JP2596400B2 - 超伝導フィルタ - Google Patents

超伝導フィルタ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波通信機に使
用するマイクロストリップフィルタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波通信機分野に使用するマイク
ロ波回路においては、対をなす接地導体と上部導体とが
誘電体を挟んで積層された積層体からなり、特定周波数
信号を通過させるマイクロストリップフィルタが各種の
回路構成要素として使用されている。マイクロストリッ
プフィルタは小型であり、また、他の回路要素との複合
化が容易であることから、マイクロ波集積回路への応用
が可能であるという特徴がある。この場合、マイクロス
トリップフィルタの性能指標であるQ値を高くすること
によって、マイクロ波回路全体の特性を向上させること
ができる。
【0003】従来のマイクロストリップフィルタは、ア
ルミナ等の低誘電損失基板を介して、金等の低抵抗金属
を用いた上部導体と接地導体を平行に対向させることに
よって構成されていた。この形状のフィルタでは、導体
部分の電力損失の影響が非常に大きいため、フィルタの
Q値は300程度と非常に小さい。したがって、このタ
イプのフィルタでは、必要とする特定通過帯域の挿入損
失が大きいという問題や、帯域端での減衰特性が導波管
フィルタよりも悪い等の問題があり、低損失性や狭帯域
性が要求されるマイクロ波機器への使用には適していな
かった。このため、従来のマイクロストリップフィルタ
は、損失はある程度許容できるが、低雑音増幅器等他の
マイクロ波素子と組み合わせて使用する必要があるマイ
クロ波集積回路等の部品として使用されてきた。このよ
うな箇所では、フィルタの帯域幅は数パーセント程度の
広いものが一般的に使用されている。
【0004】最近、例えば、文献(アプライド フィジ
ックス レターズ(AppliedPhysics L
etters)58巻,1109−1111頁,199
1年)等のように、上部導体と接地導体に酸化物高温超
伝導材料を用いたマイクロストリップフィルタが報告さ
れている。このタイプのマイクロストリップフィルタで
は、酸化物高温超伝導材料のマイクロ波帯における表面
抵抗が低いことに起因して、上部導体と接地導体の導体
損失が著しく軽減されるため、フィルタのQ値が500
0以上と非常に高い値に向上する。このため、従来の金
属体で構成されたマイクロストリップフィルタの問題点
を改善して、低損失性が要求される狭帯域チャンネルフ
ィルタ等の部品にも使用することができるようになっ
た。以上の従来型フィルタでは、一般的に半波長線形共
振器を側結合させて構成したものが一般的に使用されて
いる。
【0005】一方、例えば、文献(アプライド マイク
ロウェーブ マガジン(Applied Microw
ave Magazine)86−93頁,fall,
1991)のように正方形や円形のパッチ型導体からな
る共振器の一部に摂動を設けることにより、二つの対角
共振モードを結合させた超伝導デュアルモードフィルタ
も一部では使用されるようになった。図2は、従来の正
方形のパッチ型導体を用いたデュアルモード帯域通過フ
ィルタの一例を示す図である。同図に示すように誘電体
基板11の表面には正方形のパッチ型導体12が形成さ
れ、裏面には図示を省略する接地導体が形成され、これ
によりパッチ型共振器が構成される。そして、パッチ型
導体12の一つの角部に摂動部14が設けられる。この
パッチ型共振器は、入出力用ライン16,17と電磁界
結合することによって全体としてデュアルモードのフィ
ルタを構成している。
【0006】前記パッチ型導体12及び接地導体には、
通常、酸化物高温超伝導材料が使用されているので、マ
イクロストリップ回路で問題となる導体損失も小さく、
このタイプのフィルタにおいても、従来の酸化物高温超
伝導材料を用いた側結合型フィルタの場合と同様に50
00以上の高いQ値を得ることが関る。さらに、このフ
