JP2010164209A - 吸着式冷凍機の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着式冷凍機の蒸発器負荷がピーク時より低いときに吸着式冷凍機のCOPを低下させることなく消費電力の低減を図ることのできる吸着式冷凍機の運転方法を提供する。
【解決手段】吸着式冷凍機1の吸着剤6を加熱する熱源水として100℃以下の廃熱を利用し、吸着式冷凍機1の二つの吸着剤熱交換器2,3のうち一方の吸着剤熱交換器に熱源水を供給すると共に他方の吸着剤熱交換器に冷却水を冷却水供給ポンプ17から供給して吸着式冷凍機1を運転するに際して、吸着式冷凍機1の蒸発器負荷がピーク時より低いときに冷却水供給ポンプ17の冷却水吐出流量と冷却水が流通する吸着剤熱交換器内の流路数とを減らして吸着式冷凍機1を運転する。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸着式冷凍機の運転方法に関し、特に、吸着式冷凍機の吸着剤を加熱する熱源水として製鉄所などで発生した100℃以下の廃熱を利用して吸着式冷凍機を運転する方法に関する。
製鉄所で発生する廃熱には100℃を超えるものと100℃以下のものとがあり、100℃を超える廃熱については発電用蒸気タービンを駆動する蒸気として利用されている場合が多い(例えば、特許文献1参照)。
一方、100℃以下の廃熱については、吸着式冷凍機の吸着剤を加熱する熱源水として利用することが検討されている。しかし、吸着式冷凍機は二つの吸着剤熱交換器のうち一方の吸着剤熱交換器に熱源水を供給すると共に、他方の吸着剤熱交換器に吸着剤を冷却する冷却水を冷却水供給ポンプから供給して定負荷で運転されるのが一般的である。このため、吸着式冷凍機の蒸発器で得られた冷水を例えば所内の冷房用熱エネルギーとして利用する場合には、図5に示されるように、吸着式冷凍機の蒸発器負荷が8月などのピーク時より低い時でも冷却水供給ポンプが多くの電力を消費してしまうという問題が生じる。
そこで、かかる問題を解消するため、吸着式冷凍機の蒸発器負荷がピーク時より低いときに冷却水供給ポンプの冷却水吐出流量を減らして吸着式冷凍機を運転することが検討されている。
特開平2007−255349号公報
しかしながら、吸着式冷凍機は熱源水が供給される吸着剤熱交換器と冷却水が供給される吸着剤熱交換器とを交互に切り替えて運転されるため、吸着式冷凍機の蒸発器負荷がピーク時より低いときに冷却水供給ポンプの冷却水吐出流量を減らすと、吸着式冷凍機の電力COPは向上するものの、それまで冷却水が供給されていた吸着剤熱交換器に熱源水を供給したときに吸着剤熱交換器内の残留冷却水によって熱源水が熱量を奪われてしまい、吸着式冷凍機のCOPが蒸発器負荷のピーク時より低下するという問題がある。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、吸着式冷凍機の蒸発器負荷がピーク時より低いときに吸着式冷凍機のCOPを低下させることなく消費電力の低減を図ることのできる吸着式冷凍機の運転方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る吸着式冷凍機の運転方法は、吸着式冷凍機の吸着剤を加熱する熱源水として100℃以下の廃熱を利用し、前記吸着式冷凍機の二つの吸着剤熱交換器のうち一方の吸着剤熱交換器に熱源水を供給すると共に他方の吸着剤熱交換器に前記吸着剤を冷却する冷却水を冷却水供給ポンプから供給して前記吸着式冷凍機を運転する方法であって、前記吸着式冷凍機の蒸発器負荷がピーク時より低いときに前記冷却水供給ポンプの冷却水吐出流量と前記冷却水が流通する吸着剤熱交換器内の流路数とを減らして前記吸着式冷凍機を運転することを特徴とする。
本発明に係る吸着式冷凍機の運転方法によると、吸着式冷凍機の蒸発器負荷がピーク時より低いときに冷却水供給ポンプの冷却水吐出流量と冷却水が流通する吸着剤熱交換器内の流路数とを減らして吸着式冷凍機を運転することで、吸着式冷凍機の電力COPが蒸発器負荷のピーク時よりも大きくなると共に、吸着剤熱交換器内に残留する冷却水の残留量が減少し、吸着剤熱交換器内の残留冷却水による熱源水の損失熱量が低減されるため、吸着式冷凍機の蒸発器負荷がピーク時より低いときに吸着式冷凍機のCOPを低下させることなく消費電力の低減を図ることができる。
本発明に係る吸着式冷凍機の運転方法に使用される吸着式冷凍機の一例を示す図である。 図1に示される吸着剤熱交換器の構成を模式的に示す図である。 図1に示される冷却水供給ポンプの冷却水吐出流量と吸着式冷凍機の電力COPとの関係を示す図である。 冷却水が供給される吸着剤熱交換器内の流路数と吸着式冷凍機のCOPとの関係を示す図である。 吸着式冷凍機の蒸発器で得られた冷水を製鉄所内の冷房用熱エネルギーとして利用した場合の蒸発器負荷の変化を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る吸着式冷凍機の運転方法について説明する。
図1は本発明に係る吸着式冷凍機の運転方法に使用される吸着式冷凍機の一例を示す図であり、この図1に示される吸着式冷凍機1は吸着剤熱交換器2,3、凝縮器4および蒸発器5を備えている。
