JP2010166854A - 植物栽培用容器、植物栽培用容器を用いた植物の栽培方法 - Google Patents

植物栽培用容器、植物栽培用容器を用いた植物の栽培方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容器を順次重ねて生育を進行させる栽培方法において、上側の容器等の重さによって下側の容器内部の用土に加わる圧力を軽減させ、かつ、根切り作業に要する労力を軽減させる。
【解決手段】植物の栽培に用いる植物栽培用容器(例えば植木鉢10)は、上面が開口し、底壁部(例えば底壁部16)には、上下方向に複数の孔(例えば孔11)が形成され、かつ、この複数の孔と略垂直に交わる根切り孔(例えば根切り孔15)が形成され、側壁部(例えば側壁部12)に、上側から重ねられた他の容器を支持するための支持部(例えば棚部13)が形成されたことを特徴とする。これにより容器内部の用土に加わる圧力を軽減させることができるとともに、根切り作業が容易となる。また、根切り作業を行うことによって、用土から吸収した硝酸イオンなどの化学成分を消化し、化学成分の含有量が少ない安全性の高い植物を得ることも可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、植物栽培用容器および植物栽培用容器を用いた植物の栽培方法に関する。
従来から、鉢やプランター等の容器を用いた野菜等の栽培方法として、多くの方法が提案されている。本願に係る発明をした者の1人が先に出願し、登録された栽培方法もその1つである(特許文献1)。これは、鉢やプランター等、上面が開口し、下面に連通孔を有する容器を複数個用いるもので、複数の容器の開口部が、それぞれ異なる大きさであり、それらに、栽培対象とする野菜等の生育段階に応じた肥料を混合せしめた用土を詰め、順次重ね合わせながら生育を進行させる栽培方法であり、それなりの良い結果を得ることができた。
また、特許文献1においては、積み重ねた容器のうち、下段に位置する容器を外して根切りなどの処置を行うことにより、最終的に一段の鉢で植物を栽培することや、栽培途中に樹勢が弱くなった場合に、下段に位置する容器を外して、根切りなどを行い、外した容器内に充填された用土を交換して再び生育を進行させるという概念が開示されている。
特許2744210号公報
しかしながら、上述した栽培方法では、容器を重ねるほど、下に位置した容器内部の用土に圧力がかかり、根の成長を阻害してしまうという問題があった。
また、上述した栽培方法では、上段に位置した容器を持ち上げてから根切りを行う必要があるため、その作業は煩わしく、困難であるという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決すべく、容器を順次重ね合わせながら生育を進行させる栽培方法において、容器を複数重ねても、上側に位置した容器及びその内部の重さによって下側に位置した容器内部の用土に加わる圧力を軽減させることができ、かつ、根切り作業に要する労力を軽減させることができるようにすることを目的とする。
本発明の植物栽培用容器は、植物の栽培に用いる植物栽培用容器であって、上面が開口し、底壁部には、上下方向に複数の孔が形成され、かつ、前記複数の孔と略垂直方向に交わる根切り孔が形成され、側壁部に、上側から重ねられた他の容器を支持するための支持部が形成されたことを特徴とする。
上記の構成としたことで、容器を順次重ね合わせながら生育を進行させる栽培方法において、容器を複数重ねても、上側に位置した容器及びその内部の重さによって下側に位置した容器内部の用土に加わる圧力を軽減させることができ、かつ、根切り作業に要する労力を軽減させることができるようになる。
すなわち、根切り孔を利用して植物の根切りを行うことができるので、上段に位置した容器を持ち上げることなく栽培対象となる植物の根切り作業を行い、下段に位置した容器から外すことができるようになる。
前記底壁部は、前記複数の孔を通る根を切断する切断手段を備える構成とされていてもよい。
