JP2010168833A - 落石等防護柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトで落石等のエネルギーの吸収効率が高く、しかも強度面、機能面及び施工面、補修面ですぐれた落石等防護柵を提供する。
【解決手段】傾斜面の落石、土砂、雪崩等を防止すべき箇所に沿って間隔をおいて立設された端末支柱と、前記端末支柱間に間隔をおいて立設された複数本の中間支柱と、端末支柱と中間支柱の山側に沿って上下方向に間隔をあけて複数段張設された山側ケーブルと、破断時伸びが山側ケーブルの破断時伸びの4〜9倍を有し、端末支柱と中間支柱の道路側に沿って上下方向に間隔をあけて複数段張設された道路側ケーブルを備え、中間支柱間の道路側ケーブルと山側ケーブルのそれぞれに間隔保持材を取付けている。
【選択図】図1

Description

本発明は道路沿い等に設置されて落石、土砂、雪崩などの衝撃力をロープの破断エネルギー及び伸びエネルギーで吸収する形式の落石等防護柵に関する。
山間地の傾斜面に発生する落石、土砂、雪崩等から道路や家屋を守る手段として、支柱間に複数本の水平状の横ロープを上下に間隔をもって張設し、その張設した横ロープの表面に金網を取り付けて落石、土砂、雪崩を受け止めるようにした防護柵が用いられている。
こうした防護柵は、図7の荷重−伸び曲線に示すように、落石によりケーブルに加わる荷重が破断荷重の1/2以下の場合はケーブルが落石エネルギー(斜線部分)を吸収するが、1/2以上の荷重が加わると支柱を変形させて落石エネルギーを吸収する構造になっている。
また、巨大化する落石エネルギー等に対応するため、端末支柱間の谷側と道路側のそれぞれに横ロープを張設した防護柵が提案されている。
さらに、支柱と横ロープの係留部を、緩衝金具を介して結合した構造とし、山側から落下した落石がロープを直撃した際の張力によるロープと緩衝金具の滑り摩擦抵抗や金具の塑性変形により衝撃エネルギーを減衰吸収させるようにしたものも提案されている。
しかし、端末支柱間の谷側と道路側のそれぞれに横ロープを張設した方式は、落石を受けるロープの破断荷重は増大するが、ロープでのエネルギー吸収量が大きく増加するわけではないので、ロープ端末金具、端末支柱等の大型化を避けられず、工事が大掛かりで工事費が高くなる問題があった。
また、緩衝金具により衝突エネルギーを吸収する方法は、緩衝金具を塑性変形させるので、ロープ端末及び緩衝金具にはロープの破断荷重以上の強度が要求される。ロープの伸び(破断伸びは7%以下)ではエネルギー吸収はそれほど期待できず、緩衝金具及びロープ端末が衝撃エネルギーを直接受けることになるので、やはり端末金具や支柱の大型化は避けられない。
さらに、ロープの伸びにより衝撃エネルギーの吸収量を上げようとすると、支柱間の距離を、例えば30〜60mといった長スパン化することが必要となる。しかし、長スパンにすると落石発生可能性面積が広がり、落石量も増大するので、ロープ強度も上げる必要があり、ロープ強度増加に合わせたロープ端末金具や支柱の大型化が避けられなくなる。さらに、防護柵全体で衝撃エネルギーを吸収する構造では、部分補修の難度は高くなり、補修費用も嵩むことになる。
特開平8−13425号公報
本発明は前記のような問題点を解消するために創案されたもので、その目的とするところは、コンパクトで落石等のエネルギーの吸収効率が高く、しかも強度面、機能面及び施工面、補修面ですぐれた落石等防護柵を提供することにある。
なお、本発明は、落石防止のほか土砂の落下、雪崩の防止にも用いられ得るので落石等防護柵としている。
上記目的を達成するため本発明の落石等防護柵は、傾斜面の落石、土砂、雪崩等を防止すべき箇所に沿って間隔をおいて立設された端末支柱と、前記端末支柱間に間隔をおいて立設された複数本の中間支柱と、端末支柱と中間支柱の山側に沿って上下方向に間隔をあけて複数段張設された山側ケーブルと、破断時伸びが山側ケーブルの破断時伸びの4〜9倍を有し、端末支柱と中間支柱の道路側に沿って上下方向に間隔をあけて複数段張設された道路側ケーブルを備え、中間支柱間の道路側ケーブルと山側ケーブルのそれぞれに間隔保持材が取り付けられていることを特徴としている。(請求項1)