吸着剤熱交換器2,3はシリカゲルなどの吸着剤6を加熱したり冷却したりするものであって、これらの吸着剤熱交換器2,3には、吸着剤6を加熱する熱源水(温水)と吸着剤6を冷却する冷却水が交互に供給されるようになっている。
凝縮器4は吸着剤6から蒸発した冷媒を凝縮せしめるものであって、この凝縮器4は吸着剤6から蒸発した冷媒を取り入れる冷媒蒸気取入ダンパ7,8を有している。また、凝縮器4は冷媒蒸気取入ダンパ7,8により取り込まれた冷媒蒸気を冷却水により冷却する冷媒冷却管9を有し、この冷媒冷却管9により冷却されて冷媒液となった冷媒は冷媒回収トレイ10により回収されるようになっている。
蒸発器5は凝縮器4で凝縮された冷媒を蒸発せしめるものであって、この蒸発器5は冷媒回収トレイ10により回収された冷媒液を散水する冷媒散水管11を有している。また、蒸発器5は冷媒散水管11から散水された冷媒液を気化させるための冷媒蒸発管12を有し、この冷媒蒸発管12内を流通する戻り冷水は冷媒散水管11から散水された冷媒の気化熱により冷却され、7℃程度の冷水となって冷媒蒸発管12から流出するようになっている。さらに、蒸発器5は冷媒蒸気導入ダンパ13,14を有し、冷媒蒸発管12の表面で気化した冷媒は冷媒蒸気導入ダンパ13,14から吸着剤6が収容された真空容器15内に導入されるようになっている。
吸着剤6を加熱する熱源水は、図示しない温水発生装置から切替弁16を介して吸着剤熱交換器2,3に交互に供給されるようになっている。一方、吸着剤6を冷却する冷却水は冷却水供給ポンプ17から切替弁16を介して吸着剤熱交換器2,3に交互に供給されるようになっており、図1に示した吸着式冷凍機1は蒸発器5の負荷がピーク時より低い時には冷却水供給ポンプ17の冷却水吐出流量を少なくして運転される。
図2は、図1に示される吸着剤熱交換器の構成を模式的に示す図である。この図2に示されるように、吸着剤熱交換器2,3は熱源水や冷却水が交互に流れる多数の流路18と、これら流路18の入口側に設けられた多数の流路閉鎖弁19とを有しており、図1に示した吸着式冷凍機1は蒸発器5の負荷がピーク時より低い時には冷却水が流通する流路18の数を流路閉鎖弁19により減らして運転される。
図3は図1に示される冷却水供給ポンプの冷却水吐出流量と吸着式冷凍機の電力COPとの関係を示す図であり、この図3に示されるように、冷却水供給ポンプ17の冷却水吐出流量が減少すると、冷却水供給ポンプ17が多くの電力を消費しなくなり、これにより、吸着式冷凍機1の電力COPが上昇することがわかる。
図4は冷却水が供給される吸着剤熱交換器内の流路数と吸着式冷凍機のCOPとの関係を示す図であり、この図4に示されるように、冷却水が供給される吸着剤熱交換器内の流路数が減少すると、吸着式冷凍機1のCOPが上昇することがわかる。これは、冷却水が供給される吸着剤熱交換器内の流路数が減少すると、吸着剤熱交換器内に残留する冷却水の残留量が低減し、吸着剤熱交換器内の残留冷却水による熱源水の損失熱量が小さくなるためと推察される。
[実施例]
吸着式冷凍機の出力比Qを0.55、吸着式冷凍機の出力損失比Qを0.45、熱源水と冷却水の切替時における吸着剤熱交換器内での熱源水の損失熱量比qを0.4、冷却水が供給される吸着剤熱交換器内の流路数減少比Rを0.2として、吸着式冷凍機のCOPを試算したところ、
COP=Q/(Q+(Q−(Q×q×R)))
=0.55/(0.55+(0.45−(0.45×0.4×0.2)))
=0.55/(0.55+(0.45−0.04))
=0.57
となり、流路数減少比RがR=0の場合のCOP(=0.55)と比較して、COPが約2%高くなることが判明した。
したがって、上述のように、吸着式冷凍機1の蒸発器負荷がピーク時より低いときに冷却水供給ポンプ17の冷却水吐出流量と冷却水が流通する吸着剤熱交換器2,3内の流路数とを減らして吸着式冷凍機1を運転することで、吸着式冷凍機1の蒸発器負荷がピーク時より低いときに吸着式冷凍機1のCOPを低下させることなく消費電力の低減を図ることができる。
1 吸着式冷凍機
2,3 吸着剤熱交換器
4 凝縮器
5 蒸発器
6 吸着剤
7,8 冷媒蒸気取入ダンパ
9 冷媒冷却管
10 冷媒回収トレイ
11 冷媒散水管
12 冷媒蒸発管
13,14 冷媒蒸気導入ダンパ
15 真空容器
16 切替弁
17 冷却水供給ポンプ
18 流路
19 流路閉鎖弁

Claims (1)

  1. 吸着式冷凍機の吸着剤を加熱する熱源水として100℃以下の廃熱を利用し、前記吸着式冷凍機の二つの吸着剤熱交換器のうち一方の吸着剤熱交換器に熱源水を供給すると共に他方の吸着剤熱交換器に前記吸着剤を冷却する冷却水を冷却水供給ポンプから供給して前記吸着式冷凍機を運転する方法であって、
    前記吸着式冷凍機の蒸発器負荷がピーク時より低いときに前記冷却水供給ポンプの冷却水吐出流量と前記冷却水が流通する吸着剤熱交換器内の流路数とを減らして前記吸着式冷凍機を運転することを特徴とする吸着式冷凍機の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012037203A (ja) * 2010-08-11 2012-02-23 Fuji Electric Co Ltd 電子機器の冷却・排熱回収システム
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