JP2011227944A - 光ヘッド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長が異なる複数の光に対応した光ディスクを高精度で記録・再生できるとともに小型化を実現した光ヘッド装置を提供する。
【解決手段】光ヘッド装置10は、波長が異なる3つの光の共通する光路中に、各波長の直線偏光の光を円偏光の光に変換する広帯域1/4波長板30を備え、広帯域1/4波長板30を透過した各波長の光が、第1の立上げミラー31で反射するかまたは、第1の立上げミラーを透過して第2の立上げミラー32を反射する際に生じる、2つの直交する偏光方向成分間の位相差を、波長帯の光毎に補正するように広帯域1/4波長板が調整され、光ディスク18および光ディスク20に良好な円偏光の光が集光され、各波長帯の光が高い光利用効率で光検出器23に到達する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ストレージを扱う光学系として、CD、DVD、「Blu−ray」(登録商標:以下BD)のような光記録媒体に情報の記録および/または再生を行う光ヘッド装置に関する。
CD、DVD、BDなどのような光記録媒体(以下、「光ディスク」という)に情報の記録および/または再生(以下、「記録・再生」という)を行う光ヘッド装置の開発、実用化が進んでいる。光ヘッド装置は、光源から発射するレーザ光の波長が短波長であるほど、対象とする光ディスクの記録密度を向上できるため、光源の短波長化が進められている。また、光ヘッド装置は、これまでに普及している多くの光ディスクを対象とした長波長(赤色域、近赤外域)のレーザ光による記録・再生も併せて可能とすることも求められている。そして、DVD用の660nm波長帯の光、CD用の785nm波長帯のレーザ光と、BD用の405nm波長帯の光との互換性を有する様々な方式を有する光ヘッド装置が提案されている。
このような光ヘッド装置は、例えば、これら3種類の光ディスクの記録・再生を実現するために、波長が異なる2種類または3種類の光が共通する光路中に、各波長の光に対して所望の光学特性を得るための波長板、ビームスプリッタ、対物レンズなどの光学部品が備えられ、これにより部品点数を削減し、小型化、薄型化を実現している。例えば、特許文献1の光ピックアップ装置は、まず、波長が異なる3つの光に対して、BD用の光を透過し、DVD用の光およびCD用の光を反射するビームスプリッタを有して、ビームスプリッタに入射するこれら3つ波長の光を同一光路とする。そして、これら3つの波長の光の同一光路中に広帯域1/4波長板を配置し、直線偏光の光で入射するこれら3つの波長の光をそれぞれ、円偏光の光に変換する。さらに、円偏光に変換されたこれら3つの波長の光は、第1の立上ミラーに入射するが、第1の立上ミラーは、DVD用の波長の光およびCD用の波長の光を反射させるとともに、BD用の波長の光を透過し、DVD用とCD用に共通する対物レンズと、BD用の対物レンズによってそれぞれの光ディスクに円偏光の光が集光することが記載されている。
特開2008−181631号公報
特許文献1の光ピックアップ装置に備えられる第1の立上ミラーおよび第2の立上ミラーは、通常、光学薄膜を用いて、波長選択的に反射または透過させる特性を有する。しかし、第1の立上ミラーで反射させるべき波長の光が入射するとき、その波長の光のうち、P偏光成分の光とS偏光成分の光とで位相差が発生し、そのために、円偏光の光が入射しても、反射した光が楕円偏光の光となって、例えば、DVDまたはCDに集光することがある。また、第2の立上ミラーに反射させるべき波長の光が入射するときも同様に、その波長の光のP偏光成分の光とS偏光成分の光とで位相差が発生し、円偏光の光で入射しても、反射した光が楕円偏光の光となって、例えば、BDに集光することがある。
