JP2010169191A - 3軸歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】3軸歯車の騒音・振動を低減することはできるが、各歯車対の噛み合い作用線上の位相差が法線ピッチの1/2となるように各軸を配置するため、各軸の配置が制限されることになって、3軸歯車装置の配置に際しスペース的な制約を受けることになり、3軸歯車装置に広く採用することができるものではなかった。
【解決手段】第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12、及び第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13の各歯車対の噛み合いにより発生する回転変動のタイミングを遅らせるか或いは早める方向に、各歯車対の噛み合い位相差の大きさに応じて各歯車対に異なる歯面修整を実施し、各歯車対の噛み合い伝達誤差波形の位相を逆位相に近づけた。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば、自動車のトランスファ装置に用いられる、第1軸の歯車と第2軸の歯車、第2軸の歯車と第3軸の歯車がそれぞれ噛み合う3軸歯車装置に関する。
従来、第1軸の歯車と第2軸の歯車、第2軸の歯車と第3軸の歯車がそれぞれ噛み合う3軸歯車装置に関するものとして、「3軸歯車装置及び歯車装置」(特許文献1参照)が知られている。
この従来の「3軸歯車装置及び歯車装置」は、第1軸の歯車と第2軸の歯車の噛み合いと第2軸の歯車と第3軸の歯車の噛み合いの作用線上の位相差が、法線ピッチの1/2となるように各軸を配置することにより、各歯車対(第1軸の歯車と第2軸の歯車、第2軸の歯車と第3軸の歯車)の噛み合い伝達誤差波形を逆位相として、3軸歯車の騒音・振動を低減している。
特開平9−133187号公報
しかしながら、従来の「3軸歯車装置及び歯車装置」においては、3軸歯車の騒音・振動を低減することはできるが、各歯車対の噛み合い作用線上の位相差が法線ピッチの1/2となるように各軸を配置するため、各軸の配置が制限されることになって、3軸歯車装置の配置に際しスペース的な制約を受けることになり、3軸歯車装置に広く採用することができるものではなかった。
この発明に係る3軸歯車装置は、第1軸の歯車と第2軸の歯車の歯車対の噛み合いと第2軸の歯車と第3軸の歯車の歯車対の噛み合いの噛み合い伝達誤差波形が逆位相となるように、噛み合い位相差の大きさに応じて各歯車対に異なる歯面修整を施すことを特徴とするものである。
この発明によれば、第1軸の歯車と第2軸の歯車の歯車対と第2軸の歯車と第3軸の歯車の歯車対の噛み合い伝達誤差波形が逆位相となるように、噛み合い位相差の大きさに応じて各歯車対に異なる歯面修整が施されるので、各軸の配置が制限されず、3軸歯車装置の配置に際しスペース的な制約を受けること無く、噛み合い伝達誤差を相殺することができ、低振動、且つ、低騒音の3軸歯車装置を提供することができる。
一般的な3軸歯車装置について示し、(a)は基本的な構成の概念説明図、(b)は各歯車対の噛み合い位相差のグラフによる説明図である。 ある諸元の歯車を有する3軸歯車装置について示し、(a)は各歯車対の噛み合い伝達誤差波形のグラフによる説明図、(b)は各歯車対の相対波面形状の説明図である。 この発明の第1実施の形態に係る3軸歯車装置の構成を示す概念説明図である。 図3の3軸歯車装置を構成する歯面について示し、(a)は第1軸と第2軸の歯車対の相対歯面形状の説明図、(b)は第2軸と第3軸の歯車対の相対歯面形状の説明図である。 図4の各歯車対の噛み合い伝達誤差波形のグラフによる説明図である。 歯面形状における修整の定義について示し、(a)は相対歯面形状に対する修整の説明図、(b)は歯幅方向と歯たけ方向の説明図である。 この発明の第2実施の形態に係る3軸歯車装置を構成する歯面について示し、(a)は第1軸と第2軸の歯車対の相対歯面形状の説明図、(b)は第2軸と第3軸の歯車対の相対歯面形状の説明図である。 図7の各歯車対の噛み合い伝達誤差波形のグラフによる説明図である。 