JP2010163372A - ゲル状芳香組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラントスケールに適用でき、さらにゲル強度の低下及び離水が抑制されたゲル状芳香組成物を提供することを主な目的とする。
【解決手段】
下記成分を含有するゲル状芳香組成物。
(A)ジェランガム
(B)カルシウム
(C)ジオクチルスルホコハク酸塩
ここで、(A)成分と(B)成分の配合割合が下記一般式(I)を満たし、
y≧−0.0292x+0.0536 (I)
(式(I)中、xはジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(重量%)を示す。
ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)
(C)成分が全組成物重量に対して1重量%より多い割合で含有されるゲル状芳香組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、離水が抑制されたゲル状芳香組成物に関する。
ゲル状の芳香組成物は、香料を可溶化した水溶液を、ゲル化剤を用いてゲル化して得られる。ゲル化剤としては、優れた透明性が付与されることから、ジェランガムが汎用されている(例えば特許文献1)。しかしながら、ジェランガムを使用してゲル状組成物を調製した場合、時間と共にゲル中に一旦保持された液体(水分)がゲルからにじみ出てくることがある。このような現象を、『(ゲル状組成物における)離水』と呼ぶ。ジェランガムを使用したゲル状の芳香組成物においては、常に離水の問題があり、離水による水漏れを防ぐ構造を有する容器に適用が制限される等、製品設計上、多大な制約があった。
そこで、離水を抑制するために様々な技術が開発されてきた。その結果、ジェランガムの添加濃度を上げる、架橋剤であるカルシウムの添加濃度を上げる、又はその両方を行うことが、離水の抑制に有効であることが見出された。
これらの離水抑制の技術は、ラボスケールでのゲル状組成物の調製においては有効である。しかしながら、実際に商品が製造されるプラントスケールでは、通常、製造スケジュール上、カルシウムを含有するゲル状組成物原料を熱溶解し、調剤液状態で長時間、攪拌保存する(これを『持ち越し』と呼ぶ)ことがある。長時間の持ち越しを行うことにより、調剤液中に溶解していたジェランガムが析出し、ゲル状芳香組成物のゲル強度が著しく低下し、離水を生じるということが問題となっていた(後述する参考試験例2を参照)。
このように、プラントスケールで製造されるゲル状芳香組成物において、ゲル強度の低下及び離水の両方が抑制されたゲル組成物を得るのは困難であった。
特開2007-29175号公報
本発明は、プラントスケールに適用でき、さらにゲル強度の低下及び離水が抑制されたゲル状芳香組成物を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ジェランガムを含有するゲル状芳香組成物において、ジェランガムの配合量とカルシウム濃度が所定の関係を満たし、さらに所定量のアニオン界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸塩)を含有するものであれば、持ち越しを行って製造しても、ジェランガムの析出、それに伴うゲル強度の低下及び離水を抑制できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、完成されたものである。
本発明は、以下のゲル状芳香組成物、当該ゲル状芳香組成物の製造方法、及びジュランガムを含有するゲル状芳香組成物における離水の抑制方法を提供する。
項1.下記成分を含有するゲル状芳香組成物。
(A)ジェランガム
(B)カルシウム
(C)ジオクチルスルホコハク酸塩
ここで、(A)成分と(B)成分の配合割合が下記一般式(I)を満たし、
y≧−0.0292x+0.0536 (I)
(式(I)中、xはジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(重量%)を示す。
ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)
(C)成分が全組成物重量に対して1重量%より多い割合で含有されるゲル状芳香組成物。
項2.前記(A)成分の配合割合が0.5〜1.5重量%である、項1に記載のゲル状芳香組成物。
項3.前記(C)成分の配合割合が1〜3重量%である、項1又は2に記載のゲル状芳香組成物。
項4.前記(A)成分及び(B)成分の配合割合が下記一般式(II)を満たす、
−0.0292x+0.0536≦y≦−0.033x’+0.0659 (II)
(ここでxは1.836より小さく、x’は1.997より小さく、yは0より大きい。
式中x及びx’はいずれもジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(重量%)を示す) 項1に記載のゲル状芳香組成物。
項5.前記(A)成分及び(B)成分の配合割合が下記一般式(II)を満たし、
