JP2010169146A - 駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い頻度で同期をとるための調整作業を実行しなくても、周辺機器との同期を確実にとることができ、高い信頼性を確保できる駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動ユニット20では、ヘッド26に、線状伝達部材としてのチェーン215を介した状態で、回転軸213a,214aが接続されており、当該回転軸213a,214aが、ヘッド26のスライド移動量に応じた角度だけ回転するとともに、一端が外方に延出されている。なお、チェーン215は、回転軸213a,214aのそれぞれに取り付けられたスプロケット213,214の間にループ状に張架されている。
また、チェーン218をベース体に対し取り付けるための連結ブロック219は、ベース体に対し、ワイヤ2191、2192の調整によりX軸方向に位置調整自在となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動装置に関し、特に、同期駆動のための機構に関する。
生産現場などにおいて使用される設備では、ワークの搬送や位置決め、または切り出しなどのために、ロッドやプレートがスライドする装置が組み込まれている。このような駆動装置の具体例としては、例えば、空圧シリンダのロッド端にプレートを取り付けた装置や、シリンダのロッド伸縮方向に並行してガイドを付帯することでプレートなどのガタツキを防止する機構が組み込まれた装置などがある。また、バネの弾性力を用いてロッド伸縮時におけるスムースな駆動を確保しようとする装置なども提案されている(特許文献1)。
ところで、上記駆動装置が組み込まれた設備は、システムとして運転されるものであり、駆動装置の動きに連動して他の機器が駆動する、ということが通常である。このような装置の駆動に際するシステム制御においては、駆動装置におけるロッドに対応して接触(例えば、リミットスイッチ)あるいは非接触(例えば、光電センサや磁気センサ)のセンサが設けられ、このセンサからの検知信号を基に、他の装置の駆動における同期がとられている。
また、2台の駆動装置間をチェーンおよびシャフトによって連結し、これにより2台の駆動装置における同期運転を実行しようとする技術も提案されている(特許文献2)。
特開2004−200488号公報 特開2000−108852号公報
しかしながら、上記従来の装置では、他の機器との同期をとるためのセンサの感度調整などに手間がかかり、汚れなどに起因して再調整が必要となる場合もある。このため、正確に同期をとって複数の機器を連動させようとする場合には、装置設置の初期だけでなく、その後においても同期をとるための調整が必要となり、ランニングコストの上昇を招いてしまう。
また、上記従来の装置では、同期をとるための調整を行った後、次の調整を行うまでの間においては、確実な同期がとれているという保証がなく、システムとして同期不良を発生することも考えられる。
さらに、上記特許文献2で提案されている技術では、2台の駆動装置間をチェーンおよびシャフトで連結しているので、初期における2台の駆動装置の駆動部分の位置調整や、チェーンの伸びなどを生じた際の位置調整などが困難である。特に、特許文献2で提案の装置では、同期のためにチェーンを用いているので、微細な位置調整を行うことが非常に困難である。
本発明は、上記問題の解決を図るべくなされたものであって、高い頻度で同期をとるための再調整を実行しなくても、周辺機器との同期を正確にとることができ、高い信頼性を確保できる駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る駆動装置は、位置基準となるベース体と、当該ベース体に対し相対的に移動自在に構成されたヘッドと、前記ヘッドの移動のための駆動力を発生する駆動源とを、主な構成要素として有する。
ここで、駆動源は、ベース体に対し相対的にスライド駆動する可動部を有し構成されており、可動部は、これに軸支された第1および第2の軸と、第1および第2の軸周りにループ状に張架された第1の線状伝達部材とを有する。そして、第1の線状伝達部材は、チェーンまたはタイミングベルトであって、両端がベース体に取り付けられた連結部で連結されてループ状となっている。
本発明に係る駆動装置の連結部は、ベース体に対し、可動部のスライド方向に位置調整自在となっており、ヘッドは、第1の線状伝達部材に対し、連結部で連結された箇所とは第1および第2の軸を挟みループ反対側となる箇所で接続されている。
さらに、ヘッドには、チェーンまたはタイミングベルトからなる第2の線状伝達部材を介して、回転軸が接続されており、回転軸は、一端が外方に延出され、ヘッドの移動量に応じた角度だけ回転することを特徴とする。
