JP2010169129A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動力伝達装置の小型化及び軽量化を図って車両への搭載性を向上させる。
【解決手段】夫々複数の変速段を成立させる第1変速手段5と第2変速手段7とを設ける。第1変速手段5の第1入力軸4に第1入力クラッチ12を介して第1入力側伝達軸10を接続自在とする。第1入力側伝達軸10に副軸8の中間伝達ギヤ16を介して接続された第2入力側伝達軸14を、第2入力クラッチ13を介して第2変速手段7の第2入力軸6に接続自在とする。動力源2からの回転を差動機構11を介して第1入力側伝達軸10に伝達する。差動機構11は、動力源2からの回転が入力される第1回転要素Rfと、第1入力側伝達軸10に連結され、第1回転要素Rfに第1係合要素29を介して解除自在に連結される第2回転要素Cfと、差動機構11が収容された変速機ケース1aに第2係合要素30を介して解除自在に連結固定される第3回転要素Sfとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力源の回転駆動力を変速して出力する車両用動力伝達装置に関する。
従来、この種の車両用動力伝達装置として、複数の変速段を成立させるように構成された主変速機を備えると共に、複数の変速段を成立させるように構成されたプラネタリギヤによる副変速機を備え、エンジン等の動力源からの動力を副変速機を介して主変速機に入力することにより、より多くの変速段を成立させることを可能としたものが知られている(下記特許文献1参照)。
特開2004−100941
上記従来の車両用動力伝達装置は、主変速機が入力軸に配設された複数の変速用駆動ギヤと出力軸に配設されて各変速用駆動ギヤに噛合する複数の変速用従動ギヤとを備えている。このため、主変速機において成立する変速段数に応じて入力軸及び出力軸の軸長が長くなり、動力伝達装置の小型化及び軽量化が困難となる不都合があった。
以上の点に鑑み、本発明は動力伝達装置の小型化及び軽量化を図って車両への搭載性を向上させた車両用動力伝達装置を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するために、本発明は、動力源の回転駆動力を変速して出力する車両用動力伝達装置において、第1入力軸を有して複数の変速段を成立させる第1変速手段と、第1入力軸に第1入力クラッチにより切り離し自在に連結されて該第1入力軸に動力源からの回転を伝達する第1入力側伝達軸と、第1入力軸と平行の第2入力軸を有して第1変速手段と異なる複数の変速段を成立させる第2変速手段と、第1入力側伝達軸に平行に配置された副軸が備える中間伝達ギヤを介して第1入力側伝達軸に接続され、第2入力軸に第2入力クラッチにより切り離し自在に連結されて該第2入力軸に動力源からの回転を伝達する第2入力側伝達軸と、第1入力軸及び第2入力軸に平行に配置され、第1入力軸と第2入力軸とが夫々のギヤ列を介して選択的に接続される出力軸と、互いに差動回転する少なくとも3つの回転要素と少なくとも2つの係合要素とにより構成された差動機構とを備えてなり、該差動機構は、動力源からの回転が入力される第1回転要素と、第1入力側伝達軸に連結され、第1回転要素に第1係合要素を介して解除自在に連結される第2回転要素と、差動機構が収容された変速機ケースに第2係合要素を介して解除自在に連結固定される第3回転要素とを備えることを特徴とする。
本発明は、第1〜第3回転要素により構成された前記差動機構を設けて、動力源からの回転を第1回転要素に入力し、第2回転要素からは、第1入力側伝達軸と中間伝達ギヤを介して第2入力側伝達軸とへ出力する。そして、差動機構は、前記第1係合要素により第1回転要素と第2回転要素との連結・切り離しが行えるようにしたので、第1変速手段及び第2変速手段の上流側で低速段と高速段とを成立させることができる。
