JP4149690B2 - 超電導フィルタ - Google Patents

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    • H01P1/2135Frequency-selective devices, e.g. filters combining or separating two or more different frequencies using strip line filters

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線送受信装置に用いられる送受信用の超電導フィルタ、および超電導フィルタを用いた無線送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば移動体通信の基地局において用いられる無線送受信装置には、所望の周波数帯のみを取り出すための重要な構成要素として受信フィルタおよび送信フィルタが内蔵されている。通常は2つ以上のチャネルに分けて送信信号を生成し、最終的に合成器を用いて合成した後、アンテナから放出する。近年、急速に普及している移動体通信では2GHz付近の周波数が用いられるが、各キャリアに与えられた周波数帯はわずか20MHzである。この周波数帯を全て使うためには少なくとも1MHzの幅で40dB減衰させることが必要である。したがって、フィルタには減衰特性が優れ、挿入損失が小さいことが要求される。そのようなフィルタを得るためにはQ値の高い共振素子が必要になる。
【0003】
また、2つ以上のキャリア周波数の信号を合成して送信する無線送受信装置の送信部の増幅方式としては、個別増幅方式と一括増幅方式が知られている。
【0004】
個別増幅方式は使用するキャリア周波数の数に対応して、信号発生器、送信用増幅器、および送信フィルタの組を用意し、各々の信号発生器より出力されたキャリア周波数の信号を各々の送信用増幅器で個別に増幅し、フィルタを通過させた後、電力合成器で合成して送信する方式である。
【0005】
一括増幅方式は、複数の信号発生器より出力された複数のキャリア周波数の信号を電力合成器で合成した後、1つの送信用増幅器で一括して増幅し、フィルタを通過させた後に送信する方式である。
【0006】
個別増幅方式は一括増幅方式に対して原理的に以下のような様々な利点が得られると期待されている。
【0007】
一括増幅方式では複数のキャリア周波数の信号が同時に1つの増幅器に入るため、増幅器の非線形性によって各キャリア周波数の信号どうしが相互干渉を引き起こし、この相互干渉によって発生する歪み信号の電力が他のキャリア周波数の信号に悪影響を与えるおそれがある。これに対して、個別増幅方式では1つの増幅器に入る信号は1つのキャリア周波数の信号のみなので、各キャリア周波数の信号どうしが相互干渉を引き起こすことはない。また、個別増幅方式においては、送信フィルタの通過帯域をそれぞれ別々のキャリア周波数に対応する帯域に設定することによって、他のキャリア周波数の信号が回り込むことによる干渉も防止できる。このため、各チャネルの信号を合成器で容易に電力合成することが可能となる。
【0008】
一般に、増幅器においては、変調信号を増幅した際に変調歪みが発生し、隣接チャネルに電力が漏れてそのチャネルの信号との間で干渉を引き起こすおそれがある。そこで仕様上、隣接チャネルへの漏洩電力の上限値が決められている。たとえば、QPSKのように振幅成分に信号を含む変調方式では、増幅器の線形性を確保するためにバックオフさせて低効率で動作させている。この点に関して、個別増幅方式では、増幅器に1つのキャリア周波数の信号のみを通過させるので、変調歪みによる隣接チャネルへの漏洩電力が抑制される。このため、増幅器を高効率で動作させることができる。無線送信装置全体では増幅器の消費電力が占める割合が非常に大きいことから、増幅器の高効率化は無線送信装置の省電力化に大きく寄与する。
【0009】
一括増幅方式では、許容可能な最大チャネル収容時には最大40%程度の効率を達成できるが、使用チャネル数が少ないときでも全てのチャネルが使用されているときと同程度の電力が必要となり、電力効率が低くなる。これに対して、個別増幅では、使用されていないチャネルの増幅器の電源を切って使用されているチャネルだけを有効にすることができる。このため、省電力化を実現できる。
【0010】
また、一括増幅方式では、増幅器において集中的に発熱が生じるため大がかりな放熱対策を講じる必要がある。これに対して、個別増幅方式では、熱源となる複数の増幅器が分散されているので、大がかりな放熱対策が不要になる。
【0011】
ところで、個別増幅方式では、合成器を簡単な構造にするためには、選択性の良好なフィルタを用いなければならないが、従来の導波管タイプ(誘電体空洞共振器型)のフィルタでは要求される選択性を満たすことが困難であった。一方、一括増幅方式では信号間の相互干渉を回避するために増幅器の線形性が重要となるが、近年の様々な技術的改良により増幅器の線形性が向上した。この結果、現状では一括増幅方式が用いられているが、上述したように原理的に種々の利点を有する個別増幅方式を用いることができれば望ましい。
【0012】
この問題に対して、超電導体によりQ値の高い共振素子を形成したフィルタを用いてシャープカットを実現し、個別増幅方式を採用することが提案されている(たとえば、特開2000−68958参照)。
【0013】
フィルタの導体に超電導体を利用する形態としては、バルクと薄膜とが考えられるが、冷却方法や設計の自由度を考えると、薄膜を利用するほうが便利である。特に、サファイアやMgOなどの非常に低損失な基板材料の上に薄膜を形成して、これを平面型伝送線路に加工する方法がよく知られている。平面型伝送線路の構造としては、マイクロストリップライン構造、ストリップライン構造、およびコプレーナ構造がしばしば用いられる。これらの構造は、従来の導波管タイプ(誘電体空洞共振器型)のフィルタ構造に比べてコンパクトであるという利点もある。
【0014】
しかし、平面型伝送線路は空間中にむき出しになっており、伝送信号が空間中に放射され、伝送線路から電磁界が漏洩する現象が発生しやすい。したがって、複数のフィルタを近接して配置した場合、一方のフィルタの伝送線路からの不要な放射や電磁界の漏れが、他方のフィルタに干渉してノイズを発生させ、十分なSN比が得られないという問題があった。
【0015】
特に、携帯電話などの基地局では、送信と受信の両方の信号を扱い、これら送信/受信の回路はごく近い位置に配置される。ところが、基地局が受信する信号強度に対して基地局が送信する信号強度は何桁も大きいため、送信信号が受信回路にわずかでも混入すると受信信号の正常な処理ができなくなる。一般的に、受信信号帯域内/外を問わず、本来の受信信号強度に対してノイズ強度を60dB(百万分の1)以下に抑制する必要がある。本来は、受信フィルタで不要な周波数(ノイズ)をカットするが、受信フィルタそのものや後段の伝送線路にノイズが混入した場合は、十分なSN比が得られず、受信信号が処理できなくなる問題があった。
