JP2010158779A - 版交換制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】版交換制御装置において、異常発生時における復旧作業を効率的に行うことで版交換作業における作業性の向上を図る。
【解決手段】旧版36a及び新版36bを保持可能であると共に傾動して先端部を版胴32に近接可能な版交換装置35と、版交換装置35による印刷機1の版交換時に異常が発生したかどうかを判定する異常判定部12aと、版交換装置35による刷版36の交換状態を検出する版交換状態検出部12bと、刷版36の交換中に異常が発生したときに版交換状態に応じて刷版36の抜き取り作業と刷版36の装着作業を選択的に実行する版胴制御部12c及び版交換制御部12dとを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、刷版の交換時に異常が発生したとき、自動復旧を容易にする版交換制御装置に関する。
印刷機械は、印刷に用いる版(刷版)を版胴に取り付けて印刷する。印刷が終了し、版胴から取り外された刷版を搬送したり、新しい刷版を版胴に取り付けるために搬送したりする版交換装置が知られている。このような版交換装置としては、例えば、特許文献1や特許文献2に、印刷機の保護カバーに内蔵されて、旧版の排出と新版の挿入とを行う版交換装置が開示されている。
特開2007−301848号公報 特開2007−301849号公報
ところで、特許文献1や特許文献2に開示された版交換装置で刷版を交換している最中に、印刷機に何らかの異常が発生して刷版の交換が中断することがある。この異常が発生した場合、オペレータは、この異常の原因を特定して排除した後、交換中にある刷版を抜き取る。そして、版交換作業を再試行している。そのため、異常が発生した際におけるオペレータの作業が面倒なものとなり、版交換作業の作業性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するものであり、異常発生時における復旧作業を効率的に行うことで版交換作業における作業性の向上を図る版交換制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の版交換制御装置は、旧版及び新版としての刷版を保持可能であると共に傾動して先端部を版胴に近接可能な版交換装置と、該版交換装置による印刷機の版交換時に異常が発生したかどうかを判定する異常判定部と、前記版交換装置による前記刷版の交換状態を検出する版交換状態検出部と、前記刷版の交換中に異常が発生したときに版交換状態に応じて前記刷版の抜き取り作業と前記刷版の装着作業を選択的に実行する復旧処理部と、を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の版交換制御装置では、前記異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、前記版交換状態検出部が前記旧版の取外し状態を検出すると、前記復旧処理部は前記旧版の抜き取り作業を実行することを特徴としている。
また、本発明の版交換制御装置では、前記異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、前記版交換状態検出部が前記新版の取付け状態を検出すると共に前記新版の装着位置を検出すると、前記復旧処理部は、前記新版の装着位置に応じて前記新版の抜き取り作業と前記新版の装着作業を選択的に実行することを特徴としている。
また、本発明の版交換制御装置では、前記版交換装置は、前記新版を保持して前記版胴の版取付部に挿入可能な版保持部を有し、前記異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、前記版交換状態検出部が前記新版の後端部が版保持部を通過していないことを検出すると、前記復旧処理部は、前記新版の抜き取り作業を実行することを特徴としている。
また、本発明の版交換制御装置では、前記版交換装置は、前記新版を保持して前記版胴の版取付部に挿入可能な版保持部を有し、前記異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、前記版交換状態検出部が前記新版の後端部が版保持部を通過したことを検出すると、前記復旧処理部は、前記新版の装着作業を実行することを特徴としている。
また、本発明の版交換制御装置では、前記版交換装置は前記刷版を前記版胴押圧支持する版交換補助ローラを有し、前記異常判定部は、版交換時に発生する異常の内容を判定可能であり、前記復旧処理部により前記版胴を回転不能な異常であると判定したとき、前記版交換装置が前記版交換補助ローラを前記版胴から離間し、前記刷版の抜き取り作業を実行することを特徴としている。
本発明の版交換制御装置によれば、旧版及び新版としての刷版を保持可能であると共に傾動して先端部を版胴に近接可能な版交換装置と、印刷機の版交換時に異常が発生したかどうかを判定する異常判定部と、刷版の交換状態を検出する版交換状態検出部と、刷版の交換中に異常が発生したときに版交換状態に応じて刷版の抜き取り作業と刷版の装着作業を選択的に実行する復旧処理部とを設けている。従って、刷版の交換中に異常が発生したとき、刷版の版交換状態に応じて抜き取り作業と装着作業を選択的に実行することとなり、版交換状態に応じた最適な復旧作業を効率的に行うことで、版交換作業における作業性を向上することができる。
また、本発明の版交換制御装置によれば、異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、版交換状態検出部が旧版の取外し状態を検出すると、復旧処理部は旧版の抜き取り作業を実行するので、刷版の交換中に異常が発生したとき、旧版の取外し状態であるときには、抜き取り作業を実行することとなり、版胴に悪影響を与えることなく復旧作業を行うことができる。