−0.0292x+0.0536≦y≦−0.033x’+0.0659 (II)
(ここでxは1.836より小さく、x’は1.997より小さく、yは0より大きい。
式中x及びx’はいずれもジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(重量%)を示す)
前記(C)成分の配合割合が1.5〜2重量%である、項1に記載のゲル状芳香組成物。
項6.(i)(A)ジェランガムを水に加熱溶解させて、ジェランガム水溶液を得る工程;
(ii)前記工程(i)で得られたジェランガム水溶液に、(B)カルシウム及び(C)ジオクチルスルホコハク酸塩を添加して、調剤液を得る工程;及び
(iii)前記工程(ii)で得られた調剤液をゲル化させる工程を含み、
ここで、(A)成分と(B)成分の配合割合が下記一般式(I)を満たし、
y≧−0.0292x+0.0536 (I)
(式(I)中、xはジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(%)を示す。
ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)
(C)成分が全組成物重量に対して1重量%より多い割合となるように配合することを特徴とする、ゲル状芳香組成物を製造する方法。
項7.前記工程(ii)が、ジェランガム水溶液に(B)カルシウム及び(C)ジオクチルスルホコハク酸塩を添加し、55〜65℃にて6時間以上、加熱攪拌する工程である、項6に記載のゲル状芳香組成物を製造する方法。
項8.ジェランガムと、下記成分を配合することを特徴とする、ジェランガムを含有するゲル状芳香組成物における離水を抑制する方法
(B)カルシウム
(C)ジオクチルスルホコハク酸塩
ここで、ジェランガムと(B)成分の配合割合が下記一般式(I)を満たし、
y≧−0.0292x+0.0536 (I)
(式(I)中、xはジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(%)を示す。
ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)
(C)成分が全組成物重量に対して1重量%より多い割合で含有する方法。
本願発明のゲル状芳香組成物は、プラントスケールに適用して調製を行っても、ゲル強度の低下や離水を生じることのない性状安定性に優れた組成物である。
本発明のゲル状芳香組成物は、離水が抑制されていることから、従来では適用が制限されていた形状の容器にも充填することができ、多様な商品のバリエーションに対応することができる。例えば、従来であれば横置き型容器に適用が制限され、縦置き型容器に適用する場合には底部に離水漏れを防ぐ構造が必要であった。ここで、縦置き型容器とは、後述する実施例において使用されるような容器であり、ゲル状芳香組成物を収納する収容部3、及びゲル状芳香組成物に含有される芳香成分を空気中に揮散させるための開口部4を有し、当該開口部が側面に設けられていることを特徴とする容器である(例えば意匠登録第1277864号、特願2007-279955の容器、ならびに後述する図1A及び1Bを参照)。また、横置き型容器とは、収容部及び開口部を有し、当該開口部が容器上部に設けられていることを特徴とする容器である(例えば意匠登録第1131311号の容器を参照)。
本発明のゲル状芳香組成物は、離水の心配がないことから、縦置き型容器に対しても離水漏れを防止するための特別な構造を付加することなく適用することが可能である。
また、本発明のゲル状芳香組成物は、カルシウム濃度が通常よりも高いにもかかわらず、製造時に長時間に亘って加熱攪拌保存してもジェランガムの析出が生じず、ゲル強度の低下を招くことがない。加えて、本発明のゲル状芳香組成物は、ジェランガム析出が抑制されることによって、白濁が抑制され、透明性に優れている。すなわち、本発明によれば、品質安定性に優れたゲル状芳香組成物を提供することができる。さらに、本発明のゲル状芳香組成物によれば、芳香組成物として適したゲル強度を維持し、離水を抑制し得ることから、組成物中に芳香成分を適切に保持することができるため、香り立ちにも優れたゲル状芳香組成物を提供することができる。
ゲル状芳香組成物を充填した容器(揮散器)の使用時における概略斜視図である。 ゲル状芳香組成物を充填した容器(揮散器)を分解した図を示す概略斜視図である。 試験例1より、アニオン界面活性剤を1重量%としたときのカルシウム濃度を縦軸に、ジェランガム濃度を横軸にそれぞれプロットしたグラフである。 試験例1より、アニオン界面活性剤を1.5重量%としたときのカルシウム濃度を縦軸に、ジェランガム濃度を横軸にそれぞれプロットしたグラフである。
(1)ゲル状芳香組成物
本発明のゲル状香料組成物は、所定量の下記成分(A)〜(C)を含有する。
(A)ジェランガム
(B)カルシウム
(C)ジオクチルスルホコハク酸塩
本発明のゲル状芳香組成物は、(C)ジオクチルスルホコハク酸塩によって可溶化された香料を含有する水溶液が、(A)ジェランガムによってゲル化され、(B)カルシウムによって架橋されて得られるものである。
