JPH09133187A - 3軸歯車装置及び歯車装置 - Google Patents

3軸歯車装置及び歯車装置

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JPH09133187A
JPH09133187A JP31728695A JP31728695A JPH09133187A JP H09133187 A JPH09133187 A JP H09133187A JP 31728695 A JP31728695 A JP 31728695A JP 31728695 A JP31728695 A JP 31728695A JP H09133187 A JPH09133187 A JP H09133187A
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tooth
shafts
gears
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JP31728695A
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English (en)
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Hirofumi Tani
裕文 谷
Hiroji Tokoro
博治 所
Kazuo Yoshikawa
和男 吉川
Junzo Kimura
潤三 木村
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Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯車対の相対回転変動である噛み合い伝達誤
差の変動を抑制して、振動および騒音を低減すること。 【解決手段】 2軸の歯車にそれぞれ噛み合う1軸の歯
車と3軸の歯車とを備えた3軸歯車装置において、前記
歯車の歯面の修整量が、該歯車によって噛み合う軸間の
前記平行度誤差と前記食い違い誤差に加えて、噛み合い
圧力角および基礎円のねじれ角に基づき決定され、前記
歯面の修整量は、歯幅方向の修整範囲の一端71から他
端72までの中間73において最大となり、前記一端7
1と他端72において最小となるとともに前記一端と他
端とにおける修整量が一定範囲内で異なる3軸歯車装置
及び歯車装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2軸の歯車にそれ
ぞれ噛み合う1軸の歯車と3軸の歯車とを備えた3軸歯
車装置において、前記各軸の歯車の歯面が、歯面誤差に
よる回転変動を相殺するように修整され、各歯車対の噛
み合い伝達誤差波形が逆位相および同振幅になるように
して振動および騒音を低減する3軸歯車装置に関する。
また本発明は、噛み合い伝達誤差を低減できる歯車装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の3軸歯車装置(特開平2−853
7)は、図19に示すように2軸2Sの歯車2Gにそれ
ぞれ噛み合う1軸1Sと3軸3Sの歯車2G、3Gとの
歯数が同一である3軸平行歯車装置において、前記1軸
1Sの歯車1Gと前記2軸2Sの歯車2Gの噛み合い
と、該2軸2Sの歯車2Gと3軸3Sの歯車3Gの噛み
合いとの作用線上の位相差が正面法線ピッチPの1/2
となるように各歯車軸を配置するものであった。また従
来の歯車装置は、噛み合い時の歯の弾性変形のみを考慮
して歯面修整を行うものがあった。(特開平6−280
970)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の3軸歯車装
置は、前記1軸1Sの歯車1Gと前記2軸2Sの歯車2
Gの噛み合いと、該2軸2Sの歯車2Gと3軸3Sの歯
車3Gの噛み合いとの作用線上の位相差が正面法線ピッ
チPの1/2となるように各歯車軸を配置するので、噛
み合う歯車の歯対のばね剛さの変動による中間軸である
2軸2Sの歯車2Gでの起振力を相殺することが出来る
が、歯車装置における起振力は、噛み合う歯車の歯対の
ばね剛さの変動以外に、歯面誤差による歯車対の相対回
転変動によって発生するため、振動および騒音を充分低
減することが出来ないという問題があった。
【0004】本発明者らは、前記各軸の歯車の歯面が、
軸ないしケース全体の負荷変形に応じて、歯面誤差によ
る回転変動を相殺するように修整され、各歯車対の噛み
合い伝達誤差波形が逆位相および同振幅になるようにす
