JP2010159727A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気中にNOが放出されることを抑制する内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気ガス中の粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを配置し、パティキュレートフィルタ下流にNO吸蔵触媒を配置した内燃機関の排気浄化装置において、パティキュレートフィルタに流入する排気ガス中のNO量を可変とするNO供給手段を備える。パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質を酸化すべきときに、必要なNO要求量を算出し、このNO要求量のNOを含む排気ガスを供給したときにパティキュレートフィルタから流出するNO量を算出する。更に、NO吸蔵触媒がNOを吸蔵できる現在のNO吸蔵可能量を算出する。現在のNO吸蔵可能量がパティキュレートフィルタから流出するNO量未満の場合には、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量を上昇させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関は、機関本体で燃料が燃焼することにより汚染物を含む排気ガスが排出される。排気ガスの汚染物には、一酸化炭素(CO)、未燃炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)または、粒子状物質(PM:パティキュレート)が含まれる。
汚染物の粒子状物質を排気ガスから除去するためには、内燃機関の機関排気通路にパティキュレートフィルタが配置される。粒子状物質は、パティキュレートフィルタに捕集されて堆積する。堆積した粒子状物質の量が許容量を越えたときには、パティキュレートフィルタから粒子状物質を除去する再生が行なわれる。
パティキュレートフィルタの再生においては、空気過剰の雰囲気中で温度を上昇させることにより粒子状物質を燃焼させる。パティキュレートフィルタの再生には、パティキュレートフィルタを昇温して粒子状物質を燃焼させる方法のほかに、パティキュレートフィルタにNOを供給して、粒子状物質を酸化させることにより粒子状物質を除去する方法が知られている。
特開2006−283766号公報においては、排気中のNOと煤とを反応させて煤を燃焼させるディーゼル機関の排気浄化方法が開示されている。この方法では、ディーゼルエンジンの排気を酸化触媒に導いて、排気中のNOをNOに変換する。パティキュレートフィルタで排気中の煤を捕集するとともに、排気空燃比をリーンに維持したまま、排気温度を上昇させて煤を燃焼させる。また、反応により生成したNOは、パティキュレートフィルタの下流に配置したNO吸収剤に吸収させることが開示されている。
特開2006−283766号公報
上記の特開2006−283766号公報に開示されているように、パティキュレートフィルタにNOを供給してパティキュレートフィルタの再生を行なう装置において、パティキュレートフィルタの下流にNO吸蔵触媒を配置することにより、パティキュレートフィルタから流出するNOをNO吸蔵触媒で捕集することができる。大気中に放出する排気ガスからNOを除去することができる。
NO吸蔵触媒は、吸蔵量の上限であるNO飽和吸蔵量を有する。NOの吸蔵を行なうことができる余力を示すNO吸蔵可能量が少なくなったときには、吸蔵されたNOを放出する制御が行なわれる。NOの放出においては、排気ガスの空燃比をリッチにすることにより、NO吸蔵触媒からNOを放出させるとともに、排気ガスに含まれる還元剤によりNOを還元してNに変換することができる。
パティキュレートフィルタに供給するNOを増量して、パティキュレートフィルタの再生を行なうときには、パティキュレートフィルタから流出するNO量が増加する場合がある。このため、パティキュレートフィルタの再生期間中には、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量が急速に少なくなる場合がある。さらに、NO飽和吸蔵量は、NO吸蔵触媒の温度に依存する。NO吸蔵触媒の温度によっては、NO吸蔵可能量が小さい場合がある。このため、パティキュレートフィルタの再生中にNO吸蔵触媒が飽和状態になり、NOがNO吸蔵触媒をすり抜ける虞がある。この結果、大気中に放出されるNO量が多くなる虞がある。
本発明は、大気中にNOが放出されることを抑制する内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の排気浄化装置は、機関排気通路内に排気ガス中の粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを配置し、パティキュレートフィルタ下流の機関排気通路内に、排気ガスの空燃比がリーンの時には排気ガス中に含まれるNOを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOを放出するNO吸蔵触媒を配置した装置である。排気浄化装置は、パティキュレートフィルタに流入する排気ガス中のNO量を可変とするNO供給手段を備える。パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質を酸化することにより除去すべきときに、酸化すべき粒子状物質の量に対して必要なNO要求量を算出し、NO供給手段によりNO要求量のNOを含む排気ガスがパティキュレートフィルタに供給されたときにパティキュレートフィルタから流出するNO量を算出し、更に、NO吸蔵触媒がNOを吸蔵できる現在のNO吸蔵可能量を算出し、現在のNO吸蔵可能量がパティキュレートフィルタから流出するNO量未満の場合には、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量を上昇させる。この構成を採用することにより、大気中にNOが放出されることを抑制することができる。
上記発明において、NO吸蔵触媒は、NOの吸蔵量が最大になる最適温度を有し、現在のNO吸蔵触媒の温度が上記最適温度より低い場合には、NO吸蔵触媒の温度を上昇させる昇温制御を行ない、それでも現在のNO吸蔵可能量がパティキュレートフィルタから流出するNO量未満の場合には、NO吸蔵触媒に吸蔵されているNOを放出させるNO放出制御を行なうことにより、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量をパティキュレートフィルタから流出するNO量以上に上昇させることが好ましい。NO放出制御よりも昇温制御を優先的に行なうことにより、消費する燃料を低減させることができる。
上記発明において、NO吸蔵触媒は、NOの吸蔵量が最大になる最適温度を有し、現在のNO吸蔵触媒の温度が上記最適温度以上の場合には、NO吸蔵触媒に吸蔵されているNOを放出させるNO放出制御を行なうことにより、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量をパティキュレートフィルタから流出するNO量以上に上昇させることができる。
上記発明において、NO供給手段は、過給機によって過給圧を高めることにより、排気ガスに含まれるNO量を増加させることが好ましい。この構成により、過給圧を調整して、NO量を任意の量まで増加させることができる。
上記発明においては、NO供給手段は、燃焼室内の再循環排気ガス量の比率を高めることにより、排気ガスのNO量に対するNO量の比率を増加させることが好ましい。この構成により、NO吸蔵触媒に流入するNO量を低減することができる。
上記発明において、NO供給手段は、パティキュレートフィルタ上流の機関排気通路内に配置されている酸化触媒の温度を検知し、酸化触媒の温度が活性化温度以上の場合に、酸化触媒に流入するNO量を増加させることによりNO量を増加させることが好ましい。この構成により、パティキュレートフィルタの再生を短時間で行なうことができる。
