JP2010161854A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外乱推定器により推定した信号の高周波雑音成分のみを除去し、外乱抑圧特性を高く設定してモータ制御の頑健性を維持して滑らかなトルク指令波形を生成すると共に、外乱抑圧効果を減少させることなくトルク指令リップルを小さくし、外乱抑圧特性を保持したまま制御対象の振動・騒音を小さくすることができるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】 トルク指令TREFと検出速度VSに基づいてモータ1に加わる外乱を推定して推定外乱信号EDS1を算出する外乱推定部5と、前記推定外乱信号EDS1を補正して補正推定外乱信号EDS2を算出する補正演算部6と、制御入力信号CSから前記補正推定外乱信号EDS2を減じて前記トルク指令TREFを算出する減算器30と、を有する外乱補償器20を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、外乱補償器を用いてモータ制御の外乱を抑圧するモータ制御装置に関する。
露光装置は、ステージ制御装置で動作制御されていて、高いロバスト性を確保しつつステージの同期精度及びスループットの向上を実現することが困難であるという一般的な技術課題がある。この一般的な技術課題を解決するために、従来のステージ制御装置は、制御入力信号と検出位置信号および制御対象の逆伝達関数モデルを用いて推定外乱信号を算出し、更に推定外乱信号にローパスフィルタによるフィルタリングを施して、前記制御入力信号にフィードバックしている(例えば、特許文献1参照。)。
図13は、従来技術の外乱補償器を用いたステージ制御装置のブロック図である。図13において、102は第1制御対象(ウエハステージ)、103は第2制御対象(レチクル微動ステージ)、104は第3制御対象(レチクル粗動ステージ)、105は第1制御対象102の位置を検出する検出器、106は第2制御対象103の位置を検出する検出器、107は第3制御対象104の位置を検出する検出器を表す。101は第1制御対象102および第2制御対象103および第3制御対象104の位置指令RSを出力する目標位置発生器を表す。108は第1位置制御器を表し、位置指令RSと、第1制御対象102に取り付けた検出器105で検出した位置検出値FS1と、第2制御対象103に取り付けた検出器106で検出した位置検出値FS2と、第3制御対象104に取り付けた検出器107で検出した位置検出値FS3から、第1制御入力信号CS1および第2制御入力信号CS2を算出する。
120は第1制御対象102に加わる外乱を補償する外乱補償器を表し、位置検出信号FS1と、第1制御入力信号CS1から、新たな第1制御入力信号NCS1を算出する。外乱補償器120は、第1制御対象102に加わる外乱を推定する外乱推定器110と、ローパスフィイルタ111によって構成される。外乱推定器110は、新たな第1制御入力信号NCS1と、位置検出信号FS1から、第1推定外乱信号EDS1を算出する。しかしながら、第1推定外乱信号EDS1には高周波雑音の影響が大きいため、ローパスフィルタ111によるローパスフィルタ処理を施すことで滑らかな第1外乱補償信号DCS1を生成し、第1制御入力信号CS1に第1外乱補償信号DCS1を負のフィードバックをすることで、新たな第1制御入力信号NCS1を算出する。
このように、従来の外乱補償器を用いたステージ制御装置は、外乱推定器による推定外乱信号を用いることで外乱抑圧特性を向上させている。ただし、外乱推定の際に用いる微分演算により高周波雑音を増幅させてしまうので、推定外乱信号にローパスフィルタ処理を施し、推定外乱信号を滑らかにしている。
特開2005−51197号公報(第14−15頁、図7)
従来の外乱補償器を用いたステージ制御装置は、外乱推定器で推定した外乱推定値をそのまま補償値として用いると、外乱推定器にて推定した高周波雑音の影響で、トルク指令リップルが大きくなるので、制御対象の振動・騒音が発生する。そのため、外乱推定値をローパスフィルタ処理して、高周波雑音の影響を除去していた。