JP2010160978A - 高周波信号伝送システム、高周波信号伝送コネクタおよび高周波信号伝送ケーブル - Google Patents

高周波信号伝送システム、高周波信号伝送コネクタおよび高周波信号伝送ケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】高周波信号を利用した高速で大容量な信号伝送を実現することを可能とする高周波信号伝送システムを提供すること。
【解決手段】所定の周波数帯域の高周波信号を放射するアンテナと、所定の第1誘電率の材料で、前記アンテナを鋳込んで形成される第1誘電体と、を備える高周波信号伝送コネクタと、前記高周波信号伝送コネクタの前記第1誘電体の第1誘電率と略同一の第2誘電率の材料で形成される第2誘電体で構成される誘電体伝送路を備える、高周波信号伝送ケーブルと、を含み、前記高周波信号伝送コネクタと前記高周波信号伝送ケーブルとが接続されることにより、前記アンテナから放射された前記高周波信号が、前記第1誘電体を介して前記誘電体伝送路に伝送される高周波信号伝送路を形成する、高周波信号伝送システムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波信号伝送システム、高周波信号伝送コネクタおよび高周波信号伝送ケーブルに関する。
近年、高速・大容量の信号を伝送するために、電気信号を利用した伝送方式や光ファイバを用いた光伝送が一般的に利用されている。例えば、テレビジョン受像機やビデオレコーダなどの信号伝送用には、電気信号を利用したHDMI(High−Definition−Multimedia―Interface)ケーブルなどが利用されている。また、社会インフラにおいては光ファイバを用いた光通信が利用されている。また、特許文献1においては、高周波の電磁界を伝送する導波管を利用した伝送線路技術なども開示されている。
特開2008−28523号公報
しかし、電気信号を利用した伝送路の場合、高速化に対するインピーダンス不整合など、市場における課題も多いという問題があった。また、光ファイバを利用した光伝送技術を利用する場合、電気−光変換器のコスト高が原因となって、家庭内機器に広く普及させることが難しい。また、上記特許文献1に記載された高周波を利用した伝送技術を実用化するには、電子機器間で高速・大容量の信号を伝送することが可能なコネクタやケーブなどといった、実使用に適した伝送技術の開発が必要となる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、高周波信号を利用した高速で大容量の信号伝送を実現することが可能な、新規かつ改良された高周波信号伝送システム、高周波信号伝送コネクタおよび高周波信号伝送ケーブルを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、所定の周波数帯域の高周波信号を放射するアンテナと、所定の第1誘電率の材料で前記アンテナを鋳込んで形成される第1誘電体と、を備える高周波信号伝送コネクタと、前記高周波信号伝送コネクタの前記第1誘電体の第1誘電率と略同一の第2誘電率の材料で形成される第2誘電体で構成される誘電体伝送路を備える、高周波信号伝送ケーブルと、を含み、前記高周波信号伝送コネクタと前記高周波信号伝送ケーブルとが接続されることにより、前記アンテナから放射された前記高周波信号が、前記第1誘電体を介して前記誘電体伝送路に伝送される高周波信号伝送路を形成する、高周波信号伝送システムが提供される。
係る構成により、高周波信号伝送システムにおいては、高周波信号を放射するアンテナを取り囲む空間を第1誘電体で満たすことができる。また、第1誘電体の誘電率を、高周波信号伝送ケーブルの誘電体伝送路を構成する第2誘電体の誘電率と同じにすることにより、高周波信号伝送コネクタと高周波信号伝送ケーブルとの接合面において、高周波信号を減衰させることなく誘電体伝送路へ伝送させることができる。
また、前記高周波信号伝送コネクタの前記第1誘電体と、前記高周波信号伝送ケーブルの前記誘電体伝送路と、を緩衝材を介して接続し、前記緩衝材の誘電率を、前記第1誘電率および前記第2誘電率と略同一とすることもできる。
また、前記高周波信号伝送コネクタおよび前記高周波信号伝送ケーブルは、接続時に相互に嵌合される嵌合構造をさらに備え、前記高周波信号伝送コネクタおよび前記高周波信号伝送ケーブルの接続時に、前記嵌合構造を嵌合させることにより、前記第1誘電体および前記誘電体伝送路の接触面を位置決めしてもよい。
また、前記高周波信号伝送コネクタは、前記第1誘電体の所定の面に前記アンテナから放射された高周波信号を吸収する電波吸収部材をさらに備えることもできる。
また、前記高周波信号伝送コネクタが複数の前記アンテナおよび前記第1誘電体を備え、前記高周波信号伝送ケーブルが複数の前記誘電体伝送路を備えることにより、複数の前記高周波信号伝送路を形成することもできる。
また、前記高周波信号伝送コネクタおよび前記高周波信号ケーブルが電気信号の伝送経路をさらに備えることもできる。
また、前記高周波信号伝送コネクタおよび前記高周波信号ケーブルが光信号の伝送経路をさらに備えることもできる。
また、前記高周波信号を、周波数帯域が30GHz〜300GHzのミリ波とすることもできる。
また、前記第1誘電率および前記第2誘電率を、約2.2〜2.6とすることもできる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、所定の第3誘電率の材料で形成される第3誘電体で構成される誘電体伝送路を備える高周波信号伝送ケーブルと接続され、所定の周波数帯域の高周波信号を放射するアンテナと、前記第3誘電率と略同一の第4誘電率の材料で前記アンテナを鋳込んで形成される第4誘電体と、を備える高周波信号伝送コネクタが提供される。
また、前記誘電体伝送路と接触する前記第4誘電体の面に、前記第3誘電率および前記第4誘電率と略同一の誘電率の材料で形成される緩衝材をさらに備えることもできる。
