JP2010170601A - 偏光ビームスプリッタ、光ピックアップおよび位相板 - Google Patents

偏光ビームスプリッタ、光ピックアップおよび位相板 Download PDF

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Abstract

【課題】任意の方向の光強度分布の補正および波面収差の補正が可能で、フロントモニタ方式でのモニタ光の光量および超解像効果の異なるものを簡単に製造でき、生産性の高い偏光ビームスプリッタ、光ピックアップおよび位相板を提供する。
【解決手段】偏光ビームスプリッタ10の光導入面11aの面中心を含む所定領域に入射光の波長以下の周期を有する凹凸配列が形成された偏光変換部15と、偏光変換部15の外周に接する所定領域に入射光の波長以下の周期を有する凹凸配列が形成された波面収差補正部とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、偏光ビームスプリッタ、光ピックアップおよび位相板に関し、特に光源からの光束の強度分布を変化させて対物レンズに導く偏光ビームスプリッタ、光ピックアップおよび位相板に関する。
光ピックアップやプリンタの分野では、レーザ光源の出射光量を安定させるために、レーザ光源の後側端面から出射されるレーザ光をモニタし、その結果に応じて出射光量を制御するオートパワーコントロール(APC)という手法がとられることがある。しかし、この手法では、レーザ光源の前側および後側の双方から出射されるレーザ光の光量が厳密には異なるために、フィードバックによって正確な光量制御がしにくい。また、所望の方向(前方)とは反対側(後方)にも光を出射させるため、レーザ光源の出射光量を有効に使えない。
そこで、近年では、レーザ光源から前方に出射されるレーザ光の一部をモニタ光として利用するフロントモニタ方式が多用されている。
例えば、特許文献1では、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光をカップリングレンズによって平行光に変換し、ビームスプリッタの分離面を透過して対物レンズによって収束して光ディスク上に集光する。そして、カップリングレンズとビームスプリッタとの間の光路中に設けられた遮光部材の半導体レーザ素子側に、モニタ用の受光素子が配設されている。この受光素子により、半導体レーザ素子の前方で出射光量をモニタすることで、上述したフロントモニタ方式を実現する方法が開示されている。
また、特許文献2では、レーザダイオードから出射されたs偏光のレーザ光が1/2波長板に入射した時、1/2波長板からはp偏光のレーザ光が出射され、偏光ビームスプリッタ(以下、PBSと言う)に入射する。PBSでは、入射光のうちの約90%が反射面にて反射され、光ディスク方向に向かう。一方、入射光のうちの約10%は、PBSの反射面を透過してフロントモニタに入射し、そこで光量が検出される。このようにして、レーザダイオードの前方で出射光量をモニタすることで、上述したフロントモニタ方式を実現する方法が開示されている。
ところで、特許文献1においては、半導体レーザ素子から出射される光束の中心部が、遮光部材および受光素子にて遮光されるので、光軸付近の光強度を落とした光を光ディスクに照射することができる。その結果、光ディスク上に照射される光のスポットの径を絞ることができ、高密度記録に対応した、いわゆる超解像効果を得ることができる。
しかしながら、上記光束の中心部は、遮光部材および受光素子によって完全に遮光されるので、光ディスクに照射される光は、常に、光軸付近の光強度がゼロとなった光である。従って、特許文献1の構成では、超解像効果を可変にすることができない。
また、カップリングレンズとビームスプリッタとの間の光路中に受光素子が配設されるので、受光素子に入射する光の光量は、受光素子の受光面の面積を変えない限り一定である。つまり、上記受光面の面積を変えない限り、受光素子でのモニタ光量を可変にすることもできない。
一方、特許文献2においては、レーザダイオードから出射されるレーザ光の偏光方向(振動方向)と1/2波長板の結晶光学軸とのなす角度を適切に設定することにより、PBSの反射面に入射するレーザ光を、その反射面にて、所定の光強度を持つ2つのレーザ光に分離することができる。従って、反射面を構成する光学多層膜の波長依存性に影響されることなく、反射面に入射するレーザ光を所定の透過率で透過させて、フロントモニタ方式でのモニタ光として活用することができる。
しかし、特許文献2の構成では、PBSを介して光ディスクに照射される光の強度を、光軸付近だけ落とすように調整することはできない。その結果、上述した超解像効果を得ることができず、ましてや超解像効果を可変にすることもできない。
そこで、特許文献3では、図8に示すように、図示しない半導体レーザ素子とPBS170との間に、入射光の偏光方向に対して傾いた光学軸を持つ位相板160aの両側に入射光の偏光方向に平行な光学軸を持つ位相板160bを配した合成位相板160を設け、レーザ光の中央の光束LAを傾いた光学軸を持つ位相板160aで楕円偏光させることで、レーザ光の中央の光束LAの一部がPBS170の偏光反射面を透過するようにしている。
これによって、PBS170の偏光反射面を透過した光をフロントモニタ方式でのモニタ光として活用することができるとともに、レーザ光の中央の光束LAの一部を透過させることで光軸付近の光強度を落とした光を光ディスクに照射することができ、超解像効果を得ることができる。
位相板160は、位相板160aと160bとの光学軸が所定の方向となるように、平板状の位相板160aを平板状の2枚の位相板160bで挟み、これを所定の厚さにスライスすることで得られる。
また、特許文献3の方法では、入射光の偏光方向に対して傾いた光学軸を持つ位相板160aの光学軸の傾き角を調整することで、PBS170の偏光反射面を透過する光量、即ちフロントモニタ方式でのモニタ光の光量を可変にすることができるとともに、超解像効果も可変にすることができる。
特開平7−296414号公報 特開2004−259376号公報 特開2006−185474号公報
しかしながら、特許文献3に示された方法では、位相板160の構成から分かるように、3枚の位相板160aと160bとが配置された方向(図のY方向)の入射光の光強度分布の補正は可能だが、その方向に直交する方向(図のX方向)の光強度分布の補正はできない。
さらに、特許文献3の方法で用いられる位相板は異方性を利用して位相差をもたらす波長板であるが、このような波長板は一般に非常に薄く、加工、接着等の取り扱いが困難で生産性に難がある。一方、取り扱いを容易にするために波長板を厚くすると、波長依存性が悪化し、ブルーレイ(BD)、DVD、CDの3波長域で波長板として機能しなくなる。また、位相板の寸法精度が厳しく、製造上の精度管理が難しい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、任意の方向の光強度分布の補正および波面収差の補正が可能で、フロントモニタ方式でのモニタ光の光量および超解像効果が可変にでき、加工、接着等の取り扱いが容易で、寸法精度の許容幅が大きく、生産性の高い偏光ビームスプリッタ、光ピックアップおよび位相板を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
1.偏光分離手段を有するプリズムと、
光源からの入射光を前記偏光分離手段に入射させるための、前記偏光分離手段と対向する光導入面とを備えた偏光ビームスプリッタにおいて、
