JP5369905B2 - 帯域除去フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、ディスク型デュアルモード共振器を用いた帯域除去フィルタに関する。
近年、携帯電話の普及、発展に伴い、高速かつ大容量の伝送技術が不可欠になってきている。高速かつ大容量の通信を実現するために、広い周波数帯域を確保する必要があり、無線通信で用いる周波数帯が高周波の方向へシフトしている。このような高周波帯域において、所望の周波数成分のみを選択的に通過させ、それ以外の周波数成分を急峻に遮断するフィルタ特性が、無線通信用のフィルタに求められる。また、高周波回路素子を用いた無線通信機器には、小型化及び軽量化も強く求められる。
高周波数帯域で用いられるフィルタとして、ディスク型共振器を用いたフィルタが知られている。ディスク型共振器は、半波長またはその整数倍の電気路長を半径とする円形の導電パターンを含む。スペース効率を高めるために、ひとつの共振器で2つの共振モード(デュアルモード)を発生させて、より急峻なフィルタ特性を得る方法が提案されている。
また、伝送線路の側方に、円弧状の共振パターンを配置した帯域除去フィルタが提案されている。
特開2008−295024号公報 特開平10−308611号公報
Futatsumori, S, et al., "Microwave superconducting reaction-type transmitting filter using split open-ring resonator", IEEE Electronics Letters, Vol.42, No.7 (2006)
送信用の電力増幅器の非線形特性により、増幅された信号が、不要な周波数成分を含むことになる。不要な周波数成分(雑音)の電力は、信号電力に比べて小さい。帯域通過のフィルタを用いて信号の周波数成分を透過させ、不要な周波数成分を除去する場合、大電力の信号がフィルタ内を通過する。このため、フィルタに用いる共振器の耐電力性を高くしなければならない。
帯域除去フィルタを用いて不要な周波数成分を除去する場合には、共振器に不要な周波数成分のみが励振されるため、帯域通過フィルタを用いる場合に比べて、共振器の耐電力性を高くしなくてもよい。ただし、従来の帯域除去フィルタは、携帯電話の無線基地局に用いられる送信機用のフィルタとして、耐電力性が十分であるとはいえない。
本発明の一観点によると、
ディスク型の共振パターンを含むデュアルモード共振器と、
前記共振パターンの外周線よりも外側を通過し、前記共振パターンに電気的に結合する第1の伝送線路と、
第1の端部において、前記共振パターンに電気的に結合する第2の伝送線路と
前記第2の伝送線路を終端する負荷インピーダンスと
を有し、
前記第1の伝送線路と前記共振パターンとは第1の結合位置で電気的に結合し、前記第2の伝送線路と前記共振パターンとは第2の結合位置で電気的に結合し、
前記第1の伝送線路を伝送される信号によって前記デュアルモード共振器に励振された共振信号が、前記第2の伝送線路に取り出され
前記第2の伝送線路に取り出された信号の電力が前記負荷インピーダンスにより消費され、
前記第1の伝送線路に沿って伝送される信号の進行方向が、前記第1の結合位置を通過する接線ベクトルのうち、前記第2の結合位置側を向く接線ベクトルと同じ向きにされた、帯域除去フィルタが提供される。
デュアルモード共振器に発生した共振信号の電力が、第2の伝送線路に引き出されるため、共振信号の電力が共振パターンに滞留することを抑制できる。これにより、耐電力性を高めることができる。
(1A)は、実施例1による帯域除去フィルタの断面図であり、(1B)は、実施例1による帯域除去フィルタの平断面図である。 実施例1による帯域除去フィルタの透過特性、反射特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施例2による帯域除去フィルタの導電パターンの平面図である。 (4A)は、実施例2による帯域除去フィルタを適用した送信機のブロック図であり、(4B)は、実施例2による帯域除去フィルタの透過特性を示すグラフであり、(4C)は、電力増幅器に入力される高周波信号のスペクトルを示すグラフであり、(4D)は、電力増幅器で増幅された高周波信号のスペクトルを示すグラフであり、(4E)は、帯域除去フィルタを透過した高周波信号のスペクトルを示すグラフである。 (5A)は、実施例3による帯域除去フィルタの導電パターンを示す平面図であり、(5B)は、実施例3の変形例1による帯域除去フィルタの導電パターンを示す平面図である。 (6A)は、実施例3の変形例2による帯域除去フィルタの導電パターンを示す平面図であり、(6B)は、実施例3の変形例3による帯域除去フィルタの導電パターンを示す平面図である。 (7A)は、実施例4による帯域除去フィルタの断面図であり、(7B)は、実施例4による帯域除去フィルタの平断面図である。 実施例5による帯域除去フィルタの誘電体基板及び導電パターンの断面図である。
以下、図面を参照しながら実施例について説明する。
図1Aに、実施例1による帯域除去フィルタの断面図を示し、図1Bに、図1Aの一点鎖線1B−1Bにおける平断面図を示す。図1Bの一点鎖線1A−1Aにおける断面図が図1Aに相当する。
図1Aに示すように、誘電体基板20の主表面上に、共振パターン21及び第1の伝送線路22が形成され、裏面にグランド膜27が形成されている。誘電体基板20は、パッケージ15の本体15Aの底面上に配置されている。グランド膜27がパッケージ本体15Aの底面に接触する。
パッケージ本体15Aは、上方が開口した直方体状の容器であり、開口部は、天板15Bで塞がれている。パッケージ本体15Aと天板15Bとにより、内部に閉じた空間を画定するパッケージ15が構成される。パッケージ15は、例えば、熱伝導性及び導電性に優れる無酸素銅で形成されている。なお、無酸素銅の他に、純アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金等で形成してもよい。さらに、パッケージ15に、誘電体基板20の熱収縮率に近い熱収縮率を持つコバール、インバー、42アロイ等を用いてもよい。また、パッケージ15には、表面酸化による電気的な特性の劣化を防止するために、厚さ2μm程度の金めっきが施されている。
誘電体基板20は、主表面に(100)結晶面が現れている酸化マグネシウム(MgO)で形成され、その厚さは0.5mmである。誘電体基板20の材料として、LaAlO、サファイア等の高誘電率、低損失の誘電体材料を用いてもよい。
パッケージ本体15Aの側壁に、入力コネクタ35及び出力コネクタ36が取り付けられている。入力コネクタ35の中心導体が、例えば直径25μmのAu線により、第1の伝送線路22の入力端22Aに接続されている。出力コネクタ36の中心導体が、例えば直径25μmのAu線により、第1の伝送線路22の出力端22Bに接続されている。なお、Au線の代わりに、AuリボンやAl線を用いてもよい。
図1Bに示すように、誘電体基板20の主表面上に、共振パターン21、第1の伝送線路22、第2の伝送線路23、及び第3の伝送線路24が形成されている。共振パターン21、第1〜第3の伝送線路22〜24、及びグランド膜27(図1A)は、マイクロストリップライン構造を有する。
一例として、誘電体基板20の上に5GHz帯の帯域通過フィルタを作製する場合、共振パターン21を、直径11mmの円形の平面形状とする。このとき、共振パターン21内で共振する高周波信号の波長λrと、共振パターンの直径dとの関係は、
d=(n/2)λr (nは自然数) ・・・(1)
となる。ここで、n=1のときの波長λrに相当する周波数を「基本共振周波数」と呼ぶ。すなわち、共振パターン21の基本共振周波数の信号は、その直径の2倍、すなわち22mmの波長を持つ。実際の共振波長は、マイクロストリップラインの実効誘電率と、電気的に測定された共振周波数とから求めることができる。なお、現実には、共振パターン21の縁からの電磁波の染み出し等により、共振する高周波信号の波長は、上述の式(1)で求めた共振波長λrからややずれる。