また、前記高周波信号伝送ケーブルとの接続時において、前記高周波信号伝送ケーブルに備えられる嵌合構造と嵌合され、前記誘電体伝送路と接触する前記第4誘電体の位置決めを行う嵌合構造をさらに備えることもできる。
また、前記第4誘電体の所定の面に前記アンテナから放射された高周波信号を吸収する電波吸収部材をさらに備えることもできる。
また、前記アンテナを鋳込んで形成される前記第4誘電体を複数備えることもできる。
また、前記高周波信号を、周波数帯域が30GHz〜300GHzのミリ波とすることもできる。
また、前記第3誘電率および前記第4誘電率を、約2.2〜2.6とすることもできる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、所定の第5誘電率の材料で所定の周波数帯域の高周波信号を放射するアンテナを鋳込んで形成される第5誘電体を備える高周波信号伝送コネクタと接続され、前記第5誘電率と略同一の第6誘電率の材料で形成される第6誘電体で構成される誘電体伝送路を備える、高周波信号伝送ケーブルが提供される。
また、前記第5誘電体と接触する前記誘電体伝送路の面に、前記第5誘電率および前記第6誘電率と略同一の誘電率の材料で形成される緩衝材をさらに備えることもできる。
また、前記高周波信号伝送コネクタとの接続時において、前記高周波信号伝送コネクタに備えられる嵌合構造と嵌合され、前記第5誘電体と接触する前記誘電体伝送路の位置決めを行う嵌合構造をさらに備えることもできる。
また、前記第5誘電率および前記第6誘電率を、約2.2〜2.6とすることもできる。
以上説明したように本発明によれば、高周波信号を利用した高速で大容量の信号伝送を実現することが可能である。
本発明の実施形態の1つに係る高周波信号伝送システムの基本概略構成を示す説明図である。 変形例1の高周波信号伝送システムの概略構成を示す説明図である。 変形例2の高周波信号伝送システムにおいて、嵌合構造の概略構成を示す説明図である。 変形例2の高周波信号伝送システムにおいて、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300とが接合される際の様子を示す説明図である。 変形例3の高周波信号伝送システムにおける伝送コネクタ200の概略構成を示す説明図である。 変形例3の高周波信号伝送システムにおける伝送コネクタ200の別の概略構成を示す説明図である。 変形例3の高周波信号伝送システムにおける伝送コネクタ200の別の概略構成を示す説明図である。 変形例4の高周波信号伝送システムの概略構成を示す説明図である。 変形例5の高周波信号伝送システムの概略構成を示す説明図である。 変形例5の高周波信号伝送システムの別の概略構成を示す説明図である。 従来の電気信号の伝送方式による構成を概略的に示す説明図である。 従来の光信号の伝送方式による構成を概略的に示す説明図である。 従来の誘電体伝送路を利用したRF信号の伝送方式による構成を概略的に示す説明図である。 従来の誘電体伝送路を利用したRF信号の伝送方式において、アンテナから放射されたミリ波が誘電体に入力される概念を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本発明の実施形態の概要
2.高周波信号伝送システムの基本構成
3.変形例
3−1.変形例1(接合部に緩衝材を備えることにより伝送効率を向上させる例)
3−2.変形例2(接合部に嵌合構造を備えることにより伝送効率を向上させる例)
3−3.変形例3(伝送経路を複数備える高周波信号伝送ケーブル300の例)
3−4.変形例4(電波吸収部材214を備えることにより反射波を抑制する例)
3−5.変形例5(ICチップに記録されたデータを伝送する場合の例)
4.まとめ
<1.本発明の実施形態の概要>
まず、従来技術の問題点を明確にしたうえで、本発明の実施形態の1つに係る高周波信号伝送システムの概要について説明する。
近年、高速・大容量の信号を伝送するために、電気信号を利用した伝送方式や光ファイバを用いた光伝送が一般的に利用されている。図11は、電気信号の伝送技術方式を概略的に示した説明図である。図11に示すように、信号送出部12から送出された電気信号は、増幅器14などを介して伝送ケーブル16に伝送される。その後、伝送ケーブル16で伝送された電気信号は、等価器18などを介して信号受信部20へ伝送される。
このような電気信号の伝送技術方式を利用することにより、各種電気機器間で電気信号を伝送することができる。近年では、音声・映像・制御信号などを双方向に伝送させることができるHDMI(High−Definition−Multimedia―Interface)コネクタ・ケーブルなどが広く利用されている。しかしながら、高速化に対するインピーダンス不整合などといった問題もあり、高速で大容量の信号を伝送する伝送技術としては課題も多い。
図12は、光信号の伝送技術方式を概略的に示した説明図である。図12に示すように、光信号を利用した信号伝送方式の場合、信号送出部22から送出された電気信号は、電気−光変換器24により光信号に変換された後、光ケーブル26を介して伝送される。その後、光ケーブル26で伝送された光信号は、光−電気変換器28により電気信号へ変換された後に、信号受信部30へ伝送される。
このような光信号の伝送技術方式を利用した光通信により、大容量のデータを高速で伝送することができる。しかしながら、電気−光変換器24や光−電気変換器28のコストが高いため、光通信は、社会インフラにおいては広く利用されるが、家庭内機器には広く普及されていないといった問題がある。
そこで、本願発明者は、上記問題点を解決するために鋭意研究を行い、高周波(RF:Radio Frequency)信号を利用することにより高速で大容量の信号を伝送可能なコネクタおよびケーブルからなる信号伝送システムに想到した。特に、数十GHz帯域のいわゆるミリ波と呼ばれるRF信号は、導波管や誘電体の伝送路を容易に通過するという特性がある。したがって、高周波信号の中でもミリ波を利用することにより、より高速で大容量な信号伝送方式を実現することができる。