本発明によれば、大気中にNOが放出されることを抑制する内燃機関の排気浄化装置を提供することができる。
(実施の形態1)
図1から図15を参照して、実施の形態1における内燃機関の排気浄化装置について説明する。
図1に、本実施の形態における内燃機関の全体図を示す。本実施の形態においては、圧縮着火式のディーゼルエンジンを例に取り上げて説明する。内燃機関は、機関本体1を備える。機関本体1は、各気筒の燃焼室2と、各燃焼室2内に夫々燃料を噴射するための電子制御式の燃料噴射弁3と、吸気マニホールド4と、排気マニホールド5とを含む。
本実施の形態における内燃機関は、過給機としての排気ターボチャージャ7を備える。吸気マニホールド4は、吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に連結されている。コンプレッサ7aの入口は、吸入空気量検出器8を介してエアクリーナ9に連結されている。吸気ダクト6内にはステップモータにより駆動されるスロットル弁10が配置されている。更に、吸気ダクト6の周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置11が配置されている。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置11内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。
一方、排気マニホールド5は、排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に連結されている。排気タービン7bの出口は、排気管12を介して排気ガスに含まれる粒子状物質を除去するためのパティキュレートフィルタ(DPF)16に連結されている。パティキュレートフィルタ16の下流の機関排気通路内にはNO吸蔵触媒(NSR)17が配置されている。
排気マニホールド5と吸気マニホールド4との間には、排気ガス再循環(EGR)を行うためにEGR通路18が配置されている。EGR通路18には電子制御式のEGR制御弁19が配置されている。また、EGR通路18の周りにはEGR通路18内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置20が配置されている。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置20に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
それぞれの燃料噴射弁3は、燃料供給管21を介してコモンレール22に連結されている。このコモンレール22は、電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ23を介して燃料タンク24に連結されている。燃料タンク24に貯蔵されている燃料は、燃料ポンプ23によってコモンレール22内に供給される。コモンレール22に供給された燃料は、それぞれの燃料供給管21を介して燃料噴射弁3に供給される。
電子制御ユニット30は、デジタルコンピュータからなる。本実施の形態における内燃機関の制御装置は、電子制御ユニット30を含む。電子制御ユニット30は、双方性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を備える。ROM32は、読み込み専用の記憶装置であり、制御を行なうための必要なマップ等の情報が予め記憶されている。CPU34は、任意の演算や判断を行なうことができる。RAM33は、読み書きが可能な記憶装置であり、運転履歴などの情報を保存したり、演算結果を一時的に保存したりすることができる。
機関排気通路において、パティキュレートフィルタ16の下流には、パティキュレートフィルタ16の温度を検出するための温度センサ26が配置されている。また、NO吸蔵触媒17の下流には、NO吸蔵触媒17の温度を検出するための温度センサ27が配置されている。温度センサ26,27の出力信号は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。
アクセルペダル40には、アクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続されている。負荷センサ41の出力電圧は、対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続されている。一方、出力ポート36は、対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁3、スロットル弁10の駆動用ステップモータ、EGR制御弁19および燃料ポンプ23に接続されている。
図2に、パティキュレートフィルタの概略正面図を示す。図3に、パティキュレートフィルタの概略断面図を示す。パティキュレートフィルタ16は、排気ガスに含まれる炭素微粒子、サルフェート等のイオン系微粒子等の粒子状物質を除去するためのフィルタである。本実施の形態におけるパティキュレートフィルタ16は、円筒形状に形成されている。図3は、円筒形状の軸方向に沿った断面図である。
本実施の形態におけるパティキュレートフィルタ16はハニカム構造を有する。パティキュレートフィルタ16は、排気ガスの流れ方向に沿って延びる複数の通路60,61を有する。通路60は、下流端が栓62により閉塞されている。通路61は、上流端が栓63により閉塞されている。通路60および通路61は、薄肉の隔壁64を介して交互に配置されている。図2においては、栓63の部分に斜線を付している。
パティキュレートフィルタ16は、例えばコージライトのような多孔質材料から形成されている。排気ガスが流入する通路60は、排気ガスが流出する通路61に囲まれている。通路60に流入した排気ガスは、矢印200に示すように、周囲の隔壁64を通って隣接する通路61に流出する。排気ガスが隔壁64を通過するときに粒子状物質が捕捉される。排気ガスは、通路61を通ってパティキュレートフィルタ16から流出する。このように、粒子状物質は、パティキュレートフィルタに捕集される。
図4に、NO吸蔵触媒の拡大概略断面図を示す。NO吸蔵触媒17は、機関本体1から排出される排気ガスに含まれるNOを一時的に吸蔵して、吸蔵したNOを放出するときにNに変換する触媒である。
NO吸蔵触媒17は、基体上に例えばアルミナからなる触媒担体45が担持されている。触媒担体45の表面上には貴金属触媒46が分散して担持されている。触媒担体45の表面上にはNO吸収剤47の層が形成されている。貴金属触媒46としては、例えば白金Ptが用いられる。NO吸収剤47を構成する成分としては、例えばカリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つが用いられている。
機関吸気通路、燃焼室、または機関排気通路に供給された排気ガスの空気および燃料(炭化水素)の比を排気ガスの空燃比(A/F)と称すると、排気ガスの空燃比がリーンのとき(理論空燃比より大きなとき)には、排気ガス中に含まれるNOが貴金属触媒46上において酸化されてNOになる。NOは、硝酸イオンNO の形でNO吸収剤47内に吸蔵される。
これに対して、排気ガスの空燃比がリッチのとき(理論空燃比より小さなとき)或いは理論空燃比になると、排気ガス中の酸素濃度が低下するために反応が逆方向(NO →NO)に進む。NO吸収剤47内の硝酸イオンNO がNOの形でNO吸収剤47から放出される。放出されたNOは、排気ガスに含まれる未燃炭化水素や一酸化炭素等によってNに還元される。
図5に、本実施の形態におけるパティキュレートフィルタを再生する時のフローチャートを示す。パティキュレートフィルタの再生により、堆積した粒子状物質が除去される。本実施の形態においては、パティキュレートフィルタにNOを供給して粒子状物質を酸化することにより、パティキュレートフィルタから粒子状物質を除去する。NOは、酸化力が強く、粒子状物質を効果的に酸化することができる。