ィルタでは、摂動9の設定方法によっては、従来型フィ
ルタでは作製するのが難しかった比帯域幅1%以下の狭
帯域フィルタを容易に作製できるという利点、および、
一つのパッチで二段フィルタを形成したデュアルモード
フィルタとして構成できるので、多段化しても側結合型
フィルタよりは小型化できるという利点がある。
【0007】さらにまた、このフィルタでは、共振部分
における電流集中が軽減されるので、従来、酸化物超伝
導材料を使用したフィルタの問題点とされてきた耐電力
特性が弱いという問題点も改善することができるように
なった。このため、従来型側結合マイクロストリップフ
ィルタが主に使用されてきたマイクロ波集積回路の部品
としての利用の他に、点損失性、狭帯域性や耐電力特性
が要求されるチャンネルフィルタ等のマイクロ波通信機
器への応用も可能になってきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、バッ
チ型導体と接地導体に酸化物高温超伝導材料を用いたマ
イクロストリップフィルタにおいて、半波長共振器を側
結合させた形式のフィルタでは、数パーセントの帯域幅
を持つ広帯域フィルタには適しているが、1%あるいは
それ以下の狭帯域フィルタを作製する場合には、線形共
振器の間隔を広げて結合を弱くする必要がある。このよ
うな状況では、線形共振器間の電磁界の結合状態が複雑
になるため、フィルタの設計が困難になる等の問題が起
こり、チャンネルフィルタ等の狭帯域性が要求されるフ
ィルタとしての使用には適していない。
【0009】この点、前記した正方形や円形のパッチ型
導体の一部に摂動部を設けることにより、二つの対角共
振モードを利用する図2に示したマイクロストリップデ
ュアルモードフィルタでは、摂動の設定方法によって1
%以下の狭帯域フィルタを容易に作製できることから、
半波長線形共振器を側結合させたマイクロストリップフ
ィルタの問題点を改善することが可能となり、マイクロ
ストリップフィルタの応用範囲を大幅に広げることがで
きるようになった。
【0010】しかしながら、このようなフィルタでは、
フィルタ特性が摂動部の設定方法に依存しているため、
実際のマイクロ波通信機器に組み込んで使用される場合
に、要求される通過特性や反射特性等のフィルタ特性の
調整を行うことが難しいという問題点があった。すなわ
ち、その特性を調整する方法として、例えば摂動部の形
状を変化させながら二つの共振モードのカップリングを
変えることが考えられる。このため、実際の調整におい
ては微細加工技術を用いて摂動部の形状を僅かずつ変形
させながらフィルタ特性の調整を行うことが要求され、
調整作業が極めて面倒なものとなる。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、正方形や円形のパッチ
型導体の一部分に摂動部を設けて二つの対角共振モード
を電磁界結合させたデュアルモードフィルタにおけるフ
ィルタ特性の調整を簡単に行うことを可能とした低損失
かつ狭帯域の超伝導フィルタを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の超伝導フィルタ
は、パッチ型の導体によりデュアルモードフィルタとし
て構成される超伝導フィルタに設けられた摂動部の近傍
に、このフィルタを形成する基板としての誘電体基板と
は誘電率の異なる低損失誘電体材料からなる誘電体を設
置したことを特徴とする。
【0013】この場合、誘電体は摂動部に対して位置変
化可能に誘電体基板上に接着される構成とすることが好
ましい。また、本発明は、例えばパッチ型の導体は矩形
に形成され、その角部の1つがテーパ状に形成されて摂
動部として構成され、そのテーパ辺に対向して誘電体が
配置されるように構成される。
【0014】
【作用】本発明においては、誘電体基板のに設けたパッ
チ型導体と接地導体をそれぞれ酸化物超伝導材料で構成
することにより、フィルタの小型化、狭帯域化、高Q特
性化を実現するとともに、摂動部の近傍に設けた誘電体
の設置位置を調整することによりフィルタ特性を容易に