本発明に係る駆動装置では、回転軸の一端が外方に延出されている。そして、回転軸は、ヘッドの移動量に応じた角度だけ回転するので、回転軸における延出された一端からヘッドの移動量に関する情報が出力されることになる。ここで、ヘッドと回転軸とは、線状伝達部材を介した状態で接続されているので、従来のように、光電センサや磁気センサなどでヘッドの移動量を検知する場合に比べて、高い精度での移動量の検知が可能であり、また、汚れなどによる再調整を必要とすることがない。
また、本発明に係る駆動装置では、連結部が、駆動源における可動部のスライド方向に位置調整自在となっている。このため、装置の初期調整時およびメインテナンス時においては、可動部を位置調整することでヘッドの初期位置を正確に規定することができる。よって、本発明に係る駆動装置では、駆動時間の長短にかかわらず、周辺機器などとの同期を確実にとることができる。
以上のように、本発明に係る駆動装置では、高い頻度で同期をとるための再調整を実行しなくても、周辺機器との同期を確実にとることができ、高い信頼性を確保できる。
上記本発明に係る駆動装置では、例えば、次のようなバリエーションを採用し得る。
上記本発明に係る駆動装置では、第2の線状伝達部材が、ベース体に軸支された第3および第4の軸周りにループ状に張架されており、ヘッドが、第2の線状伝達部材の一部箇所に接続されており、第3の軸が前記回転軸として機能する、という構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る駆動装置では、連結部が、第1の線状伝達部材の一端に取り付けられた第1のブラケットと、他端に取り付けられた第2のブラケットと、第1のブラケットと第2のブラケットとを緊結する緊結部材と、緊結部材で緊結された状態の前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットとを締結する第3のブラケットとを有し構成されており、連結部における第3のブラケットに、駆動源における可動部のスライド方向の両側に張設された第1および第2の線条体が連結されている。そして、第1および第2の線条体は、それぞれがベース体に対して螺合により連結されている、という構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る駆動装置では、駆動源が直動シリンダであって、ベース体に取り付けられている、という構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る駆動装置では、回転軸の軸芯が、ヘッドの移動方向に対し交差する方向となる状態に配されている、という構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る駆動装置では、回転軸における上記外方に露出された一端において、回転角検出用のセンサが取り付けられている、という構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る駆動装置では、センサからの出力線が、制御部を介して、サーボモータまたはステッピングモータに接続されている、という構成を採用することができる。
実施の形態1に係る同期駆動システム1の外観構成を示す斜視図である。 同期駆動システム1の構成の内の一方の駆動ユニット20の要部構成を示す模式上面図および模式側面図である。 同期駆動システム1における連結ブロック219の位置調整機構を示す模式側面図である。 同期駆動システム1の構成の内の一方の駆動ユニット20の要部構成を示す模式側面図である。 駆動ユニット20の駆動形態を示す模式図である。 駆動ユニット20の駆動形態を示す模式図である。 実施の形態2に係る同期駆動システム4の外観構成を示す斜視図である。 実施の形態3に係る同期駆動システム5の外観構成を示す斜視図である。 実施の形態4に係る同期駆動システム7の外観構成を示す斜視図である。
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下の説明に係る実施の形態は、本発明の構成上の特徴および当該特徴的構成から奏される作用効果を分かりやすく説明するための一例として用いるものであって、本発明は、その本質的な特徴部分を除き、以下の内容に何ら限定を受けるものではない。
[実施の形態1]
1.同期駆動システム1の構成
実施の形態1に係る同期駆動システム1の構成について、図1を用い説明する。図1は、二台の駆動ユニット10,20を備える同期駆動システム1の外観構成を示す斜視図である。
図1に示すように、同期駆動システム1では、二台の駆動ユニット10,20が、Y軸方向に間隔をあけて並設されている。そして、駆動ユニット10と駆動ユニット20とは、X軸方向手前において、コネクティングロッド30で連結されている。