ステップ101において、パティキュレートフィルタ16における粒子状物質の堆積量を算出する。単位時間あたりにパティキュレートフィルタ16に堆積する粒子状物質の量は、燃焼室2に噴射される燃料の噴射量にほぼ比例する。本実施の形態においては、機関回転数と燃焼室における燃料の噴射量から、パティキュレートフィルタ16に堆積する粒子状物質の量を算出する。
図6に、パティキュレートフィルタに堆積する粒子状物質の量を算出するマップを示す。単位時間当りにパティキュレートフィルタに堆積する粒子状物質の量PMAは、機関回転数Nと燃焼室における燃料の噴射量TAQとにより求められる。このマップにより求められる単位時間当りに堆積する粒子状物質の量PMAを積算することにより、任意の時刻における粒子状物質の堆積量を算出することができる。図1を参照して、このようなマップは、例えば電子制御ユニット30のROM32に予め記憶させる。算出される粒子状物質の堆積量は、例えばRAM33に記憶させることができる。
図5を参照して、次に、ステップ102において、パティキュレートフィルタに堆積する粒子状物質の量が、許容値を超えているか否かを判別する。粒子状物質の堆積量が許容値以上である場合には、ステップ103に移行する。パティキュレートフィルタに堆積する粒子状物質の量が、許容値未満である場合には、この制御を終了する。
本実施の形態においては、単位時間当りに堆積される粒子状物質の量のマップを用いて、粒子状物質の堆積量を算出しているが、この形態に限られず、任意の方法により堆積量を算出することができる。例えば、パティキュレートフィルタの前後差圧を検出する差圧センサを配置する。差圧センサにより検出された圧力が許容値を超えたときに、粒子状物質の堆積量が許容量を超えたと判別しても構わない。
次に、ステップ103において、パティキュレートフィルタの再生に必要なNO要求量を算出する。本実施の形態のパティキュレートフィルタの再生においては、パティキュレートフィルタにNOを供給することにより粒子状物質を酸化する。ステップ103においては、酸化すべき粒子状物質の量に対するNO要求量を算出する。
図7は、本実施の形態の内燃機関において、パティキュレートフィルタに堆積する粒子状物質の量と、粒子状物質を除去するために必要なNO要求量との関係を示すグラフである。パティキュレートフィルタに堆積する粒子状物質の量が多くなるほど、パティキュレートフィルタの再生に必要なNO要求量も多くなる。本実施の形態においては、このグラフの関係をマップにして電子制御ユニット30に記憶させている。即ち、粒子状物質の堆積量を関数とするNO必要量のマップを記憶させている。このマップを用いることにより、粒子状物質を除去するために必要なNO要求量を算出することができる。
図5を参照して、次に、ステップ104において、NO要求量からパティキュレートフィルタの再生の期間中にNO吸蔵触媒に流入するNO量を算出する。
本実施の形態においては、再生の期間中にパティキュレートフィルタに供給するNOを増量する。本実施の形態における内燃機関の排気浄化装置は、パティキュレートフィルタに流入する排気ガス中のNO量を可変にするNO供給手段を備える。図1を参照して、排気ターボチャージャ7を制御することにより、燃焼室2から排出されるNO量を増加させる。排気ターボチャージャ7により過給圧を高めることにより、吸入空気量を増加させる。吸入空気量を増加させることにより、排気ガスに含まれるNO量を増加させる。
図8に、本実施の形態における排気ターボチャージャのタービンの拡大概略断面図を示す。タービン7bは、流入する排気ガスにより回転力を生成する。タービン7bの回転力は、コンプレッサ7aに伝達されてコンプレッサ7aを駆動する。コンプレッサ7aが駆動することにより、吸入空気が加圧される。
タービン7bは、タービンハウジング51を含む。タービンハウジング51の内部には、排気通路が形成されている。タービン7bは、排気ガスが吹き付けられて回転するタービンホイール52を含む。タービンホイール52は、シャフト53に連結されている。シャフト53は、回転自在にシャフトハウジング56に支持されている。シャフト53は、コンプレッサ7aのコンプレッサホイールに連結されている。シャフトハウジング56とタービンハウジング51とは、互いに固定されている。
本実施の形態における過給機は、可変ノズル式ターボチャージャ(VNT)である。排気ターボチャージャ7は、過給圧を変更することができる過給圧変更機構を備える。過給圧変更機構は、ノズルベーン54と、ノズルベーン54を駆動するためのノズル駆動装置55とを含む。
排気ガスは、矢印201に示すように、タービンハウジング51の周辺部から中心部に向けて流れる。排気ガスがタービンホイール52に衝突することにより、タービンホイール52が回転する。タービンホイール52により生成された回転力は、シャフト53を介してコンプレッサに配置されているコンプレッサホイールに伝達される。コンプレッサホイールが回転することにより、吸入空気の圧力が上昇する。タービンホイール52を回転させた排気ガスは、矢印202に示すように、タービン7bの出口から排出される。
図9に、本実施の形態におけるノズルベーンの部分の概略平面図を示す。図8および図9を参照して、ノズルベーン54は、板状に形成されている。複数個のノズルベーン54が、タービンホイールの外周に沿って配置されている。それぞれのノズルベーン54は、ノズル駆動装置55によって、回動軸54aを中心に回動するように形成されている。排気ガスは、矢印201に示すように、ノズルベーン54同士の間を流れる。ノズルベーン54が回動することにより、排気ガスの流路断面積が変化する。排気ガスが流入する流路断面積が変化することにより、タービンホイール52に吹き付けられる排気ガスの流速を変化させることができる。排気ガスの流速を変化させることにより、タービンホイールの回転速度を変化させることができる。
たとえば、ノズルベーン54が回動して、排気ガスの流路断面積が小さくなることにより、タービンホイール52に吹き付けられる排気ガスの流速が大きくなって、タービンホイール52の回転速度が高くなる。この結果、吸入空気の過給圧が高くなる。これとは反対に、ノズルベーン54が回動して流路断面積が大きくなることにより、タービンホイール52に吹き付けられる排気ガスの流速が小さくなって、吸入空気の過給圧が低くなる。
このように、本実施の形態における過給機は、機関本体1の燃焼室2に供給する空気圧を変更できるように形成されている。すなわち、燃焼室2に供給する空気量を変更可能なように形成されている。
図10は、吸入空気の過給圧と燃焼室から排出される単位時間当りの窒素酸化物の量との関係を示すグラフである。燃料が燃焼することにより、燃焼室2からNOが排出される。NOの大部分はNOであるが、NOも含まれる。過給圧を高くすることにより、NOが増加すると共にNOが増加する。本実施の形態においては、燃焼室から排出されるNO流量を関数とする過給圧のマップを電子制御ユニット30に記憶させている。また、過給圧を関数とするNO流量のマップを電子制御ユニット30に記憶させている。
図5を参照して、ステップ104において、NO要求量からパティキュレートフィルタの再生時間と過給圧とを選定する。本実施の形態においては、パティキュレートフィルタの再生時間が予め定められている。NO要求量と再生時間とから、燃焼室から排出されるNO流量、すなわち単位時間当たりに燃焼室から排出されるNO量を算出する。NO流量を関数にする過給圧のマップから過給圧を選定することができる。
また、過給圧を関数とするNO流量のマップから、燃焼室から排出されるNO流量が選定されると同時に、燃焼室から排出され、パティキュレートフィルタに流入するNO量を算出することができる。本実施の形態においては、パティキュレートフィルタ16に流入するNOが酸化剤として用いられる。NOは、NOに変換されるために、パティキュレートフィルタ16に流入するNO量は、流出するNO量と等しくなる。このため、パティキュレートフィルタ16から流出するNO量は、パティキュレートフィルタ16に流入するNO量と等しくなる。この様に、パティキュレートフィルタ16から流出するNO量、即ち、NO吸蔵触媒17に流入するNO量を算出することができる。