以下、各成分について詳述する。
(A)成分:ジェランガム
ジェランガムは、Sphingomonas elodeaという微生物が菌体外に産生する多糖類であり、ゲル化剤、増粘剤等として汎用されている。ジェランガムにはネイティブ型及び脱アシル型が知られているが、本発明の(A)成分としては脱アシル型ジェランガムを使用することが好ましい。また、本発明の(A)成分として、脱アシル型ジェランガムにネイティブ型ジェランガムを添加してもよい。
また、簡便には、本発明の(A)成分として商業的に入手可能な製品を用いることもでき、例えば、大日本住友製薬(株)社製のケルコゲルが挙げられる。
(B)成分:カルシウム
本発明の(B)成分は、ゲル状芳香組成物にカルシウムイオンの形態で提供される。従って、本発明の(B)成分としては、本発明のゲル状芳香組成物の調剤液中でカルシウムイオンを遊離する化合物であれば特に限定されないが、例えば乳酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられ、好ましくは乳酸カルシウムである。
本発明のゲル状芳香組成物において上記(A)成分及び(B)成分の配合比率は、下記一般式(I)を満たすものである。
y≧−0.0292x+0.0536 (I)
(式(I)中、xはジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(重量%)を示す。
ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)
本発明における(A)及び(B)成分の配合量は、両成分の配合比率が一般式(I)を満たし、本発明の効果を損なわないものである限り特に限定されないが、通常、本発明のゲル状芳香組成物中(A)成分は0.5〜1.8重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%、0.5〜1.25重量%、さらに好ましくは1〜1.25重量%である。このような配合割合であれば、ゲル状芳香組成物として好適なゲル強度を維持することができ、優れた離水の抑制効果が奏され、持ち越し後のゲル強度の安定性にも優れている。
また、(B)成分の配合割合は前記(A)成分の配合割合に基づいて適宜算出することができるが、通常、カルシウム濃度に換算して0.01〜0.1重量%、好ましくは0.01〜0.04重量%、より好ましくは0.016〜0.04重量%である。このような配合割合であれば、持ち越し後のゲル強度の低下及び離水を抑制する効果に加え、ゲルに優れた透明性を付与することができる。
また、ゲル状芳香組成物におけるカルシウム濃度とジェランガム濃度が下記一般式(II)によって表される関係を満たす場合に、さらに顕著に本発明の優れた効果を奏することができる。
−0.0292x+0.0536≦y≦−0.033x’+0.0659 (II)
(ここでxは1.836より小さく、x’は1.997より小さく、yは0より大きい)
式中x及びx’はいずれもジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(重量%)を示す。
(C)成分:ジオクチルスルホコハク酸及び/又はその塩
本発明においては、(C)成分としてアニオン界面活性剤であるジオクチルスルホコハク酸塩を使用する。好ましい塩としては、アルカリ金属塩等が挙げられ、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が好適である。ジオクチルスルホコハク酸塩は、商業的に入手可能であり、例えば、マーポマーセPT(松本油脂製薬(株)製)、ネオコールSW(第一工業製薬(株)製)、サンモリンOT‐70(三洋化成(株)製)等が挙げられる。
本発明においては、ジオクチルスルホコハク酸塩のいずれかを1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のゲル状芳香組成物中の(C)成分の配合割合は、1重量%より大きく、通常1重量%より大きく3重量%以下、好ましくは1.25〜2.5重量%、より好ましくは1.5〜2である。(C)成分の配合割合が前記所定量であれば、調製直後及び持ち越し後のゲル強度の低下を抑制することができ、離水の少ないゲル芳香剤を得ることができる。
(A)及び(B)成分が上記一般式(I)を満たし、且つ(C)成分が上記配合割合で含有される場合、ゲル強度の低下や離水を生じることがなく、プラントスケールに適用しても優れた性状安定性を有するゲル状芳香組成物を得ることができる。
本発明のゲル状芳香組成物は、上記成分(A)〜(C)成分に加えて、芳香成分を配合する。本発明で使用する芳香成分の添加割合は、通常0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.01〜10重量%である。