しかしながら、ローパスフィルタを用いて高周波雑音を除去すると、トルク指令リップルが小さくなり制御対象の振動・騒音が小さくなる一方で、外乱抑圧を行うために必要な周波数成分も減衰してしまうため、外乱抑圧効果が減少するという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、外乱推定器により推定した信号の高周波雑音成分のみを除去し、外乱抑圧特性を高く設定してモータ制御の頑健性を維持して滑らかなトルク指令波形を生成すると共に、外乱抑圧効果を減少させることなくトルク指令リップルを小さくし、外乱抑圧特性を保持したまま制御対象の振動・騒音を小さくすることができるモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、速度指令およびモータの速度を検出する検出器による検出速度に基づいて制御入力信号を出力する速度制御器と、前記制御入力信号および前記検出速度に基づいてトルク指令を出力する外乱補償器と、前記トルク指令に基づいて前記モータに電力を供給する電流制御器と、を備え、前記速度指令に応じて前記モータを駆動するモータ制御装置において、前記外乱補償器が、前記トルク指令と前記検出速度に基づいて前記モータに加わる外乱を推定して推定外乱信号を算出する外乱推定部と、前記推定外乱信号を補正して補正推定外乱信号を算出する補正演算部と、前記制御入力信号から前記補正推定外乱信号を減じて前記トルク指令を算出する減算器と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明における前記補正演算部が、前記推定外乱信号の高周波成分を除去する第1高周波除去演算部と、前記第1高周波除去演算部の出力信号の変化量を算出する微分器と、前記微分器の出力信号を予め設定した閾値で制限して出力するリミッタと、前記微分器の出力信号から前記リミッタの出力信号を減じる減算器と、前記減算器の出力信号の高周波成分を除去する第2高周波除去演算部と、前記リミッタの出力信号と前記第2高周波除去演算部の出力信号とを加算した信号の積分演算を行い、補正推定外乱信号として出力する積分器と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明における前記補正演算部が、前記推定外乱信号の高周波成分を除去する第1高周波除去演算部と、前記第1高周波除去演算部の出力信号の高周波成分を除去する第2高周波除去演算部と、前記第1高周波除去演算部の出力信号の低周波成分を除去する低周波除去演算部と、前記低周波除去演算部の出力信号の高周波成分を除去する第3高周波除去演算部と、前記第2高周波除去演算部の出力信号と前記第3高周波除去演算部の出力信号とを加算して補正推定外乱信号として出力する加算器と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明における前記補正演算部が、前記推定外乱信号の高周波成分を除去する第1高周波除去演算部と、前記第1高周波除去演算部の出力信号の高周波成分を除去する第2高周波除去演算部と、前記第1高周波除去演算部の出力信号から前記第2高周波除去演算部の出力信号を減じる減算器と、前記減算器の出力信号の高周波成分を除去する第3高周波除去演算部と、前記第2高周波除去演算部の出力信号と前記第3高周波除去演算部の出力信号とを加算して補正推定外乱信号として出力する加算器と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、前記推定外乱信号の高周波成分を除去する第1高周波除去演算部と、前記第1高周波除去演算部の出力の変化量を算出する微分器と、前記微分器の出力に基づいて前記第1高周波除去演算部の出力にαの重み付けをする第1重み演算器と、前記第1高周波除去演算部の出力の高周波成分を除去する第2高周波除去演算部と、前記微分器の出力に基づいて前記第2高周波除去演算部の出力に(1−α)の重み付けをする第2重み演算器と、前記第1重み演算器の出力と前記第2重み演算器の出力とを加算する第1加算器と、前記第1高周波除去演算部の出力から前記加算器の出力を減じる減算器と、前記減算器の出力の高周波成分を除去する第3高周波除去演算部と、前記第1加算器の出力信号と第3高周波除去演算部の出力信号とを加算して補正推定外乱信号として出力する第2加算器と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5の発明における前記第1重み演算器の重み係数αが前記推定外乱信号の微分値の絶対値が大きいほど小さくなることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、モータの位置または速度を検出して検出速度を算出する検出器と、速度指令および前記検出速度に基づいて制御入力信号を出力する速度制御器と、前記トルク指令に基づいて前記モータに電力を供給する電流制御器と、を備えた、前記速度指令に応じて前記モータを駆動するモータ制御装置において、前記トルク指令と前記検出速度に基づいて、前記モータに加わる外乱を推定して推定外乱信号を算出し、前記推定外乱信号の高周波成分のみを除去した補正推定外乱信号を算出するように構成し、前記補正推定外乱信号を用いて前記モータを駆動することを特徴とするものである。