これにより、第1変速手段と第2変速手段とで成立させる変速段を、差動機構により倍増させることができるので、第1変速手段と第2変速手段とで変速段を成立させるギヤ数を増加させることなく、変速段数を増加させることができる。しかも、前記差動機構の第2回転要素からの動力は、第1入力クラッチと第2入力クラッチとを介して第1変速手段の第1入力軸と第2変速手段の第2入力軸とに選択的に伝達され、第1変速手段による変速段と第2変速手段による変速段とを切り換えて単一の出力軸へ伝達するので、第1変速手段及び第2変速手段の軸長を短く構成することができる。従って、本発明によれば、小型化及び軽量化が容易となって車両への搭載性を向上させることができる。
また、本発明において、前記副軸は、前記出力軸に接続された後進用駆動ギヤを回転自在に備えると共に、該後進用駆動ギヤの副軸への連結・切り離しを行う後進用同期連結手段を備えることを特徴とする。これによれば、第1入力側伝達軸から第2入力側伝達軸へ動力を伝達するための前記中間伝達ギヤを支持する副軸を利用して後進用駆動ギヤを支持することができ、軸数を減少させて小型化することができる。
ところで、上記構成の車両用動力伝達装置では、車両の発進や前進走行中における前進用の各変速段への切換え時には、第1入力クラッチや第2入力クラッチの作動により第1入力軸や第2入力軸への急激な回転伝達が防止できるため円滑な変速段の切換えが可能である。また、車両を後進させるとき、車両が停止状態では、後進用駆動ギヤと副軸との回転速度差が小さいので後進用同期連結手段による後進用駆動ギヤと副軸との同期係合が円滑に行える。しかし、車両が前進しているとき、中間伝達ギヤにより副軸が第1入力側伝達軸と逆方向に回転した状態となる一方、副軸から切り離された状態にある後進用駆動ギヤは出力軸から回転が伝達されて第1入力側伝達軸と同方向に回転するため、副軸と逆方向に回転した状態となる。このため、車両が比較的速い速度で前進しているとき、車両の停止を待たずに後進段への切換え操作が行われると、後進用駆動ギヤと副軸との回転速度差が大きく、後進用同期連結手段による同期が不十分となって係合時に異音(いわゆるギヤ鳴り)が発生する場合がある。
そこで、本発明においては、車両の前進から後進への切換え操作に応じて前記後進用同期連結手段により後進段を成立させる後進制御手段を備え、該後進制御手段は、車両が前進している状態で前進から後進への切換え操作が行われたとき、前記差動機構の第1係合要素及び第2係合要素の係合を解除させ、両係合要素の係合が解除されている間に後進用同期連結手段による後進用駆動ギヤの副軸への連結を行うことが好ましい。これによれば、第1入力側伝達軸が動力源から切り離されて副軸が開放されるので、後進用同期連結手段による同期が十分に行えて異音の発生も抑制することができる。しかも、例えば後進用のクラッチが不要となるため、動力伝達装置の小型化及び軽量化を阻害しない。
また、該後進制御手段は、前進から後進への切換え操作が行われたとき、予め設定された所定の速度範囲内における速度で車両が前進している場合は、前記差動機構の第1係合要素及び第2係合要素の係合を解除させている間に、該車両が有する制動装置を作動させ、車速が前記速度範囲の下限を下まわった後に前記後進用同期連結手段により後進用駆動ギヤを副軸に連結して後進段を成立させることが好ましい。これによれば、車両の前進速度を十分に低下させてから後進用同期連結手段による後進用駆動ギヤの副軸への連結を行うことができ、異音の発生を防止して極めて円滑に後進段を成立させることができる。しかも、制動装置の作動により運転者に対して減速感を与えることができ、前記差動機構の第1係合要素及び第2係合要素の係合を解除させた際の運転者に対して所謂空走感等の付与を防止して、違和感なく前進から後進へ移行させることができる。
なお、近年では、前後の車輪速度差をなくすように前後の制動力を配分することによって走行中の姿勢を安定させる車体姿勢制御装置を装備した車両が周知であるが(例えば、特開平7−132761号公報、特開平9−11878号公報参照)、後進制御手段により車体姿勢制御装置を介して車両が有する制動装置を作動させることで、前進から後進へ移行させる際にのみ制動装置を作動させる専用のブレーキ回路等の追加が不要となるので、車両の軽量化や構成の簡略化が容易となり有利である。