調整することが可能となる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の一実施例によるマイクロストリッ
プデュアルモード帯域通過フィルタを示し、(a)は平
面図、(b)はAA線断面図である。同図において、1
は誘電体基板、2はパッチ型導体、3は接地導体、4は
前記パッチ型導体に設けた摂動部、5は摂動部の近傍に
設置した低損失誘電体材料からなる誘電体である。ま
た、6,7は外部回路との入出力ラインである。すなわ
ち、前記パッチ型導体2と入出力ライン6,7は誘電体
基板1の表面に形成され、また接地導体2は誘電体基板
1の裏面に形成されている。そして、前記パッチ型導体
2はその平面形状が正方形に近い矩形とされ、かつその
1つの角部をテーパ状に削除した前記摂動部4が形成さ
れる。
【0016】また、前記摂動部4と反対側に位置される
パッチ型導体2の各辺部は二つの対角する共振器として
構成されるものであり、各辺部には前記入出力ライン
6,7の一端部が近接配置され、パッチ型導体2で構成
される共振器に対して電磁界結合されている。さらに、
前記誘電体5は前記摂動部4に対しては微小間隔おいて
配置され、同様に低損失の誘電体接着剤等により誘電体
基板1の表面に接着固定されている。
【0017】この実施例においては、パッチ型導体2と
接地導体3には、YBa2 Cu3 7-x 酸化物超伝導材
料を用いた。誘電体基板1としては、誘電損失が低く、
高品質のYBa2 Cu3 7-x 酸化物高温超伝導材料が
成長しやすい基板として、酸化マグネシウム(MgO)
やランタンアルミニウム酸化物(LaAlO3 )の単結
晶基板を用いた。
【0018】前記YBa2 Cu3 7-x 酸化物高温超伝
導薄膜はレーザー蒸着法によって作製したが、その作製
順序は以下のとおりである。先ず、基板ホルダに誘電体
基板を設置して、レーザ蒸着装置のチャンバを10-7
orr台まで排気した後、チャンバ中に酸素ガスを0.
2Torr程度導入する。次に、基板を650〜750
℃程度に加熱した後、YBa2 Cu3 x ターゲットに
エキシマレーザを照射してターゲット成分を基板上に蒸
着することにより、パッチ型導体2となるYBa2 Cu
3 7-x 酸化物高温超伝導薄膜を形成する。蒸着速度は
約0.2nm/secとした。YBa2 Cu3 7-x
化物高温超伝導薄膜の膜厚は約1000nmに設定した
が、この膜厚はYBa2 Cu3 x 薄膜の典型的なマイ
クロ波磁場侵入長の約150nmよりも厚ければ基本的
にはさしつかえない。
【0019】以上のようにパッチ型導体2用のYBa2
Cu3 7-x 酸化物高温超伝導薄膜の成膜が終了する
と、蒸着チャンバーを開き、誘電体基板を裏返して、次
に、この誘電体基板1の裏側に接地導体3用のYBa2
Cu3 7-x 酸化物高温超伝導薄膜を作製した。この場
合にも、基板温度を650〜750℃に昇温して、レー
ザ蒸着法によって、接地導体用YBa2 Cu3 7-x
化物高温超伝導薄膜を作製した。この場合の成膜中の酸
素分圧、蒸着速度等は前記パッチ型導体2のときの成膜
条件と同じにした。
【0020】なお、前記パッチ型導体2用及び設置導体
3用のそれぞれの成膜終了後には、いずれの場合にも、
ただちにチャンバを酸素1気圧にしてゆっくりと冷却し
た。このようにして得られた各YBa2 Cu3 7-x
化物薄膜は、非常に良好な超伝導特性を有しており、直
流電気抵抗によって評価した超伝導転移温度は90Kで
あり、また、77Kにおける臨界電流密度は4×1016
A/cm2 と非常に高い値を示した。さらに、この薄膜
はマイクロ波帯での特性も非常に優れており、10GH
z,77Kで評価した表面抵抗は100μΩと金等の常
伝導金属よりも2桁程度低い値を示した。
【0021】このようにして得られたYBa2 Cu3
7-x 酸化物高温超伝導薄膜を、通常のリソグラフィ技術
とアルゴンイオンミリングを用いて、図1の形状のフィ
ルタパターンに加工した。作製されたパターンを金メッ
キされたパッケージ中に設置し、入出力ライン6,7と