本発明によれば、端末支柱間とこれらに間隔をおいて立設された複数本の中間支柱山側に沿って上下方向に間隔をあけて複数段山側ケーブルを張設する一方、破断時伸びが山側ケーブルの4倍から9倍のケーブルを道路側として使用し、端末支柱間とこれらに間隔をおいて立設された複数本の中間支柱と道路側に沿って山側に沿って上下方向に間隔をあけて複数段張設し間隔保持材で連結されていることにより、落石の直撃を受けたケーブルの衝撃エネルギーは間隔保持材を経由して他のケーブルに分散され、さらに山側ケーブルはケーブル破断に至る伸びすなわち塑性域での破断までの全てを落石エネルギーの吸収に費やすことができ、道路側ケーブルは、山側ケーブルの破断後の残存落石エネルギーを伸びで吸収することができる。
したがって、暴風雨などでの小規模な小石等の落下(100kj以下)、年に数回程度発生する台風時での落石(500kj以下)、数年に1度発生する地震などによる岩塊(1000kj以下)などの多様な落石形態に1基で対応することができる。
すなわち、通常頻発する小規模な落石(100kj以下)に対しては、山側ケーブル単独で対応できるので、メンテナンスフリーが可能となり、大規模な落石(1000kj以下)時には、山側ケーブルは破断、道路側ケーブルは塑性変形を伴うエネルギー吸収機能を発揮する。
上記のようにケーブル自体のエネルギー吸収能力が高いため、端末金具や中間支柱として軽量な部材を使用して高い性能を発揮することができ、また、部材の塑性変形は数年に1度程度の大規模災害時なので、通常の維持管理や補修は大幅に軽減でき、コストも安価で済む。
(a)は本発明による落石等防護柵の第1実施例示す正面図、(b)は平面図である。 (a)は本発明の端末支持とロープ端末との連結関係を示す正面図、(b)は平面図である。 (a)は中間支柱とケーブルの取り合いを示す正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 (a)は間隔保持材とケーブルの取り合いを示す正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 (a)〜(d)は本発明の落石等防護柵に衝突した落石の挙動と防護柵の状態変化を示す模式図である。 本発明の落石等防護柵の第2実施例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 従来の防護柵(通常のケーブルの安全率を加味したケーブルを使用)の吸収エネルギーを示す線図である。 本発明の防護柵(通常ケーブルと伸びの大きいケーブルの併用)の吸収エネルギーを示す線図である。
好適には、道路側ケーブルはケーブル保護材を介して中間支柱に長手方向摺動可能に保持されている。
これによれば、中間支柱に取り付けられた道路側ケーブルは長手方向に摺動可能なので、一箇所の落石が端末支柱間のケーブル全長に確実に伝わり、落石エネルギーの吸収量を高めることができる。
さらに、ケーブル保護材は、両端がラッパ状に開口した半割パイプからなっているので、ケーブルが道路側に伸びたときにケーブル屈曲を防止することができ、スムーズなケーブル伸びが得られる。
山側ケーブルが中間支柱に縁切りして取り付けられている態様を含んでいる。これによれば、山側ケーブルに損傷がある場合は、損傷した中間支柱単位で補修できるので、暴風雨での小規模な小石等の落下(100kj以下)による損傷では特に有効である。
好適には、山側ケーブルと道路側のケーブルのいずれか一方に網が張られている。
これによれば、通常頻発する小規模な落石や土砂が上下に張設したケーブルの間をすり抜けて道路上に到達することを防止することができる。また、落石による金網の塑性変形が落石エネルギーの吸収に役立つと同時に上下ロープへの張力伝達にも寄与する。
以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1において、aは道路側(谷側) bは山側である。符号1は道路と山側傾斜面との境界に沿って設置された本発明によるハイブリッド型高エネルギー吸収式の落石等防護柵である。
前記落石等防護柵1は、山の傾斜面から落石(土砂、雪崩など)を受け止め阻止すべき箇所に沿って両端部に端末支柱2、2が立設されるとともに、端末支柱2,2間に中間支柱3がほぼ等間隔で立設されており、中間支柱3,3間には、複数本の縦長の間隔保持材6が位置している。
端末支柱2,2の道路側aには、中間支柱3に支架されつつ端末支柱2,2に伸びの大きいケーブル4Aが上下方向に複数段掛け渡され、端末支柱2,2の山の斜面に面する山側bには、前記ケーブル4Aよりも伸びの少ないケーブル4Bが掛け渡され、中間部分が中間支柱3に保持されている。