るという本発明の第1の技術的思想に着眼するととも
に、歯面の修整量は、歯幅方向の修整開始点から修整終
了点までの中間において最大となり、前記修整開始点と
修整終了点において最小となるとともに、前記修整開始
点と修整終了点とにおける修整量が若干異なるようにす
るという本発明の第2の技術的思想に着眼し、さらに研
究開発を重ねた結果、歯車対の相対回転変動である噛み
合い伝達誤差の変動を抑制して、振動および騒音を低減
するという目的を達成する本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載
の第1発明)の3軸歯車装置は、2軸の歯車にそれぞれ
噛み合う1軸の歯車と3軸の歯車とを備えた3軸歯車装
置において、前記各軸の歯車の歯面が、歯面誤差による
回転変動を相殺するように修整されているものである。
【0006】本発明(請求項2に記載の第2発明)の3
軸歯車装置は、上記第1発明において、前記2軸の前記
歯車に対する前記第1および前記第3の軸の前記各歯車
の噛み合いとの作用線上の位相差が、正面法線ピッチの
約1/2になるように前記1軸ないし3軸を配置したも
のである。
【0007】本発明(請求項3に記載の第3発明)の歯
車装置は、歯車の歯面の修整量が、該歯車によって噛み
合う軸間の平行度誤差と食い違い誤差に基づき決定され
ているものである。
【0008】本発明(請求項4に記載の第4発明)の歯
車装置は、上記第3発明において、前記歯面の修整量
は、歯幅方向の修整範囲の一端から他端までの中間にお
いて最大となり、前記一端と他端において最小となると
ともに、前記一端と他端とにおける修整量が一定範囲内
で異なるものである。
【0009】(作用)上記構成より成る第1発明の3軸
歯車装置は、2軸の歯車にそれぞれ噛み合う1軸の歯車
と3軸の歯車とを備えた3軸歯車装置において、前記各
軸の歯車の歯面が歯面誤差による回転変動を相殺するよ
うに修整されているので、前記各軸の前記歯車が噛み合
うときの該歯車の歯面誤差による回転変動を相殺するも
のである。
【0010】上記構成より成る第2発明の3軸歯車装置
は、上記第1発明の作用に加え、前記2軸の前記歯車に
対する前記第1および前記第2の軸の前記各歯車の噛み
合いとの作用線上の位相差が正面法線ピッチの約1/2
になるように、前記1軸ないし3軸が配置されているの
で、噛み合う歯車の歯対のばね剛さの変動による中間軸
である2軸の歯車での起振力を相殺するものである。
【0011】上記構成より成る第3発明の歯車装置は、
各軸の歯車の歯面が、噛み合う歯車を備えた軸間の平行
度誤差と食い違い誤差に基づき決定された修整量に基づ
き修整されているので、前記各軸の前記歯車が噛み合う
ときの該歯車の歯面誤差による回転変動を低減するもの
である。
【0012】上記構成より成る第4発明の歯車装置は、
各軸の歯車の歯面が、歯幅方向の修整範囲の一端から他
端までの中間において最大となり、前記一端と他端にお
いて最小となるとともに、前記一端と他端とにおける修
整量が一定範囲内で異なるような修整量で修整されてい
るので、前記各軸の前記歯車が噛み合うときの該歯車の
歯面誤差による回転変動を効果的に低減するものであ
る。
【0013】
【発明の効果】上記作用を奏する第1発明の3軸歯車装
置は、前記各軸の歯車の歯面が歯面誤差による回転変動
を相殺するように修整されているので、前記各軸の前記
歯車が噛み合うときの該歯車の歯面誤差による回転変動
を相殺するので、振動および騒音を低減するという効果
を奏する。
【0014】上記作用を奏する第2発明の3軸歯車装置
は、前記2軸の前記歯車に対する前記第1および前記第
2の軸の前記各歯車の噛み合いとの作用線上の位相差が
正面法線ピッチの約1/2になるように、前記1軸ない
し3軸が配置されているので、噛み合う歯車の歯対のば
ね剛さの変動による中間軸である2軸の歯車での起振力
を相殺するので、振動および騒音を低減するという効果
を奏する。
【0015】上記作用を奏する第3発明の歯車装置は、
前記各軸の歯車の歯面が、噛み合う歯車を備えた軸間の
平行度誤差と食い違い誤差に基づき決定された修整量に
基づき修整されているので、前記各軸の前記歯車が噛み
合うときの該歯車の歯面誤差による回転変動を低減する
ので、歯車対の相対回転変動である噛み合い伝達誤差の
変動を抑制して、振動および騒音を低減するという効果
を奏する。
【0016】上記作用を奏する第4発明の歯車装置は、
前記各軸の歯車の歯面が、歯幅方向の修整範囲の一端か
ら他端までの中間において最大となり、前記一端と他端
