JP2000114815A - 非放射性誘電体線路 - Google Patents

非放射性誘電体線路

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JP2000114815A
JP2000114815A JP10276193A JP27619398A JP2000114815A JP 2000114815 A JP2000114815 A JP 2000114815A JP 10276193 A JP10276193 A JP 10276193A JP 27619398 A JP27619398 A JP 27619398A JP 2000114815 A JP2000114815 A JP 2000114815A
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dielectric line
radio wave
terminator
attenuator
frequency signal
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Takeshi Okamura
健 岡村
Tetsuya Kishino
哲也 岸野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】効率良く高周波信号を減衰消滅でき、従来より
も小型化できる非放射性誘電体線路を提供する。 【解決手段】高周波信号の波長λの1/2以下の間隔を
置いて配置された一対の平行平板導体11の間に、誘電
体線路12を介装してなる非放射性誘電体線路であっ
て、誘電体線路12に減衰器13および/または終端器
14を設けるとともに、該減衰器13および/または終
端器14の内部に平行平板導体11と平行に内部電波吸
収体19、24を設け、さらに減衰器13および/また
は終端器14の高周波信号の進行方向x側端面に端面電
波吸収体21、27を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非放射性誘電体線路
に関し、例えばミリ波集積回路等に組み込まれて、高周
波信号のガイドとして用いられる非放射性誘電体線路に
関する。
【0002】
【従来技術】従来の非放射性誘電体線路(Non Radiativ
e Dielectricで、以下、NRDという)は、図8に示す
ように、断面矩形状の誘電体線路1の上下に平行平板導
体2、3を配置して構成されている。このような非放射
性誘電体線路では、平行平板導体2、3の間隔がλ/2
以下のとき、波長がλより大きい高周波信号は遮断され
て平行平板導体2、3間の空間には侵入できない。そし
て、平行平板導体2、3の間に誘電体線路1を介装する
と、その誘電体線路1に沿って高周波信号を伝搬でき、
その高周波信号からの放射波は平行平板導体2、3の遮
断効果によって抑制される。尚、前記λは近似的に真空
中を伝搬する高周波信号(電磁波)の波長に等しい。ま
た、図8においては上側の平行平板導体2の一部を切り
欠いて記載した。
【0003】ところで、線路を伝播する高周波信号があ
る部分で反射すると、高周波デバイスに悪影響を及ぼし
たり、入力信号波と反射信号波とが合成されて、定在波
を作る現象が発生する。このため、回路にはできるだけ
反射波が発生しないように、線路の不連続部分でもでき
るだけインピーダンスが変化しないように保たれるのが
一般的である。
【0004】しかし、線路には終端があり、しかもでき
るだけ反射波を抑制しなければならない場合もある。終
端での反射を抑制するために、無反射終端器が用いられ
る。
【0005】また、高周波デバイスを保護するために、
入力される信号電力の強度を減衰させる必要のある場合
がある。このようなときには、線路内の一部に減衰器が
用いられる。
【0006】従来の非放射性誘電体線路では、高周波信
号を減衰させたり、消滅させたりするためには、図9に
示すように、信号を減衰させる誘電体線路1の減衰部や
消滅させる終端部に、いわゆる減衰器4や終端器5を設
けていた。尚、図9においては減衰器4と終端器5の双
方を用いたが片方のみを用いる場合でも良い。また、図
9においては上側の平行平板導体については省略した。
【0007】このような減衰器4や終端器5は、それぞ
れ図10(a)(b)に示すように、誘電体線路1と同
じ断面形状を構成する減衰用誘電体線路片6、終端用誘
電体線路片7の上下方向中央部に、平行平板導体2、3
と平行に電波吸収体8が内蔵されており、その信号の進
行方向xと反対側の部分の中央部には、誘電体線路1部
分とインピーダンスをマッチングさせるため切れ込み9
が形成されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記非