端末支柱2,2の道路側aと山側bにそれぞれ上下方向に複数段に張設されたケーブル4A,4Bは間隔保持材6に支持されており、また、少なくとも山側ケーブル4Bには全面に金網7が張られている。なお、本発明において、「ケーブル」はロープを含む概念である。
端末支柱2は、通常の支柱と同じように単一のH形鋼から構成されていてもよいが、頑強な防護柵とすべく、この実施例では、図2のように、道路側aに左右に間隔をあけて2本の単位支柱2A,2Aを配すとともに、山側bに左右に間隔をあけて2本の単位支柱2B,2Bを配し、それら単位支柱は前後方向を当接させて溶接等により一体化するとともに、左右の単位支柱の道路側面と山側面にそれぞれプレート状の連結部材21,21を渡し、溶接などで固定することにより大断面で強度の高いボックス状支柱としている。
この例では、4本の単位支柱2A,2Bはたとえば300mm×300mm×10mm×15mm、長さ4000mmのH形鋼からなり、防食効果を高めるために亜鉛めっきが施されている。また、景観を維持するため、亜鉛めっきの上に樹脂塗装が施されていてもよい。
4本の単位支柱2A,2Bは所要長さたとえば1000mm の下部211がモルタルやコンクリートなどのセメント系基礎50に埋め込まれ、強固に地盤に固定されている。もちろん、地盤が図1の仮想線のようにコンクリート基礎壁を有している場合には、これを利用して下部211が埋設される。なお、単位支柱2A,2BはH形鋼でなく角鋼管でもよいし、溝形鋼を対向状に溶接したものでもよい。
中間支柱3は、図3のようなたとえば300mm×300mm×10mm×15mm、長さ4150mmのH形鋼あるいは図示しないが角鋼管や溝形鋼を対向状に溶接したものからなり、防食効果を高めるために亜鉛めっきが施されている。景観を維持し、さらに防食効果を高めるためにその上に樹脂塗装が施されていてもよい。
中間支柱3は所要長さたとえば1150mmの下部311がモルタルやコンクリートなどのセメント系基礎50に埋め込まれることで強固に立設されている。
しかし、これに限らず、前記端末支柱と同じように地盤がコンクリート基礎壁を有している場合には、これを利用して下部311が埋設されておよいし、下部にステーつきのプレート金具を設け、これをセメント系基礎にアンカーされたプレート金物(図示せず)に剛結することで立設していてもよい。
図1はケーブル4と端末支柱2,2の連結状況を示しており、図1(b)のように両端の端末支柱2,2間には防護施設の道路側、山側面において複数のケーブル4A,4Bが上下に適当な間隔をあけてそれぞれ張設されている。
図2に示されるように、道路側aのケーブル4Aは、端末支柱2の道路側にある単位支柱2A、2Aを貫通してナットで緊締固定された索端金具11にターンバックル10を介して連結されており、山側のケーブル4Bも同様に端末支柱2の山側にある単位支柱2B、2Bに端部が固定された索端金具11にターンバックル10を介して連結されており、それぞれターンバックル10の操作により初期張力が加えられるようになっている。
山側に張設されるケーブル4Bは、たとえば亜鉛めっきされた構造が7×7、直径16mm、破断時伸びが6.5%、破断荷重は165kN、吸収エネルギーが11kN・mのケーブルやロープである。これに対して、道路側に張設されるケーブル4Aは、破断時伸びが山側ケーブル4Bの4〜9倍の特性を有している。
すなわち、道路側ケーブル4Aは、構成するワイヤの降伏比が0.5〜0.7(降伏点/引っ張り破断荷重)で、かつ、伸びPが25%≦P≦60%の範囲にコントロールされた吸収エネルギーの大きなロープを用いることが望ましい。伸びの上限を60%としたのは、これを超える伸びでは必要以上に道路側に落石がはみ出すからであり、下限を25%としたのはこれ未満だとエネルギー吸収が少なく十分な効果が得られないからである。
道路側ケーブル4Aの具体例をあげると、構造が3×7、直径18mm、材質は軟質ステンレス(成分がC:0.001%〜0.15%、Si:0.01%〜1.5%、Mn:0.3%〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、Cr:14.0%〜26.0%、Ni:6.0%〜22.0%、N:0.02%以下、残りが実質上Fe)であり、破断荷重は84kN、伸びは52%、吸収エネルギーは35kN・mである。
ケーブル4A、4Bは景観の効果を高めるため樹脂塗装が施されていてもよい。