前記光導入面の面中心を含み周縁部を含まない所定領域に、前記入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列を備え、入射光の偏光と異なる偏光成分を発生させて偏光状態を変換する偏光変換部が形成され、
前記偏光変換部の外周に接し、前記光導入面の周縁部を含む所定領域に、前記入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列を備え、前記偏光変換部との位相ズレを整合させる波面収差補正部が形成され、
前記偏光変換部は、前記入射光が前記光導入面に垂直に入射する場合に、前記入射光と前記入射光の前記偏光分離手段での反射光とが作る入射面と前記光導入面との交線に対して所定の面内方位角θだけ傾けて形成され、
前記波面収差補正部は、前記入射面と前記光導入面との前記交線に対して前記面内方位角θと異なる面内方位角θだけ傾けて形成されており、
前記波面収差補正部の前記面内方位角θは、
−15°<θ<15°
または、
75°<θ<105°
であることを特徴とする偏光ビームスプリッタ。
2.前記偏光変換部の前記面内方位角θは、
35°<θ<55°
であることを特徴とする前記1に記載の偏光ビームスプリッタ。
3.前記偏光変換部の前記一次元の凹凸配列の凸部の幅(d)と周期(p)との比f(=d/p)は、
0.4<f<0.6
であり、
前記波面収差補正部の前記一次元の凹凸配列の凸部の幅(d)と周期(p)との比f(=d/p)は、
0.3<f<0.7
であることを特徴とする前記1または2に記載の偏光ビームスプリッタ。
4.前記偏光変換部は、前記光導入面の面中心を含む第1の領域と、前記第1の領域を取り囲む第2の領域とを有し、前記第1の領域での前記一次元の凹凸配列と前記第2の領域での前記一次元の凹凸配列とは異なる構造を有することを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の偏光ビームスプリッタ。
5.前記1から4の何れか1項に記載の偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタの前記偏光変換部が形成された面に光を入射させる光源と、
前記偏光分離手段で分離された前記光源からの光の一方を光ディスクに投光し、投光した光の前記光ディスクからの反射光を受光する光学系と、
前記光学系で受光された前記光ディスクからの反射光を受光する受光部と、
前記偏光分離手段で分離された前記光源からの光の他方を受光する光量モニタ部とを備えたことを特徴とする光ピックアップ。
6.前記光源から前記偏光変換部が形成された面に入射した直線偏光の入射光の光量の5%以上20%以下が、前記直線偏光に垂直な偏光方向を持つ直線偏光として射出するように、前記偏光変換部の面積および前記偏光変換部での位相差が設定されていることを特徴とする前記5に記載の光ピックアップ。
7.前記偏光変換部の面積は、前記光源から前記偏光変換部が形成された面に入射した入射光のビーム面積の1/4以上1/3以下の面積であることを特徴とする前記5または6に記載の光ピックアップ。
8.光源からの入射光の光束の中心部の偏光状態を変換し、周辺部の偏光状態を実質的に変化させない光学素子としての位相板であって、
前記入射光が入射する光導入面の面中心を含み周縁部を含まない所定領域に、前記入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列を備え、前記入射光の偏光と異なる偏光成分を発生させて偏光状態を変換する偏光変換部が形成され、
前記偏光変換部の外周に接し、前記光導入面の周縁部を含む所定領域に、前記入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列を備え、前記偏光変換部との位相ズレを整合させる波面収差補正部が形成され、
前記偏光変換部の周期方向と前記波面収差補正部の周期方向とが異なることを特徴とする位相板。
本発明によれば、偏光ビームスプリッタの光導入面の面中心を含む所定領域に入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列が形成された偏光変換部と、偏光変換部の外周に接し、光導入面の周縁部を含む所定領域に入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列が形成された波面収差補正部とを備える。それによって、任意の方向の光強度分布の補正および波面収差の補正が可能で、フロントモニタ方式でのモニタ光の光量および超解像効果の異なるものを簡単に製造でき、加工、接着等の取り扱いが容易で、寸法精度の許容幅が大きく、生産性の高い偏光ビームスプリッタ、光ピックアップおよび位相板を提供することができる。
光ピックアップの一例を説明するための模式図である。 PBSの第1の実施の形態の構成を説明するための模式図である。 第1の実施の形態の偏光変換部および波面収差補正部の詳細を示す模式図である。 有効屈折率について説明するための模式図である。 第1の実施の形態の偏光変換部によるレーザビームの光量変化を示す模式図である。 PBSの第3の実施の形態の構成を説明するための模式図である。 第3の実施の形態の偏光変換部によるレーザビームの光量変化を示す模式図である。 従来のPBSの構成を示す模式図である。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
最初に、本発明における偏光ビームスプリッタが用いられる光ピックアップについて、図1を用いて説明する。図1は、光ピックアップの一例を説明するための模式図で、図1(a)は1波長の光源を有する光ピックアップの一例を示す模式図、図1(b)は3波長の光源を有する光ピックアップの一例を示す模式図である。
図1(a)において、光ピックアップ1は、偏光ビームスプリッタ(PBS)10、光源20、光学系30、受光部40および光量モニタ部50等で構成される。
PBS10は、2個の直角プリズム11と13とが、各々の直角稜に対向する斜面を互いに対向させて接合されて形成されている。直角プリズム11の光源20に対向する光導入面11aの面中心を含み周縁部を含まない所定領域には、入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列が形成された偏光変換部15が備えられている。
また、偏光変換部15の外周に接し、光導入面11aの周縁部を含む所定領域には、入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列が形成された波面収差補正部16が備えられている。偏光変換部15と波面収差補正部16とは、それぞれ、凹凸配列の周期方向とそれに垂直な方向とを光学軸とする複屈折性を有している。
2個の直角プリズム11および13の何れか一方の斜面には、偏光分離手段17が形成されており、入射光の偏光状態によって、入射光を反射あるいは透過させる。この時、入射光(後述するレーザビーム21)と反射光(後述する光ディスク90への入射光25)とを含む面が入射面である。偏光変換部15、波面収差補正部16および偏光分離手段17の詳細は後述する。
なお、ここでは、PBS10は、2個の直角プリズム11と13とが各々の直角稜に対向する斜面を互いに対向させて接合されて形成されているとしているが、これは必須ではない。また、プリズムが直角プリズムであることも必須ではない。
光源20は、例えば青色レーザ素子であり、波長405nmのレーザ光をレーザビーム21として出射する。