ここで、「ミリ波」とは、波長10mm〜1mm、周波数30GHz〜300GHzの電磁波である。携帯電話などで通信に用いられている周波数は、およそ1.7GHzから2GHz程度である。ミリ波は、その数十倍から数百倍の周波数をもっている。このため、現在の無線LAN規格で用いられている帯域などよりもはるかに広い帯域を使用することが可能である。例えば、短距離通信であれば1Gbpsを超えるような超高速の無線通信を行うこともできる。
図13は、誘電体伝送路を用いてRF信号を伝送させる場合の一般的な概略構成を示す説明図である。図13に示すように、信号送出部32から送出された電気信号は、RF変換器34によりミリ波帯のRF信号(以下、ミリ波という)に変換される。その後、ミリ波は、誘電体からなる誘電体伝送ケーブル36で伝送された後、RF変換器34によりミリ波のRF信号からもとの電気信号に復調されて信号受信部38へ伝送される。
ここで、図14は、ミリ波の一部が誘電体伝送ケーブル36へ入射される概念を示す説明図である。図14に示すように、RF変換器34は主に、電気信号をミリ波に変調するRF変調部40と、ミリ波を増幅させるRF出力部42と、ミリ波を放射させるアンテナ44と、を含んで構成される。信号線43を介してRF出力部42と接続されるアンテナ44から放射されたミリ波は、誘電体伝送ケーブル36の入射面に到達する。このとき、アンテナ44の周囲の空間の誘電率εと、誘電体伝送ケーブル36の誘電率εと、が異なるため、誘電体伝送ケーブル36の入射面においてミリ波が界面反射される。また、誘電体伝送ケーブル36の出射面においても同様の現象が発生する。このような現象は、フレネル(Fresnel)の式により示される現象として知られている。
また、ある誘電率の第1の誘電体から、別の誘電率の第2の誘電体へミリ波が垂直入射する場合であっても、誘電体の界面においてミリ波の反射が発生する。このときのミリ波の反射率および透過率は、以下の式(1)および式(2)で算出される。
Figure 2010160978
Figure 2010160978
ここで、ε1は、第1の誘電体の誘電率であり、ε2は、第2の誘電体の誘電率である。また、μ1は、第1の誘電体の被透磁率であり、μ2は、第2の誘電体の比透磁率である。一般に、プラスチックなどの樹脂材料の場合、比透磁率は約1であるため、上記反射率および透過率の算出式(1)及び式(2)は、以下の式(3)および式(4)のように簡略化して算出される。
Figure 2010160978
Figure 2010160978
上記式(3)および(4)により、例えば、ある空間から誘電体にミリ波が垂直入射する場合の反射率および透過率について検討する。ここで、空気の比誘電率は約1であるため、ε1=1と仮定する。また、第2の誘電体の誘電率をとして樹脂材料を仮定して、ε2=3と仮定する。この場合、上記式(3)より、反射率は約7%となり、透過率は約93%となる。すなわち、アンテナ40から放射されたミリ波が誘電体伝送ケーブル36の入射面に垂直入射した場合であっても、約7%は反射されることを意味する。
本発明の実施形態に係る高周波信号伝送システムを構成する高周波信号伝送コネクタ200および高周波信号伝送ケーブル300は、このような問題点を解消することができる。以下、本実施形態に係る高周波信号伝送システムの詳細について説明する。
<2.高周波信号伝送システムの基本構成>
図1は、本実施形態に係る高周波信号伝送システムの基本概略構成を示す説明図である。図1に示すように、高周波信号伝送システムは、高周波信号伝送コネクタ200(以下、伝送コネクタ200ともいう)と、高周波信号伝送ケーブル300(以下、伝送ケーブル300ともいう)と、が接続されることにより、高周波信号を伝送することができる。なお、図1に示す説明図では、説明の便宜上、高周波信号を送出する側の伝送コネクタ200のみが示されているが、伝送ケーブル300における伝送信号の出射側においても同様の伝送コネクタ200が構成されている。
図1に示すように、伝送コネクタ200内には、信号送出部32から送出された電気信号をミリ波に変調するRF変調部202と、ミリ波を増幅させるRF出力部203と、信号線43を介してRF出力部203と接続されるアンテナ204と、が備えられている。また、アンテナ204は、図1に示すように、所定の誘電率εの第1誘電体206に鋳込まれて構成されている。すなわち、アンテナ204を取り巻く空間が、誘電率εの第1誘電体206で満たされていることとなる。なお、アンテナ204は、誘電体206の誘電率εや、要求される仕様に応じて設計されるものであり、特定の形状や大きさに限定されるものではない。
また、本実施形態に係る高周波信号伝送ケーブル300は、ミリ波を伝送する誘電体伝送路302を備えている。さらに、誘電体伝送路302を形成する誘電体は、上記伝送コネクタ200の誘電体206の誘電率εと同じ誘電率の材料で形成されている。
伝送コネクタ200と伝送ケーブル300とが接合された場合、同じ誘電率εの誘電体206および誘電体伝送路302が密着することとなる。この結果、アンテナ204から放射されたミリ波は、誘電体206および誘電体伝送路302で形成される高周波信号伝送路を伝送することとなる。すなわち、アンテナ204から放射されたミリ波は、誘電率εの誘電体206を介して、誘電率εの誘電体伝送路302へ入射される。このとき、誘電体206と誘電体伝送路302の誘電率が同じであるため、誘電体206と誘電体伝送路302との接触面における界面反射を防止することができる。
以上のように、アンテナ204が鋳込まれた誘電体206、および伝送ケーブル300の誘電体伝送路302を構成する誘電体の誘電率を同じにすることにより、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接合部におけるミリ波の入力信号の減衰を抑制できる。また、伝送ケーブル300の出射面においても同様の効果が得られる。伝送ケーブル300の出射側にも同様の伝送ケーブル300が接続される。この結果、伝送ケーブル300の出射側は、同じ誘電率εの誘電体206および誘電体伝送路302が密着することとなる。すなわち、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302で伝送されたミリ波は、誘電体伝送路302と同じ誘電率εの誘電体206へ入射される。これにより、伝送ケーブル300の出射側と伝送コネクタ200との接合部におけるミリ波の入力信号の減衰を抑制できる。