において最小となるとともに、前記一端と他端とにおけ
る修整量が一定範囲内で異なるような修整量で修整され
ているので、前記各軸の前記歯車が噛み合うときの該歯
車の歯面誤差による回転変動を効果的に低減するので、
歯車対の相対回転変動である噛み合い伝達誤差の変動を
効果的に抑制して、振動および騒音を有効に低減すると
いう効果を奏する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき、
図面を用いて説明する。
【0018】(第1実施形態)本第1実施形態の3軸歯
車装置は、図1ないし図17に示すように2軸20の歯
車2にそれぞれ噛み合う1軸10の歯車1と3軸30の
歯車3とを備えた3軸歯車装置4において、前記歯車1
ないし3の歯面の修整量が、該歯車によって噛み合う軸
間の前記平行度誤差と前記食い違い誤差に加えて、噛み
合い圧力角および基礎円のねじれ角に基づき決定され、
前記歯面の修整量は、歯幅方向の修整範囲の一端71か
ら他端72までの中間73において最大となり、前記一
端71と他端72において最小となるとともに前記一端
と他端とにおける修整量が一定範囲内で異なるものであ
る。
【0019】前記3軸歯車装置1は、図2に示すように
前記2軸20に対して、該2軸20に配設された前記歯
車2にそれぞれ噛み合う前記歯車1および前記歯車3を
備えた前記1軸10および前記3軸30がそれぞれ平行
に配設され、前記歯車1および前記歯車3の歯数が同一
に設定されたはすば歯車によって構成されている。
【0020】前記2軸20の前記歯車2に対する前記第
1および前記第2の軸10、20の前記各歯車1、2の
噛み合いとの作用線上の位相差が、正面法線ピッチの約
1/2になるように前記1軸ないし前記3軸10ないし
30が配置されている。
【0021】すなわち前記1軸10のはすば歯車1と前
記2軸20のはすば歯車2の噛み合い状態を示す同時接
触線4aと、前記2軸20のはすば歯車2と前記3軸3
0のはすば歯車3の噛み合い状態を示す同時接触線5a
との同一作用線5b上での位相差6aが正面法線ピッチ
(tes)7aの約1/2となるように、図2および図
5に示すように前記1軸ないし3軸10ないし30が配
置されている。
【0022】前記各軸10ないし30の軸心O1
2 、O3 のなす角γが、以下の数1に示すようになる
ように前記各軸10、20、30が配置されている。
【数1】 なお、上記数1において、Z2 は、前記2軸のはすば歯
車2の歯数であり、nは、整数である。
【0023】上記数1におけるδは、以下の数2で与え
られる。
【数2】 なお、上記数2においてrg2 は、前記2軸のはすば歯
車2の基礎円半径であり、tesは、正面法線ピッチで
ある。
【0024】図2中4bは前記1軸10のはすば歯車1
と前記2軸20のはすば歯車2との噛み合い作用線であ
り、4cは同噛み合い長さであり、5bは前記2軸20
のはすば歯車2と前記3軸30との噛み合い作用線であ
り、5cは同噛み合い長さであり、2cは前記2軸20
のはすば歯車2の基礎円であり、2dは前記2軸20の
はすば歯車2の歯先円であり、1cは前記1軸10のは
すば歯車1の基礎円であり、3cは前記3軸30のはす
ば歯車3の基礎円である。
【0025】次に本第1実施形態における前記各軸に配
設した歯車の歯面修正の手順について、図3に示すフロ
ーチャートを用いて説明する。上記歯面修整を行うため
には、歯車装置(トランスファ)への組み付け状態での
噛み合い姿勢を知る必要がある。
【0026】ステップ101において、図4に示される
トランスファの負荷変形測定装置5によって、負荷変形
による歯車噛み合い姿勢変化を測定するために各軸およ
びケースの変形量を測定する。
【0027】前記トランスファの負荷変形測定装置5
は、DCモータ50によって減速機およびトルク計測用
歪みゲージ51が貼着された中間軸52を介してダイヤ
ルゲージ53を備えた前記歯車装置4の入力軸である前
記1軸10を回転駆動するものである。
【0028】前記各軸10、20、30に作用する作用
力の方向は、図5に示されるようになり、減速時におけ
る前記各軸10、20、30の負荷変形の測定結果が図
6ないし図8に示されるようになる。
【0029】ステップ102において、最小自乗法によ
り、ミスアライメントすなわち図10に示される平行度
誤差ψおよび食い違い誤差φを求める実験式を求め、ス
テップ103において、ギヤノイズが問題となるトルク
における前記各軸のミスアライメントを求めるととも
