリジェクト帯域幅をチューニングするためのロッドであり、
前記ロッド用位置調整手段は、前記開口部の大きさが調整されるように前記ロッドの位置を調整することを特徴とする、付記1又は3記載の超伝導チューナブルフィルタ装置。
(付記5)
前記超伝導フィルタが、導波管と、フィルタ特性のリジェクト帯域幅をチューニングするために用いられる帯域幅調整用穴及びフィルタ特性の中心周波数をチューニングするために用いられる中心周波数調整用穴を有するキャビティとを備え、
前記ロッドは、前記超伝導フィルタのフィルタ特性のリジェクト帯域幅をチューニングするための帯域幅調整用ロッド、及び、前記超伝導フィルタのフィルタ特性の中心周波数をチューニングするための中心周波数調整用ロッドであり、
前記ロッド用位置調整手段は、前記帯域幅調整用穴の大きさが調整されるように前記帯域幅調整用ロッドの位置を調整するととともに、前記中心周波数調整用穴の大きさが調整されるように前記中心周波数調整用ロッドの位置を調整することを特徴とする、付記1又は3記載の超伝導チューナブルフィルタ装置。
(付記6)
前記超伝導フィルタを冷却するための冷却装置を備え、
前記超伝導フィルタは、真空容器内に搭載されていることを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の超伝導チューナブルフィルタ装置。
(付記7)
前記ロッド用位置調整手段は、前記ロッドに接続されたロッド調整トリマ、ロッド調整ピエゾ素子、ロッド調整MEMS素子のいずれか一つと、前記ロッド調整トリマ、前記ロッド調整ピエゾ素子、前記ロッド調整MEMS素子のいずれか一つを制御するためのロッド用制御手段とを備えることを特徴とする、付記1、3〜6のいずれか1項に記載の超伝導チューナブルフィルタ装置。
(付記8)
前記プレート用位置調整手段は、前記プレートに接続されたプレート調整トリマ、プレート調整ピエゾ素子、プレート調整MEMS素子のいずれか一つと、前記プレート調整トリマ、前記プレート調整ピエゾ素子、前記プレート調整MEMS素子のいずれか一つを制御するためのプレート用制御手段とを備えることを特徴とする、付記2、4、6のいずれか1項に記載の超伝導チューナブルフィルタ装置。
(付記9)
異なる周波数の2つの基本信号をサンプルに入力し、前記サンプルの非線形性によって生じる相互変調歪信号を測定する非線形歪測定装置であって、
前記サンプルから出力される前記基本信号及び前記サンプルの非線形性によって生じる相互変調歪信号のうち前記基本信号のみを減衰させる超伝導チューナブルフィルタ装置を備え、
前記超伝導チューナブルフィルタ装置が、
バンドリジェクション型の超伝導フィルタと、
前記超伝導フィルタをチューニングするためのロッドと、
前記超伝導フィルタに対する前記ロッドの位置を調整するためのロッド用位置調整手段とを備えることを特徴とする非線形歪測定装置。
(付記10)
異なる周波数の2つの基本信号をサンプルに入力し、
前記サンプルから出力される前記基本信号及び前記サンプルの非線形性によって生じる相互変調歪信号のうち前記基本信号のみを超伝導チューナブルフィルタ装置によって減衰させ、
前記相互変調歪信号を測定する非線形歪測定方法であって、
前記サンプルに応じて2つの基本信号の周波数を設定し、
前記2つの基本信号の周波数に応じて、前記超伝導チューナブルフィルタ装置のフィルタ特性の中心周波数及びリジェクト帯域幅を調整することを特徴とする非線形歪測定方法。
1 超伝導チューナブルフィルタ装置
2 第1信号源
3 第2信号源
4 第1パワーアンプ
5 第2パワーアンプ
6 第1アイソレータ
7 第2アイソレータ
8 3dBカプラ
9 第3アイソレータ
10 スペクトラムアナライザ
11 バンドリジェクション型の超伝導フィルタ
12 チューナブル構造
13 ロッド
14 プレート
15 位置調整手段
15A ロッド用位置調整手段
15B プレート用位置調整手段
16 誘電体基板
17 共振器パターン
18 入出力フィーダ
19 グランド層
19A 開口部(スロット)
20 ロッド調整トリマ
21 ロッド用制御手段
22 プレート調整トリマ
23 プレート用制御手段
24 パッケージ
24A ロッド用開口部
24B プレート用開口部
25 真空容器
26 冷却ステージ
27 冷凍機
28 冷却装置
29 入力用コネクタ
30 出力用コネクタ
31 入力用ハーメチックコネクタ
32 出力用ハーメチックコネクタ
33,34 同軸ケーブル
35,36 熱伝導率が比較的低い棒
37,38 ラインパターン
39 入出力フィーダ
40 誘電体基板
41 グランド層
41A 開口部(スロット)
42,43 ディスクパターン
44 入出力フィーダ
45 誘電体基板
46 グランド層
46A 開口部(スロット)
47 導波管
48 キャビティ
48A 帯域幅調整用穴
48B 中心周波数調整用穴
50 サンプル