図5を参照して、次に、ステップ105において、現在のNO吸蔵触媒のNO吸蔵量を算出する。NO吸蔵触媒に蓄積されるNO量は、内燃機関の運転状態に依存する。
図11に、本実施の形態における単位時間当たりにNO吸蔵触媒に吸蔵されるNO量のマップを示す。本実施の形態における運転例では、NO吸蔵触媒に蓄えられるNO吸蔵量を検知する。たとえば、機関回転数Nと要求トルクTQとを関数にする単位時間あたりのNOの蓄積量のマップを電子制御ユニット30のROM32に内蔵する。運転状態に応じて算出される単位時間あたりのNOの蓄積量を積算することにより、任意の時刻においてNO吸蔵触媒に吸蔵されているNO吸蔵量を算出することができる。
図5を参照して、次に、ステップ106において、NO吸蔵触媒のNO飽和吸蔵量と、現在のNO吸蔵量とにより、NO吸蔵触媒のNOを吸蔵できる余力を示すNO吸蔵可能量を算出する。
図12は、NO吸蔵触媒の温度(床温)とNO飽和吸蔵量との関係を示すグラフである。NO吸蔵触媒の温度が最適温度Toptより低い範囲では、温度が上昇するとともにNO飽和吸蔵量も増加する。最適温度Toptより温度が高い範囲では、温度が上昇すると共にNO飽和吸蔵量が減少する。このように、NO吸蔵触媒は、最適温度Toptにおいて最も多くのNOを吸蔵することができる。最適温度Toptは、例えば、約300℃以上約350℃以下の範囲内に存在している。本実施の形態において、最適温度Toptは、内燃機関の運転温度の範囲内に存在する。
本実施の形態においては、現在のNO吸蔵触媒の温度が温度Tcuであり、その時に吸蔵されているNO量がNO吸蔵量STcuであったとする。現在の温度Tcuは、最適温度Toptより低い温度である。現在の温度Tcuに対するNO飽和吸蔵量STsaが存在する。NO飽和吸蔵量STsaと現在のNO吸蔵量STcuとの差ΔSTcuが、NO吸蔵可能量である。すなわち、飽和するまでにNO吸蔵可能量ΔSTcuのNOを吸蔵することができる。
図12に示すNO吸蔵触媒の温度とNO飽和吸蔵量との関係を、例えばマップにして電子制御ユニット30に記憶しておくことにより、NO吸蔵可能量ΔSTcuを算出することができる。NO吸蔵触媒の温度を関数とするNO飽和吸蔵量のマップからNO飽和吸蔵量を算出することができ、算出されたNO飽和吸蔵量とNO吸蔵量からNO吸蔵可能量を算出することができる。
図5を参照して、次に、ステップ107において、NO吸蔵可能量と、パティキュレートフィルタ16の再生期間中にNO吸蔵触媒に流入するNO量とが比較される。ステップ107においては、パティキュレートフィルタの再生の期間中に流入するNOを吸蔵するために、NO吸蔵可能量が足りているか否かを判別する。NO吸蔵可能量がNO吸蔵触媒に流入するNO量以上の場合には、ステップ111に移行する。ステップ111においては、ステップ104にて選定された過給圧および再生時間に基づいて、パティキュレートフィルタ16の再生が行われる。ステップ111については後述する。
ステップ107において、NO吸蔵可能量がNO吸蔵触媒に流入するNO量未満の場合には、ステップ108に移行する。ステップ108では、現在のNO吸蔵触媒の温度Tcuと最適温度Toptとが比較される。NO吸蔵触媒の温度Tcuが最適温度Toptよりも低い場合には、ステップ109に移行する。ステップ109においては、NO吸蔵触媒の温度を上昇させる。図12を参照して、現在の温度Tcuが最適温度Toptよりも低い場合には、NO吸蔵触媒を昇温して温度Tcuを最適温度Toptに近づける。本実施の形態においては、温度Tcuを上昇することにより、NO吸蔵可能量ΔSTcuを増加させることができる。
本実施の形態においては、ステップ109における温度の上昇幅が予め定められている。温度の上昇幅については、この形態に限られず、例えば、最適温度と現在のNO吸蔵触媒の温度との差を関数とする温度の上昇幅のマップを電子制御ユニットに記憶させておいて、このマップにより温度の上昇幅を選定しても構わない。
ここで、本実施の形態におけるNO吸蔵触媒を昇温する昇温制御について説明する。本実施の形態においては、燃焼室における燃料の噴射パターンを変更することにより、排気ガスの温度を上昇させる。排気ガスの温度が上昇することによりNO吸蔵触媒を昇温することができる。
図13に、本実施の形態における内燃機関の通常運転時における燃料の噴射パターンを示す。噴射パターンAは、通常運転時における燃料の噴射パターンである。通常運転時においては、略圧縮上死点TDCで主噴射FMが行なわれる。クランク角が略0°において主噴射FMが行なわれる。また、主噴射FMの燃焼を安定化させるために、主噴射FMの前にパイロット噴射FPが行なわれる。パイロット噴射FPは、例えば、クランク角が圧縮上死点TDCの前の略10°から略40°の範囲において行なわれる。通常運転時においては、噴射パターンBに示すように、パイロット噴射FPが行なわれずに主噴射FMのみが行なわれていても構わない。本実施の形態においては、パイロット噴射FPが行なわれる噴射パターンを例に取り上げて説明する。通常運転において噴射パターンAで運転されているときには、排気ガスの空燃比はリーンである。
図14に、NO吸蔵触媒を昇温するときの噴射パターンを示す。噴射パターンCは、排気ガスの温度が上昇する噴射パターンである。噴射パターンCにおいては、主噴射FMの噴射時期が圧縮上死点TDCから遅れている。すなわち、主噴射FMの噴射時期を遅角させている。主噴射FMの噴射時期の遅角に伴って、パイロット噴射FPの噴射時期も遅角させている。主噴射FMの噴射時期を遅角させることにより、排気ガスの温度を上昇させることができる。
更に、主噴射FMの後に、補助噴射としてのアフター噴射FAを行っている。アフター噴射FAは、主噴射の後の燃焼可能な時期に行なわれる。アフター噴射FAは、例えば圧縮上死点後のクランク角が略40°までの範囲で行なわれ、例えば、圧縮上死点後のクランク角が略20°から略30°の範囲において行なわれる。アフター噴射FAを行なうことにより、後燃え期間が長くなり、排気ガスの温度を上昇させることができる。また、燃焼室における燃焼量が増加して排気ガスの温度を上昇させることができる。このように、燃焼室における噴射パターンを変更することによりNO吸蔵触媒を昇温することができる。
図5を参照して、ステップ109においてNO吸蔵触媒を昇温したら、ステップ107に戻る。ステップ107において、再びNO吸蔵可能量がNO吸蔵触媒に流入するNO量以上か否かが判別される。ステップ107においてNO吸蔵触媒を昇温した結果、NO吸蔵可能量がNO吸蔵触媒に流入するNO量以上になった場合には、ステップ111に移行する。NO吸蔵可能量が、NO吸蔵触媒に流入するNO量未満である場合には、再びステップ108に移行する。このように、NO吸蔵触媒の温度Tcuが最適温度Topt以上になるまで、NO吸蔵触媒の昇温が繰り返される。
ステップ108において、NO吸蔵触媒の温度Tcuが最適温度Topt以上である場合には、ステップ110に移行する。たとえば、NO吸蔵触媒を昇温してNO吸蔵可能量ΔSTcuを増加させても、NO吸蔵可能量が足りない場合には、ステップ110に移行する。
ステップ110においては、NO吸蔵触媒に吸蔵しているNOを放出させるNO放出制御を行なう。本実施の形態のNO放出制御においては、燃焼室に噴射する燃料の噴射パターンを変更することにより、排気ガスの空燃比をリッチまたは理論空燃比にする。
図15に、本実施の形態におけるNO放出制御を行なうときの噴射パターンを示す。噴射パターンDは、主噴射FMの後にポスト噴射FPOを行なっている。ポスト噴射FPOは、燃焼室において燃料が燃焼しない噴射である。ポスト噴射FPOは、アフター噴射と同様に補助噴射であるが、アフター噴射が機関出力に影響を与える一方で、ポスト噴射は機関出力に寄与しない特徴を有する。ポスト噴射FPOは、例えば、圧縮上死点後のクランク角が略90°から略120°の範囲内において行われる。ポスト噴射FPOを噴射することにより機関排気通路に流入する排気ガスの空燃比をリッチにすることができる。排気ガスの空燃比がリッチになることにより、NO吸蔵触媒からNOが放出される。放出されたNOを排気ガスに含まれる未燃燃料等の還元剤により還元することができる。