放射性誘電体線路では、高周波信号を減衰消滅させる効
率が低いという問題があった。例えば、終端器5を使用
した場合、十分な終端特性を得るためには、電波吸収体
8の長さが約20mm必要であったが、これは小型化の
面で大きな制約になっていた。
【0009】本発明は、より効率良く高周波信号を減衰
消滅でき、従来よりも小型化できる非放射性誘電体線路
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の非放射性誘電体
線路は、高周波信号の波長λの1/2以下の間隔を置い
て配置された一対の平行平板導体の間に、誘電体線路を
介装してなる非放射性誘電体線路であって、前記誘電体
線路に減衰器および/または終端器を設けるとともに、
該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平板導
体と平行に内部電波吸収体を設け、さらに前記減衰器お
よび/または終端器の前記高周波信号の進行方向側端面
に端面電波吸収体を設けたものである。
【0011】
【作用】従来の非放射性誘電体線路では、誘電体線路と
同じ断面形状の減衰器や終端器の上下方向中央部に、平
行平板導体と平行に電波吸収体のパターンを挟んでいた
が、これは誘電体線路の上下方向中央部が横方向の電場
が最も強く、この部分に電波吸収体を内蔵することによ
って効率のよい減衰、消滅特性を得るためであった。
【0012】しかしながら、このような従来の減衰器や
終端器の構造では、高周波信号を十分に減衰消滅させる
ためには、減衰器や終端器の長さを長くする必要があ
り、小型化を達成することが困難であった。
【0013】本願発明では、誘電体線路に設けられた終
端器内部に平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設
け、終端器の高周波信号の進行方向側端面に端面電波吸
収体を設けたので、高周波信号の消滅特性を向上でき、
終端器を小型化しても、従来の非放射性誘電体線路と同
等あるいはそれ以上の高周波信号の消滅効果を得ること
ができる。
【0014】また、本発明では、誘電体線路に設けられ
た減衰器の内部に平行平板導体と平行に内部電波吸収体
を設け、減衰器の高周波信号の進行方向側端面に端面電
波吸収体を設けたので、高周波信号の減衰特性を向上で
き、減衰器を小型化しても従来の減衰器と同等あるいは
それ以上の減衰効果をえることができる。減衰効果は、
高周波信号の進行方向における内部電波吸収体の長さを
変更することにより制御することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の非放射性誘電体線路の斜
視図を図1に示す。図1において、符号11は下側の平
行平板導体、符号12は誘電体線路、符号13は減衰
器、符号14は終端器である。尚、同図において、上側
の平行平板導体は省略してある。
【0016】平行平板導体11は、高い電気伝導度及び
加工性の点で、Cu、Al、Fe、SUS(ステンレ
ス)、Ag、Au、Pt等の導体板、あるいはこられの
導体層を表面に形成した絶縁板でもよい。
【0017】誘電体線路12はテフロン等の低損失樹脂
材料、コージェライト等の低誘電率セラミック材料から
なることが望ましい。これらは低損失で加工が容易であ
り、量産に適しているからである。また、誘電体線路1
2は一対の平行平板導体11の間に複数設けても構わな
い。
【0018】終端器14は、図2(a)に示すように、
誘電体線路12と同じ断面形状を有する終端用誘電体線
路片17の上下方向中央部に、平行平板導体11と平行
に内部電波吸収体19が内蔵されている。尚、高周波信
号の進行方向xと反対側の部分の中央部に、誘電体線路
12部分とインピーダンスをマッチングさせるため切れ
込みを形成しても良い。
【0019】そして、本発明の終端器14では、その高
周波信号の進行方向x側端面に端面電波吸収体21が設
けられている。
【0020】また、減衰器13は、図2(b)に示すよ
うに、誘電体線路12と同じ断面形状を有する減衰用誘
電体線路片22の上下方向中央部に、平行平板導体11
と平行に内部電波吸収体24が内蔵されている。尚、高
周波信号の進行方向xの両端面中央部に、誘電体線路1
2とインピーダンスをマッチングさせるため切れ込みを
形成しても良い。
【0021】そして、本発明の減衰器13では、その高
周波信号の進行方向x側端面に端面電波吸収体27が設
けられている。
【0022】電波吸収体19、21、24、27は、例
えば、抵抗体材料や電波吸収材料を蒸着したり、これら
の材料を含有するペーストを塗布し、焼き付けて形成し
たり、また、予め抵抗体材料や電波吸収材料で形成され
た電波吸収体19、21、24、27を貼付することに