本発明の実施形態の動力伝達装置を示すスケルトン図。 本実施形態における各変速段の設定を示す図。 本実施形態において採用した車両の制動系統を示す説明図。 後進制御手段の作動を示すフローチャート。
本実施形態の動力伝達装置1は、自動車等の車両に搭載されるものであり、図1に示すように、エンジン2を動力源とし、第1入力軸4を有して複数の変速段を成立させる第1変速手段5と、第1入力軸4と平行の第2入力軸6を有して第1変速手段5と異なる複数の変速段を成立させる第2変速手段7とを備えている。更に、動力伝達装置1は、副軸8及び出力軸9を備えると共に、エンジン2からの回転をフライホイールダンパ3を介して入力し第1入力側伝達軸10に出力するプラネタリギヤ11(差動機構)を備えている。
第1入力軸4は、第1入力クラッチ12により第1入力側伝達軸10との連結と切り離しとが行われ、第2入力軸6は、第2入力クラッチ13により第2入力側伝達軸14との連結と切り離しとが行われる。
第1入力側伝達軸10には第1連結ギヤ15が設けられ、この第1連結ギヤ15は副軸8に設けられた中間伝達ギヤ16に常時噛合している。そして、第2入力側伝達軸14には第2連結ギヤ17が設けられ、副軸8の中間伝達ギヤ16には、この第2連結ギヤ17が常時噛合している。これにより、第1入力側伝達軸10と第2入力側伝達軸14とは中間伝達ギヤ16を介して常時接続された状態で共に回転する。
第1変速手段5の第1入力軸4には、第2変速駆動ギヤ19と第4変速駆動ギヤ21とが回転自在に設けられており、第2変速駆動ギヤ19と第4変速駆動ギヤ21とは、シンクロメッシュ機構による第1連結手段22により第1入力軸4に切換え連結される。第1連結手段22は、図示において右動したとき第2変速駆動ギヤ19を第1入力軸4に連結し、左動したとき第4変速駆動ギヤ21を第1入力軸4に連結し、更に、中立位置においては第2変速駆動ギヤ19と第4変速駆動ギヤ21との両方を第1入力軸4から切り離した状態とする。
第2変速手段7の第2入力軸6には、第1変速駆動ギヤ18と第3変速駆動ギヤ20とが回転自在に設けられており、第1変速駆動ギヤ18と第3変速駆動ギヤ20とは、シンクロメッシュ機構による第2連結手段23により第2入力軸6に切換え連結される。第2連結手段23は、図示において右動したとき第1変速駆動ギヤ18を第2入力軸6に連結し、左動したとき第3変速駆動ギヤ20を第2入力軸6に連結し、更に、中立位置においては第2変速駆動ギヤ19と第4変速駆動ギヤ21との両方を第2入力軸6から切り離した状態とする。
副軸8は、前記中間伝達ギヤ16を一体に備えると共に、後進用駆動ギヤ24を回転自在に備えている。後進用駆動ギヤ24は、シンクロメッシュ機構による第3連結手段25(後進用同期連結手段)により副軸8に対して連結・切り離しが行われる。後進用駆動ギヤ24を副軸8に設けたことにより、後進用の軸が不要となり、軸数を削減して省スペース化を図ることができる。
出力軸9は、第1入力軸4及び第2入力軸6に対して平行に回転自在に設けられている。出力軸9には、図1における右側から順に、終減速駆動ギヤ26、第1共用従動ギヤ27、及び第2共用従動ギヤ28が配設されている。
終減速駆動ギヤ26は、図示しないが、デファレンシャルギヤ機構の終減速従動ギヤに噛合し、このデファレンシャルギヤ機構を介して車両の駆動輪を駆動するようになっている。第1共用従動ギヤ27は、第1入力軸4の第2変速駆動ギヤ19に常時噛合すると共に、第2入力軸6の第1変速駆動ギヤ18に常時噛合し、更に、副軸8の後進用駆動ギヤ24に常時噛合する。第2共用従動ギヤ28は、第1入力軸4の第4変速駆動ギヤ21に常時噛合すると共に、第2入力軸6の第3変速駆動ギヤ20に常時噛合する。このように、第2変速駆動ギヤ19、第1変速駆動ギヤ18、及び後進用駆動ギヤ24の夫々の従動ギヤとして第1共用従動ギヤ27を共用し、第4変速駆動ギヤ21及び第3変速駆動ギヤ20の夫々の従動ギヤとして第2共用従動ギヤ28を共用しているので、部品点数(主にギヤの数)が飛躍的に削減でき、コンパクトに構成することができる。