図5を参照して、ステップ110においてNO放出制御を行なうことにより、吸蔵していたNOを除去することができて、パティキュレートフィルタの再生の期間中に流入するNOを吸蔵するためのNO吸蔵可能量を確保することができる。
次に、ステップ111において、パティキュレートフィルタの再生を行なう。本実施の形態においては、選定された目標の過給圧に基づいて、過給圧を上昇させることにより、排気ガスに含まれるNO量を増加させる。排気ガスがパティキュレートフィルタに流入することにより、粒子状物質がNOにより酸化されて除去される。たとえば、微粒子状物質に含まれるC(炭素)が酸化されてCOに変換されて除去される。
過給圧の制御においては、たとえば、吸入通路内の排気ターボチャージャの下流側に圧力センサを配置して、圧力センサの出力が選定された目標の過給圧になるように、タービンのノズルベーンの回動角度を調整する。このフィードバック制御により、吸入空気の圧力を目標の過給圧に調整することができる。
パティキュレートフィルタ16から流出するNOは、NO吸蔵触媒17に流入する。NO吸蔵触媒17は、パティキュレートフィルタ16の再生期間中に流入するNOを吸蔵するためのNO吸蔵可能量が確保されている。NO吸蔵触媒が飽和状態になってNOを吸蔵できなくなることが回避されている。このためNOがNO吸蔵触媒をすり抜けて大気中に放出されることを抑制できる。
このように、パティキュレートフィルタの再生を行なうときに、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量がパティキュレートフィルタから流出するNO量未満の場合には、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量を多くする制御を行なうことにより、大気中にNOが放出されることを抑制することができる。
本実施の形態においては、NO吸蔵触媒の温度が最適温度よりも低い場合に、NO吸蔵触媒の温度を上昇させる昇温制御を行っている。それでもNO吸蔵可能量が、パティキュレートフィルタから流出するNO量未満の場合には、NO放出制御を行っている。すなわち、昇温制御を優先させて先に行って、それでもNO吸蔵可能量を確保できない場合にはNO放出制御を行っている。本実施の形態においては、昇温制御を行なうときに燃焼室においてアフター噴射を行ない、NO放出制御を行なうときに燃焼室においてポスト噴射を行なっている。昇温制御のときに消費される燃料は、NO放出制御のときに消費される燃料よりも少ない。このように、昇温制御を優先的に行なうことにより、燃費の増加を抑制することができる。本実施の形態においては、NO放出制御に先立って昇温制御を行っているが、この形態に限られず、NO放出制御を先に行っても構わない。
本実施の形態におけるNO供給手段は、過給機によって過給圧を高めることにより、排気ガスに含まれるNO量を増加させている。過給圧を調整することにより、排気ガスに含まれるNO量を任意に調整することができる。NO供給手段は、この形態に限られず、排気ガスに含まれるNO量を変化させるように形成されていれば構わない。
また、パティキュレートフィルタの再生を行なうときに、パティキュレートフィルタの昇温を行っても構わない。パティキュレートフィルタの昇温を行なうことにより、NOによる粒子状物質の酸化に加えて、粒子状物質が排気ガスに含まれるOと反応して燃焼することにより粒子状物質を除去することができる。
本実施の形態においては、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量を算出する時に、NO吸蔵触媒に吸蔵されているNO量を算出しているが、この形態に限られず、例えば、NOとともに吸蔵されるSO量を更に算出することができる。
排気ガス中にはSO、即ちSOが含まれている。図4を参照して、SOは、NO吸蔵触媒17に流入すると、貴金属触媒46において酸化されてSOとなる。このSOはNO吸収剤47に吸収されて、例えば炭酸バリウムBaCOと結合しながら、硫酸イオンSO 2−の形でNO吸収剤47内に拡散して、硫酸塩BaSOを生成する。NO吸収剤47は、強い塩基性を有するために硫酸塩BaSOは安定していて分解しづらく、単に排気ガスの空燃比をリッチにしただけでは硫酸塩BaSOは分解されずにそのまま残る。このため、NO吸蔵触媒の使用を継続すると、NO吸収剤47内の硫酸塩BaSOが増大して、NO吸蔵触媒が吸収できるNO量が低下することになる。このように、NO吸蔵触媒は、いわゆる硫黄被毒が生じる。
NO吸蔵触媒に吸蔵されているSO量の算出においては、蓄積されるNO量の算出と同様に、機関回転数と要求トルクを関数にする単位時間当たりのSO蓄積量のマップを電子制御ユニットに記憶させる。単位時間当たりのSO蓄積量を積算することにより、任意の時刻におけるSOの蓄積量を算出することができる。図5を参照して、ステップ106において、NO吸蔵可能量を算出するときにNO吸蔵触媒に蓄積されているNO量に加えてSO量を考慮しても構わない。
硫黄被毒を回復するためには、NO吸蔵触媒の温度をSO放出が可能な温度まで上昇させた状態でNO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチまたは理論空燃比にすることにより、NO吸蔵触媒からSOを放出させるSO放出制御を行なう。図5を参照して、ステップ110において、NOを放出させると共にSO放出制御を行なっても構わない。
本実施の形態における昇温制御は、燃焼室における噴射パターンを変更することにより、排気ガスの温度を昇温し、これにより、NO吸蔵触媒の温度を上昇させているが、この形態に限られず、任意の制御によりNO吸蔵触媒の温度を上昇させても構わない。例えば、NO吸蔵触媒よりも上流側の機関排気通路内に燃料を噴射する燃料添加弁を配置する。燃料添加弁から燃料を噴射することにより、NO吸蔵触媒の温度を上昇させることができる。NO吸蔵触媒には、酸化反応が生じる白金等の金属が担持されている(図4参照)。NO吸蔵触媒において酸化反応が生じることにより、NO吸蔵触媒の温度を上昇させることができる。
また、本実施の形態のNO放出制御は、燃焼室における噴射パターンの変更によりNOを放出しているが、この形態に限られず、排気ガスの空燃比をリッチまたは理論空燃比にする任意の制御を採用することができる。例えば、機関排気通路に燃料添加弁を配置する。この燃料添加弁から燃料を噴射することにより、排気ガスの空燃比をリッチまたは理論空燃比にすることができる。
本実施の形態における装置例ではパティキュレートフィルタ上に、貴金属触媒は担持されていないが、この形態に限られず、パティキュレートフィルタに白金のような貴金属触媒を担持させることができる。この場合には、パティキュレートフィルタに酸化触媒の機能を付与することができる。または、機関排気通路のNO吸蔵触媒の下流に酸化触媒を配置しても構わない。
(実施の形態2)
図16から図18を参照して、実施の形態2における内燃機関の排気浄化装置について説明する。本実施の形態における内燃機関の排気浄化装置は、パティキュレートフィルタを再生するときの制御が実施の形態1と異なる。
本実施の形態における制御は、実施の形態1の図5に示すパティキュレートフィルタの再生を実行するステップ111の制御に代えることができる。本実施の形態におけるNO供給手段は、過給機によって過給圧を高める制御に加えて、燃焼室に流入する再循環排気ガス量の比率を変更する制御を行なう。排気ガスのNO量に対するNO量の比率を増加させるとともに、NO吸蔵触媒に流入するNO量を抑制する。
図16に、本実施の形態における制御のフローチャートを示す。はじめに、ステップ121において、パティキュレートフィルタの再生の実施条件が成立しているか否かを判別する。すなわち、パティキュレートフィルタを実施するための運転条件や、パティキュレートフィルタの粒子状物質の堆積量が許容値を超えているか否かを判別する。ステップ121において、パティキュレートフィルタの再生を行なう条件が成立していない場合には、この制御を終了する。パティキュレートフィルタの再生を行なう条件が成立している場合には、ステップ122に移行する。なお、本実施の形態における制御を、実施の形態1におけるパティキュレートフィルタの再生を実行する制御として用いる場合には、ステップ121を省略することができる。