駆動ユニット10,20は、各々が箱状のベース体11,21を備え、各ベース体11,21上にX軸方向にスライド移動自在のヘッド16,26が設けられている。ヘッド16,26は、それぞれガイド12,13およびガイド22,23に沿ってスライド移動できるようになっている。
各駆動ユニット10,20において、ガイド12,13およびガイド22,23は、ベース体11,21に対し、そのX軸方向両端にZ軸方向に立設されたエンドプレート14,15,24,25に端部が固定されている。
駆動ユニット10と駆動ユニット20との間に設けられているコネクティングロッド30は、ベース体11,21から外方に延出された出力端111(図示の都合上、ベース体21からの出力端については図示を省略。)に取り付けられている。なお、コネクティングロッド30は、出力端111とともに回転する。
なお、各駆動ユニット10,20には、X軸方向右奥部分にも出力端112(図示の都合上、ベース体21からの出力端については図示を省略。)が延出されている。また、各駆動ユニット10,20におけるベース体11,21のX軸方向両端部分には、調整ボルト1194,2194,2193、・・が延出されており、各々に調整ナット1196,2196,・・が螺合されている。これらについては、後述する。
2.駆動ユニット10,20の要部構成
駆動ユニット10,20の要部構成について、図2から図4を用い説明する。なお、図2から図4では、駆動ユニット20についての構成を示すが、駆動ユニット10についても、基本的に同一の構成を有する。
a)駆動に係る機構
図2(a)に示すように、駆動ユニット20におけるベース体21の内部には、空圧で駆動するシリンダ210が収納されている。シリンダ210におけるロッド210aの一端は、エンドプレート24に固定されており、他端は、エンドプレート25に固定されている。シリンダ210の本体部分は、エアの供給を受けて、エンドプレート24とエンドプレート25との間を、X軸方向に往復する。
図2(a)に示すように、駆動ユニット20のベース体21には、X軸方向の両端部分であって、図のY軸方向上側部分に、2つのスプロケット213,214が設けられている。スプロケット213は、出力軸211に接合されており、スプロケット214は、出力軸212に接合されている。そして、スプロケット213とスプロケット214との間には、ループ状にチェーン215が張架されている。なお、図2では、図示の簡便のため、一点鎖線を以ってチェーンを示している。
一方、ベース体21に収納されたシリンダ210の駆動部分には、2つのスプロケット216,217が取り付けられている。そして、スプロケット216とスプロケット217との間には、ループ状にチェーン218が張架されている。
次に、図2(b)を用い、スプロケット216,217およびチェーン218と、ヘッド26およびベース体21との関係について説明する。図2(b)は、図2(a)における駆動ユニット20を矢印Aの方向から見た図である。
図2(b)に示すように、ループ状に張架されたチェーン218は、ループの下部分でベース体21に設けられた連結ブロック219に接続されている。また、チェーン218は、ループの上部分でヘッド26に設けられた接続ブラケット261に接続されている。
連結ブロック219からはX軸両方向に向けてワイヤ2191,2192が延出されており、各ワイヤ2191,2192の端に接続された調整ボルト2193,2194が、上記のように調整ナット2195,2195で螺合されている。これにより、ワイヤ2191,2192は、ベース体11の内部で張架されている。
シリンダ210におけるロッド210aは、エンドプレート24とエンドプレート25との間に設けられており、スプロケット216,217が設けられたシリンダ210の本体は、エアの供給を受けてX軸方向の左右に移動する。これに呼応して、ヘッド26もX軸方向の左右にスライド移動する。
b)連結ブロック219の位置調整機構
駆動ユニット20における連結ブロック219の位置調整機構について、図3を用い説明する。
図3(a)に示すように、連結ブロック219は、3つのブラケット2197,2198,2199を有し構成されている。ブラケット2197,2198には、チェーン218の各端が連結されており、互いがボルト2202により緊結されている。また、ブラケット2197とブラケット2198とは、ブラケット2199に対しボルト2200,2201により緊結されている。
図3(b)に示すように、ブラケット2197,2198の各々には、ワイヤ2191,2192を止める孔が設けられている。ブラケット2197とブラケット2198とは、ワイヤ2191,2192が張架されるように締結されている。
以上のように、チェーン218が連結される連結ブロック219は、ベース体11に対しワイヤ2191,2192により位置調整自在に設けられている。即ち、ベース体11における連結ブロック219の位置は、ワイヤ2191,2192の各端に設けられた調整ボルト2193,2194とこれに螺合された調整ナット2195,2196とにより調整自在になっている。なお、図示および説明を省略したが、駆動ユニット20においても同様の調整機構が設けられている。