前記側壁部は、底壁部から所定の高さまでが厚肉部で、所定の高さから上端までが薄肉部の2段構造であり、前記支持部は、前記厚肉部と前記薄肉部との厚み差により形成される棚部である構成とされていてもよい。
前記側壁部の内側には、側壁部の上面から前記厚肉部の内壁に至る側壁溝が形成され、 前記側壁溝は、前記他の容器が前記棚部により支持されているときに、外部から内部に通じる空隙部となる構成とされていてもよい。
前記底壁部には、少なくとも1つの底壁溝が形成され、前記底壁溝は、下側に位置した他の容器により支持されているときに、外部から下側の容器内部に通じる空隙部となる構成とされていてもよい。
また、本発明の植物の栽培方法は、植物の栽培方法であって、栽培対象とする植物の生育段階を2以上の段階に分類し、上面が開口し、底壁部には、上下方向に複数の孔が形成され、かつ、前記複数の孔の全てと略垂直方向に交わる根切り孔が形成され、側壁部に、上側から重ねられた他の容器を支持するための支持部が形成された植物栽培用の容器を、複数個用意し、前記容器の1つに、第1生育段階に応じた肥料を混合した用土を充填し、前記第1生育段階に応じた肥料が混合された用土が充填された前記容器を第1生育段階用容器として、植物の種若しくは苗を植え付け、前記種若しくは苗の成長が第2生育段階に至ったときに、前記容器の1つに、第2生育段階に応じた用土を、前記支持部が他の容器を支持する高さ付近まで充填し、前記第1生育段階用容器を、前記第2生育段階用の用土が充填された第2生育段階用容器に形成されている支持部により支持させることで、前記第2生育段階用容器の上側に重ね合わせ、以後、前記栽培対象とする植物の成長に応じて、最下部の容器を、次の生育段階に応じた用土が前記支持部が他の容器を支持する高さ付近まで充填された容器に形成された支持部により支持させて、容器の上側に重ね合わせ、前記栽培対象とする植物が特定の条件を満たしたときには、前記根切り孔を通る前記栽培対象とする植物の根を切断し、少なくとも前記第1育成段階用容器を含む上段に位置した前記容器を下段に位置した容器から外して、生育を進行させることを特徴とする。
本発明によれば、容器を順次重ね合わせながら生育を進行させる栽培方法において、容器を複数重ねても、上側に位置した容器及びその内部の重さによって下側に位置した容器内部の用土に加わる圧力を軽減させることができ、かつ、根切り作業に要する労力を軽減させることができるようになる。
本発明に係る植物栽培用容器の一実施の形態を示す断面図である。 図1の栽培用容器に用土を充填し、野菜の苗を植生した状態を示す断面図である。 本発明の植物の栽培方法の実施の形態を示す断面図である。 本発明の植物の栽培方法の実施の形態を示す断面図である。 他の実施の形態を示す断面図である。 他の実施の形態を示す断面図である。 他の実施の形態を示す断面図である。 他の実施の形態を示す断面図である。 他の実施の形態を示す断面図である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す植木鉢10の断面図である。図1に示すように、植木鉢10は、底壁部分を成す底壁部16と、底壁部16から所定の高さまでが厚肉部で、所定の高さから上端までが薄肉部の2段階構造である側壁部12とを有する。底壁部16には、垂直方向(上下方向)に貫通する複数の孔11と、複数の孔11と略垂直に交差し、水平方向にスリット状に形成された根切り孔15とが設けられている。
孔11は、植木鉢10が植物の栽培に使用されたときに、植物の根が植木鉢10の内部から外部へ伸びていけるように形成されている。根切り孔15は、例えば市販の鋏を用いて、植木鉢10の外部から孔11を通る根を切断できるように形成されている。
側壁部12は、前記厚肉部と前記薄肉部との厚み差により形成される棚部13を有する。ここで、側壁部12は、棚部13が上側から重ねられた他の植木鉢10を支持する際に、重ねられた他の植木鉢10の根切り孔15が隠れないように形成されているものとする。