共振パターン21の外周線上に、第1〜第4の結合位置C1〜C4を定義する。第1の結合位置C1を端点とする半径と、第2の結合位置C2を端点とする半径とが相互に直交するように、第1の結合位置C1と、第2の結合位置C2とが設定されている。第3の結合位置C3及び第4の結合位置C4は、それぞれ共振パターン21の中心に関して、第1の結合位置C1及び第2の結合位置C2の点対称の位置に画定される。
第1の伝送線路22は、共振パターン21の外周線よりも外側を通過し、第1の結合位置C1及びその近傍において、共振パターン21と電気的に結合(容量結合)する。第2の伝送線路23の一方の入力端23A及びその近傍が、第2の結合位置C2及びその近傍において、共振パターン21と電気的に結合(容量結合)する。
第1の伝送線路22は、入力端22A側の直線部分、出力端22B側の直線部分、及び両者を連結する結合部分を含む。第2の伝送線路23は、入力端23A側の結合部分と、それに連結された出力端23B側の直線部分とを含む。第1の伝送線路22及び第2の伝送線路23の各々の結合部分は、共振パターン21の円周状の外周線に並行するように湾曲している。第1及び第2の伝送線路22、23の結合部分の各々と、共振パターン21との間隔は、例えば25〜100μmである。結合部分を湾曲させることにより、第1及び第2の伝送線路22、23の各々と、共振パターン21との結合度を高めることができる。
第3の伝送線路24の一端が、第3の結合位置C3及びその近傍において共振パターン21と容量結合し、他端が、第4の結合位置C4及びその近傍において共振パターン21と容量結合する。これにより、第3の伝送線路24は、共振パターン21の第3の結合位置C3と第4の結合位置C4とを、相互に容量結合させる。第3の伝送線路24の両端の平面形状は、共振パターン21の外周に沿う曲率を持った三日月状にされている。第3の伝送線路24の三日月状の部分と、共振パターン21との間隔は、例えば25〜100μmである。第3の伝送線路24の端部を三日月状にすることにより、第3の伝送線路24と共振パターン21との結合度を高めることができる。第3の伝送線路24は、共振パターン21に、デュアルモードの共振を生じさせる。このように、共振パターン21と第3の伝送線路24とが、デュアルモード共振器として動作する。
共振パターン21、第1〜第3の伝送線路22〜24、及びグランド膜27(図1A)は、YBaCu6+x(以下、「YBCO」という。)で形成されており、その厚さは100〜500nmである。なお、これらの導電パターンは、YBCO以外に、液体窒素温度で超伝導状態を示す酸化物超伝導材料で形成してもよい。酸化物超伝導材料の例として、R−Ba−Cu−O系(RはNb、Ym、Sm、またはHo)材料、Bi−Sr−Ca−Cu−O系材料、Pb−Bi−Sr−Ca−Cu−O系材料、CuBaCaCu系材料(1.5<p<2.5、2.5<q<3.5、3.5<r<4.5)等が挙げられる。第1〜第3の伝送線路22〜24の幅は、上述の誘電体基板20上に形成する場合は0.5mmであり、このときの導波路の特性インピーダンスは50Ωである。
第1の伝送線路22の入力端22Aと出力端22B、及び第2の伝送線路23の出力端23Bの表面上に、Cr膜、Pd膜、及びAu膜がこの順番に積層された接続用電極が形成されている。
YBCO膜は、例えばパルスレーザ蒸着法により形成することができる。誘電体基板20の主表面上の各YBCOパターンは、通常のフォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。Cr膜、Pd膜、及びAu膜が積層された接続用電極は、蒸着及びリフトオフ法を用いて形成することができる。
パッケージ本体15Aの側壁に、入力コネクタ35、及び出力コネクタ36、37が取り付けられている。入力コネクタ35及び出力コネクタ36の中心導体が、それぞれ第1の伝送線路22の入力端22A及び出力端22Bに形成された接続用電極に接続される。出力コネクタ37の中心導体が、第2の伝送線路23の出力端23Bに形成された接続用電極に接続される。
出力コネクタ37の中心導体は、パッケージ15の外側において、負荷インピーダンス38に接続される。負荷インピーダンス38は、第2の伝送線路23の特性インピーダンスに等しい。
