JP2010158176A - プロポリスの起源植物の識別方法及びそれに用いられるdna増幅用のプライマーセット - Google Patents
プロポリスの起源植物の識別方法及びそれに用いられるdna増幅用のプライマーセット Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】プロポリスの起源植物の識別方法は、例えば(1)特定の塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと他の特定の塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対等の特定のプライマー対を用いてプロポリス由来のDNAを鋳型としたPCR反応を用い、PCR産物の有無によりプロポリスの起源植物として、バッカリス属が含まれるか否かを判定する。
【選択図】なし
Description
本実施形態のプロポリスの起源植物の識別方法(以下、単に「識別方法」という)は、後述する(1)〜(9)から選ばれる少なくとも一種のプライマー対を用いてプロポリス由来のDNAを鋳型としたPCR反応を用い、PCR産物を検出することによりバッカリス属が含まれるか否かを判定する工程からなる。
・本実施形態のプロポリスの起源植物の識別方法は、上述した(1)〜(9)から選ばれる少なくとも一種のプライマー対を用いてプロポリス由来のDNAを鋳型としたPCR反応を用い、PCR産物を検出することによりプロポリスの起源植物として、バッカリス属が含まれるか否かを判定する。したがって、プロポリスの起源植物としてバッカリス属が含まれるか否かの判定を正確に行うことができる。
・例えば、アレクレンを多く含有するブラジル産プロポリスは、プロポリス原塊が少し緑がかっているのでグリーンプロポリスと呼ばれている。本実施形態のプロポリスの起源植物の識別方法により、グリーンプロポリスを外観のみの官能的な識別判定のみならず、直接的で正確な識別判定を行うことができる。
・上記実施形態は、プロポリス由来のDNAを鋳型としたPCR反応を用い、PCR産物を検出することによりプロポリスの起源植物として、バッカリス属が含まれるか否かを判定するための上記(1)〜(9)から選ばれる少なくとも一種のプライマー対からなるDNA増幅用のプライマーセットとして構成してもよい。
<試験例1:グリーンプロポリスにバッカリス属のDNAが含有されているかの検討>
(試験試料)
周辺植物が主にアレクレンから構成される巣箱より採取されたプロポリス(ブラジル産グリーンプロポリス:A,Bの2社使用)を試験試料として使用した。陽性対照としてアレクレン(バッカリス)、陰性対照としてアレクレン以外の周辺植物である(1)シプレスティ、(2)パラナマツ、(3)ポロロッカ、及び(4)アロエイラの各生葉、並びに蜂としてアフリカ蜂化ミツバチ(ブラジル産)由来のDNAを使用した。
プロポリス、植物の生葉、及び蜂からのDNA抽出は、TRIzol Reagent(Invitrogen社製)を用いて行った。植物組織を50mg〜100ng、2mLエッペンチューブに秤量した。1mLのTRIzol Reagentを添加して混合した。300μLのクロロホルムを添加し、15秒ほどしっかりと転倒混和させ、常温で2〜3分放置した。これらを5000〜5500rpmで15分低温遠心し、上層を捨てた。450μLのエタノールを添加し、転倒混和させ、常温で2〜3分放置した。2500rpmで5分低温遠心し、上層(フェノール−エタノール層)を捨てた。これに1mLの0.1Mクエン酸ナトリウム−10%エタノールを添加し、常温で30分転倒混和した。2500rpmで5分低温遠心し、上層を捨てた。1.5〜2.0mLの75%エタノールを添加し、常温で30分転倒混和した。2500rpmで5分低温遠心し、上層を捨てた。エッペンチューブを、15〜30分程度風乾させ、300〜600μLの8mM−NaOHで希釈する。TEに20倍希釈して全体を30μLから600μLにした。紫外線吸光度測定(230〜320nm)によって、スペクトルを測定し、257nm近辺にピークがあることを確認した。
RAPD(ランダム増幅多型DNA:Random amplified polymorphic DNA)法により、ランダムプライマーを用いて増幅されるバンドの起源植物間多型を検出し、その中から明瞭且つ再現性のある多型を選択する。
試験試料として、プロポリス原料となる植物としてアレクレン(バッカリス)、シプレスティ、パラナマツ、ポロロッカ、及びアロエイラの各生葉、並びに蜂としてアフリカ蜂化ミツバチ(ブラジル産)及び西洋ミツバチ(中国産)を使用した。プライマーとしては、試験例1でグリーンプロポリスにおいてバッカリス属の植物と同一レベルのバンドが検出された配列番号1〜11に示される11種類のプライマーから2種類ずつを選定してダブルプライマー(プライマー対:全55対について検討)として使用した。尚、DNAの抽出、PCR、及び電気泳動によるバンドの検出方法は、上記試験例1に記載の方法を適用した。また、PCRにより増幅した断片について下記の方法に従い塩基配列を決定した。PCR後の電気泳動の結果を図2に示す。
各プライマー対から増幅されたDNA断片のうち、バッカリスの判別に良好なDNA断片を選定した。それらのDNA断片を、QIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いて精製した。精製した増幅DNAは、シグマアルドリッチジャパン社に委託して塩基配列決定を行った。
(a)前記プライマーセットに、さらに核酸増幅用試薬としてDNAポリメラーゼ、dNTPs混合液、及び核酸増幅反応バッファ、並びにゲノムDNA抽出用試薬を含んでなるプロポリス起源植物識別用キット。
Claims (4)
- 下記(1)〜(9)から選ばれる少なくとも一種のプライマー対を用いてプロポリス由来のDNAを鋳型としたPCR反応を用い、PCR産物を検出することによりプロポリスの起源植物として、バッカリス属が含まれるか否かを判定することを特徴とするプロポリスの起源植物の識別方法。
(1)配列番号5に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号6に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(2)配列番号7に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号9に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(3)配列番号1に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号6に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(4)配列番号2に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号5に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(5)配列番号1に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号8に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(6)配列番号3に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号11に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(7)配列番号4に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号7に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(8)配列番号4に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号8に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(9)配列番号10に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号11に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。 - 前記バッカリス属は、アレクレン(Baccharis dracunculifolia)であることを特徴とする請求項1に記載のプロポリスの起源植物の識別方法。
- 前記プライマー対は、前記(5)〜(9)から選ばれる少なくとも一種のプライマー対であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロポリスの起源植物の識別方法。
- プロポリス由来のDNAを鋳型としたPCR反応を用い、PCR産物を検出することによりプロポリスの起源植物として、バッカリス属が含まれるか否かを判定するための下記(1)〜(9)から選ばれる少なくとも一種のプライマー対からなるDNA増幅用のプライマーセット。
(1)配列番号5に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号6に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(2)配列番号7に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号9に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(3)配列番号1に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号6に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(4)配列番号2に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号5に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(5)配列番号1に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号8に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(6)配列番号3に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号11に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(7)配列番号4に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号7に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(8)配列番号4に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号8に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
(9)配列番号10に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号11に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせであるプライマー対。
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JP2003009878A (ja) * | 2001-07-02 | 2003-01-14 | Morita Kagaku Kogyo Kk | ステビア品種のdna鑑定による識別 |
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JPN6012035799; Euphytica Vol.153, 2007, p.233-247 * |
JPN6012035800; Plant Biotechnol. Vol.24, 2007, p.409-416 * |
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