に、ステップ104において、求めた前記各軸のミスア
ライメントを前記歯車の歯面の傾きに変換する。
【0030】すなわち上記の結果、入力軸および中間軸
との間に減速4kgmのトルクが作用している状態にお
いて、平行度誤差が3.3mdegであり、食い違い誤
差が−1.8mdegであり、すなわち圧力角誤差が+
0.2μmであり、ねじれ角誤差が−2.2μmであっ
た。
【0031】ステップ105において、前記ステップ1
04において求めた歯面誤差の一要素である歯たけ方向
の前記圧力角誤差と歯幅方向の前記ねじれ角誤差によ
り、ギヤノイズが問題となるトルクでの噛み合い時の歯
面の傾きを打ち消すため、図1に示すように以下の数3
に従い歯面誤差を求め、これに基づき歯幅方向のクラウ
ニングや歯たけ方向の歯形丸み等の修整を施す。
【数3】 上記数3において、 φ 食い違い誤差 ψ 平行度誤差 αb 噛み合い圧力角 βgw 基礎円のねじれ角 x′歯面の接触線(図14上CL)上のw座標における
位置 y′歯面の接触線(図14上CL)上のy座標における
位置 evj 歯面誤差 である。
【0032】すなわち、図1において、基準平面70は
基準となるインボリュート歯面であり、該歯面において
前記歯幅方向の実際に接触する範囲Lwの一端71にお
いて2μmであり中央73に行くに従い修整量が増加
し、該中央73において最大値として略16μmの修整
量であり、他端72に行くに従い修整量が減少し、該他
端72においては0μmである。
【0033】前記歯たけ方向の実際に接触する範囲Lv
の一端74において0であり中央75に行くに従い修整
量が増加し、該中央75において最大値として略2μm
の修整量であり、他端72に行くに従い修整量が減少
し、該他端72においては0μmである。
【0034】上記構成より成る第1実施形態の3軸歯車
装置は、前記2軸20の前記歯車2にそれぞれ噛み合う
前記1軸10の前記歯車1と前記3軸30の前記歯車3
とを備えた3軸歯車装置において、前記各軸の歯車の歯
面が、噛み合う歯車を備えた軸間の平行度誤差と食い違
い誤差に基づき決定された修整量に基づき修整されてい
るので、前記各軸の前記歯車が噛み合うときの該歯車の
歯面誤差による回転変動を相殺するものである。
【0035】上記作用を奏する第1実施形態の3軸歯車
装置は、前記各軸の歯車の歯面が、噛み合う歯車を備え
た軸間の平行度誤差と食い違い誤差に基づき決定された
修整量に基づき修整されているので、前記各軸の前記歯
車が噛み合うときの該歯車の歯面誤差による回転変動を
相殺するので、歯車対の相対回転変動である噛み合い伝
達誤差の変動を抑制して、振動および騒音を低減すると
いう効果を奏する。
【0036】本第1実施形態における上記歯面に修整が
施された歯車の伝達誤差の計算値は、図11に示される
ように上記従来装置に比べて噛み合い伝達誤差の噛み合
い一次成分が低減されていることからも明らかである。
【0037】また図9に示されるトランスファの伝達誤
差測定装置によって、本第1実施形態の3軸歯車装置の
効果を確認するために、上記歯面に修整が施された歯車
より成る3軸歯車装置の伝達誤差を実測した。
【0038】すなわち、トランスファの伝達誤差測定装
置は、回転駆動源としてのモータ60と、該モータ60
の出力歯車に係合するタイミングベルト61と、該タイ
ミングベルト61によって回転駆動される弾性カップリ
ング62と、該弾性カップリング62に連結するととも
に支持板64に支持されたトランスファの入力軸1に連
結しているトルク計63と、該入力軸10に配設された
ロータリエンコーダ65と、中間軸20に配設されたロ
ータリエンコーダ68と、前記トランスファの出力軸に
弾性カップリング66を介して連結しているブレーキ6
7とから成るものである。
【0039】前記トランスファの伝達誤差測定装置によ
る実測結果は、図13に示される線図から明かなように
測定したトルク範囲全域に渡って伝達誤差が低くなって
おり、修整歯面の効果が確認できた。上記伝達誤差の実
測値が、前記図11に示される計算値との間に傾向の合
わないところが有るが、それは伝達誤差測定時の歯車軸
ミスアライメントが負荷変形計測時と異なっていること
が原因と考えられる。
【0040】また第1実施形態3軸歯車装置は、前記2
軸20の前記歯車2に対する前記第1および前記第2の
軸10、30の前記各歯車1、3の噛み合いとの作用線
上の位相差が正面法線ピッチの約1/2になるように、
前記1軸ないし3軸が配置されているので、噛み合う歯
車の歯対のばね剛さの変動による中間軸である前記2軸