光学系30は、1/4波長板31と対物レンズ33等で構成される。1/4波長板31は、PBS10からの直線偏光を円偏光に変換するとともに、光ディスク90からの反射光(円偏光)を直線偏光に変換する。対物レンズ33は、1/4波長板31からの円偏光を光ディスク90上に集光させるとともに、光ディスク90からの反射光(円偏光)を、1/4波長板31を介して、PBS10に導く。
受光部40は、光ディスク90からの反射光を、PBS10を介して受光し、光ディスク90上の情報を読み出す。光量モニタ部50は、PBS10の偏光分離手段17を透過した光を受光する上述したフロントモニタであり、光源20の光量制御に用いられる。
続いて、図1(a)の光ピックアップ1の動作について説明する。光源20から出射されたレーザビーム21(例えばs偏光とする)は、直角プリズム11の光導入面11aに入射し、その光束の中央部の偏光変換部15に入射した光束は、偏光変換部15で発生する位相差によって偏光状態が変換(s偏光が楕円偏光に変換)される。レーザビーム21の光束の周辺部の波面収差補正部16に入射した光束は、実質的に元の偏光状態(s偏光)のままである。
PBS10内部に入射したレーザビーム21は、s偏光と、s偏光成分とp偏光成分とからなる楕円偏光、つまりs偏光とp偏光とが混合された光となっている。特に、光束の中心部分にp偏光成分が混合されている。このs偏光とp偏光とが混合されたレーザビーム21は、PBS10の偏光分離手段17で分離され、光量モニタ部50への入射光23(p偏光)は偏光分離手段17を透過して光量モニタ部50に入射し、上述したように、光源20の光量制御に用いられる。一方、光ディスク90への入射光25(s偏光)は偏光分離手段17で反射されて光学系30に入射する。
光学系30に入射した光ディスク90への入射光25(s偏光)は、1/4波長板31によって円偏光に変換され、対物レンズ33によって光ディスク90上に集光される。光ディスク90上の情報を含んだ光ディスク90からの反射光27(円偏光)は、対物レンズ33によって1/4波長板31に導かれ、1/4波長板31によって直線偏光(p偏光)に変換され、PBS10に導かれる。
PBS10に入射した光ディスク90からの反射光27(p偏光)は、偏光分離手段17を透過して受光部40に入射し、受光部40で光ディスク90上の情報が読み出される。図1(a)の光ピックアップ1の動作についての説明は以上である。
図1(b)において、光ピックアップ1は、図1(a)に加えて、第2の光源60およびダイクロイックプリズム70等で構成される。
第2の光源60は、図示したように光源20と光軸が直交するように配置され、例えば波長660nm(DVD用)と785nm(CD用)との2波長の光をレーザビーム61として出射する。ダイクロイックプリズム70は、図示したように、光源20および第2の光源60とPBS10との間に配置され、光源20からのレーザビーム21を透過させるとともに、光源60からの2波長のレーザビーム61を反射してPBS10へと導く。その他の構成および動作は、図1(a)と同じであるので、説明は省略する。
なお、光源20と、第2の光源60およびダイクロイックプリズム70とを合わせて本発明における光源と考えてもよい。
また、光源20から出射されたレーザビーム21がp偏光の場合には、光ピックアップ1の構成として、図1(a)および(b)で、光学系30および光ディスク90と光量モニタ部50との配置を入れ替えたものとすればよい。
この場合の動作は、レーザビーム21(p偏光)の光束の中央部の偏光変換部15に入射した光束は、偏光変換部15によって楕円偏光に変換され、楕円偏光のs偏光成分が偏光分離手段17で反射されて、光量モニタ部50への入射光23(s偏光)として光量モニタ部50に入射し、光源20の光量制御に用いられる。
一方楕円偏光のp偏光成分と波面収差補正部16に入射したレーザビーム21(p偏光)の周辺の光束とは、偏光分離手段17を透過して、光ディスク90への入射光25(p偏光)として光学系30に入射する。
光学系30に入射した光ディスク90への入射光25(p偏光)は、1/4波長板31によって円偏光に変換され、対物レンズ33によって光ディスク90上に集光される。光ディスク90上の情報を含んだ光ディスク90からの反射光27(円偏光)は、対物レンズ33によって1/4波長板31に導かれ、1/4波長板31によって直線偏光(s偏光)に変換され、PBS10に導かれる。
PBS10に入射した光ディスク90からの反射光27(s偏光)は、偏光分離手段17で反射されて受光部40に入射し、受光部40で光ディスク90上の情報が読み出される。光源20から出射されたレーザビーム21がp偏光の場合の光ピックアップ1の動作の説明は以上である。
次に、本発明におけるPBS10の第1の実施の形態の構成について、図2を用いて説明する。図2は、PBS10の第1の実施の形態の構成を説明するための模式図で、図2(a)はPBS10の中央断面図で、図1のPBS10と同じ図、図2(b)は図2(a)の矢印A側から見た直角プリズム11の光導入面11aの模式図、図2(c)は図2(b)の光導入面11aにレーザビーム21が入射した状態を示す模式図である。第1の実施の形態のPBS10は、s偏光が入射する場合に対応している。
図2(a)において、上述したように、PBS10は、2個の直角プリズム11と13とが、各々の直角稜に対向する斜面11bと13bとを互いに対向させて接合されて形成されている。PBS10の大きさは使用目的に合わせて適宜決定されるが、各辺の長さが1mmから数十mmである。
2個の直角プリズム11と13とは、ガラス等の透明媒質で形成されている。透明媒質としては、ガラス以外に、PC(ポリカーボネート)やPMMA(ポリメチルメタアクリレート)等の光学用樹脂を用いることができる。
直角プリズム11の光源20に対向する光導入面11aの面中心を含み周縁部を含まない所定領域には、入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列を備えた偏光変換部15が形成されている。また、偏光変換部15の外周に接し、光導入面11aの周縁部を含む所定領域には、入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列を備えた波面収差補正部16が形成されている。
図示したように、図2(a)の面内で光導入面11aに垂直な方向、即ちレーザビーム21の入射方向にz軸を、光導入面11aに平行な方向、即ち偏光分離手段17で反射された光ディスク90への入射光25の出射方向と反対方向にx軸をとる。
2個の直角プリズム11および13の何れか一方の接合面には、偏光分離手段17が形成されている。偏光分離手段17は、通常の光学多層膜を用いたものでもよいし、ワイヤグリッド型偏光子であってもよい。ワイヤグリッド型偏光子は、例えば偏光変換部と同様の金型を用いたナノインプリント方式で形成することができる。その方法は、例えば本願出願人が別途出願した特願2008−86395に詳述されている。
図2(b)において、光導入面11a上で、図2(a)に示したx軸およびz軸に垂直で紙面上向き方向にy軸をとる。この場合、レーザビーム21の進行方向(図面手前から奥に向かう方向)がz軸であり、レーザビーム21のs偏光の偏光方向はy軸方向に平行であり、p偏光の偏光方向はx軸方向に平行である。
偏光変換部15は、直角プリズム11の光導入面11aの面中心を含み周縁部を含まない所定領域に、後述するレーザビーム21の面積S21よりも小さい面積S15で形成される。偏光変換部15は、入射光の波長以下の周期を持つ一次元の凹凸配列であり、その配列の周期方向(TM方向)は、z軸の正の側から見た場合に、x軸に対して反時計方向に角度θ(以下、面内方位角θと言う)をなして形成されている。
