JPH07202507A - マイクロストリップラインフィルタ - Google Patents

マイクロストリップラインフィルタ

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JPH07202507A
JPH07202507A JP5333942A JP33394293A JPH07202507A JP H07202507 A JPH07202507 A JP H07202507A JP 5333942 A JP5333942 A JP 5333942A JP 33394293 A JP33394293 A JP 33394293A JP H07202507 A JPH07202507 A JP H07202507A
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filter
case
ferrite
wave absorber
microstrip line
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Tsutomu Yoshitake
努 吉武
Tetsuji Inui
哲司 乾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロ波回路の基本的構成要素となるマイ
クロストリップラインの導体に酸化物超伝導体、ケース
内壁に電波吸収体を使用することにより、Q値が高く、
ノイズの小さい高性能小型マイクロストリップラインフ
ィルタを提供する。 【構成】 酸化物超伝導体と誘電体基板を用いてマイク
ロストリップラインフィルタを形成する際に、ストリッ
プライン共振器、入出力端子、及び、接地導体に酸化物
超伝導体を用いるとともに、ケース内壁に電波吸収体を
設けることにより、電磁界モードの乱れ、及び、高次モ
ードの発生を抑えて、ノイズを低減することを特徴とし
た低損失マイクロストリップラインフィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波通信機に使用
するマイクロストリップラインフィルタに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年のマイクロ波通信における回路構成
要素として、誘電体基板上に一つもしくは複数個の互い
に電磁界結合させた半波長叉はその整数倍の線路長さを
もつ共振器から構成されたマイクロストリップラインフ
ィルタがよく使用されている。マイクロストリップライ
ンフィルタを一般に高いQ値を持つフィルタとして使用
される導波管型フィルタや誘電体フィルタと比較する
と、小型であること、また、他の回路要素との集積化が
容易であり、マイクロ波集積回路(MIC)への応用に
適しているという特徴がある。しかしながら、マイクロ
ストリップライン共振器のQ値はそれを構成するライン
の導体損失、及び、放射損失により一般的に低く、ま
た、高次モードの発生も起こりやすいという欠点があ
る。ここで、この欠点を除去し、マイクロストリップラ
インフィルタを構成する共振器のQ値を高くし、マイク
ロ波回路全体の特性を向上させることができれば、従
来、導波管フィルタが使用されていたマイクロ波回路に
おいても、小型軽量のマイクロストリップラインフィル
タを使用する事ができるようになる。
【0003】図2(a)に従来のマイクロストリップラ
インフィルタの構造を三段バンドパスフィルターの場合
について示す。ストリップライン共振器10a、10
b、10cが誘電体基板11上に設けられ、また、誘電
体基板の裏側には接地導体12が設けられている。各ス
トリップライン共振器10a、10b、10cはその長
さと幅、及び、誘電体基板11の厚さと比誘電率によっ
てきまる周波数で共振を起こし、各々のストリップライ
ン共振器は、互いに電磁界結合するように配置されてい
る。さらに、これらの共振器が、外部回路との入出力端
子13、14と電磁界結合することによって全体としフ
ィルタを構成している。そして、このフィルタは図2
(b)に示すように接地導体とつながるケース17に設
置され、入出力用端子13、14がコネクタ15、16
と接続されることによって外部回路と接続されている。
なお、このようなフィルタはケース中でフィルタ単体で
用いられる場合の他に、他のマイクロ波回路要素と集積
化して使用される場合がある。ケース17は上記構成に