そして、この場合、各光ディスクの情報記録面で反射した光が、第1の立上ミラーまたは第2の立上ミラーを往復して広帯域1/4波長板を透過しても、往路の直線偏光の光と直交する直線偏光の光とはならず、そのため、光検出器に到達する光の強度が低下してしまい、高い精度での光検出が実現できず、安定した記録・再生ができないという問題があった。また、第1の立上ミラーについて、多層膜化した光学多層膜を用いて、その層数や膜厚を増加させて、P偏光成分の光とS偏光成分の光との位相差を略0°または略180°となる設計とした場合、光学多層膜の膜厚と立上ミラーが許容できる板厚の関係から立上ミラーに光学的に大きな反りが発生して大きな波面収差を発生させ、各光ディスクへの集光特性を劣化させてしまうという問題もあった。また、3つの波長の光の同一の光路中に広帯域1/4波長板を配置しない場合、第1の立上ミラーと対物レンズとの間、第2の立上ミラーと対物レンズとの間に1/4波長板を配置することになるが、この場合、光ヘッド装置を薄型化できないという問題もあった。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであって、波長λの光、波長λの光および波長λ(λ≠λ≠λ)の光を発射する光源と、前記波長λ、前記波長λおよび前記波長λの3つの波長の光に共通する光路中に配置された広帯域1/4波長板と、前記3つの波長の光のうち1つまたは2つの波長の光を反射するとともに残りの波長の光を透過する第1の立上げミラーと、前記第1の立上げミラーを透過する前記残りの波長の光を反射する第2の立上げミラーと、前記第1の立上げミラーで反射した波長の光を光ディスクに集光する第1の対物レンズと、前記第2の立上げミラーで反射した波長の光を光ディスクに集光する第2の対物レンズと、前記光ディスクで反射した光を検出する光検出器と、を備え、互いに直交する偏光方向の光を、第1の偏光方向の光、第2の偏光方向の光とするとき、前記広帯域1/4波長板は、前記第1の立上げミラーを反射する波長の光が、前記第1の偏光方向の光と前記第2の偏光方向の光との間で発生する位相差および、前記第1の立上げミラーを透過するとともに前記第2の立上げミラーを反射する波長の光が、前記第1の偏光方向の光と前記第2の偏光方向の光との間で発生する位相差を含めて、前記第1の立上げミラーで反射して前記第1の対物レンズへ向かう波長の光および、前記第2の立上げミラーで反射して前記第2の対物レンズへ向かう波長の光が、いずれも円偏光の光となるような位相差を発生することを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
また、記広帯域1/4波長板は、複屈折性材料からなる第1の波長板と第2の波長板と、が重なる構成を有し、前記第1の波長板のリタデーション値および前記第2の波長板のリタデーション値および、前記第1の波長板の進相軸と前記第2の波長板の進相軸とがなす角度が調整された上記の光ヘッド装置を提供する。
さらに、前記波長λが405nm波長帯、前記波長λが660nm波長帯、前記波長λが785nm波長帯である上記の光ヘッド装置を提供する。
本発明に係る光ヘッド装置は、光反射機能を有する立上げミラーによって発生する異なる波長の光の位相差を、使用する複数の同一の光路中に備えられた広帯域1/4波長板によって補正するように設計することによって、各光ディスクの記録・再生の光検出精度が高く、かつ、光学部品が少なく小型化、薄型化を実現することができる。
本願発明に係る光ヘッド装置を示す模式図 (a)広帯域1/4波長板の断面模式図(b)広帯域1/4波長板の平面模式図 (a)第1の立上げミラーを反射する660nm波長帯の光の位相差特性(b)第1の立上げミラーを反射する785nm波長帯の光の位相差特性(c)第1の立上げミラーを透過し、第2の立上げミラーを反射する785nm波長帯の光の位相差特性 光ヘッド装置において立上げミラーで反射する光の楕円率特性(実施例)(a)第1の立上げミラーを反射する660nm波長帯の光の楕円率特性(b)第1の立上げミラーを反射する785nm波長帯の光の楕円率特性(c)第2の立上げミラーを反射する405nm波長帯の光の楕円率特性 光ヘッド装置において立上げミラーで反射する光の楕円率特性(比較例)(a)第1の立上げミラーを反射する660nm波長帯の光の楕円率特性(b)第1の立上げミラーを反射する785nm波長帯の光の楕円率特性(c)第2の立上げミラーを反射する405nm波長帯の光の楕円率特性