プラネタリギヤ11は、リングギヤRf(第1回転要素)と、リングギヤRfに噛合するピニオンPfと、ピニオンPfを自転及び公転自在に支持するキャリアCf(第2回転要素)と、ピニオンPfに噛合するサンギヤSf(第3回転要素)とで構成されている。リングギヤRfには、リングギヤクラッチ29(第1係合要素)が設けられている。リングギヤクラッチ29は、リングギヤRfとキャリアCfとの連結・切り離しを行う。また、プラネタリギヤ11の外周には、動力伝達装置1を収容する一部図示した変速機ケース1aにサンギヤSfを解除自在に固定するサンギヤブレーキ30(第2係合要素)が設けられている。そして、本実施形態では、エンジン2からの回転が、フライホイールダンパ3を介してリングギヤRfへ入力され、キャリアCfから第1入力側伝達軸10へ出力される。
プラネタリギヤ11においては、サンギヤブレーキ30によるサンギヤSfの固定を解除して、リングギヤクラッチ29を接続状態とすることでエンジン2からの回転が1:1の変速比で第1入力側伝達軸10に伝達され、リングギヤクラッチ29を切り離し状態として、サンギヤブレーキ30によりサンギヤSfを固定状態とすることでエンジン2からの回転が減速されて第1入力側伝達軸10に伝達されるので、2つの変速段を得ることができる。
なお、本実施形態においては、第1入力側伝達軸10におけるエンジン2と反対側端部に第1入力クラッチ12を配置し、第2入力側伝達軸14におけるエンジン2と反対側端部に第2入力クラッチ13を配置することにより、エンジン2と両変速手段5,7との間にスペースを確保し、このスペースにプラネタリギヤ11を配置したことにより、一層の小型化が図られている。
上記構成からなる動力伝達装置1において、各変速段の設定及びその動力伝達経路について説明する。
図1及び図2を参照して、1速段は、リングギヤクラッチ29を切り離し状態とし且つサンギヤブレーキ30によりサンギヤSfを固定状態としてエンジン2からの回転を減速して第1入力側伝達軸10に伝達する。そして、第2連結手段23を右動させて第1変速駆動ギヤ18を第2入力軸6に連結し(第1連結手段22は中立位置)、第2入力クラッチ13を接続作動させる(第1入力クラッチ12は切り離し状態とする)ことにより設定される。第1入力側伝達軸10から第2入力側伝達軸14に伝達された回転駆動力は、第2入力クラッチ13を経て第2入力軸6に伝達され、第2入力軸6に連結された第1変速駆動ギヤ18と、これに噛合する第1共用従動ギヤ27とを介して出力軸9に伝達される。これにより1速段による駆動力は終減速駆動ギヤ26を介して出力される。
なお、このときプラネタリギヤ11においては、サンギヤブレーキ30によるサンギヤSfの固定を解除することにより、サンギヤSfが自由回転して所謂ニュートラル状態となり、サンギヤブレーキ30によサンギヤSfを停止させることで、車両の発進を円滑に行うことができる。
2速段は、サンギヤブレーキ30によるサンギヤSfの固定を解除し且つリングギヤクラッチ29を接続状態としてエンジン2からの回転を1:1の変速比で第1入力側伝達軸10に伝達し、他は1速段と同様に維持することにより設定される。これにより、プラネタリギヤ11における変速段の切換えのみで2速段が成立し、2速段による駆動力は終減速駆動ギヤ26を介して出力される。
3速段は、リングギヤクラッチ29を切り離し状態とし且つサンギヤブレーキ30によりサンギヤSfを固定状態としてエンジン2からの回転を減速して第1入力側伝達軸10に伝達する。そして、第1連結手段22により第2変速駆動ギヤ19を第1入力軸4に連結し、第1入力クラッチ12を接続作動させる(第2入力クラッチ13は切り離し状態とする)ことにより設定される。なお、2速段から3速段へのシフトアップに際しては、第1入力クラッチ12が切り離し状態にあるうち(2速段による走行中)に、第1連結手段22を右動させて第2変速駆動ギヤ19を第1入力軸4に連結しておくことができる。このため、第2入力クラッチ13の切り離しと第1入力クラッチ12の接続とにより、円滑なシフトアップが可能となる。第1入力側伝達軸10に伝達された回転駆動力は、第1入力クラッチ12を経て第1入力軸4に伝達され、第1入力軸4に連結された第2変速駆動ギヤ19と、これに噛合する第1共用従動ギヤ27とを介して出力軸9に伝達される。これにより3速段による駆動力は終減速駆動ギヤ26を介して出力される。