おいては、TE10モードの遮断導波管になっており、ケ
ースの断面サイズで決まる遮断周波数以下のTE10波を
遮断し、共振周波数付近での入出力端子の直接的な結合
を抑える構造になっている。一般にこのケースには真鍮
等の表面(特に、内壁表面)に金や銀等の低抵抗常伝導
金属をメッキし、導波管としての導体損を小さくすると
ともに、該フィルタとコネクタ等の間の電磁界的に不連
続な部分から発生する放射に対するシールド電流による
損失を小さくしている。このようなマイクロストリップ
ラインフィルタの性能を向上させるためには、ケースを
含めた全体の回路要素について、損失を低減させること
が必要となる。
【0004】従来のマイクロストリップラインフィルタ
においては、ストリップライン共振器10、接地導体1
2に金等の常伝導金属を使用したものが使用されてき
た。また、この時ケースには前記のごとく真鍮等の表面
に金等をメッキしたものが用いられている。また、最
近、例えば、文献(アプライド フィジックス レター
ズ(Applied Physics Letter
s)58巻、1789−1791頁、1991年)等の
ように、高いQ値を持つフィルタを製造することを目的
として、ストリップライン共振器10と接地導体12の
一方、または、両方に酸化物超伝導体を用いたマイクロ
ストリップラインフィルタも報告されている。ただし、
これらのフィルタにおいてもケースには前記と同様に真
鍮等の表面にメッキした金等の常伝導金属が用いられて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにストリップライン共振器10a、10b、10c
や接地導体12、及び、ケース17に金等の常伝導金属
を用いてマイクロストリップラインフィルタを製造した
場合には、導体、特にストリップライン共振器と接地導
体の表面抵抗による導体損失が非常に大きく、フィルタ
の特性はこれらの導体損失によって抑えられてしまう。
例えば、この構成でマイクロストリップライン共振器を
作製すると、室温でのQ値は300程度しか得ることが
できない。また、使用温度を液体窒素の沸点である77
Kで使用すると常伝導金属の表面抵抗が小さくなるた
め、Q値は室温の場合よりも高くなるがそれでも得られ
るQ値はせいぜい700程度である。このため、従来使
用されているマイクロストリップラインフィルタは挿入
損失が非常に大きく、フィルタ特性が劣っているため、
小型で集積化しやすいという特徴だけを生かしてマイク
ロ波集積回路に使用されている例が多く、高いQ値が必
要とされる部分には不向きであった。従来、このような
高いQ値が必要とされる部分には、導波管型フィルタや
誘電体共振器フィルタ等使用されていた。しかしなが
ら、このようなタイプのフィルタにおいてはフィルタ自
体の容積が大きくなってしまい、マイクロ波機器を小型
化しにくいという点で不利であり、また、他のマイクロ
波素子との集積化がしにくいという点でも欠点を持って
いる。このような状況において、マイクロ波集積回路に
応用可能な小型高性能のマイクロストリップラインフィ
ルタの開発が必要とされている。
【0006】このような問題点を解決することを目的と
して、最近、ストリップライン共振器と接地導体に酸化
物超伝導体を用いたマイクロストリップラインフィルタ
が開発された。酸化物超伝導体は、その臨界温度以下の
超伝導状態において、マイクロ波の表面抵抗が金等の常
伝導金属よりも1桁以上小さくなるために、マイクロス
トリップラインフィルタの損失の主要部分を占めるスト
リップライン共振器と接地導体の導体損失を大幅に低減
することができる。このため、従来の金等のフィルタの
問題点を大幅に克服することが可能となり、マイクロス
トリップラインフィルタの性能が導波管型フィルタや誘
電体共振器型フィルタと同程度またはそれ以上に向上し
た。実際に既に報告した論文において、6〜10GHz
付近の周波数帯域で、簡単な共振器ではあるが、77K
において10,000程度のQ値が得られるようになっ
ている。マイクロストリップライン共振器の性能がこの
程度まで向上してくると従来導電波管や誘電体共振器が
使用されていた部品にもマイクロストリップラインフィ
ルタを使用することができるようになり、機器の高性能
化、小型化等の面で非常に有利になってくる。
【0007】ところが、マイクロストリップラインフィ
ルタにおいて、かくのごとくQ値が大きくなってくる
と、コネクタ15、16と入出力端子13、14間等の
