JP2001271726A - 燃料加圧用ポンプ - Google Patents

燃料加圧用ポンプ

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JP2001271726A
JP2001271726A JP2000090436A JP2000090436A JP2001271726A JP 2001271726 A JP2001271726 A JP 2001271726A JP 2000090436 A JP2000090436 A JP 2000090436A JP 2000090436 A JP2000090436 A JP 2000090436A JP 2001271726 A JP2001271726 A JP 2001271726A
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ring
plunger
seal ring
annular groove
fuel
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JP2000090436A
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Yoshio Okubo
好夫 大久保
Toshiaki Hori
俊明 堀
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 付勢リングのばね力を大きく設定することな
くプランジャとシリンダの摺動隙間からの燃料の漏出を
確実に防止する。摺動抵抗の低減とシール性能の向上の
両立を図る。 【解決手段】 プランジャ8の外周面に環状溝35を形
成する。環状溝35に、シリンダ16に摺接する伸縮性
の小さな樹脂製のシールリング38を収容する。環状溝
35とシールリング38の間に、ゴム製のOリング36
と金属製のCリング37を軸方向前後に並べて配置し、
Cリング37はOリング36よりもポンプ室23側に配
置する。ポンプ室23側の燃料圧がシールリング38の
外面側からCリング37を押し縮めるように作用して
も、その力はCリング37の背部側に作用する燃料圧に
よって打ち消される。したがって、Cリング37のばね
力を小さく設定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の燃料噴射
装置等に用いられるプランジャ型の燃料加圧用ポンプに
関し、とりわけ、シリンダとプランジャの摺動隙間から
の燃料の漏出を確実に防止できる改良を施した燃料加圧
用ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料噴射装置の燃料加圧用ポン
プとして、プランジャ型のポンプが従来より用いられて
いる。この燃料加圧用ポンプは、プランジャが、駆動軸
と一体回転する回転カムによって押圧されてシリンダ内
を進退動作し、シリンダとプランジャの間に形成される
ポンプ室で燃料の吸入と加圧及び吐出とを行うようにな
っている。
【0003】ところが、この種の燃料加圧用ポンプはシ
リンダに近接して回転カムが配置されていることから、
プランジャとシリンダの摺動隙間から漏出した燃料がカ
ム摺動部等の潤滑を要する部分に流れ込むのを確実に防
止しなければならない。このため、これに対処し得るも
のとして、カム室側に突出するプランジャの先端部の外
周面とシリンダ穴の周縁部との間にダイヤフラムを配設
し、前記摺動隙間からカム室への燃料の流入をこのダイ
ヤフラムによって阻止するようにしたものが案出されて
いる。尚、この技術は、例えば実開平6−43274号
公報等に示されている。
【0004】しかし、この燃料加圧用ポンプの場合、製
品単価が高く、多くの占有スペースを要するダイヤフラ
ムを用いるため、製造コストが高くなるうえに、ポンプ
自体の大型化を余儀なくされるという不具合がある。
【0005】そこで、本出願人はこれらに対処し得る燃
料加圧用ポンプを開発し、特願平10−148811号
として先に出願している。
【0006】この先の出願に開示した燃料加圧用ポンプ
の一つは、図7に示すように、プランジャ101の外周
面に環状溝102を形成し、その環状溝102に四フッ
化エチレン樹脂等の摺動抵抗が小さく、かつ伸縮性の小
さい樹脂製のシールリング103を収容し、さらに環状