また、本発明の版交換制御装置によれば、異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、版交換状態検出部が新版の取付け状態を検出すると共に新版の装着位置を検出すると、復旧処理部は、新版の装着位置に応じて新版の抜き取り作業と新版の装着作業を選択的に実行するので、刷版の交換中に異常が発生したとき、新版の取付け状態であるときには、新版の装着位置に応じて抜き取り作業と装着作業を選択的に実行することとなり、版装着位置に応じた最適な復旧作業を効率的に行うことができる。
また、本発明の版交換制御装置によれば、版交換装置に新版を保持して版胴の版取付部に挿入可能な版保持部を設け、異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、版交換状態検出部が新版の後端部が版保持部を通過していないことを検出すると、復旧処理部は、新版の抜き取り作業を実行するので、刷版の交換中に異常が発生したとき、新版の後端部が版保持部を通過していないと、抜き取り作業を実行することとなり、版胴に悪影響を与えることなく復旧作業を行うことができる。
また、本発明の版交換制御装置によれば、版交換装置に新版を保持して版胴の版取付部に挿入可能な版保持部を設け、異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、版交換状態検出部が新版の後端部が版保持部を通過したことを検出すると、復旧処理部は、新版の装着作業を実行するので、刷版の交換中に異常が発生したとき、新版の後端部が版保持部を通過していると、装着作業を実行することとなり、版交換装置に悪影響を与えることなく復旧作業を行うことができる。
また、本発明の版交換制御装置によれば、版交換装置に刷版を版胴押圧支持する版交換補助ローラを設け、異常判定部は、版交換時に発生する異常の内容を判定可能であり、復旧処理部により版胴を回転不能な異常であると判定したとき、版交換装置が版交換補助ローラを版胴から離間し、刷版の抜き取り作業を実行するので、刷版の交換中に異常が発生したとき、版胴を回転不能であれば、版交換補助ローラを版胴から離間し、刷版の抜き取り作業を実行することとなり、版胴に悪影響を与えることなく復旧作業を行うことができる。
図1は、本発明の一実施例に係る版交換制御装置を含む印刷機を示す概略構成図である。 図2は、版胴の構成を示す模式図である。 図3は、保護カバーを示す外観正面図である。 図4は、保護カバーが開いた状態を示す斜視図である。 図5は、版交換装置における傾動機構を表す概略図である。 図6は、版交換装置における版交換補助ローラを表す概略構成図である。 図7は、版交換装置の版保持装置を表す概略図である。 図8は、版交換時の異常発生時における印刷機の復旧方法を表すフローチャートである。 図9は、版交換時の異常発生時における印刷ユニットの復旧方法を表すフローチャートである。 図10は、印刷時の版胴の位相を示す説明図である。 図11は、版交換時の版胴の位相を示す説明図である。 図12は、版交換作業前の状態の版交換装置を表す概略図である。 図13は、旧版を取り外す状態の版交換装置を表す概略図である。 図14は、新版を取付ける状態の版交換装置を表す概略図である。 図15は、新版を取付ける状態の版交換装置を表す概略図である。 図16は、新版を取付けるときに異常が発生した状態の版交換装置を表す概略図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。本発明は、版胴に取り付けられている刷版(旧版)を版胴から取り外して搬送し、新しい刷版(新版)を版胴へ搬送して取り付ける版交換装置を備える印刷機に対して適用でき、特に、自動的に刷版を搬送し、交換する自動版交換装置を備える印刷機に好ましい。
図1は、本発明の一実施例に係る版交換制御装置を含む印刷機を示す概略構成図、図2は、版胴の構成を示す模式図、図3は、保護カバーを示す外観正面図、図4は、保護カバーが開いた状態を示す斜視図、図5は、版交換装置における傾動機構を表す概略図、図6は、版交換装置における版交換補助ローラを表す概略構成図、図7は、版交換装置の版保持装置を表す概略図、図8は、版交換時の異常発生時における印刷機の復旧方法を表すフローチャート、図9は、版交換時の異常発生時における印刷ユニットの復旧方法を表すフローチャート、図10は、印刷時の版胴の位相を示す説明図、図11は、版交換時の版胴の位相を示す説明図、図12は、版交換作業前の状態の版交換装置を表す概略図、図13は、旧版を取り外す状態の版交換装置を表す概略図、図14及び図15は、新版を取付ける状態の版交換装置を表す概略図、図16は、新版を取付けるときに異常が発生した状態の版交換装置を表す概略図である。
本実施例において、図1に示すように、印刷機1は、これを制御する印刷機制御装置10を備える。この印刷機1は、例えば、オフセット印刷機の枚葉印刷機であり、給紙部2と、印刷部3と、排紙部4とを有する。給紙部2は、セットされた被記録媒体である紙(枚葉紙)を繰り出して複数の印刷ユニット3a、3b、3c、3dで構成される印刷部3に供給する。それぞれの印刷ユニット3a、3b、3c、3dは、版胴32a、32b、32c、32dと、ブランケット胴33a、33b、33c、33dと、圧胴34とを有し、供給された紙にオフセット印刷する。
印刷部3は、例えばカラー印刷用の印刷機であればK、C、M、Yの各印刷色に対応した4つの印刷ユニット3a、3b、3c、3dが連結された構成となっている。紙は圧胴34及び中間胴30やチェーングリッパ等により給紙部2から印刷部3、排紙部4の順に搬送される。版胴32a、32b、32c、32d、ブランケット胴33a、33b、33c、33d、圧胴34等は、保護カバー40a、40b、40c、40dで覆われる。
版胴32a、32b、32c、32dの外周部には刷版が装着されており、インキ供給部からインキが供給される。前記刷版には、インキによる印刷画像が形成される。前記印刷画像は、ブランケット胴33a、33b、33c、33dに転写された後、紙に転写される。圧胴34は、搬送された紙をブランケット胴33a、33b、33c、33dに押し当てることにより、紙に前記印刷画像が転写される。すべての印刷ユニット3a、3b、3c、3dで印刷された紙は、排紙部4に送られる。排紙部4は、印刷部3で印刷された紙を積み上げる。