【0016】
図1に携帯電話などの無線基地局における送受信フィルタ回路部分のブロック図を示す。信号発生器101からパワーアンプ(PA)102を通過した大電力の送信信号は送信フィルタ1を通過した後、アンテナ103から放射される。一方、アンテナ103に入射した微弱な受信信号は、受信フィルタ2によって受信信号周波数部分のみが選択されて通過し、ローノイズアンプ(LNA)104で増幅されて後段の信号処理回路105に送られる。受信フィルタ2からLNA104までは信号強度が微弱なので不要信号の混入を極力防ぐ必要がある。具体的には上述したように、受信フィルタにおけるSN比が60dB以上であることが要求される。
【0017】
この問題に対し、従来の導波管タイプ(誘電体空洞共振器型)のフィルタ構造を採用すれば、マイクロ波信号の伝播部分は外壁で覆われているために送信回路からの漏れ電力は発生せず、受信回路へのノイズ混入の心配はほとんどない。しかし、空洞共振器型は3次元的な立体回路であり、設計の自由度が制限される上にサイズが大きくなってしまい、冷却を必要とする超電導フィルタの構造としては不適当である。また、空洞の内壁を全て超電導体で覆う必要があり、コストが高くなるという問題もあった。
【0018】
一方、平面伝送回路型のフィルタ構造でノイズを軽減する手段としては、以下のような技術が知られている。
【0019】
たとえば、特開平7−202507号公報では、ひとつの超電導フィルタを真鍮のケースに収め、さらに内壁表面を電波吸収体で覆う構造が報告されている。この構造の場合、一つ一つのフィルタを独立に作製してそれぞれを真鍮のケースと電波吸収体で完全に覆う必要があり、それぞれのフィルタの構成が大きくなってしまい平面型伝送線路の特徴であるコンパクト性が犠牲になってしまうという問題点がある。また、低温に冷却しなければならない部品が増えて熱容量が増加し、冷却に時間がかかるという問題点もあった。
【0020】
なお、最近のパソコンの小型化実装技術に見られるように、限られた容積の中に多数の部品を互いに干渉し合うことなく、いかに効率よくレイアウトするかが盛んに検討されている。しかし、パソコン等では信号の伝送周波数はたかだか数百MHz(波長に換算して数十センチから数メートル以上)であり、素子のサイズが伝送信号の波長より十分小さく、いわゆる集中定数回路で構成された素子のレイアウトを議論するものである。
【0021】
これに対して、超電導フィルタのように伝送信号がGHz程度になると、波長が数十センチメートル以下(伝送線路を構成する基板の誘電率を考えると実効波長は数センチメートル以下)になって素子サイズが伝送信号の波長と同程度かそれ以上になり、いわゆる分布定数回路素子のレイアウトの議論が必要になってくる。このため、パソコン等の小型化実装技術とは異なった実装技術の確立が望まれていた。
【0022】
また、超電導フィルタを用いた無線送受信装置においては、できる限り良好な受信状態を得るとともに、送信周波数帯域を有効に利用することが要望されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、平面型伝送線路構造を用いた超電導フィルタ同士を近接して配置しても互いに干渉せず、十分なSN比が得られ、かつ平面型伝送線路構造の特長であるコンパクト性も犠牲にせず、冷却効率にも優れた超電導フィルタを提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、良好な受信状態が得られ、送信周波数帯域を有効に利用できる無線送受信装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る超電導フィルタは、断熱容器内に互いに伝送信号の波長程度の距離を隔てて収納された、アンテナから受信した信号を選別する平面型伝送線路構造の超電導受信フィルタおよびアンテナへ送信する信号を選別する平面型伝送線路構造の超電導送信フィルタを有し、前記受信フィルタの信号入出力線と、前記送信フィルタの信号入出力線が、非平行であることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る超電導フィルタでは、前記受信フィルタの信号入出力線と、前記送信フィルタの信号入出力線が、実質的に直交する方向に配置されていてもよい。
【0027】
本発明の他の態様に係る超電導フィルタは、断熱容器内に互いに伝送信号の波長程度の距離を隔てて収納された、アンテナから受信した信号を選別する平面型伝送線路構造の超電導受信フィルタおよびアンテナへ送信する信号を選別する平面型伝送線路構造の超電導送信フィルタを有し、前記受信フィルタに含まれる共振素子および信号入出力線と、前記送信フィルタに含まれる共振素子および信号入出力線が、信号伝送方向に沿って互いにずれた位置に配置されていることを特徴とする。
【0028】
本発明の他の態様に係る超電導フィルタは、断熱容器内に互いに伝送信号の波長程度の距離を隔てて収納された、アンテナから受信した信号を選別する平面型伝送線路構造の超電導受信フィルタと、アンテナへ送信する信号を選別する平面型伝送線路構造の超電導送信フィルタを有し、前記受信フィルタおよび前記送信フィルタが、平面をなす冷却部材の最低または最高温度の位置を中心として回転対称となる位置に取り付けられていることを特徴とする。
【0029】
本発明のさらに他の態様に係る超電導フィルタは、断熱容器内に互いに伝送信号の波長程度の距離を隔てて収納された、アンテナから受信した信号を選別する平面型伝送線路構造の超電導受信フィルタと、アンテナへ送信する信号を選別する平面型伝送線路構造の超電導送信フィルタを有し、前記受信フィルタおよび前記送信フィルタが、多面体をなす冷却部材の互いに異なる側面に取り付けられていることを特徴とする。
【0030】
本発明の一態様に係る無線送受信装置は、2つ以上のキャリア周波数を用いて無線通信を行う無線送受信装置であって、複数の無線送受信ユニットを有し、各々の無線送受信ユニットは1つのアンテナに対して並列に接続された少なくとも1つの無線送信ユニットと無線受信ユニットとを含み、前記無線送信ユニットは、通信に用いる1つのキャリア周波数の信号を発生させる信号発生器と、前記キャリア周波数の信号を増幅する増幅器と、増幅された信号から所定帯域の信号を選択して通過させる超電導送信フィルタとが縦続接続されており、前記無線受信ユニットは、前記アンテナで受信された1つのキャリア周波数の信号から所定帯域の信号を選択して通過させる超電導受信フィルタと、前記所定帯域の信号を増幅する増幅器とが縦続接続されており、複数の無線送受信ユニットに含まれる複数の無線受信ユニットが並列に接続される1つの受信信号処理回路を有することを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、受信フィルタに送信信号がノイズとして混入する原理について説明する。フィルタは、共振素子すなわち有限の長さを持った伝送線路の集合体である。図2に、それぞれ送信フィルタおよび受信フィルタに含まれる2本の伝送線路が平行でかつ並列している状態を示す。一般に伝送線路はグランド面と中心導体を含むが、ここではグランド面を省略している。送信側伝送線路201にマイクロ波信号が通ると、それに応じた電流が線路方向に流れる。このとき、送信側伝送線路201を中心に同心円状に磁界が発生する。この磁界中に受信側伝送線路202が存在すると、受信側伝送線路202上に電流が誘起され、これがノイズとなって本来の受信側伝送線路202上を通る信号に混入する。
