JP2010165671A - 逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物、それを用いた色素増感型太陽電池用逆電子反応抑制膜及び色素増感型太陽電池 - Google Patents
逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物、それを用いた色素増感型太陽電池用逆電子反応抑制膜及び色素増感型太陽電池 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(A)チタン化合物、(B)ゲル分率が50〜100質量%の架橋アクリル系樹脂粒子及び(C)溶媒を含むペースト組成物であって、上記(C)溶媒が、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物及びそれらの誘導体の中から選ばれる少なくとも二種と、アルカンジオール及びアルカントリオールの中から選ばれる少なくとも一種との混合物であり、かつ(A)チタン化合物の含有量が、チタン原子として0.001〜0.1質量%であることを特徴とする逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物である。
【選択図】図1
Description
前記色素増感型太陽電池としては、例えば透明電極と触媒を担持させた導電層を備える対向電極との間に、色素を担持した酸化チタンなどからなる半導体層(光電変換層)と電解質層とを設け、周囲を樹脂等の封止材料で封止してなる構成の色素増感型太陽電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、透明電極上に、色素を担持してなる同じく酸化チタンなどからなる半導体層(光電変換層)、絶縁層、触媒層及び導電層を順次に積層してなる構成の色素増感型の太陽電池が知られている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、前述した特許文献2に記載されているように、隣接するセルを導電層で直列に接合していく場合、ディップ法やスピンコート法やスパッタリング法などで逆電子抑制膜を全面に処理してしまうと透明導電膜と導電層の間に緻密層が高抵抗層として挿入され直列抵抗が増し変換効率を低下させる原因となる。このため、透明導電膜上で非処理部分と処理部分をパターニングする必要がある。従来パターニングする際には、レジストマスクやシールマスクなどを予め基板にその設置をし、成膜後にマスクを剥離する工程を経ることで得ていたが、剥離工程時のマスク材料の残渣などによる問題やプロセス数の増大によって製造コストが高くなってしまう問題があった。
[1](A)チタン化合物、(B)ゲル分率が50〜100質量%の架橋アクリル系樹脂粒子及び(C)溶媒を含むペースト組成物であって、上記(C)溶媒が、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物及びそれらの誘導体の中から選ばれる少なくとも二種と、アルカンジオール及びアルカントリオールの中から選ばれる少なくとも一種との混合物であり、かつ(A)チタン化合物の含有量が、チタン原子として0.001〜0.1質量%であることを特徴とする逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物、
[2]動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃及びせん断速度1s-1の条件で測定した際の粘度が10〜1,000Pa・sであり、かつ温度25℃及びせん断速度0.01s-1の条件で測定した際の粘度が100Pa・s〜5,000Pa・sである粘度特性を有する上記[1]に記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物、
[3](A)チタン化合物が、平均粒子径10nm以下の酸化チタン粒子、及びチタン錯体の中から選ばれる少なくとも一種である上記[1]又は[2]に記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物、
[5](B)架橋アクリル系樹脂粒子の平均粒子径が10nm〜1μmである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物、
[6](B)架橋アクリル系樹脂粒子が、多官能(メタ)アクリレートモノマーを自己架橋によりエマルション重合して得られたものである上記[1]〜[5]のいずれかに記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物、
