JP2010156370A - 食い込み式管接続構造、弁、食い込み式管継手及び冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】配管差込口への配管の挿入不足の状態で配管接続作業が行われた場合であっても、配管接続完了時には配管の挿入寸法が適正となるようにした食い込み式管接続構造を提供すること。また、これを用いた弁、食い込み式管継手及び冷凍装置を提供すること。
【解決手段】継手本体1に形成されている接続すべき配管Pを挿入する配管差込口16の内周面と配管Pの外周面との間に装着されるスペーサ4を有する。スペーサ4は、結合部材2の締結によりフェルール3と一体的に移動するとともに、自らの移動に伴い配管Pを拘束して移動させる。また、スペーサ4は、フェルール3のエッジ部、具体例としては後エッジ部36a及び前エッジ部36bが配管Pに食い込む前に配管Pの先端を配管差込口16の段部18に当接させるとともに、自らの先端を配管差込口16の段部18に当接させるように構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】継手本体1に形成されている接続すべき配管Pを挿入する配管差込口16の内周面と配管Pの外周面との間に装着されるスペーサ4を有する。スペーサ4は、結合部材2の締結によりフェルール3と一体的に移動するとともに、自らの移動に伴い配管Pを拘束して移動させる。また、スペーサ4は、フェルール3のエッジ部、具体例としては後エッジ部36a及び前エッジ部36bが配管Pに食い込む前に配管Pの先端を配管差込口16の段部18に当接させるとともに、自らの先端を配管差込口16の段部18に当接させるように構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、食い込み式管接続構造に関し、特に、配管差込口における配管の挿入不足を回避する構造に関する。また、本発明は、このような食い込み式管接続構造を用いた弁、食い込み式管継手及び冷凍装置に関する。
冷凍装置の冷媒配管、温水装置の給湯配管や給水配管などの配管システムにおいて、一般に管継手により配管を接続する場合、接続すべき配管を予め設定された所定の位置まで挿入する必要がある。このため、接続すべき配管を挿入する配管差込口には段部が設けられ、接続すべき配管の先端がこの段部に当接したことを音や手で感じる感触により確認して管継手により接続するようにしている。
図13は、このような構造を有する従来例としての食い込み式管継手であり、例えば特許文献1に記載されている例である。この図に示すように、継手本体110は、結合部材120を螺合する雄ねじ部111が外周に形成された雄ねじ筒部112を有し、この雄ねじ筒部112の中心部には、配管差込口113とこれに連続する連絡孔114が設けられている。そして、配管差込口113と連絡孔114との境界部には、接続すべき配管100の先端位置を規制する規制部としての段部115が形成されている。また、配管差込口113の入口部には、フェルール130の先端部を密接させるカム面116が形成されている。
また、結合部材120は、雄ねじ部111に螺合する雌ねじ部121が内周面に形成された雌ねじ筒部122を有し、雌ねじ筒部122の側壁123の中心部には、配管貫通孔124が形成されている。そして、雌ねじ筒部122の内側面には、フェルール130の後端部を押圧する押圧面125が形成されている。また、この結合部材120における雌ねじ筒部122の内部には、径方向の薄肉部126により雌ねじ筒部122の側壁123と一体的に連結してフェルール130が形成されている。
フェルール130は、中心部に配管挿通孔131を有し、前部において、配管挿通孔131の内周面から径方向外側に向けて切り込まれた切込部132が形成されている。そして、この切込部132の後面と配管挿通孔131の内周面との角部が、接続すべき配管に食い込まれるエッジ部133を形成している。なお、切込部132の前にある先端部134は、結合部材120の締結当初において接続すべき配管100と配管差込口113との間に楔状に差し込まれて配管100を仮保持するように形成されている。
このように構成された食い込み式管継手により配管を接続する場合、通常は、図13(a)に示すように配管100の先端が段部115に当接するまで挿入された後に結合部材120が締結されて、図13(b)のように接続される。
特開2007−232210号公報、図2
しかし、この場合に配管100の先端が段部115に当接したかどうかの感触を得ることが必ずしも容易でない場合がある。このため、図14(a)に示すように配管100の先端が予め設定された段部115に当接しない、所謂配管の挿入不足の状態で接続されることが起こり得る。この場合には、図14(b)に示すように、結合部材120が締め付けられるときに配管100が段部115の方に逃げ、フェルール130のエッジ部133の食い込み量が不足するおそれがある。また、配管接続完了時に配管100の先端と段部115との間に隙間が生じるため、配管100を側方に押す偏荷重が生じた場合に配管100の先端が段部115で支持されないために、配管100に作用する曲げ力によりエッジ部133の食い込みによる気密性が劣化する恐れがある。
本発明は、従来技術に存在するこのような問題点に着目してなされたものであって、配管差込口への配管の挿入不足の状態で配管接続作業が行われた場合であっても、配管接続完了時には配管の挿入寸法が適正となるようにした食い込み式管接続構造を提供することを目的とする。また、本発明は、このような食い込み式管接続構造を用いた弁、食い込み式管継手及び冷凍装置を提供することを目的とする。