図3は中間支柱3に対する道路側ケーブル4Aと山側ケーブル4Bの支架状況を示しており、道路側ケーブル4Aは中間支柱3に拘束されず、ケーブル保護材8を介して摺動自在に保持されている。これに対し、山側ケーブル4Bは、長手方向にみだりに摺動しないように中間支柱3に保持されている。
まず、道路側ケーブル4Aについては、中間支柱3の道路側フランジ31AにU字ボルト33を挿通するための上下2個の穴がフランジ32を挟んで左右2箇所設けられており、道路側ケーブル4Aは前記上下穴の中央に配置するように道路側フランジ31Aに沿わされ、その状態で保護材8を被せ、左右2箇所の穴にU字ボルト33を貫挿し、ナットで締結している。
保護材8はステンレス、亜鉛めっき鋼板、プラスチック等から作られていて、半割り管状ないしトラック状をなし、中間領域の内径は道路側ケーブル4Aの径と同程度若しくは若干太めになっていて、道路側ケーブル4Aが挿通されている。これで道路側ケーブル4Aは長手方向に摺動可能となり、道路側ケーブル4Aの全体が均等に伸びることができ、落石エネルギー吸収効率を高められるのである。そして、保護材8の両端部にはラッパ状の拡径部80が形成されている。これは、落石で道路側ケーブル4Aが道路側に伸びて移動するときに、中間支柱3の取り付部でのケーブル4Aの屈曲による応力集中を緩和し、剪断破壊を防止するためである。
次に、中間支柱3に対する山側ケーブル4Bの取り付けは、山側フランジ31Bに前述した道路側フランジ31Aと同様にU字ボルト33を挿通する穴を設け、山側ケーブル4Bを山側フランジ31Bに沿って配置し、U字ボルト33で直接ケーブル4Bを囲み、中間支柱3にナットで締結することで押し付けている。
本発明では上記方法により、道路側ケーブル4Aが上下10段、山側ケーブル4Bが上下10段配置してある。ケーブル及び保護材は景観の効果を高めるため樹脂塗装されていてもよい。
前記多段状の道路側ケーブル4Aと山側ケーブル4Bには、隣り合う中間支柱3,3間において、中間支柱の間隔より狭い所定の間隔で間隔保持材6が取り付けられており、こうした間隔保持材6により、多段状の道路側ケーブル4Aと山側ケーブル4Bは上下方向で所定の間隔が保たれるとともに、前後方向で所定の間隔が保たれるように保持される。したがい、落石を受けた一部のケーブルが道路側に変位しようとすると、間隔保持材6を通じて他のケーブルも変位を伴うことになる。
間隔保持材6は図4のように、たとえば100mm×100mm×6mm×8mm、長さ3000mmの2本のH形鋼61,61を一方のフランジ面同士に間隙をもたせ、他のフランジ面が道路側と山側に面するように縦配置し、対向するフランジ面間の上下方向数箇所たとえば4箇所程度を、連結部材62たとえば100mm×100mm×6mm×8mmのH形鋼で溶接により結合したものである。
ケーブル4A,4Bの間隔保持材6への取り付けは、間隔保持材6の道路側a、山側bに面するそれぞれのフランジ面61A,61BにU字ボルト66を挿通する2個の上下穴をリブを挟んで左右2箇所設けておき、ケーブル4A,4Bを上下穴の中央に配置し、左右2箇所の穴にU字ボルト66を貫挿し、ナットで締結する。
そして、少なくとも山側ケーブル4Bの全面には、たとえば亜鉛めっきしたワイヤ径4.0mmで50mm×50mmに編んだ金網7が結合コイルで取り付けてある。好適には、落石時に間隔保持材6、山側ケーブル4Bおよび金網7が連動するように、間隔保持材6とケーブル4Bと金網7がU字ボルトを介して一体化されている。なお、金網は道路側ケーブル4Aにも張設されていてもよい。
本実施例の落石防止柵に落石が衝突したときの様子を図5に模式的に示す。図5(a)に示すように落石Sが中間支柱3,3間の山側ケーブル4Bに衝突すると、図5(b)のように山側ケーブル4Bと道路側ケーブル4Aは間隔保持材6により間隔を保って道路側aに伸び、ケーブルが6.5%程度伸びたときに、図5(c)に示すように山側ケーブル4Bは破断する。図8に示すように山側ケーブル4Bが破断した時点で一点斜線のエネルギーが吸収される。
山側ケーブル4Bの破断後、落石Sは道路側ケーブル4Aに衝突し、図5(d)のように道路側ケーブル4Aは伸びによりエネルギーを吸収する。道路側ケーブル4Aが28%まで伸びた時点で落石が停止したときのエネルギー吸収量は図8に示す斜線である。
本発明では、山側ケーブル4Bの破断までの伸びと、道路側ケーブル4Aの伸びにより落石のエネルギー吸収量が飛躍的に増大するので中間支柱3、端末支柱2の塑性変形を大幅に抑えることが可能になった。