図1は、本実施形態に係る光ヘッド装置10の構成を示す模式図の例であって、3つの異なる波長の光に対応する光ディスクの記録・再生を実現するものである。以下、各波長の光の光路と光路中に配置された光学部品での光学特性について説明する。まず、半導体レーザ等の光源11aから出射される405nm波長帯の直線偏光の光は、偏光ビームスプリッタ13で反射され、コリメータレンズ14で略平行光となって広帯域1/4波長板30に入射する。また、後述するが、偏光ビームスプリッタ13は、660nm波長帯の光および785nm波長帯の光に対して、偏光方向に関わらず透過する特性を有する。
また、光ヘッド装置10は、405nm波長帯の直線偏光の光の一部が、偏光ビームスプリッタ13を直進透過し、モニタ用光検出器25に到達させ、図示しない光量制御部によって、モニタ用光検出器25で検出した光の光量に応じて、光源11aの出射光量を制御する機能が備えられていてもよい。また、光源11aと偏光ビームスプリッタとの間の光路中に、メインビームとなる0次回折光と、例えばトラッキングサーボ信号となる2つのサブビームとなる±1次回折光と、の3ビームを発生させる回折素子12aを配置してもよい。なお、405nm波長帯は395nm〜415nm、660nm波長帯は645nm〜675nm、785nm波長帯は765nm〜805nmの範囲とする。
広帯域1/4波長板30を透過した405nm波長帯の光は直線偏光の光から楕円偏光の光に変換され、第1の立上げミラー15を透過するとともに、第2の立上げミラー16で反射して対物レンズ17によりBD等の光ディスク18の情報記録面に集光する。集光された光は、情報記録面に形成されたピットの情報を含んだ反射光となって、上記の経路を逆方向に進行する。広帯域1/4波長板30は、405nm波長帯の光に対して、第1の立上げミラー15および第2の立上げミラー16で発生する位相差を考慮して、第2の立上げミラー16を反射した光が円偏光の光となるように設計される。この例では、第2の立上げミラー16に入射する光は、405nm波長帯の光のみであるため、第2の立上げミラー16は、405nm波長帯の光に合わせて、P偏光成分の光とS偏光成分の光との間の位相差を略0°または略180°となるように精度よく設計することもできる。この場合、第1の立上げミラー15で発生する各波長帯の光に対する位相差を考慮して広帯域1/4波長板30を設計すればよい。なお、光源から光ディスクに到達するまでの光路を「往路」、光ディスクから光検出器に到達するまでの光路と「復路」として説明する。
そして、光ディスク18で反射された復路の光は、往路の円偏光の光とは逆方向の円偏光の光となって、第2の立上げミラー16、第1の立上げミラー15の順に進行して広帯域1/4波長板30に入射する。広帯域1/4波長板30を透過した復路の光は往路の直線偏光の光と直交する直線偏光の光となって、偏光ビームスプリッタ13および偏光ビームスプリッタ21を直進透過して、非点収差レンズ22を透過して光検出器23に到達する。光検出器23は、光ディスク18で反射された光からピット情報を検出することで光ディスク18に記録された情報の読み出し等を行う。
次に、半導体レーザ等の光源11bから出射される660nm波長帯の直線偏光の光は、ダイクロイックプリズム24を直進透過し、偏光ビームスプリッタ21で反射される。また、半導体レーザ等の光源11cから出射される785nm波長帯の直線偏光の光は、ダイクロイックプリズム24を反射し、さらに、偏光ビームスプリッタ21で反射される。なお、光源11bとダイクロイックプリズム24との間の光路中、光源11cとダイクロイックプリズム24との間の光路中に、それぞれ、3ビームを発生させる回折素子12b、回折素子12cを配置してもよい。さらに、光ヘッド装置10は、660nm波長帯の直線偏光の光の一部および785nm波長帯の直線偏光の光の一部が、偏光ビームスプリッタ21を直進透過し、モニタ用光検出器26に到達させ、図示しない光量制御部によって、モニタ用光検出器26で検出した光の光量に応じて、光源11bおよび光源11cの出射光量を制御する機能が備えられていてもよい。