従って、本実施の形態に係る同期駆動システム1では、ベース体11,21に対するヘッド16,26の位置、および駆動ユニット10,20の相互間でのヘッド16,26の位置を正確に調整することができる。なお、ヘッド16,26の位置調整については、初期段階だけでなく、駆動によりチェーン218が延びたような場合にも可能である。
c)同期に係る機構
次に、図4を用い、スプロケット213,214およびチェーン215と、ヘッド26およびベース体21との関係について説明する。図4は、図2(a)における駆動ユニット20を矢印Bの方向から見た図である。
図4に示すように、ループ状に張架されたチェーン215は、ループの上部分でヘッド26の設けられた接続ブラケット262に接続されている。スプロケット213,214は、ベース体21に固定されているので、ヘッド26の移動量に対応した角度だけ回転することになる。
3.駆動ユニット20におけるヘッド26の移動
駆動ユニット20におけるヘッド26およびこれに連関した各部の動作について、図5および図6を用い説明する。図5および図6は、駆動ユニット20の構成を模式的に描いたものである。
図5(a)および図5(b)に示すように、シリンダ210の本体が、X軸方向の左端から右端へと距離Lだけ移動した場合、ヘッド26は、X軸方向の左端から右端へと距離(2×L)だけ移動する(スライド移動Sl)。ここで、シリンダ210の本体の移動距離Lとヘッド26の移動距離(2×L)とは、チェーン218が、ループの下部分でベース体21に設けられた連結ブロック219に接続され、ループの上部分でヘッド26に設けられた接続ブラケット261に接続されていることによるものである。
具体的には、シリンダ210の本体がX軸方向の左側から右側へと移動すると、これに伴いスプロケット216,217が回転する(Rot.2,Rot.3)。そして、チェーン218は、連結ブロック219に接続されているので、ヘッド26は、シリンダ210の本体の移動量(L)と、シリンダ210の本体に対するヘッド26の相対的な移動量(L)との合算分だけ移動することなる。即ち、本実施の形態に係る駆動ユニット20では、ヘッド26の移動に関し、倍速機構を採用している。
なお、駆動ユニット10についても、駆動ユニット20と同一の機構を備え、同様の動作を実行する。
次に、図6(a)および図6(b)に示すように、シリンダ210の本体の移動に伴いヘッド26がスライド移動すると(スライド移動Sl)、もう一方に張架されたチェーン215が、スプロケット213とスプロケット214との間で回転駆動する。そして、スプロケット213およびスプロケット214の各回転(Rot.4,Rot.5)は、その軸芯213a,214aを介して、これらに接続された出力端211,212(図2を参照。)に伝えられる。
4.同期駆動システム1における同期動作
同期駆動システム1における同期動作について、図1を用い説明する。
上記のように、駆動ユニット10,20におけるヘッド16,26がX軸方向にスライド移動した場合には(スライド移動Sl,Sl)、この移動量に応じて出力端111,112,211,212(出力端211,212については、図2を参照。)が回転する。そして、駆動ユニット10の出力端111と駆動ユニット20の出力端211(図1では、図示を省略。)とは、コネクティングロッド30で連結されている。このため、ヘッド16のスライド移動Slの量とヘッド26のスライド移動Slの量とは、コネクティングロッド30の回転角Rot.1に対応することになり、結果としてヘッド16とヘッド26とが同期して移動する。
なお、本実施の形態に係る同期駆動システム1では、駆動ユニット10におけるヘッド16と駆動ユニット20におけるヘッド26とが、間にチェーン215およびコネクティングロッド30を介する状態で直に接続されているので、上記従来技術のように非接触センサなどを用い同期を図る場合に比べて、高い同期の精度を長く維持することができる。そして、本実施の形態に係る同期駆動システム1では、同期のための調整作業などを必要とせず、低いランニングコストでの同期駆動を実現することができる。
また、本実施の形態に係る同期駆動システム1では、変位センサや磁気センサなどを用いなくても同期移動が可能であり、装置コストという観点から優位である。
さらに、図2(b)および図3に示すように、同期駆動システム1では、ヘッド16,26のスライド駆動に係るチェーン218が連結ブロック219に連結され、連結ブロック219は、ベース体21に対して位置調整自在になっている。このため、同期駆動システム1では、ヘッド16とヘッド26の相対的な位置を正確に調整することができ、また、チェーン218が緩んだ場合などに再調整を実行することが容易である。よって、同期駆動システム1では、正確な同期駆動を実行可能であり、駆動が長期に及んだ場合にも再調整により正確な同期駆動を確保することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る同期駆動システム4の構成について、図7を用い説明する。図7では、同期駆動システム4の要部を抜き出して示している。