版胴32a、32b、32c、32dの外周部には、刷版が巻き付けられる。なお、図1に示す版胴32dは、便宜上、刷版36を交換している状態を示している。版胴32a、32b、32c、32dの外周部には、刷版が取り付けられる版取付部37a、37b、37c、37dが設けられる。ここで、版胴32a、32b、32c、32dの構造を説明する。以下の説明においては、必要に応じて版胴32a、32b、32c、32dを版胴32といい、版取付部37a、37b、37c、37dを版取付部37という。
即ち、図2に詳細に示すように、版取付部37は、版胴32の回転軸Zrと平行に形成される凹部である。版取付部37には、刷版36の両端部を把持して刷版36を版胴32の外周部に取り付ける版固定手段として、万力が配置される。版胴32へ刷版36を取り付けるときに、最初に刷版36の端部を把持する万力を咬み万力38といい、咬み万力38が刷版36を把持した後に、咬み万力38が把持した刷版36の端部とは反対側の端部を把持する万力を尻万力39という。すなわち、尻万力39は、刷版36の取付時においては、最後に刷版36を把持する。
刷版36の取り付け時には、咬み万力38を構成する咬み側チャック38cが刷版36の一方の端部を把持する。この状態で、版胴32は図2の矢印R1方向に回転して、刷版36が版胴32の外周部に巻き付けられる。そして、尻万力39を構成する尻側チャック39cが、咬み万力38が把持した刷版36の端部とは反対側の端部を把持して、刷版36が版胴32の外周部に取り付けられる。刷版36が版胴32から取り外される場合、尻万力39を構成する尻側チャック39cが開く。そして、版胴32は図2の矢印R2方向に回転して、刷版36が版胴32の外周部から取り外される。最後に咬み万力38を構成する咬み側チャック38cが開いて、刷版36が版胴32から取り外される。咬み万力38が開閉する、尻万力39が開閉するとは、それぞれ咬み側チャック38cが開閉する、尻側チャック39cが開閉するということである。
印刷時において、それぞれの版取付部37a、37b、37c、37dが互いに同じ大きさの中心角度で(位相差が0で)、版胴32a、32b、32c、32dが回転すると、すべての版取付部37a、37b、37c、37dが同時にブランケット胴33a、33b、33c、33dに接触する。その結果、印刷機1の駆動系に衝撃が発生し、印刷品質を低下させる。したがって、印刷機1は、印刷時においては、それぞれの版胴32a、32b、32c、32dの位相をずらしてある。これは、それぞれの版胴32a、32b、32c、32dの版取付部37a、37b、37c、37dが、互いに所定の中心角度をもって(所定の位相差で)回転するということである。
印刷する内容を変更する場合等は、刷版36を交換する。印刷機1は、それぞれの印刷ユニット3a、3b、3c、3dに版交換装置35a、35b、35c、35dを備えており、自動で刷版を交換できる。版交換装置35a、35b、35c、35dはいずれも同じ構造であり、次の説明においては、必要に応じて版交換装置35a、35b、35c、35dを版交換装置35という。
本実施例において、刷版を交換するにあたっては、すべての版胴32a、32b、32c、32dを、それぞれに対応する刷版の交換位置(版交換位置)に回転させる。これによって、それぞれの版胴32a、32b、32c、32dの位相が揃えられる。それぞれの版胴32a、32b、32c、32dがそれぞれの版交換位置に回転したら、それぞれの版交換装置35a、35b、35c、35dを用いて、すべての版胴32a、32b、32c、32dに対して同時に刷版を自動で交換する。
ここで、版交換位置は、版交換装置35a、35b、35c、35dが配置されている位置であり、刷版の交換時には、それぞれの版胴32a、32b、32c、32dの版取付部37a、37b、37c、37dが、版交換装置35a、35b、35c、35dが配置されている位置に移動するように、それぞれの版胴32a、32b、32c、32dが回転する。なお、図1では、便宜上版胴32dのみが版交換位置にあって、刷版36を交換している状態を示しているが、上述した通り、すべての版胴32a、32b、32c、32dをそれぞれの版交換位置に回転させて刷版を交換する。次に、印刷機制御装置10を説明する。
印刷機制御装置10は、印刷機1の動作を制御するとともに、版交換制御を実行する。このように、印刷機制御装置10は、本実施例に係る版交換制御装置として機能する。印刷機制御装置10は、コンピュータであり、入出力部(I/O)11と、処理部12と、記憶部13とを備えて構成される。印刷機制御装置10は、いわゆるパーソナルコンピュータを利用して構成してもよいし、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを組み合わせて構成してもよい。
処理部12は、入出力部11を介して印刷機1の制御対象に制御信号を送って印刷機1の動作を制御し、また、印刷機1のセンサ類から印刷機1の制御に用いる情報や印刷機1の状態に関する情報を受け取る。印刷機1の制御に用いる情報や印刷機1の状態に関する情報は、電気信号の形で印刷機制御装置10の処理部12へ送られる。処理部12は、CPUで構成されており、記憶部13上に存在するプログラム(コンピュータプログラム)と呼ぶ命令列を順に読み込み、解釈し、その結果に従ってデータを移動したり加工したりする。
なお、処理部12は、専用のハードウェアによって実現されるものであってもよい。また、処理部12の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本実施例に係る版交換制御の処理手順を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROMなどの可搬媒体、あるいはコンピュータシステムに内蔵されるハードディスクのような記録装置のことをいう。さらに、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にコンピュータプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間コンピュータプログラムを保持しているものを含むものとする。また、上記コンピュータプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