偏光変換部15は、x軸、y軸に対称な、円、楕円、n角形(n≧4)が好ましい。こうすることで、光ディスク90への入射光25の形状が対称になり、信号検出等に影響を及ぼさないからである。図では、後述するレーザビーム21の光束の形状に合わせて、楕円形としている。
波面収差補正部16は、直角プリズム11の偏光変換部15の外周に接し、光導入面11aの周縁部を含む所定領域、ここでは偏光変換部15を除く光導入面11aの全面に形成される。ただし、波面収差補正部16は必ずしも偏光変換部15を除く光導入面11aの全面に形成される必要はなく、後述するレーザビーム21の光束を全て含む大きさ以上であればよい。
波面収差補正部16は、入射光の波長以下の周期を持つ一次元の凹凸配列であり、その配列の周期方向(TM方向)は、z軸の正の側から見た場合に、x軸に対して反時計方向に面内方位角θをなして形成されている。面内方位角θは、偏光変換部15の面内方位角θよりも小さい角度である。ここで、光導入面11aに垂直で、x軸に対してθだけ傾いた面をB−B’面とする。
図2(c)において、直角プリズム11の光導入面11aには、光源20からのレーザビーム21が入射する。レーザビーム21の光束の形状は一般的には楕円形であり、レーザビーム21の光量分布は、レーザビーム21の中心軸に対して軸対称なガウシアン分布と考えられる。レーザビーム21は、その中心軸が光導入面11aの面中心に一致するように入射される。
ここでは、レーザビーム21の面積をS21とし、その楕円形状の長手方向が光導入面11aの幅一杯に入射する、つまり、光源20からのレーザビーム21が全て光導入面11aに入射するとする。これによって、図示したように、レーザビーム21の中心軸近傍の光束が偏光変換部15に入射し、周辺の光束が波面収差補正部16に入射することになる。
次に、PBS10の第1の実施の形態における偏光変換部15および波面収差補正部16の詳細を図3を用いて説明する。図3は、第1の実施の形態の偏光変換部15および波面収差補正部16の詳細を示す模式図で、図3(a)は光導入面11aの面中心を通る上述したB−B’面での断面模式図、図3(b)は同じく斜視模式図である。図3(b)では、偏光変換部15は四角形として示している。
図3(a)および(b)において、偏光変換部15は、入射光の波長(例えば、青色レーザの405nm)以下の周期を持つ一次元の凹凸配列であり、幅dの凸部15aと、凸部15aに対してhだけ段差のある凹部15bとが周期pで櫛歯状に一次元に配列されている。
波面収差補正部16は、幅dの凸部16aと、凹部16bとが周期pで櫛歯状に一次元に配列されている。凸部16aと偏光変換部15の凸部15aとは同一面であり、凹部16bと偏光変換部15の凹部15bとの段差をgとする。波面収差補正部16の凹凸段差が偏光変換部15の凹凸段差hよりも小さくなる場合に段差gの値を正とし、大きくなる場合、即ち波面収差補正部16の凹凸段差が偏光変換部15の凹凸段差hよりも深い場合に段差gの値を負とする。後述する説明を簡単にするために、ここでは凸部15aと凸部16aとは同一面であるとしたが、これは必須ではない。
上述したように、偏光変換部15はx軸に対して面内方位角θだけ傾いており、波面収差補正部16は、x軸に対して面内方位角θだけ傾いている。従って、図3(a)のxz面での断面では、幅dの凸部15aの見かけの幅はd/cos(θ−θ)であり、周期はp/cos(θ−θ)である。
詳細は後述するが、偏光変換部15の凸部15aと凹部15bとの段差hおよび波面収差補正部16の凸部16aと凹部16bとの段差(h−g)を適切に設定することで、偏光変換部15と波面収差補正部16との入射光の波面の位相を整合させることができ、波面収差を抑えることができる。
偏光変換部15および波面収差補正部16の凹凸配列は、金型を用いたナノインプリント法によって、金型の凸凹構造を転写して形成される。偏光変換部15および波面収差補正部16は、直角プリズム11の光導入面11a上に直接形成されてもよいし、PBS10とは別の透明媒質の板上に偏光変換部15および波面収差補正部16を形成して、透明媒質の板を光導入面11a上に貼り付けてもよい。
第1の実施の形態では、偏光変換部15は直角プリズム11の光導入面11a上に直接形成されているとする。金型を用いたナノインプリント法による凹凸配列の形成方法は、例えば本願出願人が別途出願した特願2008−241887に詳述されている。
ここで、偏光変換部15の凸部15aの幅dと凹凸の周期pとの比f(=d/p)を考えると、金型の凸凹構造の転写性の観点から、比fは、
0.4<f<0.6
が好ましい。同様に、波面収差補正部16の凸部16aの幅dと凹凸の周期pとの比f(=d/p)は、
0.3<f<0.7
が好ましい。
また、同じく金型の凸凹構造の転写性の観点から、偏光変換部15の凹凸の周期pおよび波面収差補正部16の凹凸の周期pは、
50nm<p<入射光の波長λ
50nm<p<入射光の波長λ
が好ましい。
続いて、図3(a)に示したPBS10の第1の実施の形態における偏光変換部15および波面収差補正部16によるレーザビーム21の偏光状態の変換と波面収差の補正とについて説明する。
偏光変換部15によってレーザビーム21の偏光状態がs偏光からp偏光に変換される量は、レーザビーム21の光量の5%以上20%以下が望ましい。5%未満であれば光量モニタ部50に入射する光量が不足して光源20の光量制御に支障があり、20%超であれば、逆に光ディスク90に照射される情報読出のための光量が不足するためである。
まず、偏光変換部15の屈折率は、一次元の凹凸配列に平行な方向(TE方向とする)と垂直な方向(TM方向とする)とで異なり、それぞれ、一次元の凹凸配列の周期pが光の波長より十分小さい時には、
Figure 2010170601
Figure 2010170601
と記述できる。
ここに、
air:空気の屈折率(=1.0)
gl:偏光変換部15を形成する透明媒質の屈折率
TE1:偏光変換部15の一次元の凹凸配列に平行なTE方向の屈折率
TM1:偏光変換部15の一次元の凹凸配列に垂直なTM方向の屈折率
である。
また、周期pが光の波長程度の場合には、偏光変換部15の屈折率は、上述したnTE1およびnTM1を用いて、
Figure 2010170601
Figure 2010170601
と記述できる。
ここに、
TE:周期pが光の波長程度の場合の偏光変換部15の一次元の凹凸配列に平行なTE方向の屈折率
TM:周期pが光の波長程度の場合の偏光変換部15の一次元の凹凸配列に垂直なTM方向の屈折率
である。
そして、入射光の波長λに対して所望の位相差Γ(α)となるように、
Figure 2010170601
から段差hを選ぶことで、偏光変換部15が形成される。
ここに、
α;位相差
;整数
である。
ここで、有効屈折率ne1について、図4を用いて説明する。図4は、有効屈折率ne1について説明するための模式図である。
本発明においては、図2(b)に示したように、偏光変換部15は、その凹凸配列の周期方向(TM方向)が、x軸に対して面内方位角θだけ傾いている。つまり、偏光変換部15の屈折率は、図4(a)に示したように、x軸に対してθ傾いたTM方向の屈折率nTMと、TM方向に直交するTE方向の屈折率nTEとのそれぞれの2倍を長径と短径とする屈折率楕円体REで表される。