本発明に係る食い込み式管接続構造は、上記課題を解決するものであって、接続すべき配管を挿入する配管差込口と、配管差込口の入口部に形成されたカム面と、配管差込口に形成された接続すべき配管の先端の当り面を形成する段部とを備えた継手本体と、継手本体に螺合されて組み付けされる結合部材と、結合部材により前記カム面に押し付けられるフェルールと、前記配管差込口の内周面と前記配管の外周面との間を埋めるように装着される円筒状のスペーサとを備え、前記スペーサは、前記結合部材の締結によりフェルールと一体的に移動するとともに、自らの移動に伴い前記配管を拘束して移動させ、さらに、フェルールのエッジ部が配管に食い込む前に配管の先端を配管差込口の段部に当接させるとともに、自らの先端を配管差込口の段部に当接させるように構成されていることを特徴とする。
このような構成上の特徴を有する本発明に係る食い込み式管接続構造によれば、結合部材を締結することにより、配管は結合部材と一体的に移動するスペーサにより前進させられる。したがって、配管接続作業の開始時において、配管の先端が配管差込口の段部に当接していない、所謂配管の挿入不足の状態で結合部材が締結されるようなことがあっても、配管の先端がスペーサの先端より突出する状態で配管差込口の中に挿入されている限り、その後の結合部材の締結により配管が自動的に前進される。そして、配管の先端が配管差込口の段部に当接され、その後にスペーサの先端が段部に当接して配管接続作業が完了される。したがって、配管に偏荷重が作用することによる気密性の劣化が防止される。
この場合において、前記スペーサは、円筒状であって、次の式(1)〜式(3)が成立するように構成されていることが好ましい。
D1>d2…式(1)
D2>d3…式(2)
d2+2T>d3…式(3)
ただし、式(1)〜式(3)において
D1;スペーサの内径
D2;スペーサの外径
T;スペーサの肉厚
d2;接続すべき配管の外径
d3;配管差込口の内径
である。
D1>d2…式(1)
D2>d3…式(2)
d2+2T>d3…式(3)
ただし、式(1)〜式(3)において
D1;スペーサの内径
D2;スペーサの外径
T;スペーサの肉厚
d2;接続すべき配管の外径
d3;配管差込口の内径
である。
このように構成すると、式(1)を満足するように構成されているので、配管接続作業の開始時において、配管の先端を、フェルールの配管挿通孔及びスペーサの内側の孔を貫通させてスペーサの先端から突出させるとともに、配管を配管差込口に挿入する作業を簡単に行うことができる。また、式(2)及び式(3)を満足するように構成されているので、スペーサが配管差込口に挿入されるに伴い配管が締め付けられるので、フェルールのエッジ部が配管に食い込む前に、スペーサの移動とともに配管を段部に当接させるように移動させることができる。また、このようにしてスペーサが配管を締め付けることにより配管を仮保持することができるので、フェルールのエッジ部を食い込ませるように結合部材を締結する作業は、配管を保持することなく一般の締結工具で行うことができる。
また、前前記フェルールは、中心部に配管挿通孔を有し、前記スペーサは、内径をフェルールの配管挿通孔の内径と略同一の内径としてフェルールの先端に連結されるとともに、フェルールと一体に形成されていることが好ましい。このように構成すると、スペーサとフェルールとが一体に構成されているので、スペーサのみが単独で配管差込口側に移動することがないので、配管接続開始の工程において配管の先端をスペーサの先端から突出するように、フェルールの配管挿通孔及びスペーサの内周側の孔を介して挿入することが容易となる。また、スペーサがフェルールと一体に移動するので、結合部材の締結により配管の先端を段部に確実に当接させることができる。
前記スペーサは、その長さが配管差込口の長さと略同一に形成されるとともに、結合部材の締結工程において、配管の先端を段部に当接させた後に自らの先端を前記段部に当接させ、その後フェルールから分離されるように構成されていることが好ましい。このように構成すると、スペーサの長さが配管差込口の長さと略同一に形成されているので、結合部材の締結によりフェルールの先端部がカム面に押し付けられる前に、配管及びスペーサの先端を段部に確実に当接させることができる。また、配管及びスペーサの両者の先端が段部に当接した状態で、フェルールのエッジ部が配管に食い込むことになるので、偏荷重に対する食い込み部の気密性の劣化を確実に抑制することができる。
また、前記スペーサは、フェルールの先端との連結部において内周面側から径方向外周に向けて切り込まれた切込部が形成され、前記フェルールは、この切込部の後面とフェルールの配管挿通孔の内周面との角部をエッジ部とするように構成されていることが好ましい。このように構成すると、切り込みの深さを調整することにより外周側に残される肉厚を調整することができ、この調整により、フェルールがカム面に押し付けられる直前にスペーサをフェルールから切断することができる。また、切込部がこのように内周面から径方向外側に向かって設けられているので、スペーサが切断された後において、フェルールの前部に形成されるエッジ部を配管へ円滑に食い込ませることができる。
また、スペーサは、円筒状であって、先端部において先端に向かって肉厚が薄くなることにより外径が小さくなるように構成されるとともに、次の式(4)を満たすように構成されていることが好ましい。
D3<d3…式(4)
ただし、式(4)において
D3;先端に向かって肉厚が薄くなるように形成されたスペーサの先端部の外径
である。このように構成すると、配管の先端をスペーサの先端から突出させるとともに配管差込口に挿入した状態とし、次いで結合部材を手回しで締め付けることにより、配管差込口の内径より小さい外径部分であるスペーサの先端部を配管差込口に容易に挿入することができる。したがって、結合部材を手回しで締結してスペーサの先端部を配管差込口に挿入した後、一般の締結具を使用して結合部材を締結することができるので、作業性が向上する。
ただし、式(4)において
D3;先端に向かって肉厚が薄くなるように形成されたスペーサの先端部の外径
