JP2010169365A - ボイラー入口煙道及び非鉄製錬設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炉10から排出される高温ガスを廃熱ボイラー20へと導入するボイラー入口煙道30であって、鉛直方向に対して交差する方向に延びて廃熱ボイラー20に接続される連通孔37が設けられた連設部36を備え、連設部36の天井部36Aに、下方に向けて突出する垂下壁部39が形成されており、垂下壁部39の突出高さHが、連通孔37の延在方向に直交する断面における開口高さVに対して、0.025×V≦H≦0.5×Vの範囲内に設定されていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
ここで、廃熱ボイラーは、前記アップテークに接続される火炉と、この火炉の後段に設けられた対流伝熱部と、を備えている。対流伝熱部においては、ボイラー内部に本体蒸発管が複数配列されており、この本体蒸発管に鋳付きが生じた場合、熱の回収効率が大幅に低下するとともに、排ガスの通気抵抗が増すことになる。また、本体蒸発管同士の間隔が比較的狭いため、鋳付きが本体蒸発管同士の間で架橋して強固に付着することになり、鋳付きの除去作業が非常に困難となる。
また、アップテーク以外のボイラー入口煙道においても、火炉の側面に接続されたものでは、高温ガスの流れが水平方向に向きやすくなり、やはり、スクリーン管部分に直接高温ガスが衝突し、スクリーン管部分に鋳付きが多く発生することになる。
すると、高温ガスに含まれるダストや溶湯の飛沫が廃熱ボイラーの天井部に付着して鋳付きを生じることになるが、この鋳付きは成長に伴って自重で落下して除去されるため、鋳付きの除去作業を行う必要がない。また、スクリーン管に直接高温ガスが衝突しにくくなるので、スクリーン管部分での鋳付きの発生が抑制される。このため、鋳付きの除去作業を大幅に軽減でき、炉の操業停止時間を少なくすることが可能となる。
垂下壁部には、炉から排出される高温ガスが直接衝突することになるため、非常に高温となる。そこで、この垂下壁部に冷却配管を設けることによって、垂下壁部の早期劣化を抑制することができる。
この場合、前記垂下壁部の幅Wが、前記連通孔の前記延設方向に直交する断面における開口幅Uに対して、W≧0.4×Uとされているので、高温ガスの流れの一部を火炉の前段側の天井部に向けることが可能となり、スクリーン管等への鋳付きの発生を確実に抑制することが可能となる。
本実施形態である非鉄製錬設備1は、図1に示すように、製錬炉10と、製錬炉10から発生する高温の排ガスが有する熱を回収する廃熱ボイラー20と、これら製錬炉10と廃熱ボイラー20とを接続して製錬炉10から発生した高温の排ガスを廃熱ボイラー20へと導入するアップテーク30と、を備えている。
火炉21は、アップテーク30との接続部から略水平方向に延びる管状をなしており、アップテーク30との接続部であるガス取入口22を通じてアップテーク30から排ガスを取り入れる構成とされている。
また、火炉21の床部には、排ガスとともに火炉21内に取り込まれたダストや溶湯の飛沫をボイラー外部に排出するためのホッパー24が設けられている。
この垂下壁部39は、概略矩形平板状をなしており、連通孔37の延在方向(水平方向)に対して直交する平面上に位置するように、連通孔37の幅方向および上下方向(鉛直方向)に延在させられている。
そして、垂下壁部39の内部に冷却配管44が設けられているので、垂下壁部39の早期劣化を抑制することができる。
また、本実施形態においては、垂下壁部39を構成する水冷ジャケット42の冷却配管44が、他の水冷ジャケット41よりも密に配設されているので、垂下壁部39の冷却能力が高く、垂下壁部39の早期劣化を確実に抑制することが可能となる。
例えば、連続製銅法の溶錬炉及び製銅炉に接続されるアップテーク(ボイラー入口煙道)として説明したが、これに限定されることはなく、自溶炉、他の非鉄製錬炉及びゴミ等を焼却する焼却炉等の各種炉に本発明のボイラー入口煙道を適用してもよい。
さらに、図7に示すように、幅狭の垂下壁部239a、239bを複数並列させてもよい。この場合、垂下壁部239の幅Wは、垂下壁部239aの幅W1と垂下壁部239bの幅W2の合計幅(W=W1+W2)となる。
また、図8に示すように、垂下壁部339の突出方向と連通孔337の延在方向とが直交していなくてもよい。この場合、垂下壁部339の突出高さHは、連通孔337の延在方向に直交する断面への投影した高さとなる。
また、垂下壁部を概略矩形板状としたもので説明したが、これに限定されることはなく、その他の形状であってもよい。
また、図11に示すように、ロータリーキルン610の2次燃焼室615と廃熱ボイラー620との連設部636に垂下壁部639を設けたものであってもよい。
熱流体解析は、Concentration Heat and Momentum Limited社製のPHOENICS Version 3.5.1を用いて実施した。排ガスの温度を1240℃、縦孔における排ガスの流速を約9m/sec、とした。
本発明例として、実施形態に記載されたように垂下壁部を設けた場合の排ガスの熱流体解析を実施した。結果を図12に示す。
従来例として、垂下壁部を設けないアップテークを想定して、熱流体解析を実施した。結果を図13に示す。
一方、垂下壁部を設けた本発明例では、図12に示すように、排ガスの一部がアップテークの天井部に衝突することによって、アップテークの天井部に水平方向の流れが生じているが、この流れが垂下壁部において遮断されており、垂下壁部の手前側部分では下方に向かう流れが生じている。そして、排ガス全体の流れが、火炉の前段部の天井部に向っていることが分かる。
10 製錬炉
20、520 廃熱ボイラー
21 火炉
30、530 アップテーク(ボイラー入口煙道)
31 本体部
32 縦孔
36、136、236、336、436 連設部
37、137、237、337、437 連通孔
39、139、239、339、439、539、639 垂下壁部
41、42 水冷ジャケット
44 冷却配管
510 反射炉
610 ロータリーキルン
Claims (4)
- 炉から排出される高温ガスを廃熱ボイラーへと導入するボイラー入口煙道であって、
鉛直方向に対して交差する方向に延びて前記廃熱ボイラーに接続される連通孔が設けられた連設部を備え、
前記連設部の天井部に、下方に向けて突出する垂下壁部が形成されており、前記垂下壁部の突出高さHが、前記連通孔の延在方向に直交する断面における開口高さVに対して、0.025×V≦H≦0.5×Vの範囲内に設定されていることを特徴とするボイラー入口煙道。 - 前記垂下壁部は、内部に冷却配管を備えていることを特徴とする請求項1に記載のボイラー入口煙道。
- 前記垂下壁部の幅Wが、前記連通孔の前記延在方向に直交する断面における開口幅Uに対して、0.4×U≦W≦Uの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラー入口煙道。
- 製錬炉と、該製錬炉から排出される高温ガスの熱を利用する廃熱ボイラーと、前記製錬炉から発生する高温ガスを前記廃熱ボイラーへと導入するボイラー入口煙道と、を有する非鉄製錬設備であって、
前記ボイラー入口煙道として、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボイラー入口煙道を用いることを特徴とする非鉄製錬設備。
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