この発明の第3実施の形態に係る3軸歯車装置における、噛み合い位相差に対する適正な圧力角修整による相対圧力角修整量と、その方向の関係をグラフで示す説明図である。 この発明の第3実施の形態に係る3軸歯車装置における、噛み合い位相差に応じた圧力角修整による伝達誤差低減効果をグラフで示す説明図である。 この発明の第4実施の形態に係る3軸歯車装置における、噛み合い位相差に対する適正な捩れ角修整による相対捩れ角修整量と、その方向の関係をグラフで示す説明図である。 この発明の第4実施の形態に係る3軸歯車装置における、噛み合い位相差に応じた捩れ角修整による伝達誤差低減効果をグラフで示す説明図である。
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
先ず、この発明に係る3軸歯車装置の前提となる、一般的な3軸歯車装置の基本構成と各歯車対の噛み合い位相差、及び噛み合い伝達誤差の計算例について説明する。
図1は、一般的な3軸歯車装置について示し、(a)は基本的な構成の概念説明図、(b)は各歯車対の噛み合い位相差のグラフによる説明図である。図1に示すように、一般的な3軸歯車装置Aは、第1軸O1の第1歯車1と、第2軸O2の第2歯車2と、第3軸O3の第3歯車3を有し、第1軸O1の第1歯車1と第3軸O3の第3歯車3がそれそれ第2軸O2の第2歯車2に噛み合って2箇所の噛み合い部を有すると共に、第1軸O1、第2軸O2、第3軸O3の各軸が所定の角度で配置されている((a)参照)。なお、各軸は、軸中心O1〜O3を示すことで図示を省略している。
第1歯車1と第2歯車2の噛み合い伝達時に生じる誤差(噛み合い伝達誤差)を示す伝達誤差波形TE12と、第2歯車2と第3歯車3の噛み合い伝達時に生じる誤差(噛み合い伝達誤差)を示す伝達誤差波形TE23を、正弦波で表した((b)参照)とき、その位相差を噛み合い位相差Δと定義する。この噛み合い位相差Δは、各軸O1〜O3の配置と各歯車の諸元によって決まる。
図2は、ある諸元の歯車を有する3軸歯車装置について示し、(a)は各歯車対の噛み合い伝達誤差波形のグラフによる説明図、(b)は各歯車対の相対波面形状の説明図である。図2に示すように、各歯車対における相対する歯面の形状を示す相対歯面形状TS、即ち、第1歯車1と第2歯車2の歯車対の相対歯面形状TS12、及び第2歯車2と第3歯車3の歯車対の相対歯面形状TS23は、どちらの歯車対も同一としている((a)参照)。
この例では、第2歯車2と第3歯車3の噛み合い伝達誤差波形TE23が、第1歯車1と第2歯車2の噛み合い伝達誤差波形TE12に対し、0.24ピッチ先行している(噛み合い位相差Δ=0.24)ことになる((b)参照)。
この場合、噛み合い位相差Δが0.5ピッチではないので、各歯車対の噛み合い伝達誤差(噛み合い伝達誤差波形TE12と噛み合い伝達誤差波形TE23を参照)を相殺することはできない。
次に、この発明に係る3軸歯車装置の構成について説明する。
(第1実施の形態)
図3は、この発明の第1実施の形態に係る3軸歯車装置の構成を示す概念説明図である。図4は、図3の3軸歯車装置を構成する歯面について示し、(a)は第1軸と第2軸の歯車対の相対歯面形状の説明図、(b)は第2軸と第3軸の歯車対の相対歯面形状の説明図である。図5は、図4の各歯車対の噛み合い伝達誤差波形のグラフによる説明図である。
図3に示すように、3軸歯車装置10は、第1軸O1の第1歯車11と、第2軸O2の第2歯車12と、第3軸O3の第3歯車13を有し、第1軸O1の第1歯車11と第3軸O3の第3歯車13がそれぞれ第2軸O2の第2歯車12に噛み合って2箇所の噛み合い部を有すると共に、第1軸O1、第2軸O2、第3軸O3の各軸が所定の角度で配置されている((a)参照)。なお、各軸は、軸中心O1〜O3を示すことで図示を省略している。
そして、この3軸歯車装置10は、図4及び図5に示すように、第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12の噛み合い状態における相対歯面形状TS12(図4(a)参照)と、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13の噛み合い状態における相対歯面形状TS23(図4(b)参照)を、各歯車対の噛み合い伝達誤差波形TE12,TE23の噛み合い位相差Δが略0.5ピッチに近づくように、望ましくは、噛み合い位相差Δが0.5ピッチになる(図5参照)ように、異ならせて修整している。