【0032】
したがって、図3のように、受信フィルタ2に含まれる共振素子22および信号入出力線21、23と、送信フィルタ1に含まれる共振素子12および信号入出力線11、13との間で、平行でかつ並列している部分が存在すると、送信信号によって発生した磁界の影響で受信フィルタ2側にノイズが混入する。
【0033】
図4は、本発明の一実施形態に係る超電導フィルタを示す平面図である。送信フィルタ1および受信フィルタ2は、いわゆるマイクロストリップライン構造のバンドパスフィルタである。送信フィルタ1は基板10の両面に超電導体を形成し、片面をグランド導体(図示せず)とし、もう一方の面を加工して送信フィルタの入力線11、共振素子12、出力線13を形成することにより作製されている。受信フィルタ2は基板20の両面に超電導体を形成し、片面をグランド導体(図示せず)とし、もう一方の面を加工して受信フィルタの入力線21、共振素子22、出力線23を形成することにより作製されている。送信フィルタの出力線13と受信フィルタの入力線21は合流してアンテナ(図示せず)に接続される。送信フィルタの入力線11はパワーアンプ(図示せず)に接続され、受信フィルタの出力線23はローノイズアンプ(図示せず)に接続される。この超電導フィルタでは、受信フィルタの入力線21、共振素子22および出力線23と、送信フィルタの入力線11、共振素子12および出力線13とが、互いにほぼ直交する方向を向いている。
【0034】
図4の超電導フィルタの実装構造では、受信フィルタの入力線21、共振素子22および出力線23と、送信フィルタの入力線11、共振素子12および出力線13とが互いにほぼ直交しており、平行でかつ並列している部分がない。このため、送信フィルタ1の入出力線11、13および共振素子12で発生した磁界中に受信フィルタ2の共振素子22や入出力線21、23が入ることがなく、ノイズが混入しない。したがって、本来の受信信号強度に対してノイズ強度を60dB以下に抑制することができ、受信信号を正常に処理することが可能となる。
【0035】
図5は、本発明の他の実施形態に係る超電導フィルタを示す平面図である。送信フィルタ1および受信フィルタ2のそれぞれの構造は図4に示したものと同様である。この超電導フィルタでは、受信フィルタの入力線21、共振素子22および出力線23と、送信フィルタの入力線11、共振素子12および出力線13とが、信号伝送方向に沿って互いにずれた位置に配置されている。
【0036】
図5の超電導フィルタの実装構造では、受信フィルタの共振素子22および出力線23と、送信フィルタの入力線11、共振素子12および出力線13とが、信号伝送方向に沿って互いにずれた位置に配置されており、平行でかつ並列している部分がない。したがって、図5の場合でも図4の場合と同様な効果が得られる。
【0037】
また、本発明の超電導フィルタの実装構造では、金属板などによるシールドや電波吸収体は特に設置する必要がない。したがって、冷却すべきフィルタ部分の熱容量も比較的小さく、小型の冷凍機を用いることができ、冷却時間も速くなるという利点がある。
【0038】
以上のように本発明の実施形態によれば、平面型伝送線路構造を用いた超電導フィルタ同士を近接して配置しても互いに干渉せず、十分なSN比が得られ、かつ平面型伝送線路構造の特長であるコンパクト性も犠牲にせず、冷却効率にも優れた超電導フィルタの実装構造を提供することが可能となる。
【0039】
なお、図4および図5では3段のバンドパスフィルタの例を説明したが、本発明は他の段数のフィルタについても適用可能であることはいうまでもない。図4および図5では直線状の共振素子を例にあげたが、曲折部分があってもよい。フィルタ形式もバンドパスフィルタに限らず、帯域阻止フィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタなど他の形式に適用可能であることもいうまでもない。結合の仕方を特徴づけるフィルタ形状もサイドカップルタイプに限る必要はなく、エンドカップルなど他のタイプにも適用可能である。構造も平面型伝送線路構造ならマイクロストリップライン構造に限定されず、例えばストリップライン構造やコプレーナ構造などにも適用可能である。さらに、送信フィルタと受信フィルタのパタンは同一である必要はなく、送信フィルタには大電力に強い円板共振器型構造を用い、受信フィルタには多段化しやすいコムライン構造を用いることなどが考えられる。
【0040】
次に、冷却部材の温度むらに起因する特性変動を防止できる本発明の他の実施形態に係る超電導フィルタについて説明する。ここで、冷却部材とは、冷凍機に連結されたコールドヘッド、またはコールドヘッドに直接載置されるかもしくは連結治具を介して載置された冷却プレート、またはコールドヘッドに載置された冷却プレートに載置されたフィルタ保持治具をいう。
【0041】
ここで、冷却部材の温度むらについて説明する。通常、1つのアンテナにつながる合成器には1つの超電導受信フィルタと1つ以上の超電導送信フィルタとが並列に接続される。これらのフィルタは77K以下まで冷却する必要があるが、これらのフィルタを1つの冷凍機を用いて冷却するために広い面積の冷却プレート上に並べると、冷凍機のコールドヘッドに対して冷却プレートの面積が大きい場合には冷却プレート面内で温度むらが生じやすい。その結果、各フィルタの設置位置によって冷却条件が異なり、設計通りのフィルタ特性が得られなくなるおそれがある。
【0042】
これに対して、1つの受信フィルタおよび1つ以上の送信フィルタを、平面をなす冷却部材上で、例えば最低または最高温度の位置を中心として回転対称となる位置に取り付ければ、それぞれのフィルタの冷却条件を均等にすることができる。このため、1つのフィルタについて温度勾配を考慮して設計しておけば、他のフィルタもその設計通りに動作する。したがって、冷却部材の温度むらに起因する超電導フィルタのフィルタ特性の変動を防止することができる。しかも、受信フィルタの信号入出力線と送信フィルタの信号入出力線を実質的に直交する方向に配置すれば、送信フィルタで発生した磁界中に受信フィルタが入ることがないのでノイズの混入を防止できる。
【0043】