次に、植木鉢10を使用して行う栽培方法を説明する。本実施例においては、植木鉢10を3個(植木鉢10A、植木鉢10B、植木鉢10C)使用する場合を例にして説明を行う。なお、使用する容器の大きさ等は、棚部13により他の容器を支持できることを条件に選択する。
次に、植木鉢10を使用して行う栽培方法を説明する。本実施例においては、植木鉢10を3個(植木鉢10A、植木鉢10B、植木鉢10C)使用する場合を例にして説明を行う。なお、使用する容器の大きさ等は、棚部13により他の容器を支持できることを条件に選択する。本例においては、側壁部12が段階的に厚みを増すように3個の植木鉢10を選択した(図3参照)。
先ず、栽培対象となる植物の生育段階を、複数の段階に分ける。本例においては、栽培対象として市販のナスの苗を用いて、この状態からのナスの生育段階を第1から第3生育段階に分類した。なお、ナスの根が植木鉢10A内の用土に十分に着根するまでを「第1生育段階」とし、その後ナスの根が植木鉢10Bの内部にまで伸びるまでを「第2生育段階」とし、それ以降を「第3生育段階」とした。なお、ナスは野菜の中でも根が深く生長する種類のものである。
次に、図2に示すように、植木鉢10Aに、第1生育段階に適した用土14aを充填し、ナスの苗を植える。本例において用土14aは、赤土、堆肥、過燐酸石灰、化成肥料、その他を混合したものを使用した。なお、用土14aは、棚部13aの位置よりも高い位置まで充填されてもよい。なお、ナスの苗を最初に植える容器は棚部13を有さなくてもよい。
用土14aの中にナスの根が十分に着根したら、植木鉢10Bの棚部13bより若干高い位置まで第2生育段階に適した用土14bを充填し、植木鉢10Aを植木鉢10Bの上側に重ね合わせる(図3参照)。このとき、植木鉢10Aの底面を棚部13bに位置合わせすることにより、植木鉢10Aを棚部13bにより支持させる。植木鉢10Aを棚部13bにより支持させることで、用土14bに過大な圧力がかからないようにすることができる。なお、本例において用土14bは、赤土、堆肥、過燐酸石灰、化成肥料、その他を混合したものを使用した。
さらに、ナスの根が用土14bにまで達したら、植木鉢10Cの棚部13cより若干高い位置まで第3生育段階に適した用土14cを充填し、植木鉢10Bを植木鉢10Cの上側に重ね合わせる(図3参照)。このとき、植木鉢10Bの底面を棚部13cに位置合わせすることにより、植木鉢10B(植木鉢10Bに重ね合わされた植木鉢10Aも。)を棚部13cにより支持させる。本例において用土14cは、赤土、堆肥、過燐酸石灰、化成肥料、その他を用土14bとは異なる割合で混合したものを使用した。図3は、上記のようにして積み重ねられた状態の植木鉢10A,10B,10Cの断面の例を示す断面図である。図3に示すように、一番下に位置した植木鉢10Cの棚部13cが、重ね合わされた他の植木鉢(10A、10B)を支持しているので、用土14cには大きな圧力がかからないようになっている。なお、各植木鉢に充填される用土の上面と植木鉢の底面との間に空間を設ける構造としてもよい。
さらに、図4(A)に示すようにナスの根が用土14cにまで達し、ナスが、収穫するのに十分に生育した状態になったら、根切り孔15aを利用して根切りを行い、図4(B)に示すように植木鉢10Aを植木鉢10Bから外す。このとき、上述したように根切り孔15aは、例えば市販の鋏を用いて、植木鉢10Aの外部から孔11aを通る根を切断できるように形成されているので、根切りの際に植木鉢10Aを持ち上げる必要がない。
本発明を実施して根切り作業(ナスやトマトなどの果菜類における栽培終了前の植木鉢10Aと用土14bとの分離作業)を行ったときの作業時間(秒)を試験区として、根切り孔15aを有しない従来の構造の各植木鉢において根切り作業を行ったときの作業時間(秒)を対象区として表1に示す。表1に示されているように、根切り作業の作業時間を短縮することが可能となり、根切り作業の労力を大幅に軽減することができるようになる。
Figure 2010166854