なお、本実施例に係る版交換制御は、予め用意されたコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現できる。このコンピュータプログラムは、インターネット等の通信回線を介して配布することができる。また、このコンピュータプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって前記記録媒体から読み出されることによって実行されるようにしてもよい。
処理部12は、異常判定部12aと、版交換状態検出部12bと、版胴制御部12cと、版交換制御部12dと、印刷制御部12eとを備える。本実施例に係る版交換制御装置の機能は、異常判定部12aと、版交換状態検出部12bと、版胴制御部12cと、版交換制御部12dとによって実現される。具体的には、復旧処理部及び継続処理部として、版胴制御部12cと版交換制御部12dが機能する。異常判定部12aは、印刷機1の版交換時に異常が発生したか否かを判定する。版交換状態検出部12bは、印刷機1が備えるそれぞれの版交換装置35a、35b、35c、35dによる版交換実施中に、どのような版交換状態にあるかを検出する。具体的に、版交換状態検出部12bは、刷版(旧版)36aの取外し状態か、刷版(新版)36bの取付け状態かを検出する。そして、刷版(新版)36の取付け状態にあるとき、この刷版(新版)36bの装着位置を検出する。
また、版胴制御部12cは、刷版36の交換中に印刷機1の異常が発生したとき、版交換制御部12dと連動し、版交換状態に応じて刷版36の抜き取り作業と刷版36の装着作業を選択的に実行する。即ち、版胴制御部12c及び版交換制御部12dは、刷版36の交換中に異常が発生した印刷ユニット3a、3b、3c、3dの復旧処理を実行(復旧処理部)し、異常が発生した印刷ユニット3a、3b、3c、3dの復旧処理の完了後に、異常が発生していない印刷ユニット3a、3b、3c、3dにおける版交換作業を継続(継続処理部)する。なお、版胴制御部12cは、基本的に版胴32a、32b、32c、32dの回転を制御している。一方、版交換制御部12dは、刷版36の交換、即ち、版交換に関する印刷機1の動作を制御する。版交換制御部12dは、例えば、咬み万力38や尻万力39の動作を制御したり、それぞれの版交換装置35a、35b、35c、35dの動作を制御したりする。印刷制御部12eは、例えば、給紙の制御やインキキーの制御等といった、印刷機1の印刷に関する動作を制御する。
印刷機制御装置10の入出力部11には、出力手段であるコントロールパネル14が接続される。コントロールパネル14は、表示手段であるディスプレイ14D及び印刷機1の動作を制御するための指令を入力する入力手段14Cが設けられる。記憶部13は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリやROM(Read Only Memory)のような不揮発性のメモリ、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体、あるいはこれらを組み合わせて構成される。記憶部13には、本実施例の版交換状態を検出する方法を実現するためのコンピュータプログラムやデータ、あるいは印刷機1の制御を実現するための制御用コンピュータプログラムや制御データが格納されている。処理部12は、これらのコンピュータプログラムやデータを用いて、本実施例の版交換状態を検出する方法を実現したり、印刷機1の動作を制御したりする。
図1に示す印刷機1は、版胴32a、32b、32c、32dをそれぞれの版交換位置に回転させて、同時に刷版を交換する。この場合、印刷時には互いにずれている版胴32a、32b、32c、32dの位相が揃えられる。一方、刷版の交換が終了して版交換作業から印刷が可能な状態へ復帰するときには、刷版の交換において揃えられたそれぞれの版胴32a、32b、32c、32dは、印刷時に必要な位相差に戻される。
また、印刷機1のそれぞれの印刷ユニット3a、3b、3c、3dが備える保護カバー40a、40b、40c、40dの構造はいずれも同一であり、以下の説明においては、便宜上保護カバー40という。図3及び図4に示すように、保護カバー40は、大きく分けて、上部41、中部42、下部43との3部材に別れ、それらが印刷ユニットのフレーム44に連結して構成される。
保護カバー40を構成する上部41、中部42、下部43のうち、上部41には版交換装置35が格納されている。上部41は、版交換装置35として機能するように、上端部に旧版引き上げ用(排出用)スロット51、及び新版挿入用スロット52が設けられる。
上部41は、回動軸50を中心として保護カバー40の中部42、下部43に対して回動して一定角度傾いて揺動するようになっており、図1に示す版胴32に巻き付いている刷版に、上部41の末端に設けられる新旧版交換補助ローラ53を押し付けて、旧版36aの取り込み、及び新版36bの巻き付けを容易にしている。これによって、上部41は、版交換装置35として機能する。他方、上部41は、刷版36を交換しないとき、保護カバーの上部構造体として機能する。ここで、本実施例では、フレーム44が、図3に示した保護カバーの上下開閉駆動部を覆うカバー45の内側に配設される構成を採用している。
新旧版交換補助ローラ53は、版胴32に新版36bを密着させながら巻き付かせる役目を果たす。また、新版36bの挿入の最終段階である尻万力39のチャック閉めの際に、チャックに刷版36を押圧しておく役目も果たす。なお、版交換装置35は、刷版36を交換しないとき、保護カバーの上部41として図1に示す印刷機1が備えるそれぞれの印刷ユニット3a、3b、3c、3dに内蔵された状態となる。