入力コネクタ35から入力された高周波信号が、第1の伝送線路22を、その入力端22Aから出力端22Bまで伝送される。第1の伝送線路22を伝送される高周波信号により、共振パターン21に共振信号が励振される。また、第3の伝送線路24によって、デュアルモードの共振が生じる。第2の結合位置C2において、共振パターン21と第2の伝送線路23とが結合しているため、共振信号の電力が、第2の伝送線路23に取り出される。
第2の伝送線路23に取り出された高周波信号は、出力端23Bまで伝送され、高周波信号の電力が、負荷インピーダンス38によって消費される。負荷インピーダンス38は、第2の伝送線路23の特性インピーダンスに等しいため、第2の伝送線路23の出力端23Bにおいて反射は生じない。
図2に、実施例1による帯域除去フィルタの周波数特性のシミュレーション結果を示す。横軸は周波数を単位「GHz」で表し、縦軸はSパラメータを単位「dB」で表す。反射パラメータS11、透過パラメータS21、除去パラメータS31は、それぞれ第1の伝送線路22の入力端22Aから高周波信号を入力したとき、入力端22Aに戻る反射波の大きさ、出力端22Bに出力される透過波の大きさ、及び第2の伝送線路23の出力端23Bに出力される高周波信号の大きさを示す。
周波数5GHz近傍において、透過パラメータS21が低下しており、5GHz近傍の帯域の高周波信号が除去されていることがわかる。高周波信号が除去されている帯域において、除去パラメータS31が、反射パラメータS11よりも大きい。入力された高周波信号から除去された周波数成分の大部分は、負荷インピーダンス38(図1B)で消費されることがわかる。共振信号の電力は、第2の伝送線路23によって、負荷インピーダンス38に伝送されるため、共振信号の電力が共振パターン21内に滞留することがない。
このように、共振パターン21に励振された共振信号の電力を、直ちに外部に取り出すことができる。また、外部に取り出された電力は、共振パターン21に戻らない。このため、デュアルモード共振器の耐電力性を高めることができる。
第1の伝送線路22の出力端22Bから高周波信号を入力した場合のシミュレーションを行ったところ、第2の伝送線路23に取り出される高周波信号の電力よりも、反射波の電力の方が大きくなることがわかった。反射波を小さくするために、第1の伝送線路22の入力端22Aから高周波信号を入力することが好ましい。具体的には、第1の伝送線路22に沿って伝送される高周波信号の進行方向を、第1の結合位置C1を通過する接線ベクトルのうち、第2の結合位置C2側を向く接線ベクトルと同じ向きにすることが好ましい。
実施例1では、第1の結合位置C1と第2の結合位置C2とで切り取られる円弧の中心角が90°になるように両者の位置を選択したが、この中心角は、必ずしも厳密に90°である必要はない。第2の結合位置C2は、共振パターン21に励振されたデュアルモード共振信号の電力を、第2の伝送線路23に引き出すことができる位置に設定すればよい。また、第3の結合位置C3及び第4の結合位置C4も、共振パターン21にデュアルモードの共振を生じさせることができる位置に設定すればよい。
特に、帯域除去フィルタによって除去される周波数帯域において、第2の伝送線路23に引き出される電力が、反射波の電力よりも大きくなるように、第1の結合位置C1と第2の結合位置C2とを配置することが好ましい。このように配置すると、同一構成の帯域除去フィルタを複数配置して多段化した際に、インピーダンスマッチングをとることが容易になる。
図3に、実施例2による帯域除去フィルタの導電パターンの平面図を示す。実施例2においては、帯域除去フィルタが2段構成になっている。1段目及び2段目の帯域除去フィルタ50、51の各々は、導電パターンの寸法を除いて、実施例1による帯域除去フィルタと同じ構成を有する。
1段目の帯域除去フィルタ50は、第1の伝送線路55、第2の伝送線路57、第1の共振パターン58、及び第3の伝送線路59を含む。2段目の帯域除去フィルタは、第1の伝送線路55、第4の伝送線路60、第2の共振パターン61、及び第5の伝送線路62を含む。第1の伝送線路55は、1段目の帯域除去フィルタ50と2段目の帯域除去フィルタ51とで共有される。1段目の帯域除去フィルタ50の第1の伝送線路55の出力端が、2段目の帯域除去フィルタ51の第1の伝送線路55の入力端に連続する。