ステップ122においては、現在のNO吸蔵触媒に流入するNO流量を記憶する。現在のNO吸蔵触媒に流入するNO流量は、例えば、実施の形態1と同様にマップにより算出することができる。または、NO吸蔵触媒より上流側の機関排気通路にNOセンサを配置して、機関排気通路を流れるNO流量を検出しても構わない。
次に、ステップ123において、NO流量を増加させるために吸入空気の過給圧を選定する。本実施の形態においては、運転許容範囲内で、予め設定されている最大の過給圧まで圧力を上昇させる。または、実施の形態1の図5のステップ104において定められている過給圧を選定することができる。
ステップ123においては、機関回転数および燃焼室における燃料の噴射量を関数にする過給圧のマップを用いて、過給圧を選定しても構わない。機関本体が低回転および低負荷の場合には、過給機におけるタービンホイールに供給する排気ガスの流速を速くしても、過給圧はさほど変わらないが、機関本体が高回転および高負荷の場合には、タービンホイールに供給する排気ガスの流速を速くすることにより、大きく過給圧が変化する。過給圧の変化が大きくなりすぎることにより、過給機が損傷する場合がある。過給圧を選定する場合に過給圧のマップを用いることにより過給機の損傷を防止することができる。
次に、ステップ124において、選定された過給圧に基づいて、過給機により機関本体に流入する空気の過給圧を増加する。過給圧を増加することにより、機関本体の吸入空気流量が増加する。
図17は、機関本体の再循環率(EGR率)と機関本体から排出される窒素酸化物の流量との関係を示すグラフである。横軸が再循環率であり、縦軸が単位時間あたりに機関本体から排出される(パティキュレートフィルタに流入する)窒素酸化物の流量である。再循環率は、燃焼室に流入する全てのガスの流量に対する再循環排気ガスの流量の比である。排気ガスの比率が増加すると再循環率が増加する。図17には、過給前および過給後について、NOとNOとのグラフがそれぞれ記載されている。
本実施の形態において、パティキュレートフィルタの再生を開始するときには点P1の状態である。過給機を駆動して目標の圧力まで過給を行なうことにより、矢印203に示す様に点P2に移行する。単位時間当たりにパティキュレートフィルタに流入するNO量およびNO量が増加する。
図16を参照して、次に、ステップ125において、過給後のNO吸蔵触媒に流入するNO流量を検知する。過給後の機関本体から排出されるNO流量(NO吸蔵触媒に流入するNO流量)は、例えば、機関回転数、燃焼室に噴射される燃料の量、過給圧および再循環率から単位時間当りに排出されるNO量を算出する複数のマップを用いることにより求めることができる。または、NO吸蔵触媒より上流側の機関排気通路にNOセンサを配置して、機関排気通路を流れるNO流量を検出することができる。
本実施の形態においては、燃焼室に流入する空気の再循環率を上昇させることにより、パティキュレートフィルタに流入するNO量を少なくする制御を行なう。機関本体の再循環率を高くすることにより、燃焼室に流入する空気の酸素濃度を低下させることができて、燃焼室から排出されるNO流量を低減することができる。
図18は、機関本体の再循環率とNOに含まれるNOの比率との関係を示すグラフである。再循環率を高くすることにより、燃焼室における燃焼時のガス温度を低下させることができる。この結果、NOに含まれるNOの比率を大きくすることができる。
図17を参照して、再循環率を高くすることにより、パティキュレートフィルタに流入するNO流量は、矢印204に示すように大きく減少する。NO流量は減少する一方で、NO比率は増加する。このために、機関本体から排出されるNO流量は、矢印205に示すように大きく減少せずに、高い流量を維持することができる。
図16を参照して、次に、ステップ126において、過給後のNO吸蔵触媒に流入するNO流量と、過給前のNO吸蔵触媒に流入するNO流量とを比較する。過給後のNO流量から過給前のNO流量を引いた値が判定値よりも大きい場合には、ステップ127に移行する。過給後のNO流量から過給前のNO流量を引いた値が判定値以下の場合には、ステップ130に移行する。
ステップ127においては、再循環率の増加量を選定する。本実施の形態においては、再循環率の増加量を予め定めておき、この増加量に基づいて再循環率を増加している。再循環率の増加量の選定においては、この形態に限られず、例えば、機関回転数と燃焼室に噴射する噴射量とを関数にする再循環率の増加量のマップを用いることにより選定しても構わない。
次に、ステップ128において、選定された再循環率がフィードバックの範囲内であるか否かを判別する。すなわち、選定された機関本体の再循環率が、運転許容範囲内であるか否かを判定する。例えば、機関本体の再循環率を高くしすぎることにより、燃焼室において失火する場合がある。または、燃焼室から排出される未燃燃料(HC)等の量により運転範囲が制限されている場合がある。ステップ128においては、算出された再循環率がこのような運転許容範囲内に含まれるか否かを判別する。選定されたが再循環率がフィードバックの範囲内である場合には、ステップ129に移行して、再循環率が増加される。ステップ128において、再循環率がフィードバックの範囲外である場合には、ステップ130に移行する。
図1を参照して、ステップ129において再循環率を増加する場合には、EGR通路18に配置されているEGR制御弁19を駆動することにより再循環の排気ガスの流量を変化させる。たとえば、EGR制御弁19を開くことにより、再循環流量が増加して、再循環率を増加させることができる。または、スロットル弁10の開度を調整することにより、再循環率を調整することができる。
ステップ129において再循環率を増加した後には、再びステップ126における判別を行なう。このように、本実施の形態においては、過給後のNO流量から過給前のNO流量を引いた値が判定値以下になるまで再循環率を増加する。本実施の形態においては、判定値を零にして制御を行なっている。
図17を参照して、再循環率を増加させることにより、単位時間あたりのNO流量は、点P2から点P3に移行する。機関本体の再循環率を増加させることにより、NO量を低減させることができる。本実施の形態においては、過給後のNO流量が、過給前のNO流量Qと略同じになるまで再循環率を増加している。このときに、排気ガスに含まれるNO量は減少するが、NOは高い流量を維持することができる。
図16を参照して、ステップ130では、現在の過給圧および再循環率を維持してパティキュレートフィルタの再生を行なう。ところで、本実施の形態においては、パティキュレートフィルタに流入するNO流量(機関本体から流出するNO流量)の範囲を定めて、この範囲内になるまで機関本体の再循環率を増加させている。このため、実施の形態1に示した予め定められている再生時間を適用すると、パティキュレートフィルタに供給されるNO量が、パティキュレートフィルタの再生に必要なNO要求量からずれる場合がある。
このため、本実施の形態においては、ステップ130において、選定された過給圧および選定された再循環率の条件下でパティキュレートフィルタに供給されるNO流量から、NO要求量を供給できる再生時間を算出している。算出された再生時間の間、NOの供給を継続することにより、酸化すべき粒子状物質の量に対応したパティキュレートフィルタの再生を行なうことができる。
本実施の形態における内燃機関の排気浄化装置は、NO流量を増加させるときにNO吸蔵触媒に流入するNO量の増加を抑制することができる。NO吸蔵触媒に流入するNO量を低減することができて、NOの放出を抑制することができる。また、NO吸蔵触媒においてNOの吸蔵量が少なくなるために、NO放出制御の間隔を長くすることができる。この結果、NO放出制御を行なうために消費する燃料の量を少なくすることができて燃費が向上する。
