JP2010169048A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開閉弁機構5とともに圧力制御室61の制御圧(背圧)を制御する出口オリフィス62と入口オリフィス63の構成において、圧力制御室61は、略円盤状の円周部の一部に切欠きを有するオリフィスプレート60の一端面の軸心に円錐状の斜面を有する凹部からなり、円錐状の斜面の先端部には軸方向に向う出口オリフィス62が設けられて圧力制御室61と連通し、円錐状の斜面の傾斜部には径方向に向う横孔加工の入口オリフィス63が設けられ、横孔65の反入口オリフィス側の開口部はセルフシール型の盲栓66によってシールされ、さらに盲栓66の他端部を弁ボディ20の内壁面と当接させて、外部領域と閉鎖して独立した燃料経路となる入口オリフィス63を形成する。
【選択図】図2
Description
従来から、燃料噴射弁は、例えば、ディーゼルエンジンのような直噴型のエンジンに搭載され、コモンレール等の燃料供給源から高圧の燃料を受け入れ、エンジンの各気筒内に直接燃料を噴射供給するために用いられている。
しかし、オリフィスプレート103に出口オリフィス111と一体的に構成する斜め孔加工の入口オリフィス112は、予め傾斜誘導孔113と、垂直誘導孔114、および傾斜誘導孔115を加工した後に極めて小径の孔加工によって実現するものであり、工程数および加工工数が掛かるとともに斜め孔加工であることより精度管理がし難いという問題がある。
請求項1に記載の燃料噴射弁によれば、ノズルとノズルニードルを備えた噴射弁本体と、噴射弁本体からの燃料噴射を断続する電磁弁とからなり、電磁弁は、電磁ソレノイドと付勢手段と電磁ソレノイドの磁力により駆動される可動子とからなる開閉弁機構を備えており、開閉弁機構は、可動子に設けた弁体が出口オリフィスを開閉することにより、ノズルニードルと連動する制御ピストンに作用する圧力制御室の背圧を制御して、ノズルニードルを開閉して燃料を噴射供給する燃料噴射弁において、圧力制御室は、略円盤状の円周部の一部に切欠きを有するオリフィスプレートの一端面の軸心に円錐状の斜面を有する凹部からなり、円錐状の斜面の先端部には軸方向に向う出口オリフィスが設けられて圧力制御室と連通し、円錐状の斜面の傾斜部には径方向に向う横孔加工の入口オリフィスが設けられ、横孔の反入口オリフィス側の開口部は盲栓によって閉塞され、外部領域と閉鎖して独立した燃料経路を出口オリフィスと一体的にオリフィスプレートに形成したことを特徴としている。
請求項2に記載の燃料噴射弁によれば、盲栓は、有底円筒状のキャップ構造を有し、少なくとも円筒部の表面積が底部の断面積より大きく、円筒部を形成する壁厚が、弾性変形可能な所定の厚みを有し、横孔の開口部に圧入されて、内部に高圧燃料の内圧を受けて内径が拡径することにより、横孔と盲栓との接触面圧を増加してセルフシール(自密閉)することを特徴としている。
請求項3に記載の燃料噴射弁によれば、盲栓は、有底円筒状のキャップ構造を有し、円筒部を形成する壁厚が、塑性変形可能な一様な所定の厚み、または局部的な凹溝の形成による所定の厚みを有し、横孔の開口部には、その内周面に所定の凹溝が設けられており、盲栓が横孔の開口部に圧入されて、内部に高圧燃料の内圧を受けて内径が拡径することにより、塑性変形の張り出しを形成し、抜け止めを構成したことを特徴としている。
これにより、高圧の燃料圧力の作用により盲栓の軸方向作用力(つまり、抜け力)が増加しても抜けを防止でき、かつ高圧の燃料シールを確実とする。
請求項4に記載の燃料噴射弁によれば、盲栓は、横孔の開口部に圧入した盲栓の他端を切欠き部の端面より突出させ、弁ボディの内壁面と当接させたことを特徴としている。
これにより、弁ボディの内壁面がストッパとなり、盲栓が抜けるのを防止できる。
請求項5に記載の燃料噴射弁によれば、入口オリフィスは、オリフィスプレートの切欠きのない円周部の所定の位置に形成される径方向に向う横孔の中心側に設けられ、横孔の反入口オリフィス側の円周部には、盲栓が面一となるまで圧入され、弁ボディの内壁面内にオリフィスプレートが収容されることを特徴としている。
これにより、盲栓の他端を切欠き部の横孔位置より突出させることなく、短い盲栓のままで盲栓が抜けるのを防止できる。
図1から図3は本発明の実施例1を示したもので、図1は燃料噴射弁の全体構成断面図であり、図2は図1に示す燃料噴射弁の要部を示し、(a)は部分軸断面図であり、(b)はA−A断面図である。また、図3は他の燃料噴射弁の要部を示し、(a)は部分軸断面図であり、(b)はA−A断面図である。
電磁弁3は、電磁弁設置室10の後端側に設置された電磁ソレノイド30、および電磁弁設置室10の先端側に設置された開閉弁機構5からなる。
本実施例の燃料噴射弁1は、電磁ソレノイド30が通電されオンすると、可動子50は電磁力により吸引されて後端方向に移動し、そして、可動子50に連動してボール弁56が上位に変位し、出口オリフィス62が開放されて低圧燃料の流出路13に連通するため、圧力制御室61内の背圧は低圧となる。すると、制御ピストン17の付勢力と制御ピストン17と連動したニードル43のノズル室42に作用する付勢力とのバランスが崩れ、ニードル43は制御ピストン17と共に後端方向へ移動し、噴孔49を開放するとともに、ノズル室42からの高圧燃料が噴孔49から噴霧する。このとき、出口オリフィス62のオリフィス径より径小に、かつ、精度よく形成された入口オリフィス63は高圧燃料を供給させながら圧力制御室61の圧力回復を開始し、正確な圧力回復パターンによって所定の噴射率プロフィールを実現する。