である。このように構成すると、配管の先端をスペーサの先端から突出させるとともに配管差込口に挿入した状態とし、次いで結合部材を手回しで締め付けることにより、配管差込口の内径より小さい外径部分であるスペーサの先端部を配管差込口に容易に挿入することができる。したがって、結合部材を手回しで締結してスペーサの先端部を配管差込口に挿入した後、一般の締結具を使用して結合部材を締結することができるので、作業性が向上する。
また、前記フェルールは、スペーサとの連結部において、フェルールの先端部の厚さがスペーサの肉厚よりも厚く形成されていることが好ましい。このように構成すると、フェルールの先端部に形成されるエッジ部の食い込み量を大きくすることができるので、配管に偏荷重が作用した場合におけるエッジ部の食い込みによる気密性の劣化をより一層効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る弁及び管継手は、上記何れかの食い込み式管接続構造を管継手部に用いたことを特徴とする。したがって、このような弁、管継手は、配管に偏荷重が作用することによる気密性の劣化を防止することができ、信頼性が向上する。
また、本発明に係る冷凍装置は、これら弁或は管継手を冷媒回路に用いたことを特徴とする。したがって、本発明に係る冷凍装置は、配管に偏荷重が作用することによる気密性の劣化を防止することができ、信頼性が向上する。
本発明に係る食い込み式管接続構造によれば、配管の先端が配管差込口の段部に当接していない、所謂配管の挿入不足の状態で結合部材が締結されるようなことがあっても、配管の先端がスペーサの先端より突出する状態で配管差込口の中に挿入されている限り、その後の結合部材の締結により配管が自動的に前進される。そして、配管の先端が配管差込口の段部に当接され、その後にスペーサの先端が段部に当接して配管接続作業が完了される。したがって、配管の配管差込口への挿入不足による気密性の劣化が防止される。
(実施の形態1)
以下、この発明の実施の形態1に係る食い込み式管接続構造を用いた食い込み式管継手について、図面に基づき説明する。
以下、この発明の実施の形態1に係る食い込み式管接続構造を用いた食い込み式管継手について、図面に基づき説明する。
本実施の形態に係る食い込み式管接続構造は、空気調和機などの冷凍装置の分野において、冷媒回路中の食い込み式管継手における管継手部に適用される他、分離型空気調和機の室外機における室内外連絡配管を接続する閉鎖弁の管継手部などに適用される。図1は、このような食い込み式管接続構造を管継手部に採用した食い込み式管継手の部分断面図であって、結合部材の締結開始時の状態図である。図2は、同食い込み式管継手においてフェルール及びスペーサを結合部材に仮止めした状態図である。
本実施の形態に係る食い込み式管接続構造は、図1及び図2に示すように、被接続側装置に取り付けられる継手本体1と、継手本体1に螺合されて組み付けされる結合部材2と、継手本体1及び結合部材2とは別体に形成されるとともに、継手本体1と結合部材2との間に挟着されるフェルール3とを備えている。また、フェルール3の先端には、本発明の特徴を成す円筒状のスペーサ4がフェルール3と一体的に形成されている。なお、本明細書の説明において前後の方向をいうときは、継手本体1側、すなわち、図1における左側を前側とし、結合部材2側、すなわち、図1における右側を後側とする。
継手本体1は、黄銅製であって、前述の図1、図2及び継手本体の単体図面である図3に示すように、基部11の前側にソケット部12が形成されるとともに、基部11の外周部の後側に雌ねじ筒部13が形成され、さらに、基部11の軸心部の後側に、雌ねじ筒部13内の空間部に突出する軸部14が形成されている。雌ねじ筒部13の内周面には、結合部材2の螺合部としての雌ねじ部13aが形成されている。軸部14の外周面には、配管接続時に軸部14の強度を調節するための環状空間部15が形成されている。また、この環状空間部15の基端部には内部凍結防止用の通気孔15aが形成されている(図3(a)及び(b)参照)。
基部11及び雌ねじ筒部13の外形は、一連の六角ナット状に形成されている。基部11から軸部14にかけての軸心部には接続すべき配管Pを挿入する配管差込口16が形成され、基部11からソケット部12にかけての軸心部には被接続側装置から導出される配管Paを挿入する配管差込口17が形成されている。また、配管差込口16と配管差込口17との間には、連通孔を形成するとともに配管P及び配管Paの位置規制を行う段部18が形成されている。段部18は、配管差込口16、17に挿入された配管P,Paの先端部を段部18の端面に当接させることにより、配管P,Paの先端位置を一定に保持する。なお、段部18の前側の端面は、加工時の刃具の外形形状が残されてテーパ状に形成されている。
軸部14の先端部、すなわち、配管差込口16の入口部にはカム面19が形成されている。カム面19は、前側において配管差込口16に連なり、後側(結合部材2側)に向けて径が大きくなる円錐状の面に形成されている。また、カム面19は、入口側、すなわち、後側(結合部材2側)の円錐部の拡がり角度θ1に対し、前側の配管差込口16に連なる近辺部19aの拡がり角度θ2が大となるように形成されている(図3(c)参照)。
結合部材2は、黄銅製であって、図1、図2、及び結合部材の単体図面である図4に示すように、軸心に配管Pを貫通させる配管貫通孔21が形成されるとともに、結合部材2を二分するように径方向の切れ目を有する円盤状スリット22が形成されている。そして、円盤状スリット22の継手本体側に継手本体1に螺合されるとともに配管接続機構を構成する管接続部23が形成され、円盤状スリット22の反継手本体側に一般の締結工具で把持可能とするように把持部24が形成されている。なお、円盤状スリット22の軸方向の位置は、継手本体1に対し結合部材2の締結が完了した配管接続作業の完了状態において、継手本体1の結合部材側端面の位置と略一致するように配置されている(図8参照)。