Claims (5)

  1. バンドリジェクション型の超伝導フィルタと、
    前記超伝導フィルタをチューニングするためのロッドと、
    前記超伝導フィルタに対する前記ロッドの位置を調整するためのロッド用位置調整手段とを備えることを特徴とする超伝導チューナブルフィルタ装置。
  2. バンドリジェクション型の超伝導フィルタと、
    前記超伝導フィルタをチューニングするためのプレートと、
    前記超伝導フィルタに対する前記プレートの位置を調整するためのプレート用位置調整手段とを備えることを特徴とする超伝導チューナブルフィルタ装置。
  3. 前記超伝導フィルタは、誘電体基板と、前記誘電体基板の表面に超伝導材料によって形成された共振器パターン及び入出力フィーダと、前記誘電体基板の裏面に超伝導材料によって形成され、2つのリジェクト帯域を有するフィルタ特性を形成するための開口部を有するグランド層とを備えることを特徴とする、請求項1又は2記載の超伝導チューナブルフィルタ装置。
  4. 異なる周波数の2つの基本信号をサンプルに入力し、前記サンプルの非線形性によって生じる相互変調歪信号を測定する非線形歪測定装置であって、
    前記サンプルから出力される前記基本信号及び前記サンプルの非線形性によって生じる相互変調歪信号のうち前記基本信号のみを減衰させる超伝導チューナブルフィルタ装置を備え、
    前記超伝導チューナブルフィルタ装置が、
    バンドリジェクション型の超伝導フィルタと、
    前記超伝導フィルタをチューニングするためのロッドと、
    前記超伝導フィルタに対する前記ロッドの位置を調整するためのロッド用位置調整手段とを備えることを特徴とする非線形歪測定装置。
  5. 異なる周波数の2つの基本信号をサンプルに入力し、
    前記サンプルから出力される前記基本信号及び前記サンプルの非線形性によって生じる相互変調歪信号のうち前記基本信号のみを超伝導チューナブルフィルタ装置によって減衰させ、
    前記相互変調歪信号を測定する非線形歪測定方法であって、
    前記サンプルに応じて2つの基本信号の周波数を設定し、
    前記2つの基本信号の周波数に応じて、前記超伝導チューナブルフィルタ装置のフィルタ特性の中心周波数及びリジェクト帯域幅を調整することを特徴とする非線形歪測定方法。
JP2009014333A 2009-01-26 2009-01-26 超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法 Expired - Fee Related JP5120278B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009014333A JP5120278B2 (ja) 2009-01-26 2009-01-26 超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009014333A JP5120278B2 (ja) 2009-01-26 2009-01-26 超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010171874A true JP2010171874A (ja) 2010-08-05
JP5120278B2 JP5120278B2 (ja) 2013-01-16

Family

ID=42703549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009014333A Expired - Fee Related JP5120278B2 (ja) 2009-01-26 2009-01-26 超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5120278B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016517220A (ja) * 2013-03-15 2016-06-09 バード テクノロジーズ グループ インコーポレイテッド パルス刺激を用いたパッシブ相互変調テスト
CN116345105A (zh) * 2023-05-31 2023-06-27 成都沃特塞恩电子技术有限公司 微波耦合装置
CN116404382A (zh) * 2023-05-29 2023-07-07 成都世源频控技术股份有限公司 一种导体短路式机械可调衰减器