また、1つの受信フィルタおよび1つ以上の送信フィルタを、多面体をなす冷却部材の互いに異なる側面に取り付ければ、それぞれのフィルタの冷却条件を均等にすることができる。この場合にも、冷却部材の温度むらに起因する超電導フィルタのフィルタ特性の変動を防止することができる。
【0044】
さらに、上記のいずれの超電導フィルタでも、受信フィルタおよび送信フィルタを超電導体からなる合成器を介して並列に接続すれば、合成器での発熱がなく低損失にすることができる。
【0045】
次に、本発明の他の実施形態に係る2つ以上のキャリア周波数を用いる無線送受信装置について説明する。
【0046】
この無線送受信装置は、複数の無線送受信ユニットを有し、かつ複数の無線送受信ユニットに含まれる複数の無線受信ユニットが並列に接続される1つの受信信号処理回路を有する。ここで、各々の無線送受信ユニットは1つのアンテナに対して並列に接続された少なくとも1つの無線送信ユニットと無線受信ユニットとを含んでいる。無線送信ユニットは、通信に用いる1つのキャリア周波数の信号を発生させる信号発生器と、キャリア周波数の信号を増幅する増幅器と、増幅された信号から所定帯域の信号を選択して通過させる超電導送信フィルタとが縦続接続されている。無線受信ユニットは、アンテナで受信された1つのキャリア周波数の信号から所定帯域の信号を選択して通過させる超電導受信フィルタと、所定帯域の信号を増幅する増幅器とが縦続接続されている。この無線送受信装置では、受信状態の良好な無線送受信ユニットを選択するダイバーシティー方式に対応することができる。
【0047】
また、上記の無線送受信装置において、並列に接続された2つの無線送信ユニットおよび1つの無線受信ユニットを含む無線送受信ユニットを作製し、2つの無線送信ユニットで使用するキャリア周波数帯域を互いに異なるようにし、2つのキャリア周波数帯域の高周波端と低周波端とを約500kHz以上、好ましくは約1MHz以上離すことが好ましい。
【0048】
この理由は以下の通りである。すなわち、各無線送信ユニットにおいて増幅された信号には増幅器の性能に依存する歪が重畳する。この歪をフィルタによって除去することができなければ、2つの無線送信ユニットで生成された送信信号を合成器で合成したときに干渉が起こる。現状の携帯電話システムでは、20MHzの帯域を5MHzの帯域をもつ複数のチャネルに分けて送信している。このため、1つのチャネルの高周波端と別のチャネルの低周波端が離れていない場合には、極めて急峻なスカート特性を有する超電導フィルタが必要になるが、このような特性を実現するには限界がある。したがって、1つの合成器に並列に接続された超電導送信フィルタを通過する各キャリア周波数帯域間には少なくとも約500kHz、好ましくは約1MHzの周波数帯域の空きを設けることが望ましい。
【0049】
ただし、未使用の周波数帯が生じるのを避けて、ユーザーの増加に対応できることが好ましい。このためには、たとえば20MHzの帯域を5MHzずつの4つの帯域に分けて送信する場合に、それぞれの無線送受信ユニットに含まれる2つの無線送信ユニットにおいて高周波端と低周波端が5MHzだけ離れた2つのキャリア周波数を選択して使用すればよい。このようにすれば、送信周波数帯域を有効に利用することができる。
【0050】
さらに、このような無線送受信装置においても、上述した超電導フィルタの構造を採用することがより好ましい。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0052】
(実施例1)
図4に示す超電導フィルタを作製した例について説明する。この例における送信フィルタ1および受信フィルタ2は、マイクロストリップライン構造の3段のバンドパスフィルタである。送信フィルタ1および受信フィルタ2の個々の製造方法は同様であるので、ここでは送信フィルタ1を代表例として説明する。縦約40mm、横約20mm、厚さ約0.5mmのLaAlO3単結晶基板10の両面に、厚さ約500nmのYBCO超電導膜をスパッタリング法、レーザー蒸着法、CVD法などにより成膜する。リソグラフィー法を用いて片面の超電導膜を加工し、入出力線11、13および共振素子12を形成する。裏面(図示せず)の超電導膜はそのままグランド面として用いる。共振素子12の幅は約170μmで長さは約18mmである。共振素子12として用いられる伝送線路同士の間隔は約1mm、共振素子12と入出力線11または13との間隔は約500μmである。このフィルタは、中心周波数1.92GHz、通過バンド幅20MHzのバンドパスフィルタとなっている。受信フィルタ2も送信フィルタ1と同一の仕様を有する。次に、これらの送信フィルタ1および受信フィルタ2を、金メッキした銅製の台(図示せず)の上に、それぞれの共振素子および入出力線が互いにほぼ直交するように図4に示すレイアウトで固定し、断熱容器(図示せず)内にセットした。
【0053】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力にノイズはほとんど混入せず、60dB以上のSN比を確保できた。
【0054】
なお、本実施例では送信フィルタと受信フィルタは別々に作製しているが、同一基板上に作製してもよい。この場合、送信フィルタの出力線13と受信フィルタの入力線21が合流してアンテナ(図示せず)に向かう線路も超電導体で形成することが可能となり、通常の金属配線に比べて抵抗による損失を低減できる。
【0055】
(比較例1)
図3に示す超電導フィルタを作製した例について説明する。実施例1と同様にして作製した送信フィルタ1および受信フィルタ2を、金メッキした銅製の台(図示せず)の上に、互いの共振素子および入出力線とが平行かつ並列する部分が存在するように図3に示すレイアウトで固定し、断熱容器(図示せず)内にセットした。
【0056】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力に送信フィルタ回路からのノイズの混入が見られ、SN比は30dBにしかならなかった。
【0057】
(実施例2)
図5に示す超電導フィルタを作製した例について説明する。実施例1と同様にして作製した送信フィルタ1および受信フィルタ2を、金メッキした銅製の台(図示せず)の上に、互いの共振素子および入出力線とが平行ではあるが、受信フィルタ2の入出力線21、23および共振素子22と、送信フィルタ1の入出力線11、13および共振素子12とが並列しないように前後にずらして図5に示すレイアウトで固定し、断熱容器(図示せず)内にセットした。なお、送信フィルタ1の入力線11に接続されるケーブル(図示せず)としては同軸ケーブルを用いているので、これから電波が漏洩することはない。
【0058】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力にノイズはほとんど混入せず、60dB以上のSN比を確保できた。
【0059】
(実施例3)