また、実施の形態1における予め設定された再生時間を採用して、再生を行なっても構わない。この場合に、パティキュレートフィルタに供給されるNO量が再生に必要なNO要求量以上になるときには、十分なパティキュレートフィルタの再生を行なうことができる。一方で、パティキュレートフィルタに供給されるNO量が再生に必要なNO要求量よりも小さくなるときには、パティキュレートフィルタに残存する粒子状物質の量を記憶しておいて、次回のパティキュレートフィルタの再生のときに除去を行なっても構わない。
更に、機関本体の再循環率を増加した時に、パティキュレートフィルタに流入するNO流量が小さくなり、予め設定された再生時間で再生を行なうとNO要求量よりもパティキュレートフィルタに供給するNO量が小さくなる場合には、再循環率の増加を停止する制御を行なっても構わない。この制御を行なうことにより、パティキュレートフィルタの再生に要求されるNO要求量を確保しながら、NO吸蔵触媒に流入するNO量を低減させることができる。
本実施の形態における制御は、実施の形態1に示すパティキュレートフィルタを再生する制御として用いる他に、本実施の形態における制御のみでパティキュレートフィルタを再生することもできる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
(実施の形態3)
図19から図22を参照して、実施の形態3における内燃機関の排気浄化装置について説明する。本実施の形態における制御は、パティキュレートフィルタの再生を実行している期間中に行なうことができる。たとえば、実施の形態1の図5のステップ111の期間中に行なうことができる。
図19に、本実施の形態における内燃機関の概略図を示す。本実施の形態における内燃機関の排気浄化装置は、パティキュレートフィルタ16の上流側の機関排気通路内に酸化触媒13を備える。酸化触媒13の下流には、酸化触媒13の温度を検知するための温度センサ28が配置されている。温度センサ28の出力信号は、電子制御ユニット30のAD変換器37を介して入力ポート35に入力されている。
酸化触媒13は、酸化能力を有する触媒である。酸化触媒13は、例えば、円筒形状のケース本体の内部に排気ガスの流れ方向に延びる隔壁を有する基体を備える。基体は、例えばハニカム構造に形成されている。基体の表面には、例えば多孔質酸化物粉末よりなるコート層が形成され、このコート層に白金等の貴金属触媒が担持されている。排気ガスに含まれるCOまたはHCは、酸化触媒13で酸化されて水や二酸化炭素等の物質に変換される。
本実施の形態におけるNO供給手段は、過給圧の上昇によるNOの増量に加えて、酸化触媒13によりNOを増量する。酸化触媒13において排気ガスに含まれるNOをNOに変換してパティキュレートフィルタ16に供給する。すなわち、酸化触媒13において、排気ガスに含まれる多量のNOの一部をNOに変換して、NO流量を増加させることができる。酸化触媒13の温度が、活性化温度以上の場合には酸化触媒13に供給するNO流量を増加させる制御を行なう。
実施の形態1における図5のステップ101からステップ110までは、本実施の形態における制御と同様である。また、本実施の形態の内燃機関においては、排気ガス再循環の制御が行なわれている。
図20に、本実施の形態におけるパティキュレートフィルタの再生を行なう制御のフローチャートを示す。ステップ131においては、パティキュレートフィルタの再生を開始しているか否かが判別される。ステップ131において、パティキュレートフィルタの再生を開始していない場合には、この制御を終了する。パティキュレートフィルタの再生を開始している場合にはステップ132に移行する。
ステップ132においては、酸化触媒13の劣化量を検知する。本実施の形態においては、酸化触媒13の温度を検知して熱劣化量を算出する。酸化触媒の温度は、酸化触媒13の下流に配置されている温度センサ28により検出することができる。
図21に、酸化触媒の熱負荷量と熱劣化量とのグラフを示す。熱負荷量が多くなるほど熱劣化量が増加する。酸化触媒13の劣化量の算出においては、例えば、図21に示す熱負荷量に対する酸化触媒の劣化量のマップを電子制御ユニット30に記憶させる。運転期間中の所定間隔ごとに酸化触媒の温度を検出して記憶する。これらの温度を積算することにより熱負荷量を算出することができる。熱負荷量から任意の時刻における酸化触媒の熱劣化量を算出することができる。
また、酸化触媒13は、排気ガスに含まれる硫黄成分が酸化触媒13の貴金属に付着することにより被毒を生じる場合がある。酸化触媒の劣化量の算出において、この被毒による劣化量を加算しても構わない。例えば、粒子状物質や気体状のSOが、貴金属の表面に付着することにより酸化能力が低下する。内燃機関1の運転状況から、酸化触媒13の被毒量を計算して劣化量を検出することができる。例えば、機関回転数と燃焼室2における燃料の噴射量とを関数にする単位時間当たりの硫黄成分の被毒量のマップを電子制御ユニット30に記憶させる。このマップにより算出される硫黄成分による被毒量を積算することにより、任意の時刻における酸化触媒13の劣化量を算出することができる。
酸化触媒の劣化量の算出は、上記の方法に限られず、任意の方法を採用することができる。たとえば、酸化触媒の劣化量の算出において、酸化触媒に未燃燃料を供給して、そのときの発熱量から酸化触媒の劣化量を検知することができる。酸化触媒の上流の機関排気通路に燃料を供給する燃料添加弁を配置する。燃料添加弁から燃料を噴射することにより、酸化触媒に燃料を供給する。そのときの燃料の供給量と酸化触媒の温度の上昇幅とを関数にする劣化量のマップを予め作成しておくことにより、酸化触媒の劣化量を検出することができる。
図20を参照して、次に、ステップ133において酸化触媒の劣化量から酸化触媒の活性化温度を算出する。活性化温度は、触媒が活性化して酸化反応が生じる温度である。
図22に、酸化触媒の劣化量と活性化温度とのグラフを示す。酸化触媒13の劣化量が大きくなるほど活性化温度が高くなる。酸化触媒の劣化量を関数にする活性化温度のマップを電子制御ユニット30に記憶させておくことにより、酸化触媒13の劣化量から活性化温度を算出することができる。
次に、ステップ134において、酸化触媒の温度が算出された活性化温度以上であるか否かを判別する。酸化触媒の温度が活性化温度よりも低い場合には、ステップ137に移行する。酸化触媒の温度が活性化温度以上である場合には、ステップ135に移行して、機関本体から排出されるNO量を増加させる制御を行なう。
ステップ135においては、機関本体の排気ガスの再循環率の低下量を選定する。本実施形態においては、予め定められた所定の低下量が採用されている。ステップ135においては、例えば、現在の酸化触媒の温度と活性化温度とを関数にする再循環率の低下量のマップを電子制御ユニットに記憶しておいて、このマップにより再循環率の低下量を選定しても構わない。
次に、ステップ136において、選定された低下量に基づいて再循環率を低下させる。たとえば、排気ガスの再循環流量を小さくする制御を行なう。再循環率を低下させることにより、酸化触媒13に流入するNO流量を増加させることができる。NO流量の増加に伴ってNO流量が増加する。酸化触媒13が活性化状態にある場合には、多量のNOをNOに変換することができる。このため、パティキュレートフィルタ16に供給するNO流量を増加させることができる。
このように、本実施の形態においては、酸化触媒が活性化状態のときに酸化触媒に流入するNO流量を増加させることにより、パティキュレートフィルタに流入するNO流量を増加させることができて、パティキュレートフィルタの再生を短時間で行なうことができる。
ここで、本実施の形態においては、酸化触媒13によりNOがNOに変換される変化率のマップを電子制御ユニット30に記憶させる。例えば、酸化触媒13の温度を関数にする変換率のマップを記憶させる。このマップを用いることにより、酸化触媒13に流入するNO流量から、酸化触媒13から流出するNO流量(パティキュレートフィルタ16に流入するNO流量)を算出することができる。