[7](B)架橋アクリル系樹脂粒子が、アルキル基の炭素数1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、内部架橋剤の存在下に、エマルション重合して得られたものである上記[1]〜[5]のいずれかに記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物、
[8](B)架橋アクリル系樹脂粒子が、アルキル基の炭素数1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、活性水素をもつ官能基を有するビニル系重合性化合物とをエマルション重合して得られたアクリル系樹脂粒子のエマルションに、外部架橋剤を加え、該アクリル系樹脂粒子を架橋化したものである上記[1]〜[5]のいずれかに記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物、
[9]透明導電性基材の表面に、上記[1]〜[8]のいずれかに記載のペースト組成物を用いて形成されてなるパターン状塗膜を焼成することにより得られたことを特徴とする色素増感型太陽電池用逆電子反応抑制膜、及び
[10]透明導電性基材、透明電極、酸化チタン多孔質膜、電解質及び導電膜を有する色素増感型太陽電池であって、当該透明導電性基材と、当該酸化チタン多孔質膜間に、上記[9]に記載の逆電子反応抑制膜を介在させたことを特徴とする色素増感型太陽電池、
を提供するものである。
[逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物]
本発明の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物は、色素増感型太陽電池において、光電変換層で発生した電子が、透明導電膜を経て外部回路に取り出される際に、該透明導電膜から電解液中への逆電子反応が生じるのを抑制する目的で、透明導電膜と光電変換層間に設けられる逆電子反応抑制膜を形成するためのペースト組成物である。
本発明のペースト組成物は、(A)チタン化合物、(B)架橋アクリル系樹脂粒子及び(C)溶媒を含むペースト組成物であって、上記(C)溶媒が、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物及びそれらの誘導体の中から選ばれる少なくとも二種と、アルカンジオール及びアルカントリオールの中から選ばれる少なくとも一種との混合物であり、かつ(A)チタン化合物の含有量が、チタン原子として0.001〜0.1質量%であることを特徴とする。
本発明のペースト組成物において、(A)成分として用いられるチタン化合物としては、平均粒子径10nm以下の酸化チタン粒子、及びチタン錯体の中から選ばれる少なくとも一種を好ましく挙げることができる。
上記酸化チタン粒子は、平均粒子径10nm以下のものが好ましい。この酸化チタン粒子の平均粒子径が10nm以下であれば、低温焼結性が良好であると共に、緻密なチタニア膜を形成し得るので有利である。当該チタン化合物は、架橋アクリル系樹脂粒子が加熱によって熱分解や燃焼した後に分解、熱酸化、焼結されることが、透明導電膜への密着力が向上するために望ましい。
当該チタン化合物として用いることができる平均粒子径10nm以下の酸化チタン粒子は、ゾル−ゲル法で作製されたものが好ましい。ゾル−ゲル法により酸化チタン粒子の作製方法については特に制限はなく、従来公知の方法、例えばエーテル系酸素を有するアルコール類などの溶媒中において、アルコキシ基の炭素数が1〜4程度のチタンテトラアルコキシドを加水分解−縮合反応させる方法を採用することができる。
前記チタンテトラアルコキシドとしては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンテトラ−sec−ブトキシドおよびチタンテトラ−tert−ブトキシドが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
チタンテトラアルコキシドの加水分解−縮合反応は、チタンテトラアルコキシドに対し、4〜20倍モル程度、好ましくは5〜12倍モルの上記アルコール類と、0.5倍モル以上4倍モル未満程度、好ましくは1〜3.0倍モルの水を用い、塩酸、硫酸、硝酸などの酸性触媒の存在下、通常0〜70℃、好ましくは20〜50℃の範囲の温度において行われる。酸性触媒は、チタンテトラアルコキシドに対し、通常0.1〜1.0倍モル、好ましくは0.2〜0.7倍モルの範囲で用いられる。
本発明のペースト組成物における当該(A)成分のチタン化合物の含有量は、チタン原子として0.001〜0.1質量%の範囲であることを要する。この含有量が0.001質量%未満では、緻密なチタニア膜が得られず、逆電子反応抑制膜として充分な性能が発揮されない。一方、チタン原子の量が0.1質量%を超えるとチタニア膜が厚くなり膜割れの頻度が多くなることや光電変換された電子が透明導電膜へ流れる際の抵抗となり、本発明の目的が達せられない。当該チタン化合物の含有量は、チタン原子として0.001〜0.1であることが必要であり、好ましくは0.005〜0.01質量%である。