本実施例において、版交換装置35を回動駆動するアクチュエータとしてエアシリンダを用いており、このエアシリンダの直動伸縮から適当なリンクが組まれるリンク軸によって、回動軸50を中心とした所望の回動角度を得ることができる。新旧版交換補助ローラ53は、後に詳述するが、版交換に際して版胴32に押し当てられ、版胴32への版の密着状態を調整する。
即ち、図5に示すように、版交換装置35として機能する保護カバー40の上部41を、回動軸50を中心に揺動させる駆動力はエアシリンダ61により与えられる。ここで、エアシリンダ61は保護カバー40の中部42の外表面に沿うように、より分かり易くはフレーム44の長手方向に沿ってこのフレーム44に設けられることになるが、図5においては図中上下方向に設けられる。
ここで、上部41の揺動に伴って新旧版交換補助ローラ53(図4)が版胴32に当接するよう制御されるが、この際の当接に伴う反力等によるエアシリンダ61への負荷を軽減させるべく、本実施例では、このエアシリンダ61のロッド63の変位方向を規制する方向調整機構を用いる。具体的には、方向調整機構は、エアシリンダ61と同じように、保護カバー40の中部42、下部43の外表面に沿うように、フレーム44の長手方向に沿うように設けられた直動レール62と、エアシリンダ61のロッド63が連結されるリンク部材64に従動するガイド部材65とにより構成される。そして、リンク部材64の先端部がリンク軸66をもって版交換装置35として機能する保護カバー40の上部41に連結されている。
エアシリンダ71は複動型であって、1段目の伸長によりリンク軸66を移動して版交換装置35を第1角度θ1に傾動することができ、2段目の伸長によりリンク軸66を移動して版交換装置35を第2角度θ2に傾動することができる。
また、図6に示すように、新旧版交換補助ローラ53は、回動軸71から伸びたロッド72の先端に回転自在に付設される。この回動軸71は、スプロケット73になっており、上部に固定された牽引手段として機能するばね74に連結される引張り材(ここではチェーン)75によって、図の点線の位置から、実線の位置の方向、つまり版胴32側へ付勢されている。従って、新旧版交換補助ローラ53は、版胴32への押しつけ方により、回動軸71の角度が変わり、旧版36aの取り込み補助、新版36bの巻き付け補助を担う。
また、図7に示すように、版交換装置35には、新版挿入路に新版保持体80が設けられている。この新版保持体80は、連結板81の両端部の版胴32側に沿って設けられ、新版挿入路上で刷版(新版)36の面の両端部を挟持する。ここで、挟持制御には、エアシリンダ82が用いられる。具体的には、新版保持体80の下爪部材83が、固定された上爪部材84に対して相対移動することにより生じる隙間の開閉量が、そのエアシリンダ82のロッド85の伸縮によって制御される。刷版(新版)36は、この新版保持体80の下爪部材83と上爪部材84とにより挟持される。
そして、連結板81の端部には、柱状突起86がそれぞれ突出しており、この柱状突起86は、版交換装置35の図示しないサブフレームに設けられる溝に嵌合している。また、サブフレームには、U字形をなす版導入回動体が回動自在に支持されており、この版導入回動体は、柱状突起86に係合し、エアシリンダ82により回動することで、柱状突起86を介して新版保持体80を、つまり、下爪部材83と上爪部材84とにより挟持された刷版(新版)36を移動することができる。従って、新版保持体80が挟持した刷版(新版)36を版胴32に差し込むことができる。
ここで、本実施例に係る版交換方法を説明する。本実施例に係る版交換制御は、本実施例に係る版交換制御装置として機能する印刷機制御装置10(図1)により実現できる。本実施例に係る版交換方法では、まず、ステップS101において、印刷機制御装置10の版胴制御部12c及び版交換制御部12dは、版交換を実行する。なお、この版交換は、版胴32から旧版36aを取り外すこと、及び版胴32へ新版36bを取り付けることを実行する。
ステップS101の版交換に先立ち、本実施例では、同位相化を実行する。図10は、印刷時におけるそれぞれの版胴32a、32b、32c、32dの状態を示している。これに対して、図11は、版交換時におけるそれぞれの版胴32a、32b、32c、32dの状態を示している。本実施例では、版交換時において、すべての版胴32a、32b、32c、32dを版交換位置へ移動させる動作を実行する。この動作は、すべての版胴32a、32b、32c、32dの版取付部37a、37b、37c、37dを、それぞれの版交換位置Ex1、Ex2、Ex3、Ex4に向かって回転させる動作であって、これを同位相化という。同位相化により、すべての版胴32a、32b、32c、32dに対して同時に版交換が実行できるので、版交換に要する時間を短縮できる。
版交換が終了したら、版胴32a、32b、32c、32d同士の位相差が、印刷時における位相差となるようにすべての版胴32a、32b、32c、32dが回転する。具体的には、それぞれの版取付部37a、37b、37c、37dが、それぞれ所定の印刷位置Ps1、Ps2、Ps3、Ps4へ対向するように、それぞれの版胴32a、32b、32c、32dが回転する。この動作を、同位相解除という。印刷時には、この状態を保って、版胴32a、32b、32c、32dが回転する。そのため、本実施例では、4つの印刷ユニット3a、3b、3c、3dにおける各版胴32a、32b、32c、32dは、それぞれ独立した図示しない駆動装置(駆動モータ)により駆動可能に構成されている。
印刷機1に対する版交換は、上述した同位相化が終了した後、例えば、次の手順で実現される。図12には、新版36bがセットされた状態の保護カバー40、つまり、版交換装置35を示している。版交換装置35が回動していない状態では、この版交換装置35は、保護カバー40の上部41、中部42、下部43と一体になって内蔵されている。新旧版交換補助ローラ53も保護カバー40の内部に収まっている。版交換装置35に隣接して旧版36aが巻き付けられている版胴32が位置している。旧版36aは、先端と尻とが版胴32の版取付部37に挟まれて巻き付けられている。