偏光ビームスプリッタ21を反射した、660nm波長帯の光および785nm波長帯の光は偏光ビームスプリッタ13を直進透過し、コリメータレンズ14で略平行光となって広帯域1/4波長板30に入射する。そして、広帯域1/4波長板30を透過した660nm波長帯の光および785nm波長帯の光はそれぞれ、直線偏光の光から楕円偏光の光に変換され、第1の立上げミラー15で反射して対物レンズ19によりDVD/CD等の光ディスク19の情報記録面に集光する。集光された光は、情報記録面に形成されたピットの情報を含んだ反射光となって、上記の経路を逆方向に進行する。広帯域1/4波長板30は、660nm波長帯の光および785nm波長帯の光に対して、第1の立上げミラー15で発生する位相差を考慮して、第1の立上げミラー15を反射して光ディスク20へ進行する光が略円偏光の光となるように設計されるとよい。
そして、広帯域1/4波長板30を透過した、660nm波長帯および785nm波長帯の復路の光は、往路の直線偏光の光と直交する直線偏光の光となって、偏光ビームスプリッタ13および偏光ビームスプリッタ21を直進透過して、非点収差レンズ22を透過して光検出器23に到達する。光検出器23は、光ディスク20で反射された光からピット情報を検出することで光ディスク20に記録された情報の読み出し等を行う。また、半導体レーザ11b、11c、ダイクロイックプリズム24から構成される部分には、660nm波長帯と785nm波長帯の2波長を出射する、いわゆる2波長半導体レーザを用いてもよく、この場合、2つの波長帯の光に対して3ビームを発生する回折素子を配置してもよい。
また、光ヘッド装置10は、例えば、コリメータレンズ14と第1の立上げミラー15との間の、3つの波長帯の光に共通する光路中に、これらの光を反射し偏向する反射ミラーを備える構成を有してもよい。例えば、コリメータレンズ14と広帯域1/4波長板30との間の光路中に図示しない反射ミラーを備える場合、さらに、この反射ミラーで発生する各波長帯の光の位相差も考慮して、広帯域1/4波長板30を設計してもよい。
次に、広帯域1/4波長板30の構成例について具体的に説明する。図2(a)は、広帯域1/4波長板30の断面模式図の例であり、図2(b)は、広帯域1/4波長板30の平面模式図の例である。まず、図2(a)の断面模式図において、広帯域1/4波長板30は、第1の波長板31と第2の波長板32とが、重なってなる構成を有する。また、図2(a)において、広帯域1/4波長板30は、例えば、図示しない透明基板上に第1の波長板31が積層されていたり、また、図示しない別の透明基板上に第2の波長板32が積層されていたりしてもよい。さらに、第1の波長板31と第2の波長板32との間に、図示しない透明基板や透明な接着剤が備わる構造であってもよい。
第1の波長板31および第2の波長板32は、複屈折性材料から構成され、を構成する複屈折性材料としては、高分子液晶、フォトニック結晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、水晶などが利用できる。そして、第1の波長板31は厚さd、第2の波長板32は厚さdを有する。そして、第1の波長板31および第2の波長板32は、図2(b)の平面、つまりX−Y平面からみたとき、光学軸が厚さ方向(Z軸方向)に揃っているものとして説明する。ここで、第1の波長板31における、波長405nmの光に対する常光屈折率をno11、異常光屈折率をne11、屈折率異方性をΔn11(=|ne11|−|no11|)とし、リタデーション値をRd(405)とすると、