図7に示すように、本実施の形態に係る同期駆動システム4は、X軸方向にスライド移動Slするヘッド46を備える駆動ユニット40と、この出力軸411の回転角Rot.6を検出するための回転角検出センサ48と、検出された回転角を演算処理する制御器49と、サーボモータ(図示を省略。)とを備える。
駆動ユニット40は、上記駆動ユニット10,20と同様の構成を有しており、ベース体41の内方には、ヘッド46に連結されたシリンダが収納されており、チェーンを介して出力端411,412に接続されている。これより、シリンダへのエア供給により、ヘッド46は、エンドプレート44,45の間に設けられた2本のガイド42,43に沿ってスライド移動Slする。
なお、本実施の形態に係る同期駆動システム4においても、ヘッド46の駆動に係るチェーンは、ベース体41に対して連結ブロックを介して連結されている。そして、連結ブロックは、上記実施の形態1と同様に、2本のワイヤにより位置調整自在になっている。即ち、ワイヤの端に接続された調整ボルト4194と調整ナット4196とで位置調整ができるようになっている。これらの詳細構造については、図3と同様である。
上記のように、ヘッド46がX軸方向にスライド移動Slする場合において、当該スライド移動Slの量に応じた回転角Rot.6をもって出力端411,412が回転する。そして、X軸方向左側の出力端411には、ギア47が接続されており、当該ギア47に対しては、回転角検出センサ48のギア481が噛合している。
回転角検出センサ48には、信号線を介して制御器49に接続されている。回転角検出センサ48により検出された出力端411の回転角は、制御器49で演算処理され、サーボモータのドライバ(図示を省略。)に対して駆動に関する命令を出力する。
本実施の形態に係る同期駆動システム4では、出力端411の回転角Rot.6を基に、サーボモータが同期駆動することになる。なお、出力端411の回転角Rot.6は、上記実施の形態1に係る同期駆動システム1と同様に、ヘッド46のスライド移動Slの量に応じた角度となっている。このため、同期駆動システム4においては、ヘッド46のスライド移動Slと、サーボモータの駆動とを、長期にわたって高い精度を維持しながら同期駆動させることができる。
また、本実施の形態に係る同期駆動システム4においても、同期のための調整作業などを必要とせず、低いランニングコストでの同期駆動を実現することができる。
さらに、本実施の形態においても、ヘッド46の駆動に係るチェーンが、ベース体41に対して位置調整自在になっているので、駆動前におけるヘッド46の正確な位置調整、および駆動が長期に及んだ場合の再調整が実行できる。このため、同期駆動システム4においても、正確な同期駆動が可能である。
[実施の形態3]
実施の形態3に係る同期駆動システム5の構成について、図8を用い説明する。
図8に示すように、本実施の形態に係る同期駆動システム5は、X軸方向にヘッド56がスライド移動Slする駆動ユニット50と、ヘッド56のスライド移動Slの量に応じた角度Rot.10で回転するチャック60とを主要な要素として構成されている。駆動ユニット50は、上記実施の形態1に係る駆動ユニット10,20と基本的に同一の構成を有しており、ヘッド56をX軸方向にスライド移動Slするためのシリンダがベース体51に収納されている。
出力端511,512は、ベース体51に対し、チェーン(図示を省略。)を介して接続されており、ベース体51におけるY軸方向手前の壁面から延出されている。出力端511,512には、各々にスプロケット571,572が取り付けられている。
また、ベース体51におけるX軸方向両端からは、調整ボルト5194,・・が延出され、調整ナット5196,・・と螺合されている。調整ボルト5194,・・は、ベース体51内の連結ブロックに繋がっているものであって、ヘッド56の位置調整のために設けられている。これらの構造については、図3に示すものと同様である。
チャック60からは、Y軸方向手前に向けてシャフト59が延設されており、当該シャフト59は、ヘッド56を貫通してその延出端にスプロケット591が取り付けられている。なお、シャフト59は、ヘッド56の内部において軸支されている。また、ヘッド56におけるY軸方向手前の側壁には、2つのスプロケット592,593が取り付けられており、スプロケット592,593の取り付けに係る部分は搖動自在でとなっている。