管接続部23の外周には、継手本体1と螺合する螺合部としての雄ねじ部23aが形成されている。また、把持部24の外形は、一般の締結工具で把持可能とするように六角ナット状に形成されている。そして、円盤状スリット22と配管貫通孔21との間に、薄肉の管状部により管接続部23と把持部24とを連結する管状連結部26が形成されている。管状連結部26は、把持部24を締め付ける回転トルクが配管接続完了時の値まで大きくなると切断される強度に設計されている。
管接続部23の継手本体端部には、フェルール3の後端部を仮止めするための仮止め機構の一部が形成されている。すなわち、管接続部23の継手本体側端部には凹部27が形成され、この凹部27の奥端面がフェルール3を押圧する押圧面28として形成されている。押圧面28は、軸心側が後方へ広がる傾斜面に形成されている。そして、この凹部27の入口には径方向内向きの環状の突部29が形成されている。この突部29の端面は、前方に径が大きくなる傾斜面29aに形成されている(図2及び図4(c)参照)。この傾斜面29aは、後述するフェルール3の後端部に形成される環状の突部35を圧入し易くするためのものである。また、内向きの突部29と押圧面28との間に環状の拡径部29bが形成されている。
また、管接続部23の反継手本体側の面には、後述する特別の工具と係合する係合部として、断面が円形で所定深さの4個の係合穴部51が形成されている。また、把持部24には、前記係合穴部51を把持部24の反継手本体側から加工可能とする加工用穴52が形成されている。この加工用穴52は、係合穴部51と相対向する位置に形成されており、図5に示すように、所定円周上において等間隔に4個形成されている。
フェルール3は、黄銅製であって、図1、図2、及び、フェルールとスペーサとの結合部材の図面である図5に示すように、継手本体1及び結合部材2とは別体に形成されたフェルールであるが、先端部に円筒状のスペーサ4が一体に形成されている。フェルール3は、配管Pを挿通させる配管挿通孔31が形成された環状物であって、軸方向に切断した断面で見て、前部32の外周面が先細のテーパ面33に形成され、さらに、後部34の外周面が軸心に略平行な円筒状の平行面に形成されている。
テーパ面33は、軸心に対する傾斜角度がカム面19の後側の円錐部の拡がり角度θ1より小さく形成されている。これにより、フェルール3の前部32が曲げられ易くなり、カム面19とテーパ面33との接触面積が大きくなるように形成されている。
また、フェルール3の後端部には、スペーサ4が一体化されたフェルール3の仮止め機構の一部として、径方向外向きの環状の突部35が形成されている。この突部35の外周端面は、フェルール3の後部34の突部35を結合部材2の拡径部29bに圧入しやすくするために、後方に径が小さくなる傾斜面35aに形成されている(図2参照)。この突部35の最大径部の外径は、前述の結合部材2の径方向内向きの環状の突部29の最小内径より僅かに大きく形成されており、圧入変形により前記内向きの突部29を介して拡径部29bに押し込められる。また、突部35の軸方向寸法は、前述の拡径部29bの軸方向寸法より僅かに小さくなるように形成されている。
フェルール3及びの仮止め機構は、管接続部23の継手本体側端面及びフェルール3の後端部において上述のように構成されている。これにより、フェルール3の後端部が結合部材2の継手本体側側面に形成された凹部27に対し、着脱自在に、かつ、結合部材2に仮止めされて一体化されたまま搬送可能に、かつ、継手本体1に対し組み付け可能に構成されている。
フェルール3の後端部は、押圧面28により押圧される受圧部を成している。そして、フェルール3の後端面は、中心側が前方位置となる傾斜面34aが中心軸側に形成され、中心軸に垂直な垂直面34bが外周側に形成されている。また、傾斜面34aと配管挿通孔31との交差により形成される角部が後エッジ部36aを形成している。
また、フェルール3の後端よりには、配管挿通孔31の内周面から径方向外側に向けて切り込まれた切込部37が形成され、切込部37とフェルール3の外周面との間には、薄肉部38が形成されている。フェルール3は、薄肉部38が形成されていることにより、薄肉部38をヒンジのようにして前後部が軸心側に曲がり易くなっている。この結果、フェルール3の前部32のテーパ面33がカム面19に密着し易くなるとともに、フェルール3の後端に形成される後エッジ部36aが配管Pに食い込み易くなっている。
スペーサ4は、フェルール3の先端に連結されて一体的に形成された円筒状の部材であって、フェルール3との連結部には内周面から径方向外側に向けて切り込まれた切込部41が形成されている。なお、この切込部41の後面とフェルール3の配管挿通孔31の内周面とが交差する角部は、フェルール3の前エッジ部36bを成している。
このスペーサ4は、図5(b)に示すように、配管差込口16の内周面と配管Pの外周面との間を埋めるように装着されるものであって、結合部材2の締結によりフェルール3と一体的に移動するとともに、自らの移動に伴い配管Pを拘束して移動させる。そして、スペーサ4は、フェルール3の後エッジ部36a及び前エッジ部36bが配管Pに食い込む前に、配管Pの先端を配管差込口16の段部18に当接させるとともに、自らの先端を配管差込口16の段部18に当接させるように構成されている。そのために、スペーサ4の内径D1は、フェルール3の配管挿通孔31の内径d1と略同一に形成されているとともに、配管Pの外径d2より僅かに大きく形成されている。すなわち、D1>d2…式(1)とされている。また、スペーサ4の肉厚Tは、配管Pを拘束しながら配管差込口16内に挿入されるのに適した絞り締め強度が得られるように設定されている。このために、スペーサ4の外径D2を配管差込口16の内径d3より僅かに大きくするとともに、配管Pの外径d2にスペーサ4の肉厚Tの2倍を加えた寸法を、配管差込口16の内径d3より僅かに大きくしている。ずなわち、D2>d3…式(2)、d2+2T>d3…(式3)とされている。