4速段は、サンギヤブレーキ30によるサンギヤSfの固定を解除し且つリングギヤクラッチ29を接続状態としてエンジン2からの回転を1:1の変速比で第1入力側伝達軸10に伝達し、他は3速段と同様に維持することにより設定される。これにより、プラネタリギヤ11における変速段の切換えのみで4速段が成立し、4速段による駆動力は終減速駆動ギヤ26を介して出力される。
5速段は、リングギヤクラッチ29を切り離し状態とし且つサンギヤブレーキ30によりサンギヤSfを固定状態としてエンジン2からの回転を減速して第1入力側伝達軸10に伝達する。そして、第2連結手段23により第3変速駆動ギヤ20を第2入力軸6に連結し、第2入力クラッチ13を接続作動させる(第1入力クラッチ12は切り離し状態とする)ことにより設定される。4速段から5速段へのシフトアップに際しては、第2入力クラッチ13が切り離し状態にあるうち(4速段による走行中)に、第2連結手段23を左動させて第3変速駆動ギヤ20を第2入力軸6に連結しておくことができるので、第1入力クラッチ12の切り離しと第2入力クラッチ13の接続とにより、円滑なシフトアップが可能となる。第1入力側伝達軸10から第2入力側伝達軸14に伝達された回転駆動力は、第2入力クラッチ13を経て第2入力軸6に伝達され、第2入力軸6に連結された第3変速駆動ギヤ20と、これに噛合する第2共用従動ギヤ28とを介して出力軸9に伝達される。これにより5速段による駆動力は終減速駆動ギヤ26を介して出力される。
6速段は、サンギヤブレーキ30によるサンギヤSfの固定を解除し且つリングギヤクラッチ29を接続状態としてエンジン2からの回転を1:1の変速比で第1入力側伝達軸10に伝達し、他は5速段と同様に維持することにより設定される。これにより、プラネタリギヤ11における変速段の切換えのみで6速段が成立し、6速段による駆動力は終減速駆動ギヤ26を介して出力される。
7速段は、リングギヤクラッチ29を切り離し状態とし且つサンギヤブレーキ30によりサンギヤSfを固定状態としてエンジン2からの回転を減速して第1入力側伝達軸10に伝達する。そして、第1連結手段22により第4変速駆動ギヤ21を第1入力軸4に連結し、第1入力クラッチ12を接続作動させる(第2入力クラッチ13は切り離し状態とする)ことにより設定される。このときにも、第1入力クラッチ12が切り離し状態にあるうち(6速段による走行中)に、第1連結手段22を左動させて第4変速駆動ギヤ21を第1入力軸4に連結しておくことができるので、円滑なシフトアップが可能となる。第1入力側伝達軸10に伝達された回転駆動力は、第1入力クラッチ12を経て第1入力軸4に伝達され、第1入力軸4に連結された第4変速駆動ギヤ21と、これに噛合する第2共用従動ギヤ28とを介して出力軸9に伝達される。これにより7速段による駆動力は終減速駆動ギヤ26を介して出力される。
8速段は、サンギヤブレーキ30によるサンギヤSfの固定を解除し且つリングギヤクラッチ29を接続状態としてエンジン2からの回転を1:1の変速比で第1入力側伝達軸10に伝達し、他は7速段と同様に維持することにより設定される。これにより、プラネタリギヤ11における変速段の切換えのみで8速段が成立し、8速段による駆動力は終減速駆動ギヤ26を介して出力される。
以上のように、前記プラネタリギヤ11を設けることにより、第1変速手段5と第2変速手段7とで4つの変速段を成立させるように構成しておくだけで、8つの変速段を成立させることができるので、第1変速手段5と第2変速手段7とで8つの変速段を成立させる場合に比べて第1入力側伝達軸10、第1入力軸4、第2入力側伝達軸14、及び第2入力軸6等の各軸の長さ寸法を小とし、動力伝達装置1をコンパクトに形成することができる。