本発明のゲル状芳香組成物に配合しうる芳香成分としては、天然及び合成の広い範囲の香料を利用することができる。そのような香料の例としては、たとえば、レモン油、オレンジ油、ベルガモット油、イランイラン油、パチュリ油、シトロネラ油、レモングラス油、ボアドローズ油、チョウジ油、ユーカリ油、セダー油、ビャクダン油、ペチバー油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ローズ油、ジャスミン油など、更にはこれら天然精油から分離されたリモネン、ゲラ二オール、シトロネロール、リナロールなどの如き天然源植物性精油及びその単離香料類;ムスク、シベット、アンバーグリス、カストリウムなどの如き天然源動物性香料類;バニリン、メントール、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、シトラール、メントール、ミルセン、ミルセノール、アニスアルデヒド、シネオール、イオノン、ピネン、リモネン、カンフェン、シス−3−ヘキセノール、ベンジルアルコール、α−アミルシンナミックアルコール、オイゲノール、リナリルアセテート、ベンジルアセテートなどの如き合成香料;これら各種精油乃至香料の少なくとも二種を配合した調合香料類;などの各種の芳香成分を例示することができる。なお、芳香成分の溶剤として、イソパラフィン、ノルマルパラフィンを用いることもできる。
また、本発明のゲル状芳香組成物に、上記芳香成分に加えて消臭成分を添加することによって、芳香及び消臭の両方の用途に使用することができる。本発明のゲル状芳香組成物に配合可能な消臭成分としては、例えば、ラウリルメタアクリレート、ゲラニルクロトネートクロロフィルの如き化学的消臭剤を例示することができる。上記消臭成分の使用量は、本発明のゲル状芳香剤組成物の利用目的により異なるが、通常、芳香剤組成物の0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲内を例示することができる。
本発明のゲル状芳香組成物には、さらに、他の添加剤として、例えば、パラジクロールベンゼン、ナフタリン、カンファー等の防虫剤;オルトフェニルフオノール、安息香酸、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール等の防腐・殺菌剤;非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、pH調製剤、色素、無機塩類等を本発明の効果を妨げない範囲で適宜配合することもできる。
また、上記添加物以外に、ゲル化を促進させるために、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ヘキシレングリコール、ジメチルスルフォキシドなどの溶剤を配合することもできる。
本発明のゲル状芳香組成物は、室内空間に芳香を付与することができ、例えば車内、船舶内、トイレ内、浴場内、居室内などの室内の芳香(消臭)用として好適である。また、本発明のゲル状芳香組成物は離水が顕著に抑制されていることから、従来では離水が問題となって横置き型の芳香剤に使用が制限されていたところを、水漏れ等の心配がないことから縦置き型の芳香剤としても使用することが可能である。
また、本発明のゲル状芳香組成物は、比較的高濃度のカルシウムを含有しているにもかかわらず、ジェランガムの析出が抑制され、ゲル強度の低下を引き起こすことがない。本発明のゲル状芳香組成物のゲル強度は、調製直後において、通常、100gf・cm以上、好ましくは250〜1000gf・cm程度、より好ましくは250〜550gf・cm程度、さらに好ましくは400〜550gf・cmである。ゲル強度の測定方法は、当該技術分野において通常採用されている方法に従えばよいが、具体的には、(株)サン科学製のレオメーター「CR−500DX」を使用し、直径5mmの感圧軸を用い、測定速度60mm/分の条件で測定することができる。調製直後のゲル強度が上記範囲であれば持ち越し後であってもゲル強度の低下が顕著に抑制されるが、商品の保型性等の観点からは、調製直後のゲル強度が250gf・cm以上であることが望ましい。さらに、400〜550gf・cmの範囲であれば、ゲル強度低下の抑制及び離水の抑制について顕著に優れた効果が奏される。
(2)ゲル状芳香組成物の製造方法
本発明のゲル状芳香組成物は、従来公知の方法に従って調製することができるが、例えば、下記工程を含む製造方法によって得ることができる。
(i)(A)ジェランガムを水に加熱溶解させて、ジェランガム水溶液を得る工程;
(ii)前記工程(i)で得られたジェランガム水溶液に、(B)カルシウム及び(C)ジオクチルスルホコハク酸塩によって可溶化された香料を含有する水溶液を添加して、調剤液を得る工程;及び
(iii)前記工程(ii)で得られた調剤液をゲル化させる工程を含み、
ここで、(A)成分と(B)成分の配合割合が下記一般式(I)を満たし、
y≧−0.0292x+0.0536 (I)
(式(I)中、xはジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(重量%)を示す。
ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)
(C)成分が全組成物重量に対して1重量%を超える割合となるように配合することを特徴とする、ゲル状芳香組成物を製造する方法。