コネクタとを金線で接続して、外部機器との電気的接続
を行った。
【0022】次に、図1のマイクロストリップデュアル
モードフィルタの特性を、図2に示した従来のマイクロ
ストリップデュアルモードフィルタと比較しながら説明
する。マイクロストリップデュアルモードフィルタは、
中心周波数が9.8GHz、比帯域幅が0.5%の二段
帯域通過フィルタである。フィルタ特性評価に際して
は、フィルタを20K付近まで冷却可能な冷凍器中に設
置して、YBa2 Cu37-x 酸化物高温超伝導薄膜の
臨界温度よりも低い50K程度まで冷却して、マイクロ
波電力の透過測定および反射測定をネットワークアナラ
イザによって行った。なお、既に記述した如く、本実施
例で使用した低損失誘電体基板上のYBa2 Cu3
7-x 酸化物高温超伝導薄膜は超伝導特性が非常に優れて
いるため、マイクロ波帯での表面抵抗は十分に小さく、
実際に共振周波数9.8GHzのマイクロストリップ共
振器を作製して、共振器の無負荷Q値を測定したとこ
ろ、77K付近で30000程度の高Q値が得られ、非
常に特性の優れたものであることがわかった。
【0023】ここで、図2に示したパターンのパッチ型
導体2と、その接地導体3がいずれも本実施例のものと
同様にYBa2 Cu3 7-x 酸化物高温超伝導材料で形
成されているものとする。この図2のフィルタでは、摂
動部4の近傍に低損失誘電体材料からなる誘電体が設置
されてはいないが、その通過帯域外では挿入損失が60
dB以上と通常の帯域通過フィルタとして十分な特性を
有しており、また、帯域中心の挿入損失も0.3dB程
度で良好な特性を示していた。しかし、帯域内全域でみ
ると通過特性は0.2dB程度の凹凸があり、また帯域
内反射損失は最低で15dB程度であった。通常、帯域
通過フィルタはマイクロ波通信機器の部品として使用す
る場合、入出力回路とのインピーダンス整合をとること
により、帯域内の反射損失をなるべく多く、たとえば2
0dB以上にすることが要請される。
【0024】このため、図2のフィルタにおいて、その
インピーダンス整合をとる方法として、摂動部4の形状
を若干変化させることにより、パッチ型導体2における
二つの共振モードのカップリングを変えることが考えら
れる。そこで、このフィルタについて、微細加工技術を
用いて、摂動部の形状を僅かずつ変形させながらその都
度冷凍器中に設置し、冷却して評価するというプロセス
を数回繰り返して、フィルタ特性の調整を行ってみたと
ころ、帯域内反射損失を18dBまでに向上させること
はできたが、それ以上のフィルタ特性向上にはより細か
い加工や、調整技術が要求される。このように図2のフ
ィルタをマイクロ波通信機器の構成部品として使用する
ためには、相当な時間と労力を消費してフィルタ特性の
調整をすることが必要とされる。
【0025】一方、図1のフィルタについての特性評価
を行った。ここでは、YBa2 Cu3 7-x 酸化物高温
超伝導薄膜を成膜した誘電体基板1に誘電率10の酸化
マグネシウムを用いたので、摂動部の近傍に設置する誘
電体5の材料には誘電率が24で酸化マグネシウムと少
し異なる値を持ったランタンアルミニウム酸化物を用い
た。このフィルタは帯域外挿入損失は60dB以上と図
2のフィルタと同様に実用上問題ないレベルであった。
また、帯域中心の挿入損失は0.3dB程度と小さい値
を示した。ただし、帯域内全域の平坦度は0.2dB程
度であり、また、帯域内反射損失も15dB程度と無調
整状態では従来技術によるフィルタと同様のレベルであ
った。
【0026】しかし、図1のフィルタでは、摂動部4の
近傍に設置した誘電体4、すなわちランタンアルミニウ
ム酸化物の位置を変化させることによって、パッチ型導
体2で構成される共振器の対角モードの結合状態を変化
させることができ、この結果フィルタ特性を容易に変化
させることが可能とされている。これを利用して、フィ
ルタ特性が目的性能を達成できるように、誘電体4の位
置を変化させながらフィルタ特性の調整を行った結果、
図2のフィルタの目標性能である帯域内挿入損失が0.
