以下に添付図面を参照して、本発明に係る冷却装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である冷却装置を模式的に示す模式図である。ここで例示する冷却装置は、いわゆるデータセンタと称されるサーバのような電子機器Kが配設された対象室1の内部雰囲気を冷却するものであり、循環ユニット(循環手段)10と、冷却ユニット(冷却手段)20と、第1補助冷却ユニット30と、水分吸着ユニット40と、第2補助冷却ユニット(媒体循環手段)50とを備えて構成してある。
循環ユニット10は、空気通路11と、複数の送風ファンF1〜F4とを備えて構成してある。空気通路11は、対象室1を有する建物内部に形成されており、該対象室1の天井に形成された吸込口1aに連通する上方ダクト11a、この上方ダクト11aに連通し、かつ対象室1の側方に形成された側方ダクト11b、並びにこの側方ダクト11bに連通するとともに対象室1の床に形成された吹出口1bに連通する下方ダクト11cとを備えて構成してある。
送風ファンF1〜F4は、複数(図示の例では4つ)設けてあり、それぞれが図示せぬ制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものである。これら送風ファンF1〜F4は、それぞれが空気通路11の所定個所に配設してある。尚、本実施の形態においては、循環ユニット10は複数の送風ファンF1〜F4を構成要素として備えるものと説明したが、本発明においては、循環手段(循環ユニット10)を構成する送風ファンは、複数である必要はなく、単数であってもよい。
このような循環ユニット10においては、各送風ファンF1〜F4が制御手段からの駆動指令が与えられることで駆動することにより、対象室1の内部空気(内部雰囲気)は、吸込口1aから吸い込まれ、空気通路11(上方ダクト11a、側方ダクト11b及び下方ダクト11c)を通過し、吹出口1bから対象室1の内部に吹き出されることになる。つまり、循環ユニット10は、対象室1の内部と外部との間で該対象室1の内部空気を循環させるものである。
冷却ユニット20は、蒸発器21と、圧縮機22と、凝縮器23と、膨張機構24とを冷媒配管で順次接続して成り、内部に冷媒が封入された回路である。蒸発器21は、側方ダクト11bにおける下方ダクト11cに最も近接した個所に配設してある。この蒸発器21の近傍には、循環ユニット10を構成する送風ファン(第1送風ファンF1)が配設してある。圧縮機22は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものであり、駆動することにより蒸発器21を通過した冷媒を吸引して圧縮して高温高圧の状態にするものである。凝縮器23は、圧縮機22で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。この凝縮器23は、圧縮機22とともに空気通路11の外部、すなわち建物の外部に配設されておりその近傍には、外気を導入するための外気導入ファンFOが配設してある。この外気導入ファンFOは、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものである。膨張機構24は、凝縮器23で凝縮された冷媒を断熱膨張させ、蒸発器21に送出するものである。
このような冷却ユニット20においては、圧縮機22で圧縮された冷媒は、凝縮器23にて凝縮されてから膨張機構24に送出され、該膨張機構24で断熱膨張される。膨張機構24で断熱膨張された冷媒は、蒸発器21に送出され、該蒸発器21においてこの蒸発器21の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器21の周囲を通過する内部空気は、冷却される。蒸発器21で蒸発した冷媒は、圧縮機22に吸引されて再び圧縮されて循環する。つまり、冷却ユニット20は、循環ユニット10により循環させた内部空気を冷却するものである。
第1補助冷却ユニット30は、外部熱交換器31と、内部熱交換器32とを配管で接続して成り、内部に例えば水等の媒体が封入された回路である。より詳細に説明すると次のようになる。外部熱交換器31は、冷却ユニット20を構成する凝縮器23の近傍に配設してある。内部熱交換器32は、側方ダクト11bにおける所定個所に配設してあり、その近傍には循環ユニット10を構成する送風ファン(第2送風ファンF2)が配設してある。そして、外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを配管で接続し、内部熱交換器32の出口と外部熱交換器31の入口とを配管で接続して構成してあり、外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを接続する配管の途中には、第1ポンプ33及び第1開閉弁34が配設してある。第1ポンプ33は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。第1開閉弁34は、開閉可能な弁体であり、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開成して媒体の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して媒体の通過を規制するものである。
水分吸着ユニット40は、複数(図示の例では2つ)の水分吸着体41a,41bから構成してある。これら水分吸着体41a,41bは、例えばシリカゲルやゼオライト等の水分吸着材料から形成された円筒状のものである。これら水分吸着体41a,41bは、空気通路11に隣接する態様で設けられた密閉空間2における区画された右室3及び左室4にそれぞれ配設してある。ここで各室の上部及び下部には開口が形成してあり、これら開口はシャッタ機構5により開閉可能になっている。シャッタ機構5は、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開移動して対応する開口を開成させる一方、閉指令が与えられた場合には閉移動して対応する開口を閉成させるものである。
右室3に配設してある水分吸着体(第1水分吸着体41a)の中空内部には螺旋状に巻回した媒体通路42aが形成してあり、かかる媒体通路42aの一端には、第1四方弁43の第1出入口43cに接続された配管が接続してあり、該媒体通路42aの他端には、第2四方弁44の第1出入口44cに接続された配管が接続してある。これにより、第1水分吸着体41aにおける媒体通路42aの一端の開口は、配管を通じて第1四方弁43の第1出入口43cに連通し、該媒体通路42aの他端の開口は、配管を通じて第2四方弁44の第1出入口44cに連通している。
左室4に配設してある水分吸着体(第2水分吸着体41b)の中空内部には螺旋状に巻回した媒体通路42bが形成してあり、かかる媒体通路42bの一端には、第1四方弁43の第2出入口43dに接続された配管が接続してあり、該媒体通路42bの他端には、第2四方弁44の第2出入口44dに接続された配管が接続してある。これにより、第2水分吸着体41bにおける媒体通路42bの一端の開口は、配管を通じて第1四方弁43の第2出入口43dに連通し、該媒体通路42bの他端の開口は、配管を通じて第2四方弁44の第2出入口44dに連通している。
これら第1四方弁43及び第2四方弁44について説明する。第1四方弁43は、1つの専用入口43a、1つの専用出口43b及び2つの出入口(第1出入口43c及び第2出入口43d)を備えて成る弁体である。
専用入口43aは、第1補助冷却ユニット30を構成する外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを接続する配管の分岐点P1、すなわち第1ポンプ33よりも下流側であって第1開閉弁34よりも上流側となる個所から分岐する配管が接続してある。かかる配管の途中には第2開閉弁45が配設してある。この第2開閉弁45は、開閉可能な弁体であり、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開成して媒体の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して媒体の通過を規制するものである。
専用出口43bは、側方ダクト11bにおける上方ダクト11aに最も近接した位置に配設された排熱熱交換器46の入口に接続された配管が接続してある。ここで排熱熱交換器46の近傍には、循環ユニット10を構成する送風ファン(第3送風ファンF3)が配設してある。
2つの出入口のうち一方の第1出入口43cは、上述したように第1水分吸着体41aの媒体通路42aの一端に接続された配管が接続してあり、他方の第2出入口43dは、上述したように第2水分吸着体41bの媒体通路42bの一端に接続された配管が接続してある。
このような第1四方弁43は、通常状態においては、図1に示すように専用入口43aと第1出入口43cとを連通させるとともに、専用出口43bと第2出入口43dとを連通させており、上記制御手段から切替指令が与えられた場合には、切替状態となって専用入口43aと第2出入口43dとを連通させるとともに、専用出口43bと第1出入口43cとを連通させるものである(図3参照)。
第2四方弁44は、1つの専用入口44a、1つの専用出口44b及び2つの出入口(第1出入口44c及び第2出入口44d)を備えて成る弁体である。
専用入口44aは、排熱熱交換器46の出口に接続された配管が接続してある。かかる配管の途中には、第2ポンプ47が配設してある。第2ポンプ47は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して水等の媒体を送出するものである。
専用出口44bは、上記密閉空間2における右室3及び左室4よりも上方側に配設された冷却用熱交換器48の入口に接続された配管が接続してある。この冷却用熱交換器48の出口に接続された配管は、第1補助冷却ユニット30を構成する内部熱交換器32の出口と外部熱交換器31の入口とを接続する配管の途中の合流点P2に合流している。
2つの出入口のうち一方の第1出入口44cは、上述したように第1水分吸着体41aの媒体通路42aの他端に接続された配管が接続してあり、他方の第2出入口44dは、上述したように第2水分吸着体41bの媒体通路42bの他端に接続された配管が接続してある。
このような第2四方弁44は、通常状態においては、図1に示すように専用入口44aと第2出入口44dとを連通させるとともに、専用出口44bと第1出入口44cとを連通させており、上記制御手段から切替指令が与えられた場合には、切替状態となって専用入口44aと第1出入口44cとを連通させるとともに、専用出口44bと第2出入口44dとを連通させるものである(図3参照)。
第2補助冷却ユニット50は、第1熱交換器51と、第2熱交換器52とを配管で接続して成り、内部に例えば水等の媒体が封入された回路である。より詳細に説明すると次のようになる。第1熱交換器51は、上記密閉空間2において右室3及び左室4よりも下方側に配設してある。尚、本実施の形態においては、第1熱交換器51は、右室3及び左室4の下方側に配設しているものとして説明するが、本発明においては、第1熱交換器51は、必ずしも密閉空間2の下方側に配設されていなくてもよいが、冷却用熱交換器48の下方域に配設されていることが好ましい。
第2熱交換器52は、側方ダクト11bにおける所定個所、すなわち循環ユニット10による内部空気の循環過程において蒸発器21よりも上流側であって内部熱交換器32よりも下流側となる個所に配設してあり、その近傍には循環ユニット10を構成する送風ファン(第4送風ファンF4)が配設してある。そして、第1熱交換器51の出口と第2熱交換器52の入口とを配管で接続し、第2熱交換器52の出口と第1熱交換器51の入口とを配管で接続して構成してあり、第1熱交換器51の出口と第2熱交換器52の入口とを接続する配管の途中には、第3ポンプ53が配設してある。第3ポンプ53は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。
また、第1熱交換器51が配設される上記密閉空間2においては、冷却用熱交換器48の下方に樋54が設けてある。この樋54は、冷却用熱交換器48の表面に形成されて滴下する水分を受けるものである。かかる樋54には、自身に滴下した水分を第1熱交換器51の表面に滴下する態様で供給する供給管55が連設してある。このように樋54は、供給管55とともに、第1熱交換器51の表面に水分を供給する水分供給手段を構成している。尚、本実施の形態では、水分供給手段として、第1熱交換器51の表面に水分を滴下する態様で供給するものを例示したが、本発明においては、水分供給手段は、第1熱交換器(51)の表面に水分を供給するものであれば、その供給の形態は特に限定されない。
以上のような構成を有する冷却装置においては、次のようにして対象室1の内部空気を冷却することができる。
まず、制御手段は、各送風ファンF1〜F4、外気導入ファンFO、圧縮機22、各ポンプ33,47,53に駆動指令を与えて駆動させるとともに、第1開閉弁34及び第2開閉弁45に開指令を与えて開成させる。また制御手段は、右室3の上端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の下端開口を開閉するシャッタ機構5に閉指令を与え、右室3の下端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の上端開口を開閉するシャッタ機構5に開指令を与えて、右室3の上端開口及び左室4の下端開口を閉成させ、右室3の下端開口及び左室4の上端開口を開成させる。更に制御手段は、第1四方弁43及び第2四方弁44を通常状態にさせる。
各送風ファンF1〜F4が駆動することにより、対象室1の内部空気は、図2に示すように吸込口1aから吸い込まれ、空気通路11(上方ダクト11a、側方ダクト11b及び下方ダクト11c)を通過し、吹出口1bから対象室1内部に吹き出される。
圧縮機22が駆動することにより、圧縮された冷媒は、凝縮器23にて凝縮されてから膨張機構24に送出され、該膨張機構24で断熱膨張される。膨張機構24で断熱膨張された冷媒は、蒸発器21に送出され、該蒸発器21においてこの蒸発器21の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器21の周囲を通過する内部空気は冷却される。ここで、蒸発器21で蒸発した冷媒は、圧縮機22に吸引されて再び圧縮されて循環する。
このように各送風ファンF1〜F4及び圧縮機22を駆動させることで、吹出口1bより吹き出される内部空気は、蒸発器21により十分に冷却されており、これにより対象室1の内部を冷却することができ、サーバ等の電子機器K(発熱体)を冷却することが可能になる。
第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過した媒体は図2に示すように循環する。すなわち、外部熱交換器31を通過した媒体は、分岐点P1で分岐し、一方が第1開閉弁34を通過して内部熱交換器32に至る。この内部熱交換器32に至った媒体は、かかる内部熱交換器32を通過し、その後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。分岐点P1で分岐した他方の媒体は、第2開閉弁45及び第1四方弁43を通過して第1水分吸着体41aの媒体通路42aの一端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第2四方弁44を通過して冷却用熱交換器48に至り、該冷却用熱交換器48を通過した後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。
このように第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を内部熱交換器32及び第1水分吸着体41aの媒体通路42aに送出することができる。これにより、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも低い場合には、内部熱交換器32において媒体と内部空気との熱交換が行われることにより該内部空気を冷却することができる。尚、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも高い場合には、制御手段を通じて第1開閉弁34を閉成させればよい。
一方、第1水分吸着体41aの媒体通路42aに外気の熱を送出することにより第1水分吸着体41aの温度を吸着に適した温度(外気温度に略等しい温度)にすることができる。これにより右室3の空気中の水分は、第1水分吸着体41aに吸着され、これにより右室3の内部及び右室3の下端開口を通じて該右室3に連通する第1熱交換器51の周辺も減圧されることになる。
第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過した媒体は図2に示すように循環する。すなわち、排熱熱交換器46を通過した媒体は、第2四方弁44を通過して第2水分吸着体41bの媒体通路42bの一端に至り、かかる媒体通路42bを通過する。媒体通路42bを通過した媒体は、第1四方弁43を通過して排熱熱交換器46に戻る。
このように第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過する媒体は、吸込口1aから吸い込まれて上方ダクト11aを通過した内部空気と熱交換を行って該内部空気の排熱(高熱)を取得し、取得した排熱を第2水分吸着体41bの媒体通路42bに送出することができる。第2水分吸着体41bの媒体通路42bに排熱を送出することにより第2水分吸着体41bを加熱し、これにより該第2水分吸着体41bが吸着した水分を左室4に放出させることができる。つまり第2水分吸着体41bを除湿させることができる。ここで、左室4に放出された水分は水蒸気となって開成する上端開口を通じて左室4から冷却用熱交換器48の近傍に至る。この冷却用熱交換器48の近傍に至った水蒸気は、その表面に水滴として付着し、その後に滴下して樋54に至る。樋54に至った水分は、供給管55を通過して第1熱交換器51の表面に滴下される。
第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51を通過した媒体は図2に示すように循環する。すなわち、第1熱交換器51を通過した媒体は、第2熱交換器52に至る。この第2熱交換器52に至った媒体は、かかる第2熱交換器52を通過して第1熱交換器51に戻る。
第1熱交換器51は、上述したように第1水分吸着体41aの水分を吸着することにより自身の周囲も減圧されており、つまり、第1熱交換器51は、密閉空間2内において第1水分吸着体41aが水分を吸着することにより減圧される減圧雰囲気下に配設されており、しかも表面には、樋54及び供給管55を通じて水分が滴下されている。これにより表面の水分が蒸発することにより、第1熱交換器51を通過する媒体は冷却される。
よって、第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51で冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却することができる。
そして、予め決められた時間が経過した後に、制御手段は、各送風ファンF1〜F4、圧縮機22、各ポンプ33,47,53の駆動を維持したままで、第1水分吸着体41aと第2水分吸着体41bとの吸着と放出との切り替えを行う。すなわち、右室3の上端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の下端開口を開閉するシャッタ機構5に開指令を与え、右室3の下端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の上端開口を開閉するシャッタ機構5に閉指令を与えて、右室3の上端開口及び左室4の下端開口を開成させ、右室3の下端開口及び左室4の上端開口を閉成させる。また制御手段は、第1四方弁43及び第2四方弁44に切替指令を与えて切替状態にさせる。尚、第1開閉弁34及び第2開閉弁45は開成した状態を維持する。
第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過した媒体は図3に示すように循環する。すなわち、外部熱交換器31を通過した媒体は、分岐点P1で分岐し、一方が第1開閉弁34を通過して内部熱交換器32に至る。この内部熱交換器32に至った媒体は、かかる内部熱交換器32を通過し、その後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。分岐点P1で分岐した他方の媒体は、第2開閉弁45及び第1四方弁43を通過して第2水分吸着体41bの媒体通路42bの他端に至り、かかる媒体通路42bを通過する。媒体通路42bを通過した媒体は、第2四方弁44を通過して冷却用熱交換器48に至り、該冷却用熱交換器48を通過した後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。
このように第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を内部熱交換器32及び第2水分吸着体41bの媒体通路42bに送出することができる。これにより、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも低い場合には、内部熱交換器32において媒体と内部空気との熱交換が行われることにより該内部空気を冷却することができる。尚、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも高い場合には、制御手段を通じて第1開閉弁34を閉成させればよい。
一方、第2水分吸着体41bの媒体通路42bに外気の熱を送出することにより第2水分吸着体41bの温度を吸着に適した温度(外気温度に略等しい温度)にすることができる。これにより左室4の空気中の水分は、第2水分吸着体41bに吸着され、これにより左室4の内部及び左室4の下端開口を通じて該左室4に連通する第1熱交換器51の周辺も減圧されることになる。
第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過した媒体は図3に示すように循環する。すなわち、排熱熱交換器46を通過した媒体は、第2四方弁44を通過して第1水分吸着体41aの媒体通路42aの他端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第1四方弁43を通過して排熱熱交換器46に戻る。
このように第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過する媒体は、吸込口1aから吸い込まれて上方ダクト11aを通過した内部空気と熱交換を行って該内部空気の排熱(高熱)を取得し、取得した排熱を第1水分吸着体41aの媒体通路42aに送出することができる。第1水分吸着体41aの媒体通路42aに排熱を送出することにより第1水分吸着体41aを加熱し、これにより該第1水分吸着体41aが吸着した水分を右室3に放出させることができる。つまり第1水分吸着体41aを除湿させることができる。ここで、右室3に放出された水分は水蒸気となって開成する上端開口を通じて右室3から冷却用熱交換器48の近傍に至る。この冷却用熱交換器48の近傍に至った水蒸気は、その表面に水滴として付着し、その後に滴下して樋54に至る。樋54に至った水分は、供給管55を通過して第1熱交換器51の表面に滴下される。
第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51を通過した媒体は図3に示すように循環する。すなわち、第1熱交換器51を通過した媒体は、第2熱交換器52に至る。この第2熱交換器52に至った媒体は、かかる第2熱交換器52を通過して第1熱交換器51に戻る。
第1熱交換器51は、上述したように第2水分吸着体41bの水分を吸着することにより自身の周囲も減圧されており、つまり、第1熱交換器51は、密閉空間2内において第2水分吸着体41bが水分を吸着することにより減圧される減圧雰囲気下に配設されており、しかも表面には、樋54及び供給管55を通じて水分が滴下されている。これにより表面の水分が蒸発することにより、第1熱交換器51を通過する媒体は冷却される。
よって、第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51で冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却することができる。
このような本実施の形態である冷却装置においては、第1水分吸着体41a又は第2水分吸着体41bに外部熱交換器31を通過した媒体を供給する配管等が該水分吸着体41a,41bを水分の吸着に適した温度に調整する温度調整手段を構成している。
このように本実施の形態である冷却装置によれば、第2補助冷却ユニット50は、第1熱交換器51において該第1熱交換器51の表面に供給された水分が蒸発することにより冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却するので、蒸発器21を有する冷却手段の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。
また、本実施の形態である冷却装置によれば、外気温度に略等しい温度の媒体が内部熱交換器32を通過することにより、かかる内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気を冷却することが可能であり、これによっても蒸発器21を有する冷却ユニット20の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。
更に、本実施の形態である冷却装置によれば、対象室1の内部空気と熱交換を行って得られた排熱(高熱)を用いて水分吸着体41a,41bを加熱するので、これによっても循環する内部空気を冷却することができ、これによっても蒸発器21を有する冷却ユニット20の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。しかも、排熱を用いて第1水分吸着体41a又は第2水分吸着体41bを加熱するので、加熱に要する熱源を必要とせず、これによっても消費電力の低減化を図ることができる。
<実施の形態2>
図4及び図5は、それぞれ本発明の実施の形態2である冷却装置を模式的に示す模式図である。尚、上述した実施の形態1である冷却装置と同一の構成を有するものには同一の符号付して説明する。
ここで例示する冷却装置は、いわゆるデータセンタと称されるサーバのような電子機器Kが配設された対象室1の内部雰囲気を冷却するものであり、循環ユニット(循環手段)10と、冷却ユニット(冷却手段)20と、第1補助冷却ユニット30と、水分吸着ユニット40と、第2補助冷却ユニット(媒体循環手段)50と、冷却加熱ユニット(冷却加熱手段)60とを備えて構成してある。
循環ユニット10は、空気通路11と、複数の送風ファンF1〜F4とを備えて構成してある。空気通路11は、対象室1を有する建物内部に形成されており、該対象室1の天井に形成された吸込口1aに連通する上方ダクト11a、この上方ダクト11aに連通し、かつ対象室1の側方に形成された側方ダクト11b、並びにこの側方ダクト11bに連通するとともに対象室1の床に形成された吹出口1bに連通する下方ダクト11cとを備えて構成してある。
送風ファンF1〜F4は、複数(図示の例では4つ)設けてあり、それぞれが図示せぬ制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものである。これら送風ファンF1〜F4は、それぞれが空気通路11の所定個所に配設してある。尚、本実施の形態においては、循環ユニット10は複数の送風ファンF1〜F4を構成要素として備えるものと説明したが、本発明においては、循環手段(循環ユニット10)を構成する送風ファンは、複数である必要はなく、単数であってもよい。
このような循環ユニット10においては、各送風ファンF1〜F4が制御手段からの駆動指令が与えられることで駆動することにより、対象室1の内部空気(内部雰囲気)は、吸込口1aから吸い込まれ、空気通路11(上方ダクト11a、側方ダクト11b及び下方ダクト11c)を通過し、吹出口1bから対象室1内部に吹き出されることになる。つまり、循環ユニット10は、対象室1の内部と外部との間で該対象室1の内部空気を循環させるものである。
冷却ユニット20は、蒸発器21と、圧縮機22と、凝縮器23と、膨張機構24とを冷媒配管で順次接続して成り、内部に冷媒が封入された回路である。蒸発器21は、側方ダクト11bにおける下方ダクト11cに最も近接した個所に配設してある。この蒸発器21の近傍には、循環ユニット10を構成する送風ファン(第1送風ファンF1)が配設してある。圧縮機22は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものであり、駆動することにより蒸発器21を通過した冷媒を吸引して圧縮して高温高圧の状態にするものである。凝縮器23は、圧縮機22で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。この凝縮器23は、圧縮機22とともに空気通路11の外部、すなわち建物の外部に配設されておりその近傍には、外気を導入するための外気導入ファンFOが配設してある。この外気導入ファンFOは、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものである。膨張機構24は、凝縮器23で凝縮された冷媒を断熱膨張させ、蒸発器21に送出するものである。
このような冷却ユニット20においては、圧縮機22で圧縮された冷媒は、凝縮器23にて凝縮されてから膨張機構24に送出され、該膨張機構24で断熱膨張される。膨張機構24で断熱膨張された冷媒は、蒸発器21に送出され、該蒸発器21においてこの蒸発器21の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器21の周囲を通過する内部空気は、冷却される。蒸発器21で蒸発した冷媒は、圧縮機22に吸引されて再び圧縮されて循環する。つまり、冷却ユニット20は、循環ユニット10により循環させた内部空気を冷却するものである。
第1補助冷却ユニット30は、外部熱交換器31と、内部熱交換器32とを配管で接続して成り、内部に例えば水等の媒体が封入された回路である。より詳細に説明すると次のようになる。外部熱交換器31は、冷却ユニット20を構成する凝縮器23の近傍に配設してある。内部熱交換器32は、側方ダクト11bにおける所定個所に配設してあり、その近傍には循環ユニット10を構成する送風ファン(第2送風ファンF2)が配設してある。そして、外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを配管で接続し、内部熱交換器32の出口と外部熱交換器31の入口とを配管で接続して構成してあり、外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを接続する配管の途中には、第1ポンプ33及び第1開閉弁34が配設してある。第1ポンプ33は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。第1開閉弁34は、開閉可能な弁体であり、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開成して媒体の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して媒体の通過を規制するものである。
水分吸着ユニット40は、複数(図示の例では2つ)の水分吸着体41a,41bから構成してある。これら水分吸着体41a,41bは、例えばシリカゲルやゼオライト等の水分吸着材料から形成された円筒状のものである。これら水分吸着体41a,41bは、空気通路11に隣接する態様で設けられた密閉空間2における区画された右室3及び左室4にそれぞれ配設してある。ここで各室の上部及び下部には開口が形成してあり、これら開口はシャッタ機構5により開閉可能になっている。シャッタ機構5は、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開移動して対応する開口を開成させる一方、閉指令が与えられた場合には閉移動して対応する開口を閉成させるものである。
右室3に配設してある水分吸着体(第1水分吸着体41a)の中空内部には螺旋状に巻回した媒体通路42aが形成してあり、かかる媒体通路42aの一端には、第1四方弁43の第1出入口43cに接続された配管が接続してあり、該媒体通路42aの他端には、第2四方弁44の第1出入口44cに接続された配管が接続してある。これにより、第1水分吸着体41aにおける媒体通路42aの一端の開口は、配管を通じて第1四方弁43の第1出入口43cに連通し、該媒体通路42aの他端の開口は、配管を通じて第2四方弁44の第1出入口44cに連通している。
左室4に配設してある水分吸着体(第2水分吸着体41b)の中空内部には螺旋状に巻回した媒体通路42bが形成してあり、かかる媒体通路42bの一端には、第1四方弁43の第2出入口43dに接続された配管が接続してあり、該媒体通路42bの他端には、第2四方弁44の第2出入口44dに接続された配管が接続してある。これにより、第2水分吸着体41bにおける媒体通路42bの一端の開口は、配管を通じて第1四方弁43の第2出入口43dに連通し、該媒体通路42aの他端の開口は、配管を通じて第2四方弁44の第2出入口44dに連通している。
これら第1四方弁43及び第2四方弁44について説明する。第1四方弁43は、1つの専用入口43a、1つの専用出口43b及び2つの出入口(第1出入口43c及び第2出入口43d)を備えて成る弁体である。
専用入口43aは、第1補助冷却ユニット30を構成する外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを接続する配管の分岐点P1、すなわち第1ポンプ33よりも下流側であって第1開閉弁34よりも上流側となる個所から分岐する配管が接続してある。かかる配管の途中には第2開閉弁45が配設してある。この第2開閉弁45は、開閉可能な弁体であり、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開成して媒体の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して媒体の通過を規制するものである。
専用出口43bは、側方ダクト11bにおける上方ダクト11aに最も近接した位置に配設された排熱熱交換器46の入口に接続された配管が接続してある。ここで排熱熱交換器46の近傍には、循環ユニット10を構成する送風ファン(第3送風ファンF3)が配設してある。
2つの出入口のうち一方の第1出入口43cは、上述したように第1水分吸着体41aの媒体通路42aの一端に接続された配管が接続してあり、他方の第2出入口43dは、上述したように第2水分吸着体41bの媒体通路42bの一端に接続された配管が接続してある。
このような第1四方弁43は、通常状態においては、図4に示すように専用入口43aと第1出入口43cとを連通させるとともに、専用出口43bと第2出入口43dとを連通させており、上記制御手段から切替指令が与えられた場合には、切替状態となって専用入口43aと第2出入口43dとを連通させるとともに、専用出口43bと第1出入口43cとを連通させるものである(図5参照)。
第2四方弁44は、1つの専用入口44a、1つの専用出口44b及び2つの出入口(第1出入口44c及び第2出入口44d)を備えて成る弁体である。
専用入口44aは、排熱熱交換器46の出口に接続された配管が接続してある。かかる配管の途中には、第2ポンプ47が配設してある。第2ポンプ47は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して水等の媒体を送出するものである。
専用出口44bは、上記密閉空間2における右室3及び左室4よりも上方側に配設された冷却用熱交換器48の入口に接続された配管が接続してある。この冷却用熱交換器48の出口に接続された配管は、第1補助冷却ユニット30を構成する内部熱交換器32の出口と外部熱交換器31の入口とを接続する配管の途中の合流点P2に合流している。
2つの出入口のうち一方の第1出入口44cは、上述したように第1水分吸着体41aの媒体通路42aの他端に接続された配管が接続してあり、他方の第2出入口44dは、上述したように第2水分吸着体41bの媒体通路42bの他端に接続された配管が接続してある。
このような第2四方弁44は、通常状態においては、図4に示すように専用入口44aと第2出入口44dとを連通させるとともに、専用出口44bと第1出入口44cとを連通させており、上記制御手段から切替指令が与えられた場合には、切替状態となって専用入口44aと第1出入口44cとを連通させるとともに、専用出口44bと第2出入口44dとを連通させるものである(図5参照)。
第2補助冷却ユニット50は、第1熱交換器51と、第2熱交換器52とを配管で接続して成り、内部に例えば水等の媒体が封入された回路である。より詳細に説明すると次のようになる。第1熱交換器51は、上記密閉空間2において右室3及び左室4よりも下方側に配設してある。尚、本実施の形態においては、第1熱交換器51は、右室3及び左室4の下方側に配設しているものとして説明するが、本発明においては、第1熱交換器51は、必ずしも密閉空間2の下方側に配設されていなくてもよいが、冷却用熱交換器48の下方域に配設されていることが好ましい。
第2熱交換器52は、側方ダクト11bにおける所定個所、すなわち循環ユニット10による内部空気の循環過程において蒸発器21よりも上流側であって内部熱交換器32よりも下流側となる個所に配設してあり、その近傍には循環ユニット10を構成する送風ファン(第4送風ファンF4)が配設してある。そして、第1熱交換器51の出口と第2熱交換器52の入口とを配管で接続し、第2熱交換器52の出口と第1熱交換器51の入口とを配管で接続して構成してあり、第1熱交換器51の出口と第2熱交換器52の入口とを接続する配管の途中には、第3ポンプ53が配設してある。第3ポンプ53は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。
また、第1熱交換器51が配設される上記密閉空間2においては、冷却用熱交換器48の下方に樋54が設けてある。この樋54は、冷却用熱交換器48の表面に形成されて滴下する水分を受けるものである。かかる樋54には、自身に滴下した水分を第1熱交換器51の表面に滴下する態様で供給する供給管55が連設してある。このように樋54は、供給管55とともに、第1熱交換器51の表面に水分を供給する水分供給手段を構成している。尚、本実施の形態では、水分供給手段として、第1熱交換器51の表面に水分を滴下する態様で供給するものを例示したが、本発明においては、水分供給手段は、第1熱交換器(51)の表面に水分を供給するものであれば、その供給の形態は特に限定されない。
冷却加熱ユニット60は、圧縮機61と、放熱器62と、膨張機構63と、蒸発器64とを冷媒配管にて順次接続して成り、内部に冷媒が封入された回路である。
圧縮機61は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものであり、駆動することにより冷媒を圧縮して高温高圧の状態にするものである。
放熱器62は、圧縮機22で圧縮された冷媒を放熱させるものである。この放熱器62は、循環ユニット10による内部空気の循環過程において排熱熱交換器46よりも上流側となる個所、すなわち上方ダクト11aに配設してある。
膨張機構63は、放熱器62で放熱した冷媒を断熱膨張させるものである。蒸発器64は、循環ユニット10による内部空気の循環過程において排熱熱交換器46よりも下流側となる個所に配設してある。
以上のような構成を有する冷却装置においては、次のようにして対象室1の内部空気を冷却することができる。
まず、制御手段は、各送風ファンF1〜F4、外気導入ファンFO、圧縮機22,61、各ポンプ33,47,53に駆動指令を与えて駆動させるとともに、第1開閉弁34及び第2開閉弁45に開指令を与えて開成させる。また制御手段は、右室3の上端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の下端開口を開閉するシャッタ機構5に閉指令を与え、右室3の下端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の上端開口を開閉するシャッタ機構5に開指令を与えて、右室3の上端開口及び左室4の下端開口を閉成させ、右室3の下端開口及び左室4の上端開口を開成させる。更に制御手段は、第1四方弁43及び第2四方弁44を通常状態にさせる。
各送風ファンF1〜F4が駆動することにより、対象室1の内部空気は、図4に示すように吸込口1aから吸い込まれ、空気通路11(上方ダクト11a、側方ダクト11b及び下方ダクト11c)を通過し、吹出口1bから対象室1内部に吹き出される。
圧縮機22が駆動することにより、圧縮された冷媒は、凝縮器23にて凝縮されてから膨張機構24に送出され、該膨張機構24で断熱膨張される。膨張機構24で断熱膨張された冷媒は、蒸発器21に送出され、該蒸発器21においてこの蒸発器21の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器21の周囲を通過する内部空気は冷却される。ここで、蒸発器21で蒸発した冷媒は、圧縮機22に吸引されて再び圧縮されて循環する。
このように各送風ファンF1〜F4及び圧縮機22を駆動させることで、吹出口1bより吹き出される内部空気は、蒸発器21により十分に冷却されており、これにより対象室1の内部を冷却することができ、サーバ等の電子機器K(発熱体)を冷却することが可能になる。
第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過した媒体は図4に示すように循環する。すなわち、外部熱交換器31を通過した媒体は、分岐点P1で分岐し、一方が第1開閉弁34を通過して内部熱交換器32に至る。この内部熱交換器32に至った媒体は、かかる内部熱交換器32を通過し、その後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。分岐点P1で分岐した他方の媒体は、第2開閉弁45及び第1四方弁43を通過して第1水分吸着体41aの媒体通路42aの一端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第2四方弁44を通過して冷却用熱交換器48に至り、該冷却用熱交換器48を通過した後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。
このように第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を内部熱交換器32及び第1水分吸着体41aの媒体通路42aに送出することができる。これにより、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも低い場合には、内部熱交換器32において媒体と内部空気との熱交換が行われることにより該内部空気を冷却することができる。尚、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも高い場合には、制御手段を通じて第1開閉弁34を閉成させればよい。
一方、第1水分吸着体41aの媒体通路42aに外気の熱を送出することにより第1水分吸着体41aの温度を吸着に適した温度(外気温度に略等しい温度)にすることができる。これにより右室3の空気中の水分は、第1水分吸着体41aに吸着され、これにより右室3の内部及び右室3の下端開口を通じて該右室3に連通する第1熱交換器51の周辺も減圧されることになる。
第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過した媒体は図4に示すように循環する。すなわち、排熱熱交換器46を通過した媒体は、第2四方弁44を通過して第2水分吸着体41bの媒体通路42bの一端に至り、かかる媒体通路42bを通過する。媒体通路42bを通過した媒体は、第1四方弁43を通過して排熱熱交換器46に戻る。
このように第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過する媒体は、吸込口1aから吸い込まれて上方ダクト11aを通過した内部空気と熱交換を行って該内部空気の排熱(高熱)を取得し、取得した排熱を第2水分吸着体41bの媒体通路42bに送出することができる。第2水分吸着体41bの媒体通路42bに排熱を送出することにより第2水分吸着体41bを加熱し、これにより該第2水分吸着体41bが吸着した水分を左室4に放出させることができる。つまり第2水分吸着体41bを除湿させることができる。ここで、左室4に放出された水分は水蒸気となって開成する上端開口を通じて左室4から冷却用熱交換器48の近傍に至る。この冷却用熱交換器48の近傍に至った水蒸気は、その表面に水滴として付着し、その後に滴下して樋54に至る。樋54に至った水分は、供給管55を通過して第1熱交換器51の表面に滴下される。
第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51を通過した媒体は図4に示すように循環する。すなわち、第1熱交換器51を通過した媒体は、第2熱交換器52に至る。この第2熱交換器52に至った媒体は、かかる第2熱交換器52を通過して第1熱交換器51に戻る。
第1熱交換器51は、上述したように第1水分吸着体41aの水分を吸着することにより自身の周囲も減圧されており、つまり、第1熱交換器51は、密閉空間2内において第1水分吸着体41aが水分を吸着することにより減圧される減圧雰囲気下に配設されており、しかも表面には、樋54及び供給管55を通じて水分が滴下されている。これにより表面の水分が蒸発することにより、第1熱交換器51を通過する媒体は冷却される。
よって、第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51で冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却することができる。
圧縮機61が駆動することにより、圧縮された冷媒は、放熱器62にて放熱して該放熱器62の周囲を通過する内部空気を加熱する。放熱器62で放熱した冷媒は、膨張機構63に送出され、該膨張機構63で断熱膨張される。膨張機構63で断熱膨張された冷媒は、蒸発器64に送出され、該蒸発器64においてこの蒸発器64の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器64の周囲を通過する内部空気は冷却される。ここで、蒸発器64で蒸発した冷媒は、圧縮機61に吸引されて再び圧縮されて循環する。
このように冷却加熱ユニット60を構成する圧縮機61を駆動させることで、吸込口1aより吸い込まれた内部空気を放熱器62にて十分に加熱することができるとともに、排熱熱交換器46を通過した内部空気を蒸発器64にて冷却することができる。
そして、予め決められた時間が経過した後に、制御手段は、各送風ファンF1〜F4、圧縮機22,61、各ポンプ33,47,53の駆動を維持したままで、第1水分吸着体41aと第2水分吸着体41bとの吸着と放出との切り替えを行う。すなわち、右室3の上端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の下端開口を開閉するシャッタ機構5に開指令を与え、右室3の下端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の上端開口を開閉するシャッタ機構5に閉指令を与えて、右室3の上端開口及び左室4の下端開口を開成させ、右室3の下端開口及び左室4の上端開口を閉成させる。また制御手段は、第1四方弁43及び第2四方弁44に切替指令を与えて切替状態にさせる。尚、第1開閉弁34及び第2開閉弁45は開成した状態を維持する。
第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過した媒体は図5に示すように循環する。すなわち、外部熱交換器31を通過した媒体は、分岐点P1で分岐し、一方が第1開閉弁34を通過して内部熱交換器32に至る。この内部熱交換器32に至った媒体は、かかる内部熱交換器32を通過し、その後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。分岐点P1で分岐した他方の媒体は、第2開閉弁45及び第1四方弁43を通過して第2水分吸着体41bの媒体通路42bの他端に至り、かかる媒体通路42bを通過する。媒体通路42bを通過した媒体は、第2四方弁44を通過して冷却用熱交換器48に至り、該冷却用熱交換器48を通過した後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。
このように第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を内部熱交換器32及び第2水分吸着体41bの媒体通路42bに送出することができる。これにより、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも低い場合には、内部熱交換器32において媒体と内部空気との熱交換が行われることにより該内部空気を冷却することができる。尚、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも高い場合には、制御手段を通じて第1開閉弁34を閉成させればよい。
一方、第2水分吸着体41bの媒体通路42bに外気の熱を送出することにより第2水分吸着体41bの温度を吸着に適した温度(外気温度に略等しい温度)にすることができる。これにより左室4の空気中の水分は、第2水分吸着体41bに吸着され、これにより左室4の内部及び左室4の下端開口を通じて該左室4に連通する第1熱交換器51の周辺も減圧されることになる。
第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過した媒体は図5に示すように循環する。すなわち、排熱熱交換器46を通過した媒体は、第2四方弁44を通過して第1水分吸着体41aの媒体通路42aの他端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第1四方弁43を通過して排熱熱交換器46に戻る。
このように第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過する媒体は、吸込口1aから吸い込まれて上方ダクト11aを通過した内部空気と熱交換を行って該内部空気の排熱(高熱)を取得し、取得した排熱を第1水分吸着体41aの媒体通路42aに送出することができる。第1水分吸着体41aの媒体通路42aに排熱を送出することにより第1水分吸着体41aを加熱し、これにより該第1水分吸着体41aが吸着した水分を右室3に放出させることができる。つまり第1水分吸着体41aを除湿させることができる。ここで、右室3に放出された水分は水蒸気となって開成する上端開口を通じて右室3から冷却用熱交換器48の近傍に至る。この冷却用熱交換器48の近傍に至った水蒸気は、その表面に水滴として付着し、その後に滴下して樋54に至る。樋54に至った水分は、供給管55を通過して第1熱交換器51の表面に滴下される。
第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51を通過した媒体は図5に示すように循環する。すなわち、第1熱交換器51を通過した媒体は、第2熱交換器52に至る。この第2熱交換器52に至った媒体は、かかる第2熱交換器52を通過して第1熱交換器51に戻る。
第1熱交換器51は、上述したように第2水分吸着体41bの水分を吸着することにより自身の周囲も減圧されており、つまり、第1熱交換器51は、密閉空間2内において第2水分吸着体41bが水分を吸着することにより減圧される減圧雰囲気下に配設されており、しかも表面には、樋54及び供給管55を通じて水分が滴下されている。これにより表面の水分が蒸発することにより、第1熱交換器51を通過する媒体は冷却される。
よって、第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51で冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却することができる。
圧縮機61が駆動することにより、圧縮された冷媒は、放熱器62にて放熱して該放熱器62の周囲を通過する内部空気を加熱する。放熱器62で放熱した冷媒は、膨張機構63に送出され、該膨張機構63で断熱膨張される。膨張機構63で断熱膨張された冷媒は、蒸発器64に送出され、該蒸発器64においてこの蒸発器64の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器64の周囲を通過する内部空気は冷却される。ここで、蒸発器64で蒸発した冷媒は、圧縮機61に吸引されて再び圧縮されて循環する。
このように冷却加熱ユニット60を構成する圧縮機61を駆動させることで、吸込口1aより吸い込まれた内部空気を放熱器62にて十分に加熱することができるとともに、排熱熱交換器46を通過した内部空気を蒸発器64にて冷却することができる。
このような本実施の形態である冷却装置においては、第1水分吸着体41a又は第2水分吸着体41bに外部熱交換器31を通過した媒体を供給する配管等が該水分吸着体41a,41bを水分の吸着に適した温度に調整する温度調整手段を構成している。
このように本実施の形態である冷却装置によれば、第2補助冷却ユニット50は、第1熱交換器51において該第1熱交換器51の表面に供給された水分が蒸発することにより冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却するので、蒸発器21を有する冷却手段の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。
また、本実施の形態である冷却装置によれば、外気温度に略等しい温度の媒体が内部熱交換器32を通過することにより、かかる内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気を冷却することが可能であり、これによっても蒸発器21を有する冷却ユニット20の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。
更に、本実施の形態である冷却装置によれば、対象室1の内部空気と熱交換を行って得られた排熱(高熱)を用いて水分吸着体41a,41bを加熱するので、これによっても循環する内部空気を冷却することができ、これによっても蒸発器21を有する冷却ユニット20の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。しかも、排熱を用いて第1水分吸着体41a又は第2水分吸着体41bを加熱するので、加熱に要する熱源を必要とせず、これによっても消費電力の低減化を図ることができる。
また更に、本実施の形態である冷却装置によれば、冷却加熱ユニット60を構成する放熱器62が循環ユニット10による内部空気の循環過程において排熱熱交換器46の上流側に配設され、自身の周囲を通過する内部空気を加熱することができるので、吸込口1aを通じて吸い込まれた内部空気の温度が低い場合、すなわちサーバ等の電子機器K(発熱体)の排熱温度が低い場合にも排熱熱交換器46で十分な排熱を取得して水分吸着体41a,41bを加熱することができ、第2補助冷却ユニット50による冷却を安定的に継続して行うことができ、結果的に消費電力の低減化を図ることができる。
<実施の形態3>
図6及び図7は、それぞれ本発明の実施の形態3である冷却装置を模式的に示す模式図である。尚、上述した実施の形態1である冷却装置と同一の構成を有するものには同一の符号付して説明する。
ここで例示する冷却装置は、いわゆるデータセンタと称されるサーバのような電子機器Kが配設された対象室1の内部雰囲気を冷却するものであり、循環ユニット(循環手段)100と、冷却ユニット(冷却手段)200と、第1補助冷却ユニット30と、水分吸着ユニット40と、第2補助冷却ユニット(媒体循環手段)50とを備えて構成してある。
循環ユニット100は、空気通路11と、複数の送風ファンF1〜F5とを備えて構成してある。空気通路11は、対象室1を有する建物内部に形成されており、該対象室1の天井に形成された吸込口1aに連通する上方ダクト11a、この上方ダクト11aに連通し、かつ対象室1の側方に形成された側方ダクト11b、並びにこの側方ダクト11bに連通するとともに対象室1の床に形成された吹出口1bに連通する下方ダクト11cとを備えて構成してある。
送風ファンF1〜F5は、複数(図示の例では5つ)設けてあり、それぞれが図示せぬ制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものである。これら送風ファンF1〜F5は、それぞれが空気通路11の所定個所に配設してある。尚、本実施の形態においては、循環ユニット100は複数の送風ファンF1〜F5を構成要素として備えるものと説明したが、本発明においては、循環手段(循環ユニット100)を構成する送風ファンは、複数である必要はなく、単数であってもよい。
このような循環ユニット100においては、各送風ファンF1〜F5が制御手段からの駆動指令が与えられることで駆動することにより、対象室1の内部空気(内部雰囲気)は、吸込口1aから吸い込まれ、空気通路11(上方ダクト11a、側方ダクト11b及び下方ダクト11c)を通過し、吹出口1bから対象室1内部に吹き出されることになる。つまり、循環ユニット100は、対象室1の内部と外部との間で該対象室1の内部空気を循環させるものである。
冷却ユニット200は、蒸発器21と、圧縮機22と、凝縮器23と、膨張機構24とを冷媒配管で順次接続して成り、内部に冷媒が封入された回路である。蒸発器21は、側方ダクト11bにおける下方ダクト11cに最も近接した個所に配設してある。この蒸発器21の近傍には、循環ユニット100を構成する送風ファン(第1送風ファンF1)が配設してある。圧縮機22は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものであり、駆動することにより蒸発器21を通過した冷媒を吸引して圧縮して高温高圧の状態にするものである。凝縮器23は、圧縮機22で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。この凝縮器23は、上方ダクト11aに配設されており、その近傍には循環ユニット100を構成する送風ファン(第5送風ファンF5)が配設してある。膨張機構24は、凝縮器23で凝縮された冷媒を断熱膨張させ、蒸発器21に送出するものである。
このような冷却ユニット200においては、圧縮機22で圧縮された冷媒は、凝縮器23にて凝縮されてから膨張機構24に送出され、該膨張機構24で断熱膨張される。膨張機構24で断熱膨張された冷媒は、蒸発器21に送出され、該蒸発器21においてこの蒸発器21の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器21の周囲を通過する内部空気は、冷却される。蒸発器21で蒸発した冷媒は、圧縮機22に吸引されて再び圧縮されて循環する。つまり、冷却ユニット200は、循環ユニット100により循環させた内部空気を冷却するものである。
第1補助冷却ユニット30は、外部熱交換器31と、内部熱交換器32とを配管で接続して成り、内部に例えば水等の媒体が封入された回路である。より詳細に説明すると次のようになる。外部熱交換器31は、建物の外部に配設してあり、その近傍には外気を導入するための外気導入ファンFOが配設してある。この外気導入ファンFOは、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものである。内部熱交換器32は、側方ダクト11bにおける所定個所に配設してあり、その近傍には循環ユニット100を構成する送風ファン(第2送風ファンF2)が配設してある。そして、外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを配管で接続し、内部熱交換器32の出口と外部熱交換器31の入口とを配管で接続して構成してあり、外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを接続する配管の途中には、第1ポンプ33及び第1開閉弁34が配設してある。第1ポンプ33は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。第1開閉弁34は、開閉可能な弁体であり、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開成して媒体の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して媒体の通過を規制するものである。
水分吸着ユニット40は、複数(図示の例では2つ)の水分吸着体41a,41bから構成してある。これら水分吸着体41a,41bは、例えばシリカゲルやゼオライト等の水分吸着材料から形成された円筒状のものである。これら水分吸着体41a,41bは、空気通路11に隣接する態様で設けられた密閉空間2における区画された右室3及び左室4にそれぞれ配設してある。ここで各室の上部及び下部には開口が形成してあり、これら開口はシャッタ機構5により開閉可能になっている。シャッタ機構5は、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開移動して対応する開口を開成させる一方、閉指令が与えられた場合には閉移動して対応する開口を閉成させるものである。
右室3に配設してある水分吸着体(第1水分吸着体41a)の中空内部には螺旋状に巻回した媒体通路42aが形成してあり、かかる媒体通路42aの一端には、第1四方弁43の第1出入口43cに接続された配管が接続してあり、該媒体通路42aの他端には、第2四方弁44の第1出入口44cに接続された配管が接続してある。これにより、第1水分吸着体41aにおける媒体通路42aの一端の開口は、配管を通じて第1四方弁43の第1出入口43cに連通し、該媒体通路42aの他端の開口は、配管を通じて第2四方弁44の第1出入口44cに連通している。
左室4に配設してある水分吸着体(第2水分吸着体41b)の中空内部には螺旋状に巻回した媒体通路42bが形成してあり、かかる媒体通路42bの一端には、第1四方弁43の第2出入口43dに接続された配管が接続してあり、該媒体通路42bの他端には、第2四方弁44の第2出入口44dに接続された配管が接続してある。これにより、第2水分吸着体41bにおける媒体通路42bの一端の開口は、配管を通じて第1四方弁43の第2出入口43dに連通し、該媒体通路42bの他端の開口は、配管を通じて第2四方弁44の第2出入口44dに連通している。
これら第1四方弁43及び第2四方弁44について説明する。第1四方弁43は、1つの専用入口43a、1つの専用出口43b及び2つの出入口(第1出入口43c及び第2出入口43d)を備えて成る弁体である。
専用入口43aは、第1補助冷却ユニット30を構成する外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを接続する配管の分岐点P1、すなわち第1ポンプ33よりも下流側であって第1開閉弁34よりも上流側となる個所から分岐する配管が接続してある。かかる配管の途中には第2開閉弁45が配設してある。この第2開閉弁45は、開閉可能な弁体であり、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開成して媒体の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して媒体の通過を規制するものである。
専用出口43bは、側方ダクト11bにおける上方ダクト11aに最も近接した位置に配設された排熱熱交換器46、すなわち循環ユニット100による内部空気の循環過程において凝縮器23の下流側となる個所に配設された排熱熱交換器46の入口に接続された配管が接続してある。ここで排熱熱交換器46の近傍には、循環ユニット100を構成する送風ファン(第3送風ファンF3)が配設してある。
2つの出入口のうち一方の第1出入口43cは、上述したように第1水分吸着体41aの媒体通路42aの一端に接続された配管が接続してあり、他方の第2出入口43dは、上述したように第2水分吸着体41bの媒体通路42bの一端に接続された配管が接続してある。
このような第1四方弁43は、通常状態においては、図6に示すように専用入口43aと第1出入口43cとを連通させるとともに、専用出口43bと第2出入口43dとを連通させており、上記制御手段から切替指令が与えられた場合には、切替状態となって専用入口43aと第2出入口43dとを連通させるとともに、専用出口43bと第1出入口43cとを連通させるものである(図7参照)。
第2四方弁44は、1つの専用入口44a、1つの専用出口44b及び2つの出入口(第1出入口44c及び第2出入口44d)を備えて成る弁体である。
専用入口44aは、排熱熱交換器46の出口に接続された配管が接続してある。かかる配管の途中には、第2ポンプ47が配設してある。第2ポンプ47は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して水等の媒体を送出するものである。
専用出口44bは、上記密閉空間2における右室3及び左室4よりも上方側に配設された冷却用熱交換器48の入口に接続された配管が接続してある。この冷却用熱交換器48の出口に接続された配管は、第1補助冷却ユニット30を構成する内部熱交換器32の出口と外部熱交換器31の入口とを接続する配管の途中の合流点P2に合流している。
2つの出入口のうち一方の第1出入口44cは、上述したように第1水分吸着体41aの媒体通路42aの他端に接続された配管が接続してあり、他方の第2出入口44dは、上述したように第2水分吸着体41bの媒体通路42bの他端に接続された配管が接続してある。
このような第2四方弁44は、通常状態においては、図6に示すように専用入口44aと第2出入口44dとを連通させるとともに、専用出口44bと第1出入口44cとを連通させており、上記制御手段から切替指令が与えられた場合には、切替状態となって専用入口44aと第1出入口44cとを連通させるとともに、専用出口44bと第2出入口44dとを連通させるものである(図7参照)。
第2補助冷却ユニット50は、第1熱交換器51と、第2熱交換器52とを配管で接続して成り、内部に例えば水等の媒体が封入された回路である。より詳細に説明すると次のようになる。第1熱交換器51は、上記密閉空間2において右室3及び左室4よりも下方側に配設してある。尚、本実施の形態においては、第1熱交換器51は、右室3及び左室4の下方側に配設しているものとして説明するが、本発明においては、第1熱交換器51は、必ずしも密閉空間2の下方側に配設されていなくてもよいが、冷却用熱交換器48の下方域に配設されていることが好ましい。
第2熱交換器52は、側方ダクト11bにおける所定個所、すなわち循環ユニット100による内部空気の循環過程において蒸発器21よりも上流側であって内部熱交換器32よりも下流側となる個所に配設してあり、その近傍には循環ユニット100を構成する送風ファン(第4送風ファンF4)が配設してある。そして、第1熱交換器51の出口と第2熱交換器52の入口とを配管で接続し、第2熱交換器52の出口と第1熱交換器51の入口とを配管で接続して構成してあり、第1熱交換器51の出口と第2熱交換器52の入口とを接続する配管の途中には、第3ポンプ53が配設してある。第3ポンプ53は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。
また、第1熱交換器51が配設される上記密閉空間2においては、冷却用熱交換器48の下方に樋54が設けてある。この樋54は、冷却用熱交換器48の表面に形成されて滴下する水分を受けるものである。かかる樋54には、自身に滴下した水分を第1熱交換器51の表面に滴下する態様で供給する供給管55が連設してある。このように樋54は、供給管55とともに、第1熱交換器51の表面に水分を供給する水分供給手段を構成している。尚、本実施の形態では、水分供給手段として、第1熱交換器51の表面に水分を滴下する態様で供給するものを例示したが、本発明においては、水分供給手段は、第1熱交換器(51)の表面に水分を供給するものであれば、その供給の形態は特に限定されない。
以上のような構成を有する冷却装置においては、次のようにして対象室1の内部空気を冷却することができる。
まず、制御手段は、各送風ファンF1〜F5、外気導入ファンFO、圧縮機22、各ポンプに駆動指令を与えて駆動させるとともに、第1開閉弁34及び第2開閉弁45に開指令を与えて開成させる。また制御手段は、右室3の上端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の下端開口を開閉するシャッタ機構5に閉指令を与え、右室3の下端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の上端開口を開閉するシャッタ機構5に開指令を与えて、右室3の上端開口及び左室4の下端開口を閉成させ、右室3の下端開口及び左室4の上端開口を開成させる。更に制御手段は、第1四方弁43及び第2四方弁44を通常状態にさせる。
各送風ファンF1〜F5が駆動することにより、対象室1の内部空気は、図6に示すように吸込口1aから吸い込まれ、空気通路11(上方ダクト11a、側方ダクト11b及び下方ダクト11c)を通過し、吹出口1bから対象室1内部に吹き出される。
圧縮機22が駆動することにより、圧縮された冷媒は、凝縮器23にて凝縮されてから膨張機構24に送出され、該膨張機構24で断熱膨張される。膨張機構24で断熱膨張された冷媒は、蒸発器21に送出され、該蒸発器21においてこの蒸発器21の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器21の周囲を通過する内部空気は冷却される。ここで蒸発器21で蒸発した冷媒は、圧縮機22に吸引されて再び圧縮されて循環する。
このように各送風ファンF1〜F5及び圧縮機22を駆動させることで、吹出口1bより吹き出される内部空気は、蒸発器21により十分に冷却されており、これにより対象室1の内部を冷却することができ、サーバ等の電子機器K(発熱体)を冷却することが可能になる。
第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過した媒体は図6に示すように循環する。すなわち、外部熱交換器31を通過した媒体は、分岐点P1で分岐し、一方が第1開閉弁34を通過して内部熱交換器32に至る。この内部熱交換器32に至った媒体は、かかる内部熱交換器32を通過し、その後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。分岐点P1で分岐した他方の媒体は、第2開閉弁45及び第1四方弁43を通過して第1水分吸着体41aの媒体通路42aの一端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第2四方弁44を通過して冷却用熱交換器48に至り、該冷却用熱交換器48を通過した後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。
このように第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を内部熱交換器32及び第1水分吸着体41aの媒体通路42aに送出することができる。これにより、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも低い場合には、内部熱交換器32において媒体と内部空気との熱交換が行われることにより該内部空気を冷却することができる。尚、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも高い場合には、制御手段を通じて第1開閉弁34を閉成させればよい。
一方、第1水分吸着体41aの媒体通路42aに外気の熱を送出することにより第1水分吸着体41aの温度を吸着に適した温度(外気温度に略等しい温度)にすることができる。これにより右室3の空気中の水分は、第1水分吸着体41aに吸着され、これにより右室3の内部及び右室3の下端開口を通じて該右室3に連通する第1熱交換器51の周辺も減圧されることになる。
第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過した媒体は図6に示すように循環する。すなわち、排熱熱交換器46を通過した媒体は、第2四方弁44を通過して第2水分吸着体41bの媒体通路42bの一端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第1四方弁43を通過して排熱熱交換器46に戻る。
このように第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過する媒体は、吸込口1aから吸い込まれて上方ダクト11aを通過した内部空気と熱交換を行って該内部空気の排熱(高熱)を取得し、取得した排熱を第2水分吸着体41bの媒体通路42bに送出することができる。第2水分吸着体41bの媒体通路42bに排熱を送出することにより第2水分吸着体41bを加熱し、これにより該第2水分吸着体41bが吸着した水分を左室4に放出させることができる。つまり第2水分吸着体41bを除湿させることができる。ここで、左室4に放出された水分は水蒸気となって開成する上端開口を通じて左室4から冷却用熱交換器48の近傍に至る。この冷却用熱交換器48の近傍に至った水蒸気は、その表面に水滴として付着し、その後に滴下して樋54に至る。樋54に至った水分は、供給管55を通過して第1熱交換器51の表面に滴下される。
第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51を通過した媒体は図6に示すように循環する。すなわち、第1熱交換器51を通過した媒体は、第2熱交換器52に至る。この第2熱交換器52に至った媒体は、かかる第2熱交換器52を通過して第1熱交換器51に戻る。
第1熱交換器51は、上述したように第1水分吸着体41aの水分を吸着することにより自身の周囲も減圧されており、つまり、第1熱交換器51は、密閉空間2内において第1水分吸着体41aが水分を吸着することにより減圧される減圧雰囲気下に配設されており、しかも表面には、樋54及び供給管55を通じて水分が滴下されている。これにより表面の水分が蒸発することにより、第1熱交換器51を通過する媒体は冷却される。
よって、第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51で冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却することができる。
そして、予め決められた時間が経過した後に、制御手段は、各送風ファンF1〜F5、圧縮機22、各ポンプ33,47,53の駆動を維持したままで、第1水分吸着体41aと第2水分吸着体41bとの吸着と放出との切り替えを行う。すなわち、右室3の上端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の下端開口を開閉するシャッタ機構5に開指令を与え、右室3の下端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の上端開口を開閉するシャッタ機構5に閉指令を与えて、右室3の上端開口及び左室4の下端開口を開成させ、右室3の下端開口及び左室4の上端開口を閉成させる。また制御手段は、第1四方弁43及び第2四方弁44に切替指令を与えて切替状態にさせる。尚、第1開閉弁34及び第2開閉弁45は開成した状態を維持する。
第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過した媒体は図7に示すように循環する。すなわち、外部熱交換器31を通過した媒体は、分岐点P1で分岐し、一方が第1開閉弁34を通過して内部熱交換器32に至る。この内部熱交換器32に至った媒体は、かかる内部熱交換器32を通過し、その後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。分岐点P1で分岐した他方の媒体は、第2開閉弁45及び第1四方弁43を通過して第2水分吸着体41bの媒体通路42bの他端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第2四方弁44を通過して冷却用熱交換器48に至り、該冷却用熱交換器48を通過した後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。
このように第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を内部熱交換器32及び第2水分吸着体41bの媒体通路42bに送出することができる。これにより、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも低い場合には、内部熱交換器32において媒体と内部空気との熱交換が行われることにより該内部空気を冷却することができる。尚、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも高い場合には、制御手段を通じて第1開閉弁34を閉成させればよい。
一方、第2水分吸着体41bの媒体通路42bに外気の熱を送出することにより第2水分吸着体41bの温度を吸着に適した温度(外気温度に略等しい温度)にすることができる。これにより左室4の空気中の水分は、第2水分吸着体41bに吸着され、これにより左室4の内部及び左室4の下端開口を通じて該左室4に連通する第1熱交換器51の周辺も減圧されることになる。
第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過した媒体は図7に示すように循環する。すなわち、排熱熱交換器46を通過した媒体は、第2四方弁44を通過して第1水分吸着体41aの媒体通路42aの他端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第1四方弁43を通過して排熱熱交換器46に戻る。
このように第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過する媒体は、吸込口1aから吸い込まれて上方ダクト11aを通過した内部空気と熱交換を行って該内部空気の排熱(高熱)を取得し、取得した排熱を第1水分吸着体41aの媒体通路42aに送出することができる。第1水分吸着体41aの媒体通路42aに排熱を送出することにより第1水分吸着体41aを加熱し、これにより該第1水分吸着体41aが吸着した水分を右室3に放出させることができる。つまり第1水分吸着体41aを除湿させることができる。ここで、右室3に放出された水分は水蒸気となって開成する上端開口を通じて右室3から冷却用熱交換器48の近傍に至る。この冷却用熱交換器48の近傍に至った水蒸気は、その表面に水滴として付着し、その後に滴下して樋54に至る。樋54に至った水分は、供給管55を通過して第1熱交換器51の表面に滴下される。
第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51を通過した媒体は図7に示すように循環する。すなわち、第1熱交換器51を通過した媒体は、第2熱交換器52に至る。この第2熱交換器52に至った媒体は、かかる第2熱交換器52を通過して第1熱交換器51に戻る。
第1熱交換器51は、上述したように第2水分吸着体41bの水分を吸着することにより自身の周囲も減圧されており、つまり、第1熱交換器51は、密閉空間2内において第2水分吸着体41bが水分を吸着することにより減圧される減圧雰囲気下に配設されており、しかも表面には、樋54及び供給管55を通じて水分が滴下されている。これにより表面の水分が蒸発することにより、第1熱交換器51を通過する媒体は冷却される。
よって、第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51で冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却することができる。
このような本実施の形態である冷却装置においては、第1水分吸着体41a又は第2水分吸着体41bに外部熱交換器31を通過した媒体を供給する配管等が該水分吸着体41a,41bを水分の吸着に適した温度に調整する温度調整手段を構成している。
このように本実施の形態である冷却装置によれば、第2補助冷却ユニット50は、第1熱交換器51において該第1熱交換器51の表面に供給された水分が蒸発することにより冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却するので、蒸発器21を有する冷却手段の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。
また、本実施の形態である冷却装置によれば、外気温度に略等しい温度の媒体が内部熱交換器32を通過することにより、かかる内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気を冷却することが可能であり、これによっても蒸発器21を有する冷却ユニット200の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。
更に、本実施の形態である冷却装置によれば、対象室1の内部空気と熱交換を行って得られた排熱(高熱)を用いて水分吸着体41a,41bを加熱するので、これによっても循環する内部空気を冷却することができ、これによっても蒸発器21を有する冷却ユニット200の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。しかも、排熱を用いて第1水分吸着体41a又は第2水分吸着体41bを加熱するので、加熱に要する熱源を必要とせず、これによっても消費電力の低減化を図ることができる。
また更に、本実施の形態である冷却装置によれば、冷却ユニット200を構成する凝縮器23が上方ダクト11aに配設、すなわち循環ユニット100による内部空気の循環過程において排熱熱交換器46の上流側に配設してあるので、圧縮機22で圧縮させた冷媒で吸込口1aを通じて吸い込まれた内部空気を加熱することができ、有効活用することができる。
<実施の形態4>
図8及び図9は、それぞれ本発明の実施の形態4である冷却装置を模式的に示す模式図である。尚、上述した実施の形態1である冷却装置と同一の構成を有するものには同一の符号付して説明する。
ここで例示する冷却装置は、いわゆるデータセンタと称されるサーバのような電子機器Kが配設された対象室1の内部雰囲気を冷却するものであり、循環ユニット(循環手段)100と、冷却ユニット(冷却手段)201と、第1補助冷却ユニット30と、水分吸着ユニット40と、第2補助冷却ユニット(媒体循環手段)50とを備えて構成してある。
循環ユニット100は、空気通路11と、複数の送風ファンF1〜F5とを備えて構成してある。空気通路11は、対象室1を有する建物内部に形成されており、該対象室1の天井に形成された吸込口1aに連通する上方ダクト11a、この上方ダクト11aに連通し、かつ対象室1の側方に形成された側方ダクト11b、並びにこの側方ダクト11bに連通するとともに対象室1の床に形成された吹出口1bに連通する下方ダクト11cとを備えて構成してある。
送風ファンF1〜F5は、複数(図示の例では5つ)設けてあり、それぞれが図示せぬ制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものである。これら送風ファンF1〜F5は、それぞれが空気通路11の所定個所に配設してある。尚、本実施の形態においては、循環ユニット100は複数の送風ファンF1〜F5を構成要素として備えるものと説明したが、本発明においては、循環手段(循環ユニット100)を構成する送風ファンは、複数である必要はなく、単数であってもよい。
このような循環ユニット100においては、各送風ファンF1〜F5が制御手段からの駆動指令が与えられることで駆動することにより、対象室1の内部空気(内部雰囲気)は、吸込口1aから吸い込まれ、空気通路11(上方ダクト11a、側方ダクト11b及び下方ダクト11c)を通過し、吹出口1bから対象室1内部に吹き出されることになる。つまり、循環ユニット100は、対象室1の内部と外部との間で該対象室1の内部空気を循環させるものである。
冷却ユニット201は、蒸発器21と、圧縮機22と、2つの凝縮器23,25と、膨張機構24とを冷媒配管で順次接続して成り、内部に冷媒が封入された回路である。蒸発器21は、側方ダクト11bにおける下方ダクト11cに最も近接した個所に配設してある。この蒸発器21の近傍には、循環ユニット100を構成する送風ファン(第1送風ファンF1)が配設してある。圧縮機22は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものであり、駆動することにより蒸発器21を通過した冷媒を吸引して圧縮して高温高圧の状態にするものである。