本発明のペースト組成物においては、(B)成分として、架橋アクリル系樹脂粒子が用いられる。
(B)成分として用いられる架橋アクリル系樹脂粒子は、その平均粒子径が10nm〜1μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が10nm未満では、印刷後の乾燥膜状態において、架橋アクリル系樹脂粒子間に偏在するチタン化合物の割合が多くなる。このような状態でアクリル系樹脂を加熱除去する際には、チタン化合物がアクリル系樹脂粒子の熱分解時に同時に酸化されてしまい、酸化チタン粒子の核生成が起こりやすくなる。その後、加熱工程で酸化チタン粒子の核が粒成長し焼結膜となるが、偏在する酸化チタン粒子の核が多すぎると、焼結する際にクラック等が発生しやすい状態になる。
一方、架橋アクリル系樹脂粒子の平均粒子径が1μmを超えると、該樹脂粒子の熱分解が起こりにくく、得られるチタニア焼結膜は、逆電子反応抑制膜としての充分な性能が発揮されにくくなる。より好ましい平均粒子径は20〜200nmであり、さらに好ましくは20〜120nmである。特に、平均粒子径が40〜100nmであると、光電変換特性の変換効率を向上させることができるので、この範囲の平均粒子径を有する架橋アクリル系樹脂粒子を用いることが好ましい。なお、上記平均粒子径は、レーザ散乱回折法により、測定された値である。
当該架橋アクリル系樹脂粒子の製造方法としては、以下に示す3つの方法、例えば(1)多官能ジ(メタ)アクリレートモノマー、多官能トリ(メタ)アクリレートモノマー等の多官能(メタ)アクリレートモノマーを自己架橋によりエマルション重合して架橋アクリル系樹脂粒子を製造する方法(以下、製造方法Iと称する。)、(2)アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを内部架橋剤の存在下に、エマルション重合して架橋アクリル系樹脂粒子を製造する方法(以下、製造方法IIと称する。)、又は(3)アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、活性水素をもつ官能基を有するビニル系重合性化合物とをエマルション重合して得られたアクリル系樹脂粒子のエマルションに、外部架橋剤を加えて、該アクリル系樹脂粒子を架橋化し、架橋アクリル系樹脂粒子を製造する方法(以下、製造方法IIIと称する。)を用いることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを指す。以下、同類後も同様の意味である。
また、内部架橋剤とは、重合時に、ポリマー分子内に架橋構造を導入し得る架橋型反応性単量体を指し、一方、外部架橋剤とは、重合体粒子間に架橋構造を導入し得る化合物を指す。外部架橋剤を用いる場合には、架橋すべき重合体粒子は、分子内に架橋性官能基(活性水素をもつ官能基など)が導入されていることが必須となる。
前記製造方法Iにおいて、原料モノマーとして用いられる多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシフォスフェート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジアリルテレフタレート、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等が挙げられる。
これらの多官能(メタ)アクリレート一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようにして、架橋アクリル系樹脂粒子を形成することができる。
前記製造方法IIにおいて、原料モノマーとして用いられるアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようにして、架橋アクリル系樹脂粒子を形成することができる。
前記製造方法IIIにおいて、原料モノマーとして用いられるアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルについては、前述の製造方法IIで説明したとおりである。
一方、もう一つの原料モノマーとして用いられる活性水素をもつ官能基を有するビニル系重合性化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリ酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