溝102とシールリング103の間にゴム製のOリング
104を収容した構成となっている。このOリング10
4は、摺動抵抗の小さいシールリング103をシリンダ
105の内周面に押接すると共に、環状溝102とシー
ルリング103に密接してシールリング103の背部か
らの燃料の漏出を防止している。
【0007】また、このようにシールリング103の背
部にゴム製のOリング104を単に配置した場合には、
低温時におけるシールリング103の収縮や経時使用に
伴なうOリング104のへたり等によってシリンダ10
5の内周面に対するシールリング103の押付力が低下
すると、図7中の鎖線で示すように、シリンダ105の
内周面とシールリング103の間に隙間ができることが
考えられる。前記先の出願にはさらにこの点を改良した
燃料加圧用ポンプが開示されている。
【0008】この燃料加圧用ポンプは、図8に示すよう
に、プランジャ101の外周面に形成した環状溝102
に摺動抵抗が小さく、かつ伸縮性の小さい樹脂製のシー
ルリング103を収容すると共に、環状溝102とシー
ルリング103の間に、ゴム製のOリング104と金属
製の付勢リング106をプランジャ軸方向に沿って並設
した構成となっている。付勢リング106はその拡径力
によってシールリング103をシリンダ105の内周面
に押し付けるものであり、シールリング103の低温収
縮やOリング104のへたり等に拘らず、常時シールリ
ング103をシリンダ105の内周面に密接し得るよう
になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す従来の燃料加圧用ポンプにおいては、シールリング
103の背部からの燃料の漏出を防止するゴム製のOリ
ング104が、金属製の付勢リング106よりもポンプ
室107側に配置されているため、図9に示すように、
シールリング103の低温収縮やOリング104のへた
り等によってポンプ室107の高圧燃料(同図中クロス
ハッチングで示す。)がシールリング103の外周面側
に回り込むと、環状溝102内の付勢リング106の収
容部分が低圧(カム室108と同圧)に維持されている
ことと相俟って、高圧燃料がシールリング103を介し
て付勢リング106を縮径方向に押圧しようとする。こ
のため、付勢リング106はこのような場合を想定して
ばね力を大きく設定しなければならなず、このことが通
常使用時におけるプランジャ101(シールリング10
3)とシリンダ105の間の摺動抵抗の増大、延いて
は、シールリング103等の摺動部の耐久性の低下の原
因となっている。
【0010】そこで本発明は、付勢リングのばね力を大
きく設定することなくプランジャとシリンダの摺動隙間
からの燃料の漏出を確実に防止できるようにして、摺動
抵抗の低減とシール性能の向上の両立を図ることのでき
る燃料加圧用ポンプを提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、請求項1に記載の発明は、シリンダ
にプランジャが摺動自在に収容されて、このシリンダと
プランジャの間に、燃料を加圧するポンプ室が形成され
ると共に、シリンダの外部に前記プランジャを進退動作
させるための回転カムが配置され、前記プランジャとシ
リンダのいずれか一方側の摺動面に環状溝が設けられ、
この環状溝内に、他方側の摺動面に密接する摺動抵抗が
小さく、かつ伸縮性の小さい樹脂製のシールリングが配
置されると共に、前記環状溝とシールリングの間に、こ
の両者に密接するゴム製のOリングと、前記シールリン
グを他方側の摺動面方向に付勢する金属製の付勢リング
とが軸方向に並んで配置された燃料加圧用ポンプにおい
て、前記付勢リングをOリングよりもポンプ室側に配置
するようにした。
【0012】したがって、ポンプ室の高圧燃料はプラン
ジャとシリンダの摺動隙間を通ってシールリングの背部
の付勢リング位置に導入されるが、その付勢リングより
も先はOリングによって環状溝とシールリングの間が密
閉されているため、シールリングの背部を通っての高圧
燃料のカム室側への漏出は阻止される。また、ポンプ室
の高圧燃料は付勢リング位置において一部シールリング
の外面側に作用するが、このとき付勢リングの背部にも
同時にポンプ室の燃料圧が作用するため、シールリング
はポンプ室の高圧の燃料圧を受けても他方側の摺動面か