20の前記歯車2での起振力を相殺するので、振動およ
び騒音を低減するという効果を奏する。
【0041】さらに第1実施形態の3軸歯車装置は、前
記各軸10、20、30の前記歯車1、2、3の歯面
が、歯幅方向の修整範囲の一端から他端までの中間にお
いて最大となり、前記一端と他端において最小となると
ともに、前記一端と他端とにおける修整量が一定範囲内
である2μm異なるような修整量で中央を基準にして略
対称に修整されているので、前記各軸の前記歯車が噛み
合うときの該歯車の歯面誤差による回転変動を効果的に
低減されるので、歯車対の相対回転変動である噛み合い
伝達誤差の変動を効果的に抑制して、振動および騒音を
有効に低減するという効果を奏する。
【0042】すなわち、図12に示されるように、合成
圧力角誤差が10μmであり、合成ねじれ角誤差が10
μmであった上記従来装置に対して、本第1実施形態装
置においては、合成圧力角誤差が0μmであり、合成ね
じれ角誤差が2μmであり、噛み合い伝達誤差を抑制す
るものである。
【0043】3軸歯車装置におけるギヤノイズは、入力
・出力歯車対の各噛み合い伝達誤差の低減とともに、図
15に示されるように入力軸10と中間軸20とに配設
された歯車対1、2の伝達誤差波形と中間軸20と出力
軸30とに配設された歯車対2、3の噛み合い伝達誤差
波形の相互作用によって決定され、すなわち前記入力軸
10ないし出力軸30に配設された歯車1ないし3に作
用する起振力の大きさに対応する噛み合い伝達誤差とギ
ヤノイズレベルとの相関が高いものである。
【0044】すなわち、図17において3軸歯車に作用
する起振力の大きさに対応する噛み合い伝達誤差が11
μrad以上の従来の装置は、80dB以上のノイズレ
ベルがあり、前記3軸歯車に作用する起振力の大きさに
対応する噛み合い伝達誤差が8μrad以下の本第1実
施形態装置については約75dBであり、振動および騒
音が低減されているという効果を確認することが出来る
ものである。
【0045】なお、本第1実施形態においては、3軸歯
車装置であるトランスファの構造から、図15に示され
るように入力・出力歯車対の噛み合い開始時期が約半ピ
ッチ位相がずれ、図16(A)および(B)に示される
ように各々の伝達誤差波形が逆位相の関係になるため、
中間軸20に配設された歯車2に作用する起振力の相殺
効果が推察される。
【0046】(第2実施形態)本第2実施形態の3軸歯
車装置は、前記第1実施形態装置における図1に示され
る略対称形の修整量パターンに対して、図18に示され
るように非対称形の修整量パターンに従い歯車の歯面を
修整する点が相違するものであり、以下相違点を中心に
説明する。
【0047】すなわち、図18において、基準平面80
は基準となるインボリュート歯面であり、該歯面におい
て前記歯幅方向の実際に接触する範囲Lwの一端81に
おいて0であり中央83に行くに従い修整量が増加し、
該中央83において最大値として略24μmの修整量で
あり、他端82に行くに従い修整量が減少し、該他端8
2においては17μmである。
【0048】前記歯たけ方向の実際に接触する範囲Lv
の一端84において略21μmであり前記他端82に行
くに従い修整量が徐々に減少し、該他端82においては
17μmである。
【0049】上記構成より成る第2実施形態の3軸歯車
装置は、図12に示すように合成圧力角誤差をほぼ0に
するもので、図11に示すように噛み合い伝達誤差の噛
み合い一次成分が従来装置に比べて低減されるもので、
歯車対の相対回転変動である噛み合い伝達誤差の変動を
抑制して、振動および騒音を低減するという効果を奏す
る。
【0050】噛み合う歯車を備えた軸間の平行度誤差と
食い違い誤差は、軸およびケース全体の剛性あるいは、
ケース軸受穴の位置度誤差によって決定されるので、図
18に示される修整量パターンの本第2実施形態装置
は、比較的軸およびケース全体の剛性が低いあるいは、
ケース軸受穴の位置度誤差が大きい3軸歯車装置に適し
ていることになる。
【0051】上述の実施形態は、説明のために例示した
もので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することができる本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0052】上述の実施形態においては、一例として軸
およびケース全体の剛性によって決定まる噛み合う歯車
を備えた軸間の平行度誤差と食い違い誤差に基づき、歯
車の歯面が修整された例について説明したが、本発明と