より形成される。
【0023】電波吸収体19、21、24、27は、抵
抗体材料もしくは電波吸収材料であればどのような材料
でも良い。抵抗体材料としては、効率のよい減衰特性を
得るためにはニッケルクロム合金、カーボン等であるこ
とが望ましい。電波吸収材料としては、例えば、パーマ
ロイ、センダスト等がある。
【0024】誘電体線路片17、22は誘電体ならどの
ようなものでも良いが、誘電体線路12とのインピーダ
ンスのマッチングをとり反射を極力押さえるという観点
から、誘電体線路12と同じ断面形状、材質とすること
が望ましい。
【0025】誘電体線路片17、22、電波吸収体1
9、21、24、27の長さは、終端器14として使用
する場合、十分な終端特性が得られる寸法とし、減衰器
13として使用する場合、望みの減衰量を達成する寸法
とされている。
【0026】以上のように構成された非放射性誘電体線
路では、誘電体線路12に終端器14を設けるととも
に、該終端器14の内部に平行平板導体11と平行に内
部電波吸収体19を設け、さらに終端器14の高周波信
号の進行方向x側端面に端面電波吸収体21を設けたの
で、小型化しても、従来の非放射性誘電体線路と同等あ
るいはそれ以上の高周波信号の消滅効果を得ることがで
きる。
【0027】また、誘電体線路12の途中に減衰器13
を設けるとともに、該減衰器13の内部に平行平板導体
11と平行に内部電波吸収体24を設け、さらに減衰器
13の高周波信号xの進行方向側端面に端面電波吸収体
27を設けたので、小型化しても、従来の非放射性誘電
体線路と同等あるいはそれ以上の高周波信号の減衰効果
を得ることができる。減衰器13の減衰特性は、内部電
波吸収体24の高周波信号の進行方向xの長さにより制
御することができる。
【0028】図3乃至図5は本発明の他の例を示すもの
で、この例では、一対の平行平板導体31の間に配置さ
れた誘電体線路32の途中には減衰器33が、終端部に
は終端器34が設けられており、減衰器33は、図4に
示すように、誘電体線路32と同じ断面形状を有する減
衰用誘電体線路片34の上下方向中央部に、平行平板導
体31と平行に内部電波吸収体36が内蔵されている。
尚、図示しないが高周波信号の進行方向xの両端面中央
部に、誘電体線路32とインピーダンスをマッチングさ
せるため切れ込みを形成しても良い。
【0029】また、減衰器33の高周波信号の進行方向
x側端面に端面電波吸収体37が設けられている。さら
に、減衰用誘電体線路片34の両側面の上下端部に、減
衰用電波吸収体38を4か所形成することにより構成さ
れている。
【0030】一方、終端器34は、図5に示すように、
誘電体線路32と同じ断面形状を有する減衰用誘電体線
路片40の上下方向中央部に、平行平板導体31と平行
に内部電波吸収体41が内蔵されている。尚、図示しな
いが高周波信号の進行方向xの両端面中央部に、誘電体
線路32とインピーダンスをマッチングさせるため切れ
込みを形成しても良い。終端器34の高周波信号の進行
方向x側端面に端面電波吸収体42が設けられている。
【0031】そして、終端用誘電体線路片40の両側面
の上下端部に、終端用電波吸収体43を4か所形成する
ことにより構成されている。電波吸収体38、43は、
例えば、抵抗体材料や電波吸収材料を蒸着したり、これ
らの材料を含有するペーストを塗布し、焼き付けて形成
したり、また、予め抵抗体材料や電波吸収材料で形成さ
れた電波吸収体38、43を側面に貼付することにより
形成される。
【0032】また、電波吸収体38、43は、誘電体線
路32とインピーダンスマッチングをとるために、高周
波信号の進行方向xに向けて次第に拡幅するテーパ部4
5を有しており、効率良い減衰特性を得るために、中央
部には一定幅の帯状部47が形成されている。
【0033】そして、テーパ部45の反対側の減衰用電
波吸収体38には、高周波信号の進行方向xに向けて縮
幅するテーパ部49を有している。
【0034】電波吸収体38、43の帯状部47の幅
は、反射やモード変換が大きくならない限りどのような
寸法でも良いが、良好な減衰特性と反射特性が得られる
という点から、誘電体線路32の高さ(平行平板導体間
隔)の10〜40%程度が望ましい。
【0035】以上のように構成された非放射性誘電体線
路では、電波吸収体36、37、41、42の他に、誘
電体線路32の両側面における上端部および下端部に電
波吸収体38、43を設けたので、小型化した場合でも
高周波信号を減衰消滅効率を大きく向上できる。また誘
電体線路32の両側面に電波吸収体38、43を貼付、
蒸着等して形成すれば良く、容易にかつ安価に製造で
き、しかも非放射性誘電体線路として信頼性を向上でき
る。
【0036】尚、上記例では、誘電体線路32の両側面