工程(i)においては、ジェランガムを水に加熱溶解させて、ジェランガム水溶液を得る。ジェランガムを水に溶解させる際、プロピレングリコール等の公知の溶剤を用いてもよい。このとき、必要に応じて攪拌してもよい。加熱温度は、ジェランガムがゲル化しない範囲であって、本発明の効果を損なわない限りにおいて適宜設定することができ、例えば85〜100℃である。ジェランガムを溶解させた後、ジェランガムがゲル化しない程度の温度にまで冷却してもよい。
次に、工程(ii)において、添加成分を含有する調剤液を得る。工程(ii)では、前記工程(i)において得られたジェランガム水溶液に(B)及び(C)成分を添加する。また、(A)〜(C)成分以外の成分(例えば芳香成分等)を添加する場合は、工程(ii)において添加することが好ましい。工程(ii)で添加される各成分は、予め水に溶解させておき、水溶液の状態でジェランガム水溶液に添加することもできる。例えば芳香成分を予め水に溶解させる場合、公知の溶剤(例えば3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール)やノニオン界面活性剤等の可溶化剤を添加してもよい。工程(ii)では、ジェランガム水溶液に各成分を添加し、可溶化して調剤液を調製する。
工程(ii)において各成分を添加する際、必要に応じて加熱してもよく、攪拌してもよい。(B)及び(C)成分を添加する際の加熱温度は、ジェランガムがゲル化しない範囲であって、本発明の効果を損なわない限りにおいて適宜設定することができ、例えば50〜70℃である。
本発明の製造方法において、(A)〜(C)成分の配合割合については、上記(1)に記載される通りである。
上記工程(ii)においては、(A)〜(C)成分を含有する調剤液を、液状を保持したまま必要に応じて長時間加熱攪拌を行いながら保存する(いわゆる『持ち越し』)ことができる。通常、加熱攪拌の時間は製造スケジュールに応じて適宜設定される。本発明のゲル状芳香組成物の製造においては、通常6時間以上、12時間以上、さらには24時間以上に亘って加熱攪拌を行いながら保存してもジェランガムの析出を生じることがなく、実際の製造にも適した優れた性状安定性を有している。従って、本発明の方法によって得られるゲル状芳香組成物は、長時間の持ち越し後であってもゲル強度の低下を引き起こすことがなく、離水も抑制されている。
また、上記工程(ii)の後、工程(iii)において調剤液のゲル化を行う。工程(iii)においては、調剤液を室温(25℃程度)等に放置してゲル化させても良いが、必要に応じて冷却してもよい。冷却する場合の温度は、通常5〜20℃である。ゲル化の際には所望の形状となるように容器等に充填する。本発明のゲル状芳香組成物の形状や大きさは、特に限定されないが、例えばブロック状、ビーズ状、円柱状、円錐状等が挙げられ、家庭用として本発明のゲル状芳香組成物を使用するのであれば50〜1000gとなるように調製するのが好ましい。本発明のゲル状芳香組成物の製造方法において、攪拌、加熱、冷却等の手段、条件等については、従来公知のものを採用することができる。
このようにして得られた本発明のゲル状芳香組成物を、任意の容器に収納して用いることができる。容器は、従来公知のものを採用することができ、空間に芳香を付与し得る形態のものであれば特に限定されない。本発明のゲル状芳香組成物の形状は、ゲル強度の低下が抑制され離水の問題がないことから、縦置き型、横置き型の別を問わず、多様な形状の容器に適用することができる。
縦置き型容器としては、例えば意匠登録番号1277864号に示される様な容器、図1A及び1Bに示されるような容器が挙げられる。例えば、図1A及び1Bに示される容器(揮散器)は、カバーA及びB(図中2’及び2”)を備え、これらのカバーの内部には調剤液を収容する収容部3が配置されている。収容部3は注入口7を備え、注入口7から調剤液を注入して中栓6によって施栓し、ゲル化させる。容器(揮散器)は、収容部3がキャップA及びB(図中5’及び5”)と前記カバーA及びBによってはさみ込まれて構成される。使用時には、キャップA及びB(図中5’及び5”)を外し、収容部3がカバーA及びB(図中2’及び2”)によってはさみ込まれた状態で用いる。ゲル状芳香組成物中の芳香成分は開口部4から空気中に揮散される。
従来、縦置き型の容器は、離水の問題があり、開口部からの離水漏れを防止する構造を要していたが、本発明のゲル状芳香組成物であればこのような構造を付加することなく適用することができる。
また、横置き型の容器としては、例えば意匠登録第1131311号に示される様な容器が挙げられる。
(3)ジェランガムを含有するゲル状芳香組成物における離水の抑制方法
上述のように、上記(A)〜(C)成分を所定量含有するゲル状芳香組成物は、持ち越しを行っても離水漏れのない、性状安定性に優れたものである。従って、本発明は、ジェランガムと共に、(B)成分及び(C)成分を所定量配合することを特徴とする、ジェランガムを含有するゲル状芳香組成物における離水の抑制方法をも提供するものである。ここで、ジェランガムを含有するゲル状芳香組成物の配合成分、ならびに各成分の配合割合等については上述の通りである。