請求項1乃至請求項7記載の発明によると、推定外乱信号の高周波雑音の影響のみを除去して外乱補償を行うため、外乱抑圧特性を保持したままトルク指令リップルを小さくすることができるので、モータの騒音・振動を抑制することができる。
本発明の外乱補償器を用いたモータ制御装置の構成を示すブロック図 本発明のモータ制御装置における外乱推定部5の構成の一例を示すブロック図 本発明のモータ制御装置における補正演算部6の第1の構成を示す詳細なブロック図 本発明のモータ制御装置における補正演算部6の第2の構成を示す詳細なブロック図 本発明のモータ制御装置における補正演算部6の第3の構成を示す詳細なブロック図 本発明のモータ制御装置における補正演算部6の第4の構成を示す詳細なブロック図 モータの実慣性モーメント値が公称値と等しい場合に、外乱抑圧特性を低く設定した従来技術の外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合の速度応答およびトルク指令のシミュレーション波形 モータの実慣性モーメント値が公称値の30倍である場合に、外乱抑圧特性を低く設定した従来技術の外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合の速度応答およびトルク指令のシミュレーション波形 モータの実慣性モーメント値が公称値と等しい場合に、外乱抑圧特性を高く設定した従来技術の外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合の速度応答およびトルク指令のシミュレーション波形 モータの実慣性モーメント値が公称値の30倍である場合に、外乱抑圧特性を高く設定した従来技術の外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合の速度応答およびトルク指令のシミュレーション波形 モータの実慣性モーメント値が公称値と等しい場合に、本発明の実施例1における外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合の速度応答およびトルク指令のシミュレーション波形 モータの実慣性モーメント値が公称値の30倍である場合に、本発明の実施例1における外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合の速度応答およびトルク指令のシミュレーション波形 従来の外乱補償器を用いたステージ制御装置の構成を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の外乱補償器を用いたモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図において、1は制御対象(モータ)であり、2は制御対象1に取り付けた、制御対象1の位置または速度を検出して制御対象1の検出速度VSを算出する検出器となっている。3は速度制御器を表し、速度指令RSと、検出速度VSと、を入力することで速度指令RSと検出速度VSとの偏差を小さくするような制御入力信号CSを出力する。4は電流制御器を表し、モータの出力トルクがトルク指令TREFとなるように電流Iを出力する。20は外乱補償器を表し、外乱推定部5、補正演算部6、減算器30、で構成される。外乱推定部5は、トルク指令TREFと検出速度VSとを入力して推定外乱信号EDS1を生成する。補正演算部6は、外乱推定部5の出力する推定外乱信号EDS1を補正して、補正推定外乱信号EDS2を生成する。減算器30は、制御入力信号CSから補正推定外乱信号EDS2を減じることでトルク指令TREFを出力する。
すなわち、外乱補償器20は、外乱推定部5によって制御対象1に加わる外乱を推定し、補正演算部6によって推定外乱信号EDS1に補正を施して補正推定外乱信号EDS2を生成し、補正推定外乱信号EDS2を制御入力信号CSから減じることでトルク指令TREFを生成するものである。
なお、補正演算部6に単純なローパスフィルタを用いた場合、外乱補償器20は一般的に外乱オブザーバと呼ばれる構成になる。