なお、伝送ケーブル300における伝送効率を考慮した場合、誘電体206および誘電体伝送路302を構成する誘電体を、ポリプロピレン系の材料で形成することが好ましい。ポリプロピレン系の材料の場合、誘電体損失が0.01〜0.001であるため、伝送損失が低い伝送路を実現することができるためである。この場合、誘電率εは、約2.2〜2.6となる。もちろん、誘電体206および誘電体伝送路302を構成する誘電体を形成する材料や誘電率εはこれらに限定されるものではない。例えば、要求される仕様や価格などに応じて種々の材料や誘電率の誘電体を利用することも当然に可能である。
このように、本実施形態に係る高周波信号伝送コネクタ200では、ミリ波を放射するアンテナ204が誘電体206に鋳込まれているため、アンテナ204を取り囲む空間を誘電体206で満たすことができる。また、誘電体206の誘電率を、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302を構成する誘電体の誘電率と同じにすることにより、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接合面におけるミリ波の界面反射を防止することができる。すなわち、本実施形態に係る高周波信号伝送システムにおいては、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300の接合面におけるミリ波の減衰を抑制することができる。この結果、本実施形態に係る高周波信号伝送システムを利用することにより、高周波信号を利用した高速で大容量の信号伝送を実現することが可能となる。
<3.変形例>
本実施形態に係る高周波信号伝送システムは、伝送コネクタ200のアンテナ204を鋳込んだ誘電体206と、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302を構成する誘電体と、の誘電率を同一にすることで、上記特徴を有することができる。ここで、本実施形態に係る高周波信号伝送システムは、上記構成に加えて、さらに種々の構成を備えることにより、上記特徴を有した上で、より高速で大容量の信号を伝送することも可能である。以下、上記実施形態に係る高周波信号伝送システムにおける信号伝送効率をさらに向上させることが可能な変形例について説明する。
[3−1.変形例1(接合部に緩衝材を備えることにより伝送効率を向上させる例)]
上述したように、本実施形態に係る高周波信号伝送システムでは、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接合面におけるミリ波の減衰を抑制することができる。ここで、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接合面におけるミリ波の減衰をさらに抑制するには、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接着面の密着性がより高い方が望ましい。そこで、変形例1の高周波信号伝送システムは、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接合面の密着性を向上させることにより、信号伝送効率をさらに向上させることを可能とする。
図2は、変形例1の高周波信号伝送システムの概略構成を示す説明図である。図2に示すように、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接合面には、緩衝材400が設けられる。緩衝材400は、伝送コネクタ200の誘電体206と、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302と、の接合面の密着性を向上させることを目的として備えられる。したがって、緩衝材400は、伝送コネクタ200の誘電体206と、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302と、の接合面の隙間を埋めることが可能な弾性体で形成されることが望ましい。
また、アンテナ204から放射されたミリ波は、伝送コネクタ200の誘電体206から、緩衝材400を介して、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302へ入射される。よって、伝送コネクタ200の誘電体206と、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302と、の接合面におけるミリ波の減衰を抑制するために、緩衝材400は、誘電体206および誘電体伝送路302を構成する誘電体の誘電率と同じ誘電率の材料で形成される。
例えば、緩衝材400は、伝送コネクタ200の誘電体206および伝送ケーブル300の誘電体伝送路302を構成する誘電体と同様に、誘電率εが2.2〜2.6のポリプロピレン系の材料で形成されてもよい。もちろん、緩衝材400を形成する材料や誘電率εはこれらに限定されるものではない。すなわち、要求される仕様や価格などに応じて決定される誘電体206および誘電体伝送路302を構成する誘電体の材質や誘電率に応じて適切な緩衝材400を適用することができる。
また、緩衝材400は、伝送コネクタ200の誘電体206に備えられても、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302に備えられても、誘電体206および誘電体伝送路302の両方に備えられてもよい。