ら離反することはない。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、プランジ
ャの外周面に環状溝が設けられると共に、この環状溝が
同溝内に設けられた仕切壁によって前後二列に隔成さ
れ、この環状溝の各列にOリングと付勢リングが夫々収
容された状態で、このOリングと付勢リングの周域を被
うように前記環状溝内にシールリングが収容配置された
請求項1に記載の燃料加圧用ポンプにおいて、前記プラ
ンジャのポンプ室と逆側の端部をシールリングの挿入部
とした。
【0014】したがって、環状溝の各列に付勢リングと
Oリングを装着した後に、プランジャのポンプ室と逆側
の端部からシールリングを挿入していくと、シールリン
グは最初にOリングを乗り越え、その後に付勢リングの
周域に被嵌される。ここで、付勢リングはその機能上シ
ールリングの内径よりも広がろうとし、また、環状溝内
の仕切壁はプランジャの外周面に対してほぼシールリン
グの厚み分低く形成される。このため、付勢リングは組
付時に環状溝内の仕切壁方向に移動しようとすると、仕
切壁を乗り越えてOリングと干渉する可能性がある。し
かし、この発明にかかるポンプにおいては、組付時に、
シールリングが隔壁側からポンプ室側に向かって移動す
るため、付勢リングがこのとき仕切壁を乗り越えること
はない。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を図1
〜図6に基づいて説明する。
【0016】図面において、1は、本発明にかかる燃料
加圧用ポンプである。この実施形態の燃料加圧用ポンプ
1は自動車用エンジンの燃料噴射装置に用いられる。即
ち、図1に示すように、燃料加圧用ポンプ1の吸入通路
2にはモータM駆動される供給ポンプ3が低圧レギュレ
ータ4を介して接続され、吐出通路5には燃料噴射装置
のインジェクター6が接続されており、供給ポンプ3を
通して燃料タンク7から送られた燃料を本発明にかかる
ポンプ1によって設定高圧に加圧した後にインジェクタ
ー6に供給するようになっている。
【0017】燃料加圧用ポンプ1は、進退動作してポン
プ作用を為す単体のプランジャ8と、このプランジャ8
の進退方向と直交する方向に沿って配置され、エンジン
の動力を受けて回転する駆動軸9と、この駆動軸9に一
体に設けられその外周面を通して前記プランジャ8に作
動力を伝達する回転カム10と、を備え、駆動軸9の回
転を回転カム10を介してプランジャ8の進退動作に変
換し、このプランジャ8の進退動作によって燃料の吸入
と吐出を行うようになっている。尚、回転カム10の外
周面にはエンジンの気筒数に応じた数(この実施形態の
場合4つ)のカム山が形成されている。
【0018】燃料加圧用ポンプ1のポンプボディ11は
駆動軸9と直交する方向に軸心孔15を有しており、そ
の軸心孔15の一端側には有底円筒状のシリンダ16が
嵌着され、他端側には盲蓋17が嵌着されている。ポン
プボディ11の軸心孔15の他端寄りには、回転カム1
0を収容するカム室19が形成され、このカム室19内
において駆動軸9が軸受21a,21bを介して支持さ
れている。
【0019】シリンダ16は、そのシリンダ穴22がカ
ム室19側に開口するように配置されており、そのシリ
ンダ穴22内には棒状のプランジャ8の基部が摺動自在
に収容されている。そして、シリンダ穴22の底部とプ
ランジャ8の基部とに挟まれた空間部がポンプ室23と
されており、プランジャ8の進退動作によってこのポン
プ室23の容積が増減変化するようになっている。尚、
シリンダ16からポンプボディ11にかけては給排孔2
4が形成されており、この給排孔24を通してポンプ室
23への燃料の給排が行われるようになっている。
【0020】また、ポンプボディ11の軸心孔15は、
シリンダ嵌合部よりもカム室19側が段差状に拡径して
形成され、その拡径部分がリフタ室25とされている。
このリフタ室25の周壁には金属製のブッシュ26が圧
入され、このブッシュ26内に有底円筒状のリフタ27
が摺動自在に嵌合されている。このリフタ27は、その
底壁の内側面中央に前記プランジャ8の先端面が当接す
ると共に、底壁の外側面に回転カム10の外周面が直接
回転接触するようになっている。また、プランジャ8の
先端部には、スナップリング28を介して環状のスプリ
ングシート29が取り付けられ、このスプリングシート