推定外乱信号EDS1は、検出速度VSとトルク指令TREFから、式(1)により求めることができる。
EDS1=J・s・VS−TREF ・・・ (1)
ただし、Jはモータの慣性モーメント、sはラプラス演算子を表す。
図2は、外乱推定部5の構成の一例を示すブロック図であり、式(1)をブロック図にしたものである。図において、21は制御対象1の逆伝達関数モデル、22は減算器を表す。外乱推定部5は、推定外乱信号EDS1を求める1つの例であり、推定外乱信号EDS1を算出できるものであればよい。
図3は、補正演算部6の第1の構成を示すブロック図である。図において、61は第1高周波除去演算部、62は微分器、63はリミッタ、64は第2高周波除去演算部、65は積分器、66は減算器、67は加算器、を表す。
次に、補正演算部6の動作について説明する。第1高周波除去演算部61は、ローパスフィルタや移動平均フィルタなどの高周波成分を除去するフィルタで構成しており、推定外乱信号EDS1の高周波除去処理を行う。微分器62は、第1高周波除去演算部61の出力信号の変化量を算出する。リミッタ63は、あらかじめ設定した上下限値THで微分器62の出力信号にリミット処理を施す。減算器66は、微分器62の出力信号からリミッタ63の出力信号を減じて、第1高周波除去演算部61の出力信号の変化量のリミット超過分を算出する。第2高周波除去演算部64は、ローパスフィルタや移動平均フィルタなどの高周波成分を除去するフィルタで構成しており、減算器66の出力信号を第2高周波除去演算部64に入力することで、第1高周波除去演算部61の出力信号の変化量のリミット超過分にのみ高周波除去処理を施す。加算器67は、リミッタ63の出力信号と、第2高周波除去演算部64の出力信号と、を加算する。積分器65は、加算器67の出力信号を積分することで補正推定外乱信号EDS2を生成する。推定外乱信号EDS1の変化量のリミッタ超過分にのみ高周波除去処理がなされるので、リミッタ63の上下限値THを小さい値に設定するほど、補正推定外乱信号EDS2は、推定外乱信号EDS1をそのまま第2高周波除去演算部64で高周波除去処理を施した特性に近づく。第1高周波除去演算部61は、微分器62により増幅される高周波雑音成分を除去するためのものであるので、遮断周波数をおおよそサンプリング周波数の4分の1以上に設定する。第2高周波除去演算部64は、遮断周波数を低く設定するほどトルク指令リップルを低減できるが、一方で外乱抑圧特性は劣化する。
本発明が従来技術と異なる部分は、推定外乱信号EDS1の補正にローパスフィルタを用いるのではなく、推定外乱信号EDS1の高周波除去処理を施すべき成分のみに高周波除去処理を施し、補正推定外乱信号EDS2を出力する補正演算部6を備えた部分である。
図4は、補正演算部6の第2の構成を示すブロック図である。図において、61は第1高周波除去演算部、72は第2高周波除去演算部、73は低周波除去演算部、74は第3高周波除去演算部、75は加算器を表す。
次に、補正演算部6´の動作について説明する。第1高周波除去演算部61は、図3で示した第1高周波除去演算部61と同じもので、遮断周波数をおおよそサンプリング周波数の4分の1以上に設定して、推定外乱信号EDS1の高周波雑音成分を除去するフィルタである。第2高周波除去演算部72は、ローパスフィルタや移動平均フィルタなどの高周波成分を除去するフィルタで構成しており、第1高周波除去演算部61の出力信号の高周波成分を除去する。低周波除去演算部73は、ハイパスフィルタなどの低周波成分を除去するフィルタで構成しており、第1高周波除去演算部61の出力信号の高周波成分を抽出する。第3高周波除去演算部74は、ローパスフィルタや移動平均フィルタなどの高周波成分を除去するフィルタで構成しており、抽出された第1高周波除去演算部61の出力信号の高周波成分を除去する。加算器75は、第2高周波除去演算部72の出力信号と、第3高周波除去演算部74の出力信号と、を加算して補正推定外乱信号EDS2を生成する。第2高周波除去演算部72は、遮断周波数を低く設定するほどトルク指令リップルを低減できるが、一方で外乱抑圧特性は劣化する。低周波除去演算部72は、遮断周波数を第2高周波除去演算部72と同等程度に設定する。第3高周波除去演算部74は、遮断周波数を第2高周波除去演算部72の3〜5倍程度に設定する。
図5は、補正演算部6の第3の構成を示すブロック図である。図において、61は第1高周波除去演算部、82は第2高周波除去演算部、83は第3高周波除去演算部、84は減算器、85は加算器を表す。