第2の共振パターン61の共振周波数は、第1の共振パターン58の共振周波数とは異なる。このため、第1の共振パターン58の共振周波数の近傍、及び第2の共振パターン61の共振周波数の近傍の2つの帯域において、透過係数が小さくなる。
図4Aに、実施例2による帯域除去フィルタを用いた送信機のブロック図を示す。電力増幅器70に第1の信号Sigが入力される。電力増幅器70で増幅された第2の信号Sigが、帯域除去フィルタ71に入力される。この帯域除去フィルタ71には、図3に示した実施例2による帯域除去フィルタが用いられる。帯域除去フィルタ71を透過した第3の信号Sigが、アンテナ72に送られる。
図4Bに、帯域除去フィルタ71の透過パラメータS21を示す。ある周波数fの両側の2つの帯域において、透過パラメータS21が小さくなっている。透過パラメータS21の一方の谷が、1段目の帯域除去フィルタ50によるものであり、他方の谷が、2段目の帯域除去フィルタ51によるものである。
図4Cに、電力増幅器70に入力される第1の信号Sigのスペクトルの一例を示す。第1の信号Sigは、中心周波数fを中心とするある帯域内の周波数成分を持つ。
図4Dに、電力増幅器70で増幅された第2の信号Sigのスペクトルを示す。電力増幅器70の増幅特性の非線形性により、第1の信号Sigの持つ周波数帯域の両側に、雑音成分が生じている。図4Bに示した帯域除去フィルタ71の透過パラメータS21は、この雑音成分が分布する帯域において小さくなっている。
図4Eに、帯域除去フィルタ71を透過した第3の信号Sigのスペクトルを示す。帯域除去フィルタによって、図4Dに示した第2の信号Sigの雑音成分が除去される。このため、第3の信号Sigの周波数帯域は、元の第1の信号Sigの周波数帯域とほぼ等しい。
電力増幅器70で増幅された第2の信号Sigは、図3に示した1段目の帯域除去フィルタ50の第1の伝送線路55の入力端から入力され、2段目の帯域除去フィルタ51の出力端まで伝送される。図4Dに示した雑音成分のみが、第1の共振パターン58及び第2の共振パターン61を介して、第2の伝送線路57及び第4の伝送線路60に引き出される。雑音成分の電力は、元の第1の信号Sigの帯域内の信号の電力(信号電力)に比べて十分小さい。すなわち、第1の共振パターン58及び第2の共振パターン61に励振される共振信号の電力も小さい。
このため、取り扱う高周波信号の電力に比べて、第1及び第2の共振パターン58、61の耐電力性を小さく設定することができる。
実施例3による帯域除去フィルタは、図1Bに示した実施例1による帯域除去フィルタの導電パターンを変形したものである。
図5Aに、実施例3による帯域除去フィルタの導電パターンの平面図を示す。図1Bに示した実施例1では、第1の伝送線路22及び第2の伝送線路23が、共振パターン21との結合部分において湾曲していた。この変形例1では、第1の伝送線路22及び第2の伝送線路23が共に直線状である。このため、第1の伝送線路22と共振パターン21との結合度、及び第2の伝送線路23と共振パターン21との結合度が、実施例1の場合に比べて弱くなる。
結合度は弱くなるが、第2の伝送線路23に引き出された信号の電力が、負荷インピーダンス38(図1B)で消費される点は、実施例1の場合と同様である。このため、除去すべき周波数帯域の信号が、共振パターン21に滞留することが抑制される。
図5Bに、実施例3の変形例1による帯域除去フィルタの導電パターンの平面図を示す。共振パターン21の縁が、第1の伝送線路22及び第2の伝送線路23と結合する部分において、直線状に切り落とされている。第1の伝送線路22及び第2の伝送線路23の各々は直線状であり、共振パターン21の直線部分において、共振パターン21に結合する。
変形例1では、第1の伝送線路22と共振パターン21の外周線とが狭い間隔で並行する部分の長さを、図1Bに示した実施例1の場合と同程度にすることができる。このため、第1の伝送線路22と共振パターン21との結合度を、実施例1の場合と同程度にすることができる。同様に、第2の伝送線路23と共振パターン21との結合度も、実施例1の場合と同程度にすることができる。