また、本発明を実施して生育したサニーレタスにおいて根切り作業を行って1週間が経過したときの化学成分(硝酸イオン)含有量(mg/kg野菜重量)を試験区として、根切りを行う前のサニーレタスの化学成分(硝酸イオン)含有量(mg/kg野菜重量)を対象区として表2に示す。表2に示されているように、サニーレタスが用土から吸収した硝酸イオンなどの化学成分が消化され、化学成分の含有量が少ない安全性の高いサニーレタスとなる。すなわち、根切り作業を行うことによって、低硝酸野菜(サニーレタスに限らず、他の葉菜(葉野菜)や果菜などであってもよい)を栽培することが可能となる。
Figure 2010166854
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、植物の栽培に用いる植物栽培用容器(例えば植木鉢10)は、上面が開口し、底壁部(例えば底壁部16)には、上下方向に複数の孔(例えば孔11)が形成され、かつ、複数の孔全てと略垂直に交わる根切り孔(例えば根切り孔15)が形成され、側壁部(例えば側壁部12)に、上側から重ねられた他の容器を支持するための支持部(例えば棚部13)が形成されたことを特徴とする構造としているので、容器を複数重ねても、上側に位置した容器及びその内部の重さによって下側に位置した容器内部の用土(例えば用土14b、用土14c)に加わる圧力を軽減させることができ、かつ、容器を複数重ねるような栽培方法において、根切り作業に要する労力を軽減させることができるようになる。
すなわち、根切り孔を利用して植物の根切りを行うことができるので、上段に位置した容器を持ち上げることなく栽培対象となる植物の根切り作業を行い、下段に位置した容器から外すことができるようになる。
また、上述した実施の形態では、側壁部が、底壁部から所定の高さまでが厚肉部で、所定の高さから上端までが薄肉部の2段構造であり、厚肉部と薄肉部により形成される棚部(例えば棚部13)により他の容器を支持する構造としたので、単純な構造で、容器を重ねたときに、下側に位置した容器内部の用土に加わる圧力が過大になることを防ぐことができる。
また、上述した実施の形態では、植物の栽培方法であって、栽培対象とする植物(例えばナス)の生育段階を2以上の段階に分類し、上面が開口し、底壁部には、上下方向に複数の孔(例えば孔11)が形成され、かつ、複数の孔(例えば、孔の全て)と略垂直に交わる根切り孔(例えば根切り孔15)が形成され(なお、孔の一部を交わる根切り孔を複数形成し、複数の根切り孔によって複数の孔の全てをカバーするようにしてもよい)、側壁部(例えば側壁部12)に、上側から重ねられた他の容器を支持するための支持部(例えば棚部13)が形成された植物栽培用の容器(例えば植木鉢10)を、複数個用意し(例えば植木鉢10A〜10C)、容器の1つ(例えば植木鉢10A)に、第1生育段階に応じた肥料を混合した用土(例えば用土14a)を充填し、第1生育段階に応じた肥料が混合された用土が充填された容器を第1生育段階用容器として、植物の種若しくは苗を植え付け、種若しくは苗の成長が第2生育段階に至ったときに、容器の1つ(例えば植木鉢10B)に、第2生育段階に応じた用土(例えば用土14b)を、支持部(例えば棚部13b)が他の容器を支持する高さ付近(例えば、棚部13bより若干高い位置)まで充填し、第1生育段階用容器を、第2生育段階用の用土が充填された第2生育段階用容器に形成されている支持部により支持させることで、第2生育段階用容器の上側に重ね合わせ、以後、栽培対象とする植物の成長に応じて、最下部の容器(例えば容器10B)を、次の生育段階に応じた用土(例えば用土14c)が支持部(例えば棚部13c)が他の容器を支持する高さ付近(例えば、棚部13cより若干高い位置)まで充填された容器(例えば容器10C)に形成された支持部(例えば棚部13c)により支持させて、容器(例えば容器10C)の上側に重ね合わせ、栽培対象とする植物が特定の条件を満たしたとき(例えば収穫するのに十分に生育した状態になったとき)には、根切り孔を通る栽培対象とする植物の根を切断し、少なくとも第1育成段階用容器を含む上段に位置した容器を下段に位置した容器から外して、生育を進行させることを特徴とする構成としたので、栽培対象の生育段階に合わせた用土を必要なだけ使用することができ、かつ、容器を複数積み重ねても、最下部の容器に充填された用土が過度に圧迫されて栽培対象の生育を阻害することがない。さらに、このような栽培方法を用いても、根切り作業に要する労力を軽減させることができる。