次に、補正演算部6´´の動作について説明する。第1高周波除去演算部61は、図3で示した第1高周波除去演算部61と同じもので、遮断周波数をおおよそサンプリング周波数の4分の1以上に設定して、推定外乱信号EDS1の高周波雑音成分を除去するフィルタである。第2高周波除去演算部82は、ローパスフィルタや移動平均フィルタなどの高周波成分を除去するフィルタで構成しており、第1高周波除去演算部61の出力信号の高周波成分を除去する。減算器84は、第1高周波除去演算部61の出力信号から第2高周波除去演算部82の出力信号を減じることで、第1高周波除去演算部61の出力信号の高周波成分を抽出する。第3高周波除去演算部83は、ローパスフィルタや移動平均フィルタなどの高周波成分を除去するフィルタで構成しており、減算器84の出力信号である第1高周波除去演算部61の出力信号の高周波成分を除去処理する。加算器85は、第2高周波除去演算部82の出力信号と、第3高周波除去演算部83の出力信号とを加算して補正推定外乱信号EDS2を生成する。第2高周波除去演算部82は、遮断周波数を低く設定するほどトルク指令リップルを低減できるが、一方で外乱抑圧特性は劣化する。第3高周波除去演算部83は、遮断周波数を第2高周波除去演算部82の3〜5倍程度に設定する。
図6は、補正演算部6の第4の構成を示すブロック図である。図において、61は第1高周波除去演算部、92は第2高周波除去演算部、93は第3高周波除去演算部、94は微分器、95は第1重み演算器、96は第2重み演算器、97は第1加算器、98は減算器、99は第2加算器を表す。
次に、補正演算部6´´´の動作について説明する。第1高周波除去演算部61は、図3で示した第1高周波除去演算部61と同じもので、遮断周波数をおおよそサンプリング周波数の4分の1以上に設定して、推定外乱信号EDS1の高周波雑音成分を除去するフィルタである。第2高周波除去演算部92は、ローパスフィルタや移動平均フィルタなどの高周波成分を除去するフィルタで構成しており、第1高周波除去演算部91の出力信号の高周波成分を除去した信号を出力する。微分器94は、第1高周波除去演算部91の出力信号の変化量を算出する。第1重み演算器95は、微分器94の出力の絶対値の大きさに応じて重み係数αを第1高周波除去演算部61の出力信号に乗じる。重み係数αは0≦α≦1で規定される値であって、微分器94の出力信号の絶対値の大きさが大きいほど0に近い値、微分器94の出力の絶対値の大きさが小さいほど1に近い値となるように設定する。第2重み演算器96は、微分器94の出力の絶対値の大きさに応じて、重み係数(1−α)を第2高周波除去演算部92の出力信号に乗じる。第1加算器97は、第1重み演算器95の出力信号と、第2重み演算器96の出力信号と、を加算した信号を出力する。減算器98は、第1高周波除去演算部61の出力信号から第1加算器97の出力信号を減じることで、第1高周波除去演算部61の出力信号の高周波成分を抽出する。第3高周波除去演算部93は、ローパスフィルタや移動平均フィルタなどの高周波成分を除去するフィルタで構成しており、減算器98の出力信号である第1高周波除去演算部61の出力信号の高周波成分について高周波除去処理を施す。第2加算器99は、第1加算器97の出力信号と、第3高周波除去演算部93の出力信号と、を加算して補正推定外乱信号EDS2を生成する。重み係数αは0に近づくほど、第1加算器97の出力信号から高周波成分が除去されていき、トルク指令リップルを低減できるが、一方で外乱抑圧特性は劣化する。第2高周波除去演算部92は、遮断周波数を低く設定するほどトルク指令リップルを低減できるが、一方で外乱抑圧特性は劣化する。第3高周波除去演算部93は、遮断周波数を第2高周波除去演算部92の3〜5倍程度に設定する。
このように、推定外乱信号EDS1を低周波成分と高周波成分とに分離し、高周波成分にのみ高周波除去処理を施した後で、推定外乱信号EDS1の低周波成分にフィードバックするような構成をしているので、推定外乱信号EDS1の高周波成分に重点的に高周波除去処理を施し、推定外乱信号EDS1の高周波成分のみを除去した補正推定外乱信号EDS2を用いて外乱補償を行うので、外乱抑圧特性を損なうことなく高周波雑音を原因とするモータの振動・騒音を低減することができる。
ここで、本発明の実施例1に記載した構成が、前述した課題を解決できることを更に詳細に説明する。