そして、後述するように入射光がs偏光である場合、s偏光の偏光方向はy軸方向であるから、s偏光に作用する屈折率は、y軸と屈折率楕円体REとの接点が示す屈折率である。これを有効屈折率ne1とする。入射光がp偏光の場合には、x軸と屈折率楕円体REとの接点が示す屈折率が有効屈折率ne1となる。
y軸、つまり有効屈折率ne1は、図4(b)に示すように、TE方向に対して角度θだけ傾いている。従って、有効屈折率ne1のTM成分およびTE成分は、
TM=ne1sinθ
TE=ne1cosθ
である。これらと、屈折率楕円体REを示す式
Figure 2010170601
とから、有効屈折率ne1は、
Figure 2010170601
である。
次に、偏光変換部15によるレーザビーム21の偏光状態の変化を導く。まず、s偏光のレーザビーム21が全て偏光変換部15に入射した場合に、s偏光からp偏光に偏光状態が変化する光量を導く。図2(a)および(b)に示した座標系において、s偏光の偏光方向はy軸方向であるから、s偏光を、
Figure 2010170601
と表して、偏光変換部15の作用を受けてs偏光がp偏光に変換される場合を考える。
まず、面内方位角θ=0°(x軸と平行)の時の偏光変換部15の位相差をΓとすると、
偏光変換部15のJones行列Aは、
Figure 2010170601
と表せる。
次に、面内方位角がθの場合、偏光変換部15のJones行列A’は、上述した行列Aを用いて、
A’=R(θ)・A・R(−θ
と表せる。
ここに、
Figure 2010170601
である。
偏光変換部15を通過することで、光の電界強度は、
Figure 2010170601
となる。
従って、p偏光の光量を示す光の電界強度のx成分の絶対値の2乗は、
Figure 2010170601
となる。
また、偏光変換部15の面内方位角θは、詳細は後述するが、偏光変換部15によってs偏光からp偏光に変換されたp偏光の光量を大きくするために、
35°<θ<55°
が好ましく、
40°<θ<50°
がより好ましい。面内方位角θ=45°の場合、(9式)が最大となる。
この範囲を外れると、p偏光の光量を大きくするためには位相差Γを大きくしなければならず、そのためには段差hが大きくなり、成形性が悪化する。
次に、波面収差補正部16について説明する。図3(a)に戻って、図に矢印で示した光Cのように、空気から偏光変換部15の凸部15aに入射した光が、空気と凸部15aとの界面から凸部15aと凹部15bとの段差hだけ進んだ時の位相ph15は、上述した有効屈折率ne1を用いて、
Figure 2010170601
と表せる。
一方、空気から波面収差補正部16の凸部16aに入射した光Dが、上述した光Cと同じく空気と凸部15aとの界面からhだけ進んだ時の位相ph16は、
Figure 2010170601
と表せる。
ここで、波面収差補正部16の有効屈折率ne2は、(6式)と同様に、
Figure 2010170601
である。
一般的に、光Cと光Dとの位相のズレの絶対値|ph15−ph16|が20/1000倍以下であれば、波面収差により光ディスク90上のレーザビーム像がぼけて、データの読み取りに支障をきたすことはないとされている。そこで、光Cと光Dとの位相のズレ(ph15−ph16)が、
Figure 2010170601
を満たすように偏光変換部15と波面収差補正部16との段差gを選べば、波面収差を無視することができる。
波面収差補正部16は、偏光変換部15と同様に、波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列からなっている。波面収差補正部16が存在しない場合、即ち偏光変換部15の周囲がガラスや樹脂材料からなる平面の場合、偏光変換部15と周囲との屈折率差が大きく、偏光変換部15とその周囲での波面を一致させることが困難である。波面収差補正部16の有効屈折率ne2は(7式)で表され、波面収差補正部16と偏光変換部15との屈折率差は小さい。そのため、偏光変換部15と波面収差補正部16との段差gを適切に設定することで、波面収差の発生を抑えることができる。
波面収差補正部16の面内方位角θは、
−15°<θ<15°
を満たしている。この場合、有効屈折率ne2は実質的にnTEであり、p偏光成分が実質的に発生しないので、波面収差補正部16でs偏光が楕円偏光に変換されることは実質的にない。その結果、波面収差補正部16に入射した光束のほぼ全量が偏光分離手段17で反射される。
以下に、本発明の第1の実施の形態の詳細な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限るものではない。
(実施例1)
ここで、例えばPBS10、偏光変換部15および波面収差補正部16を構成する透明媒質の硝材をBK7(ngl=1.53)とし、λ=405nm、h=570nm、p=p=400nm、f=f=0.5と仮定して、(1式)から(5式)に代入すると、位相差Γ=1.07radが得られる。
位相差Γ=1.07radと(9式)を最大とする面内方位角θ=45°とを(9式)に代入すると、ne1=1.36であり、
Figure 2010170601
となる。
つまり、s偏光のレーザビーム21が全て偏光変換部15に入射した場合、入射光量の26%がp偏光に変化し、光量モニタ部50に導かれることになる。従って、レーザビーム21の光量の5/26から20/26が偏光変換部15に入射するように偏光変換部15の面積を設定すれば、上述した偏光変換部15によってレーザビーム21の偏光状態がs偏光からp偏光に変化される量の条件(5%以上20%以下)を満たすことができる。
この時、波面収差補正部16の凹凸構造をy軸に平行、つまり面内方位角θ=0°とすると、ne2=1.42となり、(9式)から、波面収差補正部16にs偏光のレーザビーム21が入射しても、波面収差補正部16でs偏光がp偏光に変換されることはない。
また、(9式)から、p偏光の光量を示す光の電界強度のx成分の絶対値の2乗は、
Figure 2010170601
となって、波面収差補正部16によるs偏光からp偏光への変換の影響は、無視できる程度に抑えることができる。
この時、(8式)の条件に数値を代入して、偏光変換部15と波面収差補正部16との段差gの条件を求めると、
−50nm≦g≦30nm
となり、段差gの寸法精度の許容幅を広くとることができる。
つまり、偏光変換部15と波面収差補正部16との段差gを上述した条件を満たすように設定することで、波面収差を無視できる程度に低減しながら、入射光量の最大26%を光量モニタ部50に導くことが可能となる。
もし波面収差補正部16を設けないと、波面収差を低減しながら入射光を光量モニタ部50に導くためには、凸部15aと凹部15bとの段差h=2415nmとする必要がある。しかしながら、このような光の波長に比べて非常に大きな段差hは、金型の製造および金型の凸凹配列の転写性の観点から実現性に乏しい。
それに対して、上述したように、偏光変換部15と波面収差補正部16とを設けることで、段差hおよびgを光の波長程度に小さくすることができ、金型の製造が容易になるとともに、凸凹配列の転写性を向上させることができる。
同様にして、透明媒質の硝材の屈折率ngl=1.53と、入射光の波長λ=405nmとを固定して、その他のパラメータf、f、θ、θ、h、gを1パラメータ毎に変化させて、位相ズレが(8式)を満たすように計算した結果を、表1に示す。
Figure 2010170601
波面収差補正部16の凸部の幅dと周期pとの比f=0.4のとき、有効屈折率ne2=1.37となり、偏光変換部15の有効屈折率ne1=1.36と非常に近くなる。その結果、段差gの許容量は拡大している。