つまり、各歯車対(第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13)の噛み合いにより発生する回転変動のタイミングを遅らせる方向或いは早める方向に、各歯車対の噛み合い位相差の大きさに応じて、各歯車対に異なる歯面修整、即ち、圧力角修整による歯面修整を行い、各歯車対の相対の歯車の修整を、実質的に同一の修整量で、且つ、修整方向を歯形方向において逆方向にしている。これにより、各歯車対の回転変動、即ち、噛み合い伝達誤差波形の位相が逆位相に近づくようにしている。
このように、各歯車対の噛み合い位相差の大きさに応じて、各歯車対に異なる歯面修整を行った結果、各歯車対の噛み合い伝達誤差TE12,TE23は相殺されて、3軸歯車の騒音・振動を低減することができ、その上、噛み合い位相差が法線ピッチの1/2となるように各軸を配置する必要が無いので、配置が制限されず、3軸歯車装置の配置に際しスペース的な制約を受けることもない。
また、歯面修整として圧力角修整を行い、各歯車対の相対の修整量を、実質的に同一でその方向を歯形方向において逆方向にすることで、各歯車対の噛み合い伝達誤差波形の位相が逆位相に近づくようにした結果、比較的容易な歯面修整で上記効果を得ることができる。
なお、図4(a),(b)中に示した矢印は、噛み合い進行方向を表しており、各歯車対をはすば歯車とした場合、スタート(start)からエンド(end)へ向かう方向に噛み合いは進行する。
図6は、歯面形状における修整の定義について示し、(a)は相対歯面形状に対する修整の説明図、(b)は歯幅方向と歯たけ方向の説明図である。図6に示すように、歯面修整に際しては、相対歯面形状TSに対し、歯幅方向の捩れ角度の修整を捩れ角修整FHと、歯たけ方向の圧力角度の修整を圧力角修整FAと、それぞれ定義する((a),(b)参照)。
(第2実施の形態)
この発明の第2実施の形態に係る3軸歯車装置においては、各歯車対に施す異なる歯面修整として、圧力角修整に代えて捩れ角修整を行っている。その他の構成及び作用は、第1実施の形態に係る3軸歯車装置と同様である。
図7は、この発明の第2実施の形態に係る3軸歯車装置を構成する歯面について示し、(a)は第1軸と第2軸の歯車対の相対歯面形状の説明図、(b)は第2軸と第3軸の歯車対の相対歯面形状の説明図である。図8は、図7の各歯車対の噛み合い伝達誤差波形のグラフによる説明図である。
図7に示すように、第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12の噛み合い状態における相対歯面形状TS12(図7(a)参照)と、第2軸の歯車12と第3軸の歯車13の噛み合い状態における相対歯面形状TS23(図7(b)参照)を、捩れ角修整FHにより、各歯車対の噛み合い伝達誤差波形TE12,TE23の噛み合い位相差Δが略0.5ピッチに近づくように、望ましくは、噛み合い位相差Δが0.5ピッチになる(図8参照)ように、異ならせて歯面修整したものである。
つまり、各歯車対(第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13)の噛み合いにより発生する回転変動のタイミングを遅らせる方向或いは早める方向に、各歯車対の噛み合い位相差の大きさに応じて、各歯車対に異なる歯面修整、即ち、捩れ角修整による歯面修整を行い、各歯車対の相対の修整量を実質的に同一でその方向を歯形方向において逆方向にしている。これにより、各歯車対の回転変動、即ち、噛み合い伝達誤差波形の位相が逆位相に近づくようにしている。
この結果、比較的容易な歯面修整により、3軸歯車の騒音・振動を低減することができると共に3軸歯車装置の配置に際しスペース的な制約を受けることもない、という効果を得ることができる。
(第3実施の形態)