モータに加わる外乱が小さい場合の想定として、モータの実慣性モーメント値が公称値と等しい場合について、また、モータに加わる外乱が大きい場合の想定として、モータの実慣性モーメント値が公称値の30倍である場合について、それぞれシミュレーションを実施した。
図7は、モータの実慣性モーメント値が公称値と等しい場合に、外乱抑圧特性を低く設定した従来の外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合、図8は、モータの実慣性モーメント値が公称値の30倍である場合に、外乱抑圧特性を低く設定した従来の外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合、図9は、モータの実慣性モーメント値が公称値と等しい場合に、外乱抑圧特性を高く設定した従来の外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合、図10は、モータの実慣性モーメント値が公称値の30倍である場合に、外乱抑圧特性を高く設定した従来の外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合、図11は、モータの実慣性モーメント値が公称値と等しい場合に、本発明の図3の補正演算を適用した外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合、図12は、モータの実慣性モーメント値が公称値の30倍である場合に、本発明の図3の補正演算を適用した外乱補償器を用いたモータ制御装置を用いた場合、の速度応答とトルク指令波形のシミュレーション応答波形である。
図10と図12とを比較すると、モータに加わる外乱が大きい場合、本発明を用いることで、従来技術(外乱抑圧特性を高く設定した場合)を用いた時と同等の外乱抑圧特性となっている。
一方で、図9と図11とを比較すると、モータに加わる外乱が小さい場合、本発明を用いることで、従来技術(外乱抑圧特性を高く設定した場合)を用いた時よりもトルク指令のばたつきが小さくなっており、それに起因するモータの騒音・振動が小さくなる。
また、図7と図11とを比較すると、モータに加わる外乱が小さい場合、本発明を用いることで、従来技術(外乱抑圧特性を低く設定した場合)を用いた時と同程度のトルク指令波形のばたつきとなっており、それに起因するモータの騒音・振動が同程度となる。
一方で、図8と図12とを比較すると、モータに加わる外乱が大きい場合、本発明を用いることで、従来技術(外乱抑圧特性を低く設定した場合)を用いた時よりも安定に動作しているので、外乱抑圧特性が高くなっている。
従って、本発明を用いることで、高い外乱抑圧特性を持たせたまま、トルク指令波形を滑らかにすることができる。また、実施例1においては、図3に示す構成の補正演算部を用いているが、図4、図5、図6に示す構成の補正演算部を用いた場合でも図3に示す構成の補正演算部を用いた場合と同様の効果が得られる。
1 制御対象(モータ)
2 検出器
3 速度制御器
4 電流制御器
5 外乱推定器
6 補正演算部
6´ 補正演算部
6´´ 補正演算部
6´´´ 補正演算部
20 外乱補償器
21 制御対象1の逆伝達関数モデル(Js)
22 減算器
30 減算器
61 第1高周波除去演算部
62 微分器
63 リミッタ
64 第2高周波除去演算部
65 積分器
66 減算器
67 加算器
72 第2高周波除去演算部
73 低周波除去演算部
74 第3高周波除去演算部
75 加算器
82 第2高周波除去演算部
83 第3高周波除去演算部
84 減算器
85 加算器
92 第2高周波除去演算部
93 第3高周波除去演算部
94 微分器
95 第1重み演算器
96 第2重み演算器
97 第1加算器
98 減算器
99 第2加算器
CS 制御入力信号
EDS1 推定外乱信号
EDS2 補正推定外乱信号
ETREF 推定入力トルク
I 電流
RS 速度指令
TREF トルク指令
VS 検出速度

Claims (7)

  1. モータの位置または速度を検出して検出速度を算出する検出器と、速度指令および前記検出速度に基づいて制御入力信号を出力する速度制御器と、前記制御入力信号および前記検出速度に基づいてトルク指令を出力する外乱補償器と、前記トルク指令に基づいて前記モータに電力を供給する電流制御器と、を備えた、前記速度指令に応じて前記モータを駆動するモータ制御装置において、
    前記外乱補償器が、前記トルク指令と前記検出速度に基づいて前記モータに加わる外乱を推定して推定外乱信号を算出する外乱推定部と、