上記構成において、フェルール3とスペーサ4との連結部の肉厚は、切込部41の大きさにより調整されている。すなわち、この連結部の肉厚は、結合部材2の締結工程において、フェルール3の前エッジ部36bが配管Pに食い込む前にフェルール3からの押圧力を受け、フェルール3とスペーサ4との連結部が切断されるように調整されている。このために、配管P及びスペーサ4の各先端が段部18に当接したときに、フェルール3とスペーサ4との連結部に作用する押圧力が大きくなって連結部が切断されるとともに、後エッジ部36a及び前エッジ部36bの食い込みが始まるように、スペーサ4の長さNと配管差込口16の長さnとが略同一に形成されている。
以上のように形成されるフェルール3とスペーサ4との連結部材は、部品として搬送及び管理段階において、その後端部が結合部材2に仮止めされて一体化される。この仮止めされた状態図が図2である。このような仮止め状態とするには、フェルール3の中心軸と結合部材2の中心軸とを芯合せした状態として、フェルール3の後端部を結合部材2の凹部27に押し付ける。これにより、フェルール3の突部35の外周端面の傾斜面35aと結合部材2の内向き突部29の内周端面の傾斜面29aとが当接し、次いで、フェルール3の後端部が圧入変形される。そして、フェルール3の突部35が僅かに縮径して、拡径部29b内に挿入される。突部35は、拡径部29bに挿入された後自由状態に戻るため、外径が結合部材2の内向き突部29の内径より僅かに大きくなる。これにより、フェルール3及びスペーサ4が仮止めされるとともに搬送作業時においてフェルール3及びスペーサ4の仮止めされた状態が維持される。しかし、この内向き突部29と外向き突部35の引っ掛かりは僅かであるため、フェルール3及びスペーサ4を取り外すことも可能である。
次に、以上のように構成された本結合部材による配管接続方法について説明する。
継手本体1及び結合部材2により配管Pを接続するに際しては、先ず継手本体1を所定の装置に取り付ける、この継手本体1が取り付けられる対象としては、配管、閉鎖弁等の各種機器の配管接続ポートである。一方、接続すべき配管Pを、フェルール3及びスペーサ4が仮止めされた状態の結合部材2の配管貫通孔21、フェルール3の配管挿通孔31及びスペーサ4の内周側の孔に貫挿させて結合部材2を配管Pに外装する。このとき、配管Pの先端がスペーサ4の先端から十分に突出する状態にしておく。この外装作業は、フェルール3及びスペーサ4が仮止めされた状態の結合部材2を継手本体1から分離した状態として配管Pに外装してもよいし、フェルール3及びスペーサ4が仮止めされた状態の結合部材2を継手本体1に緩く螺合した状態としておいて、結合部材2の後方から配管Pを挿入するようにしてもよい。また、この外装作業は、スペーサ4の内径D1は、フェルール3の配管挿通孔31の内径d1と略同一とするとともに、スペーサ4の内径D1を配管Pの外径d2より僅かに大きくしているので(式(1)参照)、容易に行うことができる。また、外装作業を終えた配管Pは、その先端をスペーサ4の先端から突出させて配管差込口16内に位置するようにする。なお、配管Pの先端を段部18に当初から当接させるようにしていても問題ないことは言うまでもない。
継手本体1及び結合部材2により配管Pを接続するに際しては、先ず継手本体1を所定の装置に取り付ける、この継手本体1が取り付けられる対象としては、配管、閉鎖弁等の各種機器の配管接続ポートである。一方、接続すべき配管Pを、フェルール3及びスペーサ4が仮止めされた状態の結合部材2の配管貫通孔21、フェルール3の配管挿通孔31及びスペーサ4の内周側の孔に貫挿させて結合部材2を配管Pに外装する。このとき、配管Pの先端がスペーサ4の先端から十分に突出する状態にしておく。この外装作業は、フェルール3及びスペーサ4が仮止めされた状態の結合部材2を継手本体1から分離した状態として配管Pに外装してもよいし、フェルール3及びスペーサ4が仮止めされた状態の結合部材2を継手本体1に緩く螺合した状態としておいて、結合部材2の後方から配管Pを挿入するようにしてもよい。また、この外装作業は、スペーサ4の内径D1は、フェルール3の配管挿通孔31の内径d1と略同一とするとともに、スペーサ4の内径D1を配管Pの外径d2より僅かに大きくしているので(式(1)参照)、容易に行うことができる。また、外装作業を終えた配管Pは、その先端をスペーサ4の先端から突出させて配管差込口16内に位置するようにする。なお、配管Pの先端を段部18に当初から当接させるようにしていても問題ないことは言うまでもない。
そして、結合部材2を締め付けていくと、フェルール3の後端部が結合部材2の押圧面28で押圧され、フェルール3と一体に形成されているスペーサ4が配管Pと配管差込口16との間を埋めるように配管差込口16内に圧入される。このとき、スペーサ4の外径D2が配管差込口16の内径d3より僅かに大きく形成されているとともに、配管Pの外径d2にスペーサ4の肉厚Tの2倍を加えた寸法が配管差込口16の内径d3より僅かに大きく形成されているので(式(2)、式(3)参照)、スペーサ4の配管差込口16への挿入により、スペーサ4が配管Pを締め付ける。このため、スペーサ4は配管Pを拘束して配管差込口16を移動する(図1、図6参照)。また、配管Pの先端が段部18に当接した後に、スペーサ4の先端が段部18に当接する。