なお、上述した実施の形態では、第1生育段階用容器以外の容器には、支持部が他の容器を支持する高さより若干高い高さまで用土を充填しているので、下側に位置した容器に充填された用土の上面と、上側に位置した容器の底面とが密着した状態で、下側に位置した容器に形成された支持部により上側に位置した容器が支持されることとなる。
なお、栽培対象となる植物の性質によっては、支持部が他の容器を支持する高さより低い高さまで用土を充填し、下側に位置した容器に充填された用土の上面と、上側に位置した容器の底面との間に隙間ができる状態で、下側に位置した容器に形成された支持部により上側に位置した容器が支持されるようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、図5(A)と図5(B)に示すように、側壁部12bの内側には、側壁部12bの上面から側壁部12bの厚肉部の内壁に至る溝(側壁溝17b)が形成され、例えば容器10Aが棚部13bにより支持されているときに、外部から容器10Bの内部、すなわち用土14bに通じる空隙部となる構造としても良い。上記の構造とすることで、嫌気状態における根ぐされ防止のための根への酸素供給方法を確保できるとともに、他の容器が重ねられた容器に充填された用土へ直接追肥や水遣りを行うことが可能となる。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、底壁部16に、少なくとも1つの溝(底壁溝)が形成された構造とされていてもよい。このような構造とすることで、嫌気状態における根ぐされ防止のための根への酸素供給方法を確保できるとともに、他の容器が重ねられた容器に充填された用土へ直接追肥や水遣りを行うことが可能となる。
また、植木鉢10は、底壁部16に、上下方向の複数の孔11を通る根(例えばナスの根)を切断する切断手段を備えた構成とされていてもよい。この場合、例えば、底壁部16に根切り刃18を備える構成とすればよい。このような構造とすることで、根切りを行う際に利用できる方法の選択肢が増え、根切りの作業効率を向上させることができるようになる。
以下、根切り刃18を用いた植物の根の切断手段について、図面を参照して説明する。
図6は、根切り孔15に、根切り刃18を備えた根切り部19が設けられた植木鉢10の例を示す断面図である。図6に示すように、根切り部19には、底壁部16における孔11の配設箇所に合わせて根切り刃18が形成されているものとする。さらに、根切り部19は、植木鉢10の外部から水平方向に移動させたり、回転させたりすることが可能となるように形成されているものとする。このような構造とすることで、根切り部19を動かすことにより、孔11を通る植物の根を切断することが可能となる。
なお、図7に示すように根切り部19は、根切り孔15の位置と重ならない位置に設けられた構造としてもよく、更に、留め具20を設けることにより、使用者の意に反して根切りが行われることを防止できるような構造としてもよい。
また、図8に示すように、根切り刃18を、孔11の外縁に設ける構造としてもよい。このような構造とすることで、植木鉢10を回転させることにより根切りを行うことが可能となる。この場合、根切りに必要な労力を軽減させるために、側壁部12と底壁部16の一方が固定され、一方が回転可能となるような構造としてもよい。
なお、根切り刃18による根切りに必要な力を軽減させるために、孔11を底壁部16の外縁方向に偏らせて配設した構造としてもよい。すなわち、植木鉢10を回転させたとき、てこの原理より、底壁部16の中心側に位置する根切り刃18よりも、底壁部16の外縁側に位置する根切り刃18の方に大きな力が作用することを利用できる。