この製造方法IIIにおいては、このようにして得られたアクリル系樹脂粒子のエマルションに、外部架橋剤を加え、この外部架橋剤の種類に応じて適宜な温度に加熱処理し、該アクリル系樹脂粒子の架橋化を行うことにより、目的の架橋アクリル系樹脂粒子を形成することができる。
上記外部架橋剤としては、例えばイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、メラミン系化合物、アジリジン系化合物、ヒドラジド系化合物、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、尿素系化合物、ジアルデヒド系化合物などが挙げられる。これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、性能の点から、特にヒドラジド系化合物が好適である。ヒドラジド系化合物としては、アジピン酸ヒドラジド、カルボヒドラジドなどが挙げられる。
外部架橋剤の配合量は、アクリル系樹脂粒子のエマルション100質量部に対し0.2〜7.0質量部とするのが好ましい。
すなわち、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、活性水素をもつ官能基を有するビニル系重合性化合物と、内部架橋剤とをエマルション重合させて得られた架橋アクリル系樹脂粒子のエマルションに、さらに外部架橋剤を加え、適宜な温度に加熱処理し、該架橋アクリル系樹脂粒子をさらに架橋化して、目的の架橋アクリル系樹脂粒子を形成してもよい。
本発明のペースト組成物において、前記(B)成分として用いる架橋アクリル系樹脂粒子の架橋化率は、下記の方法で測定したゲル分率で表すことができる。
《架橋アクリル系樹脂粒子のゲル分率》
架橋アクリル系樹脂粒子の乾燥粉体約20gを秤取し(Ag)、攪拌器付き500cm3フラスコに投入すると共に、これに酢酸エチル200cm3を投入し、23℃にて24時間攪拌する。次いで、内容物をろ過し、水洗したのち、固形物を大気圧下で110℃、2時間加熱乾燥し、乾燥後の質量(Bg)を測定して、下記の式
ゲル分率(質量%)=(B/A)×100
により、ゲル分率を算出する。
当該架橋アクリル系樹脂粒子のゲル分率は、本発明のペースト組成物の印刷ダレや印刷収縮の抑制及び当該アクリル系樹脂粒子の熱分解性の観点から、50〜100質量%であることが必要であり、80〜100質量%であることが好ましく、90〜100質量%であることがより好ましい。
本発明のペースト組成物においては、(C)成分の溶媒として、該組成物の印刷適性、特にスクリーン印刷適性などの観点から、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物及びそれらの誘導体の中から選ばれる少なくとも二種(以下、テルペン系溶媒と称する。)と、アルカンジオール及びアルカントリオールの中から選ばれる少なくとも一種(以下、アルカンポリオール系溶媒と称する。)との混合物が用いられる。
当該(C)成分の溶媒は、混合溶媒であって、一方の成分として、テルペン系溶媒が用いられる。
テルペンとは、一般にイソプレン則に基づいた炭素数5を単位とする多量体の総称で、植物精油の中に多く含まれており、例えば(C5H8)n(n≧2)などで表される炭化水素及びそれらの誘導体であり、含酸素化合物並びに不飽和度を異にするものも包含する。nの数によりモノテルペン(n=2)、セスキテルペン(n=3)、ジテルペン(n=4)、トリテルペン(n=6)、テトラテルペン(n=8)、ポリテルペン(n>8)と称せられる。
当該(C)成分の溶媒において、一方の成分として用いられるテルペン系溶媒は、低多量体であるモノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物及びそれらの誘導体の中から選ばれる少なくとも二種が用いられる。これらを二種以上用いる理由は、高粘性液体の添加による増粘作用で樹脂添加量を削減することが可能となるが、架橋アクリル粒子の分散安定化及び印刷性向上の効果を得るためには二種以上が必要だからである。
モノテルペン系化合物としては、非環式テルペンとして、例えばシトロネロール、ロジノール、ゲラニオール、リナロール、ジヒドロリナロール、ミルセノールなどが挙げられ、単環式テルペンとして、例えばイソプレゴール、メントール、ターピネオール、ジヒドロターピネオールなどが挙げられ、2環式テルペンとして、例えばミルテノール、ピノカルベオール、ボルネオール、イソボルネオールなどが挙げられ、誘導体として、例えばイソボルニルシクロヘキサノールなどが挙げられる。
当該(C)成分の溶媒において、もう一方の成分として使用されるアルカンポリオール系溶媒としては、アルカンジオール及びアルカントリオールの中から選ばれる少なくとも一種が用いられる。