スプロケット571,572,592,593,591には、ループ状にチェーン58が張架されている。そして、チェーン58に対しては、スプロケット592,593が弾性力をもって、テンションを一定に保つ役割を果たす(チェーンテンショナ)。
同期駆動システム5では、ベース体51内に収納されたシリンダへのエア供給により、ヘッド56がガイド52,53に沿ってX軸方向にスライド移動Slする。そして、出力端511,512は、ヘッド56のスライド移動Slの量に応じて回転し(回転角Rot.7,8)、スプロケット571,572,591およびチェーン58を介して、駆動力がシャフト59へと伝達される。シャフト59は、スプロケット571,572とスプロケット591との比により、回転角Rot.9だけ回転する。即ち、チャック60は、ヘッド56のスライド移動Slの量に応じた回転角Rot.10だけ回転することになる。
以上のように、本実施の形態に係る同期駆動システム5では、ヘッド56のスライド移動Slと、チャック60の回転(回転角Rot.10)とが同期する。これより、本実施の形態に係る同期駆動システム5においても、上記実施の形態1〜3と同様に、ランニングコストの上昇を招くことなく、確実に複数の駆動装置(駆動ユニット50とチャック60)の同期駆動が実現できる。また、本実施の形態においても、調整ボルト5194と調整ナット5196との螺合度合により、ベース体51に対するヘッド56の位置を正確に調整することができる。
[実施の形態4]
実施の形態4に係る同期駆動システム7の構成について、図9を用い説明する。
図9に示すように、本実施の形態に係る同期駆動システム7では、互いに並設された2台の駆動ユニット70,80を備える。そして、同期駆動システム7では、上記実施の形態1に係る同期駆動システム1と基本的に同様の構成を有し、互いの出力端712(駆動ユニット80の出力端については、図示を省略。)がコネクティングロッド90により連結されている。
本実施の形態に係る同期駆動システム7と、上記実施の形態1に係る同期駆動システム1との差異は、2台の駆動ユニット70,80における各ヘッド76,86がコネクティングプレート91で連結されている点である。これは、本実施の形態に係る同期駆動システム7が、リフト装置を想定するためである。
同期駆動システム7においては、駆動ユニット70,80の各ベース体71,81の内部に収納されたシリンダに対し、エアが供給されることにより、ヘッド76,86およびこれに連結されたコネクティングプレート91が、スライド移動Slする。そして、このとき、駆動ユニット70と駆動ユニット80とは、互いのヘッド76,86のスライド移動Slの量が、コネクティングロッド90の回転角Rot.11により規定されている。このため、同期駆動システム7においては、ヘッド76とヘッド86とが、同期した状態でガイド72,73,82,83に沿って移動することとなり、コネクティングプレート91が、スムースにX軸方向に移動する。
本実施の形態に係る同期駆動システム7においても、システム稼働時における調整作業を行わなくても、2台の駆動ユニット70,80の同期状態を維持することができる。
また、本実施の形態に係る同期駆動システム7においても、調整ボルト7194,8194,・・と調整ナット7196,8196,・・との螺合により、ベース体71,81に対するヘッド76,86の位置を正確に調整することができ、正確な同期駆動を実現することができる。
[その他の事項]
上記実施の形態1などでは、2台の駆動ユニット10,20の各ヘッド16,26が平行にスライド移動する構成を採用したが、必ずしも平行にスライド移動する必要はない。例えば、コネクティングロッド30,90の途中部分にリンク機構などを介挿させておけば、互いのスライド移動の方向を種々に変更することができる。
また、上記実施の形態1などでは、2台の駆動ユニット10,20の駆動を同期させることとしたが、3台以上の駆動ユニットを同期駆動させることもできる。例えば、コネクティングロッド30にギアなどを設けておき、このギアにより動力を分岐する構成を採用することもできる。
また、上記実施の形態1などでは、駆動ユニット10,20におけるヘッド16,26がスライド移動する構成を一例として採用したが、駆動ユニットにおけるヘッドは、必ずしもスライド移動する必要はない。例えば、円運動や搖動することとしてもよい。この場合においても、当該ヘッドの移動量を出力端に出力できれば、他の駆動ユニットを同期駆動させることができる。
また、上記実施の形態1などでは、シリンダ210とヘッド26との連結、ヘッド26と出力端211,212との連結にチェーン215,218を用いることとしたが、必ずしもチェーンを採用する必要はない。例えば、タイミングベルトやVベルト、さらにはワイヤなどを用いることもできる。
また、上記実施の形態2では、同期駆動する一方の要素をサーボモータとしたが、ステッピングモータやロータリアクチュエータなどとすることもできる。