なお、上述した実施の形態では、側壁部12が段階的に厚みを増すように3個の植木鉢10を選択したが、全く同じサイズの植木鉢10を3個使用して本発明を実施することもできる。図9は、同じサイズの植木鉢10が積み重ねられた状態の断面の例を示す断面図である。この場合、植物栽培用容器(例えば植木鉢10)を複数用意するときに、複数形態の植木鉢を用意する必要がないので有用である。
ただし、植物栽培用容器を多数積上げる場合には、容器全体のバランスや、下段に位置する容器にかかる荷重を考慮し、例えば支持部(例えば棚部13)が段階的に厚みを増すように植物栽培用容器を選択してもよい。
本発明によれば、容器を順次重ね合わせながら生育を進行させる栽培方法において、容器を複数重ねた場合に、上側に位置した容器及びその内部の重さによって下側に位置した容器内部の用土に加わる圧力を軽減させ、かつ、根切り作業に要する労力を軽減させるのに有用である。
10 植木鉢
11 孔
12 側壁部
13 棚部
14 用土
15 根切り孔
16 底壁部
17b 側壁溝
18 根切り刃
19 根切り部

Claims (6)

  1. 植物の栽培に用いる植物栽培用容器であって、
    上面が開口し、
    底壁部には、上下方向に複数の孔が形成され、かつ、前記複数の孔と略垂直に交差する根切り孔が形成され、
    側壁部に、上側から重ねられた他の容器を支持するための支持部が形成された
    ことを特徴とする植物栽培用容器。
  2. 前記底壁部は、前記複数の孔を通る根を切断する切断手段を備える
    請求項1記載の植物栽培用容器。
  3. 前記側壁部は、底壁部から所定の高さまでが厚肉部で、所定の高さから上端までが薄肉部の2段構造であり、
    前記支持部は、前記厚肉部と前記薄肉部との厚み差により形成される棚部である
    請求項1または請求項2記載の植物栽培用容器。
  4. 前記側壁部の内側には、側壁部の上面から前記厚肉部の内壁に至る側壁溝が形成され、
    前記側壁溝は、前記他の容器が前記棚部により支持されているときに、外部から内部に通じる空隙部となる
    請求項3記載の植物栽培用容器。
  5. 前記底壁部には、少なくとも1つの底壁溝が形成され、
    前記底壁溝は、下側に位置した他の容器により支持されているときに、外部から下側の容器内部に通じる空隙部となる
    請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の植物栽培用容器。
  6. 植物の栽培方法であって、
    栽培対象とする植物の生育段階を2以上の段階に分類し、
    上面が開口し、底壁部には、上下方向に複数の孔が形成され、かつ、前記複数の孔と略垂直方向に交わる根切り孔が形成され、側壁部に、上側から重ねられた他の容器を支持するための支持部が形成された植物栽培用の容器を、複数個用意し、
    前記容器の1つに、第1生育段階に応じた肥料を混合した用土を充填し、
    前記第1生育段階に応じた肥料が混合された用土が充填された前記容器を第1生育段階用容器として、植物の種若しくは苗を植え付け、
    前記種若しくは苗の成長が第2生育段階に至ったときに、
    前記容器の1つに、第2生育段階に応じた用土を、前記支持部が他の容器を支持する高さ付近まで充填し、
    前記第1生育段階用容器を、前記第2生育段階用の用土が充填された第2生育段階用容器に形成されている支持部により支持させることで、前記第2生育段階用容器の上側に重ね合わせ、
    以後、前記栽培対象とする植物の成長に応じて、最下部の容器を、次の生育段階に応じた用土が前記支持部が他の容器を支持する高さ付近まで充填された容器に形成された支持部により支持させて、容器の上側に重ね合わせ、
    前記栽培対象とする植物が特定の条件を満たしたときには、前記根切り孔を通る前記栽培対象とする植物の根を切断し、少なくとも前記第1育成段階用容器を含む上段に位置した前記容器を下段に位置した容器から外して、生育を進行させる
    ことを特徴とする植物の栽培方法。
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