上記アルカンジオール及びアルカントリオールにおけるアルカン骨格であるアルカンジイル基及びアルカントリイル基は、炭素数2〜10程度のものが好ましく、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよい。またアルカン鎖内にエーテル結合を有していてもよい。このようなアルカンジオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、テトラメチレンエーテルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。
一方、アルカントリオールとしては、例えばグリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
本発明においては、これらのアルカンポリオール系溶媒は一種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記アルカンポリオール系溶媒は、架橋アクリル系樹脂粒子を、ペースト組成物中に均一に分散させるために必要な安定化剤としての効果を発揮する。
本発明のペースト組成物においては、前述した(A)成分のチタン化合物(Ti濃度に換算)と(B)成分の架橋アクリル系樹脂粒子の含有割合は、印刷適性、印刷ダレ防止、架橋アクリル系樹脂粒子の熱分解性、チタン化合物の焼結性などの観点から、質量比で1:1〜1:5000であることが好ましく、1:10〜1:3000であることがより好ましい。
また、(C)成分の溶媒の含有量は、ペースト組成物の粘度が下記の条件を満たすように適宜選定することが好ましいが、(A)〜(C)成分の混合物中の(A)成分の含有量が、チタン原子として、0.001〜0.1質量%である条件を満たす必要がある。
当該ペースト組成物の粘度特性は、印刷塗膜の印刷ダレを抑制する観点から、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃及びせん断速度1s-1の条件で測定した際の粘度が10〜1,000Pa・sであることが好ましく、50〜500Pa・sであることがより好ましい。また、温度25℃及びせん断速度0.01s-1の条件で測定した際の粘度が200Pa・s〜5,000Pa・sであることが好ましく、500〜2,000Pa・sであることがより好ましい。
次に、本発明の色素増感型太陽電池の作製方法について説明する。
図1は、本発明の色素増感型太陽電池(直列モジュール型)の一例を示す構成図であって、この図1を参照にして、上記太陽電池の作製方法について説明する。
まず、表面に透明導電膜2を有する透明基板1の該透明導電膜2上に、前述した本発明のペースト組成物を、印刷法、好ましくはスクリーン印刷法により、非印刷部分及び印刷部分のパターニング印刷を行う。印刷後、レベリング処理した塗膜を大気圧下、450〜550℃程度の温度で、30〜60分間程度加熱焼成させることで、架橋アクリル系樹脂粒子を熱分解させて除去すると共に、チタン化合物を焼結させ、酸化チタン薄膜からなる電子逆反応抑制膜8を作製する。
この際得られる酸化チタン薄膜(逆電子反応抑制膜)8はスクリーン版のメッシュ数を変えることで厚みをコントロールすることが可能である。ペースト中のチタン濃度を考慮して印刷時の塗布量をコントロールし、膜厚が0.1〜100nmの範囲で形成することが好ましい。さらに好ましくは0.5〜30nmであり、特に好ましくは、1〜10nmである。膜厚が薄すぎるとピンホールができ逆電子反応が起こってしまい性能低下を引き起こす。一方、膜厚が厚すぎると緻密膜が抵抗層となって、後述の多孔質半導体膜からの外部回路への電子取り出しの妨げになり性能低下が起こる。
この逆電子反応抑制膜8は、透明導電性膜2上に、前述した本発明のペースト組成物を印刷して焼成する工程を1回行って形成する場合に限らず、ペースト組成物を印刷して焼成する工程を複数回繰り返して形成してもよく、ペースト組成物を複数回印刷して焼成を1回行う工程によって形成してもよい。
作製した積層印刷膜を色素溶液に浸漬することで、酸化チタン多孔質膜に色素吸着を行う。吸着後の対極5を、封止材3と電解液注入口を具えている基板(図示せず)で密閉した後、電解液注入口より電解液を注入し封じることで、太陽電池モジュールを作製する。
なお、図1は、電解液注入後、未封止の状態を示している。
なお、架橋アクリル系樹脂粒子のゲル分率は、前述の方法に従って測定した。
実施例1
チタン化合物として、チタンアセチルアセトン錯体0.06質量%(Tiとして0.0066質量%)と、平均粒子径25nmの架橋アクリル系樹脂粒子(ゲル分率90質量%)8.2質量%とを、アセトンに均一に溶解又は分散させたのち、これに1,6−ヘキサンジオール2.0質量%及びモノテルペン誘導体であるイソボルニルシクロヘキサノールのエタノール希釈液とターピネオールとの混合溶媒89.74質量%を添加して、均一な混合液を得た。この混合液をエバポレータに付して、アセトン、及びエタノールを除去することで、ペースト組成物を調製した。