Rd(405)=Δn11・d ・・・ (1)
で与えることができる。
また、第1の波長板31における、波長660nmの光に対する常光屈折率をno12、異常光屈折率をne12、屈折率異方性をΔn12(=|ne12|−|no12|)とし、リタデーション値をRd(660)とすると、
Rd(660)=Δn12・d ・・・ (2)
で与えることができ、
第1の波長板31における、波長785nmの光に対する常光屈折率をno13、異常光屈折率をne13、屈折率異方性をΔn13(=|ne13|−|no13|)とし、リタデーション値をRd(785)とすると、
Rd(785)=Δn13・d ・・・ (3)
で与えることができる。
同様に、第2の波長板32における、波長405nmの光に対する常光屈折率をno21、異常光屈折率をne21、屈折率異方性をΔn21(=|ne21|−|no21|)とし、リタデーション値をRd(405)とすると、
Rd(405)=Δn21・d ・・・ (4)
で与えることができ、
第2の波長板32における、波長660nmの光に対する常光屈折率をno22、異常光屈折率をne22、屈折率異方性をΔn22(=|ne22|−|no22|)とし、リタデーション値をRd(660)とすると、
Rd(660)=Δn22・d ・・・ (5)
で与えることができ、
第2の波長板32における、波長785nmの光に対する常光屈折率をno23、異常光屈折率をne23、屈折率異方性をΔn23(=|ne23|−|no23|)とし、リタデーション値をRd(785)とすると、
Rd(785)=Δn23・d ・・・ (6)
で与えることができる。
次に、直線偏光の光が、第1の波長板31、第2の波長板32の順にZ方向から入射するものとし、図2(b)において、この直線偏光の光の方向を33(X軸方向)として示す。ここで、第1の波長板31の光学軸を31aとし、第1の波長板31にZ軸方向に沿って入射する直線偏光の方向33となす角度をθとする。そして、第2の波長板32の光学軸を32aとし、第1の波長板31に入射する直線偏光の方向33となす角度をθとする。なお、角度θおよび角度θは、進相軸同士の組み合わせまたは遅相軸同士の組み合わせとして考える。なお、角度θおよび角度θは、プレチルト角、とも言う。
ここで、広帯域1/4波長板30は、光ヘッド装置10の第1の立上げミラー15および/または第2の立上げミラー16において、各波長帯の光が入射して透過または反射するときに生じる、P偏光成分の光とS偏光成分の光との間の位相差を補うように、調整される。例えば、第1の立上げミラー15および/または第2の立上げミラー16において、P偏光の光がS偏光の光に対して位相が進む波長帯の光に対して、S偏光の光がP偏光の光に対して同じ程度の位相が進むように、広帯域1/4波長板30を調整する。一方で、第1の立上げミラー15および/または第2の立上げミラー16において、P偏光の光がS偏光の光に対して位相が遅れる波長帯の光に対して、S偏光の光がP偏光の光に対して同じ程度の位相が遅れるように広帯域1/4波長板30を調整する。
広帯域1/4波長板30は、上記の式(1)〜式(6)に基づき、選択する複屈折性材料の組み合わせ、第1の波長板31の厚さd、第2の波長板の厚さd、そして、プレチルト角θおよびθをそれぞれ調整するとよい。これにより、3つの異なる波長の直線偏光の光に対して、第1の立上げミラー15および/または第2の立上げミラー16を透過/反射する光がそれぞれ良好な円偏光の光となるように設定する解を求めることができる。
また、広帯域1/4波長板30は、第1の波長板31と第2の波長板32と、を有する構成としたが、これに限らず、同様に複屈折性材料からなる第3の波長板がさらに重ねられるようにして構成されてもよい。この場合、第1の波長板31、第2の波長板32、さらに、第3の波長板の屈折率異方性および厚さそして、これらの積からなる各リタデーション値を調整することによって、さらに精度よく位相差を調整することができる。さらに、広帯域1/4波長板30は、光学軸方向が、各波長板の平面方向から見て揃ったものとしたが、これに限らず、厚さ方向を軸に光学軸がツイストするような構成であってもよく、この場合、各波長板の光入射側の光学軸と光出射側の光学軸とがなす角度であるツイスト角を調整することによって、さらに精度良く各波長帯の光に対する位相差を調整することができる。