図6に示す超電導フィルタについて説明する。この例における送信フィルタ1および受信フィルタ2の構造は一般にフォワードカップルと呼ばれる。これらの送信フィルタ1および受信フィルタ2を実施例1と同様の方法を用いて作製した。共振素子の幅は約170μmで長さは約18mmである。共振素子として用いられる伝送線路同士の間隔は約4mmであり、共振素子と入出力線とは互いに直交して接続されている。
【0060】
次に、これらの送信フィルタ1および受信フィルタ2を、金メッキした銅製の台(図示せず)の上に、互いの共振素子および入出力線とがほぼ直交するように図6に示すレイアウトで固定し、断熱容器(図示せず)内にセットした。
【0061】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力にノイズはほとんど混入せず、60dB以上のSN比を確保できた。
【0062】
(比較例2)
図7に示す超電導フィルタについて説明する。実施例3と同様にして作製した送信フィルタ1および受信フィルタ2を、金メッキした銅製の台(図示せず)の上に、互いの共振素子は平行であるが並列しないように、しかし入出力線同士は平行かつ並列する部分が存在するように図7に示すレイアウトで固定し、断熱容器(図示せず)内にセットした。
【0063】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力に送信フィルタ回路からのノイズの混入が見られ、SN比は40dBにしかならなかった。
【0064】
(実施例4)
図8に示す超電導フィルタについて説明する。実施例3と同様にして作製した送信フィルタ1および受信フィルタ2を、金メッキした銅製の台(図示せず)の上に、互いの共振素子および入出力線とが平行ではあるが、受信フィルタ2の入出力線21、23および共振素子22と送信フィルタ1の入出力線11、13および共振素子12とが並列しないように前後にずらして図8に示すレイアウトで固定し、断熱容器(図示せず)内にセットした。なお、送信フィルタ1の入力線11に接続されるケーブル(図示せず)としては同軸ケーブルを用いているので、これから電波が漏洩することはない。
【0065】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力にノイズはほとんど混入せず、60dB以上のSN比を確保できた。
【0066】
(実施例5)
図9に示す超電導フィルタについて説明する。この例における送信フィルタ1および受信フィルタ2の構造は一般にコムラインと呼ばれる。これらの送信フィルタ1および受信フィルタ2を実施例1と同様の方法を用いて作製した。共振素子の幅は約170μmで長さは約18mmでU字型に曲折している。共振素子として用いられる伝送線路同士の間隔は約3mm、共振素子と入出力線との間隔は約1mmである。また入出力線は90度に曲折している。次に、これらの送信フィルタ1および受信フィルタ2を、金メッキした銅製の台(図示せず)の上に、図9に示すレイアウトで固定し、断熱容器(図示せず)内にセットした。すなわち、送信フィルタ1および受信フィルタ2をそれぞれ、2次元面を4つの象限に分けたときに隣り合わない象限に配置されるようにセットした。これにより、受信フィルタ2を構成する共振素子22および信号入出力線21、23と送信フィルタ1を構成する共振素子12および信号入出力線11、13は平行でかつ並列している部分を持たない実装構造となっている。
【0067】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力のノイズはほとんど混入せず、60dB以上のSN比を確保できた。
【0068】
なお、共振素子は、90度の角度で曲折している必要はなく、任意の角度で曲折していてもよいし、曲線でもよい。信号入出力線の曲折の仕方も同様である。
【0069】
また、送信フィルタと受信フィルタの配置は2次元平面内に限定されることはなく、受信フィルタを構成する共振素子および信号入出力線と送信フィルタを構成する共振素子および信号入出力線とが平行でかつ並列している部分を持たない実装構造になっていれば3次元的に配置されていてもよい。
【0070】
(比較例3)
図10に示す超電導フィルタについて説明する。実施例5と同様にして作製した送信フィルタ1および受信フィルタ2を、金メッキした銅製の台(図示せず)の上に、それぞれの共振素子および入出力線の一部の間で互いに平行で並列している部分が存在するように図10に示すレイアウトで固定し、断熱容器(図示せず)内にセットした。
【0071】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力に送信フィルタ回路からのノイズの混入が見られ、SN比は30dBにしかならなかった。
【0072】
(比較例4)
図11に示す超電導フィルタについて説明する。実施例5と同様にして作製した送信フィルタ1および受信フィルタ2を、金メッキした銅製の台(図示せず)の上に、それぞれの共振素子および入出力線の一部の間で互いに平行で並列している部分が存在するように図11に示すようなレイアウトで固定し断熱容器(図示せず)内にセットした。
【0073】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力に送信フィルタ回路からのノイズの混入が見られ、SN比は30dBにしかならなかった。
【0074】
(比較例5)
図12に示す超電導フィルタについて説明する。実施例1と同様にして作製した送信フィルタ1および受信フィルタ2を、金メッキした銅製の台(図示せず)の上に、わずかな角度を持って横並びにして図12に示すレイアウトで固定し、断熱容器(図示せず)内にセットした。
【0075】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力に送信フィルタ回路からのノイズの混入が見られ、SN比は45dBにしかならなかった。これは、共振素子および入出力線の一部に、互いに平行で並列している成分が存在しているためである。
【0076】
(実施例6)
図13に示す超電導フィルタについて説明する。実施例1と同様の方法を用いて、図13に示す構造を有する4個の送信フィルタ1および1個の受信フィルタ2を作製した。送信フィルタ1はいわゆる円盤形の共振素子構造を有し、共振素子の伝送線路の方向は信号入出力線の方向と同一方向と見なせる。受信フィルタ2はコムライン構造を有する。
【0077】
これらの送信フィルタ1および受信フィルタ2は、図13に示すレイアウトで配置されている。すなわち、送信フィルタ1は2個ずつ対をなし、受信フィルタ2は2対の送信フィルタ1の側部に位置するように、送信フィルタ1の出力線13と受信フィルタ2の入力線21が超電導配線50により接続されている。このレイアウトでは、送信フィルタ1同士の間では、互いに共振素子および入出力線の一部に平行で並列している部分が存在している。しかし、送信フィルタ1と受信フィルタ2との間では、受信フィルタ2に含まれる共振素子および信号入出力線と、送信フィルタに含まれる共振素子および信号入出力線とが、平行でかつ並列している部分を持たない。