後進段は、第3連結手段25により後進用駆動ギヤ24を副軸8に連結し、リングギヤクラッチ29を切り離し状態とし且つサンギヤブレーキ30によりサンギヤSfを固定状態とすることにより設定される。第1入力側伝達軸10に伝達された回転駆動力は、第1連結ギヤ15及び中間伝達ギヤ16を介して副軸8に伝達され、後進用駆動ギヤ24とこれに噛合する第1共用従動ギヤ27とを介して出力軸9に伝達される。これにより後進段における駆動力は終減速駆動ギヤ26を介して出力される。
車両には、運転者が、駐車、前進走行、ニュートラル、後進走行の各レンジを選択するための例えば操作レバーが設けられており、上述した前進の各変速段及び後進の設定は、運転者による各レンジの選択操作に応じて図示しない制御ユニットにより行われる。
制御ユニットは、車両の走行に関する制御を総合的に行うものであり、エンジン2の制御だけでなく車両速度や負荷に応じた動力伝達装置1によるシフトアップ及びシフトダウンの制御も行なっており、更に、後進段の成立を制御する後進制御手段を備えている。後進制御手段は、運転者が後進走行レンジを選択操作したことによる後進段への切換えを指令する信号に応じて作動する。
ここで、後進用駆動ギヤ24は、出力軸9の第1共用従動ギヤ27に常時噛合しているために、出力軸9からの回転が常に伝達される状態にある。車両が停止状態にあるときは、出力軸9の回転も停止しているので、エンジン2からの回転が第1入力側伝達軸10の第1連結ギヤ15を介して中間伝達ギヤ16に伝達されていても、副軸8と後進用駆動ギヤ24との回転差は小さい。従って、車両が停止した状態からの後進においては、第3連結手段25による後進用駆動ギヤ24と副軸8との連結を円滑に行うことができる。
一方、車両が前進しているとき、中間伝達ギヤ16により副軸8が第1入力側伝達軸10と逆方向に回転した状態となり、副軸8から切り離された状態にある後進用駆動ギヤ24は出力軸9から回転が伝達されて第1入力側伝達軸10と同方向に回転するため、副軸8と逆方向に回転した状態となる。このため、車両が比較的速い速度で前進しているとき、車両の停止を待たずに後進走行レンジへの切換え操作が行われると、前記制御ユニットにより1速段にシフトダウンが行われた後であっても、後進用駆動ギヤ24と副軸8との回転速度差が大きく、第3連結手段25による同期が不十分となって異音が生じたり後進段への円滑な切換えが行えない等のおそれがある。このような状況は、例えば、車両を駐車する際の前進と後進とを細かく切返すとき、車両が停止しないうちに前進走行レンジやニュートラルレンジから後進走行レンジへの切換え操作が行われる場合に生じる。そこで、前記後進制御手段は、1速段から後進段へ切り換える途中で、第2入力クラッチ13だけでなくリングギヤクラッチ29を切り離し状態とし且つサンギヤブレーキ30によるサンギヤSfの固定を解除して、後進段を成立させるに先立って第3連結手段25による後進用駆動ギヤ24と副軸8とを連結させる制御を行う。
更に、近年では、車両の走行中に車体の姿勢安定を図るための車体姿勢制御手段が設けられることが、例えば、特開平7−132761号公報、特開平9−11878号公報等により周知である。図3に模式的に示すように、この種の車体姿勢制御手段は制御ユニット31に備えられ、各車輪Wに設けられた車輪ブレーキBを各別に制御する機能を有している。即ち、車体姿勢制御手段は、各車輪W毎の速度を検出する車輪速センサ32、ハンドル33の操作舵角を検出する舵角センサ34、車体35のヨーレートや前後左右方向の加速度を検出するセンサ36等から得られる車体35の状態を示す複数の情報に基づいて車輪ブレーキ液圧回路37により各車輪ブレーキBを制御し、車体35の挙動を安定させる。