29とリフタ室25の上壁との間に、プランジャ8を回
転カム10方向に付勢するためのスプリング30が介装
されている。
【0021】プランジャ8の略中央部外周面には設定幅
の捕獲溝31が形成され、ポンプ室23からプランジャ
8とシリンダ16の摺動隙間を通って漏出した燃料をこ
の捕獲溝31によって捕獲し、その捕獲した燃料を、シ
リンダ16に形成された連通路32を介して吸入通路2
に戻すようになっている。したがって、捕獲溝31は吸
入通路2の圧力、つまり、低圧レギュレータ4で調圧さ
れた圧力に維持されている。
【0022】また、プランジャ8の捕獲溝31よりも先
端側の外周面には環状溝35が形成されており、この環
状溝35にゴム製のOリング36と、ばね鋼から成るC
リング37(金属製の付勢リング)と、四フッ化エチレ
ン樹脂等の摩擦係数が小さく、かつ、伸縮性の小さい樹
脂材料から成るシールリング38とが収容されている。
【0023】環状溝35は、図1の拡大部分と図3に示
すように、その内部に環状の仕切壁35aが突設され、
この仕切壁35aによって軸方向に前後二列に隔成され
ている。ここで、ポンプ室23側の列を第1溝35b、
カム室19側の列を第2溝35cと呼ぶものとすると、
第1溝35bは第2溝35cよりも小断面に形成され
て、その内部にCリング37が収容されると共に、第2
溝35cにはOリング36が収容されている。したがっ
て、Cリング37はOリング36よりもポンプ室23側
に配置されている。そして、第1,第2溝35b,35
cと仕切壁35aから成る環状溝35には、前記両リン
グ36,37の外周域を被うようにシールリング38が
被嵌されている。
【0024】Cリング37は、シールリング38をシリ
ンダ16の内周面に押接するためのもので、その外径は
プランジャ8の外径よりも大きく設定されており、Oリ
ング36は、環状溝35とシールリング38の間を密閉
するためのもので、その直径は第2溝35cの深さより
も大きくなるように設定されている。また、仕切壁35
aはCリング37とOリング36を夫々環状溝35内の
所定位置に保持するためのものであり、その外周端面は
プランジャ8の一般部の外周面に対してほぼシールリン
グ38の厚み分だけ低くなるように設定されている。
【0025】したがって、シールリング38は、プラン
ジャ8がシリンダ16に嵌合された状態において、Cリ
ング37とOリング36による押圧によって外周面が外
側に膨出し、その膨出した外周面がシリンダ16の内周
面に密接する。そして、このとき同時にシールリング3
8と第2溝35cの間がOリングによって密閉されるた
め、ポンプ室23側からシリンダ16とプランジャ8の
隙間に流入した燃料はシールリング38の内外両側にお
いて密閉され、リフタ室25側に漏出するのが防止され
る。
【0026】また、ポンプ室23に連通する吸排孔24
は、吸入通路2と吐出通路5に夫々チェック弁39,4
0を介して接続されており、これらのチェック弁39,
40の協働によりポンプ室23を吸入通路2と吐出通路
5の一方に連通させるようになっている。さらに、吐出
通路5には吸入通路2に連通する戻し通路41が分岐形
成され、この戻し通路41の途中に、吐出通路5内の圧
力を設定圧に維持するように通路を開閉する圧力調整弁
13が介装されている。
【0027】尚、図1中42は、カム室19やリフタ室
25等に潤滑油を循環供給するためのオイル通路であ
る。
【0028】以上の構成において、エンジンの始動に伴
って駆動軸9が回転すると、回転カム10の外周面がリ
フタ27に回転接触し、プランジャ8がこのリフタ27
を介して回転カム10の作動力を受け、昇降作動するよ
うになる。
【0029】このとき、プランジャ8が下降すると、ポ
ンプ室23内が負圧になり、供給ポンプ3から送られた
燃料はチェック弁39を開いてポンプ室23内に吸い入
れられる。そして、この後プランジャ8が上昇すると、
ポンプ室23内の燃料が加圧されて吐出チェック40が
開き、その燃料が吐出通路5を通って燃料噴射装置のイ
ンジェクター6へと供給される。また、こうしてプラン
ジャ8の昇降によるポンプ作用がつづけられ、吐出通路
5内の圧力が設定圧以上になると、圧力調整弁13が戻
し通路41を開き、吐出通路5の燃料の一部を吸入通路
2に戻すことによって吐出通路5内の圧力が設定圧に調
圧される。
【0030】また、この一方でエンジンの始動と共に図