以上のように、変形例1の高周波信号伝送システムでは、伝送コネクタ200の誘電体206および伝送ケーブル300の誘電体伝送路302が、緩衝材400を介して接合される。これにより、伝送コネクタ200の誘電体206と、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302との接合面の密着性を向上させることができる。また、緩衝材400の誘電率を、伝送コネクタ200の誘電体206および伝送ケーブル300の誘電体伝送路302を構成する誘電体の誘電率と略同一にすることにより、接合面におけるミリ波の減衰を抑制することもできる。この結果、変形例1の高周波信号伝送システムを利用することにより、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300間のミリ波の伝送効率を向上させることができ、高速で大容量の信号を伝送することが可能となる。
[3−2.変形例2(接合部に嵌合構造を備えることにより伝送効率を向上させる例)]
上記変形例1の高周波信号伝送システムでは、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300を、緩衝材400を介して接合させることにより、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接合面の密着性を向上させた。ここで、誘電体206と誘電体伝送路302との密着性を向上させることができても、接合時における誘電体206および誘電体伝送路302の位置精度が悪ければ伝送効率が低下してしまうおそれがある。そこで、変形例2の高周波信号伝送システムでは、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300が嵌合構造を備えることにより、接合時における誘電体206および誘電体伝送路の位置精度を向上させ、信号伝送効率をさらに向上させることを可能とする。
図3は、変形例2の高周波信号伝送システムにおいて、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300に備えられる嵌合構造の概略構成を示す説明図である。図3に示すように、伝送コネクタ200には第1嵌合部210が形成され、伝送ケーブル300には第2嵌合部304が形成されている。
図4は、変形例2の高周波信号伝送システムにおいて、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300とが接合される際の様子を示す説明図である。図4に示すように、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300とが接続される際には、第1嵌合部210と第2嵌合部304が勘合される。このように、第1嵌合部210と第2嵌合部304とを嵌合させることにより、誘電体206および誘電体伝送路302が精度良く密着することができる。この結果、伝送コネクタ200から伝送ケーブル300へ伝送するミリ波の伝送効率をより向上させることができる。
なお、第1嵌合部210および第2嵌合部304は、特定の形状や大きさに限定されるものではない。すなわち、第1嵌合部210および第2嵌合部304は、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300が接合される際に相互に嵌合され、誘電体206および誘電体伝送路302を位置決めすることができるものであればよい。例えば、図3および図4に示したように、第1嵌合部210および第2嵌合部304を開口面積の異なるフランジ形状とすることにより、第1嵌合部210および第2嵌合部304を相互に嵌合させることができる。したがって、第1嵌合部210および第2嵌合部304は、相互に勘合されることにより誘電体206と誘電体伝送路302とを精度良く密着させることができれば、特定の形状や大きさに限定されるものではない。
以上のように、変形例2の高周波信号伝送システムでは、第1嵌合部210および第2嵌合部304が勘合されることにより、伝送コネクタ200の誘電体206および伝送ケーブル300の誘電体伝送路302を正確な位置で密着させることができる。これにより、伝送コネクタ200の誘電体206と、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302との接合面におけるミリ波の減衰を抑制することもできる。この結果、変形例2の高周波信号伝送システムを利用することにより、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300間のミリ波の伝送効率を向上させることができ、高速で大容量の信号を伝送することが可能となる。なお、変形例2の伝送コネクタ200および/または伝送ケーブル300に、上記変形例1で説明した緩衝材400を備えさせることも当然に可能である。これにより、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300間のミリ波の伝送効率をより向上させることができる。
[3−3.変形例3(伝送経路を複数備える高周波信号伝送ケーブル300の例)]
上記実施形態では、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300ともに、1の高周波信号伝送路を備える例について説明した。以下に説明する変形例3の高周波信号伝送システムは、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300が複数の高周波信号伝送路を備えることにより、伝送するデータの容量を増加させることを可能とする。
図5は、変形例3の高周波信号伝送システムにおける伝送コネクタ200の概略構成を示す説明図である。図5に示すように、伝送コネクタ200は、2つの誘電体206aおよび206bを備えている。また、各誘電体206aおよび206bには、それぞれミリ波を放射するアンテナ204が鋳込まれている。
また、図5では伝送コネクタ200のみを示したが、伝送コネクタ200と接続される伝送ケーブル300も同様に2つの誘電体伝送路302を備えている。すなわち、図5に示す高周波信号伝送システムは、2つの高周波信号伝送路を利用することにより、データの転送容量を増加させることができる。