不連続部からの予期せぬ放射やストリップライン共振器
からのわずかな漏洩磁界が、金等で構成されたケースに
流すシールド電流による導体損も無視できなくなり、ま
た、ケースと相互作用して引き起こす高次モードの発生
及び主要モードにおける乱れが生じて、これがノイズの
原因になる等、より高性能のフィルタをめざす上で新た
な問題点が生じることが明らかになってきた。このよう
な影響は従来の常伝導金属をマイクロストリップライン
等に用いたフィルタにおいては、中心導体と接地導体の
主要部に流れる電流による導体損失のほうが圧倒的に大
きくて、前記のような二次的にケースに流れる電流によ
る損失は全く問題にならなかった。ところが、上記のご
とく酸化物超伝導体を使用したフィルタのなかでも、薄
膜の品質等を向上させて、表面抵抗を非常に小さくした
酸化物超伝導体薄膜を用いた場合には、Q値が77Kに
おいて20,000程度を越えるようになる。そして、
このような高Q値を有するフィルタが実現されると、前
記の原因による共振モードの乱れによるわずかなノイズ
が、フィルタ特性に影響を与えるという問題点が新たに
発生してくる。
【0008】本発明は、上記課題を解決することを目的
として、ケース17の構造を改善することにより、共振
モードの乱れによるノイズの発生を低減させて、よりフ
ィルタ特性の優れたマイクロストリップラインフィルタ
を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のマイクロストリップラインフィルタはスト
リップライン共振器、入出力用端子、及び、接地導体に
酸化物超伝導体を使用するとともに、ケース内壁に電波
吸収帯を設置する事により構成されたものである。
【0010】
【作用】本発明は上記のようにストリップライン共振
器、入出力用端子、及び、接地導体に高品質の酸化物超
伝導薄膜を使用することにより、ストリップラインと接
地導体の導体損失を低減して高Q値を実現できるととも
に、ケースの内壁表面に電波吸収体を設置することによ
り、マイクロストリップラインの不連続部からの放射や
マイクロストリップからの漏洩磁界をこの電波吸収体に
吸収させて、共振モードの乱れを抑制して、フィルタの
ノイズを減少させ、バンド内のリップルをより低減させ
た高性能のマイクロストリップラインフィルタを製造す
ることができる。
【0011】
【実施例】以下本発明のマイクロストリップラインフィ
ルタについて、図面を参照しながら詳細に解説する。図
1(a)、(b)は本発明の一実施例によるマイクロス
トリップラインフィルタの平面図及び横断面図である。
図において、1a、1b、1cはストリップライン共振
器、2は誘電体、3は接地導体である。また、4、5は
外部回路との入出力用端子、6、7はコネクタである。
さらに、8は本発明の中心になるケース部分であるが、
ケースの内壁には電波吸収体9が設置されている。
【0012】本発明の実施例においては、ストリップラ
イン共振器、入出力用端子、接地導体はYBa2 Cu3
7-X 酸化物超伝導体を用いた。実際の製造に際して
は、まず、誘電体基板の一方の表面にレーザー蒸着法に
よって約1μm程度の厚さを有するYBa2 Cu3
7-X 酸化物超伝導体膜を650〜750℃程度の成膜温
度で作製した。つぎに、誘電体基板を裏返して、上記誘
電体基板の裏側表面に同様の条件でYBa2 Cu3
7-X 酸化物超伝導体膜を成膜して、誘電体基板の両面に
酸化物超伝導体膜を形成した。次に、一方の面のYBa
2 Cu3 7-X 酸化物超伝導体膜について、通常のリソ
グラフィとイオンミリング等の加工プロセスを用いて、
フィルタパターンを形成した。また、他方の面のYBa
2 Cu3 7-X酸化物超伝導体膜は接地導体にした。こ
の際、酸化物超伝導体として、Y系超伝導体の他に、T
l系超伝導体、Bi系超伝導体等の高いTcを有する他
の超伝導体を用いてもさしつかえない。また、使用する
誘電体基板としては、酸化マグネシウム(MgO)、ラ
ンタンアルミニウム酸化物(LaAlO3 )等の低誘電
損失基板を用いた。
【0013】次に、本発明においては、該フィルタの不
連続部からの不要放射やマイクロストリップからのわず
かな漏洩磁界の影響によるモードの乱れを防止するため
に、ケース8の構造を従来技術と異なるものに改良し
た。本実施例においては、ケース8は真鍮の表面に5μ
m程度の金メッキしたものを用いたが、このケースの内