外のオイルポンプが作動し、潤滑油がこのオイルポンプ
によってエンジン内各部に送られる。そして、その潤滑
油の一部はオイル通路42を通ってカム室19とリフタ
室25に供給される。これにより、軸受21a,21b
や回転カム10、リフタ27、プランジャ8等の摺動面
に潤滑油が充分に供給されることになる。
【0031】ところで、ポンプ室23内で加圧された燃
料の一部は、プランジャ8とシリンダ16の摺動隙間を
通ってリフタ室25方向に流出しようとする。しかし、
このときプランジャ8とシリンダ16の摺動隙間に入り
込んだ燃料の大半はプランジャ8の外周面に形成された
捕獲溝31によって捕獲され、この捕獲溝31から連通
路32を通って吸入通路2に戻される。
【0032】また、このとき捕獲溝31内は低圧レギュ
レータ4での調整圧とされるため、捕獲溝31内の燃料
はさらにプランジャ8とシリンダ16の摺動隙間を通っ
てリフタ室25やカム室19の方向に流れ込もうとす
る。しかし、プランジャ8とシリンダ16の摺動隙間
は、前述のようにプランジャ8の環状溝35内に収容さ
れたシールリング38と、Cリング37及びOリング3
6の協働によって密閉されるため、ポンプ室23内の燃
料はリフタ室25やカム室19内に流れ込むことがな
い。
【0033】ここで、低温時におけるシールリング35
の収縮や、経時使用に伴なうOリング36のへたり等に
よってシールリング35がシリンダ16の内周面に対し
て縮径することが考えられるが、シールリング35は金
属製のCリング37によって常時一定の力でシリンダ1
6の内周面に押し付けられているため、たとえこのよう
な場合であってもシールリング35の外周面側から燃料
が漏れることはない。
【0034】ところで、ポンプ室23側から環状溝35
方向に流れ込む燃料は、図3中のクロスハッチングで示
すように、プランジャ8とCリング37の隙間を通って
第1溝35b内に流入すると共に、さらに仕切壁35a
とシールリング38の隙間を通って第2溝35c内のポ
ンプ室側領域に流入するが、それ以上の流出は第2溝3
5cの底面とシールリング38の内周面に密接するOリ
ング36によって阻止される。そして、このとき第1溝
35bと第2溝35cの一部に流入した燃料はシールリ
ング38を径方向外側に押圧するため、シールリング3
8はCリング37とOリング36による押付力ばかりで
なく、この燃料圧も加わってシリンダ16の内周面に密
接する。
【0035】したがって、シリンダ16に対するシール
リング38の押付力を保証するためのCリング37はさ
して大きなばね力に設定しなくても燃料の漏れを確実に
阻止することができる。つまり、図4に示すように、C
リング37の周域部においてシールリング38の外周面
の一部にポンプ室23側の燃料圧が作用した(同図中、
燃料圧が作用する部分はクロスハッチングで示す。)と
しても、その外周面に作用する燃料圧はCリング37と
シールリング38の内周面に作用するポンプ室23側の
燃料圧によって打ち消すことができる。このため、Cリ
ング37のばね力は、シールリング38の外周面に作用
する燃料圧を気にすることなく、小さく設定することが
できる。
【0036】よって、この燃料加圧用ポンプ1は、通常
使用時におけるCリング37によるシールリング38の
押付力を小さくできることから、シールリング38とシ
リンダ16の間の摺動抵抗を小さくして、動力損失の低
減と摺動部の耐久性の向上を図ることができる。
【0037】また、この実施形態においては、図1に示
すように、環状溝35をプランジャ8のカム室19寄り
に形成し、プランジャ8のカム室19側の端部(ポンプ
室23と逆側の端部)をシールリング38の挿入部とし
ている。したがって、シールリング38は、図6中の矢
印で示すようにOリング36を乗り越えた後にCリング
37の外周側に被嵌される。
【0038】この実施形態のポンプ1は、シールリング
38が最初に挿入される側にOリング36が位置されて
いるが、これが逆に図5(a),(b)に示すようにシ
ールリング38が最初に挿入される側にCリング37が
配置されていると、シールリング38の挿入時に、図5
(b)に示すようにCリング37がシールリング38に
押されて仕切壁35aを乗り越えることがあり、このよ
うなことがないように注意しながら組付作業を行わなけ
ればならない。
【0039】しかし、この実施形態のポンプ1にあって