25dBで、帯域内の平坦度が0.02dBであり、か
つ、帯域内反射損失が25dB以上という優れた値を容
易に実現することができた。
【0027】このように、図1のフィルタによれば、パ
ッチ型導体2の摂動部4に近接配置した誘電体5の設置
位置を調整することでフィルタの特性を調整することが
可能とされるため、マイクロ波通信機器に使用する調整
の簡単な小型高性能フィルタを簡便に製造することが可
能となる。したがって、従来のMIC用フィルタの性能
を向上させることができるばかりでなく、従来高いQ値
を持つために狭帯域フィルタに使用されていた導波管フ
ィルタを置き換えて、これを小型高性能化することも可
能であり、マイクロ波通信機器を製造する上で極めて有
利なものとなる。
【0028】なお、本実施例においては、酸化物高温超
伝導材料としてYBa2 Cu3 7-x を使用したが、B
i系超伝導材料、Tl系超伝導材料、Hg系超伝導材料
等他の高臨界温度を有する超伝導材料を使用することも
可能である。また、パッチ型導体の形状は、前記実施例
のような矩形のみならず、円形或いはその他の形状に構
成されることも可能である。したがって、摂動部の形状
もこれに対応して種々の異なる形状に形成することが可
能となる。
【0029】また、摂動部に近接配置した誘電体による
フィルタ特性の調整に際しては、誘電体の設置位置を変
化させる他に、誘電体を異なる形状のもの、或いは異な
る寸法のものに変更する方法、或いは異なる誘電率のも
のに変更する方法等を採用することも可能である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、パッチ型
導体と接地導体のそれぞれに酸化物超伝導材料を用い
て、特定周波数信号を通過させるマイクロストリップフ
ィルタを構成することで低損失で、かつ、小型軽量なデ
ュアルモードフィルタを構成でき、かつこれとともにパ
ッチ型導体の一部分に設けた摂動部の近傍に基板用誘電
体と誘電率の異なる低損失誘電体材料からなる誘電体を
設置することにより、フィルタ特性の調整を容易に行う
ことができる効果がある。
【0031】特に、誘電体を接着剤により誘電体基板に
接着固定することで、その設置位置を容易に変化調整す
ることが可能であり、フィルタ特性の調整作業を容易な
ものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超伝導フィルタの一実施例の平面図と
AA線断面図である。
【図2】従来のフィルタの一例の平面図である。
【符号の説明】
1,11 誘電体基板 2,12 パッチ型導体 3 接地導体 4,14 摂動部 5 誘電体 6,7,16,17 入出力ライン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−299712(JP,A) 特開 平5−251904(JP,A) 特開 平4−296104(JP,A) 特開 昭49−129462(JP,A) 米国特許4488131(US,A) J.A.CURTIS,ET.A L.”MINIATURE DUAL MODE MICROSTRIP FI LTERS”,1991 IEEE MTT −S DIGEST,PP.443−446

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板と、この誘電体基板の一方の
    面に形成された接地導体と、他方の面に形成されたパッ
    チ型の導体とでマイクロストリップフィルタとして形成
    され、前記接地導体とパッチ型の導体がそれぞれ酸化物
    超伝導材料で構成され、かつパッチ型の導体の一部に摂
    動部を設けて、二つの共振器を電磁界結合させたデュア
    ルモードフィルタとして構成されてなる超伝導フィルタ
    において、前記摂動部の近傍に前記誘電体基板と誘電率
    の異なる低損失誘電体材料からなる誘電体を設置したこ
    とを特徴とする超伝導フィルタ。
  2. 【請求項2】 誘電体は摂動部に対して位置変化可能に
    前記誘電体基板上に接着される請求項1の超伝導フィル
    タ。
  3. 【請求項3】 パッチ型の導体は矩形に形成され、その
    角部の1つがテーパ状に形成されて摂動部として構成さ
    れ、そのテーパ辺に対向して誘電体が配置される請求項
    1または2の超伝導フィルタ。
  4. 【請求項4】 誘電体基板は酸化マグネシウムやランタ
    ンアルミニウム酸化物の単結晶板で構成され、接地導体
    とパッチ型導体はYBa2 Cu3 7-x 酸化物超伝導材
    料で構成される請求項1ないし3の超伝導フィルタ。
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