してはそれらに限定されるものでは無く、3軸歯車装置
およびトランスファの軸およびケース全体の剛性に基づ
く軸間の平行度誤差と食い違い誤差応じて幾多の態様が
採用されるものである。
【0053】上述の実施形態においては、3軸歯車装置
を例に説明したが、本発明は遊星歯車装置にも応用が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における歯車の歯面の3
次元修整量パターンを示す線図である。
【図2】本第1実施形態における各歯車の噛み合い状況
を示す説明図である。
【図3】本第1実施形態における歯面修整のフローを示
すチャート図である。
【図4】本第1実施形態において用いられるトランスフ
ァの負荷変形測定装置を示す側面図である。
【図5】本第1実施形態の各歯車軸の作用力の方向を示
す説明図である。
【図6】本第1実施形態の入力軸の負荷変形の測定結果
を示す線図である。
【図7】本第1実施形態の中間軸の負荷変形の測定結果
を示す線図である。
【図8】本第1実施形態の出力軸の負荷変形の測定結果
を示す線図である。
【図9】本第1実施形態において用いられるトランスフ
ァの伝達誤差測定装置を示す側面図である。
【図10】本第1実施形態における噛み合う歯車を備え
た軸間の平行度誤差と食い違い誤差を説明するための説
明図である。
【図11】本第1および第2実施形態における修整歯面
の伝達誤差計算値を示す線図である。
【図12】本第1および第2実施形態の合成圧力角誤差
および合成ねじれ角誤差を示す線図である。
【図13】本第1実施形態における伝達誤差の計算値お
よび実測値を示す線図である。
【図14】本第1実施形態における歯面修整を説明する
ための線図である。
【図15】本第1実施形態における3軸歯車装置に作用
する起振力の大きさに対応する噛み合い伝達誤差を説明
するための説明図である。
【図16】本第1実施形態における歯のばね剛さおよび
かみあい伝達誤差の時間的変化を示す線図である。
【図17】本第1実施形態における3軸歯車に作用する
起振力の大きさに対応する伝達誤差計算値およびノイズ
レベル実測値を示す線図である。
【図18】本発明の第2実施形態における歯車の歯面の
3次元修整量パターンを示す線図である。
【図19】従来装置における各歯車の噛み合い状況を示
す説明図である。
【符号の説明】
1、2、3 歯車 10 1軸 20 2軸 30 3軸 71 修整範囲の一端 72 修整範囲の他端 73 修整範囲の中間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 所 博治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 吉川 和男 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 木村 潤三 愛知県西尾市小島町城山1番地 アイシ ン・エーアイ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2軸の歯車にそれぞれ噛み合う1軸の歯
    車と3軸の歯車とを備えた3軸歯車装置において、 前記各軸の歯車の歯面が、歯面誤差による回転変動を相
    殺するように修整されていることを特徴とする3軸歯車
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記2軸の前記歯車に対する前記第1および前記第3の
    軸の前記各歯車の噛み合いとの作用線上の位相差が、正
    面法線ピッチの約1/2になるように前記1軸ないし3
    軸を配置したことを特徴とする3軸歯車装置。
  3. 【請求項3】 歯車の歯面の修整量が、該歯車によって
    噛み合う軸間の平行度誤差と食い違い誤差に基づき決定
    されていることを特徴とする歯車装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記歯面の修整量は、歯幅方向の修整範囲の一端から他
    端までの中間において最大となり、前記一端と他端にお
    いて最小となるとともに、 前記一端と他端とにおける修整量が一定範囲内で異なる
    ことを特徴とする歯車装置。
JP31728695A 1995-11-10 1995-11-10 3軸歯車装置及び歯車装置 Pending JPH09133187A (ja)

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