本実施形態においては、前記後進制御手段を制御ユニット31に設けて車体姿勢制御手段と連動させることにより、円滑でしかも運転者に違和感を与えることなく1速段から後進段へ切り換えを実現することが可能となる。このときの後進制御手段の作動を図4のフローチャートに基づき説明すれば次の通りである。なお、車体姿勢制御手段及び各車輪ブレーキBは本発明における制動装置に相当する。
図4において、前進走行レンジもしくはニュートラルレンジから後進走行レンジへの切換え操作が運転者により行われてSTEP0で制御ユニット31により後進段への切換え指令信号が検知されると、STEP1により後進制御手段による後進段切換え処理が開始され、STEP2で車両速度が0(停止状態)であるか否かを判断する。車両が停止状態であれば、前述したように副軸8と後進用駆動ギヤ24との回転差は小さいので、STEP9で第3連結手段25による後進用駆動ギヤ24と副軸8との連結を行う。次いで、STEP10へ進み、プラネタリギヤ11のサンギヤブレーキ30によりサンギヤSfを固定し、STEP11で後進制御手段による後進段切換え処理が終了する。
STEP2で車両速度が0でないとき、STEP3へ進み、車両速度が10km/hを超えていないか否かを判断する。なお、前述したように車両が比較的速い速度で前進しているとき、車両の停止を待たずに後進走行レンジへの切換え操作が行われると、後進用駆動ギヤ24と副軸8との回転速度差が大きく、第3連結手段25による同期が不十分となるが、本発明者は、本実施形態の構成に対する各種試験を行い、第3連結手段25による同期が不十分となる場合の車両速度は10km/h超であることを知見したことにより、この速度を採用している。従って、STEP3において判断される車両速度は10km/hに限るものではなく適宜設定されるものである。
STEP3において車両速度が10km/h超であるときは、上記理由により前進から後進への円滑な切換えが行えないおそれがあるので、STEP4へ進み後進制御手段が後進段への切換え指令を受け付けず(第3連結手段25による後進用駆動ギヤ24と副軸8との連結を行わず)、警告表示や音声による報知等を行って運転者に知らせると共に、STEP11へ進んで後進制御手段による後進段切換え処理が終了する。
STEP3において車両速度が10km/h超でないときは、STEP5へ進み、後進段への切換え準備として、第2入力クラッチ13を切り離し(このとき1速段から後進段への切換えなので第1入力クラッチ12は切り離し状態にある)、更にSTEP6へ進んでサンギヤブレーキ30によるサンギヤSfの固定を解除する(リングギヤクラッチ29は切り離し状態にある)。
次いで、STEP7へ進み、車両速度が5km/hを超えていないか否かを判断する。本実施形態の構成に対しての各種試験に基づく発明者の知見によれば、車両速度が5km/hを超えて前進しているとき、車両の停止を待たずに後進走行レンジへの切換え操作が行われると、第3連結手段25により異音が発生する可能性が増すだけでなく、サンギヤブレーキ30によるサンギヤSfの固定を解除したことにより、運転者に対して所謂空走感を与えるおそれがある。そこで、STEP7において車両速度が5km/h超であるときは、STEP8へ進んで前記車体姿勢制御手段を作動させて各車輪ブレーキBを作動させ、STEP7による判断を繰り返す。なお、STEP3を経たSTEP7の判断は、本発明における、予め設定された所定の速度範囲(本実施形態における10km/h〜5km/hの範囲)で前進している場合、に相当する。
STEP7において車両速度が5km/h超でないとき、又は、STEP8により車両速度が5km/h以下に低下した場合には、STEP9で第3連結手段25による後進用駆動ギヤ24と副軸8との連結を行い、次いでSTEP10でプラネタリギヤ11のサンギヤブレーキ30によりサンギヤSfを固定し、更にSTEP11で後進制御手段による後進段切換え処理が終了する。