また、伝送コネクタ200が備える誘電体206の数は、2つに限定されるものではない。図6は、変形例3の高周波信号伝送システムにおける伝送コネクタ200の別の概略構成を示す説明図である。図6に示す例では、伝送コネクタ200は、4つの誘電体206a、206b、206cおよび206dを備えている。また、各誘電体206a、206b、206cおよび206dには、それぞれミリ波を放射するアンテナ204が鋳込まれている。
すなわち、図6に示す高周波信号伝送システムは、4つの高周波信号伝送路を利用することにより、図5に示した高周波信号伝送システムよりも、データの転送容量をさらに増加させることができる。このように、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300に備えられる高周波信号伝送路の数は特定の数に限定されるものではない。すなわち、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300の誘電体の誘電率を略同一とし、伝送コネクタ200の誘電体206にアンテナ204を鋳込んだ構造であれば良く、高周波信号伝送路の数は、要求される仕様や価格などに応じて適宜選択することができる。
また、変形例3の高周波信号伝送システムは、従来の電気信号の伝送経路を併用することもできる。図7は、変形例3の高周波信号伝送システムにおける伝送コネクタ200の別の概略構成を示す説明図である。図7に示す例では、伝送コネクタ200は、2つの誘電体206aおよび206bを備えている。また、各誘電体206aおよび206bには、それぞれミリ波を放射するアンテナ204が鋳込まれている。さらに、伝送コネクタ200は、電気信号の伝送用端子212を備えている。
また、図7では伝送コネクタ200のみを示したが、伝送コネクタ200と接続される伝送ケーブル300も同様に2つの誘電体から形成された伝送路を備えている。さらに、伝送ケーブル300は、伝送コネクタ200の電気信号の伝送用端子212と接続される電気信号の伝送用経路を備えている。すなわち、図7に示す高周波信号伝送システムは、2つの誘電体伝送路とともに従来の電気信号伝送路を利用することにより、データの転送容量を増加させるとともに、転送するデータの種類や容量に応じて伝送方式を選択することもできる。
なお、図7に示した電気信号の伝送用端子212は、変形例3の特徴の1つを説明する上での一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、伝送用端子212の形状、ピン数、伝送端子の規格などは特定のものに限定されるものではない。また、変形例3の高周波信号伝送システムは、電気信号の伝送方式のみでなく、例えば、光信号の通信経路を併用することも可能である。
以上のように、変形例3の高周波信号伝送システムは、上記実施形態で説明した高周波信号伝送路を複数備えることにより、伝送するデータ容量を増加させることができる。また、変形例3の高周波信号伝送システムは、上記実施形態で説明した高周波信号伝送路による高周波信号の伝送に加えて、従来の電気信号の伝送方式等も併用することもできる。これにより、データの転送容量を増加させるとともに、転送するデータの種類や容量に応じて伝送方式を選択することもできる。この結果、変形例3の高周波信号伝送システムを利用することにより、高周波信号を利用した高速で大容量の信号伝送を実現することが可能となる。
[3−4.変形例4(電波吸収部材214を備えることにより反射波を抑制する例)]
上述したように、本実施形態に係る高周波信号伝送システムでは、アンテナ204から放射されたミリ波が、伝送コネクタ200の誘電体206を介して伝送ケーブル300の誘電体伝送路302へ入射する。しかし、通常アンテナ204から放射されたミリ波は、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302に直接入射するものばかりでなく、伝送コネクタ200の誘電体206の所定の面で反射された後に伝送ケーブル300の誘電体伝送路302に入射するものもある。このような反射波は、いわゆるゴースト現象などといった問題の原因となるおそれがあり、データの転送品質上好ましくない。変形例4の高周波信号伝送システムは、このような問題点を解消することができる。具体的には、変形例4の高周波信号伝送システムでは、伝送コネクタ200が誘電体206の所定の面に電波吸収部材214を備えることにより、反射波による伝送品質の低下を抑制することを可能とする。
図8は、変形例4の高周波信号伝送システムの概略構成を示す説明図である。図8に示すように、伝送コネクタ200は、誘電体206の一面に電波吸収部材214を備えている。なお、電波吸収部材214は、例えば、フェライト系の磁性材料や、ポリエーテルなどの高分子材料などを用いることができるが、アンテナ204から放射されたミリ波の吸収が可能なものであれば、特定の材料に限定されるものではない。
図8に示したような構成により、アンテナ204から放射されたミリ波のうち、電波吸収部材214の方向へ放射されたミリ波は、電波吸収部材214に吸収される。すなわち、電波吸収部材214が備えられた面におけるミリ波の反射を防止することができる。この結果、反射波の影響で発生するゴースト現象などを軽減することができ、伝送品質の低下を抑制することが可能である。
なお、図8に示した高周波信号伝送システムの構成は、変形例4の特徴の1つを説明する上での一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電波吸収部材214は、誘電体206の複数の面に備えられてもよく、電波吸収部材214の大きさや位置は、図8に示した例に限定されるものではない。
[3−5.変形例5(ICチップ500に記録されたデータを伝送する場合の例)]
上記実施形態で説明した高周波信号伝送システムの伝送コネクタ200は、上記実施形態を説明する上での一例であり、伝送コネクタ200の構成や形状等は、伝送するデータの容量や接続される電子機器の種類などに応じて種々の応用が可能である。以下では、ICチップに記録されたデータの転送に応用することが可能な、変形例5の高周波信号伝送システムについて説明する。