は、図6に示すように、拡径しようとするCリング37
が仕切壁35a方向に移動することがないため,Cリン
グ37が仕切壁35aを乗り越えてOリング36と干渉
する不具合は生じない。したがって、このポンプ1を採
用した場合には組付作業性が確実に向上する。
【0040】尚、以上で説明した実施形態においては、
環状溝35をプランジャ8側に形成したが、環状溝35
をシリンダ16の内周面に形成して、その環状溝35内
にOリング36やCリング37、シールリング38等を
収容するようにしても良い。
【0041】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明は、
ポンプ室の燃料圧が常時付勢リングの背部に作用するた
め、ポンプ室の燃料圧がシールリングの外面側から付勢
リングを押し縮める方向に作用しても、その力を付勢リ
ングの背部に作用する燃料圧によって打ち消すことがで
きる。したがって、付勢リングのばね力を大きく設定し
なくてもシールリングが他方側の摺動面から離反するこ
とがなくなり、その結果、摺動抵抗の低減とシール性能
の向上の両立が可能になる。
【0042】請求項2に記載の発明は、環状溝に付勢リ
ングとOリングを装着した後にこれらの上部にシールリ
ングを被嵌する際に、付勢リングが環状溝内の仕切壁を
乗り越えてOリングと干渉する心配がなく、したがっ
て、組付作業が容易になる分低コストでの製造が可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す縦面図。
【図2】同実施形態を示す図1のA−A線に沿う断面
図。
【図3】同実施形態を示す要部の拡大断面図。
【図4】同実施形態を示す要部の拡大断面図。
【図5】同実施形態を説明するための比較例の拡大断面
図。
【図6】同実施形態の拡大断面図。
【図7】従来技術を示す断面図。
【図8】別の従来技術を示す断面図。
【図9】同従来技術を示す断面図。
【符号の説明】
1…燃料加圧用ポンプ 8…プランジャ 9…駆動軸 10…回転カム 16…シリンダ 23…ポンプ室 35…環状溝 36…Oリング 37…Cリング 38…シールリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA02 AA07 AB02 BA18 BA34 BA35 BA36 BA56 CA01S CA04T CA05T CA09 CA22T CB09 CB15 CD07 CD10 CD14 CD17 CE02 DA01 3H071 AA03 BB01 CC28 DD01 DD52 DD54 DD55

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダにプランジャが摺動自在に収容
    されて、このシリンダとプランジャの間に、燃料を加圧
    するポンプ室が形成されると共に、シリンダの外部に前
    記プランジャを進退動作させるための回転カムが配置さ
    れ、前記プランジャとシリンダのいずれか一方側の摺動
    面に環状溝が設けられ、この環状溝内に、他方側の摺動
    面に密接する摺動抵抗が小さく、かつ伸縮性の小さい樹
    脂製のシールリングが配置されると共に、前記環状溝と
    シールリングの間に、この両者に密接するゴム製のOリ
    ングと、前記シールリングを他方側の摺動面方向に付勢
    する金属製の付勢リングとが軸方向に並んで配置された
    燃料加圧用ポンプにおいて、 前記付勢リングをOリングよりもポンプ室側に配置した
    ことを特徴とする燃料加圧用ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記プランジャの外周面に環状溝が設け
    られると共に、この環状溝が同溝内に設けられた仕切壁
    によって前後二列に隔成され、この環状溝の各列にOリ
    ングと付勢リングが夫々収容された状態で、このOリン
    グと付勢リングの周域を被うように前記環状溝内にシー
    ルリングが収容配置された請求項1に記載の燃料加圧用
    ポンプであって、 前記プランジャのポンプ室と逆側の端部をシールリング
    の挿入部としたことを特徴とする燃料加圧用ポンプ。
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