以上のように、後進制御手段により後進段の制御を行うことにより、車両の前進速度を十分に低下させてから第3連結手段25による後進用駆動ギヤ24と副軸8との連結を行うことができ、異音の発生を防止して極めて円滑に後進段を成立させることができる。しかも、車体姿勢制御手段を作動させて各車輪ブレーキBを作動させることにより運転者に対して減速感を与えることができ、運転者に対して所謂空走感等の付与を防止して、違和感なく前進から後進へ切換えることができる。
1…動力伝達装置、1a…変速機ケース、2…エンジン(動力源)、4…第1入力軸、5…第1変速手段、6…第2入力軸、7…第2変速手段、8…副軸、9…出力軸、10…第1入力側伝達軸、11…プラネタリギヤ(差動機構)、Rf…リングギヤ(第1回転要素)、Cf…キャリア(第2回転要素)、Sf…サンギヤ(第3回転要素)、12…第1入力クラッチ、13…第2入力クラッチ、14…第2入力側伝達軸、16…中間伝達ギヤ、24…後進用駆動ギヤ、25…第3連結手段(後進用同期連結手段)、29…リングギヤクラッチ(第1係合要素)、30…サンギヤブレーキ(第2係合要素)、31…制御ユニット(後進制御手段)、B…車輪ブレーキ(制動装置)。

Claims (4)

  1. 動力源の回転駆動力を変速して出力する車両用動力伝達装置において、
    第1入力軸を有して複数の変速段を成立させる第1変速手段と、
    第1入力軸に第1入力クラッチにより切り離し自在に連結されて該第1入力軸に動力源からの回転を伝達する第1入力側伝達軸と、
    第1入力軸と平行の第2入力軸を有して第1変速手段と異なる複数の変速段を成立させる第2変速手段と、
    第1入力側伝達軸に平行に配置された副軸が備える中間伝達ギヤを介して第1入力側伝達軸に接続され、第2入力軸に第2入力クラッチにより切り離し自在に連結されて該第2入力軸に動力源からの回転を伝達する第2入力側伝達軸と、
    第1入力軸及び第2入力軸に平行に配置され、第1入力軸と第2入力軸とが夫々のギヤ列を介して選択的に接続される出力軸と、
    互いに差動回転する少なくとも3つの回転要素と少なくとも2つの係合要素とにより構成された差動機構とを備えてなり、
    該差動機構は、動力源からの回転が入力される第1回転要素と、第1入力側伝達軸に連結され、第1回転要素に第1係合要素を介して解除自在に連結される第2回転要素と、差動機構が収容された変速機ケースに第2係合要素を介して解除自在に連結固定される第3回転要素とを備えることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記副軸は、前記出力軸に接続された後進用駆動ギヤを回転自在に備えると共に、該後進用駆動ギヤの副軸への連結・切り離しを行う後進用同期連結手段を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用動力伝達装置。
  3. 車両の前進から後進への切換え操作に応じて前記後進用同期連結手段により後進段を成立させる後進制御手段を備え、
    該後進制御手段は、車両が前進している状態で前進から後進への切換え操作が行われたとき、前記差動機構の第1係合要素及び第2係合要素の係合を解除させ、両係合要素の係合が解除されている間に後進用同期連結手段による後進用駆動ギヤの副軸への連結を行うことを特徴とする請求項2記載の車両用動力伝達装置。
  4. 該後進制御手段は、前進から後進への切換え操作が行われたとき、予め設定された所定の速度範囲内における速度で車両が前進している場合は、前記差動機構の第1係合要素及び第2係合要素の係合を解除させている間に、該車両が有する制動装置を作動させ、車速が前記速度範囲の下限を下まわった後に前記後進用同期連結手段により後進用駆動ギヤを副軸に連結して後進段を成立させることを特徴とする請求項3記載の車両用動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104154186A (zh) * 2014-07-31 2014-11-19 洛阳雷斯达传动有限公司 一种定轴式动力换挡变速器

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