図9は、変形例5の高周波信号伝送システムの概略構成を示す説明図である。なお、図9は、ICチップ500に記録されているデータを、誘電体を介して別の電子機器などに伝送する場合の高周波信号伝送システムの構成例である。
図9に示すように、アンテナ204は、配線基板504上に備えられるICチップ500上に設置されている。また、ICチップ500およびアンテナ204は、ICパッケージ502に埋め込まれている。ICパッケージ502は、例えば、樹脂材料などから形成され、モールディング加工によりICチップ500およびアンテナ204を内包することができる。また、ICパッケージ502には、所定の誘電率の誘電体で形成された誘電体伝送路506が接続されている。この誘電体伝送路506は、伝送コネクタ200まで伸びて形成され、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接続時においては、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302と接触される。
ここで、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302の誘電率と、伝送コネクタ200の誘電体伝送路506の誘電率と、ICパッケージ502の誘電率と、を略同一にすることにより、アンテナ204から放射されたミリ波を効率よく伝送することができる。すなわち、ICパッケージ502の誘電率と誘電体伝送路506の誘電率が略同一であるため、ICパッケージ502と誘電体伝送路506との接触面におけるミリ波の減衰を抑制することができる。また、誘電体伝送路506と伝送ケーブル300の誘電体伝送路302との接触面においても同様にミリ波の減衰を抑制することができる。この結果、図9に示した変形例5の高周波信号伝送システムを利用することにより、ICチップ500に記録されている大容量のデータを、ミリ波を利用して高速で効率よく伝送することが可能となる。
図10は、ICチップ500に記録されているデータを、誘電体を介して別の電子機器などに伝送する場合の高周波信号伝送システムの別の概略構成を示す説明図である。
図10に示す例では、配線基板504上に備えられるICチップ500が、ICパッケージ502に埋め込まれている。また、アンテナ204は、配線基板504上に設置され、誘電体伝送路506に鋳込まれている。係る構成により、アンテナ204から放射されたミリ波は、誘電体伝送路506を伝送された後、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302へ伝送される。ここで、上記例と同様に、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302の誘電率と、伝送コネクタ200の誘電体伝送路506の誘電率と、を略同一にすることにより、アンテナ204から放射されたミリ波を効率よく伝送することができる。すなわち、誘電体伝送路506と伝送ケーブル300の誘電体伝送路302との接触面におけるミリ波の減衰を抑制することができる。この結果、図10に示した変形例5の高周波信号伝送システムを利用することにより、ICチップ500に記録されている大容量のデータを、ミリ波を利用して高速で効率よく伝送することが可能となる。
<4.まとめ>
以上説明したように、本実施形態に係る高周波信号伝送システムでは、伝送コネクタ200に備えられるアンテナ204が誘電体206に鋳込まれている。また、当該誘電体206の誘電率と、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302を構成する誘電体の誘電率が略同一として構成されている。これにより、アンテナ204から放射されたミリ波が、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接触面において減衰することを抑制することができる。また、本実施形態に係る高周波信号伝送システムでは、伝送コネクタ200の誘電体206と、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302と、の接触面に緩衝材400を備えることもできる。これにより、伝送コネクタ200の誘電体206と、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302と、が緩衝材400を介して接続されるため、誘電体206と誘電体伝送路302との密着性を向上させることもできる。また、緩衝材400の誘電率を、誘電体206および誘電体伝送路302を構成する誘電体の誘電率と略同一とすることにより、誘電体206と誘電体伝送路302との接触面におけるミリ波の減衰を抑制することもできる。また、本実施形態に係る高周波信号伝送システムでは、伝送コネクタ200および伝送ケーブル300がそれぞれ嵌合構造を備えることもできる。これにより、伝送コネクタ200と伝送ケーブル300との接続時における誘電体206および誘電体伝送路302の接触位置の精度をより向上させることもできる。また、本実施形態に係る高周波信号伝送システムでは、伝送コネクタ200の誘電体206の所定の面に電波吸収部材214を備えることもできる。これにより、アンテナ204から放射されたミリ波の反射を抑制することができ、データの伝送品質を向上させることもできる。以上のように、本実施形態に係る高周波信号伝送システムは、高周波信号を利用した高速で大容量の信号伝送を実現することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、高周波信号の一例として周波数帯域が30GHz〜300GHzのミリ波を中心に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記構成による高周波信号伝送システムを利用することで、他の周波数帯域の高周波信号を伝送することもできる。もちろん、高周波信号の周波数帯域や、当該高周波信号を放射するアンテナの特性や仕様などは、伝送システムに要求されるデータの転送容量、転送速度、品質、コストなどに応じて適宜選択されるものである。