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6399601A (ja) * 1986-06-26 1988-04-30 Nec Corp マイクロ波帯等化器
JP2001332905A (ja) * 2000-05-23 2001-11-30 Murata Mfg Co Ltd デュアルモード・バンドパスフィルタ
JP2002040068A (ja) * 2000-07-27 2002-02-06 Nec Corp 相互変調歪測定装置
JP2002340947A (ja) * 2001-05-15 2002-11-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd ミキサの歪み測定方法及びミキサの歪み解析方法
JP2006101187A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Fujitsu Ltd 超伝導デバイス
JP2006267020A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Anritsu Corp ノイズ測定方法、ノイズ測定プログラム、およびノイズ測定装置
JP2008028835A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Fujitsu Ltd 超伝導チューナブルフィルタ

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6399601A (ja) * 1986-06-26 1988-04-30 Nec Corp マイクロ波帯等化器
JP2001332905A (ja) * 2000-05-23 2001-11-30 Murata Mfg Co Ltd デュアルモード・バンドパスフィルタ
JP2002040068A (ja) * 2000-07-27 2002-02-06 Nec Corp 相互変調歪測定装置
JP2002340947A (ja) * 2001-05-15 2002-11-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd ミキサの歪み測定方法及びミキサの歪み解析方法
JP2006101187A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Fujitsu Ltd 超伝導デバイス
JP2006267020A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Anritsu Corp ノイズ測定方法、ノイズ測定プログラム、およびノイズ測定装置
JP2008028835A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Fujitsu Ltd 超伝導チューナブルフィルタ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016517220A (ja) * 2013-03-15 2016-06-09 バード テクノロジーズ グループ インコーポレイテッド パルス刺激を用いたパッシブ相互変調テスト
US10615888B2 (en) 2013-03-15 2020-04-07 Bird Technologies Group Inc. Passive intermodulation testing using pulse stimulus
CN116404382A (zh) * 2023-05-29 2023-07-07 成都世源频控技术股份有限公司 一种导体短路式机械可调衰减器
CN116404382B (zh) * 2023-05-29 2023-08-08 成都世源频控技术股份有限公司 一种导体短路式机械可调衰减器
CN116345105A (zh) * 2023-05-31 2023-06-27 成都沃特塞恩电子技术有限公司 微波耦合装置
CN116345105B (zh) * 2023-05-31 2023-08-22 成都沃特塞恩电子技术有限公司 微波耦合装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5120278B2 (ja) 2013-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100349277B1 (ko) 평면 필터 및 필터 시스템
KR102132548B1 (ko) 주파수 선택성 리미터
US8725224B2 (en) Superconducting filter with disk-shaped electrode pattern
US9711839B2 (en) Frequency selective limiter
JP5120278B2 (ja) 超伝導チューナブルフィルタ装置、非線形歪測定装置、非線形歪測定方法
US20070229201A1 (en) Filter circuit and method of adjusting characteristics thereof
JP4874281B2 (ja) 通信用モジュール
JP4149690B2 (ja) 超電導フィルタ
JPH05299712A (ja) マイクロ波部品
JP4504932B2 (ja) 超伝導フィルタデバイスおよびフィルタ特性調整方法
JP4941326B2 (ja) チューナブルフィルタ装置
US7734319B2 (en) Dual-mode superconductive filter having an opening pattern in a ground plane
Talisa et al. Microwave superconducting filters
Kuroda et al. Design and Fabrication of Compact HTS Duplexers Using a CQ Structure With a High $ Q_ {u} $ Resonator
JP2006101187A (ja) 超伝導デバイス
Chaloupka Microwave applications of high temperature superconductors
JP4789850B2 (ja) バンドパスフィルタおよびその作製方法
US20090058565A1 (en) Resonator apparatus having direct-coupled resonators
JP5369905B2 (ja) 帯域除去フィルタ
JP5062165B2 (ja) デュアルモードフィルタ
JP2009077330A (ja) フィルタ回路および無線通信装置
Barra Miniaturized superconducting planar filters for telecommunication applications
KR101116784B1 (ko) 초전도 디스크 공진기, 그 제작 방법 및 유전율 이방성의평가 방법
JP2006136025A (ja) 無線送受信装置
JP2009225014A (ja) フィルタ装置およびチューニング方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120925

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121008

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151102

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5120278

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees