JP2010164007A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両制御システム1は、アルコール含有率推定手段と、空燃比変更手段と、回転数変動検出手段と、アルコール含有率算出手段と、空燃比修正手段とによって、燃料中のアルコール含有率の推定値に基づき内燃機関の空燃比をストイキ、リッチ、リーンに制御したときの回転数の変動から、燃料中のアルコール含有率を検出し、検出したアルコール含有率に基づき空燃比を目標値へと修正する制御を実行することで、アルコールセンサがない場合や故障した場合で、A/Fセンサによる空燃比のF/B制御が実行できない運転領域でも、算出したアルコール含有率に基づき空燃比を目標値へと修正することができる。
【選択図】 図6
Description
燃焼時の酸素に対する量論係数の違いから、アルコール燃料はガソリン燃料に比べて同一の吸入空気量に対してより多くの燃料を必要とする。そのため、ガソリンとアルコールとを混合した燃料は、燃料中のアルコール含有率によって理論空燃比が異なる。よって、FFVの内燃機関は、燃料中のアルコール含有率をより精度よく認識し、認識したアルコール含有率に基づいて最適な空燃比となるように燃料噴射量を制御する必要がある。
しかしながら、FFVの内燃機関において、認識したアルコール含有率の精度が低いと、オーバーリーンやオーバーリッチな空燃比制御が実行される。この場合、浄化触媒の急速暖機制御によって点火時期を大幅に遅角させると、内燃機関の回転数が大きく変動して浄化触媒の急速暖機制御が停止したり、内燃機関が失火したりする、といった問題がある。
また、圧縮行程の所定のクランク角位相における筒内圧力センサの信号から燃料中のアルコール含有率を算出し、算出したアルコール含有率に基づき燃料噴射量および点火時期を制御する技術が特許文献2に開示されている。
また、特許文献2の技術では、筒内圧センサに異常や故障が発生した場合に、燃料中のアルコール含有率を精度よく認識することができない、といった問題点がある。
なお、クランク角センサ31は、本発明の回転数変動検出手段に相当する。
スロットルバルブ24は、ステップモータを用いたスロットルバイワイヤ方式を適用することが好ましいが、例えばステップモータの代わりにワイヤなどを介してアクセルペダル(図示しない)と連動し、スロットルバルブ24の開度が変更されるような機械式スロットル機構を適用することもできる。
なお、インジェクタ25は、本発明の空燃比変更手段に相当する。
合流排気通路17には排気温センサ36、A/Fセンサ37、O2センサ38が設けられており、燃焼室11aから排出される排気ガスの温度、空燃比を検出し、その結果をエンジンECU10へと送信する。また、浄化触媒28には触媒温度センサ40が設けられており、浄化触媒28の温度を検出し、その結果をエンジンECU10へと送信する。エンジンECU10は、触媒温度センサ40からの信号を受信することにより、浄化触媒28の温度を認識し、浄化触媒28が活性温度域にあるか否かを判断する。
また、エンジンECU10は、A/Fセンサ37およびO2センサ38の検出結果に基づいて燃焼室11aの燃焼情報を取得し、最適な燃焼状態となるように気筒内への燃料噴射量を調整するフィードバック(以下、F/Bと略記する)制御を実行する。この制御を実行することにより、エタノールとガソリンとを任意の割合で混合した燃料を使用する場合でも、エンジン100の運転に適した空燃比となるよう燃料噴射量を補正することができる。
この場合、エンジンECU10は、点火時期の遅角量と燃料中のアルコール含有率との関係に対応したマップを予めROMに記録しておくことで、燃料中のアルコール含有率に基づいてより適した点火時期の遅角量を決定することができる。これにより、過剰な点火時期の遅角によって内燃機関の回転数が大きく変動して浄化触媒の急速暖機制御が停止したり、内燃機関が失火したりすることを抑制することができる。
この場合、図示しない燃料タンク内にアルコールセンサを設け、センサの検出値に基づいて燃料中のアルコール含有率を推定してもよい。また、その他の推定手段を適用することで、燃料中のアルコール含有率を推定してもよい。
アルコール含有率の推定値が実アルコール含有率に近似する場合、ストイキ、リーン、リッチで運転したときに検出される回転数変動は、ストイキ<リッチ≦リーンとなる(図3参照)。この場合、エンジンECU10は、アルコール含有率の推定値より設定した空燃比がほぼ目標空燃比となっていることを認識することができる。
アルコール含有率の推定値が実アルコール含有率よりも小さい場合、ストイキ、リーン、リッチで運転したときに検出される回転数変動は、リッチ<ストイキ<リーンとなる(図4参照)。この場合、エンジンECU10は、アルコール含有率の推定値より設定した空燃比がリーン側にずれていることを認識することができる。
アルコール含有率の推定値が実アルコール含有率よりも大きい場合、ストイキ、リーン、リッチで運転したときに検出される回転数変動は、リーン<ストイキ<リッチとなる(図5参照)。この場合、エンジンECU10は、アルコール含有率の推定値より設定した空燃比がリッチ側にずれていることを認識することができる。
そして、エンジンECU10は、アルコール含有率の推定値より設定した空燃比がリーンまたはリッチ側にずれている場合、既知のΔ回転数変動/Δλの傾きと、ストイキ、リーン、リッチ運転時の燃料噴射量の差分から燃料中のアルコール含有率を算出する。
しかしながら、FFVの内燃機関の場合、認識したアルコール含有率の精度が低いと、オーバーリーンやオーバーリッチな空燃比制御が実行されてしまう。また、アルコール含有率によって燃料の蒸発特性が変化するために燃焼挙動が変化する。そのため、浄化触媒の急速暖機制御によって点火時期を大幅に遅角させると、内燃機関の回転数が大きく変動して浄化触媒の急速暖機制御が停止したり、内燃機関が失火したりする場合がある。
また、アルコールセンサによらずに燃料中のアルコール含有率を精度よく算出することができることから、アルコールセンサがない場合や故障した場合で、A/Fセンサによる空燃比のF/B制御が実行できない運転領域でも、算出したアルコール含有率に基づき空燃比を目標値へと修正することができる。
なお、エンジンECU10は、本発明のアルコール含有率推定手段、空燃比変更手段、アルコール含有率算出手段、空燃比修正手段に相当する。
10 エンジンECU(アルコール含有率推定手段,空燃比変更手段,アルコール含有率算出手段,空燃比修正手段)
11 ピストン
12 クランクシャフト
13 吸気ポート
14 吸気通路
15 排気ポート
16 排気通路
17 合流排気通路
18 吸気弁
19 排気弁
20 吸気カムシャフト
21 排気カムシャフト
22 電動VVT機構
23 油圧VVT機構
24 スロットルバルブ
25 インジェクタ(空燃比変更手段)
26 点火プラグ
27 イグナイタ
28 浄化触媒
31 クランク角センサ(回転数変動検出手段)
32 吸気カム角センサ
33 排気カム角センサ
34 エアフロメータ
35 スロットルポジションセンサ
36 排気温センサ
37 A/Fセンサ
38 O2センサ
39 水温センサ
40 触媒温度センサ
100 エンジン
Claims (1)
- アルコールとガソリンとを任意の割合で混合した燃料を使用可能な内燃機関の制御装置であって、
前記燃料中のアルコール含有率を推定するアルコール含有率推定手段と、
前記アルコール含有率推定手段の推定結果に基づいて、前記内燃機関の空燃比を変更する空燃比変更手段と、
前記空燃比変更手段によって空燃比を変更したときの前記内燃機関の回転数変動を検出する回転数変動検出手段と、
前記回転数変動検出手段の検出結果に基づいて、前記燃料中のアルコール含有率を算出するアルコール含有率算出手段と、
前記アルコール含有率算出手段の算出結果に基づいて、前記内燃機関の空燃比を修正する空燃比修正手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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