以下、試験例等を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
参考試験例1:カルシウムの添加による離水の抑制効果について
乳酸カルシウムの添加によるゲル状芳香組成物における離水抑制効果を確認した。下記表1に示される組成のゲル状芳香組成物を調製し、各組成物の離水量を測定した。
調製方法は以下の通りである。
ジェランガム(脱アシル型)とプロピレングリコールを混合し、これを水に加えて分散させた後、90℃以上に加熱して溶解させてジェランガム水溶液を得た。60℃に冷却した後、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤及び溶剤(3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール)で可溶化された香料を含有する水溶液を前記ジェランガム水溶液に添加し、さらに乳酸カルシウム及びその他の原料を加えた。液温を58〜60℃に保持し、各成分が均一になるまで攪拌を行い、これを容器に充填し、密閉した。室温(25℃程度)に放置してゲル化させて、ゲル状芳香組成物を調製する。これを50℃で7日間保存して離水量を測定した。
ここで充填に用いた容器は、容器(縦置き型容器)を用い、215gの調剤液を充填し蓋を閉め密閉した。本試験例において用いた容器を図1に示す。図1Bは本容器を分解した状態を示す。ゲル状芳香組成物の調剤液を容器の収容部3の注入口7から注入し、中栓6、キャップA及びキャップB(図中5’及び5”)、ならびにカバーA及びカバーB(図中2’及び2”)で収容部3を挟み込んで使用する。使用時の概略図を図1Aに示す。香料成分は開口部4から空気中に揮散される。ゲル状芳香組成物を収容する収容部3の容積は220 cm3であった。この容器については、特願2007-279955(特に図5を参照)に詳細に説明されている。
離水量の測定方法は以下の通りである。
容器の蓋を開け、ゲル表面とゲルに接触していた蓋に付着した水分をキムワイプ(登録商標)で適度に拭き取る。拭き取り後に増加したキムワイプ(登録商標)の重量を離水量とする。離水量の測定結果についても併せて表1に示す。
Figure 2010163372
表1より、乳酸カルシウムを添加することによって、容器に充填した後のゲルからの離水が抑制されていることが示された。特に、参考例3及び4に示されるようにカルシウム濃度が0.0206重量%以上の場合、より一層離水が抑制されていた。なお、乳酸カルシウムは、ゲル状組成物中においてカルシウムイオンを遊離する。
参考試験例2:ゲル強度低下が離水量に与える影響について
上記参考試験例1においては、ゲル状芳香組成物の調製において持ち越し時間を経ずに容器に充填した。実際の製造工程においては、製造スケジュール上、通常、持ち越しが行われる。持ち越しがゲル状芳香組成物のゲル強度や離水量に与える影響について評価するため、下記表2に示される組成のゲル状芳香組成物を調製した。調製方法は、液状を保持しつつ温度58℃で攪拌しながら持ち越したこと以外は、参考例3と同様である。
ゲル強度については、以下のように測定した。
(株)サン科学製のレオメーター「CR−500DX」を使用し、直径5mmの感圧軸を用い、測定速度60mm/分の条件で測定した。
離水量の測定方法については、参考例3と同様である。ただし、本参考例においては、得られたゲル状芳香組成物を容器(215g)に充填し、翌日に離水量を測定した。結果を下記表3に示す。
Figure 2010163372
Figure 2010163372
上記参考試験例1の参考例3に示されるように、持ち越しを経ずに調製された場合、カルシウム濃度が0.0206重量%のゲル状芳香組成物は、離水が顕著に抑制されていた。しかしながら、表3より、カルシウム濃度が0.0206重量%であっても、持ち越し時間が長くなるとゲル状芳香組成物のゲル強度が低下し、それに伴って離水量が増加することが示された。すなわち、ゲル状芳香組成物の離水を抑制ためには、持ち越し後のゲル強度の低下が抑制された組成物を調製する必要があることが示された。
試験例1:持ち越し時のゲル強度低下とジェランガム及び乳酸カルシウムの配合量について
(1-1)アニオン界面活性剤(マーポマーセPT)の配合量が1重量%のゲル状芳香組成物
下記表4に示される処方に従って、ゲル状芳香組成物を調製した。本試験例において調製方法は上記参考試験例2に記載の通りであり、持ち越し時間を0時間、6時間又は12時間とした(いずれも58℃にて攪拌しながら行った)。
得られたゲル状芳香組成物のゲル強度を測定した。本試験例において測定方法は参考試験例2に記載の通りである。得られた数値から、下記基準に基づいて判定を行った。下記基準において◎及び○以外の場合は、性状安定性に劣り、持ち越しを行っている間にゲル強度に変動を生じる可能性がある。従って、6時間持越し後のゲル強度低下率が16%以上の場合には、特にプラントスケールに適用した場合、商品品質のバラツキを生じる可能性が高い。結果を表4に示す。
◎…6時間持越し後のゲル強度低下率が10%以下