(実施例)
光ヘッド装置10において、660nm波長帯の光が第1の立上げミラー15で反射して発生する位相差、785nm波長帯の光が第1の立上げミラー15で反射して発生する位相差、405nm波長帯の光が第1の立上げミラー15を透過し、第2の立上げミラー16で反射して発生する位相差について、それぞれ、図3(a)、図3(b)および図3(c)のように発生するものとする。ここでいう位相差は、S偏光成分の光に対するP偏光成分の光の位相差であって、図1の光ヘッド装置10の往路において、S偏光成分の光はY方向成分の光、P偏光成分の光はX方向成分の光に相当する。
次に、本実施例に用いる広帯域1/4波長板30として、2つの波長板を重ねた構成のものを作製する。まず、透明基板として白板ガラス基板の一方の平面上に、405nmの波長の光に対する常光屈折率が1.52、異常光屈折率が1.60の複屈折性材料を、光学軸が白板ガラス基板面に平行でかつ、一方向に揃うように均一な厚さd=3.32[μm]で成膜し、第1の波長板とする。そして、もう1枚の白板ガラス基板にも同じ複屈折性材料を、光学軸が白板ガラス基板面に平行でかつ、一方向に揃うように均一な厚さd=1.76[μm]で成膜し、第2の波長板とする。そして、405nmの波長の光に対する屈折率が1.52となる光学的に等方性で透明な接着剤を、これらの複屈折性材料面に接触させるように接着する。なお、第1の波長板の進相軸と第2の波長板の進相軸と、がなす角度を58[度]とする。そして、2枚の白色ガラス基板の外側に、真空蒸着によって反射防止膜を形成し、その後、約3mm×約3mmの大きさに切断して広帯域1/4波長板を得る。
ここで、405nmの光、660nmの光および785nmの光の直線偏光の方向を基準として、第1の波長板の進相軸の角度(プレチルト角)が17[度]、第2の波長板の進相軸の角度(プレチルト角)が75[度]となるように設置する。また、各波長の光に対する各波長板のリタデーション値[度]を表1にまとめる。
Figure 2011227944
このとき、第1の立上げミラー15を反射する660nm波長帯の光の楕円率特性を図4(a)、第1の立上げミラー16を反射する785nm波長帯の光の楕円率特性を図4(b)、そして、第1の立上げミラー15を透過するとともに第2の立上げミラー16を反射する405nm波長帯の光の楕円率特性を図4(c)に示す。このように、第1の立上げミラー15、第2の立上げミラー16で発生する位相差を考慮し、とくに、405nm波長帯の光を利用するBD、660nm波長帯の光を利用するDVDの楕円率を高くし、各光ディスクに集光する光の偏光状態を円偏光の光とすることで、3つの異なる波長の光を利用する光ヘッド装置において、光利用効率が高く、光検出器に到達する光量が多く、安定した記録・再生を実現することができる。
(比較例)
比較例として、光ヘッド装置10において、第1の立上げミラー15および第2の立上げミラー16で発生する位相差を考慮しない場合の広帯域1/4波長板30を設計する。つまり、第1の立上げミラー15に入射する前の各波長帯の光が、円偏光の光となるように設計するものである。比較例となる広帯域1/4波長板30は、実施例と同じ製法で、第1の波長板と、第2の波長板とが重なるように構成する。このとき、第1の波長板の厚さd=3.29[μm]で、第2の波長板の厚さd=1.64[μm]である。
ここで、405nmの光、660nmの光および785nmの光の直線偏光の方向を基準として、第1の波長板の進相軸の角度(プレチルト角)が17[度]、第2の波長板の進相軸の角度(プレチルト角)が73[度]となるように設置する。また、各波長の光に対する各波長板のリタデーション値[度]を表2にまとめる。