【0078】
この超電導フィルタについて、断熱容器内を約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力にノイズはほとんど混入せず、60dB以上のSN比を確保できた。
【0079】
本実施例では、4個の送信フィルタと1個の受信フィルタ2を別々に作製し、別の超電導配線50を用いて接続している。このような構造では、1枚の大型の基板内にすべての送受信フィルタを形成する方法に比べて、比較的安価な小型の基板材料を用いることが可能となり、低コストにフィルタを作製することが可能となる。
【0080】
なお、1枚の大型基板の中にすべてのフィルタが納まるように作製してもよいことはもちろんである。この場合、複数の小型の基板を用いる場合よりコストがアップするという欠点があるが、送信フィルタ1の出力線13と受信フィルタ2の入力線21が合流してアンテナ(図示せず)に向かう線路も同時に同一の超電導体で形成することが可能となり、金属からなる線路を設けた場合に比べて、抵抗による損失を低減できるという利点もある。1枚の基板に送受信フィルタを形成するか、複数の基板を組み合わせるかは、コストおよび特性を比較してケースバイケースで選択することが好ましい。
【0081】
(実施例7)
図14(A)および(B)に示す超電導フィルタを作製した例について説明する。図14(A)はコールドヘッド、冷却プレートおよびフィルタの配置を示す平面図、図14(B)は側面図である。
【0082】
以下のようにして送信フィルタ1a、1bを作製した。縦約40mm、横約20mm、厚さ約0.5mmのLaAlO3単結晶基板10の両面に、厚さ約500nmのYBCO超電導膜をスパッタリング法、レーザー蒸着法、CVD法などにより成膜する。リソグラフィー法を用いて片面の超電導膜を加工し、入出力線および共振素子を形成する。裏面(図示せず)の超電導膜はそのままグランド面として用いる。これらフィルタは、中心周波数1.92GHz、通過バンド幅20MHzのバンドパスフィルタとなっている。受信フィルタ2も送信フィルタ1a、1bと同様の仕様を有する。
【0083】
図14(A)および(B)に示すように、コールドヘッド31上に金メッキした銅製の冷却プレート32を載置した。コールドヘッド31の位置に対応する、冷却プレート32上における最低温度の位置をTLで示す。この冷却プレート32上に、最低温度の位置TLを中心として90度の角度で回転対称となる位置に送信フィルタ1a、1bと受信フィルタ2を固定し断熱容器(図示せず)内にセットした。この結果、それぞれのフィルタの冷却条件を均等にすることができる。このとき、送信フィルタ1a、1bと受信フィルタ2とでは、互いの共振素子および入出力線が直交するように配置されている。
【0084】
このようにして実装した超電導フィルタを約60Kに冷却して実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力にノイズはほとんど混入せず、60dB以上のSN比を確保できた。
【0085】
なお、本実施例では送信フィルタと受信フィルタは別々の基板上に作製しているが、同一基板上に作製してもよい。この場合、送信フィルタの出力線13と受信フィルタの入力線21が合流してアンテナ(図示せず)に向かう線路も超電導体で形成することが可能となり、通常の金属に比べて、抵抗による損失を低減できる。
【0086】
(比較例6)
図15に、図14(A)に対応する平面図を示す。コールドヘッド31の位置に対応する、冷却プレート32上における最低温度の位置をTLで示す。図15では、送信フィルタ1a、1bと受信フィルタ2の配置は図14(A)と同一であるが、最低温度の位置TLは冷却プレート32の中心にないため、送信フィルタ1a、1bおよび受信フィルタ2は最低温度の位置TLを中心とする回転対称の関係にはなっていない。
【0087】
この場合、受信フィルタ2の温度が設計動作温度より高くなり、所望の通過特性が得られなかった。また、送信フィルタ1aと1bとで温度が異なり、設計通りの送信ができなかった。
【0088】
(実施例8)
図16(A)および(B)に示す超電導フィルタを作製した例について説明する。図16(A)はコールドヘッド、冷却プレートおよびフィルタの配置を示す平面図、図14(B)は側面図である。
【0089】
実施例7と同様にして、送信フィルタ1a、1bおよび受信フィルタ2を作製した。図16(A)および(B)に示すように、コールドヘッド31上に、上部がリング状に成形され、中心部がくぼんだ連結部材33を介して金メッキした銅製の冷却プレート32を載置した。この場合、冷却プレート32の中心部が最高温度の位置THとなる。この冷却プレート32上に、最高温度の位置THを中心として90度の角度で回転対称となる位置に送信フィルタ1a、1bと受信フィルタ2を固定し断熱容器(図示せず)内にセットした。このとき、送信フィルタ1a、1bと受信フィルタ2とでは、互いの共振素子および入出力線が直交するように配置されている。この場合にも、実施例7と同様な効果が得られた。
【0090】
(実施例9)
図17に示す超電導フィルタを作製した例について説明する。図17は側面にフィルタが形成されたコールドヘッドを示す斜視図である。
【0091】
実施例7と同様にして、送信フィルタ1a、1bおよび受信フィルタ2を作製した。図17に示すように、直方体をなすコールドヘッド31の3つの側面に、送信フィルタ1a、1bおよび受信フィルタ2を取り付けた(図17では送信フィルタ1bは送信フィルタ1aに対向する面に取り付けられて見えない)。また、LaAlO3単結晶基板の両面にYBCO超電導膜を成膜した後、リソグラフィー法により片面の超電導膜を加工して合成器61を作製した。この合成器61をコールドヘッド31の上面に取り付け、送信フィルタ1a、1bの出力線13および受信フィルタ2の入力線21と接続した。このような構成では、配線を短くでき、しかも合成器61が超電導体からなるため、金属配線の場合と比較して抵抗による損失を少なくすることができる。
【0092】
図18に示すように、送信フィルタ1a、1b、受信フィルタ2、合成器61が取り付けられたコールドヘッド31は断熱容器71内に収容される。この断熱容器71には排気口72が取り付けられている。コールドヘッド31には断熱容器71の外部に設けられた冷凍機30から冷媒が供給される。コールドヘッド31が中空の多面体である場合には温度勾配がほとんど生じず、それぞれのフィルタの冷却条件を極めて均等にすることができるので特に好ましい。したがって、コールドヘッド31の温度むらに起因する超電導フィルタのフィルタ特性の変動を防止することができる。
【0093】