(実施例2)
次に、透明媒質の硝材を、BK7(ngl=1.53)よりも屈折率の高いSK10(ngl=1.63)に変更して、λ=405nm、h=500nm、p=p=400nm、f=f=0.5として(1式)から(5式)に代入すると、位相差Γ=1.36radが得られる。
さらに、面内方位角θ=45°およびθ=0°であり、ne1=1.46、ne2=1.56となる。(9式)に代入すると、
Figure 2010170601
となる。
つまり、s偏光のレーザビーム21が全て偏光変換部15に入射した場合、入射光量の40%がp偏光に変化し、光量モニタ部50に導かれることになる。
この場合に、(実施例1)と同様にして、透明媒質の硝材の屈折率ngl=1.63と、入射光の波長λ=405nmとを固定して、その他のパラメータf、f、θ、θ、h、gを1パラメータ毎に変化させて、位相ズレが(8式)を満たすように計算した結果を、表2に示す。
例えば、偏光変換部15と波面収差補正部16との段差gの条件は、
−120nm≦g≦55nm
となり、段差gの寸法精度の許容幅を広くとることができる。
偏光変換部15と波面収差補正部16との段差gを上述した条件を満たすように設定することで、波面収差を低減しながら、入射光量の最大40%を光量モニタ部50に導くことが可能となる。
Figure 2010170601
(実施例3)
さらに、透明媒質の硝材を、より屈折率の高いS−LAH66(ngl=1.79)に変更して、λ=405nm、h=300nm、p=p=400nm、f=f=0.5として(1式)から(5式)に代入すると、位相差Γ=1.44radとなる。
同様に、面内方位角θ=45°およびθ=0°であり、ne=1.61、ne=1.76となる。(9式)に代入すると、
Figure 2010170601
となる。つまり、s偏光のレーザビーム21が全て偏光変換部15に入射した場合、入射光量の43%がp偏光に変化し、光量モニタ部50に導かれることになる。
この場合に、(実施例1)と同様にして、透明媒質の硝材の屈折率ngl=1.79と、入射光の波長λ=405nmとを固定して、その他のパラメータf、f、θ、θ、h、gを1パラメータ毎に変化させて、位相ズレが(8式)を満たすように計算した結果を、表3に示す。
例えば、偏光変換部15と波面収差補正部16との段差gの条件は、
−420nm≦g≦23nm
となり、段差gの寸法精度の許容幅を広くとることができる。偏光変換部15と波面収差補正部16との段差gを上述した条件を満たすように設定することで、波面収差を低減しながら、入射光量の最大43%を光量モニタ部50に導くことが可能となる。
Figure 2010170601
上述した実施例1から3の結果から分かるように、透明媒質の屈折率が高いほど、段差hが小さくても得られる位相差Γは大きい。言い換えると、透明媒質の屈折率が高いほど所定の位相差Γを得るのに必要な段差hはより小さくできるので、金型の凸凹構造の転写性がより向上する。
なお、一般的には、PBS10の硝材にはBK7が用いられることが多い。その場合は、後述するPBS10の第3の実施の形態のように、BK7の直角プリズム11の光導入面11aに、SK10やS−LAH66の平板の表面に偏光変換部15および波面収差補正部16が形成されたものを貼付すればよい。その際には、直角プリズム11の光導入面11aと表面に偏光変換部15が形成された平板との界面にマッチングコート(反射防止コート)を施すことが好ましい。
次に、第1の実施の形態の偏光変換部15によるレーザビーム21の光量変化について、図5を用いて説明する。図5は、第1の実施の形態の偏光変換部15によるレーザビーム21の光量変化を示す模式図で、横軸に図2(b)に示したx軸あるいはy軸上のレーザビーム21の位置を、縦軸にレーザビーム21の光量を示してある。
図5において、レーザビーム21の光量分布は、太い破線21Dで示した、レーザビーム21の中心軸に対して軸対称なガウシアン分布と考えられる。このレーザビーム21を直角プリズム11の光導入面11aに入射させると、偏光変換部15に入射したレーザビーム21の中心軸近傍の光の偏光状態がs偏光から楕円偏光に変換される。
楕円偏光のp偏光成分23は、偏光分離手段17を透過して光量モニタ部50に入射する。その光量は図5に横縞のハッチングで示した23Dである。
一方、偏光分離手段17で反射され、光ディスク90に入射するレーザ光(s偏光)25は、図5に25Dとして示した光量分布を持っており、レーザビーム21の中心軸近傍の光量が減衰して平坦に近い光量分布となっている。
また、波面収差補正部16で発生するp偏光成分の強度は、偏光変換部15で発生するp偏光成分の強度に比べて小さい、そのため、波面収差補正部16を透過した光のほぼ全量が偏光分離手段17で反射され、レーザビーム21の周辺部の形状は実質的に変化しない。そのために、超解像効果を実現することができる。
つまり、上述した偏光変換部15を用いることにより、光量モニタ部50に入射する光量を確保してフロントモニタを実現することができるとともに、光ディスク90に入射するレーザ光25の超解像効果を実現することができる。
なお、超解像効果を得るためには、図2(b)に示した偏光変換部15の面積S15は、レーザビーム21のビーム面積S21の1/4以上1/3以下であることが望ましい。1/3を超えると、レーザビーム21の中心軸近傍の光量の落ち込みエッジがレーザビーム21の面積の端部に近づきすぎて十分な超解像効果が得られず、1/4未満であると、レーザビーム21の中心軸近傍の光量の落ち込み量が不足して十分な超解像効果が得られないためである。
次に、本発明におけるPBS10の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態のPBS10は、p偏光が入射する場合に対応している。第2の実施の形態のPBS10が第1の実施の形態のPBS10と異なる点は、波面収差補正部16の面内方位角θであり、その他については第1の実施の形態のPBS10と同じであるので、説明は省略する。
波面収差補正部16の面内方位角θは、入射するp偏光に対して実質的にs偏光成分を発生させないように設定されている。
偏光変換部15の面内方位角θは、偏光変換部15によってp偏光からs偏光に変換されたs偏光の光量を大きくするために、
35°<θ<55°
が好ましく、
40°<θ<50°
がより好ましい。
また、波面収差補正部16の面内方位角θは、
75°<θ<105°
を満たしている。この場合、有効屈折率ne2は実質的にnTEであり、s偏光成分が実質的に発生しないので、波面収差補正部16でp偏光が楕円偏光に変換されることは実質的にない。その結果、波面収差補正部16に入射した光束のほぼ全量が偏光分離手段17を透過する。
また、波面収差補正部16の面内方位角θは、
−15°<θ<15°
であってもよい。この場合であっても、波面収差補正部16によりp偏光が楕円偏光に変換されることは実質的にない。この場合、有効屈折率ne2は実質的にnTMとなる。有効屈折率ne2が、プリズムを構成する透明媒質の屈折率nglよりも偏光変換部15の有効屈折率ne1に近く、(8式)を満足するならば、段差gの許容量を大きくできる。
なお、波面収差補正部16を、その有効屈折率ne2が実質的にnTMとなるように構成してもよいという思想は、第1の実施の形態においても同じである。