そして、スペーサ4の長さNと配管差込口16の長さnとが略同一に形成されているため、配管P及びスペーサ4の各先端が段部18に当接したときに、フェルール3とスペーサ4との連結部に作用するフェルール3からの押圧力が大きくなる。これにより、フェルール3とスペーサ4との連結部が切断されるとともに、後エッジ部36a及び前エッジ部36bの食い込みが始まる(図7参照)。これに引き続き結合部材2を締結していくと、後エッジ部36aが配管Pに食い込んで配管Pの固定が行われるとともに、前エッジ部36bが配管Pに食い込んで配管Pの外周面が気密にシールされる。そして、この後エッジ部36a及び前エッジ部36bの食い込みが所定量に達して食い込みが完了すると、管接続部23の後端面が継手本体1の後端面に略一致するとともに、結合部材2を締結する締結トルクが所定値に上昇することにより管状連結部26が切断されて結合部材2の締結作業が完了する。この結果、継手本体1の雌ねじ筒部13から突出した状態にある把持部24が管接続部23と分離され(図8参照)、配管続作業が完了する。
なお、上記のような状態で締結された配管接続部は、把持部24が切断されるため誰でもが簡単に緩められることがないが、図9に示すような専用工具60を用いることにより緩めることができるように構成されている。
この専用工具60は、図9に示すように、半円盤状の基体部61に柄部62が取り付けられている。基体部61の半円状穴63の内周半径は配管Pよりやや大径に形成されている。また、基体部61の側面に、管接続部23の4個の係合穴部51の内の任意の隣り合う3個に係合可能な3個の円柱状の係合突部64が形成されている。
配管接続部の解除は、専用工具60の係合突部64を管接続部23の任意の隣り合う3個の係合穴部51に係合させ、柄部62に力を入れて基体部61を回転させることにより、管接続部23を回転させて継手本体1との螺合を緩めることができ、配管Pを継手本体1から取り外すことができる。この配管接続解除方法によれば、配管Pを切断することなく、配管Pを取り外すことができるので配管接続解除工事が簡単になる。また、継手本体1を残した状態で配管Pを取り外すとともに、結合部材2に仮止めされていたフェルールを引き抜くことにより、この継手本体1に対し新たなフェルール3を用いて配管Pを再度接続することができる。
次に以上のように構成された本実施の形態に係る食い込み式管接続構造によれば次のような効果を奏することができる。
(1)配管接続作業の開始時において、配管Pの先端が配管差込口16の段部18に当接していない、所謂配管の挿入不足の状態で結合部材2が締結されるようなことがあっても、配管Pに偏荷重が作用することによる気密性の劣化が防止される。すなわち、配管Pの先端がスペーサ4の先端より突出する状態で配管差込口16の中に挿入されている限り、その後の結合部材2の締結により配管Pが自動的に前進されて、配管Pの先端が配管差込口16の段部18に当接される。また、その後にスペーサ4の先端が段部18に当接して配管接続作業が完了される。このようにして、配管の挿入不足の状態が解消されるので、配管Pに偏荷重が作用することによる気密性の低下を防止することができる。
(1)配管接続作業の開始時において、配管Pの先端が配管差込口16の段部18に当接していない、所謂配管の挿入不足の状態で結合部材2が締結されるようなことがあっても、配管Pに偏荷重が作用することによる気密性の劣化が防止される。すなわち、配管Pの先端がスペーサ4の先端より突出する状態で配管差込口16の中に挿入されている限り、その後の結合部材2の締結により配管Pが自動的に前進されて、配管Pの先端が配管差込口16の段部18に当接される。また、その後にスペーサ4の先端が段部18に当接して配管接続作業が完了される。このようにして、配管の挿入不足の状態が解消されるので、配管Pに偏荷重が作用することによる気密性の低下を防止することができる。
(2)また、式(1)を満足するように構成されているので、配管接続作業の開始時において、配管Pの先端を、フェルール3の配管挿通孔31及びスペーサ4の内側の孔を貫通させてスペーサ4の先端から突出させるとともに、配管Pを配管差込口16に挿入する作業を簡単に行うことができる。また、式(2)及び式(3)を満足するように構成されているので、スペーサ4が配管差込口16に挿入されるに伴い配管Pが締め付けられるので、フェルール3のエッジ部、この実施の形態では後エッジ部36a及び前エッジ部36bが配管Pに食い込む前に、スペーサ4の移動とともに配管Pを段部18に当接させるように移動させることができる。また、このようにしてスペーサ4が配管Pを締め付けることにより配管Pを仮保持することができるので、フェルール3のエッジ部(この実施の形態では後エッジ部36a及び前エッジ部36b)を食い込ませるように結合部材2を締結する作業は、配管Pを保持することなく一般の締結工具で行うことができる。
(3)また、スペーサ4とフェルール3とが一体に構成されているので、スペーサ4のみが単独で配管差込口16側に移動することがないので、配管接続開始の工程において配管Pの先端をスペーサ4の先端から突出するように、フェルール3の配管挿通孔31及びスペーサの内周側の孔を介して挿入し、配管差込口16内に挿入することが容易である。また、スペーサ4がフェルール3と一体に確実に移動するので、結合部材2の締結に伴いフェルール3の先端部をカム面19に当接するようにフェルール3を移動させる工程において、配管Pの先端を段部18に当接させることができる。
(4)また、スペーサ4の長さNが配管差込口16の長さnと略同一に形成されているので、フェルール3の前部32のテーパ面33をカム面19に押し付けるように結合部材2が締結されるまでに、配管P及びスペーサ4の先端を段部18に確実に当接させることができる。これにより、配管P及びスペーサ4の両者の先端が段部18に当接した状態で、フェルール3のエッジ部(この実施の形態では後エッジ部36a及び前エッジ部36b)が食い込むことになるので、配管Pに対する偏荷重が作用することによる食い込み部の気密性の劣化を確実に抑制することができる。