図6Aに、実施例3の変形例2による帯域除去フィルタの導電パターンの平面図を示す。変形例2では、図1Bに示した第3の伝送線路24を廃し、その代わりに、共振パターン21の外周部に切り欠き21Aを設けている。切り欠き21Aは、第1の結合位置C1と第2の結合位置C2とを両端とする円弧のうち長い方の円弧の中央に配置される。切り欠き21Aを配置することにより、共振パターン21にデュアルモードの共振を発生させることができる。
図6Bに、実施例3の変形例3による帯域除去フィルタの導電パターンの平面図を示す。変形例3では、図1Bに示した第3の伝送線路24を廃し、その代わりに、共振パターン21の平面形状が、円形から変形されている。共振パターン21は、半円部分21Bと楕円部分21Cとを含む。半円部分21Bは、第1の結合位置C1を円弧の中心とする中心角90°の扇形と、第2の結合位置C2を円弧の中心とする中心角90°の扇形とを接合したものである。楕円部分21Cは、半円部分21Bの直線部分を短軸とし、それに直交する方向を長軸とする楕円を、その短軸で切断した楕円の一部である。
このように、共振パターン21を円形から変形させることにより、デュアルモードの共振を発生させることができる。
図5A〜図6Bに示したように、帯域除去フィルタに用いるデュアルモード共振器として、ディスク型の共振パターンと、その共振パターンにデュアルモードの共振を生じさせるデュアルモード発生器とを含む共振器を採用することができる。図1B、図3、図5A、図5Bに示した例では、第3の伝送線路24がデュアルモード発生器として作用する。図6Aに示した例では、切り欠き21Aがデュアルモード発生器として作用する。図6Bに示した例では、ディスク型の共振パターンの平面形状そのものが、デュアルモード発生器として作用する。
図7Aに、実施例4による帯域除去フィルタの断面図を示す。図7Bに、図7Aの一点鎖線7B−7Bにおける平断面図を示す。図7Bの一点鎖線7A−7Aにおける断面図が図7Aに相当する。
図7Aに示すように、第1の支持部材80及び第2の支持部材82が、天板15Bを貫通し、天板15Bに対して昇降可能に保持されている。第1及び第2の支持部材80、82として、例えば、天板15Bに形成された貫通孔に螺合するねじを用いることができる。第1及び第2の支持部材80、82の下端(パッケージ15内の端部)に、それぞれ第1及び第2の誘電体部材81、83が取り付けられている。その他の構成は、図1Aに示した実施例1による帯域通過フィルタの構成と同一である。
図7Bに示すように、第1の誘電体部材81は、第3の結合部分C3の近傍に配置され、第2の誘電体部材83は、第4の結合部分C4の近傍に配置される。ここで、「近傍」とは、共振パターン21と第3の伝送線路24との結合部分に発生する電磁界の影響が及ぶ範囲と定義することができる。例えば、平面視において、第1の誘電体部材81は、第3の結合部分C3と重なり、第2の誘電体部材83は、第4の結合部分C4と重なるように配置される。
第1及び第2の支持部材80、82を昇降させることにより、第1及び第2の誘電体部材81、83と、誘電体基板20との間隔を変化させることができる。第1及び第2の誘電体部材81、83と、誘電体基板20との間隔が変化すると、共振パターン21と第3の伝送線路24との結合容量が変化する。これにより、帯域除去フィルタの除去帯域幅を変化させることができる。
図8に、実施例5による帯域除去フィルタの誘電体基板及び導電パターンの断面図を示す。実施例1では、伝送線路にマイクロストリップライン構造が用いられているが、実施例5では、ストリップライン構造が用いられる。
誘電体基板20の主表面に、共振パターン21、及び第1の伝送線路22が形成されている。なお、図8に示した断面内には現れていないが、図1Bに示した第2の伝送線路23及び第3の伝送線路24も、誘電体基板20の主表面に形成されている。これらの導電パターンは、図1Bに示した実施例1による帯域除去フィルタの導電パターンと同一の平面形状を有する。