また、上記実施形態における誘電体の材質、誘電率、形状、大きさ等は上記例に限定されるものではない。すなわち、伝送コネクタ200の誘電体206の誘電率と、伝送ケーブル300の誘電体伝送路302を構成する誘電体の誘電率と、を略同一とすることで、誘電体206と誘電体伝送路302との接触面における信号減衰を抑制させることができれば、特定の誘電率に限定されるものではない。
200 伝送コネクタ
202 RF変調部
203 RF出力部
204 アンテナ
205 信号線
206 誘電体
210 嵌合部
212 電気信号の伝送用端子
214 電波吸収部材
300 伝送ケーブル
302 誘電体伝送路
304 嵌合部
400 緩衝材
500 ICチップ
502 ICパッケージ
504 配線基板
506 誘電体伝送路

Claims (20)

  1. 所定の周波数帯域の高周波信号を放射するアンテナと、
    所定の第1誘電率の材料で前記アンテナを鋳込んで形成される第1誘電体と、
    を備える高周波信号伝送コネクタと;
    前記高周波信号伝送コネクタの前記第1誘電体の第1誘電率と略同一の第2誘電率の材料で形成される第2誘電体で構成される誘電体伝送路を備える、高周波信号伝送ケーブルと;
    を含み、
    前記高周波信号伝送コネクタと前記高周波信号伝送ケーブルとが接続されることにより、前記アンテナから放射された前記高周波信号が、前記第1誘電体を介して前記誘電体伝送路に伝送される高周波信号伝送路を形成する、高周波信号伝送システム。
  2. 前記高周波信号伝送コネクタの前記第1誘電体と、前記高周波信号伝送ケーブルの前記誘電体伝送路と、を緩衝材を介して接続し、
    前記緩衝材の誘電率は、前記第1誘電率および前記第2誘電率と略同一である、請求項1に記載の高周波信号伝送システム。
  3. 前記高周波信号伝送コネクタおよび前記高周波信号伝送ケーブルは、接続時に相互に嵌合される嵌合構造をさらに備え、
    前記高周波信号伝送コネクタおよび前記高周波信号伝送ケーブルの接続時に、前記嵌合構造が嵌合されることにより、前記第1誘電体および前記誘電体伝送路の接触面が位置決めされる、請求項2に記載の高周波信号伝送システム。
  4. 前記高周波信号伝送コネクタは、前記第1誘電体の所定の面に前記アンテナから放射された高周波信号を吸収する電波吸収部材をさらに備える、請求項3に記載の高周波信号伝送システム。
  5. 前記高周波信号伝送コネクタが複数の前記アンテナおよび前記第1誘電体を備え、前記高周波信号伝送ケーブルが複数の前記誘電体伝送路を備えることにより、複数の前記高周波信号伝送路を形成する、請求項1〜4のいずれかに記載の高周波信号伝送システム。
  6. 前記高周波信号伝送コネクタおよび前記高周波信号ケーブルが電気信号の伝送経路をさらに備える、請求項5に記載の高周波信号伝送システム。
  7. 前記高周波信号伝送コネクタおよび前記高周波信号ケーブルが光信号の伝送経路をさらに備える、請求項5に記載の高周波信号伝送システム。
  8. 前記高周波信号は、周波数帯域が30GHz〜300GHzのミリ波である、請求項1〜7のいずれかに記載の高周波信号伝送システム。
  9. 前記第1誘電率および前記第2誘電率は、約2.2〜2.6である、請求項8に記載の高周波信号伝送システム。
  10. 所定の第3誘電率の材料で形成される第3誘電体で構成される誘電体伝送路を備える高周波信号伝送ケーブルと接続され、
    所定の周波数帯域の高周波信号を放射するアンテナと、
    前記第3誘電率と略同一の第4誘電率の材料で前記アンテナを鋳込んで形成される第4誘電体と、
    を備える高周波信号伝送コネクタ。
  11. 前記誘電体伝送路と接触する前記第4誘電体の面に、前記第3誘電率および前記第4誘電率と略同一の誘電率の材料で形成される緩衝材をさらに備える、請求項10に記載の高周波信号伝送コネクタ。
  12. 前記高周波信号伝送ケーブルとの接続時において、前記高周波信号伝送ケーブルに備えられる嵌合構造と嵌合され、前記誘電体伝送路と接触する前記第4誘電体の位置決めを行う嵌合構造をさらに備える、請求項11に記載の高周波信号伝送コネクタ。
  13. 前記第4誘電体の所定の面に前記アンテナから放射された高周波信号を吸収する電波吸収部材をさらに備える、請求項12に記載の高周波信号伝送コネクタ。
  14. 前記アンテナを鋳込んで形成される前記第4誘電体を複数備える、請求項10〜13のいずれかに記載の高周波信号伝送コネクタ。
  15. 前記高周波信号は、周波数帯域が30GHz〜300GHzのミリ波である、請求項10〜14のいずれかに記載の高周波信号伝送コネクタ。
  16. 前記第3誘電率および前記第4誘電率は、約2.2〜2.6である、請求項15に記載の高周波信号伝送コネクタ。
  17. 所定の第5誘電率の材料で所定の周波数帯域の高周波信号を放射するアンテナを鋳込んで形成される第5誘電体を備える高周波信号伝送コネクタと接続され、
    前記第5誘電率と略同一の第6誘電率の材料で形成される第6誘電体で構成される誘電体伝送路を備える、高周波信号伝送ケーブル。
  18. 前記第5誘電体と接触する前記誘電体伝送路の面に、前記第5誘電率および前記第6誘電率と略同一の誘電率の材料で形成される緩衝材をさらに備える、請求項17に記載の高周波信号伝送ケーブル。
  19. 前記高周波信号伝送コネクタとの接続時において、前記高周波信号伝送コネクタに備えられる嵌合構造と嵌合され、前記第5誘電体と接触する前記誘電体伝送路の位置決めを行う嵌合構造をさらに備える、請求項18に記載の高周波信号伝送ケーブル。
  20. 前記第5誘電率および前記第6誘電率は、約2.2〜2.6である、請求項17〜19のいずれかに記載の高周波信号伝送ケーブル。
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