(5)また、スペーサ4とフェルール3の先端との連結部において、内周面側から径方向外周に向けて切り込まれた切込部41が形成されるとともに、この切込部41の後面とフェルール3の配管挿通孔31の内周面との角部がエッジ部(この実施の形態では前エッジ部36b)を成すように構成されている。したがって、切込部41の深さを調整するにより外周側に残される肉厚を調整することができ、この調整により、フェルール3がカム面19に押し付けられる直前にスペーサ4をフェルール3から切断することができる。また、切込部41がこのように内周面から径方向外側に向かって設けられているので、スペーサ4が切断された後において、フェルール3の前エッジ部を配管へ円滑に食い込ませることができる。
(6)また、本実施の形態に係る食い込み式管接続構造を用いた、弁、管継手は、配管Pに偏荷重が作用することによる気密性の劣化を防止することができ、信頼性が向上する。
(7)また、このような弁或は管継手を冷媒回路に用いた冷凍装置は、配管Pに偏荷重が作用することによる気密性の劣化を防止することができ、信頼性が向上する。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図10に基づき説明する。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図10に基づき説明する。
実施の形態2に係る食い込み式管接続構造は、実施の形態1に係る食い込み式管接続構造においてスペーサ4の先端部の構造を変更したものである。図10は実施の形態2に係る食い込み式管接続構造のスペーサ先端部の断面図である。なお、この図面において実施の形態1におけると同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態2に係る食い込み式管接続構造は、図10に示すように、スペーサ4内周側の孔は全長に渡り均一の内径D1としているが、その先端部の所定長さLの部分において、先端に向かうに従い肉厚が薄くなるように形成されている。そして、最先端におけるスペーサ4の外径D3は配管差込口16の内径d3より小さくなるように形成されている。すなわち、D3<d3…式(4)となるように形成されている。なお、先端の長さLの部分を除く他の部分の外径は、実施の形態1に係るスペーサ4の外径D2と同一とされている。
実施の形態2は、以上のように構成されているので、配管Pの先端をスペーサ4の先端から突出させるとともに配管差込口16に挿入した状態として、結合部材2を手回しで締め付けることにより、配管差込口16の内径d3よりより小さい外径部分を配管差込口16に挿入することができる。そして、その後に、一般の締結具を使用して結合部材2を締結すればよいので、作業性が向上する。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について、図11に基づき説明する。
実施の形態3は、実施の形態1においてフェルール3の先端部の厚さを大きくしたものである。図11は実施の形態3に係る食い込み式管接続構造におけるフェルールとスペーサとの連結部の拡大図である。なお、この図面において実施の形態1におけると同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、実施の形態3について、図11に基づき説明する。
実施の形態3は、実施の形態1においてフェルール3の先端部の厚さを大きくしたものである。図11は実施の形態3に係る食い込み式管接続構造におけるフェルールとスペーサとの連結部の拡大図である。なお、この図面において実施の形態1におけると同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態3に係る食い込み式管接続構造は、図11に示すように、フェルール3の先端とスペーサ4との連結部において、フェルール3の前エッジ部36bが形成されている先端部の厚さtを、スペーサ4の円筒部材の肉厚Tよりも大きくしたものである。
実施の形態3は、このように構成されているので、フェルール3のエッジ部、この実施の形態では前エッジ部36bの食い込み量が大きくなる。したがって、配管Pに偏荷重が作用した場合における前エッジ部36bの食い込みによる気密性の劣化をより一層効果的に抑制することができる。
(変形例)
上記実施の形態において、以下のように変更することもできる。
・本実施の形態においては、フェルール3とスペーサ4の連結部材は、継手本体1及び結合部材2とは別体に形成されるとともに、部品の段階で結合部材2に仮止めされるように形成されているが、仮止めされない独立型としてもよい。また、フェルール3とスペーサ4との連結部材は、結合部材と一体に形成され、配管接続開始時にスペーサ4が分離され、次いで、フェルールが分離されて後エッジ部36a及び前エッジ部36bが配管Pに食い込むようにしてもよい。
上記実施の形態において、以下のように変更することもできる。
・本実施の形態においては、フェルール3とスペーサ4の連結部材は、継手本体1及び結合部材2とは別体に形成されるとともに、部品の段階で結合部材2に仮止めされるように形成されているが、仮止めされない独立型としてもよい。また、フェルール3とスペーサ4との連結部材は、結合部材と一体に形成され、配管接続開始時にスペーサ4が分離され、次いで、フェルールが分離されて後エッジ部36a及び前エッジ部36bが配管Pに食い込むようにしてもよい。
・フェルール3とスペーサ4の連結部材を結合部材2に仮止めする機構は、結合部材2に対し回動可能及び所定範囲内で軸方向に移動可能に仮止めされるとともに、結合部材2に仮止めされて一体化されたたまま搬送可能、かつ、継手本体1に対し組み付け可能に構成される構造であれば他の構造に変更してもよい。