この発明の第3実施の形態に係る3軸歯車装置においては、噛み合い位相差Δに対する適正な圧力角修整FAを、その方向との関係に基づいて行うものである。その他の構成及び作用は、第1実施の形態に係る3軸歯車装置と同様である。
図9は、この発明の第3実施の形態に係る3軸歯車装置における、噛み合い位相差に対する適正な圧力角修整による相対圧力角修整量と、その方向の関係をグラフで示す説明図である。
図9に示すように、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13の歯車対の噛み合いが、第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12の歯車対の噛み合いに対し先行する場合において、その噛み合い位相差Δが法線ピッチの1/2となる点を境に、異なった圧力角修整を行う。
<噛み合い位相差Δが、法線ピッチの1/2以下の場合>
この場合には、第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12の歯車対の相対歯面形状TS12が駆動歯面、即ち、第1軸O1の歯車11の歯面基準で歯先当りとなるように、圧力角修整FA12(第1圧力角修整)を実施し、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13の歯車対の相対歯面形状TS23が駆動歯面、即ち、第2軸O2の歯車12の歯面基準で歯元当りとなるように、圧力角修整FA12と実質的に同一量の圧力角修整FA23を実施する。
<噛み合い位相差Δが、法線ピッチの1/2以上の場合>
この場合には、第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12の歯車対の相対歯面形状TS12が駆動歯面、即ち、第1軸O1の歯車11の歯面基準で歯元当りとなるように、圧力角修整FA12(第1圧力角修整)を実施し、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13の歯車対の相対歯面形状TS23が駆動歯面、即ち、第2軸O2の歯車12の歯面基準で歯先当りとなるように、圧力角修整FA12と実質的に同一量の圧力角修整FA23を実施する。
上述したように、噛み合い位相差Δに応じて、適正な圧力角修整量、即ち、圧力角修整FA12或いは圧力角修整FA23による圧力角修整量(μm)は、変化する。
図9には、上述した当該規定とは逆方向に修整した場合の、圧力角修整FA12に対する逆方向圧力角修整FA12d、及び圧力角修整FA23に対する逆方向圧力角修整FA23dにおける修整量を、噛み合い位相差Δ=0.24の場合を一例として示してある。上述した当該規定とは逆方向に歯面修整を行った場合、噛み合い位相差Δを0.5ピッチに近づけるためには、上述した当該規定方向の修整量より大きな修整量が必要になる。
従って、この発明に係る3軸歯車装置10は、噛み合い位相差Δに応じて当該規定方向に圧力角修整を行うことにより、少ない修整量で各歯車対の噛み合い伝達誤差TE12,TE23を相殺することができるので、3軸歯車の騒音・振動を低減することができ、その上、各歯車軸の配置が制限されないので、3軸歯車装置の配置に際しスペース的な制約を受けることもない。
図10は、この発明の第3実施の形態に係る3軸歯車装置における、噛み合い位相差に応じた圧力角修整による伝達誤差低減効果をグラフで示す説明図である。図10に示すように、各歯車対における、噛み合い位相差Δに対する合成噛み合い伝達誤差TE12,TE23は、歯面形状が同一である場合は略2〜30(μrad)であったのに対し、第3実施の形態における歯面修整を行った場合は略1(μrad)以下に抑えられており、確実に改善されているのが分かる。特に、噛み合い位相差Δが約0.5を境に0及び約0.9へ向かうに連れて、噛み合い伝達誤差TE12,TE23の相殺効果が大きくなる。
(第4実施の形態)
この発明の第4実施の形態に係る3軸歯車装置においては、噛み合い位相差Δに対する圧力角修整FAに代えて、噛み合い位相差Δに対する捩れ角修整FHを、その方向との関係に基づいて行うものである。その他の構成及び作用は、第3実施の形態に係る3軸歯車装置と同様である。