パティキュレートフィルタの再生時間に関しては、再循環率を低下させたときの酸化触媒から流出するNO流量を算出する。酸化触媒から流出するNO流量から、パティキュレートフィルタの再生に必要なNO要求量を供給できる再生時間を算出することができる。
酸化触媒13から流出するNO流量は、酸化触媒13に流入するNO流量と等しくなり、燃焼室から排出されるNO量からパティキュレートフィルタ16に流入するNO流量を求めることができる。更にNO吸蔵触媒17に流入するNO流量を求めることができる。NO吸蔵触媒に流入するNO流量および再生時間から、パティキュレートフィルタの再生期間中にNO吸蔵触媒に蓄積されるNO量を算出することができる。
本実施の形態における排気浄化装置は、再循環率を低下させることにより酸化触媒に流入するNO量を増加させているが、この形態に限られず、任意の制御によりNO量を増加させても構わない。
本実施の形態における装置例ではパティキュレートフィルタの上流に、酸化触媒が配置されているが、この形態に限られず、パティキュレートフィルタに白金のような貴金属触媒を担持させることができる。この場合には、酸化触媒が独立して配置されていなくても構わない。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1または2と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。上記の実施の形態は、適宜組み合わせることができる。また、実施の形態においては、特許請求の範囲に含まれる変更が意図されている。
実施の形態1における内燃機関の全体図である。 パティキュレートフィルタの概略正面図である。 パティキュレートフィルタの概略断面図である。 NO吸蔵触媒の拡大概略断面図である。 実施の形態1における排気浄化装置の制御のフローチャートである。 実施の形態1における機関回転数および燃料噴射量を関数にする単位時間当りにパティキュレートフィルタに堆積する粒子状物質の量のマップである。 パティキュレートフィルタに堆積する粒子状物質の量と再生に必要なNO要求量との関係を示すグラフである。 実施の形態1における排気ターボチャージャのタービンの拡大概略断面図である。 実施の形態1における排気ターボチャージャのノズルベーンを説明する概略平面図である。 過給機の過給圧と燃焼室から排出される窒素酸化物の流量との関係を示すグラフである。 機関回転数および要求トルクを関数にする単位時間当たりにNO吸蔵触媒に蓄積されるNO量のマップである。 NO吸蔵触媒の温度とNO飽和吸蔵量との関係を示すグラフである。 通常運転時における噴射パターンの説明図である。 排気ガスを昇温する時の噴射パターンの説明図である。 排気ガスの空燃比をリッチにする時の噴射パターンの説明図である。 実施の形態2における排気浄化装置の制御のフローチャートである。 機関本体の再循環率と機関本体から排出される窒素酸化物との関係を示すグラフである。 機関本体の再循環率とNOに含まれるNOの比率を示すグラフである。 実施の形態3における内燃機関の概略図である。 実施の形態3における排気浄化装置の制御のフローチャートである。 酸化触媒の熱負荷量と酸化触媒の熱劣化量との関係を示すグラフである。 酸化触媒の劣化量と酸化触媒の活性化温度との関係を示すグラフである。
1 機関本体
2 燃焼室
3 燃料噴射弁
4 吸気マニホールド
5 排気マニホールド
6 吸気ダクト
7 排気ターボチャージャ
7a コンプレッサ
7b タービン
12 排気管
13 酸化触媒
16 パティキュレートフィルタ
17 NO吸蔵触媒
18 EGR通路
19 EGR制御弁
26 温度センサ
27 温度センサ
30 電子制御ユニット
32 ROM
33 RAM
34 CPU
52 タービンホイール
54 ノズルベーン
54a 回動軸
55 ノズル駆動装置

Claims (6)

  1. 機関排気通路内に排気ガス中の粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを配置し、パティキュレートフィルタ下流の機関排気通路内に、排気ガスの空燃比がリーンの時には排気ガス中に含まれるNOを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOを放出するNO吸蔵触媒を配置した内燃機関の排気浄化装置において、
    パティキュレートフィルタに流入する排気ガス中のNO量を可変とするNO供給手段を備え、
    パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質を酸化することにより除去すべきときに、酸化すべき粒子状物質の量に対して必要なNO要求量を算出し、NO供給手段によりNO要求量のNOを含む排気ガスがパティキュレートフィルタに供給されたときにパティキュレートフィルタから流出するNO量を算出し、更に、NO吸蔵触媒がNOを吸蔵できる現在のNO吸蔵可能量を算出し、
    現在のNO吸蔵可能量がパティキュレートフィルタから流出するNO量未満の場合には、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量を上昇させることを特徴とする、内燃機関の排気浄化装置。
  2. NO吸蔵触媒は、NOの吸蔵量が最大になる最適温度を有し、現在のNO吸蔵触媒の温度が前記最適温度より低い場合には、NO吸蔵触媒の温度を上昇させる昇温制御を行ない、それでも現在のNO吸蔵可能量がパティキュレートフィルタから流出するNO量未満の場合には、NO吸蔵触媒に吸蔵されているNOを放出させるNO放出制御を行なうことにより、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量をパティキュレートフィルタから流出するNO量以上に上昇させることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. NO吸蔵触媒は、NOの吸蔵量が最大になる最適温度を有し、現在のNO吸蔵触媒の温度が前記最適温度以上の場合には、NO吸蔵触媒に吸蔵されているNOを放出させるNO放出制御を行なうことにより、NO吸蔵触媒のNO吸蔵可能量をパティキュレートフィルタから流出するNO量以上に上昇させることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. NO供給手段は、過給機によって過給圧を高めることにより、排気ガスに含まれるNO量を増加させることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. NO供給手段は、燃焼室内の再循環排気ガス量の比率を高めることにより、排気ガスのNO量に対するNO量の比率を増加させることを特徴とする、請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. NO供給手段は、パティキュレートフィルタ上流の機関排気通路内に配置されている酸化触媒の温度を検知し、酸化触媒の温度が活性化温度以上の場合に、酸化触媒に流入するNO量を増加させることにより、NO量を増加させることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013080735A1 (ja) * 2011-11-29 2013-06-06 Udトラックス株式会社 エンジンの触媒劣化検出装置
WO2013118173A1 (ja) * 2012-02-08 2013-08-15 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2014040826A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Hyundai Motor Company Co Ltd ディーゼル酸化触媒装置再生周期決定方法及び再生方法
JP2014194165A (ja) * 2013-03-28 2014-10-09 Yanmar Co Ltd 排気ガス浄化システム、及びこれを備えたエンジン

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