図19に、図18の送信フィルタ1a、1b、受信フィルタ2を組み込んだ無線送受信装置を示す。図19に示すように、断熱容器71内には、送信フィルタ1a、1b、受信フィルタ2、合成器61が取り付けられたコールドヘッド31とともにローノイズアンプ(LNA)104が収容される。このローノイズアンプ(LNA)104は、断熱容器71の外部に設けられた信号処理回路105に接続される。送信フィルタ1a、1bの入力線には、それぞれ、断熱容器71の外部に設けられた信号発生器101およびパワーアンプ(PA)102が1組ずつ接続される。そして、合成器61の末端は断熱容器71の外部に設けられたアンテナ103に接続される。
【0094】
図19の無線送受信装置において、コールドヘッド31を約60Kに冷却したところ、各フィルタの冷却条件が均等であるため設計通りのフィルタ特性が得られた。また、実際の送受信信号を通したところ、受信フィルタの出力にノイズはほとんど混入せず、60dB以上のSN比を確保できた。
【0095】
なお、図20に示したような方法で送信フィルタ1a、1bおよび受信フィルタ2を冷却してもよい。図20では、多面体をなす保持部材34を用意し、その3つの側面に送信フィルタ1a、1bおよび受信フィルタ2を取り付け、その上面に合成器61を取り付けている。そして、断熱容器71内にコールドヘッド31を配置し、このコールドヘッド31上に冷却プレート32と、送信フィルタ1a、1b、受信フィルタ2および合成器61が取り付けられた保持部材34を順次載置している。
【0096】
(実施例10)
図21は本発明の一実施形態に係る個別増幅方式の無線送受信装置を示すブロック図である。この無線送受信装置は、2つの無線送受信ユニット130を有する。各々の無線送受信ユニット130は、1つのアンテナ103に対して並列に接続された少なくとも1つの無線送信ユニット110と1つの無線受信ユニット120とを含む。2つの無線送受信ユニット130に含まれる2つの無線受信ユニット120は1つの信号処理回路105に対して並列に接続されている。
【0097】
無線送信ユニット110は、信号発生器101、パワーアンプ(PA)102、送信フィルタ1を含む。送信フィルタ1を通過した信号は合成器107によって電力合成され、アンテナ103を通じて送信される。アンテナ103に入射した受信信号は、無線受信ユニット120で処理される。無線受信ユニット120は、受信フィルタ2およびローノイズアンプ(LNA)104を含む。
【0098】
信号発生器101は1つのキャリア周波数の信号を発生する。この信号発生器101は、たとえば、送信するデータ信号を所望のディジタル変調信号に変換するベースバンド信号処理部と、そのディジタル変調信号をアナログ変調信号に変換するD/Aコンバータと、そのアナログ変調信号を無線通信用のキャリア周波数帯域の信号に変換する変調器とを含む。
【0099】
パワーアンプ(PA)102は信号発生器101により発生されたキャリア周波数帯域の信号を所定の送信電力レベルまで増幅して送信フィルタ1へ出力する。
【0100】
送信フィルタ1は、制御部106からの制御信号に応じて、固定帯域幅を持つ通過帯域の中心周波数をシフトさせる機能を有することが好ましい。制御部106は送信に使用できる複数のキャリア周波数の中から、所望のキャリア周波数の信号のみ送信フィルタ1を通過させるよう、送信フィルタ1の通過帯域の中心周波数を制御信号により選択する。
【0101】
信号発生器101、パワーアンプ102および送信フィルタ1を含む無線送信ユニット110は、使用できるキャリア周波数の数だけ設けられる。各送信フィルタ1の通過帯域は互いに異なるキャリア周波数に対応している。各送信フィルタ1を通過した信号は合成機104により電力合成され、アンテナ103を通じて送信される。
【0102】
携帯電話などの無線通信システムにおいては、個々の基地局で使用できるキャリア周波数の数は、その基地局がカバーするセル内で発生する呼の数に応じて変わる。このため、制御部106は、基地局で使用されるキャリア周波数の数が変化した場合に、必要に応じて、各送信フィルタ1の通過帯域を変更することもできるようになっている。
【0103】
以上のように1つの無線送信ユニット110は1つのキャリア周波数の信号のみを増幅する個別増幅方式で動作し、この方式の利点を生かすことができる。
【0104】
また、本実施例の無線送受信装置では、1つの受信信号処理回路105に2つの無線受信ユニット120が並列に接続されているので、2つのアンテナ103および無線受信ユニット120で受信された信号のうち受信状態の良い方をRSSI(receive signal strength indicator)によって選択することにより、ダイバーシティー方式に対応できる。
【0105】
(実施例11)
図22(A)は本発明の他の実施形態に係る無線送受信装置を示すブロック図である。この無線送受信装置は、2つの無線送受信ユニット130を有する。各々の無線送受信ユニット130は、1つのアンテナ103に対して並列に接続された2つの無線送信ユニット110と1つの無線受信ユニット120とを含む。2つの無線送受信ユニット130に含まれる2つの無線受信ユニット120は1つの信号処理回路105に対して並列に接続されている。各々の無線送信ユニット110および無線受信ユニット120の構成は図21のものと同様である。
【0106】
上述したように、1つの合成器に並列に接続された超電導送信フィルタのスカート特性を緩和するためには、それぞれの超電導送信フィルタを通過する各キャリア周波数帯域間に少なくとも約500kHz、好ましくは約1MHzの周波数帯域の空きを設けることが望ましい。
【0107】
図22(B)に示すように、本実施例では20MHzの帯域を周波数の低い方から5MHzずつ4つの帯域に分けて送信する。図22(B)のそれぞれの帯域をb1、b2、b3、b4とする。そして、図22(A)に示される一方の無線送受信ユニット130に含まれる2つの無線送信ユニット110の信号発生器101a、101cでは帯域b1、b3の信号を用い、他方の無線送受信ユニット130に含まれる2つの無線送信ユニット110の信号発生器101b、101dでは帯域b2、b4の信号を用いる。この結果、いずれの無線送受信ユニット130でも、合成器107で合成される2つのキャリア周波数の高周波端と低周波端は5MHzだけ離れている。このため、超電導フィルタのスカート特性に対する要求が軽減される。しかも、全体として周波数帯域に空きが生じないので、送信周波数帯域を有効に利用することができる。
【0108】
また、図22(A)のように2個の送信用フィルタ1と1個の受信用フィルタ2を並列に接続した無線送受信ユニットを2つ並列に接続すると、図13に示すように4個の送信用フィルタ1と1個の受信用フィルタ2を並列に接続した場合と比較して以下のような利点がある。たとえば、図13において金属薄膜を用いて合成器を形成し、そのインピーダンスを50Ωに設計すると仮定する。通常は厚さ1mm以下の基板を用いるので、合成器の線幅は1mm以下になる。この場合、4個の送信用フィルタ1の出力を合成する合成器には大きな電流が流れ過酷な条件にさらされるので、高い耐電力性が要求される。これに対して、図22(A)では1つの合成器107に2個の送信フィルタ1が接続されるだけなので、合成器107の負荷が軽減される。