壁表面に電波吸収体9を設置した。電波吸収体には磁気
的損失の大きいフェライトを用いた。磁気的損失の大き
いフェライトとは、高周波透磁率の虚数部が大きいフェ
ライトで、GHz領域では、マグネタイト、ニッケルフ
ェライト、リチウムフェライト、銅フェライト、バリウ
ムフェライト等が使用できる。本実施例においては、ケ
ースの内壁表面にマグネタイトの微粒子をペーストした
ものを厚さ100μm程度印刷することによって電波吸
収体とした。ここで、ケース内壁に設ける電波吸収体の
製造方法はフェライト塗料を塗布したり、フェライトの
板を接着する等他の方法を用いてもさしつかえない。
【0014】前記のように作製したフィルタパターンを
図1(b)のごとく電波吸収体を内壁に有するケースに
設置し、入出力端子をコネクタに接続することによっ
て、マイクロストリップラインフィルタを製造した。こ
のようなマイクロストリップラインフィルタの特性をネ
ットワークアナライザを用いて測定し、従来技術による
マイクロストリップラインフィルタと比較した。本実施
例で作製したマイクロストリップラインフィルタは、中
心周波数が9.8GHzで、等リップル内の帯域幅は3
%の三段バンドパスフィルタである。なお、フィルタの
帯域内リップルは0.01dBに設計した。フィルタ特
性評価に際しては、フィルタを20K付近まで冷却可能
な冷凍機中に設置して、YBa2 Cu3 7-X 酸化物超
伝導体の臨界温度より低い液体窒素の沸点77Kに冷却
して、マイクロ波電力の透過測定、反射測定等を行っ
た。なお、本実施例で使用した低損失誘電体基板上のY
Ba2Cu3 7-X 酸化物超伝導体薄膜は超伝導特性が
非常に優れているため、マイクロ波の表面抵抗は十分に
小さく、実際に、共振周波数9.8GHzのマイクロス
トリップライン共振器を作製して、共振器の無負荷Q値
を測定したところ77K付近で30,000程度の高Q
値が得られ、非常に特性の優れたものであることがわか
った。
【0015】図3は77Kにおけるマイクロストリップ
ラインフィルタの代表的なフィルタ特性である挿入損
失、帯域外挿入損失、帯域内反射損失、及び、帯域内リ
ップルの値を示す。まず、従来技術との比較として、ス
トリップライン共振器、入出力用端子、接地導体全てに
常伝導金属の金を使用して、ケースに通常の金メッキし
たもの用いたフィルタ5の評価を行ったところ、帯域内
挿入損失は2.5dB程度と比較的大きな値を示した。
これは、既に述べたごとく常伝導金属である金の導体損
失が大きいために、フィルタのQ値が非常に低いレベル
に抑えられてしまうためである。このフィルタについて
は、インピーダンス調整を行うことにより、帯域内反射
損失を26dB程度にする事ができた。ただし、帯域内
リップルは0.03dB程度と酸化物超伝導材料を使用
した場合よりも大きな値を示した。また、フィルタの急
峻さを示すスカート特性も後に述べる酸化物超伝導材料
を使用した場合よりも劣るものであった。このフィルタ
5をケース内壁に電波吸収体を使用したフィルタ4と比
較したところ、表にみられるように両者でほとんど有為
な差異は観察できなかった。このようなフィルタでは非
常に大きな導体損失でフィルタ特性が決定されており、
この大きな導体損失と比較すると、マイクロストリップ
ラインの不連続部からの放射や漏洩磁界によるわずかな
モードの乱れが及ぼすフィルタ特性への悪影響は非常に
小さく、全く問題にならないレベルにあることがわか
る。
【0016】次に、ストリップライン共振器と入出力用
端子、接地導体にYBa2 Cu3 7-X 酸化物超伝導体
を使用し、また、ケース内壁に通常の金を用いたフィル
タ3においては、既に記述したように酸化物超伝導体の
導体損失が著しく小さくなるために、金を用いたフィル
タ4、5よりも帯域内挿入損失は著しく小さくなってい
る。さらに、このフィルタでは、帯域内反射損失も25
dB以上と十分な大きさを示しており、高Qフィルタに
期待される性能は一様満足しているものである。しかし
ながら、このような高Q値を示すフィルタでは、既に述
べたようなわずかな共振モードの乱れによるノイズの影
響が現れてくるようになる。実際に、フィルタ3では、
帯域内リップルが設計値よりもやや大きく、また、スカ
ート特性も金のフィルタよりは良好であるが、急峻さの
点でまだ不十分なものである。さらに、帯域外の信号レ
ベルは、50dB以下程度の値にとどまっており、ま
た、帯域外に8dB程度の原因不明のスパイクがみられ