このペースト組成物について、下記の方法により、粘度特性を測定すると共に、印刷性及び成膜性の評価を行った。結果を表1に示す。
<粘度特性>
動的粘弾性試験装置〔ジャスコインターナショナル社製、機種名「VAR-50」〕を用い、温度25℃にて、せん断速度1s-1及び0.01s-1の条件で、それぞれ粘度を測定した。
<印刷性の評価>
自動スクリーン印刷機〔マイクロテック社製、機種名「MT-320TV」〕での印刷が可能であったものは○、印刷不良があった場合には×とした。
<成膜性の評価>
焼成後の膜の外観が割れているものや乾燥時に均一膜になっていないものは×という評価をし、良好なものを○とした。
実施例1の平均粒子径25nmの架橋アクリル系樹脂粒子(ゲル分率90質量%)を平均粒子径60nmの架橋アクリル系樹脂粒子(ゲル分率90質量%)に変えたものを用いた以外は同様にペースト組成物を調製した。
このペースト組成物について、実施例1と同様に、粘度特性を測定すると共に、印刷性及び成膜性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の架橋アクリル系樹脂粒子のゲル化率を90質量%から20質量%に変えたものを用いた以外は同様にペースト組成物を調製した。
このペースト組成物について、実施例1と同様にした粘度特性を測定すると共に、印刷性及び成膜性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の架橋アクリル系樹脂粒子を市販の非架橋アクリル系樹脂粉末(直鎖状、ゲル分率0質量%)に変更し、混合溶媒を73質量%にした以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を調製し、粘度特性を測定すると共に、印刷性及び成膜性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例1の架橋アクリル系樹脂粒子を、エチルセルロース粉末に変更し、かつ溶媒としてターピネオールのみを用いた以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を調製し、粘度特性を測定すると共に、印刷性及び成膜性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例1から1,6−ヘキサンジオールを添加しない以外同様に作製したペースト組成物を調製した。このペースト組成物について、実施例1と同様にして印刷性および成膜性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1からイソボルニルシクロヘキサノールのエタノール希釈液とターピネオールとの混合溶媒からイソボルニルシクロヘキサノール単体に変えた以外は同様にしたペースト組成物を調整した。このペースト組成物について、実施例1と同様にして印刷性および成膜性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1で得たペースト組成物を透明導電性膜にスクリーン印刷し、大気圧下、500℃にて60分間焼成し、膜厚10nmの逆電子反応抑制膜を設けた基板を得た。対極に白金をスパッタリングした基板を用い、中央部分に5mm角の正方形の穴を有するアイオノマー樹脂フィルムで挟む形でセルを形成した。封じてできた空間に電解液としてSolaronix社の「Iodolyte PMI-50」を注入し注入口もふさぐことで逆電子反応を測定するセルを作製した。このセル10個を作製し、遮光下で下記の方法により、I−V特性(ダーク特性)を測定することで逆電子反応特性を評価した。結果を表2に示す。
<I−V特性の評価>
(1)ダーク特性
暗電流が流れ出す電圧値が0.6V以上ならば◎、0.5V以上ならば○、無処理基板と同じ0.4V程度であれば×とし、その中間程度(0.4Vを超え0.5V未満)の場合を△とした。
(2)再現性
10セル測定した結果において10セル全てが同等性能を示した場合は○、7〜9セルが同じ場合には△、6セル以下を×とした。
実施例1で得たペースト組成物を透明導電性膜にスクリーン印刷し、大気圧下、500℃にて60分間焼成し、膜厚10nmの逆電子反応抑制膜を形成した。さらに、同じペースト組成物をこの逆電子反応抑制膜にスクリーン印刷し、大気圧下、500℃にて60分間焼成し、膜厚10nmの逆電子反応抑制膜を形成した基板を得た。すなわち、膜厚10nmの逆電子反応抑制膜を2層(合計膜厚は20nm)設けた基板を得た。その後、実施例3と同様にして、逆電子反応を測定するセルを10個作製し、I−V特性(ダーク特性)を測定することで逆電子反応特性を評価した。結果を表2に示す。