【0109】
図23に図22に示した無線送受信装置の実装例を示す。この無線送受信装置は、図19に示した無線送受信ユニット130を2つ並列に接続し、それぞれの無線受信ユニットを1つの信号処理回路105に接続した構造を有する。図23では2つ無線送受信ユニット130はそれぞれ別個の断熱容器71内に収容されている。
【0110】
図24に図22に示した無線送受信装置の他の実装例を示す。この無線送受信装置は、2つの無線送受信ユニット130を1つの断熱容器71内に収容した以外は図23と同様の構造を有する。
【0111】
本発明に係る無線送受信装置においては、各無線送受信ユニットのいずれかの機器で不具合が発生した場合にこれを検出する検出器を設けることが好ましい。検出器の検出結果に基づいて、制御部により、不具合のある機器を含む無線送受信ユニットを切り離し、残りの無線送受信ユニットで運用を継続するように制御する。このような検出器を設ければ、不具合が解消されるまでの間にも、正常な無線送受信ユニットによる動作が可能であるため、信頼性の高い無線送受信装置を実現できる。
【0112】
また、図23および図24に示すように、超電導フィルタを複数のグループに分割してグループ毎に別々の冷凍機で冷却するようにすれば、一部の冷凍機に不具合が生じた場合でも、無線送受信装置全体の動作を停止させることなく不具合の復旧作業を行うことができる。
【0113】
本発明に係る無線送受信装置においては、制御部からの制御信号に基づいてフィルタの中心周波数と帯域幅を可変できることが好ましい。たとえば、音声のような比較的低レートのデータ伝送と、動画のように比較的高レートのデータ伝送を行う場合、伝送レートに合わせて個々のキャリアの拡散帯域幅を可変制御する。
【0114】
本発明に係る無線送受信装置は、個々のキャリア周波数信号の電力を測定する電力測定手段と、各超電導フィルタの温度を監視する温度監視手段とを備えていることが好ましい。電力測定手段の電力測定結果および温度監視手段の温度監視結果に基づいて、制御部により、各超電導フィルタを冷却する冷凍機の動作効率を可変制御する。上述したように、使用されるキャリア周波数の数や送信電力は時間によって変わり、各フィルタの発熱量も違ってくる。そこで、フィルタの発熱量に応じて冷凍機の能力を可変することによって冷凍機を効率的に動作させることができ、省電力化が可能となる。また、フィルタの発熱と温度確認タイミングとの間には、熱伝導による若干の時間差がある。この時間差に起因して一定の温度制御が達成されず、これが周波数のゆらぎの原因となることが考えられる。この問題に対しても、フィルタを通過する電力を測定し、その測定結果に応じて冷凍機の能力を可変するようにすれば、周波数の安定化を図ることができる。さらに、予め送信電力が分かっている場合には、制御部により信号発生器およびフィルタの各出力タイミングに合わせて冷凍機の能力を可変させる制御を行うようにしてもよい。
【0115】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、平面型伝送線路構造を用いた超電導フィルタ同士を近接して配置しても互いに干渉せず、十分なSN比が得られ、かつ平面型伝送線路構造の特長であるコンパクト性も犠牲にせず、冷却効率にも優れた超電導フィルタ、およびこのような超電導フィルタを用いた無線送受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無線基地局の送受信部を示すブロック図。
【図2】伝送線路間の干渉の原理を示す図。
【図3】送信フィルタと受信フィルタとの間の干渉の原理を示す図。
【図4】本発明の一実施形態に係る超電導フィルタの実装構造を示す図。
【図5】本発明の他の実施形態に係る超電導フィルタの実装構造を示す図。
【図6】実施例3における超電導フィルタの実装構造を示す図。
【図7】比較例2における超電導フィルタの実装構造を示す図。
【図8】実施例4における超電導フィルタの実装構造を示す図。
【図9】実施例5における超電導フィルタの実装構造を示す図。
【図10】比較例3における超電導フィルタの実装構造を示す図。
【図11】比較例4における超電導フィルタの実装構造を示す図。
【図12】比較例5における超電導フィルタの実装構造を示す図。
【図13】実施例6における超電導フィルタの実装構造を示す図。
【図14】実施例7におけるコールドヘッド、冷却プレート、送信フィルタ、受信フィルタの配置を示す平面図および側面図。
【図15】比較例6における冷却プレート、送信フィルタ、受信フィルタの配置を示す平面図。
【図16】実施例8におけるコールドヘッド、冷却プレート、送信フィルタ、受信フィルタの配置を示す平面図および側面図。
【図17】実施例9における送信フィルタ、受信フィルタを取り付けたコールドヘッドを示す斜視図。
【図18】図17の送信フィルタ、受信フィルタを取り付けたコールドヘッドを収容した断熱容器を示す斜視図。
【図19】図18の送信フィルタ、受信フィルタを組み込んだ無線送受信装置の構成図。
【図20】送信フィルタ、受信フィルタを収容した断熱容器の他の例を示す斜視図。
【図21】実施例10における無線送受信装置を示すブロック図。
【図22】実施例11における無線送受信装置を示すブロック図および周波数帯域の分割方法を示す図。
【図23】実施例11における無線送受信装置の一実装例を示す図。
【図24】実施例11における無線送受信装置の他の実装例を示す図。
【符号の説明】
1…送信フィルタ
2…受信フィルタ
10…基板
11…送信フィルタの入力線
12…送信フィルタの共振素子
13…送信フィルタの出力線
21…受信フィルタの入力線
22…受信フィルタの共振素子
23…受信フィルタの出力線
30…冷凍機
31…コールドヘッド
32…冷却プレート
33…連結部材
34…保持部材
50…超電導配線
61…合成器
71…断熱容器
72…排気口
101…信号発生器
102…パワーアンプ(PA)
103…アンテナ
104…ローノイズアンプ(LNA)
105…受信信号処理回路
106…制御部
107…合成器
201…送信側伝送線路
201…受信側伝送線路

Claims (2)

  1. 断熱容器内に互いに伝送信号の波長程度の距離を隔てて収納された、アンテナから受信した信号を選別する平面型伝送線路構造の超電導受信フィルタと、アンテナへ送信する信号を選別する平面型伝送線路構造の超電導送信フィルタを有し、前記受信フィルタおよび前記送信フィルタが、直方体をなす冷却部材の互いに異なる側面に取り付けられていることを特徴とする超電導フィルタ。
  2. 前記受信フィルタの信号入力線および前記送信フィルタの信号出力線は、超電導体を介してアンテナに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導フィルタ。
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