る。このような特性を有するフィルタ3は、従来金を使
用していたMICフィルタの高性能化をはかるという点
では十分なものであるが、将来、より重要になってくる
微弱な信号を高精度でフィルタリングするという目的に
はやや不十分である。
【0017】次に、本発明による酸化物超伝導体とケー
ス内壁の電波吸収体を組み合わせたフィルタ1及び2に
ついてのフィルタ特性評価を行ったところ、図3のよう
に帯域内挿入損失は0.05dB程度、また、帯域内反
射損失も27dB程度とフィルタ3と同程度の特性を示
すことがわかった。ところが、ケース内壁に電波吸収体
を使用したフィルタでは帯域内リップルが0.01dB
とフィルタ3よりも小さくする事ができ、また、スカー
ト特性もほぼ設計値どおりの非常に急峻な特性を示し
た。さらに、帯域外の信号レベルも70dB以下にまで
小さくすることが可能になり、フィルタ3でみられたス
パイクも消滅した。これは、高Q値を示すマイクロスト
リップラインフィルタのノイズの原因となるコネクタ等
の不連続部からの不要放射やマイクロストリップライン
の微小な漏洩磁界がケース内壁に及ぼす影響を電波吸収
体が効率よく吸収したために、従来、ケースに流れる電
流及びケースとの相互作用で発生していた共振モードの
乱れによるノイズ発生を抑制することができたからであ
る。なお、フィルタ1及び2を比較して明らかなよう
に、ケース内壁に設ける電波吸収体は、マグネタイトの
場合とNiZnフェライトの場合でほとんど差異はな
く、電波吸収体の種類には依存しないことがわかった。
このように、本発明のマイクロストリップラインフィル
タはケース内壁表面に電波吸収体を設けることにより、
従来実現できなかった高性能フィルタを小型で実現でき
る。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は酸
化物超伝導体と誘電体を用いてマイクロストリップライ
ンフィルタを製造する際に、フィルタのケース内壁に電
波吸収体を設置することにより、高いQ値を持つマイク
ロストリップラインフィルタで問題となってくるノイズ
を低減させることができ、マイクロストリップラインフ
ィルタの特性を大幅に向上させることが可能になった。
このような高性能フィルタは、従来のMICフィルター
の性能を向上させることができるばかりでなく、従来高
いQ値を持つフィルタとして使用されていた導波管フィ
ルタを置き換えて小型高性能化することも可能であり、
マイクロ波回路を製造する上でその効果は非常に大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマイクロストリップラインフィル
タの構造を示す図である。(a)平面図、(b)横断面
図。
【図2】従来のマイクロストリップラインフィルタの構
造を示す図である。(a)フィルタ本体、(b)ケース
中に設置した状態。
【図3】本発明の実施例におけるマイクロストリップラ
インフィルタの77K、9.8GHzにおける特性を示
す。
【符号の説明】
1a、1b、1c ストリップライン共振器(酸化物
超伝導体) 2 誘電体基板 3 接地導体 4、5 入出力端子 6、7 コネクタ 8 ケース 9 電波吸収体 10a、10b、10c ストリップライン共振器
(常伝導金属または酸化物超伝導体) 11 誘電体基板 12 接地導体(常伝導金属または酸化物超伝導
体) 13、14 外部回路との入出力端子(常伝導金属ま
たは酸化物超伝導体) 15、16 コネクタ 17 ケース

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つもしくは複数個の互いに電磁界結合
    させた半波長またはその整数倍の線路長さを持つマイク
    ロストリップライン共振器と、前記マイクロストリップ
    ライン共振器の入出力端子と、接地導体に酸化物超伝導
    体を用いて構成したフィルタにおいて、該フィルタのケ
    ース内壁に電磁界モードの乱れ及び高次モードの発生を
    低減させるための電波吸収体を設けることを特徴とした
    マイクロストリップラインフィルタ。
JP5333942A 1993-12-28 1993-12-28 マイクロストリップラインフィルタ Pending JPH07202507A (ja)

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