Figure 2011227944
このとき、第1の立上げミラー15を反射する660nm波長帯の光の楕円率特性を図5(a)、第1の立上げミラー16を反射する785nm波長帯の光の楕円率特性を図5(b)、そして、第1の立上げミラー15を透過するとともに第2の立上げミラー16を反射する405nm波長帯の光の楕円率特性を図5(c)に示す。このように、第1の立上げミラー15、第2の立上げミラー16で発生する位相差を考慮しない場合、実際に、図3(a)、図3(b)および図3(c)に示すような、立上げミラーで発生する位相差を有すると、実施例に比べ、とくに、405nm波長帯の光を利用するBD、660nm波長帯の光を利用するDVDの楕円率が低くなる。そして、光ヘッド装置10の光源が実施例と同じ光量を発射する場合、実施例に係る広帯域1/4波長板30を使用する場合に比べ、光検出器で検出する光量も低減する。
以上のように、本発明は、立上ミラーに入射する複数の波長の光それぞれに対して生じる位相差を補正するように複数の波長の光路中に広帯域1/4波長板を配置することで、各光ディスクに対して良好な円偏光の光が集光して高い精度での光検出が可能で、小型化、薄型化が実現できる光ヘッド装置を得ることができる。
10 光ヘッド装置
11a、11b、11c 光源
12a、12b、12c 回折素子
13、21 偏光ビームスプリッタ
14 コリメータレンズ
15 第1の立上げミラー
16 第2の立上げミラー
17、19 対物レンズ
18、20 光ディスク
22 非点収差レンズ
23 光検出器
24 ダイクロイックプリズム
25、26 モニタ用光検出器
30 広帯域1/4波長板
31 第1の波長板
31a 第1の波長板の光学軸
32 第2の波長板
32a 第2の波長板の光学軸
33 広帯域1/4波長板に入射する直線偏光の光の方向

Claims (3)

  1. 波長λの光、波長λの光および波長λ(λ≠λ≠λ)の光を発射する光源と、前記波長λ、前記波長λおよび前記波長λの3つの波長の光に共通する光路中に配置された広帯域1/4波長板と、前記3つの波長の光のうち1つまたは2つの波長の光を反射するとともに残りの波長の光を透過する第1の立上げミラーと、前記第1の立上げミラーを透過する前記残りの波長の光を反射する第2の立上げミラーと、前記第1の立上げミラーで反射した波長の光を光ディスクに集光する第1の対物レンズと、前記第2の立上げミラーで反射した波長の光を光ディスクに集光する第2の対物レンズと、前記光ディスクで反射した光を検出する光検出器と、を備え、
    互いに直交する偏光方向の光を、第1の偏光方向の光、第2の偏光方向の光とするとき、前記広帯域1/4波長板は、前記第1の立上げミラーを反射する波長の光が、前記第1の偏光方向の光と前記第2の偏光方向の光との間で発生する位相差および、前記第1の立上げミラーを透過するとともに前記第2の立上げミラーを反射する波長の光が、前記第1の偏光方向の光と前記第2の偏光方向の光との間で発生する位相差を含めて、前記第1の立上げミラーで反射して前記第1の対物レンズへ向かう波長の光および、前記第2の立上げミラーで反射して前記第2の対物レンズへ向かう波長の光が、いずれも円偏光の光となるような位相差を発生することを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 前記広帯域1/4波長板は、複屈折性材料からなる第1の波長板と第2の波長板と、が重なる構成を有し、前記第1の波長板のリタデーション値および前記第2の波長板のリタデーション値および、前記第1の波長板の進相軸と前記第2の波長板の進相軸とがなす角度が調整された請求項1に記載の光ヘッド装置。
  3. 前記波長λが405nm波長帯、前記波長λが660nm波長帯、前記波長λが785nm波長帯である請求項1または請求項2に記載の光ヘッド装置。
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