上述したように、本発明におけるPBS10の第1および第2の実施の形態によれば、偏光ビームスプリッタの光導入面の面中心を含む所定領域に、入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列が面内方位角θを持って形成された偏光変換部と、偏光変換部の外周に接し、光導入面の周縁部を含む所定領域に、入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列が面内方位角θ(≠θ)を持って形成された波面収差補正部とを備える。それによって、任意の方向の光強度分布の補正および波面収差の補正が可能で、フロントモニタ方式でのモニタ光の光量および超解像効果の異なるものを簡単に製造でき、加工、接着等の取り扱いが容易で、寸法精度の許容幅が大きく、生産性の高い偏光ビームスプリッタおよび光ピックアップを提供することができる。
次に、本発明におけるPBS10の第3の実施の形態について、図6を用いて説明する。図6は、PBS10の第3の実施の形態の構成を説明するための模式図で、図6(a)はPBS10の中央断面図、図6(b)は図6(a)のPBS10の第3の実施の形態における偏光変換部15の断面拡大図である。
図6(a)において、第3の実施の形態のPBS10が図2(a)の第1の実施の形態のPBS10と異なる点は、偏光変換部15および波面収差補正部16が、直角プリズム11の光導入面11aに直接形成されているのでなく、透明媒質平板12の光導入面12a上に形成され、透明媒質平板12の裏面12bが直角プリズム11の光導入面11aに貼付されている点と、偏光変換部15の構成である。その他については第1の実施の形態のPBS10と同じであるので、説明は省略する。
透明媒質平板12には、ガラスや、PC(ポリカーボネート)やPMMA(ポリメチルメタアクリレート)等の光学用樹脂を用いることができる。
透明媒質平板12の光導入面12a上に形成された偏光変換部15は、図2(b)および(c)に示したと同様に、光導入面12aの面中心を含む所定位置に、レーザビーム21の面積S21よりも小さい面積S15で、x軸に対して面内方位角θだけ傾けて形成されている。波面収差補正部16については、第1の実施の形態と同じであるので説明は省略し、偏光変換部15について、光導入面12aの面中心を通り、光導入面12aに垂直で、かつ、x軸に対して面内方位角θだけ傾いた面での断面を図6(b)に示す。
図6(b)において、第3の実施の形態では、偏光変換部15は光導入面12aの面中心を含む第1の領域151と第1の領域151を取り囲む第2の領域153とで構成される。第1の領域151と第2の領域153とはそれぞれ、入射光の波長(例えば、青色レーザの405nm)以下の周期を持つ一次元の凹凸配列からなる。ここでは、第1の領域151と第2の領域153との面内方位角θは同一とする。
第1の領域151は、幅dの凸部15aと、凸部15aに対してhだけ段差のある凹部15bとが周期pで櫛歯状に一次元に配列されている。
同様に、第2の領域153は、凸部15aと同一面にある幅dの第2の凸部15cと、凹部15bに対してgだけ段差のある第2の凹部15dとが周期pで櫛歯状に一次元に配列されている。これによって、第1の領域151の方が第2の領域153よりも、入射光の直線偏光を、それに垂直な偏光成分をより多く含む楕円偏光に変換することができる。ここでは凸部15aと凸部16aとは同一面であるとしたが、第1の実施の形態と同様に、これは必須ではない。
偏光変換部15の第1の領域および第2の領域の外周の形状は、x軸、y軸に対称な、円、楕円、n角形(n≧4)が好ましい。こうすることで、光ディスク90への入射光25の形状が対称になり、信号検出等に影響を及ぼさないからである。
第1の実施の形態と同様に、凸部15aと凹部15bとの段差h、凹部15bと第2の凹部15dとの段差gおよび凹部15bと波面収差補正部16の凹部16bとの段差gを適切に設定することで、偏光変換部15の第1の領域151および第2の領域153と波面収差補正部16との入射光の波面の位相を整合させることができ、波面収差を抑えることができる。さらに、段差h、g、gをそれぞれ光の波長程度に小さくすることができ、転写性を向上させることができる。
上述した第3の実施の形態の偏光変換部15を用いた場合のレーザビーム21の光量変化について、図7を用いて説明する。図7は、第3の実施の形態の偏光変換部15によるレーザビーム21の光量変化を示す模式図で、横軸に図6(a)に示したx軸あるいはy軸上のレーザビーム21の位置を、縦軸にレーザビーム21の光量を示してある。
図7において、レーザビーム21の光量分布は、図5と同じく、太い破線21Dで示したレーザビーム21の中心軸に対して軸対称なガウシアン分布と考えられる。このレーザビーム21を透明媒質平板12の光導入面12aに入射させると、偏光変換部15の第1の領域151の段差hの凹凸配列に入射したレーザビーム21の中心軸近傍の光の偏光状態がs偏光から楕円偏光に変換される。
それとともに、偏光変換部15の第2の領域153の段差(h−g)の凹凸配列に入射したレーザビーム21の中心軸から少し離れた光の偏光状態がs偏光から楕円偏光に変換される。段差(h−g)は段差hよりも小さいので、第2の領域153の凹凸配列による楕円偏光への変換率は、第1の領域151の凹凸配列による変換率よりも低い。楕円偏光のp偏光成分23は、偏光分離手段17を透過して光量モニタ部50に入射する。その光量は図7に横縞のハッチングで示した23Dである。
一方、偏光分離手段17で反射され、光ディスク90に入射するレーザ光(s偏光)25は、図7に25Dとして示した光量分布を持っている。図5に示した光ディスク90に入射するレーザ光(s偏光)25と比べると、レーザビーム21の中心軸近傍の光量がより平坦に近くなり、矩形形状により近くなっているので、図5に示した光量分布よりもさらに大きな超解像効果を実現することができる。
従って、上述した第3の実施の形態の偏光変換部15を用いることにより、光量モニタ部50に入射する光量を確保してフロントモニタを実現することができるとともに、光ディスク90に入射するレーザ光25の、より大きな超解像効果を実現することができる。
なお、第1の実施の形態と同様に、超解像効果を得るためには、偏光変換部15の面積S15は、レーザビーム21のビーム面積S21の1/4以上1/3以下であることが望ましい。
上述した第3の実施の形態では、偏光変換部15は、
(1)第1の領域151の段差hと第2の領域153との段差(h−g)とが異なる
としたが、第1の領域151と第2の領域153との違いはこれに限るものではなく、例えば、
(2)第1の領域151と第2の領域153との面内方位角θが異なる
(3)第1の領域151と第2の領域153との凹凸配列の周期pが異なる
(4)第1の領域151と第2の領域153とのf(=凸部の幅d/凹凸配列の周期p)が異なる
ものであってもよい。
第1の実施の形態で示したように、上述した4つのパラメータの何れを異ならせても、偏光変換部15での直線偏光を楕円偏光に変換する変換率が変化する。よって、これら4つのパラメータを単独であるいは適切に組み合わせて変化させることで、所望の偏光変換部15を得ることができる。いずれにしても、第1の領域151の方が第2の領域153よりも、入射光の直線偏光を、それに垂直な偏光成分をより多く含む楕円偏光に変換することができるように、上述した各パラメータを設定すればよい。
上述したように、本発明におけるPBS10の第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加えて、第1の領域151と第2の領域153とを有することで、レーザビーム21の中心軸近傍の光量がより平坦に近くなり、矩形形状により近くなっているので、第1の実施の形態よりもさらに大きな超解像効果を実現することができる。