内部凝縮器23は、圧縮機22で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。この内部凝縮器23は、上方ダクト11aに配設されており、その近傍には循環ユニット100を構成する送風ファン(第5送風ファンF5)が配設してある。
外部凝縮器25は、内部凝縮器23で凝縮された冷媒を外気と熱交換して更に凝縮させるものである。この外部凝縮器25は、空気通路11の外部、すなわち建物の外部に配設されておりその近傍には、外気を導入するための外気導入ファンFOが配設してある。この外気導入ファンFOは、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものである。
内部凝縮器23と外部凝縮器25とを接続する冷媒配管の途中には第1流量制御弁26が配設してある。この第1流量制御弁26は、上記制御手段からの指令に応じて流量を可変することができる弁体である。また内部凝縮器23と外部凝縮器25とを接続する冷媒配管の途中であって第1流量制御弁26の配設個所よりも上流側となる個所から分岐して、外部凝縮器25の出口側に接続された冷媒配管に合流するバイパス配管27が設けてある。このバイパス配管27の途中には第2流量制御弁28が配設してある。この第2流量制御弁28は、上記制御手段からの指令に応じて流量を可変することができる弁体である。
膨張機構24は、内部凝縮器23、あるいは内部凝縮器23及び外部凝縮器25で凝縮された冷媒を断熱膨張させ、蒸発器21に送出するものである。
このような冷却ユニット201においては、圧縮機22で圧縮された冷媒は、内部凝縮器23にて凝縮、あるいは内部凝縮器23及び外部凝縮器25で凝縮されてから膨張機構24に送出され、該膨張機構24で断熱膨張される。膨張機構24で断熱膨張された冷媒は、蒸発器21に送出され、該蒸発器21においてこの蒸発器21の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器21の周囲を通過する内部空気は、冷却される。蒸発器21で蒸発した冷媒は、圧縮機22に吸引されて再び圧縮されて循環する。つまり、冷却ユニット201は、循環ユニット100により循環させた内部空気を冷却するものである。
第1補助冷却ユニット30は、外部熱交換器31と、内部熱交換器32とを配管で接続して成り、内部に例えば水等の媒体が封入された回路である。より詳細に説明すると次のようになる。外部熱交換器31は、建物の外部であって、冷却ユニット201を構成する外部凝縮器25の近傍に配設してある。内部熱交換器32は、側方ダクト11bにおける所定個所に配設してあり、その近傍には循環ユニット100を構成する送風ファン(第2送風ファンF2)が配設してある。そして、外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを配管で接続し、内部熱交換器32の出口と外部熱交換器31の入口とを配管で接続して構成してあり、外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを接続する配管の途中には、第1ポンプ33及び第1開閉弁34が配設してある。第1ポンプ33は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。第1開閉弁34は、開閉可能な弁体であり、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開成して媒体の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して媒体の通過を規制するものである。
水分吸着ユニット40は、複数(図示の例では2つ)の水分吸着体41a,41bから構成してある。これら水分吸着体41a,41bは、例えばシリカゲルやゼオライト等の水分吸着材料から形成された円筒状のものである。これら水分吸着体41a,41bは、空気通路11に隣接する態様で設けられた密閉空間2における区画された右室3及び左室4にそれぞれ配設してある。ここで各室の上部及び下部には開口が形成してあり、これら開口はシャッタ機構5により開閉可能になっている。シャッタ機構5は、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開移動して対応する開口を開成させる一方、閉指令が与えられた場合には閉移動して対応する開口を閉成させるものである。
右室3に配設してある水分吸着体(第1水分吸着体41a)の中空内部には螺旋状に巻回した媒体通路42aが形成してあり、かかる媒体通路42aの一端には、第1四方弁43の第1出入口43cに接続された配管が接続してあり、該媒体通路42aの他端には、第2四方弁44の第1出入口44cに接続された配管が接続してある。これにより、第1水分吸着体41aにおける媒体通路42aの一端の開口は、配管を通じて第1四方弁43の第1出入口43cに連通し、該媒体通路42aの他端の開口は、配管を通じて第2四方弁44の第1出入口44cに連通している。
左室4に配設してある水分吸着体(第2水分吸着体41b)の中空内部には螺旋状に巻回した媒体通路42bが形成してあり、かかる媒体通路42bの一端には、第1四方弁43の第2出入口43dに接続された配管が接続してあり、該媒体通路42bの他端には、第2四方弁44の第2出入口44dに接続された配管が接続してある。これにより、第2水分吸着体41bにおける媒体通路42bの一端の開口は、配管を通じて第1四方弁43の第2出入口43dに連通し、該媒体通路42bの他端の開口は、配管を通じて第2四方弁44の第2出入口44dに連通している。
これら第1四方弁43及び第2四方弁44について説明する。第1四方弁43は、1つの専用入口43a、1つの専用出口43b及び2つの出入口(第1出入口43c及び第2出入口43d)を備えて成る弁体である。
専用入口43aは、第1補助冷却ユニット30を構成する外部熱交換器31の出口と内部熱交換器32の入口とを接続する配管の分岐点P1、すなわち第1ポンプ33よりも下流側であって第1開閉弁34よりも上流側となる個所から分岐する配管が接続してある。かかる配管の途中には第2開閉弁45が配設してある。この第2開閉弁45は、開閉可能な弁体であり、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開成して媒体の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して媒体の通過を規制するものである。
専用出口43bは、側方ダクト11bにおける上方ダクト11aに最も近接した位置に配設された排熱熱交換器46、すなわち循環ユニット100による内部空気の循環過程において内部凝縮器23の下流側となる個所に配設された排熱熱交換器46の入口に接続された配管が接続してある。ここで排熱熱交換器46の近傍には、循環ユニット100を構成する送風ファン(第3送風ファンF3)が配設してある。
2つの出入口のうち一方の第1出入口43cは、上述したように第1水分吸着体41aの媒体通路42aの一端に接続された配管が接続してあり、他方の第2出入口43dは、上述したように第2水分吸着体41bの媒体通路42bの一端に接続された配管が接続してある。
このような第1四方弁43は、通常状態においては、図8に示すように専用入口43aと第1出入口43cとを連通させるとともに、専用出口43bと第2出入口43dとを連通させており、上記制御手段から切替指令が与えられた場合には、切替状態となって専用入口43aと第2出入口43dとを連通させるとともに、専用出口43bと第1出入口43cとを連通させるものである(図9参照)。
第2四方弁44は、1つの専用入口44a、1つの専用出口44b及び2つの出入口(第1出入口44c及び第2出入口44d)を備えて成る弁体である。
専用入口44aは、排熱熱交換器46の出口に接続された配管が接続してある。かかる配管の途中には、第2ポンプ47が配設してある。第2ポンプ47は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して水等の媒体を送出するものである。
専用出口44bは、上記密閉空間2における右室3及び左室4よりも上方側に配設された冷却用熱交換器48の入口に接続された配管が接続してある。この冷却用熱交換器48の出口に接続された配管は、第1補助冷却ユニット30を構成する内部熱交換器32の出口と外部熱交換器31の入口とを接続する配管の途中の合流点P2に合流している。
2つの出入口のうち一方の第1出入口44cは、上述したように第1水分吸着体41aの媒体通路42aの他端に接続された配管が接続してあり、他方の第2出入口44dは、上述したように第2水分吸着体41bの媒体通路42bの他端に接続された配管が接続してある。
このような第2四方弁44は、通常状態においては、図8に示すように専用入口44aと第2出入口44dとを連通させるとともに、専用出口44bと第1出入口44cとを連通させており、上記制御手段から切替指令が与えられた場合には、切替状態となって専用入口44aと第1出入口44cとを連通させるとともに、専用出口44bと第2出入口44dとを連通させるものである(図9参照)。
第2補助冷却ユニット50は、第1熱交換器51と、第2熱交換器52とを配管で接続して成り、内部に例えば水等の媒体が封入された回路である。より詳細に説明すると次のようになる。第1熱交換器51は、上記密閉空間2において右室3及び左室4よりも下方側に配設してある。尚、本実施の形態においては、第1熱交換器51は、右室3及び左室4の下方側に配設しているものとして説明するが、本発明においては、第1熱交換器51は、必ずしも密閉空間2の下方側に配設されていなくてもよいが、冷却用熱交換器48の下方域に配設されていることが好ましい。
第2熱交換器52は、側方ダクト11bにおける所定個所、すなわち循環ユニット100による内部空気の循環過程において蒸発器21よりも上流側であって内部熱交換器32よりも下流側となる個所に配設してあり、その近傍には循環ユニット100を構成する送風ファン(第4送風ファンF4)が配設してある。そして、第1熱交換器51の出口と第2熱交換器52の入口とを配管で接続し、第2熱交換器52の出口と第1熱交換器51の入口とを配管で接続して構成してあり、第1熱交換器51の出口と第2熱交換器52の入口とを接続する配管の途中には、第3ポンプ53が配設してある。第3ポンプ53は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。
また、第1熱交換器51が配設される上記密閉空間2においては、冷却用熱交換器48の下方に樋54が設けてある。この樋54は、冷却用熱交換器48の表面に形成されて滴下する水分を受けるものである。かかる樋54には、自身に滴下した水分を第1熱交換器51の表面に滴下する態様で供給する供給管55が連設してある。このように樋54は、供給管55とともに、第1熱交換器51の表面に水分を供給する水分供給手段を構成している。尚、本実施の形態では、水分供給手段として、第1熱交換器51の表面に水分を滴下する態様で供給するものを例示したが、本発明においては、水分供給手段は、第1熱交換器(51)の表面に水分を供給するものであれば、その供給の形態は特に限定されない。
以上のような構成を有する冷却装置においては、次のようにして対象室1の内部空気を冷却することができる。
まず、制御手段は、各送風ファンF1〜F5、外気導入ファンFO、圧縮機22、各ポンプ33,47,53に駆動指令を与えて駆動させるとともに、第1開閉弁34及び第2開閉弁45に開指令を与えて開成させる。また制御手段は、右室3の上端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の下端開口を開閉するシャッタ機構5に閉指令を与え、右室3の下端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の上端開口を開閉するシャッタ機構5に開指令を与えて、右室3の上端開口及び左室4の下端開口を閉成させ、右室3の下端開口及び左室4の上端開口を開成させる。更に制御手段は、第1四方弁43及び第2四方弁44を通常状態にさせる。また更に制御手段は、第1流量制御弁26を所定の流量を維持する開度に調整してある一方、第2流量制御弁28を閉成している。
各送風ファンF1〜F5が駆動することにより、対象室1の内部空気は、図8に示すように吸込口1aから吸い込まれ、空気通路11(上方ダクト11a、側方ダクト11b及び下方ダクト11c)を通過し、吹出口1bから対象室1内部に吹き出される。
圧縮機22が駆動することにより、圧縮された冷媒は、内部凝縮器23にて凝縮されてから外部凝縮器25で凝縮され、その後に膨張機構24に送出され、該膨張機構24で断熱膨張される。膨張機構24で断熱膨張された冷媒は、蒸発器21に送出され、該蒸発器21においてこの蒸発器21の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器21の周囲を通過する内部空気は冷却される。ここで蒸発器21で蒸発した冷媒は、圧縮機22に吸引されて再び圧縮されて循環する。
このように各送風ファンF1〜F5及び圧縮機22を駆動させることで、吹出口1bより吹き出される内部空気は、蒸発器21により十分に冷却されており、これにより対象室1の内部を冷却することができ、サーバ等の電子機器K(発熱体)を冷却することが可能になる。
第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過した媒体は図8に示すように循環する。すなわち、外部熱交換器31を通過した媒体は、分岐点P1で分岐し、一方が第1開閉弁34を通過して内部熱交換器32に至る。この内部熱交換器32に至った媒体は、かかる内部熱交換器32を通過し、その後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。分岐点P1で分岐した他方の媒体は、第2開閉弁45及び第1四方弁43を通過して第1水分吸着体41aの媒体通路42aの一端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第2四方弁44を通過して冷却用熱交換器48に至り、該冷却用熱交換器48を通過した後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。
このように第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を内部熱交換器32及び第1水分吸着体41aの媒体通路42aに送出することができる。これにより、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも低い場合には、内部熱交換器32において媒体と内部空気との熱交換が行われることにより該内部空気を冷却することができる。尚、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも高い場合には、制御手段を通じて第1開閉弁34を閉成させればよい。
一方、第1水分吸着体41aの媒体通路42aに外気の熱を送出することにより第1水分吸着体41aの温度を吸着に適した温度(外気温度に略等しい温度)にすることができる。これにより右室3の空気中の水分は、第1水分吸着体41aに吸着され、これにより右室3の内部及び右室3の下端開口を通じて該右室3に連通する第1熱交換器51の周辺も減圧されることになる。
第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過した媒体は図8に示すように循環する。すなわち、排熱熱交換器46を通過した媒体は、第2四方弁44を通過して第2水分吸着体41bの媒体通路42bの一端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第1四方弁43を通過して排熱熱交換器46に戻る。
このように第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過する媒体は、吸込口1aから吸い込まれて上方ダクト11aを通過した内部空気と熱交換を行って該内部空気の排熱(高熱)を取得し、取得した排熱を第2水分吸着体41bの媒体通路42bに送出することができる。第2水分吸着体41bの媒体通路42bに排熱を送出することにより第2水分吸着体41bを加熱し、これにより該第2水分吸着体41bが吸着した水分を左室4に放出させることができる。つまり第2水分吸着体41bを除湿させることができる。ここで、左室4に放出された水分は水蒸気となって開成する上端開口を通じて左室4から冷却用熱交換器48の近傍に至る。この冷却用熱交換器48の近傍に至った水蒸気は、その表面に水滴として付着し、その後に滴下して樋54に至る。樋54に至った水分は、供給管55を通過して第1熱交換器51の表面に滴下される。