○…6時間持越し後のゲル強度低下率が11%〜15%
×…6時間持越し後のゲル強度低下率が16%以上
Figure 2010163372
さらに、比較例1〜5以外にも、下記表5に示される処方の組成物を調製し、同様に持ち越し後のゲル強度低下について評価した。
Figure 2010163372
表4及び5に示される処方のゲル状芳香組成物について、ゲル強度の低下を評価した結果を下記表6に示す。なお、表6における×は6時間持ち越し後のゲル強度の低下が生じることを表し、○は6時間持ち越し後のゲル強度の低下が顕著に抑制されており(前記評価基準の○又は◎に相当する)、プラントスケールに適用しても商品品質のバラツキ等の問題を生じないことを示す。
Figure 2010163372
比較例1、3、4及び5の結果より、カルシウム濃度を縦軸に、ジェランガム配合量を横軸にプロットしたグラフを図2に示す。図2に示されるように、カルシウム濃度とジェランガム配合量の関係より、ゲル強度低下の境界はy=−0.0292x+0.0536の式によって表される。すなわち、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを1重量%含有し、カルシウム濃度(y)がy≧−0.0292x+0.0536(xはジェランガム濃度を示す。ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)の場合、持ち越し後のゲル強度の低下が生じることが示された。
(2-2)アニオン界面活性剤(マーポマーセPT)の配合量が1.5重量%のゲル状芳香組成物
上記比較例の処方において、アニオン界面活性剤(マーポマーセPT)の濃度を1.5重量%とし、同様にゲル強度を評価した。結果を下記表7に示す。
Figure 2010163372
これらの結果を考察すると、次の通りである。すなわち、ジェランガム濃度(x)とカルシウム濃度(y)が前記式(y≧−0.0292x+0.0536:ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)の関係にあり、且つアニオン界面活性剤(マーポマーセPT)の配合割合が1重量%の場合には、持ち越し後のゲル強度の低下を生じる。一方、ジェランガムとカルシウムの濃度が前記式を満たす組成であっても、アニオン界面活性剤を1重量%を超える量、好ましくは1.5重量%以上とすることによってゲル強度の低下等の不都合を生じることがない。
以上を鑑みると、ゲル状芳香組成物においてジェランガム濃度(x)とカルシウム濃度(y)がy≧−0.0292x+0.0536(ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)の関係を満たし、且つアニオン界面活性剤(マーポマーセPT)の配合量が1重量%を超える場合には、持ち越し後のゲル強度の低下が抑制され、それに伴う離水も抑制された性状安定性に優れたゲル状芳香組成物を得ることができる。
なお、例えばジェランガム濃度1.0重量%;カルシウム濃度0.0206重量%の場合、ならびにジェランガム濃度1.25重量%;カルシウム濃度0.0164重量%の場合、厳密には上記式を充足しないが、これらの各成分の関係は実質的には前記式(y≧−0.0292x+0.0536)の境界上にある。従って、このようなジェランガム濃度及びカルシウム濃度のゲル状芳香組成物は、アニオン界面活性剤(マーポマーセPT)が1.0重量%の場合、持ち越し後のゲル強度の低下を生じ、1.5重量%とするとゲル強度の低下が顕著に抑制され得る(表4及び7を参照)。
さらに、下記表8に示される処方のゲル状芳香組成物を調製し、ゲル強度を測定した。
Figure 2010163372
さらに、アニオン界面活性剤(マーポマーセPT)を1.5重量%として、表5に示される処方のゲル状芳香組成物のゲル強度を評価した。結果を、表8の評価と併せて下記表9に示す。なお、表9において、×は6時間持ち越し後のゲル強度の低下が生じることを表し、○は6時間持ち越し後のゲル強度の低下が顕著に抑制されており(前記評価基準の○又は◎に相当する)、プラントスケールに適用しても商品品質のバラツキ等の問題を生じないことを示す。また、表中上段はアニオン界面活性剤(マーポマーセPT)を1.0重量%としたときの結果であり、下段括弧書きは、アニオン界面活性剤(マーポマーセPT)を1.5重量%としたときの結果を表す。(−)は評価を行わなかったことを示す。
Figure 2010163372
表9に示されるように、ジェランガムの配合割合とカルシウム濃度の関係が上記式(y≧−0.0292x+0.0536)を満たし、表6においてゲル強度の低下を生じることが確認された他の組成物であっても、アニオン界面活性剤(マーポマーセPT)の添加量を1重量%を超える量、好ましくは1.5重量%とすることによって同様にゲル強度の低下が抑制された。