第2の実施例を図6に示す。これは第1実施例に示す防護柵において、端末支柱2,2間に中間支柱3を5m間隔で設置し、道路側ケーブル4Aについては実施例1と同じようにケーブル保護材8を介して中間支柱3に摺動自在に保持するが、山側ケーブル4Bについては、各中間支柱3で縁切りしている。
すなわち、中間支柱3の山側フランジ31Bには帯板状のブラケット70が溶接されており、山側ケーブル4Bの端末には環状に加工したトヨロック端末72を設け、そのトヨロック端末72をブラケット70にシャックル71を介して連結している。
この実施例は山側ケーブル4Bが短尺化するので伸びの絶対量は少なくなり、エネルギー吸収量は減るけれども、ケーブルの取替えなどの補修が容易になるメリットがある。従って、山側ケーブル4Bの破断に至らない程度の小規模な落石、土砂災害が多発するような箇所に適した防護柵である。
本発明の防護柵は、落石等のエネルギーが山側ケーブル4Bの弾性限度内の小さいときには、ロープのみの性能で伸びを抑えた形でエネルギーを吸収し、落石等のエネルギーが大きく山側ケーブル4Bの塑性域になれば、道路側ケーブル4Aの機能も協働し、エネルギーが吸収される構造であり、山側ケーブル4Bが破断に到った後も、道路側ケーブル4Aの高エネルギー吸収性能により持ち込まれるエネルギーを吸収することができる。山側ケーブル4Bは犠牲ロープとして破断までのエネルギー吸収に寄与させることができるので、高エネルギーの吸収が可能である。
そして、通常の落石等を受ける場合は支柱部材の塑性変形は起らないため補修などは必要でなく、台風や大きな地震の後に大きな落石エネルギーを受けたときのみ補修が必要であるから、補修・維持管理の費用がかからない。
そして、伸びが大きく破断荷重が低いロープを道路側に用いることで高い衝撃エネルギーを受けた際に端末部に伝わる反力は従来の柵よりも小さいため、柵の端末部をコンパクトにすることができ、またロープ自体のエネルギー吸収能力が高いため、構成部材として軽量なものを用いることができ、イニシャルコストも低減でき、躯体の大型化を抑止できる。すなわち、価格をあまり上げることなく性能が高くなり、また、メンテナンスの回数の低減も図ることができる。
本発明の落石エネルギーごとの作用効果をまとめると次のとおりであり、本発明は、これらの落石エネルギーによる災害を1種類の柵で対応可能である。
1)100kj程度の軽微な落石エネルギー:風雨などによる小石・岩の落下:頻発
従来の柵と同様に金網及び山側ケーブルの吸収エネルギーで受け止める。支柱などの柵の塑性変形がないため、補修は不要である。
2)100〜500kj程度のやや大きい落石エネルギー:台風時などに連続発生する岩塊の落下:年数回
山側ケーブルが塑性変形を始めると、道路側ケーブルの伸びもエネルギー吸収に加担し始める。山側ケーブル、道路側ケーブル、衝突前後のエネルギー差によるエネルギー吸収が働く域である。
3)500〜1000kjの大きい落石エネルギー:大きな地震時に発生する岩塊の落下:通年に1回
山側ケーブルが破断してしまうと、道路側ケーブルの伸びと支柱の塑性変形によりエネルギーを吸収する。
2 端末支柱
3 中間支柱
4A 道路側ケーブル
4B 山側ケーブル
6 間隔保持材
7 金網
8 保護材

Claims (5)

  1. 傾斜面の落石、土砂、雪崩等を防止すべき箇所に沿って間隔をおいて立設された端末支柱と、前記端末支柱間に間隔をおいて立設された複数本の中間支柱と、端末支柱と中間支柱の山側に沿って上下方向に間隔をあけて複数段張設された山側ケーブルと、破断時伸びが山側ケーブルの破断時伸びの4〜9倍を有し、端末支柱と中間支柱の道路側に沿って上下方向に間隔をあけて複数段張設された道路側ケーブルを備え、中間支柱間の道路側ケーブルと山側ケーブルのそれぞれに間隔保持材が取り付けられていることを特徴とする落石等防護柵。
  2. 道路側ケーブルはケーブル保護材を介して中間支柱に長手方向摺動可能に支架されている請求項1に記載の落石等防護柵。
  3. ケーブル保護材は両端がラッパ状に開口した半割パイプからなっている請求項2に記載の落石等防護柵。
  4. 山側ケーブルが中間支柱に縁切りして取り付けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の落石等防護柵。
  5. 山側ケーブルと道路側のケーブルのいずれか一方に網が張られている請求項1ないし4のいずれかに記載の落石等防護柵。
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