図11は、この発明の第4実施の形態に係る3軸歯車装置における、噛み合い位相差に対する適正な捩れ角修整による相対捩れ角修整量と、その方向の関係をグラフで示す説明図である。
図11に示すように、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13の歯車対の噛み合いが、第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12の歯車対の噛み合いに対し先行する場合において、その噛み合い位相差Δが法線ピッチの1/2となる点を境に、異なった捩れ角修整FHを行う。
<噛み合い位相差Δが、法線ピッチの1/2以下の場合>
この場合には、第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12の歯車対の相対歯面形状TS12が、駆動歯面、即ち、第1軸O1の歯車11の歯面基準で噛み合い終わり当たりとなるように、捩れ角修整FH12(第1捩れ角修整)を実施し、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13の歯車対の相対歯面形状TS23が、駆動歯面、即ち、第2軸O2の歯車12の歯面基準で噛み合い始め当りとなるように、捩れ角修整FH12と実質的に同一量の捩れ角修整FA23を実施する。
<噛み合い位相差Δが、法線ピッチの1/2以上の場合>
この場合には、第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12の歯車対の相対歯面形状TS12が、駆動歯面、即ち、第1軸O1の歯車11の歯面基準で噛み合い終わり当りとなるように、捩れ角修整FH12(第1捩れ角修整)を実施し、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13の歯車対の相対歯面形状TS23が、駆動歯面、即ち、第2軸O2の歯車12の歯面基準で噛み合い始め当りとなるように、捩れ角修整FH12と実質的に同一量の捩れ角修整FH23を実施する。
上述したように、噛み合い位相差Δに応じて、適正な捩れ角修整量、即ち、捩れ角修整FH12或いは捩れ角修整FH23による修整量(μm)は、変化する。
図9には、上述した当該規定とは逆方向に修整した場合の、捩れ角修整FA12に対する逆方向捩れ角修整FA12d、及び捩れ角修整FA23に対する逆方向捩れ角修整FA23dにおける修整量を、噛み合い位相差Δ=0.24の場合を一例として示してある。上述した当該規定とは逆方向に歯面修整を行った場合、噛み合い位相差Δを0.5ピッチに近づけるためには、上述した当該規定方向の修整量より大きな修整量が必要になる。
従って、この発明に係る3軸歯車装置10は、噛み合い位相差Δに応じて当該規定方向に捩れ角修整を行うことにより、少ない修整量で各歯車対の噛み合い伝達誤差TE12,TE23を相殺することができるので、3軸歯車の騒音・振動を低減することができ、その上、各歯車軸の配置が制限されないので、3軸歯車装置の配置に際しスペース的な制約を受けることもない。
図12は、この発明の第4実施の形態に係る3軸歯車装置における、噛み合い位相差に応じた捩れ角修整による伝達誤差低減効果をグラフで示す説明図である。図12に示すように、各歯車対における、噛み合い位相差Δに対する合成噛み合い伝達誤差TE12,TE23は、歯面形状が略同一である場合は略2〜30(μrad)であったのに対し、第4実施の形態における歯面修整を行った場合は略2(μrad)以下に抑えられており、確実に改善されているのが分かる。特に、噛み合い位相差Δが約0.5を境に0及び約0.9へ向かうに連れて、噛み合い伝達誤差TE12,TE23の相殺効果が大きくなる。
(第5実施の形態)