以上に述べたように、本発明によれば、偏光ビームスプリッタの光導入面の面中心を含む所定領域に入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列が形成された偏光変換部と、偏光変換部の外周に接し、光導入面の周縁部を含む所定領域に入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列が形成された波面収差補正部とを備える。それによって、任意の方向の光強度分布の補正および波面収差の補正が可能で、フロントモニタ方式でのモニタ光の光量および超解像効果の異なるものを簡単に製造でき、加工、接着等の取り扱いが容易で、寸法精度の許容幅が大きく、生産性の高い偏光ビームスプリッタおよび光ピックアップを提供することができる。
なお、本発明に係る偏光ビームスプリッタ、および光ピックアップを構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 光ピックアップ
10 偏光ビームスプリッタ(PBS)
11、13 直角プリズム
11a (直角プリズム11の)光導入面
12 透明媒質平板
12a (透明媒質平板12の)光導入面
12b (透明媒質平板12の)裏面
15 偏光変換部
151 (偏光変換部15の)第1の領域
153 (偏光変換部15の)第2の領域
15a (偏光変換部15の)凸部
15b (偏光変換部15の)凹部
15c (偏光変換部15の)第2の凸部
15d (偏光変換部15の)第2の凹部
16 波面収差補正部
16a (偏光変換部16の)凸部
16b (偏光変換部16の)凹部
17 偏光分離膜
20 光源
21 レーザビーム
21D レーザビーム21の光量分布
23 光量モニタ部50への入射光(p偏光)
23D 光量モニタ部50への入射光(p偏光)23の光量
25 光ディスク90への入射光
25D 光ディスク90への入射光25の光量分布
27 光ディスク90からの反射光
30 光学系
31 1/4波長板
33 対物レンズ
40 受光部
50 光量モニタ部
60 第2の光源
61 2波長のレーザビーム
70 ダイクロイックプリズム
(偏光変換部15の)凸部15aの幅
(波面収差補正部16の)凸部16aの幅
(偏光変換部15の)凹凸配列の周期
(波面収差補正部16の)凹凸配列の周期
(偏光変換部15の)凸部の幅dと周期pとの比(=d/p
(波面収差補正部16の)凸部の幅dと周期pとの比(=d/p
(偏光変換部15の)凹部15bと(波面収差補正部16の)凹部16bとの段差
(偏光変換部15の)凹部15bと第2の凹部15dとの段差
h (偏光変換部15の)凸部15aと凹部15bとの段差
S15 (偏光変換部15の)面積
S21 (レーザビーム21の)面積
θ (偏光変換部15の)面内方位角
θ (波面収差補正部16の)面内方位角

Claims (8)

  1. 偏光分離手段を有するプリズムと、
    光源からの入射光を前記偏光分離手段に入射させるための、前記偏光分離手段と対向する光導入面とを備えた偏光ビームスプリッタにおいて、
    前記光導入面の面中心を含み周縁部を含まない所定領域に、前記入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列を備え、入射光の偏光と異なる偏光成分を発生させて偏光状態を変換する偏光変換部が形成され、
    前記偏光変換部の外周に接し、前記光導入面の周縁部を含む所定領域に、前記入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列を備え、前記偏光変換部との位相ズレを整合させる波面収差補正部が形成され、
    前記偏光変換部は、前記入射光が前記光導入面に垂直に入射する場合に、前記入射光と前記入射光の前記偏光分離手段での反射光とが作る入射面と前記光導入面との交線に対して所定の面内方位角θだけ傾けて形成され、
    前記波面収差補正部は、前記入射面と前記光導入面との前記交線に対して前記面内方位角θと異なる面内方位角θだけ傾けて形成されており、
    前記波面収差補正部の前記面内方位角θは、
    −15°<θ<15°
    または、
    75°<θ<105°
    であることを特徴とする偏光ビームスプリッタ。
  2. 前記偏光変換部の前記面内方位角θは、
    35°<θ<55°
    であることを特徴とする請求項1に記載の偏光ビームスプリッタ。
  3. 前記偏光変換部の前記一次元の凹凸配列の凸部の幅(d)と周期(p)との比f(=d/p)は、
    0.4<f<0.6
    であり、
    前記波面収差補正部の前記一次元の凹凸配列の凸部の幅(d)と周期(p)との比f(=d/p)は、
    0.3<f<0.7
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光ビームスプリッタ。
  4. 前記偏光変換部は、前記光導入面の面中心を含む第1の領域と、前記第1の領域を取り囲む第2の領域とを有し、前記第1の領域での前記一次元の凹凸配列と前記第2の領域での前記一次元の凹凸配列とは異なる構造を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の偏光ビームスプリッタ。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の偏光ビームスプリッタと、
    前記偏光ビームスプリッタの前記偏光変換部が形成された面に光を入射させる光源と、
    前記偏光分離手段で分離された前記光源からの光の一方を光ディスクに投光し、投光した光の前記光ディスクからの反射光を受光する光学系と、
    前記光学系で受光された前記光ディスクからの反射光を受光する受光部と、
    前記偏光分離手段で分離された前記光源からの光の他方を受光する光量モニタ部とを備えたことを特徴とする光ピックアップ。
  6. 前記光源から前記偏光変換部が形成された面に入射した直線偏光の入射光の光量の5%以上20%以下が、前記直線偏光に垂直な偏光方向を持つ直線偏光として射出するように、前記偏光変換部の面積および前記偏光変換部での位相差が設定されていることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ。
  7. 前記偏光変換部の面積は、前記光源から前記偏光変換部が形成された面に入射した入射光のビーム面積の1/4以上1/3以下の面積であることを特徴とする請求項5または6に記載の光ピックアップ。
  8. 光源からの入射光の光束の中心部の偏光状態を変換し、周辺部の偏光状態を実質的に変化させない光学素子としての位相板であって、
    前記入射光が入射する光導入面の面中心を含み周縁部を含まない所定領域に、前記入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列を備え、前記入射光の偏光と異なる偏光成分を発生させて偏光状態を変換する偏光変換部が形成され、
    前記偏光変換部の外周に接し、前記光導入面の周縁部を含む所定領域に、前記入射光の波長以下の周期を有する一次元の凹凸配列を備え、前記偏光変換部との位相ズレを整合させる波面収差補正部が形成され、
    前記偏光変換部の周期方向と前記波面収差補正部の周期方向とが異なることを特徴とする位相板。
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