誘電体パターン20の裏面に、グランド膜27が形成されている。誘電体基板20の主表面上に、共振パターン21や伝送線路22等の導電パターンを覆うように、誘電体膜90が配置されている。誘電体膜90の上に、他のグランド膜91が形成されている。
このように、ストリップライン構造を採用しても、実施例1のマイクロストリップライン構造の場合と同様の効果が得られる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
15 パッケージ
20 誘電体基板
21 共振パターン
21A 切り欠き
21B 半円部分
21C 楕円部分
22 第1の伝送線路
23 第2の伝送線路
24 第3の伝送線路
27 グランド膜
35 入力コネクタ
36、37 出力コネクタ
38 負荷インピーダンス
50 1段目の帯域除去フィルタ
51 2段目の帯域除去フィルタ
55 第1の伝送線路
57 第2の伝送線路
58 第1の共振パターン
59 第3の伝送線路
60 第4の伝送線路
61 第2の共振パターン
62 第5の伝送線路
70 電力増幅器
71 帯域除去フィルタ
72 アンテナ
80 第1の支持部材
81 第1の誘電体部材
82 第2の支持部材
83 第2の誘電体部材
90 誘電体膜
91 グランド膜

Claims (6)

  1. ディスク型の共振パターンを含むデュアルモード共振器と、
    前記共振パターンの外周線よりも外側を通過し、前記共振パターンに電気的に結合する第1の伝送線路と、
    第1の端部において、前記共振パターンに電気的に結合する第2の伝送線路と
    前記第2の伝送線路を終端する負荷インピーダンスと
    を有し、
    前記第1の伝送線路と前記共振パターンとは第1の結合位置で電気的に結合し、前記第2の伝送線路と前記共振パターンとは第2の結合位置で電気的に結合し、
    前記第1の伝送線路を伝送される信号によって前記デュアルモード共振器に励振された共振信号が、前記第2の伝送線路に取り出され
    前記第2の伝送線路に取り出された信号の電力が前記負荷インピーダンスにより消費され、
    前記第1の伝送線路に沿って伝送される信号の進行方向が、前記第1の結合位置を通過する接線ベクトルのうち、前記第2の結合位置側を向く接線ベクトルと同じ向きにされた、帯域除去フィルタ。
  2. 前記共振パターンの外周線が、円周形状の第1の部分を含み、
    前記第1の伝送線路及び前記第2の伝送線路は、前記第1の部分において、前記共振パターンに電気的に結合し、
    前記第1の伝送線路及び前記第2の伝送線路は、前記共振パターンとの結合部分において、前記第1の部分に並行するように湾曲している請求項1に記載の帯域除去フィルタ。
  3. 前記第1の伝送線路と前記共振パターンとの前記第1の結合位置と、前記第2の伝送線路と前記共振パターンとの前記第2の結合位置とは、90°の中心角を持つ円弧の両端に相当する位置関係を有する請求項2に記載の帯域除去フィルタ。
  4. 前記デュアルモード共振器は、さらに、一端が、前記共振パターンの外周線上の第3の結合位置において前記共振パターンと容量結合し、他端が、前記共振パターンの外周線上の第4の結合位置において前記共振パターンと容量結合する第3の伝送線路を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の帯域除去フィルタ。
  5. 前記デュアルモード共振器、前記第1の伝送線路、及び前記第2の伝送線路は、誘電体基板の第1の表面に形成されており、
    さらに、
    前記誘電体基板の前記第1の表面とは反対側の第2の表面に形成された導電性のグランド膜と、
    前記第3の結合位置及び前記第4の結合位置の少なくとも一方の近傍に、前記誘電体基板との間隔が変化できるように配置された誘電体部材と
    を有する請求項4に記載の帯域除去フィルタ。
  6. 前記負荷インピーダンスは、前記第2の伝送線路の特性インピーダンスと同一のインピーダンスを持つ請求項1乃至5のいずれか1項に記載の帯域除去フィルタ。
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