本発明は、ワークの搬送や位置決め、さらには、切り出しや昇降などのために、ロッドやプレートがスライドなどの駆動をすることができるものであって、他の装置との同期を確実に図ることができる駆動装置を実現するのに有効である。
1,4,5,7.同期駆動システム
10,20,40,50,70,80.駆動ユニット
11,21,41,51,71,81.ベース体
12,13,22,23,42,43,52,53,72,73,82,83.ガイド
14,15,24,25,44,45,54,55,74,75,84,85.エンドプレート
16,26,46,56,76,86.ヘッド
30,90.コネクティングロッド
47,481.ギア
48.回転角検出センサ
49.制御器
59.シャフト
60.チャック
91.コネクティングプレート
111,112,211,212,411,412,511,512,712.出力端
210.シリンダ
213,214,216,217,571,572,591,592,593.スプロケット
58,215,218.チェーン
219.連結ブロック
261,262.接続ブラケット
2191,2192.ワイヤ
2193,2194,4194,5194,7194,8194.調整ボルト
2195,2196,4196,5196,7196,8196.調整ナット
2197,2198,2199.ブラケット
2200,2201,2202.ボルト

Claims (7)

  1. 位置基準となるベース体と、当該ベース体に対し相対的に移動自在に構成されたヘッドと、前記ヘッドの移動のための駆動力を発生する駆動源とを有する駆動装置であって、
    前記駆動源は、前記ベース体に対し相対的にスライド駆動する可動部を有し構成され、
    前記可動部は、これに軸支された第1および第2の軸と、前記第1および第2の軸周りにループ状に張架された第1の線状伝達部材とを有し、
    前記第1の線状伝達部材は、チェーンまたはタイミングベルトであって、両端が前記ベース体に取り付けられた連結部で連結されてループ状となっており、
    前記連結部は、前記ベース体に対し、前記可動部のスライド方向に位置調整自在となっており、
    前記ヘッドは、前記第1の線状伝達部材に対し、前記連結部で連結された箇所とは前記第1および第2の軸を挟みループ反対側となる箇所で接続されており、
    さらに、
    前記ヘッドには、チェーンまたはタイミングベルトからなる第2の線状伝達部材を介して、回転軸が接続されており、
    前記回転軸は、一端が外方に延出され、前記ヘッドの移動量に応じた角度だけ回転する
    ことを特徴とする駆動装置。
  2. 前記第2の線状伝達部材は、前記ベース体に軸支された第3および第4の軸周りにループ状に張架されており、
    前記ヘッドは、前記第2の線状伝達部材の一部箇所に接続されており、
    前記第3の軸が前記回転軸である
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記連結部は、前記第1の線状伝達部材の一端に取り付けられた第1のブラケットと、他端に取り付けられた第2のブラケットと、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットとを緊結する緊結部材と、前記緊結部材で緊結された状態の前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットとを締結する第3のブラケットとを有し構成されており、
    前記連結部における前記第3のブラケットには、前記可動部のスライド方向の両側に張設された第1および第2の線条体が連結されており、
    前記第1および第2の線条体は、それぞれが前記ベース体に対して螺合により連結されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記駆動源は、直動シリンダであって、前記ベース体に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の駆動装置。
  5. 前記回転軸は、その軸芯が、前記ヘッドの移動方向に対し交差する方向となる状態に配されている
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の駆動装置。
  6. 前記回転軸には、前記外方に露出された一端において、回転角検出用のセンサが取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の駆動装置。
  7. 前記センサからの出力線は、制御部を介して、サーボモータまたはステッピングモータに接続されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
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