本実施例では、開閉弁機構5とともに圧力制御室61の制御圧(背圧)を制御する出口オリフィス62と入口オリフィス63の組合せにおいて、圧力制御室61は、略円盤状の円周部の一部に切欠きを有するオリフィスプレート60の一端面の軸心に円錐状の斜面を有する凹部からなり、円錐状の斜面の先端部には軸方向に向う出口オリフィス62が設けられて圧力制御室61と連通し、円錐状の斜面の傾斜部には径方向に向う横孔加工の入口オリフィス63が設けられ、横孔65の反入口オリフィス側の開口部はセルフシール型の盲栓66によってシールされ、さらに盲栓66の他端部を弁ボディ20の内壁面と当接させて、外部領域と閉鎖して独立した燃料経路となる入口オリフィス63を形成する。
本変形例は、図3に示すように、有底円筒状の盲栓66の壁厚をさらに一様に薄くする、もしくは壁厚を構成する内周面に断面が円弧状、あるいは三角状の環状の凹溝67を形成して局部的に壁厚が所定の薄さになるよう加工したものである。そして、この盲栓66を圧入してシールを確保する横孔65の開口部の内周面の、盲栓66の圧入部に形成される凹溝67と対向する近傍位置に、同様に、断面が円弧状、あるいは三角状の環状の凹溝68が形成されている。
本発明の実施例2を図4に示す。図4は、実施例2における燃料噴射弁の要部を示し、(a)は部分軸断面図であり、(b)はA−A断面図である。実施例1と実質的に同一構成部分に同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
本実施例では、入口オリフィス63がオリフィスプレート60の切欠き部でない円周部の所定の位置に垂直に径方向の横孔加工によって形成したので、横孔66の開口部をシールする盲栓66の軸方向の長さが短くなり、また、圧入も簡単となる。なお、円周部の所定の位置での横孔加工による入口オリフィス63の形成は変わるところはないため、実施例1と同様な作用効果を奏する。
2 噴射弁本体
3 電磁弁
4 噴射ノズル(ノズル)
5 開閉弁機構
16 プレート室
17 制御ピストン
20 弁ボディ
30 電磁ソレノイド
32 ばね(付勢手段)
43 ニードル(ノズルニードル)
50 可動子
60 オリフィスプレート
61 圧力制御室
62 出口オリフィス
63 入口オリフィス
65 横孔
66 盲栓
67、68 凹溝
Claims (5)
- ノズルとノズルニードルを備えた噴射弁本体と、
前記噴射弁本体からの燃料噴射を断続する電磁弁とからなり、
前記電磁弁は、電磁ソレノイドと付勢手段と前記電磁ソレノイドの磁力により駆動される可動子とからなる開閉弁機構を備えており、
前記開閉弁機構は、前記可動子に設けた弁体が出口オリフィスを開閉することにより、前記ノズルニードルと連動する制御ピストンに作用する圧力制御室の背圧を制御して、
前記ノズルニードルを開閉して燃料を噴射供給する燃料噴射弁において、
前記圧力制御室は、略円盤状の円周部の一部に切欠きを有するオリフィスプレートの一端面の軸心に円錐状の斜面を有する凹部からなり、
前記円錐状の斜面の先端部には軸方向に向う前記出口オリフィスが設けられて前記圧力制御室と連通し、
前記円錐状の斜面の傾斜部には径方向に向う横孔加工の入口オリフィスが設けられ、
前記横孔の反入口オリフィス側の開口部は盲栓によって閉塞され、
外部領域と閉鎖して独立した燃料経路を前記出口オリフィスと一体的に前記オリフィスプレートに形成したことを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
前記盲栓は、有底円筒状のキャップ構造を有し、
少なくとも円筒部の表面積が底部の断面積より大きく、
前記円筒部を形成する壁厚が、弾性変形可能な所定の厚みを有し、
前記横孔の開口部に圧入されて、内部に高圧燃料の内圧を受けて内径が拡径することにより、前記横孔と前記盲栓との接触面圧を増加してセルフシール(自密閉)することを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
前記盲栓は、有底円筒状のキャップ構造を有し、
前記円筒部を形成する壁厚が、塑性変形可能な一様な所定の厚み、または局部的な凹溝の形成による所定の厚みを有し、
前記横孔の開口部には、その内周面に所定の凹溝が設けられており、
前記盲栓が前記横孔の開口部に圧入されて、内部に高圧燃料の内圧を受けて内径が拡径することにより、塑性変形の張り出しを形成し、抜け止めを構成したことを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料噴射弁において、
前記盲栓は、前記横孔の開口部に圧入した前記盲栓の他端を前記切欠き部の端面より突出させ、弁ボディの内壁面と当接させたことを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の燃料噴射弁において、
前記入口オリフィスは、前記オリフィスプレートの切欠きのない円周部の所定の位置に形成される径方向に向う前記横孔の中心側に設けられ、
前記横孔の反入口オリフィス側の円周部には、前記盲栓が面一となるまで圧入され、
前記弁ボディの内壁面内に前記オリフィスプレートが収容されることを特徴とする燃料噴射弁。
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