実施例2で得たペースト組成物を実施例3と同様にして、膜厚10nmの逆電子反応抑制膜を形成し、さらに、逆電子反応を測定するセルを10個作製し、I−V特性(ダーク特性)を測定することで逆電子反応特性を評価した。結果を表2に示す。
ペースト組成物を印刷せず、逆電子反応抑制膜を設けていない基板を用いた以外は、実施例3と同様にして、I−V特性(ダーク特性)の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2で得たペースト組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして、I−V特性(ダーク特性)の評価を行った。結果を表2に示す。
これに対し、比較例6は、再現性は良好であったが、ダーク特性が従来のものと同程度であった。また、比較例7は、ダーク特性が良好な場合と不良の場合があり、再現性は良好ではなかった。これは、成膜ムラが原因と思われる。
透明性導電性ガラス基板を、レーザースクライブ装置を用いてパターニングし、実施例1で得たペースト組成物を用いて図1のように位置する様スクリーン印刷法を用いて塗布し、次いで大気圧下、500℃にて60分間焼成して、逆電子反応抑制膜を形成した。その後、酸化チタン多孔質形成ペースト(Solaronix社「Ti-Nanoxide D/SP」)、ZrO2ペースト、カーボンブラック20質量%とグラファイト80質量%の混合カーボンペーストを用いて図のような積層構造を作製した。酸化チタン多孔質膜に光増感色素を吸着させるために0.3mMのRu金属錯体N719色素エタノール溶液(Solaronix社、Ruthenium 535-bisTBA)に24時間浸漬させた。その後、封止し直列モジュールを作製した。電解液はSolaronix社の「Iodolyte PMI-50」を用いた。このモジュールについて、下記の方法に従って光電変換特性を評価した。結果を表3に示す。
<光電変換特性の評価>
AM1.5、JIS−クラスAの分光放射特性を持つソ−ラ−シミュレ−タ−(山下電装社製、YSS80A)を用いた。作製したモジュールに模擬太陽光を連続的に照射し、電流電圧測定装置(ADVANTEST R6324)にてI−V特性を測定することによって変換効率を求めた。
透明性導電性ガラス基板を、レーザースクライブ装置を用いてパターニングし、実施例1で得たペースト組成物を用いて図1のように位置する様スクリーン印刷法を用いて塗布し、次いで大気圧下、500℃にて60分間焼成して、膜厚10nmの逆電子反応抑制膜を形成した。さらに、同じペースト組成物をこの逆電子反応抑制膜にスクリーン印刷し、大気圧下、500℃にて60分間焼成し、膜厚10nmの逆電子反応抑制膜を形成した。すなわち、逆電子反応抑制膜を2層とし、合計膜厚20nmの逆電子反応抑制膜を形成した。その後、実施例6と同様にして直列モジュールを作製した。このモジュールについて、下記の方法に従って光電変換特性を評価した。結果を表3に示す。
実施例1で得たペースト組成物を実施例2で得たペースト組成物に変えたものを用いた以外は実施例6と同様にして直列モジュールを作製した。このモジュールについて、下記の方法に従って光電変換特性を評価した。結果を表3に示す。
透明導電性基板をレーザースクライブ装置にてパターニングした。その後、逆電子反応抑制膜を設けなかったこと以外は、実施例6と同様に酸化チタン多孔質形成ペースト(Solaronix社「Ti-Nanoxide D/SP」)、ZrO2ペースト、カーボンブラック20質量%とグラファイト80質量%の混合カーボンペーストを用いて積層構造からなる直列モジュールを作製した。このモジュールにおいては逆電子反応抑制膜が酸化チタン多孔質膜と透明導電性膜の間に存在していない点が異なる。このモジュールの光電変換特性を評価した。結果を表3に示す。
透明導電性基板を四塩化チタン水溶液で化成処理(強酸液浴処理)した後焼成し、透明導電性ガラス全面に酸化チタン緻密膜を全体に形成した後にレーザースクライブ装置にてパターニングした。その後、実施例6と同様に酸化チタン多孔質形成ペースト(Solaronix社「Ti-Nanoxide D/SP」)、ZrO2ペースト、カーボンブラック20質量%とグラファイト80質量%の混合カーボンペーストを用いて積層構造からなる直列モジュールを作製した。このモジュールにおいては逆電子反応抑制膜が導電膜(対極)と透明導電性膜の間にも存在している点が異なる。このモジュールの光電変換特性を評価した。結果を表3に示す。