この発明の第5実施の形態に係る3軸歯車装置においては、第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12の正面噛み合い率εα12を、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13の正面噛み合い率εα23と実質的に同一にし、第1軸O1の歯車11と第2軸O2の歯車12の重なり噛み合い率εβ12を、第2軸O2の歯車12と第3軸O3の歯車13の重なり噛み合い率εβ23と実質的に同一にしている。これにより、各歯車対の噛み合い伝達誤差TE12,TE23の振幅(伝達誤差振幅)を実質的に同一にすることができるので、各歯車対の噛み合い伝達誤差TE12,TE23に対するより大きな相殺効果を得ることができる。
上記各実施の形態においては、歯面修整方法として、圧力角修整と捩れ角修整を例にして説明したが、圧力角修整と捩れ角修整以外の他の歯面修整方法により、各歯車対の噛み合い伝達誤差TE12,TE23の位相差Δを0.5ピッチに近づける修整を、各歯車対に実施しても良い。
また、第3実施の形態(図9参照)及び第4実施の形態(図11参照)に示した、噛み合い位相差Δに応じた適正な修整量は、各歯車対の相対の歯面修整量であるので、歯車対の一方の歯車を無修整として他方の歯車で修整を実施しても良いし、歯車対の各歯車に振り分けて修整を実施しても良い。
10 3軸歯車装置
11 第1軸の歯車
12 第2軸の歯車
13 第3軸の歯車
O1 第1軸
O2 第2軸
O3 第3軸
TE12,TE23 伝達誤差波形
TS12,TS23 相対歯面形状
FA12,FA23 圧力角修整
FH12,FH23 捩れ角修整
Δ 噛み合い位相差

Claims (6)

  1. 第1軸の歯車と第2軸の歯車と第3軸の歯車を有し、
    前記第1軸の歯車と前記第3軸の歯車はそれぞれ前記第2軸の歯車と噛み合うと共に、前記各軸が所定の角度で配置され、
    前記第1軸の歯車と前記第2軸の歯車、及び前記第2軸の歯車と前記第3軸の歯車の各歯車対の噛み合いにより発生する回転変動のタイミングを遅らせるか或いは早める方向に、前記各歯車対の噛み合い位相差の大きさに応じて前記各歯車対に異なる歯面修整を実施し、前記各歯車対の噛み合い伝達誤差波形の位相を逆位相に近づけた
    ことを特徴とする3軸歯車装置。
  2. 前記歯面修整として、
    前記各歯車対の相対する歯車の修整量を同一、且つ、修整方向を歯形方向において逆方向にした圧力角修整を実施することを特徴とする請求項1に記載の3軸歯車装置。
  3. 前記歯面修整として、
    前記各歯車対の相対する歯車の修整量を同一、且つ、修整方向を歯幅方向において逆方向にした捩れ角修整を実施することを特徴とする請求項1に記載の3軸歯車装置。
  4. 前記第2軸の歯車と前記第3軸の歯車の歯車対の噛み合いが、前記第1軸の歯車と前記第2軸の歯車の歯車対の噛み合いに対し先行する場合において、
    噛み合い位相差が法線ピッチの1/2以下の場合、前記第1軸と前記第2軸の歯車対の相対歯面形状が駆動歯面の歯面基準で歯先当りとなるように、第1圧力角修整を実施し、前記第2軸と前記第3軸の歯車対の相対歯面形状が駆動歯面の歯面基準で歯元当りとなるように、前記第1圧力角修整と同一量の圧力角修整を実施することを特徴とする請求項2に記載の3軸歯車装置。
  5. 前記第2軸の歯車と前記第3軸の歯車の歯車対の噛み合いが、前記第1軸の歯車と前記第2軸の歯車の歯車対の噛み合いに対し先行する場合において、
    噛み合い位相差が法線ピッチの1/2以下の場合、前記第1軸と前記第2軸の歯車対の相対歯面形状が駆動歯面の歯面基準で噛み合い終わり当りとなるように、第1捩れ角修整を実施し、前記第2軸と前記第3軸の歯車対の相対歯面形状が駆動歯面の歯面基準で噛み合い始め当たりとなるように、前記第1捩れ角修整と同一量の捩れ角修整を実施することを特徴とする請求項3に記載の3軸歯車装置。
  6. 前記第1軸の歯車と前記第2軸の歯車の正面噛み合い率を、前記第2軸の歯車と前記第3軸の正面噛み合い率と同一とし、前記第1軸の歯車と前記第2軸の歯車の重なり噛み合い率を、前記第2軸の歯車と前記第3軸の歯車の重なり噛み合い率と同一としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の3軸歯車装置。
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