    前記推定外乱信号を補正して補正推定外乱信号を算出する補正演算部と、
    前記制御入力信号から前記補正推定外乱信号を減じて前記トルク指令を算出する減算器と、を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記補正演算部は、前記推定外乱信号の高周波成分を除去する第1高周波除去演算部と、
    前記第1高周波除去演算部の出力信号の変化量を算出する微分器と、
    前記微分器の出力信号を予め設定した閾値で制限して出力するリミッタと、
    前記微分器の出力信号から前記リミッタの出力を減じる減算器と、
    前記減算器の出力信号の高周波成分を除去する第2高周波除去演算部と、
    前記リミッタの出力信号と前記第2高周波除去演算部の出力信号とを加算した信号の積分演算を行い、補正推定外乱信号として出力する積分器と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記補正演算部は、前記推定外乱信号の高周波成分を除去する第1高周波除去演算部と、
    前記第1高周波除去演算部の出力信号の高周波成分を除去する第2高周波除去演算部と、
    前記第1高周波除去演算部の出力信号の低周波成分を除去する低周波除去演算部と、
    前記低周波除去演算部の出力信号の高周波成分を除去する第3高周波除去演算部と、
    前記第2高周波除去演算部の出力信号と前記第3高周波除去演算部の出力信号とを加算して補正推定外乱信号として出力する加算器と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  4. 前記補正演算部は、前記推定外乱信号の高周波成分を除去する第1高周波除去演算部と、
    前記第1高周波除去演算部の出力信号の高周波成分を除去する第2高周波除去演算部と、
    前記第1高周波除去演算部の出力信号から前記第2高周波除去演算部の出力信号を減じる減算器と、
    前記減算器の出力信号の高周波成分を除去する第3高周波除去演算部と、
    前記第2高周波除去演算部の出力信号と前記第3高周波除去演算部の出力信号とを加算して補正推定外乱信号として出力する加算器と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  5. 前記補正演算部は、前記推定外乱信号の高周波成分を除去する第1高周波除去演算部と、
    前記第1高周波除去演算部の出力信号の変化量を算出する微分器と、
    前記微分器の出力信号に基づいて前記第1高周波除去演算部の出力にαの重み付けをする第1重み演算器と、
    前記第1高周波除去演算部の出力信号の高周波成分を除去する第2高周波除去演算部と、
    前記微分器の出力信号に基づいて前記第2高周波除去演算部の出力に(1−α)の重み付けをする第2重み演算器と、
    前記第1重み演算器の出力信号と前記第2重み演算器の出力信号とを加算する第1加算器と、
    前記第1高周波除去演算部の出力信号から前記第1加算器の出力信号を減じる減算器と、
    前記減算器の出力信号の高周波成分を除去する第3高周波除去演算部と、
    前記第1加算器の出力信号と第3高周波除去演算部の出力信号とを加算して補正推定外乱信号として出力する第2加算器と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  6. 前記第1重み演算器及び前記第2重み演算器は、前記第1重み演算器及び前記第2重み演算器の重み係数αが0≦α≦1となる範囲で変化して、前記微分器の絶対値出力が大きい時にはαが1に近づき、前記微分器の絶対値出力が小さい時にはαが0に近づくことを特徴とする請求項5記載のモータ制御装置。
  7. モータの位置または速度を検出して検出速度を算出する検出器と、速度指令および前記検出速度に基づいて制御入力信号を出力する速度制御器と、前記トルク指令に基づいて前記モータに電力を供給する電流制御器と、を備えた、前記速度指令に応じて前記モータを駆動するモータ制御装置において、
    前記トルク指令と前記検出速度に基づいて、前記モータに加わる外乱を推定して推定外乱信号を算出し、前記推定外乱信号の高周波成分のみを除去した補正推定外乱信号を算出するように構成し、
    前記補正推定外乱信号を用いて前記モータを駆動することを特徴とするモータ制御装置。
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