実施例6は比較例9と比較しても性能向上が認められた。単セル評価をした際には同等性能であったが、モジュール評価では性能差があることが分かった。これは、単セルにはなかったセル接合部分があるためで、比較例9は四塩化チタン処理を全面に処理しているため、接合部が高抵抗化し直列抵抗が増大しているために出力低下をしていることが分かった。これにはマスク設置等の高抵抗化を防ぐ処理を必要であることがわかるが、そのためにはマスク形成プロセス、マスク除去プロセスの追加が必須であり、製造プロセスが煩雑になり、コストアップにつながり、高性能・低コストな太陽電池を作るためには逆行する。
また、アクリル系樹脂粒子として、平均粒子径60nmの架橋アクリル系樹脂粒子を用いて膜厚10nmの逆電子反応抑制膜を1層形成した実施例8のモジュールでは、ダーク特性は極めて良好なものになり(実施例5参照)、変換効率も3.5%と優れたものであった。これは、焼成の際に形成される空間に酸化チタンが適度に入り込むことによるものと推測される。
2 透明導電膜
3 封止材
4 電解質
5 導電膜(対極)
6 絶縁膜
7 酸化チタン多孔質膜
8 逆電子反応抑制膜
Claims (10)
- (A)チタン化合物、(B)ゲル分率が50〜100質量%の架橋アクリル系樹脂粒子及び(C)溶媒を含むペースト組成物であって、上記(C)溶媒が、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物及びそれらの誘導体の中から選ばれる少なくとも二種と、アルカンジオール及びアルカントリオールの中から選ばれる少なくとも一種との混合物であり、かつ(A)チタン化合物の含有量が、チタン原子として0.001〜0.1質量%であることを特徴とする逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物。
- 動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃及びせん断速度1s-1の条件で測定した際の粘度が10〜1,000Pa・sであり、かつ温度25℃及びせん断速度0.01s-1の条件で測定した際の粘度が200Pa・s〜5,000Pa・sである粘度特性を有する請求項1に記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物。
- (A)チタン化合物が、平均粒子径10nm以下の酸化チタン粒子、及びチタン錯体の中から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物。
- チタン錯体が、チタンピリジン錯体、チタンアンミン錯体、ペルオキソチタン錯体、チタンエチレンジアミン酢酸錯体、チタンアセチルアセトン錯体、チタン酢酸錯体、チタンクエン酸錯体、チタンシュウ酸錯体、チタンテトラメチルアンモニウムヒドロキシド錯体、又はこれらの錯体における配位子を二種以上有するチタン錯体である請求項3に記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物。
- (B)架橋アクリル系樹脂粒子の平均粒子径が10nm〜1μmである請求項1〜4のいずれかに記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物。
- (B)架橋アクリル系樹脂粒子が、多官能(メタ)アクリレートモノマーを自己架橋によりエマルション重合して得られたものである請求項1〜5のいずれかに記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物。
- (B)架橋アクリル系樹脂粒子が、アルキル基の炭素数1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、内部架橋剤の存在下に、エマルション重合して得られたものである請求項1〜5のいずれかに記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物。
- (B)架橋アクリル系樹脂粒子が、アルキル基の炭素数1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、活性水素をもつ官能基を有するビニル系重合性化合物とをエマルション重合して得られたアクリル系樹脂粒子のエマルションに、外部架橋剤を加え、該アクリル系樹脂粒子を架橋化したものである請求項1〜5のいずれかに記載の逆電子反応抑制膜形成用ペースト組成物。
- 透明導電性基材の表面に、請求項1〜8のいずれかに記載のペースト組成物を用いて形成されてなるパターン状塗膜を焼成することにより得られることを特徴とする色素増感型太陽電池用逆電子反応抑制膜。
- 透明導電性基材、透明電極、酸化チタン多孔質膜、電解質及び導電膜を有する色素増感型太陽電池であって、当該透明導電性基材と、当該酸化チタン多孔質膜間に、請求項9に記載の逆電子反応抑制膜を介在させたことを特徴とする色素増感型太陽電池。
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