の上下端部の4箇所に電波吸収体38、43を形成した
例について説明したが、電波吸収体を1か所形成しても
ある程度の効果を有する。
【0037】本発明は上記の実施形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変
更は何等差し支えない。
【0038】
【実施例】Cuからなる縦100×横100×厚み8m
mの2枚の平行平板導体を用意し、これらの平行平板導
体の間に、コージェライトからなる高さ2.25mm×
巾1mm×長さ30mmの誘電体線路を配置し、非放射
性誘電体線路を以下のようにして作製した。
【0039】終端用誘電体線路片は誘電体線路と同じ材
質、断面形状を持つもので、長さLは4mmとし、図2
(a)に示すように、終端用誘電体線路片17の上下方
向中央部に平行平板導体11と平行に、カーボン含有ペ
ーストからなる抵抗体材料のペーストを塗布、乾燥させ
て内部電波吸収体19のパターンを形成するとともに、
終端用誘電体線路片17の高周波信号の進行方向xの端
面に、カーボン含有ペーストからなる抵抗体材料のペー
ストを塗布、乾燥させて端面電波吸収体21のパターン
を形成した。内部電波吸収体19の長さは終端用誘電体
線路片17と同じ4mmとした。
【0040】一方、図10(a)の終端器5を有する従
来の非放射性誘電体線路を、上記と同様の材料を用いて
作製した。この際、終端用誘電体線路片7の長さが20
mmの非放射性誘電体線路を作製した。電波吸収体8の
長さLは終端用誘電体線路片7の長さと同じ20mmと
し、テーパ部9はその半分の10mmとした。
【0041】本発明と従来の非放射性誘電体線路につい
て、ミリ波(50〜75GHz帯)反射特性をヒューレ
ットパッカード社製〔8757C〕により測定し、その
結果を図6、図7に記載した。
【0042】これらの図6、図7から、本発明品は従来
品に比べ、電波吸収体の長さを短くした場合でも反射率
が小さくなり、従来品とほぼ同様の良好な終端器特性を
有することが判る。
【0043】
【発明の効果】本発明の非放射性誘電体線路は、その終
端器および減衰器において、より効率良く高周波信号を
減衰消滅でき、これにより従来よりも小型化できる。ま
た、誘電体線路の正確な位置に固定する位置決め作業が
不要で、信頼性が高く、安価に製造することができる。
従って、ミリ波集積回路、マイクロ波集積回路、又はハ
イブリッド型の集積回路に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非放射性誘電体線路の基本構成を示す
もので、上側の平行平板導体を省略したものの斜視図で
ある。
【図2】図1の終端器と減衰器を示すもので、(a)は
終端器の分解斜視図、(b)は減衰器の分解斜視図であ
る。
【図3】本発明の他の非放射性誘電体線路の基本構成を
示すもので、上側の平行平板導体を省略したものの斜視
図である。
【図4】図3の減衰器を示すもので、(a)は減衰器の
斜視図、(b)は減衰器の分解斜視図である。
【図5】図3の終端器を示すもので、(a)は終端器の
斜視図、(b)は終端器の分解斜視図である。
【図6】図2(a)の終端器を用いた非放射性誘電体線
路の反射率と周波数との関係を示すグラフである。
【図7】図10(a)の終端器を用いた非放射性誘電体
線路の反射率と周波数との関係を示すグラフである。
【図8】従来の非放射性誘電体線路の斜視図である。
【図9】従来の非放射性誘電体線路の終端器および減衰
器を示す斜視図である。
【図10】(a)は図9の終端器を示す分解斜視図、
(b)は図9の減衰器を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
11、31・・・下側の平行平板導体 12、32・・・誘電体線路 13、33・・・減衰器 14、34・・・終端器 19、24、36、41・・・内部電波吸収体 21、27、37、42・・・端面電波吸収体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波信号の波長λの1/2以下の間隔を
    置いて配置された一対の平行平板導体の間に、誘電体線
    路を介装してなる非放射性誘電体線路であって、前記誘
    電体線路に減衰器および/または終端器を設けるととも
    に、該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平
    板導体と平行に内部電波吸収体を設け、さらに前記減衰
    器および/または終端器の前記高周波信号の進行方向側
    端面に端面電波吸収体を設けたことを特徴とする非放射
    性誘電体線路。
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