・先の実施の形態においては、フェルール3の先端部とスペーサ4との連結部における切込部41は、内周側から径方向外側に向けて切り込まれていたが、この切込部41に代えて図12に示すように、外周側から径方向内側に向けて切り込まれた切込部45とすることもできる。ただし、この場合、前エッジ部36bが形成されないので、図12に示すように連結部から少し後方に配管挿通孔31から径方向外側に向かって切り込まれた切込部39を形成し、この切込部39の後面と配管挿通孔31との角部を前エッジ部36bにすることが好ましい。
・継手本体1において、ソケット部12には被接続装置の配管Pがロー付けされる構造となっているが、ソケット部12の外周に雄ねじを形成し、被接続装置内の閉鎖弁等の機器類に直接継手本体1を取り付ける構造としてもよい。
・各実施の形態における結合部材2は、結合部材2の締結過程において管接続部23と把持部24とに分割しない構造としてもよい。
本発明は、冷凍装置、空気調和装置、給湯器等の温水装置、給水装置、一般の製造設備などにおける冷媒回路、水回路、ガス回路などに使用される食い込み式管接続構造に対し適用することができる。また、本発明を適用した食い込み式管接続構造は、配管同士の接続、閉鎖弁等の弁における管継手部、その他各種装置における管継手部に適用することができる。また、本発明を適用した食い込み式管接続構造が対象とする配管は、銅管、ステンレス管などの金属管を初め樹脂配管をも包含する。
P…配管、D1…スペーサの内径、D2…スペーサの外径、D3…先端に向かって肉厚が薄くなるように形成されたスペーサの先端部の外径、T…スペーサの肉厚、N…スペーサの長さ、d1…フェルールの配管挿通孔の内径、d2…接続すべき配管の外径、d3…配管差込口の内径、n…配管差込口の長さ、1…継手本体、2…結合部材、3…フェルール、4…スペーサ、16…配管差込口、18…段部、19…カム面、36a…後エッジ部、36b…前エッジ部、41…切込部。
Claims (11)
- 接続すべき配管を挿入する配管差込口と、配管差込口の入口部に形成されたカム面と、配管差込口に形成された接続すべき配管の先端の当り面を形成する段部とを備えた継手本体と、継手本体に螺合されて組み付けされる結合部材と、結合部材により前記カム面に押し付けられるフェルールと、前記配管差込口の内周面と前記配管の外周面との間を埋めるように装着される円筒状のスペーサとを備え、
前記スペーサは、前記結合部材の締結によりフェルールと一体的に移動するとともに、自らの移動に伴い前記配管を拘束して移動させ、さらに、フェルールのエッジ部が配管に食い込む前に配管の先端を配管差込口の段部に当接させるとともに、自らの先端を配管差込口の段部に当接させるように構成されている
ことを特徴とする食い込み式管接続構造。 - 前記スペーサは、円筒状であって、次の式(1)〜式(3)を満たすように構成されていることを特徴とする請求項1記載の食い込み式管接続構造。
D1>d2…式(1)
D2>d3…式(2)
d2+2T>d3…式(3)
ただし、式(1)〜式(3)において、
D1;スペーサの内径
D2;スペーサの外径
T;スペーサの肉厚
d2;接続すべき配管の外径
d3;配管差込口の内径
である。 - 前記フェルールは、中心部に配管挿通孔を有し、前記スペーサは、内径をフェルールの配管挿通孔の内径と略同一の内径としてフェルールの先端に連結されるとともに、フェルールと一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の食い込み式管接続構造。
- 前記スペーサは、その長さが配管差込口の長さと略同一に形成されるとともに、結合部材の締結工程において、配管の先端を段部に当接させた後に自らの先端を前記段部に当接させ、その後フェルールから分離されることを特徴とする請求項3記載の食い込み式管接続構造。
- 前記スペーサは、フェルールの先端との連結部において内周面側から径方向外周に向けて切り込まれた切込部が形成され、前記フェルールは、この切込部の後面とフェルールの配管挿通孔の内周面との角部をエッジ部とするように構成されていることを特徴とする請求項4記載の食い込み式管接続構造。
- 前記スペーサは、円筒状であって、先端部において先端に向かって肉厚が薄くなることにより外径が小さくなるように構成されるとともに、次の式(4)を満たすように構成されていることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の食い込み式管接続構造。
D3<d3…式(4)
ただし、式(4)において
D3;先端に向かって肉厚が薄くなるように形成されたスペーサの先端部の外径 - 前記フェルールは、スペーサとの連結部において、フェルールの先端部の厚さがスペーサの肉厚よりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の食い込み式管接続構造。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の食い込み式管接続構造を管継手部に用いた弁。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の食い込み式管接続構造を管継手部に用いた食い込み式管継手。
- 請求項8記載の弁を冷媒回路に用いたことを特徴とする冷凍装置。
- 請求項9記載の食い込み式管継手を冷媒回路に用いたことを特徴とする冷凍装置。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2016512318A (ja) * | 2013-03-04 | 2016-04-25 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft | ガスタービンエンジンにおける燃焼器装置 |
-
2008
- 2008-12-26 JP JP2008333740A patent/JP2010156370A/ja active Pending
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