第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51を通過した媒体は図8に示すように循環する。すなわち、第1熱交換器51を通過した媒体は、第2熱交換器52に至る。この第2熱交換器52に至った媒体は、かかる第2熱交換器52を通過して第1熱交換器51に戻る。
第1熱交換器51は、上述したように第1水分吸着体41aの水分を吸着することにより自身の周囲も減圧されており、つまり、第1熱交換器51は、密閉空間2内において第1水分吸着体41aが水分を吸着することにより減圧される減圧雰囲気下に配設されており、しかも表面には、樋54及び供給管55を通じて水分が滴下されている。これにより表面の水分が蒸発することにより、第1熱交換器51を通過する媒体は冷却される。
よって、第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51で冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却することができる。
そして、予め決められた時間が経過した後に、制御手段は、各送風ファンF1〜F5、圧縮機22、各ポンプの駆動を維持したままで、第1水分吸着体41aと第2水分吸着体41bとの吸着と放出との切り替えを行う。すなわち、右室3の上端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の下端開口を開閉するシャッタ機構5に開指令を与え、右室3の下端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の上端開口を開閉するシャッタ機構5に閉指令を与えて、右室3の上端開口及び左室4の下端開口を開成させ、右室3の下端開口及び左室4の上端開口を閉成させる。また制御手段は、第1四方弁43及び第2四方弁44に切替指令を与えて切替状態にさせる。尚、第1開閉弁34及び第2開閉弁45は開成した状態を維持する。
第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過した媒体は図9に示すように循環する。すなわち、外部熱交換器31を通過した媒体は、分岐点P1で分岐し、一方が第1開閉弁34を通過して内部熱交換器32に至る。この内部熱交換器32に至った媒体は、かかる内部熱交換器32を通過し、その後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。分岐点P1で分岐した他方の媒体は、第2開閉弁45及び第1四方弁43を通過して第2水分吸着体41bの媒体通路42bの他端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第2四方弁44を通過して冷却用熱交換器48に至り、該冷却用熱交換器48を通過した後に合流点P2を通過して外部熱交換器31に戻る。
このように第1ポンプ33を駆動させることで、外部熱交換器31を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を内部熱交換器32及び第2水分吸着体41bの媒体通路42bに送出することができる。これにより、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも低い場合には、内部熱交換器32において媒体と内部空気との熱交換が行われることにより該内部空気を冷却することができる。尚、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも高い場合には、制御手段を通じて第1開閉弁34を閉成させればよい。
一方、第2水分吸着体41bの媒体通路42bに外気の熱を送出することにより第2水分吸着体41bの温度を吸着に適した温度(外気温度に略等しい温度)にすることができる。これにより左室4の空気中の水分は、第2水分吸着体41bに吸着され、これにより左室4の内部及び左室4の下端開口を通じて該左室4に連通する第1熱交換器51の周辺も減圧されることになる。
第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過した媒体は図9に示すように循環する。すなわち、排熱熱交換器46を通過した媒体は、第2四方弁44を通過して第1水分吸着体41aの媒体通路42aの他端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第1四方弁43を通過して排熱熱交換器46に戻る。
このように第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過する媒体は、吸込口1aから吸い込まれて上方ダクト11aを通過した内部空気と熱交換を行って該内部空気の排熱(高熱)を取得し、取得した排熱を第1水分吸着体41aの媒体通路42aに送出することができる。第1水分吸着体41aの媒体通路42aに排熱を送出することにより第1水分吸着体41aを加熱し、これにより該第1水分吸着体41aが吸着した水分を右室3に放出させることができる。つまり第1水分吸着体41aを除湿させることができる。ここで、右室3に放出された水分は水蒸気となって開成する上端開口を通じて右室3から冷却用熱交換器48の近傍に至る。この冷却用熱交換器48の近傍に至った水蒸気は、その表面に水滴として付着し、その後に滴下して樋54に至る。樋54に至った水分は、供給管55を通過して第1熱交換器51の表面に滴下される。
第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51を通過した媒体は図9に示すように循環する。すなわち、第1熱交換器51を通過した媒体は、第2熱交換器52に至る。この第2熱交換器52に至った媒体は、かかる第2熱交換器52を通過して第1熱交換器51に戻る。
第1熱交換器51は、上述したように第2水分吸着体41bの水分を吸着することにより自身の周囲も減圧されており、つまり、第1熱交換器51は、密閉空間2内において第2水分吸着体41bが水分を吸着することにより減圧される減圧雰囲気下に配設されており、しかも表面には、樋54及び供給管55を通じて水分が滴下されている。これにより表面の水分が蒸発することにより、第1熱交換器51を通過する媒体は冷却される。
よって、第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51で冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却することができる。
このような本実施の形態である冷却装置においては、第1水分吸着体41a又は第2水分吸着体41bに外部熱交換器31を通過した媒体を供給する配管等が該水分吸着体41a,41bを水分の吸着に適した温度に調整する温度調整手段を構成している。
このように本実施の形態である冷却装置によれば、第2補助冷却ユニット50は、第1熱交換器51において該第1熱交換器51の表面に供給された水分が蒸発することにより冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却するので、蒸発器21を有する冷却手段の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。
また、本実施の形態である冷却装置によれば、外気温度に略等しい温度の媒体が内部熱交換器32を通過することにより、かかる内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気を冷却することが可能であり、これによっても蒸発器21を有する冷却ユニット201の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。
更に、本実施の形態である冷却装置によれば、対象室1の内部空気と熱交換を行って得られた排熱(高熱)を用いて水分吸着体41a,41bを加熱するので、これによっても循環する内部空気を冷却することができ、これによっても蒸発器21を有する冷却ユニット201の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。しかも、排熱を用いて第1水分吸着体41a又は第2水分吸着体41bを加熱するので、加熱に要する熱源を必要とせず、これによっても消費電力の低減化を図ることができる。
また更に、本実施の形態である冷却装置によれば、冷却ユニット201を構成する内部凝縮器23が上方ダクト11aに配設、すなわち循環ユニット100による内部空気の循環過程において排熱熱交換器46の上流側に配設してあるので、圧縮機22で圧縮させた冷媒で吸込口1aを通じて吸い込まれた内部空気を加熱することができ、有効活用することができる。しかも、内部凝縮器23の下流側に外部凝縮器25を備えているので、必要に応じて第1流量制御弁26の開度を調整することで内部凝縮器23を通過した冷媒を外部凝縮器25に送出することができ、高圧異常が生ずることを防止することができる。
<実施の形態5>
図10及び図11は、それぞれ本発明の実施の形態5である冷却装置を模式的に示す模式図である。尚、上述した実施の形態1である冷却装置と同一の構成を有するものには同一の符号付して説明する。
ここで例示する冷却装置は、いわゆるデータセンタと称されるサーバのような電子機器Kが配設された対象室1の内部雰囲気を冷却するものであり、循環ユニット(循環手段)10と、冷却ユニット(冷却手段)20と、第1補助冷却ユニット300と、水分吸着ユニット40と、第2補助冷却ユニット(媒体循環手段)50とを備えて構成してある。
循環ユニット10は、空気通路11と、複数の送風ファンF1〜F4とを備えて構成してある。空気通路11は、対象室1を有する建物内部に形成されており、該対象室1の天井に形成された吸込口1aに連通する上方ダクト11a、この上方ダクト11aに連通し、かつ対象室1の側方に形成された側方ダクト11b、並びにこの側方ダクト11bに連通するとともに対象室1の床に形成された吹出口1bに連通する下方ダクト11cとを備えて構成してある。
送風ファンF1〜F4は、複数(図示の例では4つ)設けてあり、それぞれが図示せぬ制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものである。これら送風ファンF1〜F4は、それぞれが空気通路11の所定個所に配設してある。尚、本実施の形態においては、循環ユニット10は複数の送風ファンF1〜F4を構成要素として備えるものと説明したが、本発明においては、循環手段(循環ユニット10)を構成する送風ファンは、複数である必要はなく、単数であってもよい。
このような循環ユニット10においては、各送風ファンF1〜F4が制御手段からの駆動指令が与えられることで駆動することにより、対象室1の内部空気(内部雰囲気)は、吸込口1aから吸い込まれ、空気通路11(上方ダクト11a、側方ダクト11b及び下方ダクト11c)を通過し、吹出口1bから対象室1の内部に吹き出されることになる。つまり、循環ユニット10は、対象室1の内部と外部との間で該対象室1の内部空気を循環させるものである。
冷却ユニット20は、蒸発器21と、圧縮機22と、凝縮器23と、膨張機構24とを冷媒配管で順次接続して成り、内部に冷媒が封入された回路である。蒸発器21は、側方ダクト11bにおける下方ダクト11cに最も近接した個所に配設してある。この蒸発器21の近傍には、循環ユニット10を構成する送風ファン(第1送風ファンF1)が配設してある。圧縮機22は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものであり、駆動することにより蒸発器21を通過した冷媒を吸引して圧縮して高温高圧の状態にするものである。凝縮器23は、圧縮機22で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。この凝縮器23は、圧縮機22とともに空気通路11の外部、すなわち建物の外部に配設されておりその近傍には、外気を導入するための外気導入ファンFOが配設してある。この外気導入ファンFOは、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動するものである。膨張機構24は、凝縮器23で凝縮された冷媒を断熱膨張させ、蒸発器21に送出するものである。
このような冷却ユニット20においては、圧縮機22で圧縮された冷媒は、凝縮器23にて凝縮されてから膨張機構24に送出され、該膨張機構24で断熱膨張される。膨張機構24で断熱膨張された冷媒は、蒸発器21に送出され、該蒸発器21においてこの蒸発器21の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器21の周囲を通過する内部空気は、冷却される。蒸発器21で蒸発した冷媒は、圧縮機22に吸引されて再び圧縮されて循環する。つまり、冷却ユニット20は、循環ユニット10により循環させた内部空気を冷却するものである。
第1補助冷却ユニット300は、第1外部熱交換器310と、内部熱交換器32とを配管で接続して成り、内部に例えば水等の媒体が封入された回路である。より詳細に説明すると次のようになる。第1外部熱交換器310は、冷却ユニット20を構成する凝縮器23の近傍に配設してある。内部熱交換器32は、側方ダクト11bにおける所定個所に配設してあり、その近傍には循環ユニット10を構成する送風ファン(第2送風ファンF2)が配設してある。そして、第1外部熱交換器310の出口と内部熱交換器32の入口とを配管で接続し、内部熱交換器32の出口と第1外部熱交換器310の入口とを配管で接続して構成してあり、第1外部熱交換器310の出口と内部熱交換器32の入口とを接続する配管の途中には、第1ポンプ33が配設してある。第1ポンプ33は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。
水分吸着ユニット40は、複数(図示の例では2つ)の水分吸着体41a,41bから構成してある。これら水分吸着体41a,41bは、例えばシリカゲルやゼオライト等の水分吸着材料から形成された円筒状のものである。これら水分吸着体41a,41bは、空気通路11に隣接する態様で設けられた密閉空間2における区画された右室3及び左室4にそれぞれ配設してある。ここで各室の上部及び下部には開口が形成してあり、これら開口はシャッタ機構5により開閉可能になっている。シャッタ機構5は、上記制御手段から開指令が与えられた場合には開移動して対応する開口を開成させる一方、閉指令が与えられた場合には閉移動して対応する開口を閉成させるものである。
右室3に配設してある水分吸着体(第1水分吸着体41a)の中空内部には螺旋状に巻回した媒体通路42aが形成してあり、かかる媒体通路42aの一端には、第1四方弁43の第1出入口43cに接続された配管が接続してあり、該媒体通路42aの他端には、第2四方弁44の第1出入口44cに接続された配管が接続してある。これにより、第1水分吸着体41aにおける媒体通路42aの一端の開口は、配管を通じて第1四方弁43の第1出入口43cに連通し、該媒体通路42aの他端の開口は、配管を通じて第2四方弁44の第1出入口44cに連通している。
左室4に配設してある水分吸着体(第2水分吸着体41b)の中空内部には螺旋状に巻回した媒体通路42bが形成してあり、かかる媒体通路42bの一端には、第1四方弁43の第2出入口43dに接続された配管が接続してあり、該媒体通路42bの他端には、第2四方弁44の第2出入口44dに接続された配管が接続してある。これにより、第2水分吸着体41bにおける媒体通路42bの一端の開口は、配管を通じて第1四方弁43の第2出入口43dに連通し、該媒体通路42bの他端の開口は、配管を通じて第2四方弁44の第2出入口44dに連通している。
これら第1四方弁43及び第2四方弁44について説明する。第1四方弁43は、1つの専用入口43a、1つの専用出口43b及び2つの出入口(第1出入口43c及び第2出入口43d)を備えて成る弁体である。
専用入口43aは、第1補助冷却ユニット300を構成する第1外部熱交換器310の近傍に配設された第2外部熱交換器491の出口に接続された配管が接続してある。かかる配管の途中には第4ポンプ492が配設してある。第4ポンプ492は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。
専用出口43bは、側方ダクト11bにおける上方ダクト11aに最も近接した位置に配設された排熱熱交換器46の入口に接続された配管が接続してある。ここで排熱熱交換器46の近傍には、循環ユニット10を構成する送風ファン(第3送風ファンF3)が配設してある。
2つの出入口のうち一方の第1出入口43cは、上述したように第1水分吸着体41aの媒体通路42aの一端に接続された配管が接続してあり、他方の第2出入口43dは、上述したように第2水分吸着体41bの媒体通路42bの一端に接続された配管が接続してある。
このような第1四方弁43は、通常状態においては、図10に示すように専用入口43aと第1出入口43cとを連通させるとともに、専用出口43bと第2出入口43dとを連通させており、上記制御手段から切替指令が与えられた場合には、切替状態となって専用入口43aと第2出入口43dとを連通させるとともに、専用出口43bと第1出入口43cとを連通させるものである(図11参照)。