この状態から、図13に示すように、傾動機構としてのエアシリンダ61の1段目の伸長により版交換装置35を第1角度θ1に傾動する。このとき、新旧版交換補助ローラ53は、版胴32に巻き付いている旧版36aを押さえにいく。実際は、新旧版交換補助ローラ53が版胴32に巻き付いている旧版36aに接し、ある程度押圧し、版胴32の万力39の尻側チャック39cが外される。
尻側チャック39cから外れた旧版36aは、下部から新旧版交換補助ローラ53に支えられ、版交換装置35の旧版引き上げスロット51に入る。この後、版胴32を時計回りに回動すると、旧版36aは、版交換装置35の内部に挿入され、ガイドの役割を果たす内部ローラによって挟まれる。これで旧版36aの引き上げが完了する。なお、この時点では、新版36bは、まだ、版交換装置35の内部にセットされたままの状態である。
続いて、図14に示すように、版交換装置35は、旧版36aの引き上げが完了すると、新版36bの版胴32への巻き付けを行う。このとき、版交換装置35にて、エアシリンダ61の2段目の伸長により版交換装置35を第2角度θ2に傾動する。新旧版交換補助ローラ53は、この状態になったときに、旧版36aの引き上げ時よりも強く版胴32に押しつけられる。これは、版胴32の万力がある箇所は、円弧面ではなく、凸凹した面であるからである。
新旧版交換補助ローラ53が万力のある箇所に押しつけられると、新版36bの先端に刻んである半円形状の切り欠きが、咬み側チャック38cの内側の位置決めピンに当てられる。ここで、咬み側チャック38cは、旧版36aを排出する際には既に開いた状態とされている。この切り欠きが位置決めピンに当てられたら、咬み側チャック38cが閉じられ、版胴32が反時計回りに回動させられる。このとき、新旧版交換補助ローラ53が、新版36bを版胴32に密着させるように強く押圧させることになる。
そして、図15に示すように、新旧版交換補助ローラ53が、新版36bを版胴32に密着させるように強く押圧させた状態で、版胴32を反時計回り方向に回動することで、新版36bが版胴32に巻き付けられる。尻側チャック39cの位置まできたら、この尻側チャック39cを閉じて、版胴32への新版36bの巻き付けが完了する。完了後は、版交換装置35が、図12の待機位置まで回動して戻る。
図8に戻り、ステップS102にて、異常判定部12aが印刷機1に異常は発生しているかどうかを判定する。ここで、版交換時において、異常判定部12aが印刷機1に異常は発生していないと判定した場合、本実施例に係る版交換方法は終了する。一方、版交換時において、異常判定部12aが、印刷機1に異常が発生して版交換が中断されたと判定した場合、ステップS103へ移行する。
ステップS103において、印刷機制御装置10の異常判定部12aは、発生した異常が各印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける固有の異常(エラー)であるかどうかを判定する。各印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける固有のエラーとは、例えば、各種センサの故障、旧版36aや新版36bの詰まりなどであり、一方、各印刷ユニット3a,3b,3c,3dに共通する外的なエラーとは、エリアセンサの検知による停止、非常停止スイッチの操作などである。
ここで、異常判定部12aは、発生した異常が各印刷ユニット3a,3b,3c,3dのいずれかにおける固有のエラーであると判定したら、ステップS104にて、版胴制御部12c及び版交換制御部12dは、自動復旧処理を実行することができるかどうかを判定する。即ち、各種センサの故障などであれば、自動復旧処理が可能となり、旧版36aや新版36bの詰まりなどであれば、自動復旧処理が不可能となる。
ここで、版胴制御部12c及び版交換制御部12dは、自動復旧処理を実行可能であると判定されたら、ステップS105にて、エラーが発生した印刷ユニットの自動復旧処理を実行し、自動復旧処理を実行不可能であると判定されたら、ステップS108にて、エラーが発生した印刷ユニットの手動復旧処理を実行する。ステップS106では、エラーが発生していない印刷ユニットにおける版交換作業を継続するかどうかを判定する。ここで、オペレータにより継続スイッチが操作されたなら、印刷ユニットにおける版交換作業を継続するものと判定され、ステップS107にて、エラーが発生していない印刷ユニットにおける版交換作業を再開する。この場合、オペレータは、後述するエラー(異常)発生要因を排除した後に確認スイッチを操作し、且つ、復旧処理が完了した後に確認スイッチを操作することで、継続スイッチの操作が可能となる。なお、ステップS106、S107の処理にて、エラーが発生した印刷ユニットの自動復旧処理が完了したり、エラーが発生した印刷ユニットの手動復旧処理が完了したら、自動的にエラーが発生していない印刷ユニットの版交換作業を再開してもよい。
一方、ステップS103において、印刷機制御装置10の異常判定部12aは、発生した異常が各印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける固有のエラーではなく、各印刷ユニット3a,3b,3c,3dに共通するエラーであると判定したら、ステップS109にて、全ての印刷ユニット3a,3b,3c,3dの自動復旧処理を実行する。この場合の自動復旧処理とは、エラーが発生した印刷ユニットの自動復旧処理と同様の処理であってもよく、また、版交換作業の再開であってもよい。
次に、異常が発生したときの自動復旧処理について説明する。図9に示すように、ステップS201にて、版交換装置35による版交換作業の実行中に、ステップS202にて、異常判定部12aが、印刷機1に異常が発生して版交換が中断されたと判定した場合、ステップS203へ移行する。ステップS203にて、版交換状態検出部12bは、版交換装置35が旧版36aを取り出しているかどうかを判定する。ここで、旧版36aを排版中、つまり、図13に示す状態であると判定されたら、ステップS204にて、セットされている新版36bを抜き取り、ステップS205にて、エラー発生要因を排除し、ステップS206にて、旧版36aを抜き取る。