実施例5〜7のカルシウム濃度(y)を縦軸に、ジェランガム濃度(x’)を横軸にプロットしたグラフを図3に示す。図3に示されるように、カルシウム濃度とジェランガム配合量の関係より、アニオン界面活性剤(マーポマーセPT)を1.5重量%添加した場合にゲル強度低下が抑制される境界はy=−0.033x’+0.0659の式によって表される。すなわち、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを1.5重量%含有し、カルシウム濃度(y)がy≦−0.033x’+0.0659(x’はジェランガム濃度を示す。ただし、x’は1.997より小さく、yは0より大きい)の場合、アニオン界面活性剤(マーポマーセPT)を1.5重量%添加するとゲル強度の低下が抑制されることが示された。
以上の結果を総合すると、ゲル状芳香組成物においてカルシウム濃度(y)とジェランガム濃度(x又はx’)が次式の関係を満たす場合に、より顕著にゲル強度の低下が抑制されることが示された。
−0.0292x+0.0536≦y≦−0.033x’+0.0659
(ここでxは1.836より小さく、x’は1.997より小さく、yは0より大きい)
試験例2:持ち越し時のゲル強度低下とジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの配合量について
下記表10及び11に示される処方に従って、ゲル状芳香組成物を調製した。調製方法は参考試験例2と同様であり、58℃で攪拌しながら持ち越しを行った。また、参考試験例2と同様の方法に従って、ゲル強度を測定し、得られた数値に基づいて判定を行った。
Figure 2010163372
Figure 2010163372
表10及び11より、ジェランガムの配合割合とカルシウム濃度の関係が上記式(y≧−0.0292x+0.0536)を満たし、アニオン界面活性剤(マーポマーセPT)の濃度が1.5〜3.0重量%である場合には、顕著にゲル強度の低下が抑制されていることが示された。なお、比較例6及び7(アニオン界面活性剤の添加量:0〜0.5重量%)の場合、得られた組成物は香料の可溶化が不十分で白濁する傾向にあった。また、実施例8の組成物は、保型性がやや劣っていたが、商品として問題のない範囲であった。
1容器(揮散器)
2’カバーA
2’’カバーB
3収容部
4開口部
5’キャップA
5’’キャップB
6中栓
7注入口

Claims (6)

  1. 下記成分を含有するゲル状芳香組成物。
    (A)ジェランガム
    (B)カルシウム
    (C)ジオクチルスルホコハク酸塩
    ここで、(A)成分と(B)成分の配合割合が下記一般式(I)を満たし、
    y≧−0.0292x+0.0536 (I)
    (式(I)中、xはジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(重量%)を示す。
    ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)
    (C)成分が全組成物重量に対して1重量%より多い割合で含有されるゲル状芳香組成物。
  2. 前記(A)成分の配合割合が0.5〜1.5重量%である、請求項1に記載のゲル状芳香組成物。
  3. 前記(C)成分の配合割合が1〜3重量%である、請求項1又は2に記載のゲル状芳香組成物。
  4. (i)(A)ジェランガムを水に加熱溶解させて、ジェランガム水溶液を得る工程;
    (ii)前記工程(i)で得られたジェランガム水溶液に、(B)カルシウム及び(C)ジオクチルスルホコハク酸塩を添加して、調剤液を得る工程;及び
    (iii)前記工程(ii)で得られた調剤液をゲル化させる工程を含み、
    ここで、(A)成分と(B)成分の配合割合が下記一般式(I)を満たし、
    y≧−0.0292x+0.0536 (I)
    (式(I)中、xはジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(%)を示す。
    ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)
    (C)成分が全組成物重量に対して1重量%より多い割合となるように配合することを特徴とする、ゲル状芳香組成物を製造する方法。
  5. 前記工程(ii)が、ジェランガム水溶液に(B)カルシウム及び(C)ジオクチルスルホコハク酸塩を添加し、55〜65℃にて6時間以上、加熱攪拌する工程である、請求項4に記載のゲル状芳香組成物を製造する方法。
  6. ジェランガムと、下記成分を配合することを特徴とする、ジェランガムを含有するゲル状芳香組成物における離水を抑制する方法
    (B)カルシウム
    (C)ジオクチルスルホコハク酸塩
    ここで、ジェランガムと(B)成分の配合割合が下記一般式(I)を満たし、
    y≧−0.0292x+0.0536 (I)
    (式(I)中、xはジェランガム濃度(重量%)を示し、yはカルシウム濃度(%)を示す。
    ただし、xは1.836より小さく、yは0より大きい)
    (C)成分が全組成物重量に対して1重量%より多い割合で含有する方法。
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