第2四方弁44は、1つの専用入口44a、1つの専用出口44b及び2つの出入口(第1出入口44c及び第2出入口44d)を備えて成る弁体である。
専用入口44aは、排熱熱交換器46の出口に接続された配管が接続してある。かかる配管の途中には、第2ポンプ47が配設してある。第2ポンプ47は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して水等の媒体を送出するものである。
専用出口44bは、上記密閉空間2における右室3及び左室4よりも上方側に配設された冷却用熱交換器48の入口に接続された配管が接続してある。この冷却用熱交換器48の出口には、第2外部熱交換器491の入口に接続された配管が接続してある。
2つの出入口のうち一方の第1出入口44cは、上述したように第1水分吸着体41aの媒体通路42aの他端に接続された配管が接続してあり、他方の第2出入口44dは、上述したように第2水分吸着体41bの媒体通路42bの他端に接続された配管が接続してある。
このような第2四方弁44は、通常状態においては、図10に示すように専用入口44aと第2出入口44dとを連通させるとともに、専用出口44bと第1出入口44cとを連通させており、上記制御手段から切替指令が与えられた場合には、切替状態となって専用入口44aと第1出入口44cとを連通させるとともに、専用出口44bと第2出入口44dとを連通させるものである(図11参照)。
第2補助冷却ユニット50は、第1熱交換器51と、第2熱交換器52とを配管で接続して成り、内部に例えば水等の媒体が封入された回路である。より詳細に説明すると次のようになる。第1熱交換器51は、上記密閉空間2において右室3及び左室4よりも下方側に配設してある。尚、本実施の形態においては、第1熱交換器51は、右室3及び左室4の下方側に配設しているものとして説明するが、本発明においては、第1熱交換器51は、必ずしも密閉空間2の下方側に配設されていなくてもよいが、冷却用熱交換器48の下方域に配設されていることが好ましい。
第2熱交換器52は、側方ダクト11bにおける所定個所、すなわち循環ユニット10による内部空気の循環過程において蒸発器21よりも上流側であって内部熱交換器32よりも下流側となる個所に配設してあり、その近傍には循環ユニット10を構成する送風ファン(第4送風ファンF4)が配設してある。そして、第1熱交換器51の出口と第2熱交換器52の入口とを配管で接続し、第2熱交換器52の出口と第1熱交換器51の入口とを配管で接続して構成してあり、第1熱交換器51の出口と第2熱交換器52の入口とを接続する配管の途中には、第3ポンプ53が配設してある。第3ポンプ53は、上記制御手段から駆動指令が与えられることにより駆動して媒体を送出するものである。
また、第1熱交換器51が配設される上記密閉空間2においては、冷却用熱交換器48の下方に樋54が設けてある。この樋54は、冷却用熱交換器48の表面に形成されて滴下する水分を受けるものである。かかる樋54には、自身に滴下した水分を第1熱交換器51の表面に滴下する態様で供給する供給管55が連設してある。このように樋54は、供給管55とともに、第1熱交換器51の表面に水分を供給する水分供給手段を構成している。尚、本実施の形態では、水分供給手段として、第1熱交換器51の表面に水分を滴下する態様で供給するものを例示したが、本発明においては、水分供給手段は、第1熱交換器(51)の表面に水分を供給するものであれば、その供給の形態は特に限定されない。
このような本実施の形態である冷却装置は、上述した実施の形態1である冷却装置に対して外部熱交換器が2つに分割されており、それぞれが媒体を循環させる回路を構成している点で相違するものである。
以上のような構成を有する冷却装置においては、次のようにして対象室1の内部空気を冷却することができる。
まず、制御手段は、各送風ファンF1〜F4、外気導入ファンFO、圧縮機22、各ポンプ33,47,492,53に駆動指令を与えて駆動させる。また制御手段は、右室3の上端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の下端開口を開閉するシャッタ機構5に閉指令を与え、右室3の下端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の上端開口を開閉するシャッタ機構5に開指令を与えて、右室3の上端開口及び左室4の下端開口を閉成させ、右室3の下端開口及び左室4の上端開口を開成させる。更に制御手段は、第1四方弁43及び第2四方弁44を通常状態にさせる。
各送風ファンF1〜F4が駆動することにより、対象室1の内部空気は、図10に示すように吸込口1aから吸い込まれ、空気通路11(上方ダクト11a、側方ダクト11b及び下方ダクト11c)を通過し、吹出口1bから対象室1内部に吹き出される。
圧縮機22が駆動することにより、圧縮された冷媒は、凝縮器23にて凝縮されてから膨張機構24に送出され、該膨張機構24で断熱膨張される。膨張機構24で断熱膨張された冷媒は、蒸発器21に送出され、該蒸発器21においてこの蒸発器21の周囲を通過する内部空気と熱交換して蒸発する。これにより該蒸発器21の周囲を通過する内部空気は冷却される。ここで蒸発器21で蒸発した冷媒は、圧縮機22に吸引されて再び圧縮されて循環する。
このように各送風ファンF1〜F4及び圧縮機22を駆動させることで、吹出口1bより吹き出される内部空気は、蒸発器21により十分に冷却されており、これにより対象室1の内部を冷却することができ、サーバ等の電子機器K(発熱体)を冷却することが可能になる。
第1ポンプ33を駆動させることで、第1外部熱交換器310を通過した媒体は図10に示すように循環する。すなわち、第1外部熱交換器310を通過した媒体は、内部熱交換器32に至る。この内部熱交換器32に至った媒体は、かかる内部熱交換器32を通過し、その後に第1外部熱交換器310に戻る。
このように第1ポンプ33を駆動させることで、第1外部熱交換器310を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を内部熱交換器32に送出することができる。これにより、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも低い場合には、内部熱交換器32において媒体と内部空気との熱交換が行われることにより該内部空気を冷却することができる。尚、外気温度が内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気の温度よりも高い場合には、第1ポンプ33を駆動停止にさせればよい。
第4ポンプ492を駆動させることで、第2外部熱交換器491を通過した媒体は図10に示すように循環する。すなわち、第2外部熱交換器491を通過した媒体は、第1四方弁43を通過して第1水分吸着体41aの媒体通路42aの一端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第2四方弁44を通過して冷却用熱交換器48に至り、該冷却用熱交換器48を通過した後に第2外部熱交換器491に戻る。
このように第4ポンプ492を駆動させることで、第2外部熱交換器491を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を第1水分吸着体41aの媒体通路42aに送出することができる。第1水分吸着体41aの媒体通路42aに外気の熱を送出することにより第1水分吸着体41aの温度を吸着に適した温度(外気温度に略等しい温度)にすることができる。これにより右室3の空気中の水分は、第1水分吸着体41aに吸着され、これにより右室3の内部及び右室3の下端開口を通じて該右室3に連通する第1熱交換器51の周辺も減圧されることになる。
第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過した媒体は図10に示すように循環する。すなわち、排熱熱交換器46を通過した媒体は、第2四方弁44を通過して第2水分吸着体41bの媒体通路42bの一端に至り、かかる媒体通路42bを通過する。媒体通路42bを通過した媒体は、第1四方弁43を通過して排熱熱交換器46に戻る。
このように第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過する媒体は、吸込口1aから吸い込まれて上方ダクト11aを通過した内部空気と熱交換を行って該内部空気の排熱(高熱)を取得し、取得した排熱を第2水分吸着体41bの媒体通路42bに送出することができる。第2水分吸着体41bの媒体通路42bに排熱を送出することにより第2水分吸着体41bを加熱し、これにより該第2水分吸着体41bが吸着した水分を左室4に放出させることができる。つまり第2水分吸着体41bを除湿させることができる。ここで、左室4に放出された水分は水蒸気となって開成する上端開口を通じて左室4から冷却用熱交換器48の近傍に至る。この冷却用熱交換器48の近傍に至った水蒸気は、その表面に水滴として付着し、その後に滴下して樋54に至る。樋54に至った水分は、供給管55を通過して第1熱交換器51の表面に滴下される。
第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51を通過した媒体は図10に示すように循環する。すなわち、第1熱交換器51を通過した媒体は、第2熱交換器52に至る。この第2熱交換器52に至った媒体は、かかる第2熱交換器52を通過して第1熱交換器51に戻る。
第1熱交換器51は、上述したように第1水分吸着体41aの水分を吸着することにより自身の周囲も減圧されており、つまり、第1熱交換器51は、密閉空間2内において第1水分吸着体41aが水分を吸着することにより減圧される減圧雰囲気下に配設されており、しかも表面には、樋54及び供給管55を通じて水分が滴下されている。これにより表面の水分が蒸発することにより、第1熱交換器51を通過する媒体は冷却される。
よって、第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51で冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却することができる。
そして、予め決められた時間が経過した後に、制御手段は、各送風ファンF1〜F4、圧縮機22、各ポンプ33,47,492,53の駆動を維持したままで、第1水分吸着体41aと第2水分吸着体41bとの吸着と放出との切り替えを行う。すなわち、右室3の上端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の下端開口を開閉するシャッタ機構5に開指令を与え、右室3の下端開口を開閉するシャッタ機構5及び左室4の上端開口を開閉するシャッタ機構5に閉指令を与えて、右室3の上端開口及び左室4の下端開口を開成させ、右室3の下端開口及び左室4の上端開口を閉成させる。また制御手段は、第1四方弁43及び第2四方弁44に切替指令を与えて切替状態にさせる。尚、以下において、冷却ユニット20及び第1補助冷却ユニット300における冷媒(媒体)の循環は同じであるからその説明を割愛する。
第4ポンプ492を駆動させることで、第2外部熱交換器491を通過した媒体は図11に示すように循環する。すなわち、第2外部熱交換器491を通過した媒体は、第1四方弁43を通過して第2水分吸着体41bの媒体通路42bの他端に至り、かかる媒体通路42bを通過する。媒体通路42bを通過した媒体は、第2四方弁44を通過して冷却用熱交換器48に至り、該冷却用熱交換器48を通過した後に第2外部熱交換器491に戻る。
このように第4ポンプ492を駆動させることで、第2外部熱交換器491を通過する媒体は、外気と熱交換を行って外気の熱を取得し、取得した熱を第2水分吸着体41bの媒体通路42bに送出することができる。第2水分吸着体41bの媒体通路42bに外気の熱を送出することにより第2水分吸着体41bの温度を吸着に適した温度(外気温度に略等しい温度)にすることができる。これにより左室4の空気中の水分は、第2水分吸着体41bに吸着され、これにより左室4の内部及び左室4の下端開口を通じて該左室4に連通する第1熱交換器51の周辺も減圧されることになる。
第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過した媒体は図11に示すように循環する。すなわち、排熱熱交換器46を通過した媒体は、第2四方弁44を通過して第1水分吸着体41aの媒体通路42aの他端に至り、かかる媒体通路42aを通過する。媒体通路42aを通過した媒体は、第1四方弁43を通過して排熱熱交換器46に戻る。
このように第2ポンプ47を駆動させることで、排熱熱交換器46を通過する媒体は、吸込口1aから吸い込まれて上方ダクト11aを通過した内部空気と熱交換を行って該内部空気の排熱(高熱)を取得し、取得した排熱を第1水分吸着体41aの媒体通路42aに送出することができる。第1水分吸着体41aの媒体通路42aに排熱を送出することにより第1水分吸着体41aを加熱し、これにより該第1水分吸着体41aが吸着した水分を右室3に放出させることができる。つまり第1水分吸着体41aを除湿させることができる。ここで、右室3に放出された水分は水蒸気となって開成する上端開口を通じて右室3から冷却用熱交換器48の近傍に至る。この冷却用熱交換器48の近傍に至った水蒸気は、その表面に水滴として付着し、その後に滴下して樋54に至る。樋54に至った水分は、供給管55を通過して第1熱交換器51の表面に滴下される。
第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51を通過した媒体は図11に示すように循環する。すなわち、第1熱交換器51を通過した媒体は、第2熱交換器52に至る。この第2熱交換器52に至った媒体は、かかる第2熱交換器52を通過して第1熱交換器51に戻る。
第1熱交換器51は、上述したように第2水分吸着体41bの水分を吸着することにより自身の周囲も減圧されており、つまり、第1熱交換器51は、密閉空間2内において第2水分吸着体41bが水分を吸着することにより減圧される減圧雰囲気下に配設されており、しかも表面には、樋54及び供給管55を通じて水分が滴下されている。これにより表面の水分が蒸発することにより、第1熱交換器51を通過する媒体は冷却される。
よって、第3ポンプ53を駆動させることで、第1熱交換器51で冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却することができる。
このような本実施の形態である冷却装置においては、第1水分吸着体41a又は第2水分吸着体41bに第2外部熱交換器491を通過した媒体を供給する配管等が該水分吸着体41a,41bを水分の吸着に適した温度に調整する温度調整手段を構成している。
このように本実施の形態である冷却装置によれば、第2補助冷却ユニット50は、第1熱交換器51において該第1熱交換器51の表面に供給された水分が蒸発することにより冷却された媒体を第2熱交換器52に送出し、該第2熱交換器52において周囲を通過する内部空気と媒体とが熱交換することで該内部空気を冷却するので、蒸発器21を有する冷却手段の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。
また、本実施の形態である冷却装置によれば、外気温度に略等しい温度の媒体が内部熱交換器32を通過することにより、かかる内部熱交換器32の周囲を通過する内部空気を冷却することが可能であり、これによっても蒸発器21を有する冷却ユニット20の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。
更に、本実施の形態である冷却装置によれば、対象室1の内部空気と熱交換を行って得られた排熱(高熱)を用いて水分吸着体41a,41bを加熱するので、これによっても循環する内部空気を冷却することができ、これによっても蒸発器21を有する冷却ユニット20の冷却負荷を低減させることができ、これにより消費電力の低減化を図ることができる。しかも、排熱を用いて第1水分吸着体41a又は第2水分吸着体41bを加熱するので、加熱に要する熱源を必要とせず、これによっても消費電力の低減化を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。すなわち、上述した実施の形態では、2つの室にそれぞれ水分吸着体41a,41bを配設して四方弁43,44を切り換えることにより、一方の水分吸着体41a(41b)で水分を吸着させ、他方の水分吸着体41b(41a)で水分を放出させていたが、本発明においては、水分吸着体は必ずしも複数必要なく、単数であってもよい。
また、上述した実施の形態4では、流量制御弁26,28を用いていたが、本発明においては三方弁等を用いてもよい。
また、上述した実施の形態1,2,4,5においては、凝縮器23(実施の形態4では外部凝縮器25)と、外部熱交換器31(実施の形態5では第1外部熱交換器310)とを互いに近接する態様で配設し、その近傍に外気導入ファンFOを配設して外気導入の共通化を図っていたが、本発明においては、各熱交換器(凝縮器、外部凝縮器、外部熱交換器等)の個別に外気導入ファンを配設して駆動制御するようにしても構わない。