即ち、旧版36aを排版中に、各種センサの故障による異常が発生したら、オペレータは、版交換装置35内にセットされている新版36bを抜き取り、エラー発生要因を排除する。この場合には、エラー発生要因がセンサの故障であることを確認し、故障したセンサを修理したり、交換する。このようにしてエラー発生要因が排除されたら、版胴32と版交換装置35に跨って位置している旧版36aを、版胴32を回転することで版交換装置35内に抜き取る。そして、ステップS207にて、自動復旧が完了する。
一方、ステップS203にて、旧版36aを排版中でないと判定されたら、ステップS208にて、版交換状態検出部12bは、版交換装置35が新版36bを取り付けているかどうかを判定する。ここで、新版36bを版付中、つまり、図14または図15に示す状態であると判定されたら、ステップS209にて、既に抜き取った旧版36aを抜き取り、ステップS210にて、エラー発生要因を排除する。また、ステップS211にて、版交換状態検出部12bは、新版36bの後端部が版保持部、つまり、新版保持体80の下爪部材83及び上爪部材84を通過したかどうかを検出する。この場合、版胴32はその回動位置が常時検出されており、この版胴32の回動位置から新版36bの後端部の位置を推定する。なお、新版保持体80に検出センサを設けてもよい。
このステップS211にて、新版36bの後端部が版保持部を通過したと検出されたら、ステップS212にて、新版36bを装着する。一方、新版36bの後端部が版保持部を通過していないと検出されたら、ステップS213にて、新版36bを抜き取る。
即ち、新版36bの後端部が版保持部を通過したと検出されたら、新版36bの後端部を版保持部を通して版交換装置35内に戻すことは困難であることから、エラー発生要因が排除されたら、版胴32と版交換装置35に跨って位置している新版36bを、版胴32を回転することで巻き付ける。一方、新版36bの後端部が版保持部を通過していないと検出されたら、安全性を考慮して、エラー発生要因が排除されたら、版胴32と版交換装置35に跨って位置している新版36bを、版交換装置35内に戻す。そして、ステップS207にて、自動復旧が完了する。
また、異常が発生したときの手動復旧処理について説明する。図16に示すように、版胴32への新版36bの取り付け中に、新版36bの先端部が咬み側チャック38cに挿入されずに、新版36bが安全スイッチ91に接触して停止した場合には、版胴32を回動することができず、自動復旧が困難となる。そのため、このときは、エアシリンダ61を駆動し、1段目の収縮により版交換装置35を第3角度θ3、つまり、第2角度θ2から第1角度θ1を戻した角度に傾動する。すると、新旧版交換補助ローラ53が版胴32(新版36b)から離間し、オペレータは、版胴32を版交換装置35の下方に抜き取ることができる。
このように本実施例の版交換制御装置にあっては、旧版36a及び新版36bを保持可能であると共に傾動して先端部を版胴32に近接可能な版交換装置35と、版交換装置35による印刷機1の版交換時に異常が発生したかどうかを判定する異常判定部12aと、版交換装置35による刷版36の交換状態を検出する版交換状態検出部12bと、刷版36の交換中に異常が発生したときに版交換状態に応じて刷版36の抜き取り作業と刷版36の装着作業を選択的に実行する版胴制御部12c及び版交換制御部12dとを設けている。
従って、刷版36の交換中に異常が発生したとき、刷版36の版交換状態に応じて抜き取り作業と装着作業を選択的に実行することとなり、版交換状態に応じた最適な復旧作業を効率的に行うことで、版交換作業における作業性を向上することができる。
また、本実施例の版交換制御装置では、異常判定部12aが版交換時に異常を判定したとき、版交換状態検出部12bが旧版36aの取外し状態を検出すると、版胴制御部12c及び版交換制御部12dは旧版36aの抜き取り作業を実行する。従って、版交換中に異常が発生したとき、旧版36aの取外し状態であるときには、抜き取り作業を実行することとなり、版胴32に損傷などの悪影響を与えることなく、復旧作業を行うことができる。
また、本実施例の版交換制御装置では、異常判定部12aが版交換時に異常を判定したとき、版交換状態検出部12bが新版36bの取付け状態を検出すると共に新版36bの装着位置を検出すると、版胴制御部12c及び版交換制御部12dは、新版36bの装着位置に応じて新版36bの抜き取り作業と新版36bの装着作業を選択的に実行する。従って、版交換中に異常が発生したとき、新版36bの取付け状態であるときには、新版36bの装着位置に応じて抜き取り作業と装着作業を選択的に実行することとなり、版装着位置に応じた最適な復旧作業を効率的に行うことができる。
この場合、版交換状態検出部12bが新版36bの後端部が版保持部を通過していないことを検出すると、版胴制御部12c及び版交換制御部12dは、新版36bの抜き取り作業を実行する。従って、新版36bの後端部が版保持部を通過していないと、抜き取り作業を実行することとなり、版胴32に悪影響を与えることなく復旧作業を行うことができる。一方、版交換状態検出部12bが新版36bの後端部が版保持部を通過したことを検出すると、版胴制御部12c及び版交換制御部12dは、新版36bの装着作業を実行する。従って、新版36bの後端部が版保持部を通過していると、装着作業を実行することとなり、版交換装置35の版保持部に悪影響を与えることなく復旧作業を行うことができる。
また、本実施例の版交換制御装置では、版胴制御部12cにより版胴32を回転不能な異常であると判定したとき、版交換装置35が新旧版交換補助ローラ53を版胴32から離間し、刷版36の抜き取り作業を実行する。従って、版交換中に異常が発生したとき、版胴32が回転不能であれば、新旧版交換補助ローラ53を版胴32から離間し、新旧版交換補助ローラ53と版胴32との間に隙間を空けることで、刷版36の抜き取り作業を容易に行うことができると共に、版胴32に悪影響を与えることなく復旧作業を行うことができる。
更に、本実施例の版交換制御装置にあっては、印刷機1を各印刷ユニット3a,3b,3c,3dの版胴32a,32b,32c,32dを同位相に設定した状態で版交換可能とし、旧版36a及び新版36bを保持可能であると共に傾動して先端部を版胴32に近接可能な版交換装置35と、版交換装置35による印刷機1の版交換時に異常が発生したかどうかを判定する異常判定部12aと、刷版36の交換中に異常が発生した印刷ユニット3a,3b,3c,3dの復旧処理を実行して復旧処理の完了後に異常が発生していない印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける版交換作業を継続する版胴制御部12c及び版交換制御部12dとを設けている。
従って、刷版36の交換中に異常が発生したとき、異常が発生した印刷ユニット3a,3b,3c,3dの復旧処理を実行し、復旧処理の完了後に異常が発生していない印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける版交換作業を継続することとなり、版交換状態に応じた最適な復旧作業と再開作業を効率的に行うことで、版交換作業における作業性を向上することができる。
また、本実施例の版交換制御装置では、発生した異常が複数の印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける固有の異常かまたは複数の印刷ユニット3a,3b,3c,3dに共通する外的な異常かを判別し、印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける固有の異常であるときには、異常が発生した印刷ユニット3a,3b,3c,3dの復旧処理の完了後に異常が発生していない印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける版交換作業を継続している。従って、異常が発生していない印刷ユニット3a,3b,3c,3dの版交換作業を早期に再開することができる。
また、本実施例の版交換制御装置では、異常発生要因の排除と復旧処理の完了が確認されると、異常が発生していない印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける版交換作業の継続を可能としている。従って、異常が発生した印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける異常発生要因の排除と復旧処理の完了が確認されないと、異常が発生していない印刷ユニット3a,3b,3c,3dにおける版交換作業の継続を許可しないため、高い信頼性及び安全性を確保することができる。
本発明に係る版交換制御装置は、異常発生時における復旧作業を効率的に行うことで版交換作業における作業性の向上を図るものであり、いずれの印刷機にも適用することができる。
1 印刷機
2 給紙部
3 印刷部
3a,3b,3c,3d 印刷ユニット
4 排紙部
10 印刷機制御装置
11 入出力部
12 処理部
12a 異常判定部
12b 版交換状態検出部
12c 版胴制御部(復旧処理部、継続処理部)
12d 版交換制御部(復旧処理部、継続処理部)
12e 印刷制御部
13 記憶部
14 コントロールパネル
32,32a,32b,32c,32d 版胴
33a,33b,33c,33d ブランケット胴
34 圧胴
35,35a,35b,35c,35d 版交換装置
36 刷版
36a 旧版
36b 新版
37,37a,37b,37c,37d 版取付部
38 咬み万力
40 保護カバー
61 エアシリンダ(傾動機構)
53 新旧版交換補助ローラ
80 新版保持体

Claims (6)

  1. 旧版及び新版としての刷版を保持可能であると共に傾動して先端部を版胴に近接可能な版交換装置と、
    該版交換装置による印刷機の版交換時に異常が発生したかどうかを判定する異常判定部と、
    前記版交換装置による前記刷版の交換状態を検出する版交換状態検出部と、
    前記刷版の交換中に異常が発生したときに版交換状態に応じて前記刷版の抜き取り作業と前記刷版の装着作業を選択的に実行する復旧処理部と、
    を備えることを特徴とする版交換制御装置。
  2. 前記異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、前記版交換状態検出部が前記旧版の取外し状態を検出すると、前記復旧処理部は前記旧版の抜き取り作業を実行することを特徴とする請求項1に記載の版交換制御装置。
  3. 前記異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、前記版交換状態検出部が前記新版の取付け状態を検出すると共に前記新版の装着位置を検出すると、前記復旧処理部は、前記新版の装着位置に応じて前記新版の抜き取り作業と前記新版の装着作業を選択的に実行することを特徴とする請求項1に記載の版交換制御装置。
  4. 前記版交換装置は、前記新版を保持して前記版胴の版取付部に挿入可能な版保持部を有し、前記異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、前記版交換状態検出部が前記新版の後端部が版保持部を通過していないことを検出すると、前記復旧処理部は、前記新版の抜き取り作業を実行することを特徴とする請求項3に記載の版交換制御装置。
  5. 前記版交換装置は、前記新版を保持して前記版胴の版取付部に挿入可能な版保持部を有し、前記異常判定部が版交換時に異常を判定したとき、前記版交換状態検出部が前記新版の後端部が版保持部を通過したことを検出すると、前記復旧処理部は、前記新版の装着作業を実行することを特徴とする請求項3に記載の版交換制御装置。
  6. 前記版交換装置は前記刷版を前記版胴押圧支持する版交換補助ローラを有し、前記異常判定部は、版交換時に発生する異常の内容を判定可能であり、前記復旧処理部により前記版胴を回転不能な異常であると判定したとき、前記版交換装置が前記版交換補助ローラを前記版胴から離間し、前記刷版の抜き取り作業を実行することを特徴とする請求項1に記載の版交換制御装置。
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